以下、本発明に係る一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施例]
第1実施例においては、一定時間、信号を介して印刷データ供給装置である計算機から印刷データの入力がなかったときにブザーを鳴らし、ユーザに省電力モードに入ることを予告し、更に一定時間印刷データの入力がなかったときに初めて省電力モードでの動作に移行し、熱定着器等を停止する様に制御する。そして、省電力モードの時に印刷データの入力があると熱定着器の動作を再開し、省電力モードでの動作を終了して通常動作モードとなる。
図1は本発明に係る第1実施例の印刷装置を含む印刷装置システムの構成を示すブロック図である。図1に示す本実施例の印刷装置は、電子写真方式の印刷装置である場合を例として説明する。図1において、100は本実施例の印刷装置、200は通信媒体である通信線250に接続された本実施例印刷装置を含む各印刷装置に印刷データを出力する印刷データ供給装置である計算機、300,400は他の印刷装置である。
印刷装置100において、101は信号線であり、該信号線を介して計算機200からの印刷データが送られてくる。102は信号線101上を送られてくる印刷データを受信して制御部103に出力する入力部、103は内蔵したROM103aに格納された後述する例えば図2及び図3に示す制御手順に従い、本実施例印刷装置の全体制御を司る制御部であり、他に処理経過等を記憶するRAM103bを内蔵している。
104は熱定着器104aを備えたエンジン部であり、電子写真方式の印刷を実現するために、内部に熱定着器104aの外にも感光体、帯電器、露光源、偏向装置、現像器、除電器、クリーニング装置を有し、制御部103の指示に従い動作する。105は制御部103により設定された時間が経過すると、その旨制御部103に通知するタイマ、106は制御部103の指示により鳴動音を発しユーザに通知するブザー、107は各種動作指示等を入力する操作部である。
図2は図1に示す制御部103で実行される全体の処理の様子を示す概念図である。図2に示す様に、全体の処理は並行に処理される2つのタスクに大きく分けられる。図2において、201は通常処理タスクであり、従来の省電力機能を持たない印刷装置が行う処理と同じ通常動作モードでの処理を行う。202は省電力制御タスクであり、省電力の制御に関する処理を行う。そして、上述した信号線101から入力部102に入力された印刷データは、制御部103の省電力制御タスク202を経由して通常処理タスク201に渡される。
本実施例においては、制御部103は以上の2つのタスクを走らせ、通常の印刷データの受け取り、必要な画像処理の実行、及びエンジン部104への出力、エンジン部104を制御しての画像形成、及び記録紙への記録、排出制御といった通常処理を全て通常処理タスク201により実行する。この通常処理タスク201の動作は一般的な印刷装置の制御と同様でよい。このため、以下の説明ではこの通常処理に関する詳細説明を省略する。
本実施例では、以上の通常タスク201と同時に、本実施例に特有の省電力タスク202を実行させており、この省電力タスク202の制御で省電力動作モードへの移行制御等を行っている。以下、以上の構成を備える本実施例印刷装置の省電力タスク202の動作を、図3のフローチヤートも参照して説明する。図3は第1実施例に係る図2に示す省電力制御タスク202の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、印刷データの入力がなくなってから予告ブザーが鳴動するまでの時間を「TIME1」、及び予告ブザーが鳴動してから省電力モードになるまでの時間を「TIME2」とし、この両タイマ時間は予め計算機200から、あるいは操作部107から設定しておく。
一連の印刷制御の終了時または起動時に、制御部103はまずステップS301において、タイマ105に対して「TIME1」を設定して計時動作をスタートさせる。制御部103は続くステップS302で入力部102に問い合わせ、信号線101を介して他装置、例えば計算機200よりの印刷データの入力があるか否かを判定する。判定した結果印刷データの入力があった場合にはステップS303に進み、制御部103はタイマ105の動作をリセットし、改めてタイマ105に対して「TIME1」を設定して計時動作を再スタートさせる。そして次のステップS304で入力部102が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡し、ステップS302に戻る。
一方、ステップS302で印刷データの入力がない場合にはステップS305に進み、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME1」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS302に戻り、次の印刷データの入力に備える。一方、ステップS305での判定の結果、設定時間を経過した場合にはステップS306に進み、制御部103はブザー106を起動して鳴動音を発生させ、ユーザに省電力モードに入ることを予告する。そしてステップS307にて、制御部103はタイマ105の動作をリセットし、「TIME2」を設定し次の計時動作をスタートさせる。続いて制御部103はステップS308にて入力部102に問い合わせ、印刷データの入力があったかどうかを判定する。判定した結果、印刷データの入力があった場合にはステップS303に進む。
