JP2002340040A - カップリング - Google Patents

カップリング

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JP2002340040A
JP2002340040A JP2001148067A JP2001148067A JP2002340040A JP 2002340040 A JP2002340040 A JP 2002340040A JP 2001148067 A JP2001148067 A JP 2001148067A JP 2001148067 A JP2001148067 A JP 2001148067A JP 2002340040 A JP2002340040 A JP 2002340040A
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JP
Japan
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plate
pressure plate
clutch
coupling
rotating member
Prior art date
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Application number
JP2001148067A
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English (en)
Inventor
Hisafumi Yoshida
尚史 吉田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多板クラッチが摩耗してもプレッシャープレ
ートによる多板クラッチの締結を確保することのできる
カップリングの提供を図る。 【解決手段】 カップリング1は電磁石19によってプ
レッシャープレート11を軸方向に移動させ、プレッシ
ャープレート11を介して多板クラッチ7を締結させる
ことにより回転ケース3とインナーシャフト5との間の
動力の断続を行う。プレッシャープレート11の内周側
に、インナーシャフト5の外周に支持される支持部49
とインナーシャフト5と係合する係合部51とを段違い
状に形成すると共に、係合部51を多板クラッチ7とプ
レッシャープレート11との押圧面35よりも多板クラ
ッチ7側に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力の断続を行う
カップリングに関する。
【0002】
【従来の技術】図4は特開平10−30656号公報に
記載された従来のカップリング301である。
【0003】このカップリング301は4輪駆動の後輪
側動力伝達系に配置されており、回転ケース303、イ
ンナーシャフト305、多板式のメインクラッチ30
7、ボールカム309、プレッシャープレート311,
カムリング313、多板式のパイロットクラッチ31
5、アーマチャ317、電磁石319、コントローラな
どから構成されている。
【0004】回転ケース303はプロペラシャフトを介
してトランスファからトランスミッション側に連結され
ている。
【0005】インナーシャフト305はボールベアリン
グ321によって回転ケース303内に回転可能に支持
されており、ドライブピニオンシャフトがスプライン連
結されている。
【0006】メインクラッチ307は回転ケース303
とインナーシャフト305との間に配置されている。メ
インクラッチ307はインナープレート335及びアウ
タープレート337が交互に積層された構造となってお
り、インナープレート335の内周側はインナーシャフ
ト305の外周面に形成されたスプライン部339に連
結されている。
【0007】パイロットクラッチ315は回転ケース3
03とカムリング313との間に配置されている。ボー
ルカム309はカムリング313とプレッシャープレー
ト311との間に配置されている。
【0008】プレッシャープレート311はインナーシ
ャフト305の外周面に支持されることにより軸方向へ
移動可能となっている。プレッシャープレート311の
軸方向への移動を可能とするため、プレッシャープレー
ト311とインナーシャフト305との間には、所定の
移動ギャップ343が設けられている。また、プレッシ
ャープレート311には、インナーシャフト305のス
プライン部339に連結されるスプライン部341が形
成されている。
【0009】電磁石319には、ボールベアリング33
6を介して回転ケース303の一部を構成するロータ3
25が回転可能に取り付けられている。ロータ325は
回転ケース303の軸方向の一側(右側)から挿入され
て、これらの間のねじ部331を介して回転ケース30
3に固定されている。
【0010】ロータ325とインナーシャフト305と
の間には、Xリング327が配置され、ロータ325と
回転ケース303との間には、Oリング329が配置さ
れており、これらにより、回転ケース303とインナー
