JP3620868B2 - 電子部品実装装置および電子部品実装方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はベアIC部品などの電子部品を基板に実装する電子部品実装方法および電子部品実装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、基板1のパターン部分にベアIC部品2の電極部2aを合わせて接合するCOB(チップオンボード)実装方法が既に行われている。
【0003】
このように、ベアIC部品2を基板1に実装する従来の方法としては、回転ヘッドで回転駆動される吸着ノズル3によりベアIC部品2を吸着し、ベアIC部品2を吸着した吸着ノズル3や基板1を支持する移動テーブルを相対的に移動させて位置修正しながら基板1のパターンにおける電極対応部分とベアIC部品2の電極部2aを一致させた後に実装している。具体的には、電子部品を撮像する部品撮像カメラと基板を撮像する基板撮像カメラとをそれぞれ別途に設け、これらの撮像カメラによりベアIC部品2の電極部2aと基板1の電極対応部分とを撮像してそれぞれの位置データを認識し、これらの位置データに基づいてベアIC部品2および基板1の位置を修正しながら実装していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電子部品実装方法では、部品撮像カメラと基板撮像カメラとによりそれぞれ別途にベアIC部品2と基板1とを撮像し、これらの位置をそれぞれ認識して位置合わせするため、両撮像カメラ間の相対的な位置を補償しなければならず手間がかかるとともに、補償状態が悪い場合には実装品質が不安定となる問題があった。
【0005】
また、実装時には基板1と吸着状態のベアIC部品2とが平行である姿勢で実装する必要があり、平行でない場合には実装時にベアIC部品2が基板1に片当りして装着位置にずれを生じていた。
【0006】
本発明は上記問題を解決するもので、補償作業などを要することなく電子部品を基板に良好に実装することができる電子部品実装装置および電子部品実装方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の第1の電子部品実装装置は、電子部品を保持し、透明性を有する透明ヘッドと、透明ヘッドを通して電子部品の電極面と反対側の面の外形画像を撮像するとともに位置決め用ポイントが設けられた基板を透明ヘッドを通して撮像する第1の撮像装置と、電子部品の電極部を含む電極面側の外形画像を撮像する第2の撮像装置と、これらの撮像装置からの撮像画像に基づいて、電子部品の電極反対面側の外形画像に対する電子部品の電極部の相対位置を認識するとともに、撮像した位置決め用ポイントの位置データから基板のパターンにおける電極対応部分の位置データを算出し、基板の電極対応部分と電子部品の電極部との位置データが一致するように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させる制御手段とを備えたものである。
【0008】
また、本発明の第2の電子部品実装装置は、上記第1の電子部品実装装置において、透明ヘッドを通して透明ヘッド側から基板までの距離を測定する測定手段を3つ以上設け、これらの測定手段により測定した距離データに基づいて、透明ヘッド側から基板までの距離が一致して透明ヘッドに保持された電子部品と基板とが平行になるように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させる制御手段を設けたものである。
【0009】
また、本発明の第1の電子部品実装方法は、透明性を有する透明ヘッドにより電子部品を保持し、透明ヘッドにより電子部品を保持した状態で透明ヘッドを通して第1の撮像装置により電子部品の電極面と反対側の面の外形画像を撮像するとともに、第2の撮像装置により電子部品の電極部を含む電極面側の外形画像を撮像し、これらの2つの画像に基づいて電子部品の電極面と反対側の面の外形画像に対する電子部品の電極部の相対位置を認識し、電子部品を保持した透明ヘッドを基板に対向する姿勢に相対的に移動させた際に、透明ヘッドを通して、第1の撮像装置により基板に設けられた位置決め用ポイントと電子部品の外形画像とを撮像し、撮像した位置決め用ポイントの位置データから基板のパターンにおける電極対応部分の位置データを算出し、撮像した電子部品の外形画像から電子部品の電極部の位置データを算出し、これらの基板パターンの電極対応部分の位置データと電子部品の電極部の位置データとが一致するように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させ、これらの位置データが一致した位置で電子部品を基板に実装するものである。
【0010】
また、本発明の第2の電子部品実装方法は、上記第1の電子部品実装方法において、電子部品を保持した透明ヘッドを基板に対向させた際に、透明ヘッドを通して透明ヘッド側から基板までの距離を3点以上測定し、これらの距離データに基づいて、透明ヘッド側から基板までの距離が一致して透明ヘッドに保持された電子部品と基板とが平行になるように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させるものである。
【0011】
【作用】
