JP3619216B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、転写紙上の両面または片面に画像を形成可能な画像形成装置に係り、特に画像が形成された転写紙を本体内の下搬送路上に一旦積み込み収納して、順次収納された各転写紙を分離しながら再度画像形成部に給送する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、転写紙上の両面または片面に画像を形成可能な画像形成装置が製品化され、種々の搬送方式で転写紙の搬送を制御している。
【0003】
例えば、画像形成時に異なる駆動からなるいくつかのローラ(紙搬送手段)によって、転写紙を搬送する画像形成装置では、上記異なる駆動からなる幾つかのローラが転写紙を噛んでいて、かつ停止状態から駆動する場合でも、同一タイミングの駆動指令により、同時に異なる駆動からなる幾つかのローラを駆動するように構成されている。停止時も同様に同一のタイミングの駆動停止指令により、同時に異なる幾つかのローラの駆動を停止するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像形成装置の場合、異なる駆動からなる幾つかのローラが転写紙を噛んでいて、かつ停止状態から駆動する場合、同一タイミングの駆動指令により同時に異なる幾つかのローラを駆動するように作動するため以下のような問題点があった。
【0006】
)転写紙の移動方向に対して前側ローラより後側ローラの駆動の立ち上がり時間が遅い場合、前側ローラと後側ローラの間で転写紙は引っ張られてしまい、転写紙が斜行したり、搬送不良の原因となってしまう。
【0007】
)両面/多重等すべて一度転写された転写紙を再給紙する場合は、この転写紙の画像が後側ローラにより擦れてしまい、画像汚れ,ローラ汚れとなってしまう。
【0008】
)転写紙を駆動搬送状態から停止させる場合も、上記両ローラ駆動タイミングの不同期に起因して転写紙の擦れ,画像汚れ,ローラ汚れとなってしまう等の幾多の問題点があった。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、上流側の紙搬送ローラ、下流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させることにより、隣接する各紙搬送ローラに噛まれた状態で転写紙の搬送を停止または開始する場合あっても、各紙搬送ローラに噛まれた転写紙をスムーズに搬送停止または搬送開始させることができ、搬送停止または搬送開始時における転写紙の損傷を防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【問題点を解決するための手段】
本発明に係る第1の発明は、異なる駆動源により駆動される転写紙を搬送するための複数の紙搬送ローラと、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、上流側の紙搬送ローラ、下流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させる制御手段とを有するものである。
本発明に係る第2の発明は、異なる駆動源により駆動される転写紙を搬送するための複数の紙搬送ローラと、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させる制御手段とを有するものである。
【0011】
本発明に係る第の発明は、隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを計時するソフトタイマを有し、このソフトタイマの計時状態に基づいて制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるように構成したものである。
【0012】
本発明に係る第の発明は、隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させる遅延回路を有し、この遅延回路の出力に基づいて制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるように構成したものである。
【0013】
本発明に係る第の発明は、異なる駆動源により駆動される隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間を計時する計時手段と、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、制御手段が計時手段により計時された隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差分に基づいて隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるように構成したものである。
【0014】
本発明に係る第の発明は、計時手段が計時した隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差を表示する表示手段と、入力される遅延時間データに基づいて隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させる遅延時間を調整する調整手段とを設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施例を示す画像形成装置の構成を説明する断面図であり、公知の電子写真プロセスを実行するための給紙搬送系,露光系,作像系,制御系から構成されている。
【0016】
露光系は、原稿台,原稿照明部,光路部からなり、原稿台に載置された原稿を原稿照明ランプ4で走査し、原稿光像は複数のミラー1〜3とズームレンズ8,折返しミラー14,15,11を介して感光ドラム12上に投影される。なお、原稿照明ランプ4の走査は、図示しない光学駆動用ステッピングモータで駆動され、ズームレンズ8は図示しないレンズ駆動用ステッピングモータで駆動され、原稿照明ランプ4の走査スピードの変更およびレンズモータの位置の移動により、出力画像の変倍を行う。
【0017】
