JP4684104B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両に用いられる動力伝達装置に関する。
特許文献1に記載された四輪車両駆動装置には図7及び図8のようにトランスファ1001は前輪側に伝達される駆動力を断続するカップリング1003(調整クラッチ組立体:動力伝達装置)を含んでいる。
トランスファ1001において、変速機側からの駆動力は減速機構1005で減速されて出力軸1007を回転させ、出力軸1007の回転は、プロペラシャフトを介して後輪側に伝達されると共に、カップリング1003からチェーン伝動機構1009などを介して前輪側に伝達される。
カップリング1003は、図8のように、クラッチハブ1011、多板クラッチ1013、作用プレート1015、ボールカム1017、電磁コイル1019、電磁コイル1019によって吸引されるアーマチャ1021、電磁コイル1019を囲むコイルハウジング1023などから構成されている。
特開平6−72179号公報
しかし、この駆動装置では、カップリング1003を構成する上記の各部材(クラッチハブ1011、クラッチとしての多板クラッチ1013、作用プレート1015、ボールカム1017、アーマチャ1021、コイルハウジング1023など)や、出力軸1007をトランスファケース1025に支持するベアリング1027などの部材を、出力軸1007上に順に組み付ける構造になっているから、組み付け作業が極めて煩雑で組み付けに手間が掛かるから、組み付けコストが高い。
そこで、この発明は、組み付けが容易であり、低コストで組み付けできる動力伝達装置の提供を目的とする。
請求項1の動力伝達装置は、外側回転部材と、内側回転部材と、前記両回転部材の間に設けられたトルク伝達部材と、前記内側回転部材の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸と、前記内側回転部材と前記第1の駆動軸との軸方向位置を定める固定手段とを備えた動力伝達装置であって、前記外側回転部材は、円筒部と、この円筒部の一端に連結した第1の側壁と、前記円筒部の他の端部に連結した第2の側壁とを備え、前記第1と第2の側壁と前記円筒部とによって形成された空間に、前記内側回転部材と前記トルク伝達部材が収容されると共に、前記内側回転部材は前記第1と第2の側壁とによって軸方向に位置決めされて、前記外側回転部材と前記内側回転部材及び前記トルク伝達部材とがサブアッシー化され、前記内側回転部材の内周側に第1の環状溝が一つ形成され、前記第1の駆動軸の外周側に第2の環状溝が一つ形成されており、前記第1の駆動軸への前記内側回転部材の組み付けの始めに前記第1の環状溝に前記固定手段を係合させ、前記内側回転部材を前記第1の駆動軸へ組み付ける際に前記第2の環状溝と前記固定手段を係合させ、前記内側回転部材と前記第1の駆動軸との軸方向の位置決めを行い、前記第1の駆動軸に対する前記外側回転部材が前記内側回転部材に対して軸方向に位置決めされることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された動力伝達装置であって、前記第1の側壁の内周側は、支持部材を介して前記第1の駆動軸に支持され、前記第2の側壁の内周側は、前記第2の側壁の径方向内側にオーバーラップして形成されたスプライン部を介して第2の駆動軸に連結されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載された動力伝達装置であって、前記第1の側壁には、前記トルク伝達部材の伝達トルクを制御するアクチュエータが同軸的に支持されていることを特徴とする。
請求項1の動力伝達装置は、固定手段によって内側回転部材と第1の駆動軸との軸方向位置を定める(位置決めする)ことができる。
また、外側回転部材と内側回転部材の間に配置される各トルク伝達部材を、従来例と異なって、駆動軸に対して順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストを低減することができる。
また、固定手段を、組み付けの初めには、内側回転部材の第1の環状溝に係合させておき、組み付けに際しては、第1の駆動軸を軸方向に移動させるだけで第2の環状溝に(自然に)係合するように構成したことによって、第1の駆動軸と内側回転部材との軸方向位置決めを極めて容易に行えるから、組み付けコストがさらに低減される。
また、内側回転部材を、外側回転部材の第1と第2の各側壁の間
に配置することによってサブアセンブリー化が可能になるから、外側回転部材と内側回転部材間のトルク伝達部材を、従来例と異なって、駆動軸に対し順に組み付ける構造から解放され、組み付け作業がそれだけ容易になり、組み付けコストが低減される。
また、内側回転部材が外側回転部材の第1と第2の側壁によって軸方向に位置決めされるから、内側回転部材の位置決め手段を別途用意する必要がなくなり、コストがそれだけ低減される。
請求項2の発明は、第1の側壁(外側回転部材)を支持部材で第1の駆動軸に支持したことによって外側回転部材の支持が確実になり、さらに、外側回転部材の支持を確実にしたことにより、第2の側壁(外側回転部材)を第2の駆動軸に対して確実に、且つ、容易に連結することができる。
請求項3の発明は、第1の側壁でアクチュエータを支持したことによって、アクチュエータを含めた装置全体をサブアセンブリー化することが容易になり、各トルク伝達部材を、従来例と異なって、駆動軸に対し順に組み付ける構造から解放され、組み付け作業がそれだけ容易になり、組み付けコストが低減される。
<第1実施形態>
図1と図4とによって第1実施形態の動力伝達装置1を説明する。図1は動力伝達装置1を示し、図4は動力伝達装置1を用いた4輪駆動車の動力系を示している。動力伝達装置1はこの動力系においてトランスファ505の一部を構成しており、図1の左方はこの車両の前方に相当する。
[動力伝達装置1の特徴]
動力伝達装置1は、クラッチハウジング3(外側回転部材)と、クラッチハブ5(内側回転部材)と、両回転部材3,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7と、クラッチハブ5と第1の駆動軸7との軸方向位置を定めるリング部材9(固定手段)とを備えている。なお、トルク伝達部材とは、トルク伝達継路において、トルク伝達の断続(ON-0ff)が行われる部材を示すものである。
また、動力伝達装置1は、クラッチハブ5の内周側に第1の環状溝11が形成され、第1の駆動軸7の外周側に第2の環状溝13が形成され、リング部材9は、組み付けの初めに第1の環状溝11と係合し、組み付けの際に第2の環状溝13と係合する。
また、動力伝達装置1は、クラッチハウジング3と、クラッチハブ5と、両回転部材3,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7とを備え、さらに、クラッチハウジング3は、軸方向の両端側に第1の側壁15と第2の側壁17とを備え、クラッチハブ5は、第1と第2の各側壁15,17の間で軸方向両側の位置を定められており、
さらに、第1の側壁15は、ブッシュ19(支持部材)を介して第1の駆動軸7に支持され、第2の側壁17は、スプライン部21(連結部)を介して第2の駆動軸23に連結されており、第2の駆動軸23は第1の駆動軸7上に支持され、第2の側壁17は第2の駆動軸23を介して第1の駆動軸7上に支持されており、スプライン部21は、第2の側壁17の内周側に(径方向内側にオーバーラップして)形成されている。
