JP3619017B2 - 新規アラビノシルアデニン誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アデノシンデアミナーゼによる代謝に対して抵抗性を有する2位置換アラビノシルアデニン誘導体及びその医薬用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アラビノシルアデニン(一般名:ビダラビン、以下Ara−Aと略す)は単純ヘルペス、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、肝炎ウイルス、ワクチニアウイルスなどのDNAウイルスに有効であり、臨床では主としてヘルペス属ウイルス感染症治療薬として用いられている。しかし、Ara−Aは血中でアデノシンデアミナーゼ(以下ADAと略す)によって、急速に抗ウイルス活性の弱いヒポキサンチンアラビノシドに代謝されてしまうため、in vitroでの抗ウイルス活性がそのまま臨床に反映されないのが欠点である。また、ADAは消化管に多く存在するため、経口投与されたAra−Aは吸収前に代謝されてしまう。従って、経口剤としての適用は困難であり、現在、軟膏と注射剤のみが市販されている。
【0003】
これまでにもAra−Aの安定化に関して種々試みられてきたが、それぞれ以下のような問題点を有しており、満足できるものではなかった。
(1)Ara−AとADA阻害剤とを併用する方法〔Sloan B., et al., Ann. NY. Acad. Sci., Vol.284, p.60−80, (1977)〕
本法はAra−AとADA阻害剤とを同時に投与することによって、Ara−Aの安定化を図る方法である。ADA阻害剤としてはデオキシコフォマイシンが用いられたが、併用による副作用が観察され、開発は断念された。
【0004】
(2)Ara−Aをプロドラッグ化する方法〔Kotra L. P., et al., J. Med. Chem., Vol.39, p.5202−5207, (1996)〕
本法はAra−Aの6位のアミノ基をアジド基に置換した化合物をプロドラッグとして用いる方法である。このアジド基は肝ミクロソーム画分のチトクロームP−450によってアミノ基に還元され、生体内でAra−Aとなる。しかし、この還元反応と比較しても、ADAによる代謝の方がはるかに速いことが予想され、Ara−Aの血中濃度が高まるとは考えにくい。実際、この著者らはプロドラッグである6−アジドAra−Aの血中動態については記載しているものの、本体であるAra−Aが血中に認められたか否かについては全く言及していない。
【0005】
(3)ADAによる代謝に対して抵抗性を有するAra−A誘導体を用いる方法〔Koszalka G. W., et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Vol.35, p.1437−1443, (1991)、Averett D. R., et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Vol.35, p.851−857, (1991)〕
ADAによる代謝に対して抵抗性を有するAra−Aアナログの合成は最も盛んに行われてきた方法である。Koszalkaらは塩基の6位にメチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びメトキシル基を導入し、ADAによる代謝に対して抵抗性を有するAra−Aアナログを合成した(特開昭63−310831号公報にも記載)。しかし、これらの化合物はADAによる代謝に対して十分な抵抗性を有するまでには至らなかった。本発明者らの検討によれば、Koszalkaらのメチルアミノ基を導入した化合物(対照化合物C)は、ADAによる代謝に対して十分な抵抗性を示さなかった。メトキシル基を導入した化合物も同様にADAへの抵抗性は弱かった。又、ジメチルアミノ基を導入した化合物はADAによる代謝に対しては抵抗性を示したが、生体内では脱メチル化を受けてモノメチル体となりやすいため、結果としてADAにより代謝を受けてしまう。
【0006】
また、Ara−Aの2位アルキル誘導体としては、2位にメチル基を導入した化合物(対照化合物A、特開昭55−45625号公報)及び2位にエチル基を導入した化合物(対照化合物B、佐藤佳子ら、Chem. Pharm. Bull., Vol.37, p.1604−1608, (1989))が既知物質として挙げられる。本発明者らの試験結果によれば、Ara−Aの2位にメチル基、エチル基のような低級アルキル基を導入しても、図1に示されるように、強い抗ウイルス作用を得ることができなかった。また、これらの化合物はADAへの抵抗性についても満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は上述したような従来技術の問題点を解決するものであり、ADAによる代謝に対して抵抗性を有し、且つ十分な抗ウイルス作用を有するAra−A誘導体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはADAに対して高い抵抗性を有するAra−A誘導体について鋭意研究を行った結果、前記欠点を克服した新規な2位置換Ara−A誘導体を見い出した。本発明化合物はAra−Aの抗ウイルス作用を損なうことなく、ADAによる代謝に対する高抵抗性が付与された化合物である。従って、本発明化合物はAra−Aと比較して、持続性の優れた良好な血中動態を示すだけでなく、経口剤としての適用も可能なため、単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、肝炎ウイルス、ワクチニアウイルスなどのDNAウイルス感染の治療薬又は予防薬としてその有用性は非常に高い。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は下記一般式〔I〕で表われる2位置換アラビノシルアデニン誘導体並びにその薬学的に許容される塩及び水和物に関し、更には該化合物を有効成分として含有する抗ウイルス剤に関する。
