JP3620859B2 - 乗用農機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、後側に農作業機を昇降操作可能に装着した走行車体に、走行レバーにより変速操作される前後進無段変速装置を設けた乗用田植機等の乗用農機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平3−251106号公報に示されるように、走行レバーを前後方向一直線状に操作するよう設けて該走行レバーの操作により前後進無段変速装置の変速操作を行なう構成としたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のものは、走行車体に前後進無段変速装置を設けているので、前進変速状態と後進変速状態との切替えが無段階に且つ連続的に行え、前後進切替え操作を頻繁に行う農作業にあって良好に機体操縦が行えるものとなる。しかし、前後進無段変速装置を変速操作する走行レバーを前後一直線状に操作する構成としているので、前進変速状態から後進変速状態に切替えるときも走行レバーを連続的に前後一直線状に操作して行うものとなって、不意に後進操作が行われてしまい不測の事態に陥ることがある。また、前進変速状態から後進変速状態に連続的に切替えられるために、農作業機の上昇操作をしないで農作業機が接地した状態のままで後進させてしまい、農作業機の土中に入りこんでいる部分に泥や土を詰まらせてしまって、それにより作業不良状態が生じることがあった。
【0004】
そこで、この発明は、前進変速状態と後進変速状態との切替えが無段階に且つ連続的に行えて良好に機体操縦が行えるという利点は生かしつつ、不意の後進操作により不測の事態に陥らないようにし、しかも、農作業機が接地した状態のままで後進させないようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するために後側に農作業機4を昇降操作可能に装着した走行車体2を備え、平面視でステアリングハンドル13の左右方向一側方に前後進無段変速装置16を変速操作する走行レバー51を設けると共に、平面視でステアリングハンドル13の前記走行レバー51側の側方から機体前端にわたってステップフロア40を設けた乗用農機において、前記走行レバー51の前進変速操作を行う前進ガイド部FGが後進変速操作を行う後進ガイド部BGよりステアリングハンドル13側に位置するよう両者FG,BGを互いに左右に少しずれた位置に設けて、前進ガイド部FGと後進ガイド部BGとを連繋する移動経路の短い前後進中立ガイド部NGを設け、前記走行レバー51を左右方向に操作する前後進中立ガイド部NGでは前後進無段変速装置16が前後進中立状態となるよう構成すると共に、該前後進中立ガイド部NGで走行レバ−51が前進変速 操作側に付勢され、前後進中立ガイド部NGにおいて走行レバー51が後進変速操作側に移動したことを検出するスイッチSWを設けて、該スイッチSWの検出により前記農作業機4を上昇する手段を設けたことを特徴とする乗用農機としたものである。
【0006】
【発明の作用及び効果】
この発明は、後側に農作業機4を昇降操作可能に装着した走行車体2を備え、平面視でステアリングハンドル13の左右方向一側方に前後進無段変速装置16を変速操作する走行レバー51を設けると共に、平面視でステアリングハンドル13の前記走行レバー51側の側方から機体前端にわたってステップフロア40を設けた乗用農機において、前記走行レバー51の前進変速操作を行う前進ガイド部FGが後進変速操作を行う後進ガイド部BGよりステアリングハンドル13側に位置するよう両者FG,BGを互いに左右に少しずれた位置に設けて、前進ガイド部FGと後進ガイド部BGとを連繋する移動経路の短い前後進中立ガイド部NGを設け、前記走行レバー51を左右方向に操作する前後進中立ガイド部NGでは前後進無段変速装置16が前後進中立状態となるよう構成したので、前進変速状態と後進変速状態との切替えが無段階に且つ連続的に行えて良好に機体操縦が行えるものとなり、しかも、両操作が走行レバー51の前後方向の操作で変速操作される前進変速状態と後進変速状態とを切替えるとき、走行レバー51が左右方向に操作されここで前後進中立状態となる部分を介して操作されることになるから、急激に前後進が切替わらないようになり、不意の後進操作により不測の事態に陥ることが起こりにくい。然も、この走行レバー51が左右方向に操作される前後進中立ガイド部NGの移動経路は短く構成されているので、前進変速と後進変速との誤操作が防止されつつ、且つ、両操作間の移動が短いので操作性が良くて、能率よく農作業が行える。