また、動力伝達装置1は、クラッチハウジング3と、クラッチハブ5と、両回転部材3,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7とを備え、さらに、クラッチハウジング3は、円筒部25と、円筒部25の一端に連結された第1の側壁15と、円筒部25の他の端部に一体回転可能且つ軸方向相対移動可能に連結された第2の側壁17とを備え、これらの第1及び第2の各側壁15,17と円筒部25と、クラッチハブ5とによって形成された空間27に上記のトルク伝達部材が収容され、第1の側壁15にはトルク伝達部材の伝達トルクを制御する電磁マグネット29(アクチュエータ)が同軸的に支持され、第2の側壁17には第2の駆動軸23と連結するスプライン部21が形成されている。
第1の駆動軸7は、小径軸部31と大径軸部33とを備え、組み付け時には、小径軸部31が軸心35側に位置し、さらに、組み付け完了時には、小径軸部31が第1の側壁15の軸心35側に位置して(小径軸部31が第1の側壁15の径方向内側にオーバーラップして)支持関係が形成され、且つ、大径軸部33が第2の側壁17の軸心35側に位置して(小径軸部31が第1の側壁15の径方向内側にオーバーラップして)クラッチハブ5と連結されている。
[上記4輪駆動車の動力系の構成]
この動力系は、縦置きのエンジン501(原動機)、トランスミッション503、トランスファ505、前輪側のプロペラシャフト507、フロントデフ509、前車軸511,513、左右の前輪515,517、後輪側のプロペラシャフト519、方向変換歯車組521、リヤデフ523、後車軸525,527、左右の後輪529,531などから構成され、動力伝達装置1はトランスファ505の一部を構成している。
上記第1の駆動軸7は、トランスミッション503の出力軸側に一体回転可能に連結され、動力伝達装置1を貫通し、後輪側のプロペラシャフト519側に連結されている。
また、トランスファ505は、動力伝達装置1とチェーン伝動機構533から構成されてトランスファケース535に収容され、チェーン伝動機構533は動力伝達装置1と前輪側のプロペラシャフト507とを連結している。
エンジン501の駆動力は、トランスミッション503から第1の駆動軸7と後輪側のプロペラシャフト519などを介してリヤデフ523に伝達され、リヤデフ523から後車軸525,527を介して左右の後輪529,531に配分される。
動力伝達装置1が連結されると、エンジン501の駆動力は動力伝達装置1とチェーン伝動機構533などからフロントデフ509に伝達され、フロントデフ509から前車軸511,513を介して左右の前輪515,517に配分され、車両は4輪駆動状態になる。
また、動力伝達装置1の連結が解除されると、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。
[動力伝達装置1の構成]
動力伝達装置1は、上記のクラッチハウジング3(第1及び第2の各側壁15,17と円筒部25)とクラッチハブ5と第1の駆動軸7とリング部材9と第2の駆動軸23と電磁マグネット29と、ボールカム37と、カムリング39と、プレッシャープレート41と、アーマチャ43と、リターンスプリング45と、ボールカム37のスラスト反力を受けるベアリング47と、多板式のメインクラッチ49(トルク伝達部材)及びパイロットクラッチ51と、コントローラなどから構成されている。
クラッチハウジング3の円筒部25と第1の側壁15は、スチール(鉄系合金)をフローフォーミング加工によって一体に成形されており、このとき円筒部25の内周にスプライン部53が加工される。
クラッチハウジング3はこのようにフローフォーミング加工を用いて、円筒部25と第1の側壁15とを一体成形することにより、コストの低減が可能になり、各部に必要な肉厚変化を与えることができ、冷間加工されたスプライン部53は強度が大きく、また、加工歪みが発生せず、高い加工精度を得ている。
また、クラッチハウジング3の第2の側壁17はアルミニューム合金(非磁性材料)で作られており、円筒部25の内周に設けられた溝55に係合したスナップリング57によって円筒部25の前面側開口で軸方向に位置決めされている。ブッシュ19は第2の側壁17と同様に非磁性材料で作られており、これらの部材は下記の磁束ループ85からの磁束漏れを軽減し、動力伝達装置1の駆動力断続機能低下を防止している。なお、溝55はスプライン部53の底部より深くなっており、スナップリング57を全周で円筒部25と接触させた(接触面積を大きくした)ことによってスナップリング57に掛かる剪断応力を小さくし、第2の側壁17の位置決め機能を確実にし、保全している。
アルミニューム合金材の側壁17の外周に形成された歯はスチール材の円筒部25の内周側に設けられたスプライン部53と係合し、摩擦クラッチとしてのメインクラッチ49が発熱したときに側壁17が熱膨張しても、この側壁17により熱膨張率の小さなスチール材の円筒部のスプライン部に強固に締結支持されるのでクラッチのガタつきを抑制できる。
クラッチハブ5は、第1の駆動軸7の外周にスプライン部58で連結されており、上記のようにリング部材9は、組み付けに先立ってクラッチハブ5の第1の環状溝11に装着されており、組み付けに際して第1の駆動軸7を前方から移動させるとリング部材9が第2の環状溝13(第1の駆動軸7)に係合することによってクラッチハブ5と第1の駆動軸7が軸方向に位置決めされる。
第2の側壁17に設けられた周り止め部59には環状プレート61が回り止めされており、クラッチハブ5は、環状プレート61と第2の側壁17とによって前方向に位置決めされており、リターンスプリング45とボールカム37(プレッシャープレート41とボール63とカムリング39)とベアリング47と第1の側壁15とによって後方向に位置決めされている。
クラッチハブ5は軸方向長さを短縮して軽量化されていると共に、この短縮化に伴ってカムリング39とプレッシャープレート41はいずれも第1の駆動軸7の外周上で直接相対回転自在に支持されている。また、プレッシャープレート41はクラッチハブ5の外周に形成されたスプライン部65に軸方向移動可能に連結されている。
また、プレッシャープレート41が後方に戻った状態のクラッチハブ5とプレッシャープレート41との距離aを、環状プレート61の前端と周り止め部59の後端との距離bより小さくしたことにより、クラッチハブ5が後方に移動しても環状プレート61が周り止め部59から脱落しないようにされており、さらに、環状プレート61の前端と第2の駆動軸23の後端との距離cを上記の距離aより大きくしたことにより、リターンスプリング45が距離aだけ撓む間に、リング部材9が第1の駆動軸7の第2の環状溝13に係合するようにされている。
第2の駆動軸23は、ニードルベアリング67によって第1の駆動軸7上に支持されており、第2の駆動軸23にはチェーン伝動機構533の入力側スプロケット537が形成され、図4のように、入力側スプロケット537はチェーンを介して出力側スプロケット539に連結されている。
トルク伝達部材としてクラッチとしてのメインクラッチ49は、クラッチハウジング3のスプライン部53に軸方向移動可能に連結されたアウタープレート69(トルク伝達部材)と、クラッチハブ5のスプライン部65に軸方向移動可能に連結されたインナープレート71(トルク伝達部材)から構成されている。パイロットクラッチ51は円筒部25とカムリング39との間に設けられており、アーマチャ43はプレッシャープレート41とパイロットクラッチ51との間に軸方向移動自在に配置されている。
