JP4674227B2 - カップリング - Google Patents

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この発明は、電磁石で操作されるカップリングに関する。
特開平5−312226号公報に図2のようなカップリング201(油圧式動力伝達継ぎ手)が記載されている。
このカップリング201は、入力軸203、出力側のハウジング205、これらの相対回転によって駆動され、その駆動抵抗(ポンプ仕事)によってこれらを連結するプランジャポンプ207、オリフィスと開放孔、これらのオリフィス及び開放孔をプランジャポンプ207の吐出路と連通させ、あるいは、閉止するア−マチャ209(アクチュエ−タ)、ア−マチャ209を回転方向の一側に付勢するリタ−ンスプリング211、入力軸203に連結され、ア−マチャ209との間で摩擦抵抗を発生させる摩擦部材213、リタ−ンスプリング211に抗してア−マチャ209を回転させる電磁石215などから構成されている。
電磁石215は、コイル217とヨ−ク219から構成されている。ヨ−ク219は、ハウジング205の外部で静止側のケ−シングに連結されており、ハウジング205側に連結された磁気枠221に設けられた凹部223に貫入している。
ハウジング205はアルミニウムやステンレス鋼のような非磁性材料で作られており、磁気枠221は鉄系の磁性材料で作られている。
破線で描いたように、コイル217、ヨ−ク219、磁気枠221、摩擦部材213、ア−マチャ209によって電磁石215の磁気回路が構成されており、電磁石215を励磁すると、これらを通る磁気ル−プ225が生じる。
電磁石215の励磁を停止した状態では、リタ−ンスプリング211によってア−マチャ209が一側に回転する。この回転角度では、開放孔が閉止されてオリフィスがプランジャポンプ207の吐出路と連通し、オリフィスの流路抵抗によって生じるプランジャポンプ207の駆動抵抗により、カップリング201が連結される。
この状態では、オリフィスを流れるオイルの適度な流路抵抗により、差動回転を許容しながら動力が伝達される。
又、電磁石215を適度な電流で軽度に励磁すると、ア−マチャ209が摩擦部材213に押圧されて入力軸203のトルクを受け、リタ−ンスプリング211に抗して回転し、開放孔とオリフィスの両方が閉止される。
この状態では、開放孔とオリフィスの両方を閉止したことによってプランジャポンプ207の吐出路に生じる大きな流路抵抗により、カップリング201が強固に連結され、入力軸203とハウジング205がロックされ、差動回転は許容されない。
又、電磁石215を大電流で強く励磁すると、入力軸203のトルクによってア−マチャ209が更に回転し、開放孔がプランジャポンプ207の吐出路と連通する。
この状態では、プランジャポンプ207の駆動抵抗が小さくなり、カップリング201の連結が解除される。
又、図3は、カップリング201と異なった構成のカップリング227を示している。
このカップリング227は、回転ケ−ス229、回転ケ−ス229に貫入した軸状トルク伝達部材、これらの間に配置されたメインクラッチ及びコントロ−ルクラッチ、回転ケ−ス229の内部に配置されたア−マチャ、回転ケ−ス229の外部からこのア−マチャを移動させる電磁石231、カムなどから構成されている。
回転ケ−ス229は、非磁性材料の円筒部材233と、磁性材料のロ−タ部材235とを螺着して形成されており、ロ−タ部材235に設けられたシ−ル溝237にはOリング239が配置され、オイル漏れを防止している。
電磁石231はロ−タ部材235に設けられた凹部241に貫入しており、電磁石231を励磁するとロ−タ部材235とコントロ−ルクラッチとア−マチャとを通る磁気ル−プ243が形成され、ア−マチャを吸引してコントロ−ルクラッチを押圧する。
コントロ−ルクラッチが連結されると、回転ケ−ス229と軸状トルク伝達部材の間の伝達トルクを受けてカムが作動し、メインクラッチを連結させ、カップリング227を連結させる。