一方、ステップS308で印刷データの入力がない場合にはステップS309に進む。そしてステップS309にて、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME2」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS308に戻る。一方、ステップS309での判定の結果、設定時間を経過した場合にはステップS310以下の処理に進み、省電力動作モードに移行する。まずステップS310にて、制御部103はエンジン部104に指示し、熱定着器104aの動作を停止させる。熱定着器104aを停止させることにより、電力の消費が少なくなり省電力が図られる。しかし、熱定着器104aが停止している間は印刷できない。
ステップS311にて、制御部103は入力部102に問い合わせ、印刷データの入力があったかどうかを判定する。判定した結果、印刷データの入力がない場合には印刷データの入力があるまでステップS311にとどまる。一方、印刷データの入力があった場合にはステップS312に進み、制御部103はエンジン部104に指示し、熱定着器104aの動作を再開させてステップS303に進む。熱定着器104aの動作再開により省電力モードを終了する。そして、熱定着器104aの温度が所定温度に上昇した後に印刷動作が再開される。
以上の説明においては、ブザー106により省電力モードを予告したが、操作部107に備えられているLEDや液晶などの表示装置による表示によって省電力モードを予告することもできる。この場合にはステップS306の処理で表示装置の表示変更を行い、省電力動作モードに移行する旨の表示を行う様に制御して報知することになる。
以上説明した様に本実施例によれば、ユーザに対し省電力モードになることを予告するようにしたので、ユーザによる操作入力により、不用意に省電力モードになることを阻止することが可能となる。なお、以上の説明においては、計算機200よりの印刷データの入力が一定時間ない場合その旨報知し、省電力動作モードに移行する様に制御したが、印刷データの入力が無かった場合に加えて、操作部107よりの操作入力も同時に以上の「TIME1」、「TIME2」の時間全く行われなかった場合にその旨をブザー106より報知し、省電力動作モードに移行する様に制御してもよい。このように操作することにより、操作部107よりの操作入力によっても印刷出力の制御が可能な印刷装置に適用することができる。
[第2実施例]
以下、本発明に係る第2実施例を説明する。以下に説明する第2実施例は、一定時間信号線101を介して計算機200から印刷データの入力およびユーザによる操作部107への操作入力がなかった時に、信号線101を介して計算機200に対して信号を送り省電力モードに入ることを予告し、更に一定時間印刷データの入力およびユーザによる操作入力がなかったときに、熱定着器104aおよび表示部108の表示を停止し省電力モードに入る電子写真方式の印刷装置の例である。そして第1実施例と同様に省電力モードの時に印刷データの入力があると、熱定着器104aの動作と表示を再開し、省電力モードを終了する。
図4は本発明に係る第2実施例の印刷装置の構成を示す図であり、上述した図1に示す第1実施例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。図4において、108は入出力部、109は表示部である。入出力部108は、計算機200からは信号線250,101を介して印刷装置100に対して送られて来る印刷データを受信すると共に、印刷装置100から計算機200に対して省電力モード予告の信号を送信する。また、表示部108は制御部103の指示により、本印刷装置の状態などを表示する。図4に示す第2実施例では、ブザー106に変えて表示部109を備えているが、ブザーはそのまま備えていてもよい。そして、後述する報知の際に同時にブザーを鳴動させてもよい。このように制御することによりより確実に注意を喚起することができる。
第2実施例においても、制御部103で行われる全体の処理は図2に示す概念図で示した第1実施例と同じである。以下、以上の構成を備える第2実施例印刷装置の省電力タスク202の動作を、図5のフローチヤートを参照して説明する。図5は第2実施例に係る図2に示す省電力制御タスク202の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、印刷データの入力がなくなってから計算機200に予告信号を送信するまでの時間を「TIME1」、及び予告信号を送信してから省電力モードになるまでの時間を「TIME2」とし、この両タイマ時間は予め計算機200から、あるいは操作部107から設定しておく。
一連の印刷制御の終了時または起動時に、制御部103はまずステップS501において、タイマ105に対して「TIME1」を設定して計時動作をスタートさせる。制御部103は続くステップS502で入出力部108および操作部107に問い合わせ、信号線101を介して他装置、例えば計算機200よりの印刷データの入力、または操作部107よりの操作入力があるか否かを判定する。判定した結果印刷データの入力または操作入力があった場合にはステップS503に進み、制御部103はタイマ105の動作をリセットし、改めてタイマ105に対して「TIME1」を設定して計時動作を再スタートさせる。そして次のステップS504で入出力部108が受信した印刷データ又は操作部からの入力情報を通常処理タスク201に渡し、ステップS502に戻る。なお、ここで操作部107よりの操作入力があった場合には、入力情報を送り通常処理タスク201で対応する処理を行う。