電磁マグネット29のコア73は両側シール型のボールベアリング75により第1の側壁15上に支持されており、回り止め部材77によりトランスファケース535に連結され回り止めされている。コア73から引き出されたリード線79は回り止め部材77を介して所望の方向に案内され、コネクター81などを介してトランスファケース535の外部に引き出され、バッテリーに接続されている。
コア73と第1の側壁15とパイロットクラッチ51とアーマチャ43によって電磁マグネット29の磁路が構成されており、第1の側壁15は非磁性材料(例えば、アルミニューム合金やオーステナイト系ステンレス鋼)のリング83によって径方向の外側と内側に分断されており、パイロットクラッチ51の各プレートには、リング83と対応する径方向位置に、周方向等間隔に設けられた切り欠きと、各切り欠きを連結するブリッジ部が設けられている。これらのリング83と切り欠きとによって磁路上での磁束の短絡が防止されている。
コントローラは、電磁マグネット29の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。電磁マグネット29が励磁されると、上記の磁路に磁束ループ85が形成され、吸引されたアーマチャ43によりパイロットクラッチ51が押圧されて締結し、トルクを受けて作動したボールカム37のカムスラスト力によりプレッシャープレート41を介し摩擦クラッチとしてのメインクラッチ49が押圧されて締結し、車両は4輪駆動状態になる。また、電磁マグネット29の励磁を停止すると、メインクラッチ49の連結が解除されて車両は後輪駆動状態になる。
第1の駆動軸7には潤滑オイルが給油される軸方向のオイル孔87と、オイル孔87と連通した径方向のオイル孔89,91と、オイル孔89と連通した環状のオイル孔93が設けられ、クラッチハブ5には環状のオイル孔93と対向した環状のオイル孔95と、オイル孔95と連通した径方向のオイル孔97が設けられ、メインクラッチ49の各インナープレート71にはオイルの移動を促進するオイル孔99が設けられ、クラッチハウジング3の円筒部25には遠心力でオイルを排出するようにスプライン部53と円筒部の外周側とを連通するオイル孔101が設けられ、カムリング39には軸方向のオイル溝103が設けられボール63の内径側の空間とベアリング47の内径側の空間とを連通している。
オイル孔87,89,93,95,97を通って給油されたオイルはメインクラッチ49のプレート69,71間の摺動部やパイロットクラッチ51の各プレート間の摺動部を潤滑・冷却してオイル孔101から外部に排出され、オイル孔91から給油されたオイルはボールカム37を潤滑・冷却し、さらにオイル溝103を通ってベアリング47を潤滑・冷却しオイル孔101から外部に排出される。
[動力伝達装置1の組み付け]
上記のように構成されたことにより、動力伝達装置1は、電磁マグネット29を含めた各構成部材をサブアセンブリー化することが可能になり、第1の駆動軸7上に容易に、また、確実に組み付けることができる。
[動力伝達装置1の効果]
動力伝達装置1は、リング部材9によってクラッチハブ5と第1の駆動軸7との軸方向位置を定めることができる。
また、クラッチハウジング3とクラッチハブ5の間に配置される各トルク伝達部材を第1の駆動軸7上に順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストを低減することができる。
また、組み付けに際しては、第1の駆動軸7を軸方向に移動させるだけで、第1の環状溝11(クラッチハブ5)に予め係合させてあるリング部材9を第2の環状溝13(第1の駆動軸7)に係合させることができるから、第1の駆動軸7とクラッチハブ5との軸方向位置決めが極めて容易であり、組み付けコストがさらに低減される。
また、動力伝達装置1は、クラッチハウジング3の第1と第2の各側壁15,17の間にクラッチハブ5を配置することによってサブアセンブリー化が可能になり、クラッチハウジング3とクラッチハブ5間のトルク伝達部材を第1の駆動軸7に対して順に組み付ける構造から解放され、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストが低減される。
また、クラッチハブ5が第1と第2の側壁15,17によって軸方向に位置決めされるから、クラッチハブ5用の位置決め手段を別途用意する必要がなく、コストがさらに低減される。
また、第1の側壁15(クラッチハウジング3)をブッシュ19によって第1の駆動軸7に支持したことにより、クラッチハウジング3の支持が確実になり、さらに、このようにクラッチハウジング3の支持を確実にしたことにより、第2の側壁17(クラッチハウジング3)を第2の駆動軸23に対して確実に、且つ、容易に連結することができる。
また、第2の駆動軸23を第1の駆動軸7上(ニードルベアリング67)で支持したことにより、第2の側壁17(クラッチハウジング3)が第2の駆動軸23を介して第1の駆動軸7に支持されるから、簡単な構造でありながら、構成部材の支持がそれだけ確実になる。
また、スプライン部21を第2の側壁17の内周側に形成した(径方向内側にオーバーラップさせた)ことにより、動力伝達装置1は軸方向にコンパクト化され、車載性が向上している。
また、動力伝達装置1は、クラッチハブ5とトルク伝達部材を、クラッチハウジング3の第1と第2の側壁15,17の内側に配置し、第1の側壁15で電磁マグネット29を支持し、第2の側壁17に第2の駆動軸23との連結部(スプライン部21)を設けたことによって、電磁マグネット29を含めた装置全体をサブアセンブリー化することが容易になり、クラッチハウジング3とクラッチハブ5間のトルク伝達部材を第1の駆動軸7に順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストが低減される。
また、組み付け時には、第1の駆動軸7の小径軸部31が軸心35側に位置し、組み付け完了時には、小径軸部31が第1の側壁15の軸心35側に位置して支持関係が形成され、大径軸部33が第2の側壁17の軸心35側に位置してクラッチハブ5と連結されるように構成したから、サブアセンブリーしたトルク伝達部材などを第1の駆動軸7上に容易で確実に組み付けることができる。
また、クラッチハウジング3は、円筒部25と第1の側壁15とをフローフォーミング加工で一体成形したから、それだけコストが低減され、各部に必要な肉厚変化を与えることができ、強度の大きいスプライン部53が得られ、加工精度が高い。
<第2実施形態>
図2と図4とによって第2実施形態の動力伝達装置201を説明する。図2は動力伝達装置201を示し、図4は動力伝達装置201を用いた4輪駆動車の動力系を示している。動力伝達装置201はこの動力系のトランスファ505の一部を構成しており、図2の左方はこの車両の前方に相当する。なお、第1実施形態と同一の機能を有する部材には同一符号を付与しており、必要に応じて第1実施形態を参照し流用する。
[動力伝達装置201の特徴]
動力伝達装置201は、クラッチハウジング203(外側回転部材)と、クラッチハブ5(内側回転部材)と、両回転部材203,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7と、クラッチハブ5と第1の駆動軸7との軸方向位置を定めるリング部材9(固定手段)とを備えている。
また、動力伝達装置201は、クラッチハブ5の内周側に第1の環状溝11が形成され、第1の駆動軸7の外周側に第2の環状溝13が形成されており、リング部材9は、組み付けの初めに第1の環状溝11と係合し、組み付けの際に第2の環状溝13と係合する。
