JP4095357B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば苗載台及び苗植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、走行速度など作業速度を変速する無段変速機と、走行速度を変速操作する変速ペダルなど変速操作部材とはロッドなどを介し機械的に連結されていて微速(超低速)走行を行う場合には、変速操作部材(変速ペダル)を少し動かした(踏み込んだ)状態を維持させる必要があり、特に変速ペダルの場合僅かに踏み込んだ状態を維持させるのが困難なばかりでなく、畦越え作業や作業車の運搬車への積み込み或いは積み降し時に誤操作すると作業車が不意に増速するおそれがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、エンジンを搭載した走行車の後側にリンク機構を介して連結する植付部と、前記走行車の移動速度を変更する無段変速機と、前記無段変速機を変速操作する変速操作部材と、前記無段変速機の変速モータを駆動制御するコントローラとを備え、前記変速操作部材の操作量と前記無段変速機の速比の関係式を、植付作業速制御用の関係式と微速制御用の関係式とで形成するように構成した田植機において、植付作業速制御用の関係式よりも小さな比例定数の微速制御用の関係式に基づき前記変速モータを作動させる微速スイッチと、前記変速操作部材の操作位置を検出する変速操作部材用の位置センサと、前記無段変速機の変速位置を検出する変速位置センサとを備え、大きな比例定数の前記植付作業速制御において前記変速操作部材を最高速位置に操作したときの前記無段変速機の速比の最大値に比べて、小さな比例定数の前記微速制御において前記変速操作部材を最高速位置に操作したときの前記無段変速機の速比の最大値を小さく形成し、前記微速スイッチを微速制御オンに操作した場合、前記変速操作部材の操作量が0のときで、前記無段変速機の速比が最低速のときに、前記作業速制御から、前記微速制御に移行するように構成したもので、微速作業(微速制御)を必要とする場合、通常作業時(植付作業速制御)の変速操作部材の操作感覚で良好に微速作業に移行でき、誤操作による機体の急発進・急加速・急減速等を防止でき、微速作業性を向上できるものである。
【0004】
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同平面図、図3は車体フレームの側面図、図4は同平面図を示し、図中1は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン2を車体フレーム3に搭載させ、ミッションケース4側方にフロントアクスルケース5を介して水田走行用前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4後方のリヤアクスルケース7に水田走行用後輪8を支持させる。そして前記エンジン2等を覆うボンネット9両側に予備苗載台10を取付けると共に、作業者が搭乗する車体カバー11によって前記ミッションケース4等を覆い、前記車体カバー11後側上方にシートフレーム12を介して運転席13を取付け、その運転席13の前方で前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を設ける。
【0006】
また、図中15は5条植え用の苗載台16並びに複数の苗植付爪17などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台16を下部レール18及びガイドレール19を介して植付ケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース21を前記植付ケース20に支持させ、該ケース21の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、その爪ケース22・22先端に苗植付爪17・17を取付ける。
【0007】
また、前記植付ケース20前側のヒッチブラケット23をトップリンク24及びロワーリンク25を含む昇降リンク機構26を介し走行車1後側に連結させ、前記リンク機構26を介して植付部15を昇降させる油圧昇降シリンダ27をロワーリンク25に連結させ、前記前後輪6・8を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に苗を植える田植作業を行うように構成する。
【0008】
