JP3618861B2 - ポリエステル製ボトル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高温での充填や殺菌が可能であり、耐熱性に優れたポリエステル製ボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルは、成形が容易で、かつ透明性と機械的特性に優れているので、調味料、食用油、アルコール飲料、炭酸飲料、果汁飲料、茶飲料、コーヒー飲料、ミネラルウォーター等の食品用容器及び洗剤等の非食品用容器に広く使用されている。しかし、PET製ボトルの耐熱性は十分ではなく、高温充填や高温殺菌を行う場合には、さらに耐熱性を高めることが必要である。
【0003】
例えば、特開昭55− 12031号公報には、PET製ボトルの口部を熱処理して結晶化(白化)させ耐熱性を付与する方法が開示されている。しかし、この方法では耐熱性の付与は口部に留まり、胴部および底部については別の手段で耐熱性を向上させる必要があった。しかも口部結晶化が均一に進まないため、結晶化の際の収縮ムラが微妙な形状の歪となって、キャップしても内容物の漏れにつながる場合があった。
【0004】
さらにボトルを高温で熱処理する方法(特開昭54− 95666号公報)、ボトルの口部に耐熱性の樹脂を共射出成形する方法(特開昭61−259946号公報)、ボトルの口部を耐熱性樹脂で予め成形しておき、これにPETを主体とするポリエステル樹脂をインサート成形する方法(特開平4− 97822号公報)、2段でブロー成形する方法(特開平7− 68633号公報)等が提案されている。しかし、これらの方法はいずれも耐熱性を付与する方法としては十分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形性、透明性、機械的特性及び耐熱性に優れたポリエステル製ボトルを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステルをボトルの構成成分として用いることで、この目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステルでボトルの全体又は一部が構成されたポリエステル製ボトルを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明における熱可塑性ポリエステルは、エステル結合を主鎖に有する重縮合体であって、ジカルボン酸成分とジオール成分とを、通常公知の溶融重縮合法、あるいはさらに固相重合法を併用して製造されたものである。
【0010】
そしてポリエステルは、溶媒としてフェノール/テトラクロルエン=60/40(重量比)を用い、温度20℃での固有粘度が 0.5以上であることが好ましく、 0.5〜 2.0であることがより好ましい。固有粘度が 0.5未満ではボトルの機械的特性が低下するので好ましくなく、逆にこれが 2.0を超えると成形性が急速に低下するので好ましくない。
【0011】
上記のジカルボン酸成分としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、 1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸等が挙げられるが、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0012】
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、 1,4−ブタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン− 1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、 1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられるが、エチレングリコール、 1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0013】
本発明における熱可塑性ポリエステルの好ましい例としては、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等が挙げられ、PET及びPENが特に好ましい。なお、上記PET、PBT、PENもしくはPBNには、50モル%以下の割合で他の成分が共重合されていてもよい。
【0014】
本発明における膨潤性層状珪酸塩とは、層状珪酸塩が水分子、カルボン酸、又はジオール等の極性分子あるいはイオンを層間に吸収することにより、層間距離が拡がり、あるいはさらに膨潤へき開して、超微細粒子となる特性を有するものである。
【0015】
このような膨潤性層状珪酸塩は、珪酸塩を主成分とし、負に帯電した層とその間に介在する陽電荷(イオン)とからなる構造を有しており、かかる層電荷に基づくイオン交換能を有している。
【0016】
膨潤性層状珪酸塩の具体例としては、スメクタイト族(例えば、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バーミキュライト族(例えば、バーミキュライト)、雲母族(例えば、白雲母、パラゴナイト)、脆雲母族(例えば、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石族(例えば、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト)がある。これらの膨潤性層状珪酸塩は、天然に産するものであっても、人工的に合成あるいは変性されたものであってもよい。またそれらをオニウム塩等の有機物で表面処理したものであってもよい。