また、動力伝達装置201は、クラッチハウジング203と、クラッチハブ5と、両回転部材203,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7とを備え、さらに、クラッチハウジング203は、軸方向の両端側に第1の側壁15と第2の側壁17とを備え、クラッチハブ5は、第1と第2の各側壁15,17の間で軸方向両側の位置を定められている。
第1の側壁15は、ブッシュ19(支持部材)を介して第1の駆動軸7に支持され、第2の側壁17は、スプライン部21(連結部)を介して第2の駆動軸23に連結されており、第2の駆動軸23は第1の駆動軸7上に支持され、第2の側壁17は第2の駆動軸23を介して第1の駆動軸7上に支持されており、スプライン部21は、第2の側壁17の内周側に形成されている。
また、動力伝達装置201は、クラッチハウジング203と、クラッチハブ5と、両回転部材203,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7とを備え、さらに、クラッチハウジング203は、円筒部25と、円筒部25の一端に連結された第1の側壁15と、円筒部25の他の端部に一体回転可能且つ軸方向相対移動可能に連結された第2の側壁17とを備え、これらの第1及び第2の各側壁15,17と円筒部25と、クラッチハブ5とによって形成された空間27に上記のトルク伝達部材が収容され、第1の側壁15にはトルク伝達部材の伝達トルクを制御する電磁マグネット29(アクチュエータ)が同軸的に支持され、第2の側壁17には第2の駆動軸23と連結するスプライン部21が形成されている。
第1の駆動軸7は、小径軸部31と大径軸部33とを備え、組み付け時には、小径軸部31が軸心35側に位置し、さらに、組み付け完了時には、小径軸部31が第1の側壁15の軸心35側に位置して(小径軸部31が第1の側壁15の径方向内側にオーバーラップして)支持関係が形成され、且つ、大径軸部33が第2の側壁17の軸心35側に位置して(小径軸部31が第1の側壁15の径方向内側にオーバーラップして)クラッチハブ5と連結されている。
[上記4輪駆動車の動力系の構成]
この動力系は、縦置きのエンジン501(原動機)、トランスミッション503、トランスファ505、前輪側のプロペラシャフト507、フロントデフ509、前車軸511,513、左右の前輪515,517、後輪側のプロペラシャフト519、方向変換歯車組521、リヤデフ523、後車軸525,527、左右の後輪529,531などから構成され、動力伝達装置201はトランスファ505の一部を構成している。
上記第1の駆動軸7は、トランスミッション503の出力軸側に一体回転可能に連結され、動力伝達装置201を貫通し、後輪側のプロペラシャフト519側に連結されている。
また、トランスファ505は、動力伝達装置201とチェーン伝動機構533から構成されてトランスファケース535に収容され、チェーン伝動機構533は動力伝達装置201と前輪側のプロペラシャフト507とを連結している。
エンジン501の駆動力は、トランスミッション503から第1の駆動軸7と後輪側のプロペラシャフト519などを介してリヤデフ523に伝達され、リヤデフ523から後車軸525,527を介して左右の後輪529,531に配分される。
動力伝達装置201が連結されると、エンジン501の駆動力は動力伝達装置201とチェーン伝動機構533などからフロントデフ509に伝達され、フロントデフ509から前車軸511,513を介して左右の前輪515,517に配分され、車両は4輪駆動状態になる。
また、動力伝達装置201の連結が解除されると、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。
[動力伝達装置201の構成]
動力伝達装置201は、上記のクラッチハウジング203(第1及び第2の各側壁15,17と円筒部25)とクラッチハブ5と第1の駆動軸7とリング部材9と第2の駆動軸23と電磁マグネット29と、ボールカム37と、カムリング39と、プレッシャープレート41と、アーマチャ43と、リターンスプリング45と、ボールカム37のスラスト反力を受けるベアリング47と、多板式のメインクラッチ49(トルク伝達部材)及びパイロットクラッチ51と、コントローラなどから構成されている。
クラッチハウジング203の円筒部25は、スチール(鉄系合金)をプレス加工して成形され、内周にスプライン部53が加工され、溶接部205で第1の側壁15と溶接されて一体にされている。
また、クラッチハウジング203の第2の側壁17はアルミニューム合金(非磁性材料)で作られており、円筒部25の内周に設けられた溝55に係合したスナップリング57によって円筒部25の前面側開口で軸方向に位置決めされている。ブッシュ19は第2の側壁17と同様に非磁性材料で作られており、これらの部材は下記の磁束ループ85からの磁束漏れを軽減し、動力伝達装置201の駆動力断続機能低下を防止している。なお、溝55は第1実施形態においてはスプライン部53の底部より深くなっており、スナップリング57を全周で円筒部25と接触させた(接触面積を大きくした)構造であったが、本実施形態では、スナップリング57の軸方向の厚さを増し変形を防止しながらスプライン部59の歯丈範囲内の溝55に係止されている。この場合もスナップリング57に掛かる剪断応力を小さくし、第2の側壁17の位置決め機能を確実にし、保全している。
クラッチハブ5は、第1の駆動軸7の外周にスプライン部58で連結されており、上記のようにリング部材9は、組み付けに先立ってクラッチハブ5の第1の環状溝11に装着されており、組み付けに際して第1の駆動軸7を前方から移動させるとリング部材9が第2の環状溝13(第1の駆動軸7)に係合することによってクラッチハブ5と第1の駆動軸7が軸方向に位置決めされる。
第2の側壁17に設けられた周り止め部59には環状プレート61が回り止めされており、クラッチハブ5は、環状プレート61と第2の側壁17とによって前方向に位置決めされており、リターンスプリング45とボールカム37(プレッシャープレート41とボール63とカムリング39)とベアリング47と第1の側壁15とによって後方向に位置決めされている。
クラッチハブ5は軸方向長さを短縮して軽量化されていると共に、この短縮化に伴ってカムリング39とプレッシャープレート41はいずれも第1の駆動軸7の外周上で直接相対回転自在に支持されている。また、プレッシャープレート41はクラッチハブ5の外周に形成されたスプライン部65に軸方向移動可能に連結されている。
また、プレッシャープレート41が後方に戻った状態のクラッチハブ5とプレッシャープレート41との距離aを、環状プレート61の前端と周り止め部59の後端との距離bより小さくしたことにより、クラッチハブ5が後方に移動しても環状プレート61が周り止め部59から脱落しないようにされており、さらに、環状プレート61の前端と第2の駆動軸23の後端との距離cを上記の距離aより大きくしたことにより、リターンスプリング45が距離aだけ撓む間に、リング部材9が第1の駆動軸7の第2の環状溝13に係合するようにされている。
第2の駆動軸23は、ニードルベアリング67によって第1の駆動軸7上に支持されており、第2の駆動軸23にはチェーン伝動機構533の入力側スプロケット537が形成され、図4のように、入力側スプロケット537はチェーンを介して出力側スプロケット539に連結されている。