【化2】
【0010】
前記一般式〔I〕において、Zは炭素数4以上のアルキル基、好ましくはブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ジメチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、アンデシル、ドデシル等の炭素数4乃至12の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、好ましくはエチレニル、プロピニレニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、アンデセニル、ドデセニル等の炭素数2乃至12の直鎖状又は分岐状のアルケニル基又はアルキニル基、好ましくはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、アンデシニル、ドデシニル等の炭素数2乃至12の直鎖状又は分岐状のアルキニル基を表し、Rは水素又は低級アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭素数1乃至4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。
【0011】
以下に本発明の好ましい態様を示す。
(1)前記一般式〔I〕で表される2位置換アラビノシルアデニン誘導体並びにその薬学的に許容される塩及び水和物。
(2)Zが炭素数4以上のアルキル基、炭素数4以上のアルケニル基又は炭素数4以上のアルキニル基である上記(1)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(3)Zがアルキル基又はアルキニル基である上記(1)又は(2)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(4)Zがアルキル基である上記(3)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(5)アルキル基の炭素数が4乃至12である上記(4)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(6)Rが水素である上記(5)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(7)Rがアルキル基である上記(5)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(8)アルキル基の炭素数が1乃至4である上記(7)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(9)Zがアルキニル基である上記(3)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(10)アルキニル基の炭素数が4乃至12である上記(9)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(11)Rが水素である上記(10)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(12)Rがアルキル基である上記(10)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(13)アルキル基の炭素数が1乃至4である上記(12)記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体。
(14)上記(1)乃至(13)のいずれか1項に記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体を有効成分として含有する抗ウイルス剤。
(15)アデノシンデアミナーゼによる失活に対して抵抗性を有する上記(14)記載の抗ウイルス剤。
(16)経口剤である上記(14)又は(15)に記載の抗ウイルス剤。
【0012】
上記の新規Ara−A誘導体は、例えば以下の様な方法を用いて製造することができる。
〔製造法その1〕
下記一般式〔II〕で表される5−アミノ−1−(β−D−アラビノフラノシル)−4−シアノイミダゾール(AICNアラビノシド)
【化3】
と下記一般式〔III〕
【化4】
〔式中Zは一般式(I)と同じである。〕
で表わされるニトリル類を反応させ、Rが水素である前記一般式〔I〕で表される2位置換Ara−A誘導体を得ることができる。
【0013】
一般式〔II〕で表される化合物と一般式〔III〕で表される化合物の反応は、一般式〔II〕で表される化合物1モルに対して、一般式〔III〕で表される化合物を1乃至過剰モル、好ましくは1乃至5モル用いて行われる。反応は通常、アンモニアガスを飽和させた溶媒を用いる。反応溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルなどの非プロトン性極性溶媒、又はその混合溶媒などが挙げられるが、アルコール類を用いるのが好ましい。反応温度は、通常、室温乃至200℃、好ましくは150乃至200℃である。反応時間は、通常1時間乃至5日間、好ましくは1乃至24時間である。