作像系は、感光ドラム12,前露光ランプ7,1次帯電器9,ブランク露光ランプ10,第1現像器16,第2現像器13,ドラムクリーナ部6等から構成されている。なお、感光ドラム12は矢印方向に回転され、1次帯電器9によって一様帯電されたドラム表面電荷は、ブランク露光ランプ10によって非画像部の電荷が除去され、画像部が露光系からの原稿の投影光により露光される。画像露光によって感光ドラム12上に作像された静電潜像は、第1現像器16または第2現像器13(現像色を交換可能なCDユニットとして構成される)により現像された後、転写帯電器24により、給紙部から搬送されてきた転写紙に転写させる。
【0018】
転写紙の感光ドラム12はクリーニングユニット(ドラムクリーナ部)6によって残留トナーが取り除かれ、さらに、前露光ランプ7により残留電荷が除電され、再び1次帯電,画像露光,現像、転写といったプロセスが繰り返される。
【0019】
給紙搬送系は、給紙部,搬送部,定着部等からなり、1段目のカセット(上段カセット)からの給紙動作は、給紙ローラ21によりカセット28から転写紙が給紙され、タテパスローラ18によりレジストローラ22の配設位置まで搬送される。2段目カセット(下段カセット)29からの給紙動作は、給紙ローラ20によりカセット29から転写紙が給紙され、タテパスローラ19およびタテパスローラ18によりレジストローラ22まで搬送される。手差しによる給紙動作は、手差しにより給紙された転写紙が、手差し給紙ローラ17によりレジストローラ22まで搬送される。
【0020】
レジストローラ22まで搬送された転写紙は、レジストローラ22に突き当てループを形成し、斜行取りや画像先端合せのタイミング補正が行われる。また、本実施例では、感光ドラム12上の画像横方向端部と転写紙の端部を一致させるために、図示しないステッピングモータにより、レジストローラ22を横方向に動かす制御も行っている。
【0021】
レジストローラ22から搬送された転写紙には、転写帯電器24により感光ドラム12上に現像されたトナー像が転写され、転写紙は分離帯電器25により感光ドラム12から分離され、搬送部27を通って定着ローラ30の配設位置まで搬送される。定着ローラ30は、定着ヒータ311(後述する)で加熱され、その表面温度をサーミスタ302で検出して、定着ローラ30の表面温度が所定値になるように制御されている。定着ローラ30に搬送された転写紙は、定着ローラ30により、転写紙上に転写されたトナー像が熱と圧力により定着される。定着後の定着ローラ30はウエブ5によりクリーニングされる。トナー像が定着された転写紙は、通常コピーの場合、排紙ローラ31および排紙ローラ33により搬送され、機外に排出される。
【0022】
多重コピーの場合、紙偏向板(フラッパ)32が上部側に向けられ、1面目コピー定着後の転写紙は、排紙ローラ31から下搬送部入口ローラ34へ搬送され、セットバックローラ26,下搬送部出口ローラ35を通ってレジストローラ22へ搬送される。以後、通常コピーと同様にして2面目のコピーが行われ、多重コピーされた転写紙は排出される。
【0023】
両面コピーの場合、1面目コピー定着後の転写紙は、排紙ローラ31から排紙ローラ33へ搬送され、転写紙の後端がフラッパ32を通過してから排紙ローラ33を抜けるまでの間に、図示しないステッピングモータで駆動されている排紙ローラ33は逆転し、フラッパ32が上部側に向けられ、スイッチバックされた転写紙は下搬送部入口ローラ34へ搬送され、セットバックローラ26,下搬送部出口ローラ35を通ってレジストローラ22へ搬送される。以後、通常コピーと同様にして2面目のコピーが行われ、両面コピーされた転写紙は排出される。なお、36は分離フラッパである。また、23は転写前帯電器である。
【0024】
図2は、図1に示した画像形成装置の制御構成を説明するブロック図である。
【0025】
図において、300は制御部(コントローラ)で、CPU300a,ROM300b,RAM300c等から構成され、ROM300bに格納されたプログラムに基づいて複写シーケンスを総括的に制御する。
【0026】
312は操作部で、コピーモード(片面,両面,多重モード,複写倍率,カセット選択等)設定キー,複写枚数等を設定するテンキー,複写動作開始を指示するスタートキー,複写動作停止を指示するストップキー,動作モードを標準状態に復帰するリセットキー等のキー入力部および動作モードの設定状態等を表示するLED・液晶等の表示部が配置されている。302はサーミスタで、定着ローラ30の表面温度が所定値になるように制御している。
【0027】
高圧制御部303は、1次帯電器9,転写帯電器24等の帯電系および第1現像器16等に所定の電位を印加する高圧ユニット304の制御を行う。モータ制御部305は、各種ステッピングモータやメイン駆動モータ等のモータ306の駆動を制御する。DC負荷制御部307は、給紙ローラ21用等のソレノイド,タテパスローラ18用等のクラッチおよびファン等の駆動を制御する。308は転写紙の紙詰り検知用等のセンサ類で、制御部300に入力される。
【0028】
ACドライバ309は、原稿照明ランプ4等のAC負荷310および定着ヒータ311へのAC電源供給を制御する。また、原稿照明ランプ4,定着ヒータ311等の異常を検出し、シャットオフ機能付メインスイッチ(MSW)314をオフ状態にする。DC電源313は、コントローラ300等にDC電源を供給し、電源プラグ316から入力されたAC電源は、ドアスイッチ(DSW)315,メインスイッチ314を介してDC電源313に入力される。ペーパデッキ351は、転写紙の積載枚数を増やすための給紙装置で、オプションとして接続される。エディタ352は、トリミング,マスキング処理等の位置情報を入力するためのもので、オプションで接続される。
【0029】
フィーダ353は、複数枚の原稿を自動的にセットするためのもので、オプションで接続される。ソータ354は、排出される転写紙を仕分けするためのもので、オプションとして接続される。
【0030】
このように構成された画像形成装置において、紙検知手段(後述する下搬送部入口紙検知センサ37)が紙搬送ローラ(下搬送部入口ローラ34)により搬送される転写紙の先端を検知すると、ループ形成手段(CPU300a)が転写紙先端検知位置からの突き当て搬送量を制御して可変量のループを形成し、該ループを持って紙搬送ローラに突き当てられた転写紙を各紙搬送ローラの正転または逆転をセットバック制御手段(モータ制御部305)が制御して所定の搬送路上に所定間隔で積み込み収納するので、搬送される転写紙の枚数が増減しても確実に分離再給紙できるように各転写紙の積み込み収納間隔を一定とすることを可能とする。
【0031】
