JP3618588B2 - 周波数信号発生装置及び周波数信号生成方法 - Google Patents

周波数信号発生装置及び周波数信号生成方法 Download PDF

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    • H03L7/0995Details of the phase-locked loop concerning mainly the controlled oscillator of the loop the oscillator comprising a ring oscillator

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数信号発生装置に関するものである。特に、出力信号の設定周波数切り換え時の整定時間がほとんど発生しない周波数信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1には、一般に、パルス発生器またはパターン発生器のような装置に用いられる、当該技術において既知の周波数信号発生装置10が示されている。周波数信号発生装置10は、所定の周波数範囲fmin〜fmaxを有する、その出力がライン25を介して分周回路30に結合された発振器20を備えている。分周回路30は、ライン25の発振器20の出力周波数foscを出力周波数fout<fminに分周するために利用される。出力周波数foutを設定するために、発振器20がライン40から発振器制御信号を受信し、分周回路30がライン50から分周器制御信号を受信する。
【0003】
出力周波数foutのレンジは、ライン50の分周器制御信号によって分周回路30に供給される選択された分周率DFに基づいたいくつかのサブ・レンジをなすように規定される。発振器20の周波数範囲が、例えば、fmin:fmax=1:2でfmax=100MHzの場合、出力周波数foutは、下記表に示すように、いくつかのサブ・レンジをなすように規定される。
【0004】
【表1】
Figure 0003618588
【0005】
出力周波数foutを変更しようとする場合、発振器20は、ライン40で特定の発振器制御信号を受信し、分周回路30は、ライン50で指定の分周率DFを受信する。
【0006】
図2a及び図2bには、出力周波数foutを変更しようとする場合の例が示されている。図2aの場合、出力周波数foutは周波数foldから新たな周波数fnewに変更され、2つの周波数fold及びfnewは、1つのサブ・レンジ内に含まれる。発振器20は、通常は、マイクロ秒〜ミリ秒の範囲のある整定時間内に、対応する発振器周波数fosc_oldからfosc_newまで掃引する。整定時間中、出力周波数foutは、foldからfnewに連続して変化し、必ずfoldとfnewの間のある値にある。
【0007】
図2bの場合、2つの出力周波数fold及びfnewは、異なるサブ・レンジ内に含まれる。発振器20は、新たな周波数にプログラムしなければならず、分周回路30は、分周比を変更しなければならない。分周率DFの変更は、1つのクロック周期から次のクロック周期までに行うことが可能であるが、発振器周波数foscの変更は、もう少し時間がかかる(図2a参照)。すなわち、出力周波数foutの変化の開始時に、発振器周波数は、まだ、値fosc_oldのままであるが、分周率DFは、旧分周率DFoldから新分周率DFnewに変化してしまっている。従って、出力周波数foutは、すぐに値fout=fosc_old/DFoldから値fout’=fosc_old/DFnewに変更されてしまうと、値fout’は、2つの出力周波数範囲fold〜fnewの範囲を超えてしまう可能性が出てくる。図2bの場合、出力周波数foutは、まず、2つのサブ・レンジ間でfoldからfnewに変更され、次に、foldに戻される。図2aとは対照的に、出力周波数foutは、発振器20のそれぞれの整定時間中にfold〜fnewの範囲を超える。
【0008】
図2bの場合と同様、図2aの場合も、発振器20の整定時間中に、「誤った」周波数にならずに、新たな出力周波数foutを発生することは不可能である。これは、位相ロック・ループ(PLL)またはクロック回復回路のような回路の動的挙動をテストする場合には、とりわけ望ましくない。
【0009】