【0014】
〔製造法その2〕
下記一般式〔IV〕
【化5】
〔式中Rは一般式(I)と同じであり、Xはハロゲン原子を表す。〕
で表される化合物と下記一般式〔V〕
【化6】
〔式中R’はアルキル基を表す。〕
で表されるアルキン類を反応させ、Zがアルキニル基である前記一般式〔I〕で表される2位置換Ara−A誘導体を得ることができる。この場合、2位にはアルキニル基が導入されるが、常法により還元しアルキル基又はアルケニル基とすることができる。
【0015】
一般式〔IV〕で表される化合物と一般式〔V〕で表される化合物の反応は、一般式〔IV〕で表される化合物1モルに対して、一般式〔V〕で表される化合物を1乃至過剰モル、好ましくは1.2モル用いて行われる。反応は一般式〔IV〕で表される化合物1モルに対してそれぞれ、塩化ビストリフェニルフォスフィンパラジウム(II)を0.01乃至1モル、好ましくは0.1モル、ヨウ化第一銅を0.5乃至2モル、好ましくは0.5モル、トリエチルアミンを1乃至5モル、好ましくは1.2モルを加えて行う。この反応を行う場合、一般式〔IV〕で表される化合物のXはヨウ素原子であることが好ましい。反応溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチルなどの非プロトン性極性溶媒、又はその混合溶媒などが挙げられるが、ジメチルホルムアミドを用いるのが好ましい。反応温度は、通常、室温乃至150℃、好ましくは50乃至100℃である。反応時間は、通常1乃至8時間、好ましくは1乃至5時間である。
2−アルキニル誘導体の還元は、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属;パラジウム炭素、ラネーニッケル等を用いる接触還元等によって行うことができるが、パラジウム炭素で実施するのが好ましい。
【0016】
〔製造法その3〕
下記一般式〔VI〕
【化7】
〔式中Z及びRは一般式(I)と同じである。〕
で表される2−置換アデノシン誘導体の糖部の3位と5位の水酸基を適時保護した後、糖部2位の立体反転反応を行い、反応後に当該保護基を除去し、前記一般式〔I〕で表される2位置換Ara−A誘導体を得ることができる。該保護基としては、例えば、トリメチルシリル、tert−ブチルシリル、テトライソプロピルジシロキシル基等の低級アルキルシリル基;メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基;トリチル基などのアラルキル基等が挙げられ、特にテトライソプロピルジシロキシル基が好ましい。2位の反転反応は、トリフルオロメタンスルフォニル基、トシル基、メシル基等のアルキルスルフォニル基、アリルスルフォニル基を脱離基として導入した後、加水分解する方法、活性化剤としてジシクロヘキシルカルボジイミドや無水酢酸を用いたDMSO酸化の後、水素化ホウ素ナトリウムで還元する方法、又はMitsunobu反応〔Mitsunobu O., Synthesis, p.1 (1981)〕などで行うことができる。保護基の除去はその種類により異なるが、Green T.W.の方法〔Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons社 (1981)〕又はそれに準ずる方法に従って行うことができる。
【0017】
上記製造法において、原料化合物として使用される一般式〔II〕、〔III〕、〔V〕、〔VI〕、〔VII〕で表される化合物は、市販品を用いるか、文献記載の方法若しくはそれに準ずる方法により製造することができる。化合物〔II〕、及び一般式〔VII〕で表される化合物はそれぞれ、〔Sato Y., et al., Chem. Pharm. Bull., Vol.37, p.1604−1608, (1989)〕、〔Ueeda M., et al., J. Med. Chem., Vol.34, p.1334−1339, (1991)〕などに記載されている。一般式〔IV〕で表される化合物は、2−ヨードアデノシン〔Nair V., et al., Synthesis, p.670−672 (1982)〕を前述の方法で糖部の3位と5位の水酸基を適時保護した後、2位の立体反転反応を行い、反応後に当該保護基を除去することにより製造することができる。
【0018】
上記製造法1〜3に示した方法で得られた一般式〔I〕の化合物は、例えばシリカゲル、吸着樹脂などを用いるカラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、溶媒抽出、又は再結晶、再沈殿などの常用の分離手段を単独又は適時組み合わせて単離精製することができる。
【0019】
前記一般式(I)で表される化合物は、その薬学的に許容しうる塩が存在する場合はそれら各種の塩を包含し、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、チオシアン酸、ホウ酸、ギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルファニル酸等との酸との付加塩、又はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属若しくはアルミニウム等の金属との塩、或いはアンモニア、有機アミン等の塩基類との塩を挙げることができる。これらの塩は公知の方法により、遊離の各化合物より製造でき或いは相互に変換できる。またシス−トランス異性体、光学異性体、配座異性体等の立体異性体或いは水和物又は金属錯化合物の状態で存在する場合においても、そのいずれの立体異性体、水和物及び錯化合物をも本発明は包含する。