クラッチとしてのメインクラッチ49は、クラッチハウジング203のスプライン部53に軸方向移動可能に連結されたアウタープレート69(トルク伝達部材)と、クラッチハブ5のスプライン部65に軸方向移動可能に連結されたインナープレート71(トルク伝達部材)から構成されている。パイロットクラッチ51は円筒部25とカムリング39との間に設けられており、アーマチャ43はプレッシャープレート41とパイロットクラッチ51との間に軸方向移動自在に配置されている。
電磁マグネット29のコア73は両側シール型のボールベアリング75により第1の側壁15上に支持されており、回り止め部材77によりトランスファケース535に連結され回り止めされている。コア73から引き出されたリード線79は回り止め部材77を介して所望の方向に案内され、コネクター81などを介してトランスファケース535の外部に引き出され、バッテリーに接続されている。
コア73と第1の側壁15とパイロットクラッチ51とアーマチャ43によって電磁マグネット29の磁路が構成されており、第1の側壁15は非磁性材料(例えば、アルミニューム合金やオーステナイト系ステンレス鋼)のリング83によって径方向の外側と内側に分断されており、パイロットクラッチ51の各プレートには、リング83と対応する径方向位置に、周方向等間隔に設けられた切り欠きと、各切り欠きを連結するブリッジ部が設けられている。これらのリング83と切り欠きとによって磁路上での磁束の短絡が防止されている。
コントローラは、電磁マグネット29の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。電磁マグネット29が励磁されると、上記の磁路に磁束ループ85が形成され、吸引されたアーマチャ43によりパイロットクラッチ51が押圧されて締結し、トルクを受けて作動したボールカム37のカムスラスト力によりプレッシャープレート41を介しメインクラッチ49が押圧されて締結し、車両は4輪駆動状態になる。また、電磁マグネット29の励磁を停止すると、メインクラッチ49の連結が解除されて車両は後輪駆動状態になる。
第1の駆動軸7には潤滑オイルが給油される軸方向のオイル孔87と、オイル孔87と連通した径方向のオイル孔89,91と、オイル孔89と連通した環状のオイル孔93が設けられ、クラッチハブ5には環状のオイル孔93と対向した環状のオイル孔95と、オイル孔95と連通した径方向のオイル孔97が設けられ、メインクラッチ49のインナープレート71にはオイルの移動を促進するオイル孔99が設けられ、クラッチハウジング203の円筒部25には遠心力でオイルを排出するオイル孔101が設けられ、カムリング39には軸方向のオイル溝103が設けられている。
オイル孔87,89,93,95,97を通って給油されたオイルはメインクラッチ49のプレート69,71間の摺動部やパイロットクラッチ51の各プレート間の摺動部を潤滑・冷却してオイル孔101から外部に排出され、オイル孔91から給油されたオイルはボールカム37を潤滑・冷却し、さらにオイル溝103を通ってベアリング47を潤滑・冷却しオイル孔101から外部に排出される。
[動力伝達装置201の組み付け]
上記のように構成されたことにより、動力伝達装置201は、電磁マグネット29を含めた各構成部材をサブアセンブリー化することが可能になり、第1の駆動軸7上に容易に、また、確実に組み付けることができる。
[動力伝達装置201の効果]
動力伝達装置201は、リング部材9によってクラッチハブ5と第1の駆動軸7との軸方向位置を定めることができる。
また、クラッチハウジング203とクラッチハブ5の間に配置される各トルク伝達部材を第1の駆動軸7上に順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストを低減することができる。
また、組み付けに際しては、第1の駆動軸7を軸方向に移動させるだけで、第1の環状溝11(クラッチハブ5)に予め係合させてあるリング部材9を第2の環状溝13(第1の駆動軸7)に係合させることができるから、第1の駆動軸7とクラッチハブ5との軸方向位置決めが極めて容易であり、組み付けコストがさらに低減される。
また、動力伝達装置201は、クラッチハウジング203の第1と第2の各側壁15,17の間にクラッチハブ5を配置することによってサブアセンブリー化が可能になり、クラッチハウジング203とクラッチハブ5間のトルク伝達部材を第1の駆動軸7に対して順に組み付ける構造から解放され、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストが低減される。
また、クラッチハブ5が第1と第2の側壁15,17によって軸方向に位置決めされるから、クラッチハブ5用の位置決め手段を別途用意する必要がなく、コストがさらに低減される。
また、第1の側壁15(クラッチハウジング203)をブッシュ19によって第1の駆動軸7に支持したことにより、クラッチハウジング203の支持が確実になり、さらに、このようにクラッチハウジング203の支持を確実にしたことにより、第2の側壁17(クラッチハウジング203)を第2の駆動軸23に対して確実に、且つ、容易に連結することができる。
また、第2の駆動軸23を第1の駆動軸7上(ニードルベアリング67)で支持したことにより、第2の側壁17(クラッチハウジング203)が第2の駆動軸23を介して第1の駆動軸7に支持されるから、簡単な構造でありながら、構成部材の支持がそれだけ確実になる。
また、スプライン部21を第2の側壁17の内周側に形成した(径方向内側にオーバーラップさせた)ことにより、動力伝達装置201は軸方向にコンパクト化され、車載性が向上している。
また、動力伝達装置201は、クラッチハブ5とトルク伝達部材を、クラッチハウジング203の第1と第2の側壁15,17の内側に配置し、第1の側壁15で電磁マグネット29を支持し、第2の側壁17に第2の駆動軸23との連結部(スプライン部21)を設けたことによって、電磁マグネット29を含めた装置全体をサブアセンブリー化することが容易になり、クラッチハウジング203とクラッチハブ5間のトルク伝達部材を第1の駆動軸7に順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストが低減される。
また、組み付け時には、第1の駆動軸7の小径軸部31が軸心35側に位置し、組み付け完了時には、小径軸部31が第1の側壁15の軸心35側に位置して支持関係が形成され、大径軸部33が第2の側壁17の軸心35側に位置してクラッチハブ5と連結されるように構成したから、サブアセンブリーしたトルク伝達部材などを第1の駆動軸7上に容易で確実に組み付けることができる。
<第3実施形態>
図3と図4とによって第3実施形態の動力伝達装置301を説明する。図3は動力伝達装置301を示し、図4は動力伝達装置301を用いた4輪駆動車の動力系を示している。動力伝達装置301はこの動力系のトランスファ505の一部を構成しており、図3の左方はこの車両の前方に相当する。なお、第1実施形態と同一の機能を有する部材には同一符号を付与しており、必要に応じて第1実施形態を参照し流用する。
[動力伝達装置301の特徴]
動力伝達装置301は、クラッチハウジング303(外側回転部材)と、クラッチハブ5(内側回転部材)と、両回転部材303,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7と、クラッチハブ5と第1の駆動軸7との軸方向位置を定めるリング部材9(固定手段)とを備え、