また、図中28は主変速レバー、29は植付部15の昇降・植付クラッチの入切・マーカ操作を行う植付操作レバー、30はブレーキペダル、31は変速ペダル、32はデフロックペダル、33は感度調節レバー、34は植付部15を任意高さ位置に停止させるストップレバー、35はユニットクラッチレバー35であり、操向ハンドル14位置近傍に変速及び昇降レバー28・29やブレーキ及び変速ペダル30・31を配設すると共に、運転席13位置近傍に感度調節及びストップ及びユニットクラッチの各レバー33・34・35を配設している。
【0009】
さらに、図中36は1条分均平用センタフロート、37は2条分均平用サイドフロート、38は肥料ホッパ39内の肥料を送風機40の送風力でフレキシブル形搬送ホース41を介しフロート36・37の側条作溝器42に排出させる5条用側条施肥機である。
【0010】
図3乃至図5に示す如く、前記車体フレーム3は前部フレーム43と中間フレーム44と後部フレーム45とに3分割させ、左右一対の前部フレーム43にエンジン2を、左右一対の中間フレーム44にフロントアクスルケース5を、左右一対の後部フレーム45にリヤアクスルケース7及びエンジン2に燃料を供給する燃料タンク46などを設けるもので、前部フレーム43の前側と中間に前フレーム47とベースフレーム48を連結させて平面視4角枠状に形成し、固定ブラケット49とベースフレーム48に防振ゴムを介しエンジン2を上載させる。
【0011】
また図10にも示す如く、前記後部フレーム45の中間立上り部50間をパイプフレーム51と門形フレーム52とで略平行に連結させると共に、リヤアクスルケース7に左右下端を固設する門形フレーム53の後端を一体連結させ、前記の左右の立上り部50間に燃料タンク46を配設する。
【0012】
さらに、前部フレーム43後端と後部フレーム45前端に左右中間フレーム44の前後端をボルト54を介して取外し自在に固定させると共に、左右中間フレーム44の下面にボルト55を介して左右フロントアクスルケース5を取外し自在に固定させ、前記ミッションケース4に左右フロントアクスルケース5を接続固定させる。
【0013】
図6乃至図10に示す如く、前記ミッションケース4の前面左側にパワーステアリングケース56を設け、かつケース4の右側に無段油圧変速機57を設け、油圧変速機57の変速入力用ポンプ軸58を車体前方向に突出させ、エンジン2下側で前後方向の伝達軸59にポンプ軸58を連結させると共に、エンジン2の出力軸60に伝達ベルト61を介して前記伝達軸59を連結させ、エンジン2出力を油圧変速機57に伝達する。
【0014】
また、前記ミッションケース4とリヤアクスルケース7を車体の前後方向の中心ライン上でパイプ状の連結フレーム62によって一体連結させ、ミッションケース4後方にリヤ出力軸63及びPTO出力軸64を突出させ、リヤアクスルケース7前方に突出させるリヤ入力軸65にリヤ伝達軸66を介し前記リヤ出力軸63を連結させ、走行出力軸63から左右の後輪8に動力を伝える。またリヤアクスルケース7上部の軸受67に設ける仲介軸68に自在継手軸69を介して前記PTO出力軸64を連結させ、前記植付ケース20の入力軸に自在継手軸を介して中介軸68を連結させ、PTO出力軸64から植付部15に動力を伝える。
【0015】
さらに、図11乃至図16に示す如く、前記ミッションケース4は、本体胴部70と、前蓋部71と、後蓋部72を備え、前記胴部70の前後に各蓋部71・72を着脱自在にボルト固定させ、密閉箱形に形成すると共に、前記胴部70の内部を前後に分割する仕切り壁部73を設ける。また、前蓋部71前面に前記油圧変速機57を取付け、ミッションケース4内に突出させるポンプ軸58に小径の伝達ギヤ74を係合軸支させ、伝達ギヤ74を前蓋部71にベアリング軸受し、後蓋部72後面に固定させるチャージポンプ75に伝達ギヤ74の動力をパイプ軸76を介して伝える。
【0016】
また、前記ミッションケース4内に突出させる油圧変速機57のモータ軸77にサンギヤ78を係合軸支させ、サンギヤ78を前蓋部71にベアリング軸受すると共に、前記の小径の伝達ギヤ74に大径のキャリヤギヤ79を常に噛合させ、サンギヤ78のボス部にキャリヤギヤ79を遊転軸支させるもので、キャリヤギヤ79に3枚のプラネタリギヤ80を軸81を介して回転自在に設け、サンギヤ78にプラネタリギヤ80を噛合させると共に、プラネタリギヤ80に噛合させるリングギヤ82を設け、各ギヤ78・80・82によって遊星ギヤ機構83を形成する。
【0017】
また、前記サンギヤ78と後蓋部72に合成出力軸84の前後を回転自在に軸支させ、前記リングギヤ82を合成出力軸84に係合軸支させるもので、油圧変速機57の油圧ポンプ85及び油圧モータ86の無段油圧変速出力である正逆回転出力と、伝達ギヤ74及びキャリヤギヤ79の減速回転出力(一方向の一定回転)とを、遊星ギヤ機構83のデフ作用によって合成し、ゼロ乃至最大速の一方向の回転力として合成出力軸84に伝える。即ち、油圧変速機57の油圧ポンプ85の斜板107を変更する油圧変速操作アーム109の角度を、例えば図17(1)のように−1乃至0に変化させるときのモータ軸77の回転を−1000乃至0とさせ、図17(2)のように、前記アーム109の角度に関係なくギヤ74側を1000回転させるときには、図18のように、前記アーム109の角度に対して合成出力軸84の回転を0乃至1000とさせる。