シャフト305との間に封入されたオイルの漏れを防止
している。
【0011】コントロ−ラは、電磁石319の励磁、励
磁電流の制御、励磁停止などを行う。
【0012】電磁石319が励磁されると、磁気回路に
磁気ル−プが形成されてア−マチャ317が吸引され、
パイロットクラッチ315が押圧されて締結される。パ
イロットクラッチ315が締結されると、回転ケ−ス3
03とインナーシャフト305の間の伝達トルクがボ−
ルカム309に掛かり、生じたカムスラスト力によりプ
レッシャープレート311を介してメインクラッチ30
7が押圧され締結される。
【0013】こうしてカップリング301が連結される
と、エンジンの駆動力が後輪に送られて、車両は4輪駆
動状態になり、悪路の走破性や、車体の安定性などが向
上する。
【0014】また、電磁石319の励磁電流を制御する
と、パイロットクラッチ315の滑りによってボ−ルカ
ム309のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ3
07の連結力が変化して後輪に送られる駆動力の大きさ
が調整される。
【0015】また、電磁石319の励磁を停止すると、
パイロットクラッチ315が開放されてボ−ルカム30
9のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ307が
開放されてカップリング301の連結が解除され、車両
は2輪駆動状態になる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】カップリング301で
は、プレッシャープレート311が軸方向に移動するこ
とによりメインクラッチ307を押圧して締結するた
め、メインクラッチ307が摩耗した場合には、その
分、プレッシャープレート311の軸方向への移動量が
多く必要となる。しかしながら、プレッシャープレート
311とインナーシャフト305との間の移動ギャップ
343以上にメインクラッチ307が摩耗すると、プレ
ッシャープレート311がインナーシャフト305に当
接するため、所定のトルクを得ることができない恐れが
ある。
【0017】そこで、これを防止するため、移動ギャッ
プ343を長くすることが考えられるが、この場合に
は、カップリング全体の長さに影響し、カップリングが
自動車等の所定スペース内に搭載される関係上、カップ
リング全体としての長さを大きくすることができない。
このため、プレッシャープレート311とインナーシャ
フト305との支持部の長さを削って移動ギャップ34
3を長くする事が考えられるが、この場合にはプレッシ
ャープレートの支持部が短くなるため、プレシャープレ
ート311の倒れを考慮する必要が発生する。
【0018】そこで、本発明はメインクラッチが摩耗し
た場合であっても、カップリングを軸方向に長くする必
要なく、プレッシャープレートを確実に支持できると共
に、プレッシャープレートが確実にメインクラッチを押
圧して締結させることが可能な構造のカップリングを提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1のカップリング
は、アクチュエータによってプレッシャープレートを軸
方向に移動させ、プレッシャープレートを介して多板ク
ラッチを締結させることにより外側回転部材と内側回転
部材との間の動力の断続を行うカップリングにおいて、
前記プレッシャープレートはその内周側に、内側回転部
材の外周に支持される支持部と内側回転部材と係合する
係合部とを段違い状に形成すると共に、前記係合部を多
板クラッチとプレッシャープレートとの押圧面よりも多
板クラッチ側に配置したことを特徴としている。
【0020】この発明では、プレッシャープレートにお
ける内側回転部材との係合部を、支持部に対して段違い
状に形成し、且つプレッシャープレートと多板クラッチ
との押圧面よりも多板クラッチ側に配置することによ
り、係合部が長くなり、その分プレッシャープレートの
移動ストローク(移動ギャップ)を長く確保することが
できる。従って、多板クラッチが摩耗してもプレッシャ
ープレートは内側回転部材と当接することなく、確実に
多板クラッチを押圧することができる。
【0021】また、移動ストロークを長くするために、
プレッシャープレートと内側回転部材との支持部の長さ
を削る必要がないため、プレッシャープレートを確実に
支持することができる。
【0022】また、移動ストロークを長くするために、
カップリング全体を長くする必要がなく、車載性に影響
を与えることもない。
【0023】請求項2の発明は、請求項1に記載のカッ
プリングであって、プレッシャープレートに隣接する多
板クラッチのインナープレートと内側回転部材との係合
部を前記押圧面よりも多板クラッチ側に配置したことを
特徴としており、請求項1の構成と同等の作用・効果を
得ることができる。
【0024】また、プレッシャープレートと隣接する多
板クラッチのインナープレートと内側回転部材との係合
部のみを変更しているので、このインナープレートだけ
を変更するだけで請求項1のプレッシャープレートの係