【0007】
また、前後進中立ガイド部NGで走行レバ−51が前進変速操作側に付勢されているので、走行レバ−51を前後進中立ガイド部NGへ操作したときに該レバー51がステアリングハンドル13側に位置し、ステアリングハンドル13の前 記走行レバー51側の側方から機体前端までの間のステップフロア40上を作業者が移動する場合においては、作業者が誤って走行レバー51に接触して該レバー51を誤操作するようなことを防止できる。
【0008】
更に、前後進中立ガイド部NGにおいて走行レバー51が後進変速操作側に移動したことを検出するスイッチSWを設けて、該スイッチSWの検出により前記農作業機4を上昇する手段を設けたから、前進変速状態から後進変速状態に連続的に操作性良く切替えられるものでありながら、農作業機4を上昇させないで機体を後進させることを防止でき、農作業機4が接地した状態のままで後進することで農作業機4の土中に入りこんでいる部分に泥や土を詰まらせて作業不良状態が生じることを回避できる。また、前記走行レバー51を前記前後進中立ガイド部NGにあって後進変速操作側に移動すると農作業機4を上昇するから、前後進中立状態にするたびに農作業機4が上昇してしまって操作性がかえって悪くなるようなこともなく、しかも、後進変速状態に入る前に農作業機4を上昇作動させられて、迅速な前後進切替え操作にも適確に応じて農作業機4が上昇するものとなり、操作性が非常に良い。
【0009】
【実施例】
この発明の一実施例を図面に基づき説明する。乗用型田植機1は、前輪1a、1aと後輪1b、1bを備えた4輪駆動式の乗用車体2の後部に昇降リンク3を介して植付作業機4を昇降可能に装着している。また、乗用車体2と苗植付け装置4との間の乗用車体2の後部位置には、施肥装置5が配設されている。この施肥装置5は、肥料ホッパ6の下側に繰出装置7が連結され、その繰出装置7の下側から施肥管8が連結され圃場に施肥溝を作る作溝具9に導かれている。施肥管8内で圧風が作溝具9方向に流れるようにブロア10が設けられ連結されている。そして、乗用車体2から苗植付け装置4及び施肥装置5に動力が伝達されて、苗植付け装置4で所定の間隔で6条の苗が圃場に植え付けられ、この植え付けられた苗の側方に施肥装置5により繰り出された肥料が施肥管7で施肥溝に導かれて施肥される。
【0010】
乗用車体2の運転座席11の下側にはフレーム2a、2a上にエンジン12が搭載され、運転座席11の前側の車体前部に設けたステアリングハンドル13の下側にはトランスミッション15が設けられている。フレーム2a、2aはミッション15の後側部に固着されている。エンジン12の動力は油圧式無段変速機16を介してトランスミッション15に伝動されている。即ち、エンジンの第1出力プーリ12aと油圧式無段変速機16の入力プーリ16aとの間に第1伝動ベルト伝動17が、油圧式無段変速機16の第1出力プーリ16bとトランスミッション15の入力プーリ15aとの間に第2伝動ベルト18がそれぞれ設けられて動力伝達されている。また、上記第1伝動ベルト17にはベルトテンション入り切り切り替え可能なベルトテンションローラーによる始動クラッチ19が、トランスミッション15の入力プーリ15aとミッション入力軸の間には多板式摩擦クラッチによるメインクラッチ20がそれぞれ介装されている。18a、18bは第2伝動ベルト18のベルトテンションローラーで、ベルトテンションローラー18aは前進時テンションローラー、ベルトテンションローラー18bは後進時テンションローラーであり、それぞれベルトテンション方向にバネで付勢されている。また、エンジン12にオルタネータ21が取り付けられ、エンジンの第2出力プーリ12bとオルタネータの入力プーリ21aとの間に第3伝動ベルト22が設けられている。