【0020】
本発明化合物は、適当な医薬用の担体若しくは希釈剤と組み合わせて医薬とすることができ、通常の如何なる方法によっても製剤化でき、経口又は非経口投与するための固体、半固体、液体又は気体の剤形に処方することができる。処方にあたっては、本発明化合物をその薬学的に許容しうる塩の形で用いてもよく、又、他の医薬活性成分との配合剤としてもよい。
【0021】
本発明化合物は、経口、直腸、鼻、局所(口内および舌下を含む)、膣、または非経口(皮下、筋肉内、皮内、静脈内、くも膜下、硬膜下を含む)の投与に適する形態に製剤化することにより、単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、肝炎ウイルス、ワクチニアウイルスなどのDNAウイルス感染の治療薬または予防薬とすることができる。
【0022】
経口投与製剤としては、そのまま或いは適当な添加剤、例えば乳糖、マンニット、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン等の慣用の賦形剤と共に、結晶セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン等の結合剤、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルボキシメチルセルロースカリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、その他増量剤、湿潤化剤、緩衝剤、保存剤、香料等を適宜組み合わせて錠剤、散剤、顆粒剤或いはカプセル剤とすることができる。
【0023】
さらに本発明化合物は、各種基剤、例えばカカオ脂等の油脂性基剤、乳剤性基剤又はマクロゴール等の水溶性基剤、親水性基剤等と混和して坐剤としてもよい。
【0024】
注射剤としては水性溶剤又は非水性溶剤、例えば注射用蒸溜水、生理食塩水、リンゲル液、植物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸エステル、プロピレングリコール等の溶液若しくは懸濁液とすることができる。
【0025】
吸入剤、エアゾール剤として使用するには、本発明化合物を溶液、懸濁液又は微小粉体の形で、気体又は液体噴射剤と共に、且つ所望により湿潤剤又は分散剤のような通常の補薬と共にエアゾール容器内に充填する。本発明化合物は、ネブライザー又はアトマイザーのような非加圧型の剤形にしてもよい。また疾患の種類に応じて、その治療に最適な上記以外の剤形、例えば、点眼剤、軟膏、パップ剤等に製剤化することが可能である。
【0026】
本発明化合物の望ましい投与量は、投与対象、剤形、投与方法、投与期間等によって変わるが、所望の効果を得るには、一般に成人に対して、本発明化合物0.1乃至100mg/kgを一日1乃至数回に分けて、好ましくは1乃至50mg/kgを一日1乃至数回に分けて経口投与することができる。非経口投与(例えば注射剤)の場合、一日投与量は、前記各々の投与量の3乃至10分の1の用量レベルが好ましい。
【0027】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。以下の実施例においては、融点はガラス製キャピラリーに試料を入れ、融点測定装置(YAMATO社製MP−21型)を用いて測定した。マススペクトルは日立製M−80B型を用い、SIMS法によってイオン化し測定した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルの測定は試料をDMSO−d6(内部標準としてテトラメチルシランを0.05%含む)に溶解し、Bruker社製ARX−500を用いて測定した。元素分析はヤナコ社製CHN
corder MT−5を用いて測定した。
【0028】
【実施例】
参考例1. 9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−メチルアデニン〔対照化合物A〕の合成
AICNアラビノシド1gとアセトニトリル2mLを0℃の飽和アンモニア性メタノール50mLに溶解し、オートクレーブに入れ140℃で16時間加熱した。反応終了後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムにより分離精製した後、蒸留水より再結晶し、対照化合物A(745mg)を無色針状晶として得た。融点:247−249℃
Mass:282(MH+)
1H−NMR:2.39(1H,s) 3.64(2H,m) 3.76(1H,m) 4.12(2H,m) 5.13(1H,t,j=4.9) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.60(1H,d,j=4.9) 6.22(1H,d,j=4.9) 7.10(2H,s) 8.09(1H,s)
【0029】
上記反応において、原料化合物のアセトニトリルに代えて対応するニトリルを用い、他は参考例1と同様な反応を行うことにより、対照化合物Bを得た。
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−エチルアデニン〔対照化合物B〕