クラッチハブ5の内周側に第1の環状溝11が形成され、第1の駆動軸7の外周側に第2の環状溝13が形成されており、リング部材9は、組み付けの初めに第1の環状溝11と係合し、組み付けの際に第2の環状溝13と係合する。
また、動力伝達装置301は、クラッチハウジング303と、クラッチハブ5と、両回転部材303,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7とを備え、さらに、クラッチハウジング303は、軸方向の両端側に第1の側壁15と第2の側壁17とを備え、クラッチハブ5は、第1と第2の各側壁15,17の間で軸方向両側の位置を定められている。
また、動力伝達装置301は、第1の側壁15は、ブッシュ19(支持部材)を介して第1の駆動軸7に支持され、第2の側壁17は、スプライン部21(連結部)を介して第2の駆動軸23に連結されており、第2の駆動軸23は第1の駆動軸7上に支持され、第2の側壁17は第2の駆動軸23を介して第1の駆動軸7上に支持されており、スプライン部21は、第2の側壁17の内周側に形成されている。
また、動力伝達装置301は、クラッチハウジング303と、クラッチハブ5と、両回転部材303,5の間に設けられたトルク伝達部材と、クラッチハブ5の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸7とを備え、さらに、クラッチハウジング303は、円筒部25と、円筒部25の一端に連結された第1の側壁15と、円筒部25の他の端部に一体回転可能且つ軸方向相対移動可能に連結された第2の側壁17とを備え、これらの第1及び第2の各側壁15,17と円筒部25と、クラッチハブ5とによって形成された空間27に上記のトルク伝達部材が収容され、第1の側壁15にはトルク伝達部材の伝達トルクを制御する電磁マグネット29(アクチュエータ)が同軸的に支持され、第2の側壁17には第2の駆動軸23と連結するスプライン部21が形成されている。
第1の駆動軸7は、小径軸部31と大径軸部33とを備え、組み付け時には、小径軸部31が軸心35側に位置し、さらに、組み付け完了時には、小径軸部31が第1の側壁15の軸心35側に位置して(小径軸部31が第1の側壁15の径方向内側にオーバーラップして)支持関係が形成され、且つ、大径軸部33が第2の側壁17の軸心35側に位置して(小径軸部31が第1の側壁15の径方向内側にオーバーラップして)クラッチハブ5と連結されている。
[上記4輪駆動車の動力系の構成]
この動力系は、縦置きのエンジン501(原動機)、トランスミッション503、トランスファ505、前輪側のプロペラシャフト507、フロントデフ509、前車軸511,513、左右の前輪515,517、後輪側のプロペラシャフト519、方向変換歯車組521、リヤデフ523、後車軸525,527、左右の後輪529,531などから構成され、動力伝達装置301はトランスファ505の一部を構成している。
上記第1の駆動軸7は、トランスミッション503の出力軸側に一体回転可能に連結され、動力伝達装置301を貫通し、後輪側のプロペラシャフト519側に連結されている。
また、トランスファ505は、動力伝達装置301とチェーン伝動機構533から構成されてトランスファケース535に収容され、チェーン伝動機構533は動力伝達装置301と前輪側のプロペラシャフト507とを連結している。
エンジン501の駆動力は、トランスミッション503から第1の駆動軸7と後輪側のプロペラシャフト519などを介してリヤデフ523に伝達され、リヤデフ523から後車軸525,527を介して左右の後輪529,531に配分される。
動力伝達装置301が連結されると、エンジン501の駆動力は動力伝達装置301とチェーン伝動機構533などからフロントデフ509に伝達され、フロントデフ509から前車軸511,513を介して左右の前輪515,517に配分され、車両は4輪駆動状態になる。
また、動力伝達装置301の連結が解除されると、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。
[動力伝達装置301の構成]
動力伝達装置301は、上記のクラッチハウジング303(第1及び第2の各側壁15,17と円筒部25)とクラッチハブ5と第1の駆動軸7とリング部材9と第2の駆動軸23と電磁マグネット29と、ボールカム37と、カムリング39と、プレッシャープレート41と、アーマチャ43と、リターンスプリング45と、ボールカム37のスラスト反力を受けるベアリング47と、クラッチとしての多板式のメインクラッチ49(トルク伝達部材)及びパイロットクラッチ51と、コントローラなどから構成されている。
クラッチハウジング303の円筒部25は、鋼管をブローチ加工してスプライン部53を形成し、溶接部305で第1の側壁15と回転軸の方向に対して直角の半径方向から溶接されて一体にされている。
また、クラッチハウジング303の第2の側壁17はアルミニューム合金(非磁性材料)で作られており、円筒部25の内周に設けられた溝55に係合したスナップリング57によって円筒部25の前面側開口で軸方向に位置決めされている。ブッシュ19は第2の側壁17と同様に非磁性材料で作られており、これらの部材は下記の磁束ループ85からの磁束漏れを軽減し、動力伝達装置301の駆動力断続機能低下を防止している。なお、溝55は第1実施形態においてはスプライン部53の底部より深くなっており、スナップリング57を全周で円筒部25と接触させた(接触面積を大きくした)構造であったが、本実施形態では、スナップリング57の軸方向の厚さを増し変形を防止しながらスプライン部59の歯丈範囲内の溝55に係止されている。この場合もスナップリング57に掛かる剪断応力を小さくし、第2の側壁17の位置決め機能を確実にし、保全している。
クラッチハブ5は、第1の駆動軸7の外周にスプライン部58で連結されており、上記のようにリング部材9は、組み付けに先立ってクラッチハブ5の第1の環状溝11に装着されており、組み付けに際して第1の駆動軸7を前方から移動させるとリング部材9が第2の環状溝13(第1の駆動軸7)に係合することによってクラッチハブ5と第1の駆動軸7が軸方向に位置決めされる。
第2の側壁17に設けられた周り止め部59には環状プレート61が回り止めされており、クラッチハブ5は、環状プレート61と第2の側壁17とによって前方向に位置決めされており、リターンスプリング45とボールカム37(プレッシャープレート41とボール63とカムリング39)とベアリング47と第1の側壁15とによって後方向に位置決めされている。
クラッチハブ5は軸方向長さを短縮して軽量化されていると共に、この短縮化に伴ってカムリング39とプレッシャープレート41はいずれも第1の駆動軸7の外周上で直接相対回転自在に支持されている。また、プレッシャープレート41はクラッチハブ5の外周に形成されたスプライン部65に軸方向移動可能に連結されている。
また、プレッシャープレート41が後方に戻った状態のクラッチハブ5とプレッシャープレート41との距離aを、環状プレート61の前端と周り止め部59の後端との距離bより小さくしたことにより、クラッチハブ5が後方に移動しても環状プレート61が周り止め部59から脱落しないようにされており、さらに、環状プレート61の前端と第2の駆動軸23の後端との距離cを上記の距離aより大きくしたことにより、リターンスプリング45が距離aだけ撓む間に、リング部材9が第1の駆動軸7の第2の環状溝13に係合するようにされている。
第2の駆動軸23は、ニードルベアリング67によって第1の駆動軸7上に支持されており、第2の駆動軸23にはチェーン伝動機構533の入力側スプロケット537が形成され、図4のように、入力側スプロケット537はチェーンを介して出力側スプロケット539に連結されている。