また、ループ形成手段が設定された転写紙搬送条件および紙検知手段の紙検知出力状態に基づいて前記記憶手段(RAM300c)から選択したループデータに従う可変量のループを形成するので、個別的な転写紙搬送条件に適合する最適な可変量のループを形成することを可能とする。
【0032】
さらに、ループ形成手段は、所定の搬送路上に積み込む転写紙の枚数毎に各転写紙の突き当て搬送量を可変するので、枚数毎に最適な可変量のループを形成することを可能とする。
【0033】
また、ループ形成手段は、所定の搬送路上に積み込む転写紙の枚数が増える毎に、各転写紙の突き当て搬送量を減らすので、確実に分離再給紙できるように各転写紙の積み込み収納間隔を一定とすることを可能とする。
【0034】
さらに、ループ形成手段は、所定の搬送路上に積み込む転写紙に対する画像形成モードに基づいて各転写紙の突き当て搬送量を可変するので、転写紙に上下方向にカールが発生しても、確実に分離再給紙できるように各転写紙の積み込み収納間隔を一定とすることを可能とする。
【0035】
また、転写紙の積み込み枚数毎の搬送不良回数が多くなっても、第1のカウント手段(CPU300aの内部タイマ)がカウントしたカウント値に基づいて補正手段が積み込み枚数毎の各転写紙の突き当て搬送量を自動補正するので、紙搬送ローラの摩耗の経時変化が発生しても確実に分離再給紙できるように各転写紙の積み込み収納間隔を一定とすることを可能とする。
【0036】
さらに、第1の表示手段(操作部312の表示部)に表示される第1のカウント手段がカウントしたカウント値および転写紙の積み込み枚数毎の突き当て搬送量を見ながら、所望の調整データを入力して突き当て搬送量を調整するので、紙搬送ローラの摩耗の経時変化に見合う可変量のループを形成することを可能とする。
【0037】
以下、図3〜図13を参照しながら本発明に係る画像形成装置における下段搬送路上での第1のセットバック動作について説明する。
【0038】
図3は、図1に示した画像形成装置の下段搬送路系の詳細断面図で、図4〜図13は本発明に係る画像形成装置における第1のセットバック状態推移を示す図である。以下、構成および動作について説明する。
【0039】
図3に示す下搬送部入口ローラ34,下搬送部出口ローラ35はメインモータで駆動され、セットバックローラ26(後述するセットバックローラ26a,セットバックローラ26bから構成される)は専用のステッピングモータで駆動されている。分離フラッパ36は、図示しないソレノイドにより駆動される。
【0040】
具体的には、図4に示すように下搬送部へ下搬送部入口ローラ34により1枚目の転写紙P1が搬送されてくると、図5に示すように下搬送部入口紙検知センサ37で転写紙P1の先端を検知して、その先端がセットバックローラ26bに突き当たり、ループ量がX になるようにループを形成する。次いで、図6に示すように分離フラッパ36が下降するとともに、セットバックローラ26a,26bが正転し、転写紙P1を下搬送部出口方向へ送り、下搬送部入口部より転写紙P1を抜き取る。次いで、図7に示すようにセットバックローラ26a,26bが逆転し、転写紙P1の先端がセットバックローラ26より出口側へ所定量(本実施例ではセットバックローラ26bの軸心から出口側へ約8mm)突き出た位置で止める。次いで、図8に示すように2枚目の転写紙P2を下搬送部へ搬送する。次いで、図9に示すように下搬送部入口紙検知センサ37で2枚目の転写紙の先端を検知して、その先端が第2のセットバックローラ26bに突き当たり、ループ量がX (1枚目のループ量X >2枚目のループ量X )となるようにループを形成する。次いで、図10に示すようにセットバックローラ26a,26bが正転し、2枚目の転写紙後端を下搬送部入口より抜き取る。次いで、図11に示すようにセットバックローラ26a,26bが逆転し、第2のセットバックローラ26bより2枚目の転写紙P2の先端がセットバックローラ部26より出口側へ所定量(本実施例ではセットバックローラ26bの軸心から出口側へ約8mm)突き出た位置で止める。
【0041】
上記図4〜図11に示す処理を所定枚数分繰り返し、下搬送部に所定枚数の転写紙を積み込み収納する。ただし、セットバックローラ26bでのループ量は、転写紙の積み込まれている枚数によって、1枚目X ,2枚目X ,3枚目X ,4枚目X ,…,y枚目X (X >X >X >X >…>X )となるようにループ形成量を可変に制御している。また、本実施例において、セットバックローラ26bでのループ量は、転写紙1枚毎に可変としているが、これに限ったものではなく、1枚目は確実に斜行取りを行うため、ループ量を大きくX (>>X )として、2枚目以降は積み込まれている転写紙の瓦積みをくずさない程度のループ量X (X >X )であっても良い。さらに、1枚目はX 、2〜10枚目はX10とし、11〜20枚目はX20というように、ある枚数単位でループ量を可変するように制御してもよい。
【0042】
このようにしてセットバック動作が終了したら、下搬送部からの再給紙に備え、図12に示すように所定用紙積載後、セットバックローラ26a,26bが正転し、1枚目の用紙先端が下搬送部出口紙検知センサ38の検知位置に到達した後、セットバックローラ26a,26bを停止させる。次いで、図13に示すように、セットバックローラ26a,26bが逆転し、1枚目用紙先端を下搬送部出口紙検知センサ38の手前で止めて、分離フラッパ36を上昇させる。
【0043】
以下、図14〜図18を参照しながら本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙動作について説明する。
【0044】
図14〜図18は本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【0045】
先ず、図14に示すように2面目コピースタート指令により、セットバックローラ26a,26bが回転(正転)する。次いで、図15に示すように1枚目の転写紙P1の先端が下搬送部出口紙検知センサ38の検知位置に到達して、規定時間経過後、セットバックローラ26a,26bを停止し、分離フラッパ36を下降させる。次いで、図16に示すように再びセットバックローラ26a,26bを正転し,分離フラッパ36により1枚目と2枚目の転写紙を分離する。そして、1枚目の転写紙P1の先端が下搬送部出口ローラ35に突き当たったところで、下搬送部出口ローラ35を図示しない下搬送出口クラッチをONすることで駆動させる。次いで、図17に示すように1枚目の転写紙P1の後端がセットバックローラ26から抜けると、セットバックローラ26を逆回転し、2枚目の転写紙P2を戻し、分離フラッパ36を上昇させる。そして、2枚目の転写紙P2を下搬送部出口紙検知センサ38を抜けたところで停止させる。次いで、図18に示すように1枚目の転写紙P1はレジストスト前紙検知センサ40で紙先端検知後、レジストローラ22で所定量のループを形成し、レジストローラ22を図示しないレジストローラクラッチのONにより駆動して、2面目の転写を行う。2枚目の転写紙P2はレジストローラ22の駆動後、所定時間後にセットバックローラ26を正転して給紙される。