融点:242−243℃
Mass:296(MH+)
1H−NMR:1.23(3H,t,j=7.6) 2.65(2H,q,j=7.6) 3.65(2H,m) 3.76(1H,m) 4.13(2H,m) 5.10(1H,t,j=6.0) 5.52(1H,d,j=3.8) 5.62(1H,d,j=5.5) 6.24(1H,d,j=4.9) 7.09(2H,s) 8.08(1H,s)
【0030】
参考例2. 6−メチルアミノ−9−(β−D−アラビノフラノシル)プリン〔対照化合物C〕の合成
N6−メチルアデノシン1gと1,3−ジクロロテトライソプロピルジシロキサン1.35gを20mLのピリジンに溶解し、室温で2時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムにより分離精製した後、酢酸エチルより再結晶し6−メチルアミノ−9−〔3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1.3−ジイル)−β−D−リボフラノシル〕プリン1.9gを得た。この化合物100mgと無水酢酸4mLをジメチルスルホキシド(DMSO)10mLの混液に溶解し、16時間室温で撹拌した。反応後、溶媒を留去し、L(−)−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸(THF)20mLに溶解した。この溶液にホウ素化水素ナトリウム50mgを加え30分間撹拌した。次いで、エタノール2mLを加え、さらに1時間撹拌した。反応液にアセトン少量を加えた後、減圧乾固し、残渣に1MテトラブチルアンモニウムフロライドのTHF溶液1mLを加えた。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムにより分離精製した後、蒸留水より再結晶し、対照化合物C(34mg)を無色針状晶として得た。
融点:194−198℃
1H−NMR:2.95(3H,s) 3.65(2H,m) 3.78(1H,m) 4.13(2H,m) 5.09(1H,t,j=4.9) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.61(1H,d,j=4.9) 6.26(1H,d,j=4.4) 7.70(1H,s) 8.17(1H,s0 8.22(1H,s)
【0031】
実施例1.
参考例2の反応において、原料化合物のN6−メチルアデノシンに代えて対応するアデノシン誘導体を用い、他は参考例2と同様な反応を行うことにより、化合物1及び2を得た。
6−メチルアミノ−9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−ブチルプリン〔化合物1〕
融点:165−166℃
Mass:319(MH+)
元素分析:C15H23N5O4・0.2H2Oとして
理論値:(C, 52.98; H, 6.91; N, 20.59); 測定値:(C, 52.98; H, 6.74; N, 20.76)
1H−NMR:0.91(3H,t,j=7.6) 1.35(2H,hex,j=7.6) 1.71(2H,qui,j=7.6) 2.67(2H,t,j=7.6) 2.95(3H,s) 3.64(2H,m) 3.76(1H,m) 4.13(2H,m) 5.09(1H,t,j=5.5) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.61(1H,d,j=5.5) 6.24(1H,d,j=4.4) 7.50(1H,s) 8.06(1H,s)
【0032】
6−メチルアミノ−9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−(1−ブチン−1−イル)プリン〔化合物2〕
融点:243−246℃
Mass:334(MH+)
元素分析:C14H22N6O4として
理論値:(C, 49.70; H, 6.55; N, 24.84); 測定値:(C, 45.28; H, 6.13; N, 21.29)
1H−NMR:1.17(3H,t,j=7.6) 2.42(2H,q,j=7.6) 2.92(3H,s) 3.65(2H,m) 3.78(1H,m) 4.12(2H,m) 5.07(1H,t,j=5.5) 5,51(1H,d,j=5.5) 5.60(1H,d,j=5.5) 6.21(1H,d,j=4.9) 7.76(1H,s) 8.20(1H,s)
【0033】
実施例2. 9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−(1−ブチン−1−イル)アデニン〔化合物3〕の合成
(1)2−ヨード−アデノシン5gに50mLのピリジンを加え氷冷下撹拌しながら、ジクロロテトライソプロピルジシロキサン(TIPDSCl2)4.4gを加え、室温で1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去したのち、メタノールより結晶化し、2−ヨード−9−〔3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−リボフラノシル〕アデニン(6.3g)を無色針状晶として得た。
融点:140−142℃
1H−NMR:1.05(28H,m) 3.93(1H,dd,j=2.7,12.5) 3.98(1H,m) 4.03(1H,dd,j=3.8,12.5) 4.54(1H,m) 4.60(1H,dd,j=5.5,8.7) 5.16(1H,m) 5.80(1H,s) 7.74(2H,s) 8.13(1H,s)