一方、ステップS502で印刷データの入力および操作部107よりの操作入力がない場合にはステップS505に進み、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME1」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS502に戻り、次の印刷データの入力および操作入力に備える。
一方、ステップS505での判定の結果、設定時間を経過した場合にはステップS506に進み、制御部103は入出力部108に指示して省電力モードを予告する信号を信号線101を介して計算機200に送信させる。そしてステップS507にて、制御部103はタイマ105の動作をリセットし、「TIME2」を設定し次の計時動作をスタートさせる。続いて制御部103はステップS508にて入出力部108および操作部107に問い合わせ、印刷データの入力または操作入力があったかどうかを判定する。判定した結果、印刷データの入力または操作入力があった場合にはステップS503に進む。
一方、ステップS508で印刷データの入力および操作入力がない場合にはステップS509に進む。そしてステップS509にて、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME2」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS508に戻る。一方、ステップS509での判定の結果、設定時間を経過した場合にはステップS510以下の処理に進み、省電力動作モードに移行する。まずステップS510にて、制御部103はエンジン部104に指示し、熱定着器104aの動作を停止させる。熱定着器104aを停止させることにより、電力の消費が少なくなり省電力が図られる。しかし、熱定着器104aが停止している間は印刷できない。そして次のステップS511において制御部103は表示部109に指示し、表示を停止させる。表示を停止することにより、電力の消費が少なくなり、更なる省電力化が図られる。
続いてステップS512にて、制御部103は入出力部108と操作部107に問い合わせ、印刷データの入力または操作入力があったかどうかを判定する。判定した結果、印刷データの入力または操作入力がない場合には印刷データの入力または操作入力があるまでステップS512にとどまる。一方、印刷データの入力または操作入力があった場合にはステップS513に進み、制御部103はエンジン部104に指示して熱定着器104aの動作を再開させると共に、表示部に指示して表示を再開してステップS503に進む。表示部107の表示再開および熱定着器104aの動作再開により省電力モードを終了する。そして、熱定着器104aの温度が所定温度に上昇した後に印刷動作が再開される。
以上説明した様に第2実施例によれば、印刷データ供給装置に対し省電力モードになることを予告するようにしたので、印刷データ供給装置からのデータ入力により、省電力モードになることを阻止することが可能となる。
[第3実施例]
以下、本発明に係る第3実施例を説明する。以下に説明する第3実施例は、イーサネット(登録商標)に接続する電子写真方式の印刷装置であり、イーサネット(登録商標)上のトラフィック、すなわち単位時間当たりのフレーム数を計測し、このトラフィックの値が一定値を下回り、かつ印刷データの入力およびユーザによる操作がないときに熱定着器104aおよび表示を停止し省電力モードに入る例である。省電力モード時にトラフィックの値が一定値を超えるか、または印刷データの入力があるか、またはユーザによる操作があると、熱定着器104aの動作と表示を再開し、省電力モードを終了する。
図6は本発明に係る第3実施例の印刷装置の構成を示す図であり、上述した図1および図2に示す第1および第2実施例と同様構成には同一番号を付し詳細説明を省略する。図6において、601はイーサネット(登録商標)であり、本実施例の印刷装置100以外にも計算機200、他の印刷装置300,400等が接続され互いにデータ通信を行うバス型のネットワークである。第3実施例では、データはフレームと呼ばれるパケットを単位として取り扱われる。110はネットワークインタフェースであり、イーサネット(登録商標)601を介して計算機200から第3実施例の印刷装置100に対して送られてくる印刷データを受信し、制御部103に通知する。また、本実施例宛以外のフレームを含む。イーサネット(登録商標)601上の全てのフレームの数を数える機能を有し、制御部103の指示より数えた値を通知したり、カウントを「0」に初期化する。
第3実施例においても、制御部103で行われる全体の処理は図2に示す概念図で示した第1実施例と同じである。以下、以上の構成を備える第3実施例印刷装置の省電力タスク202の動作を、図7のフローチヤートを参照して説明する。図7は第3実施例に係る図2に示す省電力制御タスク202の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、印刷データの入力および操作部107よりの操作入力がなくなってから後述するフレーム数収得・判定に移行するまでの時間を「TIME3」、及び省電力モードになってからフレーム数収得・判定に移行するまでの時間を「TIME4」とし、この両タイマ時間は予め計算機200から、あるいは操作部107から設定しておく。なお、この「TIME3」、及び「TIME4」は、異なる値であっても、また同じ値であってもよい。