オルタネータ21で発電された電気はブロワ10を駆動するモータMに送られるよう接続されている。また、エンジン12とトランスミッション15の間には油圧ポンプ23が設けられ、この油圧ポンプ23の入力プーリ23aと油圧無段変速機の第2出力プーリ16cとの間に第4伝動ベルト24が設けられている。また、ミッション15の左右側部に前輪伝動フレーム25、25が固着され、そのフレーム25、25左右両端部に前輪ファイナルケース26、26が取り付けられ、そのケース26、26の下部回動ケースに前輪1a、1aが回向可能に取り付けられ伝動回転するようになっている。また、前記フレーム2a、2aの後端部を連結固着する連結フレーム2bの中央部に後輪フレーム27の連結軸27’が回動可能に連結していて、その後輪フレーム27の左右両端部に後輪ギヤケース28、28が取り付けられ、そのギヤケース28、28に後輪1b、1bが取り付けられている。そして、ミッション15の後側部から後輪伝動軸29、29を介して左右それぞれ後輪ギヤケース28、28に伝動して後輪1b、1bが伝動回転するようになっている。植付作業機4への伝動は、ミッション15の側部から後方に向けて植付伝動軸30を設け、それから変速機構と植付伝動クラッチ機構を内装する中間ギヤケース31を介し、第2植付伝動軸にて植付作業機4の植付部伝動ケース32に伝動される。33は苗を載せて左右に往復動する苗載台、34は、その苗載台33の下端部から一株づつ苗を取って圃場に植付る移植装置、35は左右中央に位置するセンターフロートで、中央2条植付位置の圃場面を整地しつつ、圃場面の上下位置変動に対して植付作業機4の上下位置を所定の位置に維持するように昇降リンク3を昇降作動させるための接地センサーとしても作用する。36、36はサイドフロートである。37油圧シリンダ、昇降リンク3を昇降作動させるアクチュエータとして作動するものである。38は予備苗載台、39はセンターマーカーである。
【0011】
ステアリングハンドル13の左右側下方には、ステップフロア40が設けられている。このステップフロア40は、座席11の左右前側下方まで延設され、左右前輪1a、1aと左右後輪1b、1bの上側を覆うように設けられている。よって、乗用車体2の前部から運転座席11の左右両側にかけて、作業者はそのステップフロア40上で移動することができるので、例えば乗用車体2の前端部を畦畔に着けた状態で畦畔側から苗または肥料の補給作業を行うとき、作業者は圃場に入ることなく機体前側から直接ハンドル13の左右側下方のステップフロア40上に乗って植付作業機4の苗載せ台や予備苗載せ台に苗を補給することができる。
【0012】
ステアリングハンドル13の下側でポストカバー14の上側に表示パネル41が設けられている。この表示パネル41内には、座席11に着座した操縦者から見えるように各種案内表示部42が設けられている。ここで、各種案内表示部42について説明すると、42a、42aは左右の線引きマーカー姿勢表示ランプで、水田内を作業走行中に次に右側或は左側に折返して走行するべき走路のセンターラインを泥面に線引きする線引きマーカーが植付作業機Pの左右に設けられていて、その左右の線引きマーカーのうち線引き姿勢にある側に対応して左右の表示ランプが点灯するようになっている。42bは左右水平制御作動表示ランプで、植付作業機Pが走行車体1に対して左右にローリング動して車体が傾いても植付作業機Pは左右水平になるように制御する左右水平制御装置が設けられているが、この制御装置が制御状態にあるとき点灯する表示ランプである。42cはオイルランプで、エンジンオイルが少なくなったときに点灯する表示ランプである。42dは肥料減少ランプで、この田植機に装備される施肥装置5に供給された肥料が肥料タンク6内に残り少なくなったときに点灯するランプである。42eは苗減少ランプで、植付作業機4の苗載台に載置された苗が残り少なくなったときに点灯する表示ランプである。42fは植付クラッチ作動表示ランプで、植付作業機4への伝動を断続する植付クラッチが入り状態にあるときに点灯する表示ランプである。42gはバッテリーランプで、バッテリーの充電電圧が所定電圧あるときに点灯する表示ランプで、エンジン始動後は消灯する。42hは、副変速表示ランプで、変速レバー50のレバーシフト位置に対応して点灯しその位置の変速状態を示す表示ランプである。42iは主変速表示ランプで、走行レバー51のレバー位置に対応して点灯しその前後進の増速程度を示す表示ランプである。尚、42jは燃料メーターで、42kは田植機稼働時間を示すアワーメーターである。