合部を形成することができる。このため、他の部材の変
更がなく、設計変更を最小限に抑えることができる。
【0025】請求項3の発明は、請求項1に記載のカッ
プリングであって、プレッシャープレートにフェーシン
グ材を設け、このフェーシング材を多板クラッチのアウ
タープレートに隣接させたことを特徴としており、請求
項1と同等の作用・効果を得ることができる。
【0026】また、プレッシャープレートに設けられた
フェーシング材は、プレッシャープレートと多板クラッ
チのアウタプレートの直接的な接触を防止するため、金
属同士の接触音が発生するのを防止することができる。
【0027】また、フェーシング材はプレッシャープレ
ートと多板クラッチのアウタプレートとの直接な摺動を
なくすため、これらの摺動に基づいた発熱によるオイル
の劣化を防止することができる。
【0028】請求項4の発明は、請求項1に記載のカッ
プリングであって、プレッシャープレートに隣接する多
板クラッチのインナープレートをプレッシャープレート
と相対回転不能に係合したことを特徴としており、請求
項1と同等の作用・効果を得ることができる。
【0029】また、プレッシャープレートに隣接する多
板クラッチのインナープレートがプレッシャープレート
と相対回転しないため、これらの相対回転に基づいた異
音、騒音の発生がなくなる。
【0030】請求項5のカップリングは、外側回転部材
と、内側回転部材と、これらの間でトルクを伝達する多
板式のメインクラッチと、メインクラッチを連結させる
請求項1〜4のいずれかに記載のプレッシャープレート
と、アクチュエータによって断続操作されるパイロット
クラッチと、パイロットクラッチが連結されると、両回
転部材に掛かる伝達トルクを受けて作動し、プレッシャ
ープレートを介してメインクラッチを連結させる増幅機
構とを備えていることを特徴としている。
【0031】このカップリングでは、プレッシャープレ
ートに加えて、パイロットクラッチ及び増幅機構がメイ
ンクラッチの連結に関与した構造となっている。このよ
うな構造であっても、プレッシャープレートが請求項1
〜4の特徴を備えているため、パイロットクラッチ、増
幅機構の配置を変更することなく、プレッシャープレー
トがメインクラッチを確実に連結させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]図1によってカ
ップリング1(本発明の第1実施形態)の説明をする。
【0033】カップリング1は、請求項1,4,5の特
徴を備えている。カップリング1は4輪駆動車において
2輪駆動走行時に切り離されるリヤデフとエンジン(ト
ランスファ)側との間に配置される。また、左右の方向
はこの車両の左右の方向であり、図1の左方はこの車両
の前方(エンジン側)に相当する。なお、符号を与えて
いない部材等は図示されていない。
【0034】カップリング1とリヤデフは、この順で前
後方向に配置され、デフキャリヤに収容されている。
【0035】カップリング1は、回転ケース3(外側回
転部材)、インナーシャフト5(内側回転部材)、多板
式のメインクラッチ7、ボールカム9(増幅機構)、プ
レッシャープレート11、カムリング13、多板式のパ
イロットクラッチ15、アーマチャ17、電磁石19
(アクチュエータ)、コントローラなどから構成されて
いる。
【0036】回転ケース3は、軸用スチール材料で作ら
れている前側の動力伝達軸21、アルミニウム合金で作
られている円筒部材23、鉄系合金(磁性体)で作られ
ている後側のロータ25(カバー部材)などから構成さ
れている。
【0037】動力伝達軸21は円筒部材23の前端に溶
接等によって締結されて、円筒部材23の前側を閉塞し
ている。動力伝達軸21にはスプライン部27が設けら
れており、このスプライン部27にはシャフトが連結さ
れる。このシャフトはデフキャリヤから前方に突き出し
ており、そのスプライン部に連結されたコンパニオンフ
ランジと継ぎ手とプロペラシャフトなどを介してトラン
スファ側に連結されている。エンジンの駆動力はこれら
の動力伝達系を介して回転ケース3に伝達される。
【0038】ロータ25は、円筒部材23の後部側開口
に螺着されている。このため、ロータ25の外周面に
は、円筒部材23の内周面のねじ部と螺合するねじ部2
9が形成されている。ロータ25が円筒部材23に螺着
することにより、円筒部材23の後部側開口が閉塞され
ている。また、ロータ25と円筒部材23との間には、
Oリング33が配置されて、これらの間の密閉性が確保
されており、これによりこの部分でのオイル漏れが防止
されている。
【0039】ロータ25のねじ部29には、ロックナッ
ト31が後側から螺着している。このロックナット31
が後側から螺着することにより、ダブルナット構造とな
っており、ロータ25と円筒部材23の螺着部の弛みを
防止し、固定機能を高めている。
【0040】インナーシャフト5は後方から回転ケース
3に貫入している。インナーシャフト5は前部がボール
ベアリング37によって回転ケース3に支承され、後部
がニードルベアリング39によってロータ25に支承さ