【0017】
本発明における膨潤性層状珪酸塩は、層電荷に基づくイオン交換能を有しているが、このイオン交換能(イオン交換容量)は、メチレンブルー吸着法(例えば、「粘土ハンドブック第2版」技報堂出版、1987年、第 502頁)で求めた値が30ミリ当量/100g以上であることが好ましい。
【0018】
なお、イオン交換能は、次のようにして求めたものである。
「まず初めに、メチレンブルー(メチレンブルー塩酸塩・3水和物、分子量 373.9) 1g を1リットルの脱イオン水に溶解して2.67 m mol/lの溶液を作る。次に、Na型に置換した層状珪酸塩試料懸濁液(約10mg/ml)2mlをポリプロピレン製ビーカーにとり、脱イオン水 200mlを加えて希釈する。この中へ先のメチレンブルー溶液を所定量加えて、メチレンブルー溶液の初濃度が2×10−5〜 1.3×10−4mol/l になるように試料液を5〜6点作製し、時々攪拌しながら1昼夜放置して吸着平衡にする。各試料液の上澄み液の濃度を、1cm石英セルを用い、光学密度 0.1〜 0.6(濃度<7×10−8mol/l)、波長6650Å(メチレンブルー単量体の最大吸収ピーク)の条件で光電比色分析により測定する。
次いで、メチレンブルー溶液の初濃度を横軸に、光電比色分析により算出したメチレンブルー吸着量を縦軸にして、それぞれの値をプロットして吸着等温線を作成し、飽和吸着に近づいて吸着量が直線から外れる点のメチレンブルー吸着量をもって、層状珪酸塩のイオン交換容量とする。」
【0019】
上記した膨潤性層状珪酸塩の中で、最も好ましいものは膨潤性フッ素雲母系鉱物である。膨潤性フッ素雲母系鉱物は熱可塑性ポリエステルに配合した場合の性能が特に優れており、これを用いて透明性、機械的特性及び耐熱性に優れたボトルとすることができる。
【0020】
なお、膨潤性フッ素雲母系鉱物は次式で示されるものである。
αMF・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2
(式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、γ、a及びbは各々係数を表し、 0.1≦α≦2 、 2≦β≦3.5 、 3≦γ≦4 、 0≦a≦1 、 0≦b≦1 、a+b=1 である。)
【0021】
このような膨潤性フッ素雲母系鉱物の製造法としては、例えば、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の酸化物と各種のフッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉で1400〜1500℃の温度で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系鉱物を結晶生長させる、いわゆる溶融法がある。
【0022】
また、タルクを出発物質として用い、これにアルカリイオンをインターカレーションしてフッ素雲母系鉱物を得る方法がある(特開平2−149415号公報)。この方法ではタルクに珪フッ化アルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁性ルツボ内で 700〜1200℃で短時間加熱処理することによって膨潤性フッ素雲母系鉱物を得ることができる。
【0023】
本発明における膨潤性層状珪酸塩の配合量は、0.01〜60重量%が好ましく、0.1 〜20重量%がより好ましい。配合量が0.01重量%未満では、耐熱性にすぐれたボトルが得られないので好ましくない。また配合量が60重量%を超えると、ボトルの透明性が低下し、脆くなるので好ましくない。
【0024】
本発明における膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステルを製造する方法としては、例えば、押出機等を用いて熱可塑性ポリエステルと層状珪酸塩とを溶融混合する方法がある。また、ポリエステルを形成するモノマ−あるいはそれらが部分的に縮合したオリゴマ−に膨潤性層状珪酸塩を存在させた状態で、それらを重縮合する方法もある。特に後者の方法は、膨潤性層状珪酸塩がポリエステル中に十分細かく分散し、機械的特性等に優れたボトルを得ることができるので好ましい。
【0025】
次に、熱可塑性ポリエステルとしてPETを例にして、後者の方法をさらに詳しく説明する。
【0026】
PETの製造方法としては、いわゆる直接エステル化法とエステル交換法の2方法が公知であるが、本発明における膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステルの製造においても、直接エステル化法及びエステル交換法のいずれも採用することができる。
【0027】