【0046】
以下、図19,図20を参照しながらセットバック制御動作および再給紙動作について説明する。
【0047】
図19は本発明に係る画像形成装置におけるセットバック制御手順の一例を示すフローチャートである。なお、(1)〜(7)は図2に示したCPU300aがROM300bに格納された制御プログラムの各ステップを示す。
【0048】
先ず、図4に示すように下搬送部入口で搬送される転写紙の先端を検知したかどうかを判定し(1)、検知したら当該検知位置からセットバックローラ26bまでの距離L+セットバックローラ26bにおけるn枚目の転写紙のループ量X を加算した距離を進行するまで待機し(2)、図5に示すようなループを形成する。
【0049】
次いで、セットバックローラ26a,26bを正転駆動すると同時に、分離フラッパソレノイドをONし(3)、図6に示すように転写紙後端が下搬送部入口から抜けるのを待機し(4)、抜けたら図7に示すように正転量−約8mm分転写紙を戻すようにセットバックローラ26a,26bを逆転駆動する(5)。次いで、下搬送部に搬送される転写紙が指定された転写紙枚数の最終用紙となるまで(6)、ステップ(1)〜(5)を繰り返し、最終用紙となったら分離フラッパソレノイドをOFFし(7)、処理を終了する。
【0050】
図20は本発明に係る画像形成装置における再給紙制御手順の一例を示すフローチャートである。なお、(1)〜(10)は図2に示したCPU300aがROM300bに格納された制御プログラムの各ステップを示す。
【0051】
先ず、図14に示すようにセットバックローラ26a,26bを正転駆動,下搬送部出口ローラクラッチをONし(1)、図15に示すように下搬送部出口紙検知センサ38が転写紙P1の先端を検知したら(2)、セットバックローラ26a,26bを停止させる。次いで、t時間後、セットバックローラ26a,26bを停止するとともに、分離フラッパソレノイドをONし(3)、図15に示すように分離フラッパ36が下降するまで待機する(4)。次いで、再びセットバックローラ26a,26bを正転駆動して図16に示すように分離フラッパ36により隣接する上側と下側の転写紙を分離する(5)。次いで、下側の転写紙の後端がセットバックローラ26aから抜けるのを待機し(6)、抜けたらセットバックローラ26a,26bを逆転駆動し、分離フラッパソレノイドをOFFする(7)。次いで、上側の転写紙を前方側に送った量分、図17に示すように転写紙を戻したところでセットバックローラ26a,26bを停止させ(8)、下搬送部に残留する転写紙が最終用紙かどうかを判定し(9)、YESならば処理を終了し、NOならば次の給紙指令の入力を待機し(10)、入力されたらステップ(1)に戻り、ステップ(1)〜(9)を繰り返す。
【0052】
なお、上記実施例で下搬送部に搬送される転写紙の両面の何れ側に画像が転写されているかどうかを考慮することなく、後続の転写紙に対するループ量を可変とする制御を行う場合について説明したが、下搬送部に積み込まれる転写紙の状態は、コピーモード(多重コピー/両面コピー)によって、1面目の転写面が下向き状態(多重コピー時)で積み込まれる場合と、上向き状態(両面コピー時)で積み込まれる場合とがある。
【0053】
転写紙は1面目の転写後、定着されるためカールが生じ易くなり、このカールのついた転写紙が下搬送部へ搬送されることになる。そこで、コピーモード(多重コピー/両面コピー)によっては、下カールの状態でセットバックローラ26bに突き当たりループを形成したり、上カールの状態でセットバックローラ26bに突き当たりループを形成することになる。この場合、上カールと下カールではループ量が同じでも、ループの形成のされ方やセットバックローラ26a,26bと積み込まれている転写紙の間への突っ込み量に当然違いが生じてくる。そのため、ループ量が同じ制御では、精度良く瓦積み量を一定にして積み込むことが困難となる恐れがある。
【0054】
そこで、後述するように下搬送部に積み込まれる状態(1面目の転写画像面が下向き/上向き)に基づいてセットバックローラ26bで形成するループ量を可変制御するように構成しても良い。以下、図21および図22を参照しながら本発明に係る画像形成装置における他のセットバック制御動作について説明する。図21,図22は本発明に係る画像形成装置における他のセットバック制御状態を説明する図であり、図1,図17等と同一のものには同じ符号を付してある。
【0055】
多重コピーの場合は、図21に示すように1面目転写終了後、第2の排紙ローラ33を逆転し、フラッパ32を上向きにして、転写紙を下搬送部へ搬送する。そして、転写紙の先端を下搬送部入口紙検知センサ37で検知してから、セットバックローラ26bに突き当て、ループ量がX になるように制御する。
【0056】
一方、両面コピーの場合は、図22に示すように1面目転写終了後、定着後転写紙の後端が排紙センサ41を通過して所定時間後、第2排紙ローラ33を逆転し、フラッパ32を上方向に切り換える。これにより、転写紙はスイッチバックし、下搬送部へ搬送する。そして、転写紙の先端を下搬送入口紙検知センサ37で検知してから、セットバックローラ26bに突き当て、ループ量がX となるように制御する。
【0057】
また、ループ量X ,X の大小関係は搬送パスからセットバックローラ26への突入角度等の要因によっては逆になっても良い。さらに、上記実施例のように枚数毎のループ量の関係を考慮しながらループ量の可変制御を行う構成としても良い。
【0058】