【0034】
(2)前記(1)で得た2−ヨード−9−〔3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−リボフラノシル〕アデニン970mgを20mLのピリジンに溶解し、氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸クロライド400μL、4−ジメチルアミノピリジン400mg、トリエチルアミン400μLを加え30分間撹拌した。反応液を濃縮乾固したのち、0.1N塩酸に溶解し、クロロホルムで抽出した。抽出液をシリカゲルカラムで分離精製した。酢酸エチルより再結晶し、2−ヨード−9−〔2−O−トリフリル−3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル〕アデニン(910mg)を無色針状晶として得た。
1H−NMR:1.05(28H,m) 4.00(2H,m) 4.09(1H,m) 5.05(1H,dd,j=4.9,8.7) 6.04(1H,d,j=4.9) 6.41(1H,s) 7.82(2H,s) 8.14(1H,s)
【0035】
(3)前記(2)で得た2−ヨード−9−〔2−O−トリフリル−3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル〕アデニン900mgを25mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、無水酢酸ナトリウム500mgを加え、室温で4日間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムで分離精製した。酢酸エチルより再結晶し、2−ヨード−9−〔2−O−アセチル−3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル〕アデニン(633mg)を無色針状晶として得た。
1H−NMR:1.05(28H,m) 1.67(3H,s) 3.96(2H,m) 4.16(1H,m) 4.87(1H,t,j=7.1) 5.57(1H,t,j=7.1) 6.34(1H,d,j=7.1) 7.76(2H,s) 8.00(1H,s)
【0036】
(4)前記(3)で得た2−ヨード−9−〔2−O−アセチル−3,5,−O−(テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル)−β−D−アラビノフラノシル〕アデニン25gを300mLのTHFに溶解し、1MテトラブチルアンモニウムフロライドのTHF溶液110mLを加えた。室温で30分撹拌した後、アンモニア水100mLを加え、室温で更に2時間撹拌した。溶媒を留去した後、脱イオン水を加えて4℃で放置し、析出した結晶を集めた。蒸留水より再結晶し、2−ヨード−9−(β−D−アラビノフラノシル)アデニン(13.38g)を無色針状晶として得た。
1H−NMR:3.65(2H,m) 3.76(1H,m) 4.11(1H,m) 4.15(1H,m) 5.03(1H,t,j=5.5) 5.52(1H,d,j=4.9) 5.62(1H,d,j=4.9) 6.14(1H,d,j=5.4) 7.65(2H,s) 8.11(1H,s)
【0037】
(5)前記(4)で得た2−ヨード−9−(β−D−アラビノフラノシル)アデニン2.5gにビス(トリフェニルフォスフィン)−塩化パラジウム(II)100mg、ヨウ化第一銅200mg、450mgのブチンを75mLのDMF、25mLのトリエチルアミンの混液に溶解し80℃、2時間反応させた。反応液は溶媒を留去し、シリカゲルカラムにより分離精製した後、蒸留水より再結晶し、化合物3(1.75g)を無色針状晶として得た。
融点:273−279℃
Mass:320(MH+)
元素分析:C14H17N5O4として
理論値:(C, 52.66; H, 5.37; N, 21.93); 測定値:(C, 52.39; H, 5.28; N, 21.68)
1H−NMR:1.16(3H,t,j=7.6) 2.40(2H,q,j=7.6) 3.65(2H,m) 3.78(1H,m) 4.12(2H,m) 5.06(1H,t,j=5.5) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.60(1H,d,j=5.4) 6.21(1H,d,j=4.9) 7.31(2H,s) 8.21(1H,s)
【0038】
上記の一連の反応において、原料化合物のブチンに代えて対応するアルキンを用い、他は実施例2と同様な反応を行うことにより、化合物4、5及び6を得た。
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−(ヘキシン−1−イル)アデニン〔化合物4〕
1H−NMR:0.91(3H,t,j=7.1) 1.43(2H,hex,j=7.1) 1.53(2H,qui,j=7.1) 2.40(2H,t,j=7.1) 3.65(2H,m) 3.78(1H,m) 4.12(2H,m) 5.06(1H,t,j=4.9) 5.51(1H,d,j=4.9) 5.60(1H,d,j=5.5) 6.20(1H,d,j=5.5) 7.41(2H,s) 9.00(1H,s)
【0039】
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−(オクチンン−1−イル)アデニン〔化合物5〕