【0013】
尚、表示パネル41上には、左側に、後輪デフのデフロックレバー43、ホーンスイッチ44、チョークノブ45、前照灯スイッチ46が設けられ、右側にアクセルレバー47、エンジン始動停止スイッチ48、オートマーカースイッチ49(左右の前記線引きマーカーを折返し毎に左右交互に線引き姿勢に自動的に切替えられるようにする装置の作動入り切りスイッチ)が設けられている。
【0014】
次に、ハンドル13の周辺に各種操作具が配設されたハンドルポスト部の構成について説明する(図4、図5)。まず、各種操作具のメインの支持フレームとなるポストフレーム53が、ミッション15のケース上部に立設されている。このフレーム53後側に、ラックピニオン式のパワステユニット54が設けられ、そのパワステユニット54の上部にハンドル13に固着されたステアリングシャフト13aが自在継ぎ手を介して連結されている。この自在継ぎ手による屈曲中心Cを回動中心として、ハンドル13は上下に回動調節できるようになっている。
【0015】
後輪デフのデフロックレバー43は、レバー枠43aに回動自在に取り付けられたデフロックレバー軸43bに取り付けられている。前記レバー枠43aは、ポストフレーム53の上部に固着のブラケット53aに固着された支持軸55に固着されている。レバー枠43aの上面側にはレバーガイド用の開口部が設けられて、その開口部内をこのレバー43が通されて操作案内されている。このレバー43をシフトすると前記レバー軸43bが回動し、それとともにレバー軸43bに固着の操作アーム43cが回動して、ミッション15の上部に突出させた後輪デフロックシフタ43dと連結するワイヤ43eが操作されて後輪デフロック装置が切り替え作動するようになっている。このレバー43で後輪デフロック状態に切り替えると、左右の後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’によるサイドクラッチ式後輪駆動モードに切り替わるようになっている。また、後輪デフロック解除状態に切り替えると、後輪デフの差動機能が作動可能状態となりデフ式後輪駆動モードに切り替わるようになっている。水田圃場内で植付作業走行するときはサイドクラッチ式後輪駆動モードに切り替え、その他一般道路を走行するときはデフ式後輪駆動モードに切り替えて使用する。
【0016】
アクセルレバー47は、ステアリングシャフト13aを内側に回動自在に嵌合させたシャフト筒13bの外周に固着した支持部材47aの支持軸47bにレバー47基部に固着のプレート47cが前後方向に回動自在に取り付けられている。このレバー47を前後にシフトすると、レバー基部のプレート47cに取り付けられたワイヤ47dが連動し、そのワイヤで連結されるエンジン12側のアクセル機構が操作される。
【0017】
主クラッチペダル56は、そのペダル踏込み受部56aを若干前後に回動自在に取り付けるペダルアーム56bの取付け部56cが、ペダル軸57の右側に回動自在に嵌合して取り付けられている。ペダル軸57はポストフレーム53に固着のブラケット53aに回動自在に支持されている。ペダルアーム56bの取付け部56cにはアーム56dが固着し、そのアーム56dとミッション15の入力プーリー15a内側に設けられたメインクラッチ20の作動操作部材に一体の操作アーム20aがロッド56eで連結している。ペダル56が踏み込み操作されない状態ではメインクラッチ20は入り(伝動状態)となっていて、踏み込み操作されるとメインクラッチ20は切り(非伝動状態)となる。そして、このペダル56には、常に、メインクラッチ20が入り状態に戻るようスプリングが取り付けられている。