なお、画像形成装置本体は、使用年数,画像形成枚数等が多くなると、ローラの摩擦等によりセットバック動作による紙搬送性が低下することになる。また、使用環境によっても転写紙のこしや帯電性の違いによりセットバック動作による紙搬送性が低下することがある。これらを解決するため、転写紙の積み込み枚数毎の搬送不良回数もしくは率をコントローラ300によりカウントし、それらのカウント値をRAM300cにバックアップ(保持記憶)しておき、当該カウント値がROM300bに記憶された値、例えば10回数以上発生した場合、その積み込み枚数のループ量を現在の値より加減(例えば−2mm)することにより、下搬送部からの再給紙状態を常に良好に保持することが可能となる。これらはコントローラ300により、枚数毎の現在のループ量の値をRAM300cに上記加減値を補正して書き換え、次のセットバック動作にフィードバックをかけるものである。また、上記積み込み枚数毎の他に積み込み状態の異なる画像形成モード毎に同様な制御を実行するように構成しても良い。
【0059】
また、図23に示すように、転写紙の積み込み枚数毎の搬送不良率を図2に示した操作部312の画面に表示し、その枚数に対する現在(初期値)のループ量の値,調整値を表示するように構成し、この画面表示に基づいて例えばサービスマンが上記搬送不良率より判断し、調整値を入力して設定されているループ量を±調整することにより、下搬送部に搬送される転写紙のセットバック動作を良好に行い、積み込み収納された転写紙を良好に再給紙可能となる。なお、この際の補正調整方法は、操作部312のテンキー,カーソルキー等を使用して調整した項目(例えば何枚目)をカーソルKで選択指定し、調整値を入力することにより行うものとするか、あるいは通信手段を介して外部のホストコンピュータから調整値を入力して、遠隔的に調整するものとする。
【0060】
さらに、図24に示すように、転写紙の積み込み状態の異なるモード毎の搬送不良率を操作部312の画面に表示し、そのモードに対する現在(初期値)のループ量の値,調整値を表示するように構成し、上記同様に調整して下搬送部に搬送される転写紙の積み込み状態の異なるモード毎セットバック動作を良好に行い、積み込み収納された転写紙を良好に再給紙可能とするように構成しても良い。
【0061】
〔第2実施形態〕
図25は本発明の第2実施形態を示す画像形成装置の制御構成を説明するブロック図であり、図2と同一のものには同じ符号を付してある。以下、構成ならびに動作について説明する。
【0062】
RAM300cには、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26の駆動の立ち上がり時間差分t =50ms,駆動停止(立ち下がり)の時間差分t =10msの値が保持されている。これらの値は、実験的データから求められたものである。なお、これらの時間差分t ,t の値は、固定値であればROM300bに記憶保持されている構成であっても良く、さらに他の記憶保持手段に保持されていてもよい。
【0063】
コントローラ300のCPU300aにより、モータ制御部305のメインモータ制御部305aを制御し、メインモータ306aを駆動および停止させる。また、コントローラ300のCPU300aにより、DC負荷制御部307を制御し下搬送出口クラッチ50を連結および解除等を実行する。そして、下搬送部出口ローラ35を回転および停止させる。また、コントローラ300のCPU300aにより、ステッピングモータ制御部305bを制御し、ステッピングモータ306bを駆動および停止を制御することにより、上述のセットバックローラ26a,26b(本実施例における隣接する転写紙搬送手段として機能する)を回転および停止させる。
【0064】
なお、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26bの双方に噛まれている転写紙を搬送する場合、ROM300bの制御プログラムによってCPU300aにより下搬送出口クラッチ50が連結され、RAM300c上の時間差分t の値が読み出され、タイマコントローラ300dのカウントで50ms経過後にROM300bの制御プログラムによってCPU300aにより、ステッピングモータ306bが駆動される。よって、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26a,26bは、同時に立ち上がり回転し、転写紙を搬送する。
【0065】
また、搬送中の転写紙を下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26に噛んだ状態で停止させる場合、ROM300bの制御プログラムによってCPU300aにより下搬送出口クラッチ50の連結状態が解除され、RAM300c上のt の値が読み出され、タイマコントローラ300dで10ms後にROM300bの制御プログラムによってCPU300aによりステッピングモータ306bの駆動が停止される。よって、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26bは同時に停止、転写紙も停止する。
【0066】
このように構成された画像形成装置において、タイミング制御手段(モータ制御部305)が駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラ(本実施例ではセットバックローラ26a,26b)の双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、タイミング制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、隣接する各紙搬送ローラに噛まれた状態で転写紙が停止しても、各紙搬送ローラに噛まれた転写紙をスムーズに搬送開始または搬送停止させることができる。
【0067】
さらに、CPU300aのソフトタイマの計時状態に基づいてタイミング制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、遅延量を自在に変更することができる。
【0068】
また、後述する遅延回路400の出力に基づいてタイミング制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、常に正確なタイミングで遅延させることができる。
【0069】
さらに、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、タイミング制御手段が計時手段(計数手段60,61)により計時された隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差分に基づいて隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、現在の各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差を捉えて遅延時間の調整をすることができる。