メインクラッチ49は、クラッチハウジング303のスプライン部53に軸方向移動可能に連結されたアウタープレート69(トルク伝達部材)と、クラッチハブ5のスプライン部65に軸方向移動可能に連結されたインナープレート71(トルク伝達部材)から構成されている。パイロットクラッチ51は円筒部25とカムリング39との間に設けられており、アーマチャ43はプレッシャープレート41とパイロットクラッチ51との間に軸方向移動自在に配置されている。
電磁マグネット29のコア73は両側シール型のボールベアリング75により第1の側壁15上に支持されており、回り止め部材77によりトランスファケース535に連結され回り止めされている。コア73から引き出されたリード線79は回り止め部材77を介して所望の方向に案内され、コネクター81などを介してトランスファケース535の外部に引き出され、バッテリーに接続されている。
コア73と第1の側壁15とパイロットクラッチ51とアーマチャ43によって電磁マグネット29の磁路が構成されており、第1の側壁15は非磁性材料(例えば、アルミニューム合金やオーステナイト系ステンレス鋼)のリング83によって径方向の外側と内側に分断されており、パイロットクラッチ51の各プレートには、リング83と対応する径方向位置に、周方向等間隔に設けられた切り欠きと、各切り欠きを連結するブリッジ部が設けられている。これらのリング83と切り欠きとによって磁路上での磁束の短絡が防止されている。
コントローラは、電磁マグネット29の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。電磁マグネット29が励磁されると、上記の磁路に磁束ループ85が形成され、吸引されたアーマチャ43によりパイロットクラッチ51が押圧されて締結し、トルクを受けて作動したボールカム37のカムスラスト力によりプレッシャープレート41を介しメインクラッチ49が押圧されて締結し、車両は4輪駆動状態になる。また、電磁マグネット29の励磁を停止すると、メインクラッチ49の連結が解除されて車両は後輪駆動状態になる。
第1の駆動軸7には潤滑オイルが給油される軸方向のオイル孔87と、オイル孔87と連通した径方向のオイル孔89,91と、オイル孔89と連通した環状のオイル孔93が設けられ、クラッチハブ5には環状のオイル孔93と対向した環状のオイル孔95と、オイル孔95と連通した径方向のオイル孔97が設けられ、メインクラッチ49のインナープレート71にはオイルの移動を促進するオイル孔99が設けられ、クラッチハウジング303の円筒部25には遠心力でオイルを排出するオイル孔101が設けられ、カムリング39には軸方向のオイル溝103が設けられている。
オイル孔87,89,93,95,97を通って給油されたオイルはメインクラッチ49のプレート69,71間の摺動部やパイロットクラッチ51の各プレート間の摺動部を潤滑・冷却してオイル孔101から外部に排出され、オイル孔91から給油されたオイルはボールカム37を潤滑・冷却し、さらにオイル溝103を通ってベアリング47を潤滑・冷却しオイル孔101から外部に排出される。
[動力伝達装置301の組み付け]
上記のように構成されたことにより、動力伝達装置301は、電磁マグネット29を含めた各構成部材をサブアセンブリー化することが可能になり、第1の駆動軸7上に容易に、また、確実に組み付けることができる。
[動力伝達装置301の効果]
動力伝達装置301は、リング部材9によってクラッチハブ5と第1の駆動軸7との軸方向位置を定めることができる。
また、クラッチハウジング303とクラッチハブ5の間に配置される各トルク伝達部材を第1の駆動軸7上に順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストを低減することができる。
また、組み付けに際しては、第1の駆動軸7を軸方向に移動させるだけで、第1の環状溝11(クラッチハブ5)に予め係合させてあるリング部材9を第2の環状溝13(第1の駆動軸7)に係合させることができるから、第1の駆動軸7とクラッチハブ5との軸方向位置決めが極めて容易であり、組み付けコストがさらに低減される。
また、動力伝達装置301は、クラッチハウジング303の第1と第2の各側壁15,17の間にクラッチハブ5を配置することによってサブアセンブリー化が可能になり、クラッチハウジング303とクラッチハブ5間のトルク伝達部材を第1の駆動軸7に対して順に組み付ける構造から解放され、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストが低減される。
また、クラッチハブ5が第1と第2の側壁15,17によって軸方向に位置決めされるから、クラッチハブ5用の位置決め手段を別途用意する必要がなく、コストがそれだけ低減される。
また、第1の側壁15(クラッチハウジング303)をブッシュ19によって第1の駆動軸7に支持したことにより、クラッチハウジング303の支持が確実になり、さらに、このようにクラッチハウジング303の支持を確実にしたことにより、第2の側壁17(クラッチハウジング303)を第2の駆動軸23に対して確実に、且つ、容易に連結することができる。
また、第2の駆動軸23を第1の駆動軸7上(ニードルベアリング67)で支持したことにより、第2の側壁17(クラッチハウジング303)が第2の駆動軸23を介して第1の駆動軸7に支持されるから、簡単な構造でありながら、構成部材の支持がそれだけ確実になる。
また、スプライン部21を第2の側壁17の内周側に形成した(径方向内側にオーバーラップさせた)ことにより、動力伝達装置301は軸方向にコンパクト化され、車載性が向上している。
また、動力伝達装置301は、クラッチハブ5とトルク伝達部材を、クラッチハウジング303の第1と第2の側壁15,17の内側に配置し、第1の側壁15で電磁マグネット29を支持し、第2の側壁17に第2の駆動軸23との連結部(スプライン部21)を設けたことによって、電磁マグネット29を含めた装置全体をサブアセンブリー化することが容易になり、クラッチハウジング303とクラッチハブ5間のトルク伝達部材を第1の駆動軸7に順に組み付けずにすむから、それだけ組み付け作業が容易になり、組み付けコストが低減される。
また、組み付け時には、第1の駆動軸7の小径軸部31が軸心35側に位置し、組み付け完了時には、小径軸部31が第1の側壁15の軸心35側に位置して支持関係が形成され、大径軸部33が第2の側壁17の軸心35側に位置してクラッチハブ5と連結されるように構成したから、サブアセンブリーしたトルク伝達部材などを第1の駆動軸7上に容易で確実に組み付けることができる。
<第4実施形態>
図5によって第4実施形態の説明をする。
本発明の動力伝達装置は、車両の動力系において、図4のようにトランスファに配置するだけでなく、種々の個所に配置可能である。第4実施形態は、図5のように上記の各動力伝達装置1,201,301を、図4の4輪駆動車と異なった他の4輪駆動車の動力系の後輪側に配置した例である。
[第4実施形態の構成]
第4実施形態では、第2の駆動軸23が入力側になり、第1の駆動軸7が出力側になっており、第1の駆動軸7は方向変換ギア組619の入力ギア側に連結されている。
[上記4輪駆動車の動力系の構成]
