JP3619648B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のトランスミッションまたはトランスファまたはデファレンシャルまたはプロペラシャフトの中途部位などに適用される駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両の駆動力伝達装置には複数の回転部材が配置されており、エンジンの出力が複数の回転部材を介して車輪に伝達される。また、駆動力伝達装置において、複数の回転部材同士の間にクラッチ機構が配置されている場合は、必要に応じてクラッチ機構の係合・解放を行うことで、トルクの伝達または遮断を任意に切り換えることが可能である。このように、複数の回転部材のトルク伝達経路にクラッチ機構が配置された駆動力伝達装置の一例が特開平3−282019号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載された駆動力伝達装置は、中空に形成されたキャリヤ(固定部材)と、キャリヤの内部に挿入された連結軸(第1回転部材)と、キャリヤの内部に配置され、かつ、連結軸と相対回転可能なハブ(第2回転部材)とを備えている。連結軸とハブとが軸線上に配置され、キャリヤと連結軸との間には軸受が装着されている。
【0004】
また、キャリヤには環状の電磁石が取り付けられ、ボルトにより電磁石とキャリヤとが回り止め固定されている。さらに、連結軸には円筒状の側壁(磁性体)が固定されており、側壁と電磁石との間には所定のギャップが設定されている。さらに、側壁の外周にはドラムが接続されており、ドラムとハブとの間には、パイロットクラッチとメインクラッチとが配置されている。
【0005】
パイロットクラッチは、ドラムの内周にスプライン嵌合されたクラッチディスクと、ハブの外周に軸線方向に移動可能に取り付けられたカム部材と、カム部材の外周にスプライン嵌合されたクラッチプレートと、電磁力により側壁側に吸引されるアーマチュアとにより構成されている。また、メインクラッチは、ドラムの内周にスプライン嵌合されたクラッチディスクと、ハブのフランジにスプライン嵌合されたクラッチプレートとにより構成されている。さらに、カム部材とメインクラッチとの間には、軸線方向に移動可能な押圧部材が配置されている。さらにまた、カム部材と押圧部材との間にはボールが挿入されている。
【0006】
上記構成の駆動力伝達装置によれば、電磁石に電流が供給されない場合はパイロットクラッチが解放されており、連結軸のトルクはハブに伝達されない。また、電磁石に電流が供給された場合は、側壁とアーマチュアとを磁束が通過して電磁力によりアーマチュアが側壁側に吸引される。すると、パイロットクラッチが係合されてカム部材が回転され、カム部材の回転がボールに伝達されて押圧部材が軸線方向に動作し、メインクラッチが係合されて連結軸のトルクがハブに伝達される。
【0007】
このように、上記公報に記載された駆動力伝達装置においては、電磁石により形成される電磁力により、パイロットクラッチの係合・解放が制御される。言い換えれば、電磁石と側壁との間に設定されるギャップの透磁率により、連結軸からハブに伝達されるトルクの伝達特性が決定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載された駆動力伝達装置においては、側壁が、連結軸および軸受を介してキャリヤに取り付けられている。一方、電磁石が、ボルトによりキャリヤに回り止め固定されている。つまり、側壁と電磁石との間に形成されるギャップが、ボルトと軸受との複数の部材により設定されている。このため、側壁と電磁石とのギャップの設定精度が低下する可能性がある。
【0009】
その結果、アーマチュアを動作させるための磁気吸引力の制御が困難になり、パイロットクラッチの係合力(トルク容量)、ひいてはメインクラッチの係合力が所期の値に制御されず、駆動力伝達機能が低下する可能性があった。
【0010】
この発明は上記事情を背景としてなされたもので、電磁石と磁性体との間に形成されるギャップの精度を可及的に向上させることの可能な駆動力伝達装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記目的を達成するため請求項1の発明は、軸線を中心として相対回転可能に配置された第1回転部材および第2回転部材と、この第1回転部材と第2回転部材との間のトルク伝達を制御するクラッチ機構と、このクラッチ機構を係合・解放させる電磁力を発生する電磁石と、この電磁石に対してギャップを介して配置された磁性体と、前記電磁石を支持するために回転不能に配置された固定部材とを備えた駆動力伝達装置において、前記第1回転部材と前記電磁石との間に配置されて前記ギャップを設定するように前記第1回転部材を支持する第1軸受と、前記固定部材と前記電磁石との相対回転を防止する回り止め機構と、前記固定部材と前記第1回転部材との間に配置されてこの第1回転部材を支持する第2軸受とを備え、前記第1軸受と前記第2軸受とが前記軸線方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とする。前記第1回転部材には、第1回転部材自体と、第1回転部材と一体的に回転される部材とが含まれる。
【0012】
請求項1の発明によれば、第1回転部材と電磁石との間に配置された単一の第1軸受によりギャップが設定される。ここで、第1軸受は装着される部材と支持する部材との半径方向の相対位置を正確に設定することのできる寸法精度を本来備えているため、ギャップの設定精度が可及的に向上する。したがって、クラッチ機構の係合力、言い換えればトルク容量の制御が容易になり、第1回転部材と第2回転部材との間で相互に伝達される駆動力の伝達機能が向上する。
【0013】
また、請求項1の発明によれば、第1軸受と第2軸受とが軸線方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されている。このため、二つの軸受の軸線方向の配置スペースが可及的に抑制され、駆動力伝達装置を軸線方向に小型化することが可能になる
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記電磁石の一部と、前記第1軸受および前記第2軸受とが、前記軸線方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1の構成に加え、前記固定部材と前記第1回転部材との間に配置されてこの第1回転部材を支持する第3軸受を備え、前記第1回転部材の軸線方向の一端が前記第2軸受により支持され、前記第1回転部材の軸線方向の他端が前記第3軸受により支持されていることを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明によれば、請求項1と同様の作用を得られる他、第1回転部材が半径方向に高精度に位置決めされる。したがって、第1回転部材の振動と、この振動に起因する騒音が抑制される。