れており、インナーシャフト5は回転ケース3内で回転
する。また、ボールベアリング37及びニードルベアリ
ング39の軸方向外側には、インナーシャフト5と回転
ケース3との間及びインナーシャフト5とロータ25と
の間に断面がX字状のシールであるXリング41,43
が配置され、オイル漏れを防止している。
【0041】また、インナーシャフト5の内周に形成さ
れたスプライン部63にはドライブピニオンシャフトが
連結されている。このドライブピニオンシャフトにはド
ライブピニオンギアが一体に形成されており、ドライブ
ピニオンギアはリヤデフ側のリングギアと噛み合ってい
る。インナーシャフト5の回転はこれらの動力伝達系を
介してリヤデフに伝達される。
【0042】回転ケース3は上記のOリング33とXリ
ング41,43とによって密封されており、その内部に
は、オイル孔45からオイルが注入される。オイル注入
後、このオイル孔45はチェックボール47が圧入され
てシールされる。
【0043】インナーシャフト5の内部には、回転ケー
ス3内部のオイル封入量を増大させる容量増大空間部6
5が設けられている。容量増大空間部65には、回転ケ
ース3内部の他の部分と同様に、注入されたオイルと空
気が収容されている。また、容量増大空間部65はイン
ナーシャフト5に形成された複数個所の径方向流路によ
ってメインクラッチ7側と連通している。
【0044】メインクラッチ7は、回転ケース3(円筒
部材23)とインナーシャフト5との間に配置されてお
り、そのアウタープレート69は円筒部材23の内周に
形成されたスプライン部71に連結され、インナープレ
ート73はインナーシャフト5の外周に形成されたスプ
ライン部75に連結されている。
【0045】プレッシャープレート11は、メインクラ
ッチ7とアーマチャ17との間に挟まれており、ボール
カム9のスラスト力によってメインクラッチ7を回転ケ
ース3(円筒部材23)との間で押圧し、締結させる。
このため、プレッシャープレート11はメインクラッチ
7を押圧する押圧面35を有している。
【0046】また、プレッシャープレート11の内周側
には、支持部49及び係合部51が形成されている。支
持部49は、回転ケース5の外周に接触することによ
り、回転ケース5に支持されている。
【0047】係合部51は支持部49よりも段状に高く
なるようにメインクラッチ7側に形成されており、その
スプライン部53がインナーシャフト5のスプライン部
75に係合することにより、プレッシャープレート11
の移動が案内されている。
【0048】係合部51はメインクラッチ7への押圧面
35よりもメインクラッチ7側に位置するようにメイン
クラッチ7側に延びている。係合部51をこのような構
造とすることにより、係合部51を長くすることがで
き、その分プレッシャープレート11の移動ストローク
(移動ギャップ)55を長く確保することができる。従
って、メインクラッチ7が摩耗してもプレッシャープレ
ート11は回転ケース5と当接することなく、確実にメ
インクラッチ7を押圧することができる。
【0049】また、移動ストローク55を長くするため
に、プレッシャープレート11とインナーシャフト5と
の支持部の長さを削る必要がないため、プレッシャープ
レート11を確実に支持することができる。また、移動
ストローク55を長くするために、カップリング全体を
長くする必要がなく、車載性に影響を与えることもな
い。
【0050】特にこの実施形態では、メインシャフト7
における複数のインナープレート73の内、プレッシャ
ープレート11に隣接したインナープレート73aは、
その内周側がプレッシャープレート11の係合部51に
係合している。この係合により、インナープレート73
aは、インナーシャフト5と相対回転することなく、イ
ンナーシャフト5と一体となって回転する。従って、相
対回転による音の発生を防止することができる。
【0051】ボールカム9は、プレッシャープレート1
1とカムリング13との間に配置されている。ボールカ
ム9はプレッシャープレート11及びカムリング13に
形成されたカム面に挟まれており、パイロットクラッチ
15が締結されることによる伝達トルクを増幅する。
【0052】カムリング13は、インナーシャフト5の
外周に摺動自在に配置されており、カムリング13とロ
ータ25との間には、ボールカム9のカム反力を受ける
スラストベアリング77とワッシャ79が配置されてい
る。
【0053】パイロットクラッチ15は、回転ケース3
(円筒部材23)とカムリング13との間に配置されて
おり、そのアウタープレート81は円筒部材23の内周
に形成されたスプライン部71に連結され、インナープ
レート85はカムリング13の外周に形成されたスプラ
イン部87に連結されている。
【0054】アーマチャ17は、プレッシャープレート
11とパイロットクラッチ15との間に配置されてお
り、外周を円筒部材23のスプライン部71に移動自在
に連結されている。
【0055】電磁石19のコア89は、ロータ25に形
成されたリング状の凹部91に適度なエアギャプを介し
て貫入していると共に、両側シール型のボールベアリン