しかし、図2のカップリング201では、磁気回路を形成する電磁石215のヨ−ク219と磁気枠221との対向部分で、磁気枠221の幅がヨ−ク219より狭い。
この磁気枠221とヨ−ク219との間のように、磁気回路の断面積が急に狭くなる部分が生じると、狭い磁気回路部分(磁気枠221)で単位面積当たりの磁束密度が高くなり、磁束の漏洩がそれだけ増加し易い。
漏洩磁束が増えると、ア−マチャ209の吸引力がそれだけ低下し、カップリング201の制御機能が低下する。これを補うためには、磁気回路の断面積を拡大する必要があり、これに伴ってカップリング201が大型化し、車載性が低下する。
又、図3のカップリング227では、矢印245のように、ロ−タ部材235に設けられたOリング239用のシ−ル溝237によって、磁気回路の断面積が狭くなっているから、ア−マチャの吸引力が低下し、カップリング227のトルク容量が小さくなる。
これを補うためには、ロ−タ部材235を大径にするか、あるいは、軸方向に大きくして、シ−ル溝237を磁気回路から充分に離す必要があり、これに伴ってカップリング227が大型化し、重量が増加し、車載性が低下する。
又、円筒部材233とロ−タ部材235とを螺着する際に、Oリング239に無理な力が掛かって破損する恐れがある。
そこで、この発明は、磁気回路の磁気抵抗を小さくすることにより、大型の電磁石を用いずに、充分なトルク容量が得られるカップリングの提供を目的とする。
請求項1のカップリングは、円筒部材と、磁性材料の軸方向側壁部材とを互いに固定してなる一側のケース状トルク伝達部材と、これに貫入した他側の軸状トルク伝達部材と、前記円筒部材と軸状トルク伝達部材との間に配置された多板式のクラッチと、ケース状トルク伝達部材の内部で前記クラッチに隣接配置されたアーマチャと、前記軸方向側壁部材とクラッチとアーマチャとで形成される磁気回路を介してアーマチャを移動操作し、クラッチを断続する電磁石とを備え、前記電磁石のヨークは前記軸方向側壁部材に設けられた凹部に貫入して配置され前記軸方向側壁部材との間にエアギャップを形成すると共に、前記エアギャップが形成された前記電磁石のヨークの外周面と前記軸方向側壁部材の内周面との間、及び前記電磁石のヨークの内周面と前記軸方向側壁部材との間に磁気回路が構成され、前記電磁石の励磁によって生じる磁束ループの磁束が透過し、前記軸方向側壁部材の外周側の端面は前記ケース状トルク伝達部材の円筒部の端面より軸方向に突出して設けられ、前記軸方向側壁部材の内周面の幅が前記電磁石のヨークの前記磁気回路の一部を構成する外周面の幅より広く設定され前記磁気回路の一部としての所定の断面積を確保されており、前記軸方向側壁部材には、前記クラッチと軸方向に対向して開口が設けられると共に、前記開口に隣接して非磁性体のリングが配置されていることを特徴とする。
請求項1のカップリングは、前記軸方向側壁部材の外周側の端面は前記ケース状トルク伝達部材の円筒部の端面より軸方向に突出して設けられ、前記軸方向側壁部材の内周面の幅が前記電磁石のヨークの外周面の幅より広く設定されていることにより、電磁石に対向する軸方向側壁部材の磁気回路部分で磁気回路の断面積が狭くなることと、磁束密度が急に大きくなることが防止され、磁束の漏洩が軽減される。
こうして、電磁石の磁力がア−マチャに効果的に集中するから、カップリングは充分なトルク容量が得られる。
従って、カップリングの大型化と重量化が防止され、省電力化が可能である。
請求項2のカップリングは、請求項1記載のカップリングであって、前記電磁石のヨークは前記軸方向側壁部材にベアリング支持され、前記エアギャップが形成された前記軸方向側壁部材の外周面は前記電磁石のヨークの内周面の端部より軸方向に突出して前記ベアリングに当接していることを特徴とする。
請求項2のカップリングは、ヨークが軸方向側壁部材にベアリング支持され、軸方向側壁部材の外周面がベアリングに当接しているので、ヨークは軸方向側壁部材に安定して支持される。