【0029】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2は、スタンバイ四輪駆動車に搭載された駆動力伝達装置を示す正面半断面図である。この駆動力伝達装置は、プロペラシャフトとデファレンシャルとの間に配置されている。図1および図2において、1はデファレンシャルキャリヤで、デファレンシャルキャリヤ1は回転不能に固定されている。このデファレンシャルキャリヤ1の内部には軸線A1を中心として回転されるドライブピニオンシャフト2が配置されている。デファレンシャルキャリヤ1の内周には軸受3が装着されており、軸受3によりドライブピニオンシャフト2が回転可能に支持されている。
【0030】
ドライブピニオンシャフト2には、軸受3の軸線A1方向の両側にスリーブ4とナット5とが取り付けられている。このスリーブ4とナット5とにより軸受3が挟み付けられて、ドライブピニオンシャフト2とデファレンシャルキャリヤ1とが軸線A1方向に位置決めされている。なお、デファレンシャルキャリヤ1の内部には、公知の歯車機構により構成されたデファレンシャルが配置されている。
【0031】
また、デファレンシャルキャリヤ1の開口端には、軸線A1を中心とする円筒状のカバー6が固定されている。そして、カバー6の外部からカバー6の内部およびデファレンシャルキャリヤ1の内部に亘り、有底円筒状のカップリングケース7が配置されている。このカップリングケース7は、アルミニウムなどの非磁性材料により構成されている。カップリングケース7は、小径円筒部9と底部10と環状の接続部11と大径円筒部12とを備えている。
【0032】
この小径円筒部9はカバー6の開口部8に配置され、底部10により、小径円筒部9におけるカバー6の外部側端部が閉塞されている。環状の接続部11は、小径円筒部9におけるカバー6の内部側端部から外周側に向けて張り出されている。大径円筒部12は、接続部11の外周端からデファレンシャルキャリヤ1の内部側に向けて配置されている。
【0033】
小径円筒部9には軸線A1方向に貫通されたオイル注入孔9Aが形成されている。このオイル注入孔9Aはカップリングオイル室(後述)にオイルを注入するためのもので、オイル注入後にはオイル注入孔9Aにボール9Bが圧入されて液密にシールされる。また、オイル注入孔9Aの入口側がかしめられており、カップリングオイル室の圧力によりボール9Bがオイル注入孔9Aから抜け出すことが防止されている。なお、小径円筒部9の外部端面には、軸線A1を中心とする円周上に4箇所の雌ねじ部9Cが形成されている。
【0034】
前記カバー6の開口部8側の端部内周にはシール軸受13が固定されている。また、デファレンシャルキャリヤ1におけるカバー6側の端面14には、軸線A1を中心としてカバー6側に向けて突出された円筒部15が形成されている。この円筒部15の外周にはシール軸受16が固定されている。これらシール軸受13,16は内輪と外輪との間をシールするためのシール部材が取り付けられた公知の構造のものである。
【0035】
また、シール軸受13,16の内部には潤滑用のグリースが封入されている。そして、シール軸受13の内輪がカップリングケース7の小径円筒部9の外周に装着され、シール軸受16の外輪が大径円筒部12のデファレンシャルキャリヤ1側の端部内周に装着されている。つまり、カップリングケース7はシール軸受13,16により軸線A1を中心として回転可能に支持されている。
【0036】
一方、カップリングケース7の小径円筒部9におけるカバー6の外部側端面にはフランジ17が取り付けられている。フランジ17には軸線A1を中心とする円周上に4箇所の孔17Aが形成されている。そして、各孔17Aにそれぞれボルト18が挿入され、各ボルト18が雌ねじ部9Cにねじ込まれて締め付けられ、小径円筒部9とフランジ17とが固定されている。フランジ17は、プロペラシャフト(図示せず)に接続される。なお、小径円筒部9の外周には円筒状のダストデフレクター19が嵌合されており、ダストデフレクター19により外部からのダストの侵入が防止されている。また、開口部8はシール軸受13によりシールされている。
【0037】
前記カバー6の内部には軸線A1を中心として回転されるシャフト20が配置されている。このシャフト20の内部には隔壁21により軸線A1方向に区画された凹部22,23が形成されている。凹部22,23は軸線A1を中心とする円柱状の空間である。そして、デファレンシャルキャリヤ1側に配置された凹部22の内周にはドライブピニオンシャフト2の先端がスプライン嵌合されている。
【0038】
また、シャフト20の軸線A1方向の長さは、デファレンシャルキャリヤ1の開口端からカップリングケース7の小径円筒部9の内方に到達する値に設定されている。そして、小径円筒部9の内周と、シャフト20の小径円筒部9側の端部外周との間に軸受24が装着され、軸受24によりシャフト20が回転可能に支持されている。さらに、小径円筒部9の内周に装着されたスナップリング25と、シャフト20の外周に装着されたスナップリング26とにより軸受24が挟み付けられ、シャフト20とカップリングケース7とが軸線A1方向に位置決めされている。
【0039】
前記シャフト20の外周側には環状の回転子27が配置されている。この回転子27は、カップリングケース7の内部からデファレンシャルキャリヤ1の内部に到達する軸線A1方向の長さを備えている。回転子27は軸線A1を中心として回転可能であり、回転子27は、半径方向の断面形状がほぼL字形の内筒部28と、内筒部28の外周に固定された環状の遮断部材29と、遮断部材29の外周に固定された外筒部30とにより構成されている。
【0040】
内筒部28および外筒部30は鉄などの磁性材料により構成され、遮断部材29は非磁性材料により構成されている。そして、回転子27の外筒部30がカップリングケース7の内周にねじ結合され、かつ、溶接により回転不能に固定されているため、カップリングケース7と回転子27とが一体的に回転される。
【0041】
また、回転子27の内筒部28の内周には金属製のブッシュ31が嵌合されている。そして、ブッシュ31によりシャフト20が支持され、回転子27とシャフト20とが相対回転可能に構成されている。さらに、内筒部28の内周とシャフト20の外周との間には、ゴム状弾性体により構成されたXリング32が装着されている。このXリング32により、シャフト20と回転子27との間が液密にシールされている。さらに、外筒部30の外周とカップリングケース7の内周との間には、ゴム状弾性体により構成されたOリング33が装着されている。このOリング33により、回転子27とカップリングケース7との間が液密にシールされている。
【0042】
さらにまた、デファレンシャルキャリヤ1の内周における軸受3と円筒部15との間には、ゴム状弾性体および金属補強環により構成されたオイルシール34が装着されている。オイルシール34によりデファレンシャルキャリヤ1と回転子27との間が液密にシールされている。そして、デファレンシャルキャリヤ1の内部に、Xリング32およびオイルシール34により液密にシールされたデファレンシャルオイル室B1が形成されている。前記ドライブピニオンシャフト2はデファレンシャルオイル室B1に配置されている。
【0043】
また、デファレンシャルキャリヤ1とカバー6とカップリングケース7と回転子27とにより取り囲まれた空間が、オイルシール34とOリング33とシール軸受13とにより周囲の空間から液密および気密にシールされて電磁石収納室C1が形成されている。さらに、カップリングケース7とシャフト20と回転子27とにより取り囲まれた空間が、Oリング33とXリング32とにより周囲の空間から液密にシールされてカップリングオイル室D1が形成されている。