また、そのスプリングの付勢に抗してメインクラッチ20を切り状態(非伝動状態)のままで保持するために、ペダルアーム56bにペダルロック部材56fがペダル踏込み受部56aの前後回動に連動して回動するように設けられていて、ペダル56を踏み込んだ状態でペダル踏込み受部56aを前後に回動させてペダルロック部材56fをポストフレーム53に固着の係止部材53bに係合操作すると、前記スプリングの付勢に抗してペダル56を踏み込み状態でロックさせてメインクラッチ20を切り状態(非伝動状態)のままに保持することができる。尚、主クラッチペダルのペダル踏込み受部56aの内側上方に小さいペダル踏込み受部57aを位置させて、始動クラッチペダル57が設けられている。このペダル57を踏み込むと、ワイヤ57bが操作されて、前記始動クラッチ19を切り操作される。エンジン12を始動する時に、この始動クラッチペダル57をメインクラッチペダル56と共に踏み込んで始動クラッチ19を切り操作すれば、油圧式無断変速機16を始動時に駆動する必要がないから、低トルクで始動することができる。
【0018】
後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’は、そのペダル踏込み受部58a、58’aに固着するペダルアーム58b、58’bの取付け部58c、58’cが、ペダル軸57の右側に取り付けられている。左側の取付け部58cはペダル軸57に一体回転するように取り付けられ、一方ペダル軸57の左側内側に一体回転するように筒58c’が取り付けられ、左側の取付け部58cと筒58c’はペダル軸57を介して一体的に回動するようになっている。右側の取付け部58’cはペダル軸57に回動自在に嵌合している。そして、左側の取付け部58cと一体回動する筒58c’に固着のアーム58dと、ミッションケース15の右側部に設けられた右側後輪サイドクラッチ・ブレーキシフタ58eとが、ロッド58f、L字状の連結プレート58g、ロッド58hを介して連結する。右側の取付け部58’cに固着のアーム58’dと、ミッションケース15の左側部に設けられた左側後輪サイドクラッチ・ブレーキシフタ58’eとが、ロッド58’f、L字状の連結プレート58’g、ロッド58’hを介して連結する。よって、左右の後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’を踏み込み操作すると、それぞれで左右の後輪サイドクラッチ・ブレーキシフタ58e、58’eを作動する。前述の通りにデフロックレバー43で後輪デフロック状態に切り替えると、サイドクラッチ式後輪駆動モードに切り替わり、左右の後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’はサイドクラッチペダルとして作用する。また、デフロックレバー43で後輪デフロック解除状態に切り替えると、デフ式後輪駆動モードに切り替わり、後輪デフの差動機能が作動可能状態となって、左右の後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’は後輪ブレーキペダルとして作用する。サイドクラッチ式後輪駆動モードに切り替えるときは、水田圃場内で走行するときだから、旋回時においては左右後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’は独立に踏み込み操作される。デフ式後輪駆動モードに切り替えるときは、路上走行するときだから、左右後輪クラッチ・ブレーキペダル58、58’は、ペダル連結プレート58iで連結されて、一体に踏み込み操作される。
【0019】
変速レバー50は、その把持部50aがハンドル13の左側近傍で、且つハンドル13と操作パネル41との上下間に位置するように設けられている。レバー50の基部は、支持軸55に固着のレバー枠43aに回動自在に取り付けられた変速レバー軸50bに、連結ピン50cでレバーが左右方向に揺動可能に連結され、且つコイルスプリング50dでレバーが内側へ回動する方向に付勢されて取り付けられている。変速レバー軸50bには操作アーム50eが固着され、そのアーム50eとミッション16の上部に設けられた変速シフタ50fに一体に取り付けられた操作プレート50f’とがロッド50gで連結されている。よって、レバー50が前後に回動操作されると、変速シフタ50fが操作されミッションケース16内の変速ギヤがシフトされようになっている。