請求項3のカップリングは、請求項1又は請求項2記載のカップリングであって、磁束ループの磁束が透過する前記電磁石のヨークにおける前記外周面と前記内周面は、前記電磁石のコイルの半径方向外側と内側に位置して前記軸方向側壁部材の前記内周面と前記外周面と対向していることを特徴とする。
請求項3のカップリングは、請求項1又は請求項2のカップリングと同様に、磁束の漏洩が軽減されるから、カップリングは充分なトルク伝達容量が得られ、大型化と重量化が防止され、省電力化される。
請求項4のカップリングは、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のカップリングであって、前記軸方向側壁部材におけるの前記内周面及び前記外周面の幅は前記電磁石のヨークにおける前記磁気回路の一部を構成する前記外周面及び前記内周面の幅より十分に広く形成されていることを特徴とする。
又、請求項4のカップリングは、電磁石に対向するデフケ−スの磁気回路部分を電磁石より十分に広くしたことによって、磁束の漏洩が軽減されるから、充分な連結力が得られ、大型化と重量化が防止され、車載性が向上し、省電力化される。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のカップリングであって、ケ−ス状トルク伝達部材の円筒部材と軸方向側壁部材が、互いに螺着されており、該螺着された部分より前記軸方向側壁部材の外周側の端面は軸方向に突出していることを特徴とし、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得る。
これに加えて、円筒部材と軸方向側壁部材とを螺着するこの構成では、ねじ部でこれらの相対位置を調整することにより、多板式のクラッチのクラッチ板の隙間を調整することが可能であり、このような調整によって、アーマチャの吸引力を最大にすることができる。
こうして、カップリングのトルク容量や締結機能を最適の状態に調整することができると共に、電磁石を更に小型にし、省電力化することが可能である。
請求項1のカップリングは、前記軸方向側壁部材の外周側の端面は前記ケース状トルク伝達部材の円筒部の端面より軸方向に突出して設けられ、前記軸方向側壁部材の内周面の幅が前記電磁石のヨークの外周面の幅より広く設定されていることにより、磁気回路が狭くなり磁束密度が大きくなることが防止されるから、磁束の漏洩が軽減され、電磁石の磁力がア−マチャに効果的に導かれる。
従って、カップリングは充分なトルク容量が得られるから、カップリングの大型化と重量化が防止され、車載性が向上し、省電力化される。
請求項2のカップリングは、請求項1と同等の効果を得ると共に、ヨークが軸方向側壁部材に対して安定して支持される。
請求項3のカップリングは、請求項1又は請求項2のカップリングと同等の効果を得る。
請求項4のカップリングは、デフケ−スの磁気回路部分を電磁石の対向面より十分に広くしたことにより、請求項1、2のカップリングと同等の効果を得る。
請求項5のカップリングは、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得ると共に、円筒部材と軸方向側壁部材とのねじ部で、クラッチ板の隙間を調整することによって、カップリングのトルク容量や締結機能を最適の状態に調整することができると共に、電磁石を更に小型にし、省電力化することができる。
又、螺着によって円筒部材と軸方向側壁部材が強固に連結される。
図1によって本発明の一実施形態(カップリング1)を説明する。
図1はカップリング1を示しており、図1の右方はカップリング1を用いた四輪駆動車の前方に相当する。又、符号を与えていない部材等は図示されていない。
このカップリング1は後輪側の動力伝達系に配置されており、後輪の連結と切り離しとを行う。
エンジンの駆動力は、トランスミッションからトランスファを介して前輪側と後輪側に伝達される。前輪側に伝達された駆動力はフロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)に伝達され、フロントデフから左右の前輪に配分される。又、後輪側に伝達された駆動力はプロペラシャフトを介してカップリング1に伝達される。