1H−NMR:0.88(3H,t,j=7.1) 1.29(4H,m) 1.41(2H,m) 1.54(2H,qui,j=7.1) 2.40(2H,t,j=7.1) 3.65(2H,m) 3.78(1H,m) 4.12(2H,m) 5.06(1H,t,j=5.5) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.60(1H,d,j=4.9) 6.20(1H,d,j=4.9) 7.31(2H,s) 8.21(2H,s)
【0040】
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−(ドデシン−1−イル)アデニン〔化合物6〕
1H−NMR:0.85(3H,t,j=7.1) 1.26(16H,m) 1.40(2H,m) 1.53(2H,qui,j=7.1) 2.39(2H,t,j=7.1) 3.65(2H,m) 3.77(1H,m) 4.12(2H,m) 5.07(1H,t,j=5.5) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.60(1H,d,j=5.5) 6.20(1H,d,j=4.9) 7.32(2H,s) 8.21(1H,s)
【0041】
実施例3. 9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−ブチルアデニン〔化合物7〕の合成
2gの化合物3を30mLの50%メタノールに溶解し、10%パラジウム炭素10mgを加え16時間室温で撹拌した。触媒を濾過して除き、濾液を濃縮し、析出した結晶を集めた。蒸留水より再結晶し、化合物7(1.95g)を無色針状晶として得た。
融点:162−163℃
Mass 324(MH+)
元素分析:C14H21N5O4・0.1H2Oとして
理論値:(C, 51.72; H, 6.57; N, 21.54); 測定値(C, 51.63; H, 6.49; N, 21.54)
1H−NMR:0.90(3H,t,j=7.6) 1.33(2H,hex,j=7.6) 1.69(2H,qui,j=7.6) 2.63(2H,t,j=7.6) 3.65(2H,m) 3.77(1H,m) 4.13(2H,m) 5.09(1H,t,j=6.6) 5.50(1H,d,j=4.4) 5.61(1H,d,j=5.5) 6.23(1H,d,j=4.4) 7.06(2H,s) 8.07(1H,s)
【0042】
上記反応において、原料化合物である化合物3に代えて対応する化合物4、5又は6を用い、他は実施例3と同様な反応を行うことにより、化合物8、9及び10を得た。
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−ヘキシルアデニン〔化合物8〕
融点:98−103℃
Mass:352(MH+)
元素分析: C16H25N5O4・0.25H2Oとして
理論値:(C, 54.00; H, 7.22; N, 19.68); 測定値:(C, 53.87; H, 7.04; N, 19.64)
1H−NMR:0.86(3H,t,j=7.1) 1.28(6H,m) 1.69(2H,qui,j=7.1) 2.62(2H,t,j=7.1) 3.64(2H,m) 3.76(1H,m) 4.12(2H,m) 5.09(1H,t,j=5.5) 5.51(1H,d,j=4.4) 5.62(1H,d,j=5.5) 6.23(1H,d,j=4.4) 7.07(2H,s) 8.07(1H,s)
【0043】
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−オクチルアデニン〔化合物9〕
融点:65−68℃
Mass:380(MH+)
元素分析:C18H29N5O4・0.5H2Oとして
理論値:(C, 55.65; H, 7.78; N, 18.03); 測定値:(C, 55.59; H, 7.63; N, 18.19)
1H−NMR:0.86(3H,t,j=7.1) 1.27(10H,m) 1.69(2H,qui,j=7.1) 2.62(2H,t,j=7.1) 3.64(2H,m) 3.77(1H,m) 4.13(2H,m) 5.09(1H,t,j=4.9) 5.50(1H,d,j=4.4) 5.61(1H,d,j=5.5) 6.23(1H,d,j=4.9) 7.06(2H,s) 8.07(1H,s)
【0044】
9−(β−D−アラビノフラノシル)−2−ドデシルアデニン〔化合物10〕
融点:67−74℃
Mass:436(MH+)
元素分析:C22H37N5O4・0.45H2Oとして
理論値:(C, 59.56; H, 8.61; N, 15.78); 測定値:(59.49; H, 8.54; N, 15.85)
1H−NMR:0.85(3H,t,j=7.1) 1.25(18H,m) 1.67(2H,m) 2.61(2H,t,j=7.1) 3.65(2H,m) 3.76(1H,m) 4.13(2H,m) 5.10(1H,t,j=5.5) 5.51(1H,d,j=4.9) 5.61(1H,d,j=5.5) 6.23(1H,d,j=4.9) 7.07(2H,s) 8.07(2H,s)
【0045】
実施例4. 抗ウイルス活性の測定
本発明化合物の抗ウイルス活性は、以下の薬理実験により調べた。