また、支持軸55の左端部にはガイドプレート50hが取り付けられていて、レバーに固着の係合ピン50iがそのガイドプレート50hに設けられたガイド溝に案内されて、レバー50が、図6に示されるように、クランク状にシフトされつつ各変速レバー位置ではレバー50がハンドル13側に接近した姿勢になるようにシフトパターンが構成されている。このシフトパターンでの各レバー位置は、前側から順に、路上速(路上走行時のレバー位置)、PTO(走行系は非伝動状態で苗植付部4に伝動するときのレバー位置)、N(ニュートラル)、そして植付速(植付作業走行するときのレバー位置)とに変速できるよう設定されている。
【0020】
走行レバー51は、その把持部51aがハンドル13の右側近傍で、且つハンドル13と操作パネル41との上下間に位置するように設けられている。レバー51の基部は、ポストフレーム53の下部側に固着のレバー軸支持部材53cに回動自在に支持された変速レバー軸51bに、連結ピン51cでレバーが左右方向に揺動可能に連結され、且つコイルスプリング51dでレバーが内側へ回動する方向に付勢されて取り付けられている。詳しくは、図7に示されるように、レバー51の基部に角筒状の連結部材51eが固着され、その連結部材51eの内側にコ字状の連結部材51fが固着している。一方、レバー軸51bの右端部にその軸と交差するように連結ピン51cが固着している。前記レバー51側のコ字状の連結部材51fがレバー軸51b側の連結ピン51cに回動自在に連結し、更に、コ字状の連結部材51fと連結ピン51cの間には、レバー51を内側へ回動させるよう付勢するコイルスプリング51d、51dが取り付けられている。レバー軸51bの左端側には操作アーム51gが固着し、その操作アーム51gの一端と油圧式無断変速機16の前後進無段階に変速操作する変速操作軸16dに一体的に取り付けられた変速操作アーム16eの一端とがロッド51hで連結されている。よって、走行レバー51を前後に回動操作すると、油圧式無断変速機16が前後進無段階に変速操作されるようになっている。また、走行レバー51の変速操作は、機体を前進させる時はレバー51の把持部51aを持って前側に押すように回動し、後進させる時はレバー51の把持部51aを持って後側に引くように回動させて操作するように設けられている。更に、前進操作時は、前側にレバー51を押すほど前進増速され、後進操作時は、後側にレバー51を引くほど後進増速されるようになっている。よって、この走行レバー51は、走行レバー51を操作する方向とそれによって変速操作されて機体が進行する方向と一致し、またそのレバー操作量が大きければ増速されるようになっているので、操作の仕方が判り易く、また誤操作も起こりにくい。
【0021】
また、走行レバー51の基部に固着のコ字状の連結部材51fの下側にはガイド係合部51f’が一体で設けられていて、そのガイド係合部51f’がミッションケース16に固着されたガイドプレート51iのガイド孔51j内に入り込んでいる。よって、そのガイド孔51jにより走行レバー51のシフトがガイドされる。ガイド孔51jは、全体がクランク状のパターンになっている。このガイド孔51jの後側で左右外側に位置する前後方向直線状のガイド部は前進ガイド部FGであり、レバー51の把持部51a側を前側に回動させて前進変速操作するときに、その前進ガイド部FGがガイド係合部51f’の回動を案内する。これにより、走行レバー51の前進変速操作時において、レバー51の把持部51a側はハンドル13側に接近した状態で前後方向に回動するようガイドされる。その前進ガイド部FGから前側で内側にずれた前後方向直線状のガイド部は後進ガイド部BGであり、レバー51の把持部51a側を後側に回動させて後進変速操作するときに、その後進ガイド部BGがガイド係合部51f’の回動を案内する。これにより、走行レバー51の後進変速操作時において、レバー51の把持部51a側は前進変速操作時におけるレバー位置よりハンドル13側から離間した状態で前後方向に回動するようガイドされる。また、前進ガイド部FGと後進ガイド部BGの連繋部は前後進中立ガイド部NGであり、前後進中立状態になるよう走行レバー51を操作するときに、この中立ガイド部NGにガイド係合部51f’を位置させる。