カップリング1が連結されると、車両は四輪駆動状態になり、エンジンの駆動力はリヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)に伝達され、リヤデフを介して左右の後輪に配分される。
又、カップリング1の連結が解除されると、リヤデフ以下の後輪側動力伝達系が切り離されて車両は二輪駆動状態になる。
カップリング1は、リヤデフを収容するデフキャリヤの前端側に配置されており、回転ケ−ス3(一側のケ−ス状トルク伝達部材)、インナ−シャフト(他側の軸状トルク伝達部材)、多板式のメインクラッチ、多板式のコントロ−ルクラッチ5、カムリング7、ボ−ルカム9、プレッシャプレ−ト、ア−マチャ11、リング状の電磁石13、コントロ−ラなどから構成されている。
回転ケ−ス3は、前側のロ−タ15(軸方向側壁部材)と円筒部材17と後側のロ−タとから構成されている。
前側ロ−タ15と円筒部材17の間にはねじ部19とストッパ部21とが設けられており、前側ロ−タ15と円筒部材17はねじ部19で螺着されて一体にされ、ストッパ部21で突き当って位置決めされている。
円筒部材17と後側のロ−タは、例えば、連結部によって回転方向に連結され、スナップリングと突き当て部によって軸方向に位置決めされている。
ロ−タ15は鉄系の磁性材料で作られており、円筒部材17はアルミニウムのような非磁性材料で作られている。
又、円筒部材17にはシ−ル溝23が設けられており、シ−ル溝23にはOリング25(シ−ル)が配置され、オイル漏れと異物の侵入とを防止している。
前側ロ−タ15には連結シャフト部27が一体に形成されており、この連結シャフト部27にはコンパニオンフランジがセレ−ションで連結されている。このコンパニオンフランジは継ぎ手側のフランジに連結され、更に、後輪側のプロペラシャフトに連結されている。
電磁石13はコイル29とこれを収容するヨ−ク31とで構成されている。ヨ−ク31にはフランジ部33が設けられており、このフランジ部33はボルトによってデフキャリヤの開口に固定されている。
コイル29のリ−ド線はヨ−ク31から外部に直接引き出されている。
又、ロ−タ15の連結シャフト部27はベアリング35とヨ−ク31とを介してデフキャリヤに支承されている。
インナ−シャフトは後側のロ−タから回転ケ−ス3に貫入し、ベアリングを介して回転ケ−ス3に支承されている。
又、インナ−シャフトには、ドライブピニオンシャフトがスプライン連結されており、このドライブピニオンシャフトに形成されたドライブピニオンギヤは、リヤデフ側のリングギヤと噛み合っている。
又、回転ケ−ス3は、ロ−タ15と円筒部材17間のOリング25と、他の部材間に配置されたシ−ルによって密封されており、内部に封入されたオイルによって、メインクラッチ、コントロ−ルクラッチ5、ボ−ルカム9、ベアリングなどが潤滑される。
メインクラッチは、回転ケ−ス3(円筒部材17)の内周とインナ−シャフトの外周との間に配置されている。
コントロ−ルクラッチ5は、円筒部材17の内周とカムリング7の外周との間に配置されており、下記のように、ア−マチャ11によって回転ケ−ス3のロ−タ15に押圧されて締結される。
ボ−ルカム9は、カムリング7とプレッシャプレ−トとの間に配置されている。又、カムリング7とロ−タ15との間には、ボ−ルカム9のカム反力を受けるスラストベアリング37が配置されている。
プレッシャプレ−トは、インナ−シャフトの外周に軸方向移動自在に連結されている。
ア−マチャ11は、コントロ−ルクラッチ5とプレッシャプレ−トとの間で、円筒部材17の内周に軸方向移動自在に連結されている。
電磁石13のヨ−ク31は、ロ−タ15に設けられている凹部39に貫入して、エアギャップ41を形成している。
コイル29、ヨ−ク31、ロ−タ15、コントロ−ルクラッチ5、ア−マチャ11によって電磁石13の磁気回路が構成されており、電磁石13を励磁すると、これらを通る磁気ル−プ43が生じる。