【0044】
前記電磁石収納室C1には電磁石35が配置されている。この電磁石35は、磁性材料により構成された環状の鉄心36と、鉄心36に巻き付けられたコイル37と、コイル37に電流を供給する電線38とを備えている。前記回転子27の内筒部28と外筒部30との間には、環状の凹部39が形成されている。この凹部39内に電磁石35が配置されている。
【0045】
そして、鉄心36のデファレンシャルキャリヤ1側に一体的に形成された円筒部40と、回転子27の内筒部28との間には軸受(ラジアル軸受)41が装着され、電磁石35と回転子27とが相対回転可能に構成されている。さらに、軸受41と、内筒部28に装着されたスナップリング42と、鉄心36に装着されたスナップリング43とにより、電磁石35と回転子27とが軸線A1方向に位置決めされ、かつ、半径方向に位置決めされている。このようにして、鉄心36の内周と内筒部28との間のギャップ(エアギャップ)E1と、鉄心36の外周と外筒部30との間のギャップ(エアギャップ)F1とが、単一の軸受41により設定されている。
【0046】
また、電磁石35とデファレンシャルキャリヤ1とが回り止め機構により相対回転不能に接続されている。この回り止め機構について図3を参照しながら説明する。図3は鉄心36の円筒部40およびデファレンシャルキャリヤ1の円筒部15の半径方向の断面図である。鉄心36の円筒部40の外周には、外側に突出された複数の凸部44が形成されている。そして、凸部44の内のいずれか一つの凸部44の内部に電線38が埋めこまれている。
【0047】
一方、デファレンシャルキャリヤ1の円筒部15の内周には、複数の凸部44に対応する位置に複数の凹部45が形成されている。そして、鉄心36の円筒部40がデファレンシャルキャリヤ1の円筒部15の内部に配置され、複数の凸部44が複数の凹部45にそれぞれ没入されている。この凸部44と凹部45との係合力によりデファレンシャルキャリヤ1と電磁石35との相対回転が防止される。なお、凸部44および凹部45は各々一つ以上設けられていればよい。これら、円筒部15および凸部44ならびに凹部45は、カバー6の開口部6Aおよびデファレンシャルキャリヤ1の開口部1Aに臨み配置されている。
【0048】
このようにして、軸線A1を中心として軸受41の半径方向の外側に、デファレンシャルキャリヤ1と電磁石35との相対回転を防止する回り止め機構が配置され、回り止め機構の半径方向の外側にシール軸受16が配置されている。なお、円筒部15には、一つの凹部45と円筒部15の外周面とを連通する切り欠き46が形成されている。この切り欠き46は、電磁石35の円筒部40をデファレンシャルキャリヤ1の円筒部15の内部に挿入する際に、電線38を通過させるためのものである。
【0049】
前記デファレンシャルキャリヤ1のカバー6側の端面14には溝14Mが形成されており、電線38が溝14Mに沿って配置されている。また、電線38は、デファレンシャルキャリヤ1とカバー6との当接面に形成された貫通溝47を介してデファレンシャルキャリヤ1およびカバー6の外部に取り回され、図示しない電源に接続されている。さらに、デファレンシャルキャリヤ1の円筒部15の外周には環状のシム48が取り付けられ、シム48の端面にはシール軸受16が当接されている。そして、溝14に通された電線38がシム48により押さえ付けられ、電線38が固定されている。
【0050】
前記カップリングオイル室D1には、電磁石35の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチ49と、パイロットクラッチ49の係合に連動して係合されてカップリングケース7のトルクをシャフト20に伝達するメインクラッチ50とが配置されている。
【0051】
パイロットクラッチ49は、アーマチュア51と複数のクラッチディスク52と複数のクラッチプレート54とを備えている。このアーマチュア51は、回転子27から所定間隔をおいた位置に配置されている。また、複数のクラッチディスク52は、アーマチュア51と回転子27との間に配置されている。さらに、複数のクラッチディスク52と複数のクラッチプレート54とは交互に配置されている。これらアーマチュア51および複数のクラッチディスク52の外周が、カップリングケース7の内周にスプライン嵌合されている。
【0052】
また、シャフト20の外周には環状のカム53が装着されており、クラッチプレート54の内周がカム53の外周にスプライン嵌合されている。環状のカム53とシャフト20とは相対回転可能に構成されている。また、カム53と回転子27の内筒部28との間にはスラスト軸受20Aが配置されている。スラスト軸受20Aは、カム53に作用するスラスト荷重を受け止め、かつ、回転子27とカム53とを相対回転可能に維持するために配置されている。
【0053】
一方、メインクラッチ50はパイロットクラッチ49とカップリングケース7の小径円筒部9との間に配置されている。このメインクラッチ50は、複数のクラッチディスク55と、複数のクラッチディスク55と交互に配置された複数のクラッチプレート56とを備えている。これら複数のクラッチディスク55の外周がカップリングケース7の内周にスプライン嵌合され、クラッチプレート56の内周がシャフト20の外周にスプライン嵌合されている。
【0054】
さらに、メインクラッチ50とパイロットクラッチ49との間には環状のピストン57が配置されている。ピストン57はシャフト20の外周にスプライン嵌合されている。図4に示すように、ピストン57とカム53との対向面には、断面台形の溝58,59が形成されている。溝58,59には逆方向に傾斜された受圧面58A,59Aがそれぞれ形成されている。そして、溝58,59にはボール60が配置されている。
【0055】
上記カップリングオイル室D1には、クラッチディスク52,55およびクラッチプレート54,56の耐摩耗性およびオイル切れ性ならびに耐ジャダー性を良好に維持する特性を備えたカップリングオイルが封入されている。このカップリングオイルとしては、鉱油系の潤滑油に各種の添加剤を加えたものが例示される。また、デファレンシャルオイル室B1には、温度による粘度変化が少なく、また、流動点が低く、さらに、耐熱および酸化安定性がよく、耐荷重性に優れた特性の潤滑油が封入されている。この潤滑油としては、鉱油系の潤滑油が例示される。
【0056】
ここで、上記駆動力伝達装置の構成と、この発明との対応関係を説明する。すなわち、デファレンシャルキャリヤ1とカバー6とがこの発明の固定部材に相当し、カップリングケース7と回転子27とがこの発明の第1回転部材に相当する。また、シャフト20とドライブピニオンシャフト2とがこの発明の第2回転部材に相当し、パイロットクラッチ49がこの発明のクラッチ機構に相当し、外筒部30と内筒部28とが、この発明の磁性体に相当する。
【0057】
さらに、デファレンシャルキャリヤ1の円筒部15と、円筒部15に形成された凹部45と、鉄心36の円筒部40と、円筒部40に形成された凸部44とがこの発明の回り止め機構に相当する。さらにまた、軸受41がこの発明の第1軸受に相当し、シール軸受16がこの発明の第2軸受に相当する。また、シール軸受13がこの発明の第3軸受に相当する。
【0058】