この動力系は、横置きのエンジン601(原動機)及びトランスミッション603、トランスファ605、フロントデフ607、前車軸609,611、左右の前輪613,615、後輪側プロペラシャフト617、動力伝達装置1,201,301、方向変換ギア組619、リヤデフ621、後車軸623,625、左右の後輪627,629などから構成されており、動力伝達装置1,201,301はプロペラシャフト617と方向変換ギア組619との間に配置されている。
エンジン601の駆動力はトランスミッション603からフロントデフ607のデフケース631に伝達され、前車軸609,611から左右の前輪613,615に配分されると共に、デフケース631の回転はトランスファ605からプロペラシャフト617を介して動力伝達装置1,201,301に伝達され、動力伝達装置1,201,301が連結されていると、エンジン601の駆動力は方向変換ギア組619を介してリヤデフ621に伝達され、後車軸623,625から左右の後輪627,629に配分され、車両は4輪駆動状態になる。
また、各動力伝達装置1,201,301の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
[第4実施形態の効果]
各動力伝達装置1,201,301は、動力系の後輪側に配置されても、各実施形態1,2,3と同等の効果が得られる。
<第5実施形態>
図6によって第5実施形態の説明をする。
第5実施形態は、図6のように上記の動力伝達装置1,201,301をそれぞれ2セット用いてツインクラッチ形式のリヤデフ651を構成した例である。
[第5実施形態の構成]
第5実施形態でも第2の駆動軸23が入力側になっており、また、第1の駆動軸7,7が出力側になり、それぞれ左右の後車軸623,625側に連結されている。また、第2の駆動軸23にはリングギア633が固定されてデフケースになっていると共に、このデフケースは2セットの動力伝達装置1,201,301の間で共用の入力部材になっている。
プロペラシャフト617は方向変換ギア組619に連結されている。
[上記4輪駆動車の動力系の構成]
この動力系は、横置きのエンジン601(原動機)及びトランスミッション603、トランスファ605、フロントデフ607、前車軸609,611、左右の前輪613,615、後輪側プロペラシャフト617、方向変換ギア組619、2セットの動力伝達装置1,201,301で構成されるリヤデフ651、後車軸623,625、左右の後輪627,629などから構成されている。
エンジン601の駆動力はトランスミッション603からフロントデフ607のデフケース631に伝達され、前車軸609,611から左右の前輪613,615に配分されると共に、デフケース631の回転はトランスファ605からプロペラシャフト617と方向変換ギア組619とを介してリヤデフ651(動力伝達装置1,201,301)に伝達され、リヤデフ651(各動力伝達装置1,201,301のメインクラッチ49,49)が連結されていると、エンジン601の駆動力はリヤデフ651を介して後車軸623,625から左右の後輪627,629に配分され、車両は4輪駆動状態になる。
リヤデフ651は、2セットの動力伝達装置1,201,301(両方のメインクラッチ49)を同時に断続して駆動力を断続すると共に、必要に応じて両メインクラッチ49間で締結力を変えることにより後輪627,629間の差動制限力を調整することができる。
また、リヤデフ651の連結が解除されると、車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
[第5実施形態の効果]
第5実施形態においても、各動力伝達装置1,201,301は各実施形態1,2,3と同等の効果が得られる。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、本発明の動力伝達装置は、トランスファに内蔵し前輪側を断続するように構成してもよい。
また、本発明において、アクチュエータは、電磁マグネットに限らず、例えば、油圧式アクチュエータや空気式アクチュエータのように流体圧を用いたアクチュエータでもよく、あるいは、電動モータのトルクをクラッチの操作力に変換するアクチュエータでもよい。
第1実施形態の動力伝達装置1を示す断面図である。 第2実施形態の動力伝達装置201を示す断面図である。 第3実施形態の動力伝達装置301を示す断面図である。 動力伝達装置1,201,301を用いた4輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。 動力伝達装置1,201,301を用いた他の4輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。 動力伝達装置1,201,301を各2セット用いた他の4輪駆動車の動力系を示すスケルトン機構図である。 従来例の断面図である。 図7の要部拡大図である。
符号の説明
1 動力伝達装置
3 クラッチハウジング(外側回転部材)
5 クラッチハブ(内側回転部材)
7 第1の駆動軸
9 リング部材(固定手段)
11 第1の環状溝
13 第2の環状溝
15 第1の側壁
17 第2の側壁
19 ブッシュ(支持部材)
21 スプライン部(連結部)
23 第2の駆動軸
25 円筒部
27 空間
29 電磁マグネット(アクチュエータ)
31 小径軸部
33 大径軸部
35 軸心
49 メインクラッチ(トルク伝達部材)
201 動力伝達装置
203 クラッチハウジング(外側回転部材)
301 動力伝達装置
303 クラッチハウジング(外側回転部材)

Claims (3)

  1. 外側回転部材と、内側回転部材と、前記両回転部材の間に設けられたトルク伝達部材と、前記内側回転部材の内周面に一体回転可能に連結した第1の駆動軸と、前記内側回転部材と前記第1の駆動軸との軸方向位置を定める固定手段とを備えた動力伝達装置であって、
    前記外側回転部材は、円筒部と、この円筒部の一端に連結した第1の側壁と、前記円筒部の他の端部に連結した第2の側壁とを備え、
    前記第1と第2の側壁と前記円筒部とによって形成された空間に、前記内側回転部材と前記トルク伝達部材が収容されると共に、前記内側回転部材は前記第1と第2の側壁とによって軸方向に位置決めされて、前記外側回転部材と前記内側回転部材及び前記トルク伝達部材とがサブアッシー化され、
    前記内側回転部材の内周側に第1の環状溝が一つ形成され、前記第1の駆動軸の外周側に第2の環状溝が一つ形成されており、
    前記第1の駆動軸への前記内側回転部材の組み付けの始めに前記第1の環状溝に前記固定手段を係合させ、前記内側回転部材を前記第1の駆動軸へ組み付ける際に前記第2の環状溝と前記固定手段を係合させ、前記内側回転部材と前記第1の駆動軸との軸方向の位置決めを行い、前記第1の駆動軸に対する前記外側回転部材が前記内側回転部材に対して軸方向に位置決めされることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載された動力伝達装置であって、
    前記第1の側壁の内周側は、支持部材を介して前記第1の駆動軸に支持され、前記第2の側壁の内周側は、前記第2の側壁の径方向内側にオーバーラップして形成されたスプライン部を介して第2の駆動軸に連結されていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載された動力伝達装置であって、
    前記第1の側壁には、前記トルク伝達部材の伝達トルクを制御するアクチュエータが同軸的に支持されていることを特徴とする動力伝達装置。
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