【0018】
さらに、前記合成出力軸84に前進ギヤ87と後進ギヤ88を遊転軸支させ、合成出力軸84に各ギヤ87・88をスライダ89によって選択的に係合させ、前進または中立または後進の出力に切換えると共に、仕切り壁部73と後蓋部72に前記リヤ出力軸63をベアリング軸受する。また、差動ギヤ90を介して左右の前車軸91に動力を伝えるフロント出力軸92と、PTO変速ギヤ93を係合軸支させるカウンタ軸94を設け、前記のリヤ及びフロント出力軸63・92に出力ギヤ95・96を介して後進ギヤ88の後進動力を伝え、前後輪6・8を後進駆動させると共に、リヤ出力軸63に移動ギヤ97及び植付ギヤ98を遊転軸支させ、副変速スライダ99によって各ギヤ97・98をリヤ出力軸63に選択的に係合させる。
【0019】
また、カウンタ軸94の高速用ギヤ100a・100bを介して前進ギヤ87に移動ギヤ97を常に噛合させると共に、カウンタ軸94の低速用のPTO変速ギヤ93に植付ギヤ98を常に噛合させ、各ギヤ100a・93・98を介して前進ギヤ87の動力を前記各出力軸63・92に伝え、前後輪6・8を苗の植付け作業速度で前進駆動する。また、移動ギヤ97と植付ギヤ98の両方が遊転状態となり、植付爪17などを作業者が手で回転させて詰った苗の除去などを行えるように、PTO出力軸64の手動回転を可能にすると共に、前進ギヤ87の動力を各ギヤ100a・100bを介して各出力軸63・92に伝え、圃場間の路上移動などの高速の移動速度で前後輪6・8を前進駆動する。
【0020】
さらに、図11のように、PTO変速軸101及びPTO変速機構102を介してPTO変速ギヤ93の動力をPTO出力軸64に伝え、株間変速自在に植付部15を駆動すると共に、ミッションケース4に内設させるチェン103を介してPTO出力軸64に施肥出力軸104を連結させ、植付部15と同調させて施肥機38を駆動する。また、図13のように、ミッションケース4にオイルゲージ105を設けると共に、図14のように、前記各スライダ89・99を同一のシフトフォーク106に係止させ、変速レバー28の5位置切換によって前後進及び副変速(低高速)の切換を行う。
【0021】
図16に示す如く、前記油圧ポンプ85の斜板107に制御軸108を介して油圧変速操作アーム109を連結させ、該アーム109に変速モータ110を連結させて、変速モータ110の正逆駆動で油圧モータ86の回転出力を増減速させるように構成している。なお、変速モータ110は前部フレーム43に連結させるモータ台110aに設置させている。
【0022】
また、前車軸91に差動ギヤ90を介し連結させるフロント出力軸92に走行用ブレーキ111を設け、ミッションケース4上部に突出させるブレーキ操作軸112にブレーキロッド113を介しブレーキペダル30を連結させて、ブレーキペダル30の操作でブレーキ111を作動させて機体の走行を停止させるように構成している。
【0023】
図11、図12、図16に示す如く、前記合成出力軸84のリングギヤ82と前進ギヤ87間にボールジョイント式主クラッチ114を介設させ、ミッションケース4外側へ突出させたクラッチ軸115にクラッチアーム116を介し前記ブレーキペダル30を連結させて、機体を停止させるブレーキペダル30の足踏み操作時にクラッチ軸115のシフトフォーク106を動作させて主クラッチ114を切とさせるように構成している。
【0024】
図19乃至図22に示す如く、前記ブレーキペダル30の右側に変速ペダル31を配設させるもので、ペダル軸118にペダルアーム119を介し変速ペダル31を揺動自在に支持させ、変速ペダル31に一体連結するアーム120をペダル軸118に設け、前記アーム120に足踏み解除時ペダル31を自動的に停止(速度ゼロ)位置に復帰させるバネ127とオイルダンパ128(ガススプリングでも良い)とを対向状に連結させ、踏み込んでいたペダル31から足を離したとき、オイルダンパ128の抵抗とバネ127の復動力によりペダル31が緩やかな略一定速度で戻って徐々に低速となるように構成している。
【0025】
図22に示す如く、前記ペダルアーム119の他端側には検出棒130を固設させ、ポテンショメータ形のペダル位置センサ131のセンサアーム132に検出棒130を当接させて、ペダルアーム119の足踏み操作位置をセンサ131で検出するように構成している。
【0026】