一連の印刷制御の終了時または起動時に、制御部103はまずステップS700において、タイマ105に対して「TIME3」を設定して計時動作をスタートさせると共に、フレームカウンタを初期化する。制御部103は続くステップS701でネットワークインタフェース110および操作部107に問い合わせ、信号線101を介して他装置、例えば計算機200よりの第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信、または操作部107よりの操作入力があるか否かを判定する。判定した結果第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信または操作入力があった場合にはステップS702に進み、ネットワークインタフェース110が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡し、ステップS700に戻る。なお、ここで操作部107よりの操作入力があった場合には、入力情報を送り通常処理タスク201で対応する処理を行う。
一方、ステップS701で第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作部107よりの操作入力がない場合にはステップS703に進み、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME3」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS701に戻り、次の第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作入力に備える。
一方、ステップS703での判定の結果、設定時間を経過した場合にはステップS704に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に対し、一定時間内に数えたフレーム数を通知するように指示し、この指示に従って送られて来るフレーム数を受け取る。そして続くステップS705にて、制御部103はネットワークインタフェース110に指示して上記数えたフレーム数をカウントするカウンタのフレーム数のカウントを「0」に初期化する。次にステップS706で、ステップS704で得たフレーム数が省電力モードのしきい値Tより小さいかどうか判定する。判定した結果、フレーム数がTより小さくない場合にはステップS700に戻る。
一方、ステップS706で判定した結果、フレーム数がTより小さい場合にはステップS707以下の処理に進み、省電力動作モードに移行する。まずステップS707にて、制御部103はエンジン部104に指示し、熱定着器104aの動作を停止させる。熱定着器104aを停止させることにより、電力の消費が少なくなり省電力が図られる。更に、制御部103は表示部109に指示し、表示を停止させる。表示を停止することにより、電力の消費が少なくなり、更なる省電力化が図られる。しかし、熱定着器104aが停止している間は印刷できない。
次に制御部103はステップS708において、タイマ105に対して「TIME4」を設定して計時動作をスタートさせる。制御部103は続くステップS709でネットワークインタフェース110および操作部107に問い合わせ、信号線101を介して他装置、例えば計算機200よりの第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信、または操作部107よりの操作入力があるか否かを判定する。
判定した結果第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信または操作入力があった場合にはステップS710に進み、制御部103はエンジン部104に指示して熱定着器104aの動作を再開させると共に、表示部に指示して表示を再開してステップS711に進む。そしてステップS711でネットワークインタフェース110が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡し、ステップS700に戻る。なお、ここで操作部107よりの操作入力があった場合には、入力情報を送り通常処理タスク201で対応する処理を行う。表示部107の表示再開および熱定着器104aの動作再開により省電力モードを終了する。そして、熱定着器104aの温度が所定温度に上昇した後に印刷動作が再開される。
一方、ステップS709で第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作部107よりの操作入力がない場合にはステップS712に進み、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME4」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS709に戻り、次の第3実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作入力に備える。