そして、上記のように一体的に組み付けられたカップリング7とパイロットクラッチ49とメインクラッチ50と電磁石35とにより、一つのユニットが構成されている。
【0059】
つぎに、上記構成の駆動力伝達装置の動作を説明する。まず、電磁石35に電流が供給されない場合は、パイロットクラッチ49およびメインクラッチ50が解放されている。このため、図示しないプロペラシャフトからカップリングケース7に伝達されたトルクは、シャフト20およびドライブピニオンシャフト2には伝達されない。
【0060】
一方、電磁石35に電流が供給されると、鉄心36と外筒部30とアーマチュア51と内筒部28とを磁束が通過して磁気回路が形成される。このため、電磁力(磁気吸引力)により、アーマチュア51が、外筒部30および内筒部28側に移動する。すると、複数のクラッチディスク52と、複数のクラッチプレート54とが係合される。その結果、カップリングケース7のトルクが、パイロットクラッチ49を介してカム53に伝達される。
【0061】
カム53にトルクが伝達されると、図4に示すようにカム53とピストン57とが矢印方向に相対回転する。すると、ボール60が、同一方向に傾斜された受圧面58A,59Aに押し付けられ、受圧面58A,59Aがボール60を溝58,59の外部に押し出す力が作用する。その結果、カム53とピストン57とが、軸線A1方向において相互に離反する向きのスラスト荷重が生じる。
【0062】
ここで、カム53はスラスト軸受20Aにより受け止められており、回転子27側に移動することが防止されている。このため、前記スラスト荷重により、ピストン57がメインクラッチ50側に押し付けられ、複数のクラッチディスク55と、複数のクラッチプレート56とが係合される。つまり、パイロットクラッチ49の係合力が、カム53とボール60とピストン57とにより増幅され、メインクラッチ50に伝達される。メインクラッチ50が係合されると、カップリングケース7のトルクがメインクラッチ50を介してシャフト20およびドライブピニオンシャフト2に伝達される。
【0063】
そして、上記の駆動力伝達装置によれば、内筒部28と電磁石35との間に装着された単一の構成部材である軸受41によりギャップE1,F1が設定される。ここで、ラジアル軸受である軸受41は、装着される部材と支持する部材との半径方向の相対位置を正確に設定することのできる寸法精度を、本来備えている。このため、ギャップE1,F1の設定精度が可及的に向上する。
【0064】
したがって、複数のクラッチディスク52と、複数のクラッチプレート54との係合力(トルク容量)の制御が容易になる。その結果、複数のクラッチディスク55と、複数のクラッチプレート56との係合力(トルク容量)の制御が容易になる。つまり、カップリングケース7からシャフト20に伝達される駆動力の伝達機能が向上する。
【0065】
また、軸受41および回り止め機構ならびにシール軸受16などの構成要素が、軸線A1方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されている。このため、これらの構成要素の軸線A1方向の配置スペースが可及的に抑制され、駆動力伝達装置を軸線A1方向に小型化することが可能になる。なお、軸受41と回り止め機構とシール軸受16とを、軸線A1方向に部分的にオーバーラップする構成を採用することも可能である。
【0066】
さらに、この実施例では、カップリングケース7の軸線A1方向の一端がシール軸受16により支持され、カップリングケース7の軸線A1方向の他端がシール軸受13により支持されている。このため、カップリングケース7が半径方向に高精度に位置決めされ、カップリングケース7の振動と、この振動に起因する騒音(こもり音)とが抑制される。
【0067】
さらに、電磁石35とデファレンシャルキャリヤ1との相対回転を防止する回り止め機構が、電磁石35自体に形成された凸部44と、デファレンシャルキャリヤ1自体に形成された凹部45とを備えており、凸部44と凹部45との係合力により回り止め機能が生じる。
【0068】
ここで、デファレンシャルキャリヤ1に対してユニットを組み付ける作業を説明する。すなわち、電磁石35とデファレンシャルキャリヤ1とを軸線A1方向に相対移動させ、電磁石35の円筒部40をデファレンシャルキャリヤ1の円筒部15内部に挿入させる。上記の簡単な作業により、電磁石35とデファレンシャルキャリヤ1との回り止めを達成できる。したがって、駆動力伝達装置の組み立て作業を容易、かつ迅速に行うことができる。
【0069】
また、電磁石35とデファレンシャルキャリヤ1との相対回転を防止するために別部品などを取り付ける必要がなく、駆動力伝達装置の部品点数が抑制される。したがって、駆動力伝達装置の組み立て作業性が一層向上し、かつ、駆動力伝達装置の軽量化を図ることが可能になる。
【0070】
また、電磁石収納室C1が、オイルシール34とOリング33とシール軸受13とにより流体密(液密および気密)にシールされている。そして、電磁石収納室C1には、電磁石35およびギャップE1,F1が配置されている。このため、デファレンシャルオイル室B1に封入されているデファレンシャルオイル、またはギヤ同士の噛み合いにより生じる摩耗粉などの異物が、電磁石収納室C1に侵入することが抑制される。
【0071】
また、Oリング33により、カップリングオイル室D1に封入されているカップリングオイルが電磁石収納室C1に侵入することが抑制される。さらに、シール軸受13により、デファレンシャルキャリヤ1の外部の水や異物が電磁石収納室C1に侵入することが防止される。さらにまた、シール軸受13、シール軸受16の内部に封入されている潤滑用のグリースが電磁石収納室C1に漏れることが抑制される。
【0072】
このため、電磁石35の鉄心36と、回転子27の外筒部30および内筒部27との間に形成されるギャップE1,F1に空気だけが介在され、ギャップE1,F1に水またはオイルまたは異物などが侵入することを防止できる。その結果、ギャップE1,F1の透磁率を均一に維持することが可能になり、電磁石35により形成される磁気吸引力が安定する。言い換えれば、電磁石35に通電される電流とパイロットクラッチ49の係合力との関係が安定する。したがって、メインクラッチ50の係合力の制御が容易になり、駆動力伝達装置の駆動力伝達機能が向上する。
【0073】
さらに、この実施例では、内部のカップリングオイル室D1およびデファレンシャルオイル室B1が液密にシールされている。また、電磁石収納室C1が空気の部屋となっており、この電磁石収納室C1に対面する位置に貫通溝47が形成されている。この貫通溝47に電線38が挿入されている。このため、貫通溝47からオイルなどが外部に漏れる可能性がなく、貫通溝47に格別のシール機構を施す必要がない。したがって、デファレンシャルキャリヤ1とカバー6との組み付け作業性が簡略化されて作業性が向上する。
【0074】
また、貫通溝47のシールが不要であるため、貫通溝47をデファレンシャルキャリヤ1とカバー6との突き合せ面に形成することが可能になる。したがって、電磁石35をデファレンシャルキャリヤ1およびカバー6の内部に取り付ける際に、電線38を挿入できる大きさの貫通溝47を形成するだけで済む。つまり、デファレンシャルキャリヤ1またはカバー6に対して、電線38の先端に設けられているソケット(図示せず)を通過させるための大きな貫通孔を形成する必要がなく、スペース的に設計自由度が増大する。