直接エステル化法においては、例えばテレフタル酸(TPA)とエチレングリコール(EG)とを、膨潤性層状珪酸塩の存在下に直接エステル化反応させて、ビスヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)を主体とするオリゴマーを生成させ、次いで、このオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、触媒の存在下に、通常 10hPa以下、好ましくは 0.5〜5hPa の減圧下で、 250〜 300℃、好ましくは 260〜 290℃の温度で所定の固有粘度のものが得られるまで溶融重縮合反応を行う。
【0028】
また、エステル交換法においては、例えばジメチルテレフタレートとEGとを、膨潤性層状珪酸塩の存在下にエステル交換反応させて、BHETを主体とするオリゴマーを生成させ、次いで、直接エステル化法と同様にして溶融重縮合反応を行う。
【0029】
この際、膨潤性層状珪酸塩は、直接エステル化反応(もしくはエステル交換反応)を行う前に粉末の状態で直接加えてもよいし、あらかじめ一方のモノマー、例えばEG中に分散した状態で加えてもよい。また、直接エステル化反応(もしくはエステル交換反応)が終了した段階で添加することもできるし、触媒やその他の添加剤と混合して加えることもできる。
【0030】
さらに、触媒の添加時は、直接エステル化反応(もしくはエステル交換反応)を行う前であってもよいし、重縮合反応を行う前でもよい。
【0031】
触媒としては、ナトリウムやマグネシウムのメチラート、ホウ酸亜鉛や酢酸亜鉛に代表される亜鉛・カドミウム・マンガン・コバルト・カルシウム・バリウムなどのホウ酸塩、脂肪酸塩又は炭酸塩、金属マグネシウム、鉛・亜鉛・アンチモン・ゲルマニウム・チタン・スズ等の酸化物、アルコキシド、炭酸塩、水酸化物、硫酸塩又は塩化物、p−トルエンスルホン酸、リン酸又は硫酸等のプロトン酸が好ましく用いられる。
【0032】
さらに、上記の溶融重縮合反応により得られたポリエステルを、引き続いて固相重合すると、ポリエステルの固有粘度を高め、副生する環状オリゴマーやアセトアルデヒドの含有量を低減させることができるのでより好ましい。
【0033】
固相重合は、減圧下又は窒素雰囲気下で、ポリエステルの融点以下の温度で10時間以上行うことが好ましい。この際、重合温度は、融点よりも10℃以上低く、かつ 190℃以上とすることがより好ましい。温度が 190℃未満では重合が十分に進行せず、融点付近の温度ではチップが融着するので好ましくない。
【0034】
本発明のボトルは、上記の膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステルを射出成形して得られるプレフォームを、延伸ブロー成形して製造され、従来のPETのブロー成形で用いられている装置をそのまま使用することができる。具体的には、例えば、射出成形によりプレフォームを成形し、次いで二軸延伸ブロー成形するホットパリソン法、あるいは、射出成形によりプレフォームを成形し、これを予熱し、次いで二軸延伸ブローするコールドパリソン法等の二軸延伸ブロー成形法が適用できる。
【0035】
射出成形時の成形温度、具体的には、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度は、通常 250〜 290℃の範囲とする。また、延伸温度は、通常70〜 120℃、好ましくは80〜 110℃で、延伸倍率は縦方向に 1.5〜 3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲とするのがよい。
【0036】
得られたボトルはそのまま使用することができるが、特に果汁飲料等のように内容液の熱充填を必要とする場合には、成形に用いたと同一のブロー金型内もしくは別途設けた金型内で熱固定し、耐熱性を向上させて使用するのが一般的である。熱固定は、圧縮空気あるいは機械的伸長等による緊張下、通常 100〜 200℃、好ましくは 120〜 180℃で、2秒〜2時間、好ましくは10秒〜30分間行われる。
【0037】
本発明のボトルには、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤等を添加剤を配合することも可能である。
【0038】
熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物等を使用することができる。これらの添加剤は、樹脂組成物の製造工程で配合してもよいし、ボトルの製造工程で配合してもよい。
【0039】
さらに本発明においては、上記の膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステル(A成分)と、膨潤性層状珪酸塩を含有しない熱可塑性ポリエステル(B成分)との組成物を用いてボトルとすることもできる。
【0040】
この場合には、例えばA成分とB成分とをブレンドし、このブレンド物を射出成形して得られるプレフォームを延伸ブロー成形する方法、あるいはインサート成形法を用いてA成分とB成分とを層状に形成せしめたプレフォームを延伸ブロー成形する方法等がある。
【0041】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0042】
実施例1
攪拌装置、分留器、原料仕込口及び生成物取り出し口を備えたエステル化反応槽と重縮合反応槽との2槽からなる反応装置を用いて、膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を製造した。