また、この中立ガイド部NGによりレバー51は左右方向に回動するよう案内されるので、前進ガイド部FGでの前後方向のシフト動作と後進ガイド部BGでの前後方向のシフト動作とは、この中立ガイド部NGの左右方向のシフト動作を介して連繋される。よって、機体を進行状態から停止状態にするのに、走行レバー51を前進レバー位置或は後進レバー位置から前後進中立レバー位置へレバー操作する場合、前後進中立レバー位置を通り過ぎて前後反対方向の変速操作位置までレバーをオーバーシフトすることなく、確実にレバー51を前後進中立レバー位置に戻すことができる。よって、走行レバー51によって機体を停止させようとするときに、レバー51をオーバーシフトして機体を急に逆方向に進行させてしまう危険が回避される。
【0022】
尚、ガイドプレート51iのガイド孔51jにおいて、前進ガイド部FG側の幅W1に対し、後進ガイド部BGの幅W2が狭くなっていて、ガイド係合部51f’の後進ガイド部BG内の移動に抵抗を与えるようになっている。これにより、不測に何等かがレバーに接触するなどして後進変速操作側に操作されようとしても、後進変速操作時のレバー操作荷重が大きなっているから、容易には後進変速操作されない。
【0023】
また、走行レバー51は、前記コイルスプリング51d、51dによりレバー51が左右内側へ回動するよう付勢されているため、走行レバー51を前後進中立レバー位置に位置させたとき(ガイド係合部51f’を中立ガイド部NGに位置させたとき)、走行レバー51はハンドル13側に接近した姿勢をとるようになっている。よって、走行レバー51がハンドル13の左右側のステップフロア40、40上に大きく張り出していないから、そのステップフロア40、40上を移動する操縦者が走行レバー51に接触するようなことは少ない。即ち、機体の前部側から乗り降りするなどでハンドル13の左右側のステップフロア40、40上を操縦者が移動する場合に、その移動する操縦者が誤って前後進中立レバー位置にある走行レバー51に接触してそのレバーを前進変速操作側或は後進変速操作側に移動させ機体を進行させてしまうような危険な事態は起こりにくく安全である。
【0024】
また、走行レバー51が前後進中立レバー位置に位置させたときにハンドル13側に接近した姿勢をとり、且つ、その姿勢のまま走行レバー51を前側に移動させれば機体を前進変速操作することができるので、機体を前進させたり停止させたりする操作が多い乗用田植機では、走行操作性が極めてよいものとなっている。
【0025】
ところで、図8のように、走行レバー51が前後進中立レバー位置に位置し、ハンドル13側に接近した姿勢にある状態から、走行レバー51をハンドル13から離間する方向に右側に回動してガイド係合部51f’が後進ガイド部BGのシフトライン上に移動したとき、スイッチオンとなるスイッチSWを設けて、そのスイッチSWの入りで植付作業機4を昇降作動可能に装着する昇降リンク装置3が上動するように設けると、作業機4を圃場面に接地した状態で後進させて作溝具9内に泥が詰って施肥不良を起こしたりするのを防止できる。尚、Vは後進時作業機上昇作動用の油圧回路におけるソレノイドバルブで、前記スイッチSWがオンすると励磁されて油圧シリンダ37を伸長させるように油圧ポンプ23からの圧油を送油するように切り替わり、前記スイッチSWがオフとなると後進時作業機上昇作動させる圧油の流れは遮断される。Rはリリーフバルブで、Tは油圧タンクある。
【0026】
以上のように、走行レバーの前進変速操作ラインと後進変速操作ラインを左右にずらして設け、両操作ラインの連繋部に変速レバーを位置させると前後進中立状態となるように設け、前記連繋部では変速レバーがハンドル側に接近するよう付勢して設けたので、ハンドル13の左右側のステップフロア40、40上を作業者が移動する場合においては、誤って走行レバー51に接触してレバー51を移動させ機体を進行させてしまう危険な事態が起こりにくく、且つ、走行レバー51を操作する場合においては、前後進中立レバー位置へレバー操作して機体の進行を停止させるときに、前後進中立操作位置を通り過ぎて前後反対方向の変速レバー位置までオーバーシフトしてしまって機体を急に逆方向に進行させてしまう危険な事態も防止できる。