又、ロ−タ15には開口45が設けられており、この開口45にはステンレス鋼のような非磁性材料のリング47が配置されている。更に、コントロ−ルクラッチ5の各クラッチ板には切り欠き49が形成されている。これらの開口45とリング47とこの切り欠き49によって磁力ル−プ43の短絡が防止されており、電磁石13の磁力をア−マチャ11に効果的に導いている。
コントロ−ラは、車速、操舵角、横Gなどから旋回走行を検知し、あるいは、路面状態などに応じて、電磁石13の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。
電磁石13が励磁されると、磁力ル−プ43によってア−マチャ11が吸引され、ロ−タ15との間でコントロ−ルクラッチ5を押圧して締結させる。コントロ−ルクラッチ5が締結されると、回転ケ−ス3とインナ−シャフトの間のトルクが掛かってボ−ルカム9が作動し、生じたカムスラスト力によりプレッシャプレ−トを介してメインクラッチが押圧され締結される。
こうしてカップリング1が連結されると、エンジンの駆動力が後輪に送られ、車両は四輪駆動状態になり、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
電磁石13の励磁電流を制御すると、コントロ−ルクラッチ5の滑りによってボ−ルカム9のカムスラスト力が変化し、メインクラッチの連結力が変化して後輪に送られる駆動力が調整される。
このようにして、前後輪間の駆動力配分比を制御すると、例えば、旋回走行中の車両の操縦性や安定性などが向上する。
電磁石13の励磁を停止すると、コントロ−ルクラッチ5が開放されてボ−ルカム9のカムスラスト力が消失し、メインクラッチが開放されてカップリング1の連結が解除され、車両は二輪駆動状態になる。
又、磁気回路の一部を構成するロ−タ15の凹部39の幅51は、これと対向する電磁石13の磁気回路部分の幅53より充分に広くされている。
従って、図2の従来例と異なり、磁気回路の断面積が急に狭くなって磁束密度が大きくなることが防止され、磁束の漏洩が大幅に軽減されるから、電磁石13の磁力はア−マチャ11に効果的に集中する。
こうして、カップリング1が構成されている。
上記のように、カップリング1は、ロ−タ15の凹部39(磁気回路部分)の幅51を、電磁石13の幅53(磁気回路部分)より広くしたことにより、図2の従来例と異なって、磁気回路の断面積が狭くなることと、この個所で磁束密度が大きくなることが防止されるから、磁束の漏洩が軽減され、電磁石13の磁力がア−マチャ11に効果的に集中する。
又、シ−ル溝23を非磁性の円筒部材17に設けたことによって、図3の従来例と異なり、磁気回路の断面積が狭くなることが防止される。
従って、カップリング1は充分なトルク容量が得られる。
又、磁気回路が狭くなることを防止するために、シ−ル溝23を磁気回路から遠くに離す必要がないから、これに伴ってロ−タ15を大径にし、あるいは、軸方向に大きくする必要がない。
こうして、カップリング1は大型化と重量化が防止され、車載性が向上すると共に、消費電力の上昇も避けられる。
又、ロ−タ15と円筒部材17とを螺着するこの構成では、ねじ部でこれらの相対位置を調整することにより、メインクラッチやコントロ−ルクラッチ5のクラッチ板の隙間を調整することが可能であり、あるいは、電磁石13のヨ−ク31とロ−タ15とのエアギャップ41を調整することが可能である。
これらの調整によってカップリング1のトルク容量を最適の状態に調整することが可能であると共に、電磁石13を更に小型にし、省電力化することが可能である。
又、螺着によってロ−タ15と円筒部材17が強固に連結される。
なお、請求項1の発明は、カムによってクラッチの押圧力を増幅するものではなく、電磁石により移動操作されるア−マチャによって押圧されるクラッチでトルク伝達部材の連結を断続するカップリングである。
又、請求項1と請求項2のカップリングは、上記のように、四輪駆動車のトランスファと後輪側プロペラシャフトとの間、あるいは、トランスファと前輪側プロペラシャフトとの間、又は、前輪側プロペラシャフトとフロントデフとの間に配置してもよい。