【0075】
また、この実施例ではカップリングケース7の内部に、Oリング33およびXリング32により液密にシールされたカップリングオイル室D1が形成されている。そして、カップリングオイル室D1にパイロットクラッチ49およびメインクラッチ50が配置されている。また、カップリングオイル室D1には、カップリングオイルが封入されている。ここで、Xリング32は、その構造により耐圧性に優れている。このため、カップリングオイル室D1のカップリングオイルがデファレンシャルオイル室B1に侵入したり、デファレンシャルオイル室B1のデファレンシャルオイルがカップリングオイル室D1に侵入したりすることが抑制される。
【0076】
このため、カップリングオイル室D1に要求される特性に適合したオイルと、デファレンシャルオイル室B1に要求される特性や性能に適合したオイルとを別個に選択して封入することが可能になる。具体的には、カップリングオイル室D1には、パイロットクラッチ49およびメインクラッチ50を構成するクラッチ板の耐摩耗性およびオイル切れ性ならびに耐ジャダー性を良好に維持する特性を備えたカップリングオイルが封入される。このカップリングオイルとしては、鉱油系の潤滑油に各種の添加剤を加えたものが例示される。また、デファレンシャルオイル室B1には、温度による粘度変化が少なく、流動点が低く、耐熱および酸化安定性がよく、耐荷重性に優れた潤滑油が封入される。この潤滑油としては、鉱油系の潤滑油が例示される。
【0077】
そして、この駆動力伝達装置の搭載箇所としては、例えばトランスミッション、またはプロペラシャフトとデファレンシャルとの間、あるいは四輪駆動車のトランスファなどが挙げられる。駆動力伝達装置をいずれの箇所に搭載する場合でも、ほかの動力伝達機構や構成部品に要求される機能や特性との適合性に関わりなく、パイロットクラッチ49またはメインクラッチ50の特性や性能に適合するカップリングオイルを選択することができる。したがって、駆動力伝達装置の搭載位置やレイアウトの自由度が拡大される。
【0078】
また、この実施例においては、カップリングケース7とパイロットクラッチ49とメインクラッチ50とを備えた単独のユニットが形成される。そして、このユニット単独で、パイロットクラッチ49またはメインクラッチ50の耐摩耗性およびオイル切れ性ならびに耐ジャダー性などのトルク伝達特性を、管理または評価することが可能になる。したがって、車両の製造工程において、駆動力伝達装置を車両に搭載する前の段階で、ユニット単位で性能を管理することが容易になる。
【0079】
さらに、シャフト20と回転子27との間が、Xリング32により液密にシールされている。このため、デファレンシャルオイル室B1側で発生した摩耗粉などの異物がカップリングオイル室D1に侵入することが抑制される。したがって、異物がパイロットクラッチ49のクラッチディスク52とクラッチプレート54との間、またはメインクラッチ50のクラッチディスク55とクラッチプレート56との間に侵入する可能性もない。その結果、パイロットクラッチ49、メインクラッチ50の係合・解放動作が安定し、かつ、クラッチ板の摩耗や損傷が防止され、駆動力伝達機能および耐久性が向上する。
【0080】
さらにまた、シャフト20に凹部23が形成され、この凹部23がカップリングオイル室D1に開口されている。そして、凹部23によりカップリングオイル室D1の容積が拡大されている。つまり、カップリンクケース7内部のデッドスペースであるシャフト20自体を利用して凹部23が形成され、凹部23にもカップリングオイルが収容されている。したがって、カップリングケース7を大型化させずにカップリングオイルの収容量を可及的に増大させることが可能になり、カップリングオイルの耐久性が向上する。
【0081】
図5は、上記駆動力伝達装置の他の実施例を示す部分的な断面図である。図5においては、回転子27の支持機構、および電磁石35の支持機構が、図1ないし図4の実施例と相違している。図5においては、デファレンシャルキャリヤ1の内部に形成された円筒部15の外周には複数の凸部61が形成されている。また、円筒部15の内周に軸受62が固定され、この軸受62により回転子27が回転可能に支持されている。
【0082】
また、外筒部30の内周にシール軸受63が固定され、このシール軸受63により電磁石35が回転可能に支持されている。また、シール軸受63により、電磁石35の鉄心36と、内筒部28および外筒部30との間のギャップE1,F1が設定されている。
【0083】
さらに、鉄心36の円筒部40の内周には複数の凹部64が形成されており、複数の凸部61と複数の凹部64とが相互に係合されている。この複数の凹部64と複数の凸部61との係合により、デファレンシャルキャリヤ1と電磁石35とが相対回転不能に回り止めされている。これら、複数の凸部61と複数の凹部64とが、開口部1A,6Aに臨み配置されている。そして、軸線A1を中心とする軸受62の半径方向の外周側に円筒部15と複数の凸部61と円筒部40と複数の凹部64とが配置されている。また、円筒部40の半径方向の外周側にシール軸受(ラジアル軸受)63が配置されている。その他の構成は、図1および図2の実施例と同様である。
【0084】
ここで、図5の構成とこの発明との対応関係を説明すれば、シール軸受63がこの発明の第1軸受に相当し、円筒部15と円筒部40と複数の凸部61と複数の凹部64とがこの発明の回り止め機構に相当し、軸受62がこの発明の第2軸受に相当する。この図5の実施例においても、図1および図2の実施例と同様の効果を得られる。
【0085】
なお、図1ないし図5の実施例において、電磁石収納室C1に冷却用のオイルを封入する構成を採用する場合もある。この場合は、冷却用のオイルがシール軸受16によりシールされて、デファレンシャルキャリヤ1およびカバー6の外部に漏れることはない。
【0086】
また、Oリング33およびオイルシール34により、電磁石収納室C1と、デファレンシャルオイル室B1およびカップリングオイル室D1とが液密にシールされている。このため、電磁石収納室C1に封入した冷却用オイルが、デファレンシャルオイル室B1またはカップリングオイル室D1に浸入することもない。そして、冷却用のオイルにより、メインクラッチ50とパイロットクラッチ49と電磁石35とが冷却される。
【0087】
さらに、図1ないし図5の実施例において、シール軸受41,62に代えて、シールの設けられていない軸受を用いることも可能である。つまり、デファレンシャルオイル室D1と電磁石収納室C1との間がオイルシール34により液密にシールされているため、デファレンシャルオイル室D1に封入されているオイルが電磁石収納室C1側に浸入する可能性がないからである。
【0088】
図6および図7は、駆動力伝達装置の他の実施例を示す正面半断面図である。図1および図2の実施例と、図6および図7の実施例とを比較した場合、電磁石の構成と、電磁石の回り止め機構の構成と、カップリングケースとフランジとの固定機構の構成と、カップリングケース7と回転子27との結合機構とが相違している。以下、これらの相違点について具体的に説明する。
【0089】