【0070】
また、表示手段(操作部312の表示部)に表示された各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差を確認後、入力した遅延時間データに基づいて調整手段(CPU300a)が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させる遅延時間を調整するので、各紙搬送ローラによる搬送停止または搬送開始の遅延時間を所望に調整することができる。
【0071】
以下、図26〜図28を参照しながら本発明に係る画像形成装置における隣接する複数の転写紙搬送手段の遅延始動制御動作について詳述する。
【0072】
図26〜図28は本発明に係る画像形成装置における隣接する複数の転写紙搬送手段の遅延始動制御状態を示す図であり、図17,図1と同一のものには同じ符号を付してある。
〔両面第1面目のコピー時〕
両面第1面目のコピー動作においては、図26,図27に示すように定着ローラ30,第1排紙ローラ31,下搬送部入口ローラ34,下搬送部出口ローラ35はメインモータ306aで駆動され、第2排紙ローラ33,セットバックローラ26a,26bはそれぞれ別の専用のステッピングモータ306bで駆動されている。フラッパ32は、第2排紙ローラ33の回転方向に従って動作する。第1面目のコピー時、定着後転写紙の後端が排紙センサ41を通過してからある時間後、第2排紙ローラ33は逆転し、フラッパ32は上に切り換えられる。これにより、転写紙は、スイッチバックして下搬送部へ送られ、下搬送部出口ローラ35を数mm過ぎた位置で停止し、第2面目のコピー開始を待機する。
〔多重第1面目のコピー時〕
第1面目のコピー時、図28に示すように第2排紙ローラ33は逆転し、フラッパ32を上に向けている。送られた転写紙は下搬送部出口ローラ35から数mm過ぎた位置で止まり、第2面目のコピーを待機する。
〔両面/多重第2面目のコピー時〕
下搬送部内で待機中の転写紙は異なる駆動源により駆動される下搬送部出口ローラ35(メインモータ306aの駆動が下搬送出口クラッチ50の連結により伝達される)とセットバックローラ26(ステッピングモータ306b駆動)に噛まれた状態から搬送されて第2面目の転写処理が開始される。
【0073】
以下、図29に示すフローチャート参照しながら本発明に係る画像形成装置における2面目コピー処理動作について説明する。
【0074】
図29は本発明に係る画像形成装置における2面目コピー処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、(1)〜(15)は各ステップを示す。
【0075】
2面目コピーのスタート指令が発せられると(1)、メインモータ306aを駆動させ(2)、メインモータ306aが正規の回転数に安定して立ち上がる間で待機する(3)。次いで、下搬送部出口ローラ35にメインモータ306aの駆動を伝えるため、図示しない下搬送出口クラッチ50を連結させ、セットバックローラ26はステッピングモータ306bにより直接駆動される。このため、下搬送部出口ローラ35の駆動の立ち上がりに比べて、セットバックローラ26a,26bの駆動の立ち上がりが速くなるように制御するため、先ず、下搬送出口クラッチ50を連結させ、下搬送部出口ローラ35を駆動させる(4)。そして、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26の駆動の立ち上がり時間差分t 経過を待機し(5)、立ち上がり時間差分t 経過後、セットバックローラ26a,26bを駆動させる(6)。これにより、転写紙は下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26により同時に搬送され、ダメージを受けることなく、レジスト前センサ(レジ前センサ)40に到達する。そこで、レジスト前紙検知センサ(レジ前センサ)40が安定して搬送される転写紙を検出するのを待機し(7)、転写紙が検出されたら、レジストローラ22に突き当たり、斜行取りを行うため所定量のループを形成して(8)、画像形成(転写)を行うための光学系動作および感光ドラム12の回転のタイミング合せのため一時停止される。下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26の駆動停止(立ち下がり)にも、立ち下がり時間同様に時間差があり、下搬送部出口ローラ35に比べてセットバックローラ26の駆動停止(立ち下がり)が早い。そのため、先に下搬送出口クラッチ50の連結を解除し(9)、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26の駆動停止(立ち下がり)時間差t 経過を待機し(10)、時間差t 経過後、セットバックローラ26の駆動を止める(11)。画像形成(転写)を行うために、転写紙は再び搬送され、光学系動作および感光ドラム12の回転とタイミングが合うようにレジストローラ22が、メインモータの駆動がクラッチ連結により伝達されることにより駆動されると(12)、レジストローラ22と同時に下搬送部出口クラッチ50を連結させ、下搬送部出口ローラ35を駆動させる(13)。下搬送出口ローラ35とセットバックローラ26の立ち下がり時間差t 経過後(14)、セットバックローラ26を駆動させて(15)、以降の転写紙は安定した状態で搬送され、画像が転写されて機外に排出される。
【0076】
ここで、レジストローラ22と下搬送部出口ローラ35へ駆動を伝達するクラッチのタイプが異なり、連結(立ち上がり)時間が異なれば、その時間差分を考慮して制御してもよい。すなわち、2つのローラの駆動に限ったものではなく、複数のローラの駆動に対しても本発明を適用できる。
【0077】
また、本実施例では駆動系が異なり、下搬送部出口ローラ35に比べてセットバックローラ26a,26bの駆動の立ち上がりが遅い場合では、先にセットバックローラ26a,26bを駆動して、立ち上がり時間差経過後、下搬送部出口ローラ35を駆動する制御となることは言うまでもない。
【0078】
なお、上記実施例ではCPU300aからメインモータ306aとステッピングモータ306bに対する駆動指令出力タイミングを制御して立ち上がり時間差を発生させる場合について説明したが、CPU300aからモータ制御部305に同時に駆動指令を出力し、図30に示すようにステッピングモータ制御部305bの遅延回路400が立ち上がり時間差分t 時間分遅延してステッピングモータ306bを駆動させる構成であっても同様の効果が期待できる。