抗ウイルス活性生物有効性試験として、抗帯状疱疹ウイルス活性を測定した。無細胞系の水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)河口株を希釈し、この液を100%コンフルエントとなったHEL細胞に重層した。37℃のCO2インキュベーターに入れ、15分毎に振り、1時間感染させた。ウイルス液を吸引除去し、本発明化合物、対照化合物又はAra−A(陽性対照)を10μg/mLを含む5%FCS含有DMEMを加え、それぞれ1週間培養した。ホルマリン固定後、クリスタルバイオレットで染色し、プラークの数を測定した。対照のプラーク数から帯状疱疹ウイルスに対する阻害率を求めた。帯状疱疹ウイルスに対する結果を図1及び図2に示す。本発明化合物は帯状疱疹ウイルスに対して十分な抗ウイルス活性を有していた。また、上記と同様に本発明化合物の単純ヘルペスウイルス1型及び2型に対する抗ウイルス活性を測定した結果、本発明化合物は単純ヘルペスウイルス1型及び2型に対しても十分な抗ウイルス活性を有していた。
【0046】
実施例5. ADAに対する安定性の測定
本発明化合物のADAに対する安定性は、以下の生化学的実験により調べた。
本酵素反応は以下の条件で行った。1mMの本発明化合物溶液、対照化合物溶液又はAra−A(対照)溶液を200μL(終濃度、0.1mM)、0.1Mリン酸緩衝液1.5mL(pH7.5、終濃度75mM)、200単位/mLの酵素溶液300μL(終濃度20単位/mL)をUVセルに入れ、それぞれ紫外吸収計で265nmの紫外吸収の減少を経時的に測定した。酵素反応は25℃で行った。酵素反応が進行すると265nmの紫外吸収が減少していくが、その紫外吸収減少速度を相対的な酵素反応速度として表わした。結果の一例を図3に示す。対照化合物CはADAによる代謝に対して十分な抵抗性を有していなかったが、本発明化合物はいずれもADAによる代謝に対して極めて安定であった。
【0047】
【発明の効果】
図1及び図2に示されているように、Ara−Aの2位にメチル基、エチル基のような低級アルキル基を導入しても(対照化合物A及びB)、十分な抗ウイルス作用を得ることはできない。一方、Ara−Aの2位に炭素数4以上の脂肪族炭化水素基が導入されている本発明化合物はAra−Aと同等の抗ウイルス作用を有する。
又、図3に示されているように、Ara−Aの塩基の6位に置換基を導入しても(対照化合物C)、ADAによって経時的に代謝を受けてしまう。また図には示さなかったが、Ara−Aの2位にメチル基又はエチル基を導入した場合でも(対照化合物A及びB)、好ましいADA抵抗性は得られなかった。
これに対して、Ara−Aの2位に炭素数4以上の脂肪族炭化水素基が導入されている本発明化合物では分解が完全に阻止されており、ADAによる代謝に対して十分な抵抗性を有するため、従来の化合物では適用できなかった経口剤としての適用も可能である。
上述のとおり、本発明化合物は、ADAによる代謝に対して抵抗性を有し、且つ十分な抗ウイルス作用を有する、従来技術の問題点を解決したAra−A誘導体である。本発明化合物は単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、肝炎ウイルス、ワクチニアウイルスなどのDNAウイルス感染の治療薬又は予防薬として有用であり、また、本発明化合物はAra−Aに比較して、持続性の優れた良好な血中動態を示すだけでなく、経口投与も可能であって、その有用性は非常に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯状疱疹ウイルスに対する本発明化合物の阻害活性を示した結果の一例である。
【図2】帯状疱疹ウイルスに対する本発明化合物の阻害活性を示した結果の一例である。
【図3】アデノシンデアミナーゼによる失活に対する本発明化合物の抵抗性を示した結果の一例である。
Claims (12)
- Zが炭素数4乃至12のアルキル基又は炭素数4乃至12のアルキニル基である請求項1記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- Zが炭素数4乃至12のアルキル基である請求項2記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- Rが水素である請求項3記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- Rが炭素数1乃至4のアルキル基である請求項3記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- Zが炭素数4乃至12のアルキニル基である請求項2記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- Rが水素である請求項6記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- Rが炭素数1乃至4のアルキル基である請求項6記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の2位置換アラビノシルアデニン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又は水和物を有効成分として含有する抗ウイルス剤。
- 抗帯状疱疹ウイルス剤である請求項9記載の抗ウイルス剤。
- アデノシンデアミナーゼによる失活に対して抵抗性を有する請求項9又は10記載の抗ウイルス剤。
- 経口剤である請求項9乃至11のいずれか1項に記載の抗ウイルス剤。
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