上記第1の電子部品実装装置および電子部品実装方法において、第1の撮像装置にて電子部品の電極反対面側の外形と基板の位置決め用ポイントを認識しながら、これらの外形画像と位置決め用ポイント位置とにそれぞれ関連付けされている電子部品の電極部の位置データと基板パターンの電極対応部分の位置データととが一致するように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させるため、第1の撮像装置により撮像する2次元の画像範囲内での位置決めを、補償作業などを要することなく、確実に行うことができ、電子部品をその電極部が基板の電極対応部分に対応した状態で正確に実装することができる。
【0012】
また、上記第2の電子部品実装装置および電子部品実装方法により、透明ヘッド側から基板までの距離が一致して透明ヘッドに保持された電子部品と基板とが平行になるように位置決めできるので、電子部品が基板に片当りすることを防止でき、装着位置にずれを生じることがなくなる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。なお、従来と同機能のものには同符号を付してその説明は省略する。
【0014】
図1〜図3は本発明の一実施例にかかる電子部品実装装置の要部を概略的に示す斜視図である。
図1において、10は吸着ノズルの先端に設けられた透明ヘッドで、少なくとも下面10aと一側面10bとが透明な部材で構成されており、内部に反射ミラー11が45度の傾斜角度で配設されている。また、この透明ヘッド10の下面10aの中央にはベアIC部品2などの電子部品を吸着する孔部10cが形成されているとともに、透明ヘッド10内部を陰圧状態とする真空装置への通路(図示せず)が接続されている。
【0015】
透明ヘッド10の一側方には、反射ミラー11を介して透明ヘッド10の下方箇所を撮像する第1の撮像カメラ12が配設されている。この第1の撮像カメラ12は透明ヘッド10に対して位置固定され、一体的に移動するようになっている。また、第1の撮像カメラ12の周囲4箇所にはレーザー光を照射して照射箇所までの距離を測定する距離センサ13がそれぞれ固定されている。また、所定の位置には、上方に向けられた姿勢で配置されて、ベアIC部品2の電極部2aを含む下面側の外形画像を撮像する第2の撮像カメラ14が設けられている。
【0016】
なお、透明ヘッド10は昇降自在に保持されているとともに傾斜角度の変更などの位置調整が可能とされている。また、基板1は例えばX−Yテーブルなどに保持されてX−Y方向などに位置調整可能とされている。また、15は第1の撮像カメラ12の撮像画像、16は第2の撮像カメラ14の撮像画像である。また、上記各構成要素は図示しない制御手段により制御されている。
【0017】
次に、上記構成における電子部品実装方法について説明する。
まず、透明ヘッド10によりベアIC部品2を吸着した際に、透明ヘッド10を通して第1の撮像カメラ12によりベアIC部品2の上面側の外形画像15を撮像するとともに、第2の撮像カメラ14によりベアIC部品2の電極部2aを含む下面側の外形画像16を撮像する。そして、これらの2つの画像15,16に基づいてベアIC部品2の上面側の外形画像15に対するベアIC部品2の電極部2aの相対位置を認識する。ここで、17は、ベアIC部品2の上面側の外形画像15に下面側の外形画像16を合成した画像であり、ベアIC部品2の上面側の外形画像15に対するベアIC部品2の電極部2aの相対位置を示している。
【0018】
次に、透明ヘッド10およびベアIC部品2を基板1の上方に移動させた際に、透明ヘッド10を通して、第1の撮像カメラ12により基板1に設けられたアライメントマークなどの複数の位置決め用ポイント1aとベアIC部品2の上面側の外形画像15とを撮像するとともに、各距離センサ13により基板1までの距離をそれぞれ測定する(図2参照)。そして、撮像した位置決め用ポイント1aの位置データに基づいて基板1のパターンにおける電極対応部分の位置データを算出するとともに、撮像したベアIC部品2の上面側の外形画像15に基づいてベアIC部品2の電極部2aの位置データを算出し、基板1の電極対応部分の位置データとベアIC部品2の電極部2aの位置データとが一致するように透明ヘッド10側と基板1側とを相対的に移動させる。また、各距離センサ13からの距離データに基づいて透明ヘッド10側から基板1までの距離を算出し、透明ヘッド10側から基板1までの各距離が一致して透明ヘッド10に保持されたベアIC部品2と基板1とが平行になるように透明ヘッド10側と基板1側とを相対的に移動させる。
【0019】
これにより、図3に示すように、ベアIC部品2をその電極部2aが基板1の電極対応部分に正確に対応した状態で実装することができ、かつ透明ヘッド10に保持されたベアIC部品2と基板1とが平行になるように位置決めされるため、ベアIC部品2は基板1に片当りすることなく良好に実装される。
【0020】