一方、ステップS712での判定の結果、設定時間を経過した場合にはステップS713に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に対し、一定時間内に数えたフレーム数を通知するように指示し、この指示に従って送られて来るフレーム数を受け取る。そして続くステップS714にて、制御部103はネットワークインタフェース110に指示して上記数えたフレーム数をカウントするカウンタのフレーム数のカウントを「0」に初期化する。次にステップS715で、ステップS713で得たフレーム数が省電力モードのしきい値Tより大きいかどうか判定する。判定した結果、フレーム数がTより大きくない場合にはステップS708に戻る。
一方、ステップS715で判定した結果、フレーム数がTより大きい場合にはステップS716の処理に進み、省電力動作モードを終了して通常動作モードに戻る。即ち、制御部103はエンジン部104に指示して熱定着器104aの動作を再開させると共に、表示部に指示して表示を再開してステップS700に戻る。表示部107の表示再開および熱定着器104aの動作再開により省電力モードを終了し、熱定着器104aの温度が所定温度に上昇した後に印刷動作が再開される。
以上説明した様に第3実施例によれば、ネットワークのトラフィックに基づいて省電力モードに移行する様にしたため、印刷データ供給装置である計算機200からの自装置宛の印刷データ入力やユーザによる操作が一定時間なくても、ネットワーク上のデータ転送が活発な時には省電力モードとなることを防止でき、印刷データ供給装置からの印刷データ入力の可能性が高い時に不用意に省電力モードとすることを防止できる。
更に、その後に操作部よりの操作入力、または印刷データ供給装置である計算機200からの自装置宛の印刷データ入力があった場合に自動的に通常動作モードに戻るのみならず、ネットワークのトラヒックが上がれば自装置宛の印刷データの送られて来る可能性が高まることより、自動的にこのネットワークのトラヒックを監視して、所定以上のトラヒックとなった場合に自動的に通常動作モードに移行するため、一旦省電力動作モードとなった後であっても、印刷データ供給より印刷開始までの時間を短縮することが可能となる。
なお、以上の説明ではイーサネット(登録商標)に接続された印刷装置を例に説明したが、イーサネット(登録商標)以外のバス型ネットワークやリング型ネットワークに接続する印刷装置とすることもできる。即ち、互いに通信媒体を介して接続され、互いの装置間を所定の制御手順に従ってデータ交換可能なシステムであればいずれのシステムに接続された印刷装置に適用することも可能である。
[第4実施例]
以下、本発明に係る第4実施例を説明する。以下に説明する第4実施例は、イーサネット(登録商標)に接続する電子写真方式の印刷装置であり、一定時間信号線101を介して計算機200からの印刷データの入力およびユーザによる操作がないときに他の印刷装置に対し省電力モードかどうかを問い合わせるフレームをネットワークにブロードキャスト送信し、該問い合わせフレームに対する応答フレームを受信し、その結果ネットワーク上に省電力モードでない印刷装置が一台以上存在することがわかった時に熱定着器104aおよび表示を停止し、省電力モードに入る電子写真方式の印刷装置の例である。
本発明に係る第4実施例の基本構成は上述した図6に示す第3実施例と同様の構成で足りる。このため、基本構成の説明は省略する。第4実施例においては、印刷装置の状態には、「通常処理モード(処理中モード)」、「データ入力待ちモード」、「省電力モード」の3つの動作モードがある。処理中またはデータ入力待ちの状態から省電力モードへの移行条件は上述の通りであるが、第4実施例の印刷装置100が計算機200から印刷データを受信した時には、他にデータ入力待ちの印刷装置が存在せず、かつ省電力モードの印刷装置が存在する場合には、省電力モードの印刷装置のうち一台に対し起動フレームを送信してデータ入力待ちに移行させる。
即ち、第4実施例においては、印刷が行なわれないとネットワーク上では省電力モードの印刷装置の数が増えていき(しかし少なくとも一台は省電力モードにならない)、印刷が行なわれると省電力モードの印刷装置の数が減っていく様に制御されることになる。第4実施例においても、制御部103で行われる全体の処理は図2に示す概念図で示した第1実施例と同じである。図8は第4実施例に係る図2に示す省電力制御タスク202の処理プログラムの一例を示すフローチャートである。
第4実施例においては、図8に示す様に制御部103で行われる省電力制御タスク動作時においては、ステップS801でまず後述するアクティブの時の処理を行なう。続いてステップS802にて、後述する省電力モードの処理を行ない、ステップS801に戻る。以上の処理を連続して繰り返している。以下、第4実施例印刷装置の省電力タスク202を中心とした動作を、図9乃至図11のフローチヤートを参照して説明する。図9は第4実施例に係る図8に示すステップS801で実行されるアクティブ時の処理の一例を示すフローチャート、図10は第4実施例に係る図8に示すステップS802で実行される省電力モードの処理のプログラムの一例を示すフローチャート、図11は第4実施例に係る図9に示すステップS904および図10に示すステップS1004で行なわれる印刷データ入力時の処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