まず、電磁石35の鉄心36には、軸線A1を中心とする円筒部65が形成され、円筒部65と、回転子27との間に軸受(ラジアル軸受)41が装着されている。さらに、軸受41と、内筒部28に取り付けられたスナップリング42と、鉄心36に取り付けられたスナップリング43とにより、電磁石35と回転子27とが軸線A1方向に位置決めされている。
【0090】
一方、デファレンシャルキャリヤ1の内周には、軸線A1を中心とする環状の凹部66が形成されている。この凹部66の内周に円筒部65が嵌合されている。つまり、凹部66と円筒部65とにより、インロウ継手が構成されている。そして、軸受41と凹部66とが、半径方向にオーバーラップして配置されている。その結果、鉄心36が、凹部66および軸受41により半径方向に位置決めされている。このように、鉄心36の内周と内筒部27との間のギャップE1と、鉄心36の外周と外筒部30との間のギャップF1とが設定されている。
【0091】
また、凹部66の端面と円筒部65との間には、環状のシム67と、環状の皿ばね68とが配置されている。この皿ばね68の弾性力により鉄心36が図中左側に付勢されている。
【0092】
前記鉄心36の外周の一部には突出部69が形成され、突出部69には切欠部70が形成されている。一方、カバー6におけるデファレンシャルキャリヤ1との突き合わせ端面には、孔71が形成されている。この孔71には回り止めピン72が嵌合され、回り止めピン72の先端が切欠部70に配置されている。
【0093】
この回り止めピン72と突出部69との係合により、カバー6と鉄心36との相対回転が防止されている。つまり、孔71と回り止めピン72と突出部69と切欠部70とにより、回り止め機構が構成されている。そして、この実施例では、これらの回り止め機構が、開口部1A,6Aに臨み配置されている。
【0094】
一方、電磁石35のコイル37には、ボビン73を介して電線74が接続されている。この電線74はコイル37に電流を供給するための構成である。そして、カバー6には孔75が形成されており、電線74に取り付けたグロメット76が孔75に嵌合されている。なお、孔75におけるグロメット76よりも外部側には、接着剤77が埋め込まれている。
【0095】
つぎに、カップリングケース7とフランジ17との固定機構について説明する。図6に示すように、カップリングケース7とフランジ17とが植込みボルト78により固定されている。植込みボルト78は、円周方向に4本配置されている。この植込みボルト78には、その長さ方向に植込み側雄ねじ部79と、ナット側雄ねじ部80とが形成されている。そして、植込み側雄ねじ部79の外径が、ナット側雄ねじ部80の外径よりも大きい値に設定されている。
【0096】
植込み側雄ねじ部79は雌ねじ部9Cに植え込まれている。そして、植込み側雄ねじ部79の先端が雌ねじ部9Cの奥端に当接することにより、植込みボルト78と小径円筒部9とのねじ込み方向の位置決めが行われている。
【0097】
植込みボルト80はフランジ17の孔17Aに挿入されている。そして、ナット側雌ねじ部80にはナット81が螺着され、ナット81の締め付けにより、カップリングケース7とフランジ17とが相互に固定されている。なお、フランジ17とナット81との間にはワッシャ82が介在されている。
【0098】
さらに、カップリングケース7と回転子27との結合機構について説明する。外筒部30の外周にはナット83がねじ結合されている。そして、ナット83とカップリングケース7との対向面同士が当接されている。このため、カップリングケース7が、図中右側に押圧された場合は、その荷重に対応する反力がナット83に生じる。その結果、カップリングケース7と回転子27のねじ部のガタ分だけ、回転子27がカップリングケース7に対して移動することが抑制される。このため、カップリングケース7の軸線A1方向の荷重により、メインクラッチ50およびパイロットクラッチ49の伝達トルクが変動することが抑制される。その他の構成は図1および図2の実施例と同様である。
【0099】
ここで、図6および図7の構成と、この発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、デファレンシャルキャリヤ1とカバー6とが、この発明の固定部材に相当し、カップリングケース7と回転子27とがこの発明の第1回転部材に相当する。また、シャフト20とドライブピニオンシャフト2とがこの発明の第2回転部材に相当し、パイロットクラッチ49がこの発明のクラッチ機構に相当し、外筒部30と内筒部28とが、この発明の磁性体に相当する。
【0100】
さらに、突出部69と回り止めピン72とがこの発明の回り止め機構に相当する。さらにまた、軸受41がこの発明の第1軸受に相当し、シール軸受13がこの発明の第3軸受に相当し、軸受24がこの発明の第4軸受に相当し、円筒部65と凹部66とがこの発明の位置決め機構に相当する。
【0101】
このように、図6および図7に示された駆動力伝達装置においても、電磁石35に供給される電流の有無により、トルクの伝達または遮断が制御される。また、図6および図7に示された駆動力伝達装置においては、凹部66と円筒部65との嵌合により、電磁石35とデファレンシャルキャリヤ1との半径方向の位置決めが行われている。そして、単一の軸受41によりギャップE1,F1が設定されている。ここで、軸受41は装着される部材と支持する部材との半径方向の相対位置を正確に設定することのできる寸法精度を本来備えているため、ギャップE1,F1の設定精度が可及的に向上する。したがって、メインクラッチ50の係合力、言い換えればトルク容量の制御が容易になり、カップリングケース7からシャフト20およびドライブピニオンシャフト2に伝達される駆動力の伝達機能が向上する。
【0102】
また、図6および図7の実施例では、軸受41と円筒部65と凹部66とが半径方向にオーバーラップして配置されている。言い換えれば、軸受41と円筒部65と凹部66とが、軸線A1を中心として同心状に配置されている。このため、軸線A1方向における軸受41および円筒部65ならびに凹部66の配置スペースが抑制される。したがって、駆動力伝達装置を軸線A1方向において可及的に小型化することができる。
【0103】
さらに、図6および図7の実施例では、円筒部65と凹部66との嵌合により、デファレンシャルキャリヤ1に対する電磁石35の半径方向の位置決めが行われている。つまり、デファレンシャルキャリヤ1と電磁石35とを半径方向に位置決めするために軸受などの部品を必要としない。したがって、駆動力伝達装置の部品点数が抑制され、駆動力伝達装置の製造工数の低減と、駆動力伝達装置の軽量化と、駆動力伝達装置の製造コストの低減とを図ることができる。
【0110】
図8および図9は、駆動力伝達装置の他の実施例を示す正面半断面図である。図8および図9の実施例と、図6および図7の実施例とを比較した場合、電磁石35の構成と、電磁石35の回り止め機構とが相違している。
【0111】
具体的には、電磁石35の鉄心36の外周に結合部89が形成されている。すなわち、鉄心36と結合部89とが磁性材料により一体化されている。この結合部89は、デファレンシャルキャリヤ1側に向けて突出している。また、結合部89は有底円筒状に構成され、結合部89の軸線G1と、軸線A1とが平行に配置されている。また、結合部89の外周には環状の取付溝90が形成され、取付溝90にはOリング91が取り付けられている。