また、図2に示す如く前記変速モータ110を駆動制御して走行速度など作業速度を一定保持させるオートクルーズ電気制御用のオートクルーズスイッチ140と、変速ペダル31の同一操作量に対し変速機57の速度(速比)の関係を変更させて作業速度を微速に切換える微速制御用の微速スイッチ141と、前記オートクルーズスイッチ140のオン操作時に点灯表示させるオートクルーズ制御表示用のオートクルーズランプ143と、前記微速スイッチ141のオン操作時に点灯表示させる微速制御用の微速設定表示ランプ144を設けるもので、前記運転席13前方で操向ハンドル14近傍の操作コラム9a上面にこれらスイッチ140・141及びランプ143・144を配置させて、スイッチ140・141の容易な操作や操作の確認などを可能とさせるように構成している。
【0027】
さらに、図16に示す如く、前記油圧変速機57近傍位置に電動モータ駆動式の冷却ファン142を設置して、冷却ファン142からの冷却風でもって変速機57を外部から冷却させ変速機57内の油温の上昇を抑制するように構成している。
【0028】
そして、図23に示す如く、前記ペダル位置センサ131と、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転センサ133と、リヤ或いはフロント出力軸63・92の回転より車速を検出する車速センサ134と、前記ブレーキペダル30の足踏み操作(入)を検出するブレーキペダルスイッチ135と、前記主変速レバー28による植付(低速前進)位置を検出する植付位置センサ136と、前記操作アーム109の変速位置を検出する変速位置センサ137と、前記油圧変速機57の油温を検出する油温センサ(サーミスタなど)138と、前記油圧変速機57の油圧力を検出する変速機油圧センサ139と、前記オートクルーズスイッチ140と、微速スイッチ141とをコントローラ145に入力接続させると共に、前記変速モータ110の駆動回路146と冷却ファン142とオートクルーズランプ143と微速設定表示ランプ144にコントローラ145を出力接続させて、変速モータ110やファン142及びランプ143・144の駆動制御を行うように構成している。
【0029】
なお、実施例にあってはブレーキペダル30と走行用ブレーキ111とをブレーキロッド113など介し機械的に連結させる構成を示したが、走行ブレーキ111を電気的に作動させるブレーキ駆動機構を設けて、ペダル30によるブレーキペダルスイッチ135の操作で走行ブレーキ111の作動や主クラッチ114の入切を行わせて良い。
【0030】
本実施例は上記の如く構成するものにして、図25(1)に示す如く、例えば植付作業中の作業速(低速前進)制御にあっては変速ペダル31が最大踏み込まれた状態の操作量大のときには変速機57の速比も最大値(v1)(例えばv=1.4〜1.5m/s)に制御されて、植付作業速度を高速とさせて作業が行われる一方、図25(2)に示す如く、前記微速スイッチ141がオンとなる微速制御にあっては変速ペダル31が最大踏み込まれた状態の操作量大のときにも変速機57の速比の最大値(v2)(例えばv2=0.1m/s)は微速に制御して、植付作業速度の上限を抑制した作業を行うものである。
【0031】
そして図24に示す如く、植付位置センサ136が低速前進を検出する植付作業中又は非作業中にあって、微速スイッチ141がオン操作されるとき微速設定表示ランプ144を点灯させると共に、図24に示す如く変速ペダル31の操作量が0で変速機57の速比が最低速となる条件のとき図25(1)の一次直線の変速ペダル操作量と変速機速度(速比)の比例定数を大とさせた関係式Aより図25(2)の比例定数を小とさせた関係式Bに基づいた制御に切換えて変速ペダル31の誤操作による急発進や急加速などを防止する。
【0032】
また微速制御中に微速スイッチ141がオフ操作されるとき微速設定表示ランプ144を消灯させ、変速ペダル31の操作量が0で変速機57の速比が最低速となる条件のとき図25(1)の関係式Aに基づく通常速制御に戻すものである。
【0033】
上記から明らかなように、作業速度を変速操作する変速操作部材である変速ペダル31と、作業速度を変速させる無段変速機57とを備え、変速ペダル31の操作量と無段変速機57の速比の関係を設定する作業速(通常速)制御用及び微速制御用の2つの関係式A・Bを設け、2つの関係式A・Bを適宜切換えて変速ペダル31の操作量に対する無段変速機57の速比の変更制御を行うことによって、微速作業を必要とする場合に通常作業時の作業速の変速ペダル31の操作感覚で良好に微速作業を可能とさせて、微速作業の能率向上化と操作性の向上を図る。
【0034】