なお、上記実施例においては、距離センサ13を4箇所に設けた場合を示したが、3箇所または5箇所以上設けても、透明ヘッド10と基板1との平行状態を検出することができる。また、距離センサ13を第1の撮像カメラ12の周囲に配置した場合を示したが、これに限るものではなく、透明ヘッド10に対して位置が固定されていればよく、透明ヘッド10を通すことなく距離を測定して透明ヘッド10側から基板1までの位置を換算して求める構成としてもよい。また、ベアIC部品2以外の電子部品にも適用できることはいうまでもない。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、透明性を有する透明ヘッドにより電子部品を保持し、透明ヘッドを通して第1の撮像装置により電子部品の外形画像を撮像するとともに、第2の撮像装置により電子部品の電極部を含む外形画像を撮像し、これらの画像に基づいて電子部品の外形画像に対する電極部の相対位置を認識し、透明ヘッドを基板に対向させた際に、透明ヘッドを通して、第1の撮像装置により基板の位置決め用ポイントと電子部品の外形画像とを撮像し、位置決め用ポイントの位置データから基板の電極対応部分の位置データを算出し、電子部品の外形画像から電子部品の電極部の位置データを算出し、これらの基板パターンの電極対応部分の位置データと電子部品の電極部の位置データとが一致するように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させることにより、第1の撮像装置により撮像する2次元の画像範囲内での位置決めを、補償作業などを要することなく、確実に行うことができ、電子部品をその電極部が基板の電極対応部分に対応させて正確に実装することができる。
【0022】
また、透明ヘッド側から基板までの距離を3点以上測定し、これらの距離データに基づいて、透明ヘッド側から基板までの距離が一致して透明ヘッドに保持された電子部品と基板とが平行になるように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させることにより、電子部品と基板とが平行になるように確実に位置決めできるので、電子部品が基板に片当りすることを防止でき、装着位置にずれを生じることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電子部品実装装置および電子部品実装方法におけるベアIC部品の認識時の概略的な斜視図である。
【図2】同電子部品実装装置および電子部品実装方法における距離測定時の概略的な斜視図である。
【図3】同電子部品実装装置および電子部品実装方法における実装時の概略的な斜視図である。
【図4】従来の電子部品実装方法の斜め下方より見た斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
1a 位置決め用ポイント
2 ベアIC部品(電子部品)
2a 電極部
10 透明ヘッド
11 反射ミラー
12 第1の撮像カメラ
13 距離センサ(測定手段)
14 第2の撮像カメラ
Claims (4)
- 電子部品を保持し、透明性を有する透明ヘッドと、透明ヘッドを通して電子部品の電極面と反対側の面の外形画像を撮像するとともに位置決め用ポイントが設けられた基板を透明ヘッドを通して撮像する第1の撮像装置と、電子部品の電極部を含む電極面側の外形画像を撮像する第2の撮像装置と、これらの撮像装置からの撮像画像に基づいて、電子部品の電極反対面側の外形画像に対する電子部品の電極部の相対位置を認識するとともに、撮像した位置決め用ポイントの位置データから基板のパターンにおける電極対応部分の位置データを算出し、基板の電極対応部分と電子部品の電極部との位置データが一致するように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させる制御手段とを備えた電子部品実装装置。
- 透明ヘッド側から基板までの距離を測定する測定手段を3つ以上設け、これらの測定手段により測定した距離データに基づいて、透明ヘッド側から基板までの距離が一致して透明ヘッドに保持された電子部品と基板とが平行になるように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させる制御手段を設けた請求項1記載の電子部品実装装置。
- 透明性を有する透明ヘッドにより電子部品を保持し、透明ヘッドにより電子部品を保持した状態で透明ヘッドを通して第1の撮像装置により電子部品の電極面と反対側の面の外形画像を撮像するとともに、第2の撮像装置により電子部品の電極部を含む電極面側の外形画像を撮像し、これらの2つの画像に基づいて電子部品の電極面と反対側の面の外形画像に対する電子部品の電極部の相対位置を認識し、電子部品を保持した透明ヘッドを基板に対向する姿勢に相対的に移動させた際に、透明ヘッドを通して、第1の撮像装置により基板に設けられた位置決め用ポイントと電子部品の外形画像とを撮像し、撮像した位置決め用ポイントの位置データから基板のパターンにおける電極対応部分の位置データを算出し、撮像した電子部品の外形画像から電子部品の電極部の位置データを算出し、これらの基板パターンの電極対応部分の位置データと電子部品の電極部の位置データとが一致するように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させ、これらの位置データが一致した位置で電子部品を基板に実装する電子部品実装方法。
- 電子部品を保持した透明ヘッドを基板に対向させた際に、透明ヘッド側から基板までの距離を3点以上測定し、これらの距離データに基づいて、透明ヘッド側から基板までの距離が一致して透明ヘッドに保持された電子部品と基板とが平行になるように透明ヘッド側と基板側とを相対的に移動させる請求項3記載の電子部品実装方法。
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