【0112】
一方、デファレンシャルキャリヤ1には取付孔92が形成され、結合部89が取付孔92内に嵌合されている。そして、取付孔92と結合部90との間がOリングによりシールされている。このように結合部89が取付孔92に嵌合され、結合部89とデファレンシャルキャリヤ1との係合力により、電磁石35が回り止めされている。これらの回り止め機構は、開口部1A,6Aに臨み配置されている。また、結合部89の固定孔93がデファレンシャルキャリヤ1の外部側に開口され、固定孔93には電線(リード線)を接続するためのコネクタ94が固定されている。なお、その他の構成は図6および図7の実施例と同様である。
【0113】
ここで、図8および図9の実施例の構成と、この発明との対応関係を説明する。すなわち、コネクタ94と結合部89と取付孔92とがこの発明の回り止め機構に相当する。つまり、この回り止め機構は、デファレンシャルキャリヤ1とカバー6との当接面の内側に配置されている。
【0114】
このように、図8および図9に示された駆動力伝達装置においても、図6および図7の実施例と同様の構成部分については、図6および図7の実施例と同様の作用効果を得られる。
【0115】
また、図8および図9の実施例によれば、格別の部品を用いることなく、電磁石35に一体化された結合部89により、電磁石35の回り止めが行われる。このため、駆動力伝達装置の部品点数が抑制され、動力伝達装置の製造工数の低減と、駆動力伝達装置の軽量化と、駆動力伝達装置の製造コストの低減とを図ることができる。
【0116】
さらに、図8および図9の実施例によれば、結合部89にコネクタ94が取り付けられている。このため、結合部89を取付孔92に嵌合させるだけで、デファレンシャルキャリヤ1に対するコネクタ94の取り回しと、デファレンシャルキャリヤ1に対する電磁石35の回り止めと、結合部89の外周のシールとを完了させることができる。したがって、駆動力伝達装置の組み立て作業性が向上し、かつ、駆動力伝達装置の組み立て工数が低減される。
【0117】
10は、他の実施例を示す正面半断面図である。図10の実施例では、電磁石35の鉄心36の外周に突出部95が形成され、この突出部95に電線38が埋め込まれている。また、カバー6とデファレンシャルキャリヤ1との突き合わせ端面には貫通溝47が形成され、電線38が貫通溝47に挿入されている。
【0118】
さらに、デファレンシャルキャリヤ1の内周には、一対の係止爪96が円周方向に形成され、突出部95が一対の係止爪96の間に配置されている。つまり、突出部95と一対の係止爪96との係合により、電磁石35の回り止めが行われている。これら、突出部95および一対の係止爪96などの回り止め機構が、開口部1A,6Aに臨み配置されている。
【0119】
一方、シャフト20が円筒形状に構成され、シャフト20の一端側の内周にドライブピニオンシャフト2がスプライン嵌合されている。また、カップリングケース7におけるフランジ17側の端部に開口部97が形成され、開口部97には盲蓋98が嵌合されている。さらに、カップリングケース7の小径円筒部9の内周にXリング99が取り付けられ、Xリング99により、カップリングケース7とシャフト20との間が液密にシールされている。
【0120】
さらに、カップリングケース7と回転子27とシャフト20とにより取り囲まれた空間が、Oリング33およびXリング32ならびにXリング99により液密にシールされ、カップリングオイル室D1を形成している。その他の構成は、図1の実施例または図6の実施例と同様である。具体的には、カップリングケース7とフランジ17との固定機構が、図1の実施例と同様に構成されている。また、デファレンシャルキャリヤ1に対する電磁石35の半径方向の位置決め機構が、図6の実施例と同様に構成されている。
【0121】
ここで、図10の実施例とこの発明の構成との対応関係を説明する。突出部95と一対の係止爪96とがこの発明の回り止め機構に相当する。つまり、回り止め機構が、カバー6とデファレンシャルキャリヤ1との当接面の内周側に配置されている。
【0122】
そして、図10の実施例によれば、図1の実施例と同様の構成部分については図1の実施例と同様の作用効果を得られ、図6の実施例と同様の構成部分については図6の実施例と同様の作用効果を得られる。また、図10の実施例によれば、鉄心36の外周に突出部95が半径方向に突出され、突出部95の外側に貫通溝47が形成されている。言い換えれば、突出部95と貫通溝47との間に障害物が存在しない。このため、電線38をほぼ直線状に取り回すことができ、駆動力伝達装置の組み立て作業性が向上する。
【0123】
11は、他の実施例を示す正面断面図である。図11の実施例と、図1ないし図10の実施例との相違点は、カップリングケース7の外側にカバーが配置されていないことにある。すなわち、電磁石35を構成する環状の鉄心100の外周にはフランジ101が形成されている。フランジ101には円周方向に複数の軸孔102が形成されている。
【0124】
また、鉄心100の内周と、回転子27の内筒部28との間には軸受41が配置されている。この軸受41によりギャップE1,F1が設定されている。さらに、カップリングケース7の内周にはオイルシール103が取り付けられている。
【0125】
一方、フランジ101におけるデファレンシャルキャリヤ1側の端面には、軸線A1を中心とする円筒部104が形成され、円筒部104の外周にはOリング105が取り付けられている。そして、デファレンシャルキャリヤ1には円周方向に複数の雌ねじ106が形成され、軸孔102に挿入されたボルト107が雌ねじ106にねじ込まれて締め付けられている。
【0126】
つまり、ボルト107により電磁石35が半径方向に位置決めされ、かつ、ボルト107により電磁石35が回り止めされている。そして、Oリング105により、デファレンシャルキャリヤ1と鉄心101との間が液密にシールされている。つまり、図11の実施例ではデファレンシャルオイル室B1が、Xリング32とOリング105とオイルシール105とによりシールされている。その他の構成は図1および図2の実施例と同様である。
【0127】
ここで、図11の実施例とこの発明の構成との対応関係を説明する。すなわち、フランジ101とボルト107とがこの発明の回り止め機構に相当し、フランジ101とボルト107とがこの発明の位置決め機構に相当する。
【0128】
このように、図11に示された駆動力伝達装置においても、電磁石35に供給される電流の有無により、トルクの伝達または遮断が制御される。また、図11の実施例によれば、単一の軸受41によりギャップE1,F1が設定されているため、ギャップE1,F1の設定精度が可及的に向上する。したがって、メインクラッチ50の係合力、言い換えればトルク容量の制御が容易になり、カップリングケース7からシャフト20およびドライブピニオンシャフト2に伝達される駆動力の伝達機能が向上する。
【0129】
さらに、図11の実施例では、デファレンシャルキャリヤ1と円筒部104との嵌合により、デファレンシャルキャリヤ1に対する電磁石35の半径方向の位置決めが行われている。つまり、デファレンシャルキャリヤ1と電磁石35とを半径方向に位置決めするために軸受などの部品を必要としない。したがって、駆動力伝達装置の部品点数が抑制され、駆動力伝達装置の軽量化と、駆動力伝達装置の組み立て工数の低減と、駆動力伝達装置の製造コストの抑制とを図ることができる。