以下の説明においては、印刷データの入力および操作部107よりの操作入力がなくなってから後述するフレーム問い合わせ処理に移行するまでの時間を「TIME1」、及びフレーム問い合わせ処理において相手装置よりの応答フレームの受信時間を監視する時間(応答フレーム受信を打ち切るまでの時間)を「TIME2」とし、この両タイマ時間は予め計算機200から、あるいは操作部107から設定しておく。なお、この「TIME1」、及び「TIME2」は、異なる値であっても、また同じ値であってもよい。
一連の印刷制御の終了時または起動時に、制御部103はまずステップS901において、タイマ105に対して「TIME1」を設定して計時動作をスタートさせる。制御部103は続くステップS902でネットワークインタフェース110および操作部107に問い合わせ、信号線101を介して他装置、例えば計算機200よりの第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信、または操作部107よりの操作入力があるか否かを判定する。判定した結果第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信または操作入力があった場合にはステップS903に進み、タイマ105に対して「TIME1」を設定して計時動作をスタートさせる。そしてステップS904で印刷データ入力時の処理を実行し、ネットワークインタフェース110が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡す等の処理を実行してステップS902に戻る。なお、ここで操作部107よりの操作入力があった場合には、入力情報を送り通常処理タスク201で対応する処理を行う。
一方、ステップS902で第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作部107よりの操作入力がない場合にはステップS905に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に問い合わせ、省電力モード問い合わせフレームを受信したかどうかを判定する。判定した結果、省電力モード問い合わせフレームを受信した場合にはステップS906に進み、制御部103は現在通常処理タスク201が印刷処理中かどうかを判定する。判定した結果、印刷処理中の場合にはステップS907に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に指示してステップS905で受信した省電力モード問い合わせフレームの送信元に対し、現在省電力モードではなく処理中であることを示す内容の応答フレームを生成して送信し、ステップS902に戻る。
一方、ステップS906で印刷処理中でない場合にはステップS908に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に指示し、ステップS905で受信した省電力モード問い合わせフレームの送信元に対し、データ入力待ちであることを示す内容の応答フレームを送信し、ステップS902に戻る。一方、ステップS905で省電力モード問い合わせフレームを受信していない場合にはステップS909に進み、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME1」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS902に戻る。
一方、ステップS909で設定時間が経過した場合にはステップS910に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に指示し、省電力モード問い合わせフレームを生成してネットワークに接続されている他の全ての装置宛にブロードキャスト送信する。そしてステップS911で制御部103は、タイマ105に対し「TIME2」を設定して計時動作をスタートさせる。制御部103は続くステップS912でネットワークインタフェース110に問い合わせ、応答フレームを受信したかどうかを判定する。判定した結果、応答フレームを受信した場合にはステップS913に進み、そうでない場合にはステップS914に進む。
ステップS913では、制御部103はステップS910で受信した応答フレームの内容が処理中またはデータ入力待ちを示す内容であるかどうかを判定する。判定した結果、応答フレームの内容が処理中またはデータ入力待ちを示す内容である場合には図9の処理を終了する。し、そうでない場合にはステップS914に進む。
ステップS914では、制御部103はタイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIME2」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過した場合にはステップS901に戻り、そうでない場合にはステップS912に戻る。以上の様に制御することにより、所定時間第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作部107よりの操作入力がない場合に他のネットワーク接続装置の動作状態を知ることができる。そして、ステップS913に示す様に、処理中またはデータ入力待ちの装置(省電力モードで動作していない装置)が他にある場合のみこの処理を抜ける様に制御されるため、他に印刷可能な装置が無い場合にはこの図9の処理を続行することになり、例え所定時間第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作部107よりの操作入力がなくても、ネットワークの全ての装置が省電力モードとなるのを防止でき、急いで印刷出力したい事態が発生しても迅速に対応することができる。