すなわち、エステル化反応槽にEGとTPAとをモル比 1.6の割合で仕込み、触媒として酸化ゲルマニウムを加え、さらに膨潤性層状珪酸塩として膨潤性フッ素雲母系鉱物(コープケミカル社製、ME− 100、イオン交換能:80ミリ当量/100g)を、理論生成ポリマー量 100重量部に対して2重量部となるように仕込んだ。この混合物を撹拌しつつ、 255℃で2時間エステル化反応を行い、BHETを主成分とするオリゴマーを得た。
上記オリゴマーを重縮合反応槽に移送し、重縮合反応槽を 1.3hPa 以下に減圧し、 275℃で4時間溶融重縮合反応を行った。
得られた溶融ポリマーを取り出し口から排出し、これを冷却してカットし、ペレットとした。
得られたペレットの固有粘度は0.58であり、このペレットをさらに窒素気流下、 230℃で固相重合を行い、固有粘度0.75のペレットを得た。
このペレットを減圧下 150℃で水分率25〜30ppm になるまで乾燥し、シリンダー各部及びノズル温度 275℃、金型温度10℃、スクリュー回転数100rpm、射出時間10秒、冷却時間10秒に設定した射出ブロー成形機(日精エーエスビー社製、 ASB−50型)を用いてプリフォームを成形した。次いで、このプリフォームを予熱炉温度 130℃で再加熱した後、ブロー圧力2 MPa、成形サイクル10秒でブロー成形して、胴部の平均肉厚 300μm、キャップ径28mm、内容量 1.5リットルのボトルを作製した。
得られたボトルの透明性は良好であった。
次にこのボトルに95℃の熱湯を充填し、アルミ製スクリューキャップで密栓後、5分後、30分後並びに24時間後の外観及びキャップからの漏れを点検したところ、外観不良及びキャップからの漏れは認められなかった。
さらにボトルに内容物を充填した状態で、1.5mの高さから落下させたが、損傷は認められなかった。
【0043】
実施例2
膨潤性層状珪酸塩として高純度モンモリロナイト(クニミネ工業社、クニピア−F、イオン交換能: 119ミリ当量/100g)を用いた他は、実施例1と同様にして溶融重縮合反応、続いて固相重合を行ってペレットを得た。
このペレットの固相重合終了後の固有粘度は0.76であった。
次にこのペレットを用いて実施例1と同様にしてボトルを作製したところ、透明性の良好なボトルが得られた。
さらに実施例1と同様にしてボトルの評価を行い、外観及びキャップからの漏れを点検したところ、外観不良及びキャップからの漏れは認められなかった。また落下試験でも損傷は認められなかった。
【0044】
実施例3
膨潤性フッ素雲母系鉱物を理論生成ポリマー量 100重量部に対して10重量部となるように仕込んだ他は、実施例1と同様にして溶融重縮合反応を行って、固有粘度0.52のペレットを得た。
このペレットと固有粘度0.80のPETのペレットとを1:10の重量比でブレンドし、実施例1と同様にしてボトルを作製した。
このボトルは、透明性が良好で、膨潤性フッ素雲母系鉱物0.83重量%を含有するものであった。
さらに実施例1と同様にしてボトルの評価を行い、外観及びキャップからの漏れを点検したところ、外観不良及びキャップからの漏れは認められなかった。また落下試験でも損傷は認められなかった。
【0045】
実施例4
実施例1で得られた溶融重縮合後の固有粘度0.58の膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有するPET(A成分)と、固有粘度0.80の膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有しないPET(B成分)とを用い、かつ多層用射出ブロー成形機(日精エーエスビー社製、 ASB−50型)を使用した他は、実施例1と同様にして2種3層(外層及び内層:B成分、中間層:A成分)の多層ボトルを作製した。
この多層ボトルは、透明性が良好で、膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.7重量%を含有するものであった。
次にこの多層ボトルに95℃、90℃、85℃の熱湯を各10本ずつ充填し、アルミ製スクリューキャップで密栓後、30分後の外観及びキャップからの漏れを点検したところ、表1に示す結果を得た。
【0046】
【表1】
【0047】
比較例1
膨潤性層状珪酸塩を添加せずにエステル化反応を行った他は、実施例1と同様にして溶融重縮合反応、続いて固相重合を行ってペレットを得た。
このペレットの固相重合終了後の固有粘度は0.76であった。
次にこのペレットを用いて実施例1と同様にしてボトルを作製したところ、透明性の良好なボトルが得られた。
次にこのボトルに95℃、90℃、85℃の熱湯を各10本ずつ充填し、アルミ製スクリューキャップで密栓後、30分後の外観及びキャップからの漏れを点検したところ、表2に示す結果を得た。
本発明のボトルに比べて外観不良及びキャップ漏れが著しかった。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、成形性、透明性、機械的特性及び耐熱性に優れたポリエステル製ボトルを得ることができる。
Claims (3)
- 膨潤性層状珪酸塩を含有する熱可塑性ポリエステルでボトルの全体又は一部が構成されたポリエステル製ボトル。
- 膨潤性層状珪酸塩0.01〜60重量%を含有する請求項1記載のポリエステル製ボトル。
- 膨潤性層状珪酸塩が、膨潤性フッ素雲母系鉱物である請求項2記載のポリエステル製ボトル。
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