【0130】
さらにまた、図11の実施例では、カップリングケース7の後端側が、回転子27および電磁石35を介してデファレンシャルキャリヤ1に間接的に支持されている。このため、図1ないし図10の実施例に示されたカバーを設ける必要がなく、駆動力伝達装置の部品点数が抑制される。したがって、駆動力伝達装置の軽量化と、駆動力伝達装置の組み立て工数の低減と、駆動力伝達装置の製造コストの抑制とを図ることができる。また、カバーが無いため、メインクラッチ50およびパイロットクラッチ49ならびに電磁石35の放熱性が向上する。
【0176】
ここで、上記の具体例における特徴的な構成を列挙すれば、以下のとおりである。すなわち、図1ないし図5に開示された第1の特徴的な構成は、相対回転可能に配置された第1回転部材および第2回転部材と、この第1回転部材と第2回転部材とのトルク伝達を制御するクラッチ機構と、このクラッチ機構を係合・解放させる電磁力を発生する電磁石と、この電磁石にギャップを介して配置される磁性体とを備えた駆動力伝達装置において、前記電磁石および前記磁性体が配置される空間を周囲の空間から流体密に隔てて空気室(電磁石収納室)を形成する隔離機構とを備えている。第1の特徴的な構成の隔離機構としては、カップリングケースとシャフトと回転子とオイルシールとOリングとシール軸受とが例示される。
【0177】
また、図1ないし図5に開示された第2の特徴的な構成は、相対回転可能に配置された第1回転部材および第2回転部材と、この第1回転部材と第2回転部材とのトルク伝達を制御するクラッチ機構と、このクラッチ機構を制御する電磁力を発生する電磁石と、前記クラッチ機能の機能を保持するオイルとを備えた駆動力伝達装置において、前記クラッチ機構が配置された空間を周囲の空間から液体密に隔ててオイル室を形成する隔離機構を備えている。第2の特徴的な構成の隔離機構としては、カップリングケースとシャフトと回転子とXリングとOリングとが例示される。
【0183】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、第1回転部材と電磁石との間に配置された単一の第1軸受によりギャップが設定される。ここで、第1軸受は装着される部材と支持する部材との半径方向の相対位置を正確に設定することのできる寸法精度を本来備えているため、ギャップの設定精度が可及的に向上する。
【0184】
したがって、クラッチ機構の係合力、言い換えればトルク容量の制御が容易になり、第1回転部材と第2回転部材との間で相互に伝達される駆動力の伝達機能が向上する。また、第1軸受と第2軸受とが軸線方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されている。このため、第1軸受と第2軸受との軸線方向の配置スペースが可及的に抑制され、駆動力伝達装置を軸線方向に小型化することが可能になる。
【0185】
請求項3の発明によれば、第1回転部材と電磁石との間に配置された単一の第1軸受によりギャップが設定される。ここで、第1軸受は装着される部材と支持する部材との半径方向の相対位置を正確に設定することのできる寸法精度を本来備えているため、ギャップの設定精度が可及的に向上する。したがって、クラッチ機構の係合力、言い換えればトルク容量の制御が容易になり、第1回転部材と第2回転部材との間で相互に伝達される駆動力の伝達機能が向上する。
【0188】
請求項3の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られる他、第1回転部材が半径方向に高精度に位置決めされる。したがって、第1回転部材の振動と、この振動に起因する騒音が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の駆動力伝達装置の実施例を示す正面半断面図である。
【図2】図1の駆動力伝達装置の残りの半分を示す正面半断面図である。
【図3】図1のIII −III 線において、電磁石の円筒部とデファレンシャルキャリヤの円筒部との構成を示す側面断面図である。
【図4】図1および図2に示されたメインクラッチを係合するための構成であり、カムとボールとピストンとの関係を示す部分的な断面図である。
【図5】この発明の駆動力伝達装置に適用される回り止め機構および第1軸受ならびに第2軸受の他の構成例を示す部分的な正面半断面図である。
【図6】この発明の駆動力伝達装置の他の実施例を示す正面半断面図である。
【図7】図6の駆動力伝達装置の残りの半分を示す正面半断面図である。
【図8】この発明の駆動力伝達装置の他の実施例を示す正面半断面図である。
【図9】図8の駆動力伝達装置の残りの半分を示す正面半断面図である。
【図10】この発明の駆動力伝達装置の他の実施例を示す正面半断面図である。
【図11】この発明の駆動力伝達装置の他の実施例を示す正面断面図である
【符号の説明】
1 デファレンシャルキャリヤ
2 ドライブピニオンシャフト
6 カバー
7 カップリングケース
13,16,62,63 シール軸受
15 円筒部
20 シャフト
27 回転子
28 内筒部
30 外筒部
32 Xリング
33 Oリング
34 オイルシール
35 電磁石
40 円筒部
41 軸受
44,61 凸部
45,64 凹部
49 パイロットクラッチ
50 メインクラッチ
65 円筒部
66 凹部
69 突出部
70,88 切欠部
72,87 回り止めピン
84 円筒部
85 円筒部
89 結合部
92 取付孔
94 コネクタ
101 フランジ
107 ボルト
A1 軸線
E1,F1 ギャッ

Claims (3)

  1. 軸線を中心として相対回転可能に配置された第1回転部材および第2回転部材と、この第1回転部材と第2回転部材との間のトルク伝達を制御するクラッチ機構と、このクラッチ機構を係合・解放させる電磁力を発生する電磁石と、この電磁石に対してギャップを介して配置された磁性体と、前記第1回転部材を支持するために回転不能に配置された固定部材とを備えた駆動力伝達装置において、
    前記第1回転部材と前記電磁石との間に配置されて前記ギャップを設定するように前記電磁石を支持する第1軸受と、前記固定部材と前記電磁石との相対回転を防止する回り止め機構と、前記固定部材と前記第1回転部材との間に配置されてこの第1回転部材を支持する第2軸受とを備え、前記第1軸受と前記第2軸受とが前記軸線方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 前記電磁石の一部と、前記第1軸受および前記第2軸受とが、前記軸線方向のほぼ同一位置に半径方向にオーバーラップして配置されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記固定部材と前記第1回転部材との間に配置されてこの第1回転部材を支持する第3軸受を備え、前記第1回転部材の軸線方向の一端が前記第2軸受により支持され、前記第1回転部材の軸線方向の他端が前記第3軸受により支持されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
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