又、本発明において、シ−ルは、Oリングに限らず、他のシ−ルでもよい。
又、クラッチは多板クラッチに限らず、例えば、コ−ンクラッチのような摩擦クラッチでもよい。
一実施形態のカップリングを示す断面図である。 第1の従来例を示す断面図である。 第2の従来例を示す断面図である。
符号の説明
1 カップリング
3 回転ケ−ス(一側のケ−ス状トルク伝達部材)
5 コントロ−ルクラッチ(摩擦クラッチ)
9 ボ−ルカム(カム)
11 ア−マチャ
13 電磁石
15 回転ケ−スのロ−タ(磁性材料)
17 回転ケ−スの円筒部材(非磁性材料)
19 ねじ部
23 円筒部材17に設けられたシ−ル溝
25 Oリング(シ−ル)
31 電磁石13のヨ−ク

Claims (5)

  1. 円筒部材と、磁性材料の軸方向側壁部材とを互いに固定してなる一側のケース状トルク伝達部材と、これに貫入した他側の軸状トルク伝達部材と、前記円筒部材と軸状トルク伝達部材との間に配置された多板式のクラッチと、ケース状トルク伝達部材の内部で前記クラッチに隣接配置されたアーマチャと、前記軸方向側壁部材とクラッチとアーマチャとで形成される磁気回路を介してアーマチャを移動操作し、クラッチを断続する電磁石とを備え、前記電磁石のヨークは前記軸方向側壁部材に設けられた凹部に貫入して配置され前記軸方向側壁部材との間にエアギャップを形成すると共に、前記エアギャップが形成された前記電磁石のヨークの外周面と前記軸方向側壁部材の内周面との間、及び前記電磁石のヨークの内周面と前記軸方向側壁部材との間に磁気回路が構成され、前記電磁石の励磁によって生じる磁束ループの磁束が透過し、前記軸方向側壁部材の外周側の端面は前記ケース状トルク伝達部材の円筒部の端面より軸方向に突出して設けられ、前記軸方向側壁部材の内周面の幅が前記電磁石のヨークの前記磁気回路の一部を構成する外周面の幅より広く設定され前記磁気回路の一部としての所定の断面積を確保されており、前記軸方向側壁部材には、前記クラッチと軸方向に対向して開口が設けられると共に、前記開口に隣接して非磁性体のリングが配置されていることを特徴とするカップリング。
  2. 請求項1記載のカップリングであって、前記電磁石のヨークは前記軸方向側壁部材にベアリング支持され、前記エアギャップが形成された前記軸方向側壁部材の外周面は前記電磁石のヨークの内周面の端部より軸方向に突出して前記ベアリングに当接していることを特徴とするカップリング。
  3. 請求項1又は請求項2記載のカップリングであって、磁束ループの磁束が透過する前記電磁石のヨークにおける前記外周面と前記内周面は、前記電磁石のコイルの半径方向外側と内側に位置して前記軸方向側壁部材の前記内周面と前記外周面と対向していることを特徴とするカップリング。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のカップリングであって、前記軸方向側壁部材における前記内周面及び前記外周面の幅は前記電磁石のヨークにおける前記磁気回路の一部を構成する前記外周面及び前記内周面の幅より十分に広く形成されていることを特徴とするカップリング。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のカップリングであって、ケ−ス状トルク伝達部材の円筒部材と軸方向側壁部材が、互いに螺着されており、該螺着された部分より前記軸方向側壁部材の外周側の端面は軸方向に突出して設けられていることを特徴とするカップリング。
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JPH05312226A (ja) * 1992-05-13 1993-11-22 Fuji Univance:Kk 油圧式動力伝達継手
JPH10292829A (ja) * 1997-01-29 1998-11-04 Toyota Motor Corp 駆動力伝達装置

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