【0079】
具体的には、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26に噛まれている転写紙を搬送する場合、下搬送出口クラッチ50が連結され、同時にステッピングモータ306bが駆動される。そこで、ステッピングモータ駆動制御信号は、上記遅延回路400により時間差分t 時間遅延してステッピングモータ306bを駆動させる。よって、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26は、略同時に立ち上がり回転し、転写紙を搬送する。なお、時間差分t はあらかじめ実験的データの解析に基づいて設定される固定遅延時間として遅延回路400上に設定されるが、時間差分t を可変可能に構成してもよい。
【0080】
また、搬送中の転写紙を下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26a,26bに噛まれて停止する場合、立ち上がり時間差t =立ち下がり時間t とすると、下搬送出口クラッチ50の連結を解除し、同時にステッピングモータ306bの駆動を停止させる。そこで、ステッピングモータ駆動停止制御信号は、上記遅延回路400により、t (=t )時間実際にステッピングモータ306bの駆動停止により遅延する。よって、下搬送部出口ローラ35とセットバックローラ26は略同時に停止し、転写紙は停止する。もし、立ち上がり時間差t ≠立ち下がり時間t の場合、遅延回路400に駆動時と駆動停止時の切り換え手段により、立ち上がり時間差t ,立ち下がり時間t のそれぞれの制御信号の遅れを発生させるように構成すれば良い。
【0081】
なお、上記実施例ではCPU300aまたは遅延回路400等により、立ち上がり時間差t ,立ち下がり時間t に対応するタイミングでステッピングモータ306bを駆動させる場合について説明したが、図25に示す計数手段60,計数手段61により下搬送部出口ローラ35,セットバックローラ26の立ち上がり時間または立ち下がり時間を計数して、その差分時間から立ち上がり時間差t ,立ち下がり時間t を決定する構成であっても良い。
【0082】
なお、計数手段60,61は対応する下搬送部出口ローラ35,セットバックローラ26a,26bの軸にエンコーダを設け、それぞれのエンコーダの回転状態を検知するフォトインタラプタ等の検知手段からの検知信号をコントローラ300で監視する。そして、駆動指令から検知信号が一定周期になるまでの時間を立ち上がり時間とし、駆動停止指令から上記検知信号が一定レベルになるまでの時間を立ち下がり時間とし、それぞれ計数する。
【0083】
計数手段60で計数された時間と計数手段61で計数された時間の差を求め、この値をRAM300c上に記憶保持する。立ち上り時間の差はt のRAM領域に、立ち下がり時間はt のRAM領域に記憶保持する。そして、次回の制御時に、このt ,t の値を用いて駆動制御を行う。
【0084】
これにより、機械間差,環境の違い,計時変化等によって異なる駆動からなるいくつかのローラの立ち上りおよび立ち下がり時間が変わっても、常に安定な駆動(転写紙搬送)制御が保持できる。
【0085】
また、上記実施例では計数手段60,61をそれぞれの下搬送部出口ローラ35,セットバックローラ26a,26bにそれぞれ設ける場合について説明したが、それぞれのローラの相対計数値を計数するように、1つの計数手段でそれぞれの立ち下がり時間および立ち上がり時間を計時する構成であっても良い。さらに、毎回立ち下がり時間および立ち上がり時間の計数を監視し、フィードバック制御を実行することなく、例えば電源ON時、1回目の計数値により、その後同じ値を用いてフィードバックする構成であっても良い。また、何回かの計数値の平均値を求める等のデータ処理を実行して最適値を算出し、該算出された計数値に基づいて遅延時間を決定する構成であっても良い。
【0086】
さらに、図31に示すように、異なる駆動からなるローラの立ち上がりおよび時間差を現在(初期)値として操作部312の画面に表示し、調整手段によりこれらの値を調整し、当該調整値をも操作部312の画面に並行表示して、機械間差,環境の違い,計時変化に対応できるように構成しても良い。
【0087】
具体的には、上記図31に示した画面表示例が、サービスマン用であれば、サービスマンが機械設置環境や転写紙の画像を直接みることにより、調整値を入力して調整することにより、最適な転写紙搬送を可能な状態にできる。その際の調整方法としては、図2に示した操作部312でよく、調整した項目をカーソルキー等でカーソルKを移動して選択することにより行い、さらに選択し調整した項目に対する調整値をテンキー等から入力すれば良い。なお、画像形成装置がネットワーク対応の通信手段を備える場合には、上記調整値を外部のホストコンピュータから遠隔的に監視して、調整することも可能である。
【0088】
【発明の効果】
第1の発明によれば、制御手段が駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、上流側の紙搬送ローラ、下流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させるので、隣接する各紙搬送ローラに噛まれた状態で転写紙が停止しても、各紙搬送ローラに噛まれた転写紙を引っ張り合ってしまうことなくスムーズに搬送開始または搬送停止させることができる。
第2の発明によれば、制御手段が駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させるので、隣接する各紙搬送ローラに噛まれた状態で転写紙が停止しても、各紙搬送ローラに噛まれた転写紙をスムーズに搬送開始または搬送停止させることができる。
【0089】
の発明によれば、ソフトタイマの計時状態に基づいて制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、遅延量を自在に変更することができる。
【0090】
の発明によれば、遅延回路の出力に基づいて制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、常に正確なタイミングで遅延させることができる。
【0091】