グ93によってロータ25上に支承されている。
【0056】ロータ25とパイロットクラッチ15とア
ーマチャ17とによって電磁石19の磁路が構成されて
いる。
【0057】ロータ25は非磁性体であるステンレスス
チールのリング99によって径方向の外側と内側に分断
されており、パイロットクラッチ15の各プレート8
1,85には、リング99と対応する径方向位置に、複
数個所の切り欠きと、これらの切り欠きを連結するブリ
ッジ部が周方向に設けられている。これらのリング99
と切り欠きとによって、磁路上での磁力の短絡が防止さ
れている。
【0058】コントローラは、車速、操舵角、横Gなど
から旋回走行を検知し、あるいは、路面状態などに応じ
て、電磁石19の励磁、励磁電流の制御、励磁停止など
を行う。
【0059】電磁石19が励磁されると、上記の磁路に
磁力ループ101が形成されてアーマチャ17が吸引さ
れ、ロータ25との間でパイロットクラッチ15を押圧
し締結させる。
【0060】パイロットクラッチ15が締結されると、
パイロットクラッチ15を介して回転ケース3に連結さ
れたカムリング13と、インナーシャフト5側のプレッ
シャープレート11とを介してボールカム9に伝達トル
クが掛かり、増幅されたカムスラスト力を受けてプレッ
シャープレート11が左方に移動し、メインクラッチ7
を押圧して締結させる。
【0061】カップリング1が連結されると、エンジン
の駆動力はインナーシャフト5からリヤデフ側のプロペ
ラシャフトなどを介してリヤデフに伝達され、リヤデフ
から左右の後輪に配分されて車両は4輪駆動状態にな
り、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
【0062】このとき、電磁石19の励磁電流を制御す
ると、パイロットクラッチ15の滑りに変化が生じてボ
ールカム9のカムスラスト力が変わり、メインクラッチ
7の連結力が変化して後輪に送られる駆動力の大きさが
変わり、前後輪間の駆動力配分比を制御することができ
る。例えば、旋回走行中にこのような駆動力配分比の制
御を行うと、車両の操縦性や安定性などを大きく向上さ
せることができる。
【0063】電磁石19の励磁を停止すると、パイロッ
トクラッチ15が開放されてボールカム9のカムスラス
ト力が消失し、メインクラッチ7が開放されてカップリ
ング1の連結が解除され、リヤデフ側が切り離されて、
車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
【0064】また、回転ケース3の円筒部材23をアル
ミニウム合金にしたことにより、電磁石19の磁力が円
筒部材23側に漏洩することが防止され、アーマチャ1
7に効率良く磁力が導かれるから、パイロットクラッチ
15は所定のパイロットトルクが得られ、カップリング
1は所定の連結トルクが得られる。
【0065】回転ケース3に封入されているオイルは、
電磁式カップリング1の遠心力によって内部を循環し、
メインクラッチ7、ボールカム9、パイロットクラッチ
15、スプライン部71,75,87、スラストベアリ
ング77、ワッシャ79、カムリング13内周とインナ
ーシャフト5外周との摺動面、Xリング41,43など
に供給され、これらを充分に潤滑・冷却する。
【0066】また、容量増大空間部65のオイルは、遠
心力によってインナーシャフト5の径方向流路からメイ
ンクラッチ7側に流入し、アウタープレート69とイン
ナープレート73との摺動面に与えられ、潤滑・冷却効
果をさらに向上させている。
【0067】また、メインクラッチ9の各インナープレ
ート73にはオイル孔103が設けられており、各プレ
ート69,73の摺動面へのオイルの移動を促進し、こ
れらの潤滑・冷却効果を向上させている。
【0068】こうして、電磁式カップリング1が構成さ
れている。
【0069】上記のように、プレッシャープレート11
の内周側に、回転ケース5に支持される支持部49と、
インナーシャフト5に係合する係合部51とを段違い状
に設けると共に、係合部51を押圧面35よりもメイン
クラッチ7側に位置するように配置しているため、プレ
ッシャープレート11の移動ストローク55を長くする
ことができる。従って、メインクラッチ7が摩耗して
も、プレッシャープレート11はメインクラッチ7を確
実に押圧して締結させることができる。
【0070】また、係合部51を支持部48と段違い状
に設けているため、移動ストローク55を長くしても、
プレッシャープレート11とインナーシャフト5との支
持部の長さを削る必要がなく、このため、プレッシャー
プレート11を確実に支持することができる。
【0071】また、移動ストローク55を長くするため
に、カップリング1の全体を長くする必要がなく、カッ
プリング1のコンパクト性を確保できるため、車載性に
影響を与えることもない。
【0072】また、メインシャフト7におけるプレッシ
ャープレート11に隣接したインナープレート73a
が、インナーシャフト5と相対回転することなく、イン
ナーシャフト5と一体となって回転するため、相対回転
