JP3621961B2 - 転写箔送り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成型品等の成型加工と同時にその表面に転写印刷加工を行う、いわゆる成型同時絵付法において、転写箔を成型用の金型に自動的に供給する転写箔送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本件出願人は既に特公平7ー121535号の転写箔送り装置を提案している。その装置では、透明な帯状体には多数の転写箔と各転写箔の近傍一側の停止マークと他側のラインマークとが印刷されており、帯状体が上下に通過する移動金型と固定金型との上方には、帯状体の供給リールと引出しローラと供給側ラインマーク検出器と供給側ラインマーク検出器がラインマークを検出して得られた信号により供給リール、引出しローラ、供給側ラインマーク検出器等を帯状体の幅方向に駆動する供給側移動体を備え、下方には帯状体の巻取りリールと引取りローラと巻取側ラインマーク検出器と巻取側ラインマーク検出器がラインマークを検出して得られた信号により巻取りリール、引取りローラ、巻取側ラインマーク検出器等を帯状体の幅方向に駆動する巻取側移動体を備え、両金型内の転写箔に隣接した停止マークを検出する投光器と受光器からなる停止マーク検出器を備えている。しかし上記の装置では、停止マーク検出器が停止マークを検出してから所定時間(パルス)後に帯状体が停止するように構成されているので、両金型内の転写箔の帯状体長手方向の位置が微妙にずれることがあり、又一旦帯状体が停止した後に移動金型を固定金型側へ移動して型を閉じる際に移動金型の表面が固定金型側へ湾曲突出している場合等に帯状体が長手方向にずれる恐れがあり、その対策として、両金型内で帯状体の両側縁をクランプする押圧体を設けたり、その上流側と下流側の帯状体を幅一杯に押さえる案内体を設けることが不可欠であり、装置が複雑高価になりやすい不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、型を閉じ終わるまで、転写箔の長手方向と幅方向の位置を可及的に正確に保持することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長手方向に多数の転写箔とその転写箔に対応するレジスターマークが印刷された帯状体が巻回された供給リールと、この供給リールから帯状体を引き出す正逆転可能な送りローラと、この送りローラにより引き出されて固定金型と移動金型との間を通過した前記帯状体を引き取る正逆転可能な巻取りローラと、この巻取りローラにより巻き取られた帯状体を巻き取る巻取りリールとを備え、所定位置で停止した帯状体のレジスターマークを読み取るために移動金型内に内蔵したミラーブロックと、移動金型外に配置したライトおよびCCDカメラを設け、ライトから供給される光がレジスターマークを照らし、CCDカメラがレジスターマークを撮影し、CCDカメラの視野内の設定マークと前記視野内に写し出されたレジスターマークの帯状体の長手方向と幅方向のずれを0にするように帯状体を長手方向及び幅方向に駆動するように構成したことを特徴とする転写箔送り装置である。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は側面図、図2は図1のII矢視正面図である。図1のダイプレート1の前面(図1の右の面)に固定されている移動金型2の表面3(前面)に沿い樹脂製の帯状体4が上下方向に延びており、型が開いている時には移動金型2の前方に間隔を隔てて固定金型5と固定金型5の固定されたダイプレート6(固定)があり、型を閉じる時には移動金型2が前記間隔分前進して表面3が固定金型5の表面7に密着するのであるが、説明の都合上固定金型5が5aの位置で型が閉じられるものと仮定する。型が閉じられると、両金型2、5a間にはキャビティ8ができ、ゲート9からキャビティ8内に溶融状態の例えば透明なアクリル樹脂を圧入すると、帯状体4の前面に印刷されている転写箔10(図2)が熱でキャビティ8内の成型品の後面に転写され、所定時間後に型を開いて(移動金型2を後退させて)成型品を取り出すと、成型品の前面から後面に転写された転写箔(図柄)を見ることができる。
【0006】
帯状体4は移動金型表面3に沿い上方へ延び、フレーム12に支持されているガイドローラ13、ダンサーロール14、送りローラ15、ピンチロール16を経て供給リール17(ボビン)に接続している。18はピンチロール16を送りローラ15に加圧する為のシリンダーである。フレーム12は、ダイプレート1の上端に固定されたベース20に対して、格納用ガイドレール21を介して支持されているベース22上に帯状体4の幅方向(図1の紙面と直角方向、図2の左右方向)に摺動自在に支持されており、電動アクチュエータ23がラインフォロアヘッド24(ラインセンサー)から受ける信号により駆動する構成とされている。ラインフォロアヘッド24はベース22に支持されており、帯状体4の一側前面に印刷されているレジスターライン25(図2)を検出して基準位置からのずれを0にするように信号を発し、帯状体4の幅方向の位置を移動金型2に対して常に正確な所定位置に保持する。図1の26は後述する図2のライト27の為の光源である。
【0007】
帯状体4は移動金型表面3から下方へ延び、移動台29に支持されているガイドローラ30、箔幅ガイド31、ダンサーロール32、巻取りローラ33、ピンチロール34を経て巻取りリール35(ボビン)に接続している。36はピンチロール34を巻取りローラ33に加圧する為のシリンダー、37は巻取りモータである。移動台29はLMガイド39を介してベース40に支持されており、ベース40は格納用車輪41を介してレール42に支持され、レール42はベース43を介してダイプレート1に固定されている。移動台29はベース40に取り付けた横サーボ用モータ44により後述するCCDカメラ45から供給される信号により横(帯状体4の幅方向)サーボ可能となっている。なお上下のダンサーロール14、32は位置決め中はロックされるように構成されている。
【0008】