の発明によれば、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、制御手段が計時手段により計時された隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差分に基づいて隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させるので、現在の各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差を捉えて遅延時間の調整をすることができる。
【0092】
の発明によれば、表示手段に表示された各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差を確認後、入力した遅延時間データに基づいて調整手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させる遅延時間を調整するので、各紙搬送ローラによる搬送停止または搬送開始の遅延時間を所望に調整することができる。
【0093】
従って、転写紙の搬送停止または搬送開始時における搬送ローラ駆動または停止ずれに伴う転写紙の損傷を確実に防止できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す画像形成装置の構成を説明する断面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の制御構成を説明するブロック図である。
【図3】図1に示した画像形成装置の下段搬送路系の詳細断面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図13】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図14】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図16】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図17】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図18】本発明に係る画像形成装置における下搬送部からの再給紙状態推移を示す図である。
【図19】本発明に係る画像形成装置におけるセットバック制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係る画像形成装置における再給紙制御手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係る画像形成装置における他のセットバック制御状態を説明する図である。
【図22】本発明に係る画像形成装置における他のセットバック制御状態を説明する図である。
【図23】図2に示した操作部上での第1の調整値表示例を示す模式図である。
【図24】図2に示した操作部上での第2の調整値表示例を示す模式図である。
【図25】本発明の第2実施形態を示す画像形成装置のモータ制御構成を説明するブロック図である。
【図26】本発明に係る画像形成装置における隣接する複数の転写紙搬送手段の遅延始動制御状態を示す図である。
【図27】本発明に係る画像形成装置における隣接する複数の転写紙搬送手段の遅延始動制御状態を示す図である。
【図28】本発明に係る画像形成装置における隣接する複数の転写紙搬送手段の遅延始動制御状態を示す図である。
【図29】本発明に係る画像形成装置における隣接する複数の転写紙搬送手段の遅延始動制御状態を示す図である。
【図30】図25に示したステッピングモータ制御部の他の構成を説明するブロック図である。
【図31】図2に示した操作部上での第3の調整値表示例を示す模式図である。
【符号の説明】
26a セットバックローラ
26b セットバックローラ
34 下搬送部入口ローラ
37 下搬送部入口紙検知センサ

Claims (6)

  1. 異なる駆動源により駆動される転写紙を搬送するための複数の紙搬送ローラと、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、上流側の紙搬送ローラ、下流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させる制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 異なる駆動源により駆動される転写紙を搬送するための複数の紙搬送ローラと、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、隣接する各紙搬送ローラを、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を停止させ、下流側の紙搬送ローラ、上流側の紙搬送ローラの順で駆動を開始させる制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを計時するソフトタイマを有し、このソフトタイマの計時状態に基づいて制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させる遅延回路を有し、この遅延回路の出力に基づいて制御手段が隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  5. 異なる駆動源により駆動される隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間を計時する計時手段と、駆動源が異なる隣接する各紙搬送ローラの双方に噛まれた状態で前記転写紙の搬送を停止または開始する場合に、制御手段が計時手段により計時された隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差分に基づいて隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  6. 計時手段が計時した隣接する各紙搬送ローラの立ち上がり時間または立ち下がり時間差を表示する表示手段と、入力される遅延時間データに基づいて隣接する各紙搬送ローラの停止タイミングまたは開始タイミングを遅延させる遅延時間を調整する調整手段とを具備したことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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