なお、以上の説明においては、他の装置への問い合わせフレームをブロードキャストで送信したが、本実施例はこれに限定されるものでは無く、個別にそれぞれの印刷装置等に動作状態を問い合わせてもよい。次に図10を参照して第4実施例おける図8のステップS802で示す省電力モードの処理を説明する。第4実施例においては、まず上述した図9に示すアクティブの時の処理を行ない、この処理を抜けてから図10に示す省電力モードの処理に移行する。即ち、図10の処理に移行した場合にはネットワークの他の少なくとも1つの装置は印刷動作可能状態である。
図10において、まずステップS1001にて、制御部103はエンジン部104に指示し、熱定着器104aの動作を停止させる。熱定着器104aを停止させることにより、電力の消費が少なくなり省電力が図られる。更に、制御部103は表示部109に指示し、表示を停止させる。表示を停止することにより、電力の消費が少なくなり、更なる省電力化が図られる。しかし、熱定着器104aが停止している間は印刷できない。
次に制御部103はステップS1002において、ネットワークインタフェース110および操作部107に問い合わせ、信号線101を介して他装置、例えば計算機200よりの第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信、または操作部107よりの操作入力があるか否かを判定する。判定した結果第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信または操作入力があった場合にはステップS1003に進み、制御部103はエンジン部104に指示して熱定着器104aの動作を再開させると共に、表示部109に指示して表示を再開してステップS1004に進む。そしてステップS1004で印刷データ入力時の処理を実行し、ネットワークインタフェース110が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡す等の処理を実行してリターンする。なお、ここで操作部107よりの操作入力があった場合には、入力情報を送り通常処理タスク201で対応する処理を行う。表示部107の表示再開および熱定着器104aの動作再開により省電力モードを終了する。そして、熱定着器104aの温度が所定温度に上昇した後に印刷動作が再開される。
一方、ステップS1002で第4実施例印刷装置宛の印刷データの受信および操作部107よりの操作入力がない場合にはステップS1005に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に問い合わせ、後述する起動フレームを受信したかどうかを判定する。判定した結果、起動フレームを受信した場合にはステップS1006に進み、制御部103は上述したステップS1003と同様にエンジン部104に指示して熱定着器104aの動作を再開させると共に、表示部109に指示して表示を再開してリターンする。そして、熱定着器104aの温度が所定温度に上昇した後に印刷動作が再開される。
一方、ステップS1005で後述する起動フレームを受信していない場合にはステップS1007に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に問い合わせ、省電力モード問い合わせフレームを受信したかどうかを判定する。判定した結果、省電力モード問い合わせフレームを受信した場合にはステップS1008に進み、そうでない場合にはステップS1002に戻る。
ステップS1008では、制御部103はネットワークインタフェース110に指示し、ステップS1007で受信した省電力モード問い合わせフレームの送信元に対し、省電力モードであることを示す内容の応答フレームを送信し、ステップS1002に戻る。以上の様に制御することにより、上述した実施例のような省電力モードで動作中に操作入力あるいは自装置宛の印刷データ入力があればアクティブ時の処理モード(通常処理モード)に移行して印刷可能状態とするのみならず、他の装置よりの起動フレームによっても起動してアクティブ時の処理モード(通常処理モード)に移行して印刷可能状態とすることができる。このため、実際の印刷データの送信に先立ち、印刷装置の起動を行うこともできる。
図11は第4実施例における図9のステップS904および図10のステップS1004で行なわれる印刷データ入力時の処理の詳細例を示すフローチャートである。図11において、「ADDRESS」は制御部103が省電力モードで動作する印刷装置のイーサネット(登録商標)アドレスを記憶しておくための変数である。制御部103はまずステップS1101で、ネットワークインタフェース110が受信した印刷データを通常処理タスク201に渡す。そしてステップS1102にて制御部103はネットワークインタフェース110に指示し、省電力モード問い合わせフレームをブロードキャスト送信する。続いてステップS1103にて、制御部103はタイマ105に対して「TIEM2」を設定し、計時動作をスタートさせる。次にステップS1104にて、「ADDRESS」に「0」を代入し、初期化する。