に基づいた異音、騒音の発生を防止することができる。
【0073】[第2実施形態]図2によってカップリン
グ120(本発明の第2実施形態)の説明をする。
【0074】このカップリング201は請求項1,2,
5の特徴を備えており、第1実施形態のカップリング1
を用いた4輪駆動車に、カップリング1と置き換えて用
いられている。以下、カップリング1と同機能の部材に
同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
なお、図2の左方はこの車両の前方(エンジン側)に相
当し、符号のない部材等は図示されていない。
【0075】この第2実施形態では、メインクラッチ7
における複数のインナープレート73のうち、プレッシ
ャープレート11と隣接するインナープレート73aの
内周側がプレッシャープレート11から離れる方向の断
面「く」字形に屈曲して設けられている。そして、イン
ナープレート73aの内周端はインナーシャフト5のス
プライン部75に係合する係合57となっている。
【0076】上記のようにインナープレート73aが屈
曲されることにより、係合部57はプレッシャープレー
ト11の押圧面35よりもメインクラッチ7側に位置し
ている。この場合においても、プレッシャープレート1
1の係合部51は押圧面35よりもメインクラッチ7側
に位置している。従って、プレッシャープレート11の
移動ストローク55を長く確保することができる。
【0077】この第2実施形態においても、プレッシャ
ープレート11の移動ストローク55が長くなっている
ため、メインクラッチ7が摩耗してもメインクラッチ7
を確実に押圧して締結させることができる。
【0078】また、インナープレート73aをプレッシ
ャープレート11から遠ざかる方向に屈曲させるだけ
で、プレッシャープレート11の係合部51をメインク
ラッチ7側に位置させる構造となっている。このような
構造では、メインクラッチ7における複数のプレート6
9,73の内、プレッシャープレート11に隣接するイ
ンナープレート73aだけを変更することによりプレッ
シャープレート11の移動ストローク55を確保するこ
とができる。従って、簡単な設計変更で、課題を解決
し、トルクの伝達を確実に行うことができる。
【0079】[第3実施形態]図3によってカップリン
グ130(本発明の第3実施形態)の説明をする。
【0080】このカップリング130は請求項1,3,
5の特徴を備えており、第1実施形態のカップリング1
を用いた4輪駆動車に、カップリング1と置き換えて用
いられている。以下、カップリング1と同機能の部材に
同一の符号を与えて引用しながら、相違点を説明する。
なお、図2の左方はこの車両の前方(エンジン側)に相
当し、符号のない部材等は図示されていない。
【0081】この実施形態では、プレッシャープレート
11の押圧面35にフェーシング材59が貼り付けられ
ている。また、メインクラッチ7におけるプレッシャー
プレート11側にはアウタープレート69aが隣接する
ように配置されている。上記フェーシング材59は、こ
の隣接したアウタープレート69aに臨んでいる。
【0082】フェーシング材59はプレッシャープレー
ト11の押圧面35とアウタープレート69aとが直接
接触することを防止しており、これにより金属同士の接
触音が発生することがなくなる。
【0083】また、フェーシング材59はプレッシャー
プレート11とアウタプレート69aとの間に介在して
これらの直接な摺動をなくしている。このため、これら
の摺動に基づいた発熱によるオイルの劣化を防止するこ
とができる。
【0084】また、メインクラッチ7のアウタープレー
ト69aがプレッシャープレート11に隣接してプレッ
シャープレート11の押圧を受けており、プレッシャー
プレート11側にインナープレート73aを配置する必
要がない。しかもインナープレート73aを図1のよう
にプレッシャープレート11の係合部51に係合させた
り、図2のように屈曲させてインナーシャフト5に係合
させる必要もない。このため、メインクラッチ7の組立
が簡単となり、安価に提供することができる。
【0085】本発明は以上の実施形態に限定されること
なく、種々変更が可能である。例えば、プレッシャープ
レート11を軸方向に移動させるアクチュエータとし
て、油圧等の電磁石以外の手段を用いることができる。
また、伝達トルクを増幅する手段として、ボールカム9
に代えてテーパ構造による増幅機構など様々な構造を用
いることができる。
【0086】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、プレッシャー
プレートの移動ストロークを長く確保することができる
ため、多板クラッチが摩耗してもプレッシャープレート
が内側回転部材と当接することなく、確実に多板クラッ
チを押圧することができる。
【0087】また、移動ストロークを長くするために、
プレッシャープレートと内側回転部材との支持部の長さ
を削る必要がないため、プレッシャープレートを確実に
支持することができる。
【0088】また、移動ストロークを長くするために、