【0027】
そして、特に、後側に農作業機を昇降操作可能に装着した走行車体に、走行レバーにより変速操作される前後進無段変速装置を設けた乗用農機において、前記走行レバーの前進変速操作と後進変速操作とを互いに左右にずれた位置で前後方向に操作して行う構成とするとともに、前記走行レバーの左右方向の操作にて前進変速操作と後進変速操作とを連繋して該連繋部で前後進中立状態となるよう構成したので、前進変速状態と後進変速状態との切替えが無段階に且つ連続的に行えて良好に機体操縦が行えるものとなり、しかも、両操作が走行レバーの前後方向の操作で変速操作される前進変速状態と後進変速状態とを切替えるとき、走行レバーが左右方向の操作されここで前後進中立状態となる部分を介して操作されるから、急激に前後進が切替わらないようになり、不意の後進操作により不測の事態に陥ることが起こりにくい。
【0028】
更に、前記走行レバーを前記連繋部にあって後進変速操作側に移動すると前記農作業機を上昇する手段を設けたから、前進変速状態から後進変速状態に連続的に切替えられるものでありながら、農作業機を上昇させないで機体を後進させることを防止でき、農作業機が接地した状態のままで後進することで農作業機の土中に入りこんでいる部分に泥や土を詰まらせて作業不良状態が生じることを回避できる。また、前記走行レバーを前記連繋部にあって後進変速操作側に移動すると農作業機を上昇するから、前後進中立状態にするたびに農作業機が上昇してしまって操作性がかえって悪くなるようなこともなく、しかも、後進変速状態に入る前に農作業機を上昇作動させられて、迅速な前後進切替え操作にも適確に応じて農作業機が上昇するものとなり、操作性が非常に良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の側面図。
【図2】乗用田植機の平面図。
【図3】乗用田植機の走行車体の伝動構成を示す平面図。
【図4】走行車体のステアリングポスト部の構成を示す一部省略した側面図。
【図5】走行車体のステアリングポスト部の構成を示す一部省略した背面図。
【図6】表示パネルの平面図。
【図7】走行レバーの操作ガイド部の構成を示す斜視図。
【図8】後進時作業機上昇機構の構成を示す説明図。
【符号の説明】
2:走行車体
4:農作業機(植付作業機)
16:前後進無段変速装置(油圧式無段変速機)
40:ステップフロア
51:走行レバー
FG:前進ガイド部
BG:後進ガイド部
NG:前後進中立ガイド部
SW:スイッチ
Claims (1)
- 後側に農作業機4を昇降操作可能に装着した走行車体2を備え、平面視でステアリングハンドル13の左右方向一側方に前後進無段変速装置16を変速操作する走行レバー51を設けると共に、平面視でステアリングハンドル13の前記走行レバー51側の側方から機体前端にわたってステップフロア40を設けた乗用農機において、前記走行レバー51の前進変速操作を行う前進ガイド部FGが後進変速操作を行う後進ガイド部BGよりステアリングハンドル13側に位置するよう両者FG,BGを互いに左右に少しずれた位置に設けて、前進ガイド部FGと後進ガイド部BGとを連繋する移動経路の短い前後進中立ガイド部NGを設け、前記走行レバー51を左右方向に操作する前後進中立ガイド部NGでは前後進無段変速装置16が前後進中立状態となるよう構成すると共に、該前後進中立ガイド部NGで走行レバ−51が前進変速操作側に付勢され、前後進中立ガイド部NGにおいて走行レバー51が後進変速操作側に移動したことを検出するスイッチSWを設けて、該スイッチSWの検出により前記農作業機4を上昇する手段を設けたことを特徴とする乗用農機。
Priority Applications (2)
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JP (1) | JP3620859B2 (ja) |
-
1992
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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