ステップS1105にて、制御部103はネットワークインタフェース110に問い合わせ、応答フレームを受信したかどうかを判定する。判定した結果、応答フレームを受信した場合にはステップS1106に進み、制御部103はステップS1105で受信した応答フレームの内容が省電力モードを示す内容であるかを判定する。ステップS1105で判定した結果、応答フレームを受信していない場合にはステップS1109に進む。
一方、ステップS1106で判定した結果、応答フレームの内容が省電力モードを示す内容である場合にはステップS1107に進み、ステップS1105で受信した応答フレームの送信元のイーサネット(登録商標)アドレスを「ADDRESS」に代入してステップS1109に進む。一方、ステップS1106で判定した結果、応答フレームの内容が省電力モードを示す内容でない場合にはステップS1108に進み、制御部103はステップS1105で受信した応答フレームの内容がデータ入力待ちを示す内容であるかどうかを判定する。判定した結果、応答フレームの内容がデータ入力待ちを示す内容である場合には図11の処理を終了する。一方、応答フレームの内容がデータ入力待ちを示す内容でない場合にはステップS1109に進む。
ステップS1109において制御部103は、タイマ105に問い合わせ、設定した時間「TIEM2」を経過したかどうか判定する。判定した結果、設定時間を経過していない場合にはステップS1105に戻る。一方、判定した結果、設定時間を経過した場合にはステップS1110に進み、制御部103は「ADDRESS」の値が「0」であるかどうかを判定する。判定した結果、「ADDRESS」の値が「0」の場合には図11の処理を終了し、リターンする。
一方、ステップS1110で「ADDRESS」の値が「0」でない場合にはステップS1111に進み、制御部103はネットワークインタフェース110に指示し、起動フレームを「ADDRESS宛」に送信し、図11の処理を終了する。以上の様に制御されるため、ネットワークよりの印刷データがある場合には自装置よりの印刷処理を行うと共に、他の省電力動作モードにある印刷装置等を起動することができ、印刷データが例え多量になっても、簡単な構成、制御を加えるのみで多くの接続装置でこの印刷を分散処理でき、全体としての印刷効率向上に優れた効果が得られる。
なお、第4実施例では、図9におけるステップS910および図11におけるステップS1102にて省電力モード問い合わせフレームをブロードキャスト送信したが、ネットワーク上の他の印刷装置に対するマルチキャスト送信とすることもできる。また、イーサネット(登録商標)に接続する印刷装置を例に説明したが、ブロードキャストまたはマルチキャスト通信が可能な他のネットワークに接続する印刷装置とすることもできる。
なお、印刷データを印刷装置に送信しようとする計算機200においても、同様に省電力モード問い合わせフレームをブロードキャストまたはマルチキャストすることにより、アクティブな印刷装置を知ることができる。このため、アクティブな印刷装置に印刷データを送信することができる。以上説明した様に第4実施例によれば、一定時間印刷データの入力やユーザによる操作がなかった時に、ネットワークを介して他の印刷装置に省電力モードかどうかを問い合わせ、省電力モードでない印刷装置が一台以上存在する時に、自印刷装置が省電力モードで動作する様に制御することにより、ネットワーク上の全印刷装置が省電力モードになってしまうことを防止し、ネットワーク上にかならず一台以上省電力モードでない印刷装置が存在するよう制御でき、ユーザや印刷データ供給装置による印刷が長時間できない事態を有効に防止できる。
更に、ネットワークよりの印刷データがある場合には自装置よりの印刷処理を行うと共に、他の省電力動作モードにある印刷装置等を起動することができ、印刷データがたとえ多量になっても、簡単な構成、制御を加えるのみで多くの接続装置でこの印刷を分散処理でき、全体としての印刷効率向上に優れた効果が得られる。
また、印刷データを印刷装置に送信しようとする計算機200においても、同様に省電力モード問い合わせフレームをブロードキャストまたはマルチキャストすることにより、アクティブな印刷装置を知ることができ、確実にアクティブな印刷装置に印刷データを送信することができる。以上説明したように上述した各実施例によれば、省電力モードになることを予告するので、ユーザによる操作や計算機からのデータ入力により、省電力モードになることを阻止することが可能になり、ユーザが印刷しようとしたときに省電力モードに入ってしまい、印刷に時間がかかってしまうことが少なくなるという効果がある。
また、ネットワークに接続する印刷装置においては、ネットワークのトラフィックが大きいときには省電力モードにならないので、印刷しようとしたときに省電力モードになっていて時間がかかってしまうことが少なくなるという効果がある。また、ネットワークに接続する印刷装置において、省電力モードになる時に他の印刷装置に状態を問い合わせることにより、ネットワーク上の全ての印刷装置が省電力モードになることがないようにしたので、計算機は省電力モードでない印刷装置を選択し、いつでもすぐに印刷できるという効果がある。
なお、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。