カップリング全体を長くする必要がなく、車載性に影響
を与えることもない。
【0089】請求項2の発明は、請求項1に記載の発明
と同等の効果を得ることができることに加え、プレッシ
ャープレートと隣接する多板クラッチのインナープレー
トだけを変更するだけでプレッシャープレートの係合部
を多板クラッチ側に設定し、移動ストロークを長く確保
できるため、他の部材の変更がなく、設計変更を最小限
に抑えることができる。
【0090】請求項3の発明は、請求項1の発明と同等
の効果を得ることができることに加え、プレッシャープ
レートと多板クラッチのアウタプレートの直接的な接触
がないため、金属同士の接触音が発生することがなくな
ると共に、これらの摺動に基づいた発熱によるオイルの
劣化を防止することができる。
【0091】請求項4の発明は、請求項1に記載の発明
と同等の効果を得ることができることに加え、プレッシ
ャープレートに隣接する多板クラッチのインナープレー
トがプレッシャープレートと相対回転しないため、異
音、騒音の発生がなくなる。
【0092】請求項5の発明によれば、プレッシャープ
レートが請求項1〜4の特徴を備えているため、パイロ
ットクラッチ、増幅機構等その他の構成を変更すること
なく、プレッシャープレートがメインクラッチを確実に
連結させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態の断面図である。
【図4】従来のカップリングを示す断面図である。
【符号の説明】
1 カップリング 3 回転ケース(外側回転部材) 5 インナーシャフト(内側回転部材) 7 メインクラッチ 9 ボールカム 11 プレッシャープレート 13 カムリング 15 パイロットクラッチ 19 電磁石 49 支持部 51 係合部(プレッシャープレート) 57 係合部(インナープレート) 57 フェーシング材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータによってプレッシャープ
    レートを軸方向に移動させ、プレッシャープレートを介
    して多板クラッチを締結させることにより外側回転部材
    と内側回転部材との間の動力の断続を行うカップリング
    において、 前記プレッシャープレートはその内周側に、内側回転部
    材の外周に支持される支持部と内側回転部材と係合する
    係合部とを段違い状に形成すると共に、前記係合部を多
    板クラッチとプレッシャープレートとの押圧面よりも多
    板クラッチ側に配置したことを特徴とするカップリン
    グ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明であって、前記プ
    レッシャープレートに隣接する多板クラッチのインナー
    プレートと内側回転部材との係合部を前記押圧面よりも
    多板クラッチ側に配置したことを特徴とするカップリン
    グ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発明であって、前記プ
    レッシャープレートにフェーシング材を設け、このフェ
    ーシング材を多板クラッチのアウタープレートに隣接さ
    せたことを特徴とするカップリング。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発明であって、プレッ
    シャープレートに隣接する多板クラッチのインナープレ
    ートをプレッシャープレートと相対回転不能に係合した
    ことを特徴とするカップリング。
  5. 【請求項5】 外側回転部材と、内側回転部材と、これ
    らの間でトルクを伝達する多板式のメインクラッチと、
    メインクラッチを連結させる請求項1〜4のいずれかに
    記載のプレッシャープレートと、アクチュエータによっ
    て断続操作されるパイロットクラッチと、パイロットク
    ラッチが連結されると、両回転部材に掛かる伝達トルク
    を受けて作動し、プレッシャープレートを介してメイン
    クラッチを連結させる増幅機構とを備えていることを特
    徴とするカップリング。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120669A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 動力伝達装置
CN103758991A (zh) * 2014-01-24 2014-04-30 北京阳铭诚科技有限责任公司 电磁离合器换挡装置

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JP2007120669A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Gkn ドライブライン トルクテクノロジー株式会社 動力伝達装置
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