また、変速ペダル31の操作量が0で無段変速機57の速比が最低速のとき、作業速制御及び微速制御相互の切換移行を可能とさせることによって、誤操作による機体の急発進・急加速・急減速など防止して、安定した通常走行や微速走行を容易に可能とさせる。
【0035】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように、請求項1に係る発明は、エンジン2を搭載した走行車1の後側にリンク機構26を介して連結する植付部15と、走行車1の移動速度を変更する無段変速機57と、無段変速機57を変速操作する変速操作部材としての変速ペダル31と、無段変速機57の変速モータ110を駆動制御するコントローラ145とを備え、変速ペダル31の操作量と無段変速機57の速比の関係式を、植付作業速制御用の関係式Aと微速制御用の関係式Bとで形成するように構成した田植機において、植付作業速制御用の関係式Aよりも小さな比例定数の微速制御用の関係式Bに基づき変速モータ110を作動させる微速スイッチ141と、変速ペダル31の操作位置を検出する変速ペダル31用の位置センサ131と、無段変速機57の変速位置を検出する変速位置センサ137とを備え、大きな比例定数の前記植付作業速制御において変速ペダル31を最高速位置に操作したときの無段変速機57の速比の最大値v1に比べて、小さな比例定数の前記微速制御において変速ペダル31を最高速位置に操作したときの無段変速機57の速比の最大値v2を小さく形成し、前記微速スイッチ141を微速制御オンに操作した場合、変速ペダル31の操作量が0のときで、無段変速機57の速比が最低速のときに、前記作業速制御から、前記微速制御に移行するように構成したもので、微速作業(微速制御)を必要とする場合、通常作業時(植付作業速制御)の変速ペダル31の操作感覚で良好に微速作業に移行でき、誤操作による機体の急発進・急加速・急減速等を防止でき、微速作業性を向上できるものである。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図である。
【図2】田植機の全体平面図である。
【図3】走行車体の側面図である。
【図4】走行車体の平面図である。
【図5】車体フレームの側面図である。
【図6】駆動部の側面説明図である。
【図7】駆動部の平面説明図である。
【図8】サイドクラッチ操作系の側面説明図である。
【図9】サイドクラッチ操作系の平面説明図である。
【図10】車体の斜視説明図である。
【図11】ミッションケースの断面図である。
【図12】同走行駆動部の説明図である。
【図13】遊星ギヤ機構の説明図である。
【図14】ミッションケースの部分図である。
【図15】遊星ギヤ機構の断面図である。
【図16】ミッションケースのギヤ配列説明図である。
【図17】出力説明図である。
【図18】合成出力軸の出力説明図である。
【図19】操作部の斜視説明図である。
【図20】操作部の側面説明図である。
【図21】ペダル部の斜視説明図である。
【図22】変速ペダル部の側面図である。
【図23】制御回路図である。
【図24】微速制御のフローチャートである。
【図25】関係式の線図である。
【図26】微速制御の開始説明図である。
【符号の説明】
1 走行車
2 エンジン
15 植付部
26 リンク機構
31 変速ペダル(変速操作部材)
57 無段変速機
110 変速モータ
131 変速ペダル用の位置センサ
137 変速位置センサ
141 微速スイッチ
145 コントローラ
A・B 関係式
Claims (1)
- エンジンを搭載した走行車の後側にリンク機構を介して連結する植付部と、前記走行車の移動速度を変更する無段変速機と、前記無段変速機を変速操作する変速操作部材と、前記無段変速機の変速モータを駆動制御するコントローラとを備え、前記変速操作部材の操作量と前記無段変速機の速比の関係式を、植付作業速制御用の関係式と微速制御用の関係式とで形成するように構成した田植機において、
植付作業速制御用の関係式よりも小さな比例定数の微速制御用の関係式に基づき前記変速モータを作動させる微速スイッチと、前記変速操作部材の操作位置を検出する変速操作部材用の位置センサと、前記無段変速機の変速位置を検出する変速位置センサとを備え、
大きな比例定数の前記植付作業速制御において前記変速操作部材を最高速位置に操作したときの前記無段変速機の速比の最大値に比べて、小さな比例定数の前記微速制御において前記変速操作部材を最高速位置に操作したときの前記無段変速機の速比の最大値を小さく形成し、
前記微速スイッチを微速制御オンに操作した場合、前記変速操作部材の操作量が0のときで、前記無段変速機の速比が最低速のときに、前記作業速制御から、前記微速制御に移行するように構成したことを特徴とする田植機。
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