図2の帯状体4には転写箔10の近傍の縁の前面に転写箔10とレジスターライン25と共にレジスターマーク47が印刷されており、このレジスターマーク47を読み取る為に移動金型2内に内蔵したミラーブロック48と前述のライト27及びCCD(charge coupled devices……電荷結合素子)カメラ45が設けてあり、ミラーブロック48は45度傾斜しており、ライト27から供給される光がレジスターマーク47を照らし、CCDカメラ45がレジスターマーク47を撮影する。
【0009】
図3の視野49の中央には基準となる設定マーク50が予め登録されており、写し出されたレジスターマーク47と設定マーク50との間の長手方向ずれL1と幅方向ずれL2に対応する信号(パルス)が図示されていない制御装置を介して夫々正逆転可能な送りローラ15(図1)、巻取りローラ33及び横サーボ用モータ44に供給され、上記のずれが0になるように自動的に制御される。なお図2の52は送りモータ、53はバックテンション用モータ、54、55は共に後述する案内体と押圧体、56はダンサーロック用エアシリンダである。
【0010】
図2の案内体54は転写箔10を挾む上下の位置において帯状体4の幅よりやゝ長く帯状体4の幅方向に延び、図4のように移動金型表面3が3aのように固定金型側へ湾曲突出している時に位置決め後の帯状体4をクランプする機能を有する。即ち、図4の58はロッド、59は圧縮ばね、60は作動プレート、61は押圧体55を突出させる為のシリンダーである。移動金型表面が3aのように隆起している場合は、位置決め後に、まず2個の押圧体55で帯状体4の両縁を加圧し、引き続き上下のダンサーロール14、32のロックを解除し、作動プレート60を図4の左方へ後退させて上下の案内体54で帯状体4を表面3aにクランプして移動金型2を前進させる型閉め時に転写箔10のずれを防止することができる。移動金型表面3が平坦な場合は上下のダンサーロール14、32を常時ロックしておき、又は上部のダンサーロール14を省略して、移動金型2を前進させる型閉め時にも継続してCCDカメラ45による位置制御を行うこともできる。移動金型表面3が3a(図4)のように隆起している場合、移動金型2を前進させる工程中間欠的に上下のダンサーロール14、32のロックを解除したりロックすることを繰返し、ロック中にずれ修正を行い、帯状体4の張力の増加を防止しながら型が閉じ終わるまでずれ修正を継続することもでき、その場合は押圧体55や案内体54を省略可能である。
【0011】
次に動作を図5のフローチャートを参照しながら説明する。プッシュボタン(PB)又は成形機よりの信号によりスタートすると、まず上下のダンサーロール14、32がロックされ、その後に送りモータ52、巻取りモータ37がONし、カウンターが動作して設定値が与えられると停止し、その時1個のレジスターマーク47がCCDカメラ45の視野49内に入る。マークがない場合は再度スタートする。図3のように、視野49内にレジスターマーク47が入ると、ずれL1、L2が検出されて制御装置に信号が送られ、制御装置からずれを0に修正するように送りローラ15、巻取りローラ33に所定パルスの運転指令が送られ、又横サーボ用モータ44に所定パルスの横駆動指令が送られ、許容範囲内に入ると位置決めが終了し、上下のダンサーロール14、32のロックが解除され、終了信号が発信される。これに引き続きダイプレート1が前進して型が閉ざされ、ゲート9からキャビティ8内へ液状透明樹脂が圧入され、成型品の後面に転写箔10が転写される。所定時間後に型を開いて成型品を取り出すと、後面に転写箔の転写された製品が得られる。
【0012】
【発明の効果】
本発明によると、CCDカメラ45を採用したので、視野49内の設定マーク50と写し出されたレジスターマーク47の長手方向ずれL1と幅方向ずれL2とを検出して信号として制御装置に供給すると共に、上記のずれを0にするように帯状体4を上方又は下方へ、更に幅方向へ自由に駆動する信号を制御装置から出力して位置ずれを修正することができるようになる。この修正作業は型を閉じ終わるまで継続することもでき、転写箔10の位置が可及的に正確に定まる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の側面略図である。
【図2】図1のII矢視正面図である。
【図3】CCDカメラの視野を示す正面図である。
【図4】移動金型の特殊な場合を示す縦断面略図である。
【図5】動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 移動金型
4 帯状体
5 固定金型
10 転写箔
15 送りローラ
17 供給リール
33 巻取りローラ
35 巻取りリール
45 CCDカメラ
47 レジスターマーク
49 視野
50 設定マーク
L1 長手方向ずれ
L2 幅方向ずれ
Claims (1)
- 長手方向に多数の転写箔とその転写箔に対応するレジスターマークが印刷された帯状体が巻回された供給リールと、この供給リールから帯状体を引き出す正逆転可能な送りローラと、この送りローラにより引き出されて固定金型と移動金型との間を通過した前記帯状体を引き取る正逆転可能な巻取りローラと、この巻取りローラにより巻き取られた帯状体を巻き取る巻取りリールとを備え、所定位置で停止した帯状体のレジスターマークを読み取るために移動金型内に内蔵したミラーブロックと、移動金型外に配置したライトおよびCCDカメラを設け、ライトから供給される光がレジスターマークを照らし、CCDカメラがレジスターマークを撮影し、CCDカメラの視野内の設定マークと前記視野内に写し出されたレジスターマークの帯状体の長手方向と幅方向のずれを0にするように帯状体を長手方向及び幅方向に駆動するように構成したことを特徴とする転写箔送り装置。
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- 1996-07-19 JP JP19051596A patent/JP3621961B2/ja not_active Expired - Fee Related
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