しかし、出力周波数foutが、整定時間中に、fold〜fnewの周波数範囲を超えるという、より深刻な問題が生じるのは、図2bの場合である。これは、例えば、ユーザが回路の動作上限の検査を所望する場合、周波数の変更によって、所望の値よりはるかに高い周波数になる可能性があるので、特に受け入れることができない。従って、テスト回路は、整定時間中に故障を生じたり、あるいは、ロックがはずれる可能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以上説明した従来技術の問題点を解消すべく改良された周波数信号発生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、周波数foutの出力信号を発生する周波数信号発生装置には、周波数発生回路、周波数変更回路、及び、同期回路が含まれている。周波数発生回路は、周波数選択制御信号を受信して、周波数foscの周波数出力を発生する。これによって、ほとんど整定時間なしで、異なる周波数間におけるスイッチングが可能である。周波数変更回路は、周波数出力及び周波数変更制御信号を受信して、これにしたがって出力信号を抽出する。これによって、周波数変更制御信号に基づいて、周波数foscに関連する出力周波数foutに変更することができる。同期回路は、周波数変更制御信号を周波数選択制御信号に同期させるように動作する。
【0012】
本発明によるもう1つの周波数信号発生装置には、第1と第2の発振器と、周波数選択装置と、周波数変更回路が設けられている。第1の発振器は、第1の発振器制御信号を受信して、第1の発振器周波数foscAの第1の周波数出力を発生する。第2の発振器は、第2の発振器制御信号を受信して、第2の発振器周波数foscBの第2の周波数出力を発生する。周波数選択装置は、入力として第1と第2の周波数出力を受信し、周波数選択制御信号による制御を受けて、出力として入力の一方を選択する。周波数変更回路は、第1の入力において周波数選択装置の出力を受信し、第2の入力において周波数変更制御信号を受信する。これによって、該周波数変更制御信号の設定に基づいて、周波数foscに関連する周波数foutに出力信号を変更して出力することができる。
【0013】
従って、本発明によれば、異なる周波数間でのスイッチングの改良が可能になる。
【0014】
異なる周波数間でのスイッチング時における出力信号の移相を低減または回避するためには、発振器周波数間におけるスイッチングの同期がとれるようにしなければならない。従って、同期回路には、発振器周波数の位相が所定の範囲内で整合するまで、続いて周波数選択制御信号及び/または周波数変更制御信号を加えることができないようにするための手段が含まれているのが望ましい。
【0015】
【実施例】
図3aには、本発明による周波数信号発生装置100のブロック図が示されている。周波数信号発生装置100には、ライン40Aにおいて第1の発振器制御信号を受信し、ライン25Aにおいて出力として周波数foscAの第1の発振器出力を発生する第1の発振器20Aが含まれている。第2の発振器20Bは、ライン40Bにおいて第2の発振器制御信号を受信し、ライン25Bにおいて出力として周波数foscBの第2の発振器出力を発生する。
【0016】
第1のマルチプレクサ110は、入力として、ライン25Aにおいて第1の発振器周波数foscAを受信し、ライン25Bにおいて第2の発振器周波数foscBを受信する。第2のマルチプレクサ120は、入力として、第1の分周率DF及び第2の分周率DFを受信する。第1のマルチプレクサ110及び第2のマルチプレクサ120は、それぞれ、ライン140の周波数選択制御信号SEL_OUTによって制御される。
【0017】
第1のマルチプレクサ110は、出力として、ライン25で、周波数foscを分周回路30に送り出し、第2のマルチプレクサ120は、出力として、ライン50から分周器制御信号を分周回路30に送り出す。分周回路30は、ライン35へ周波数信号発生装置100の出力周波数foutを送り出す。
【0018】
動作時、第1の発振器20Aは、ライン40Aの第1の発振器制御信号の設定に基づいて、ライン25Aを介して第1の発振器周波数foscAを第1のマルチプレクサ110に送り出す。従って、第2の発振器20Bは、ライン40Bの第2の発振器制御信号の設定に基づいて、ライン25Bを介して第2の発振器周波数foscBを第1のマルチプレクサ110に送り出す。ライン140の周波数選択制御信号SEL_OUTの設定に基づいて、マルチプレクサ110は、ライン25Aの第1の発振器周波数foscAとライン25Bの第2の発振器周波数foscBのいずれかを選択し、これをfoscとして、ライン25を介して分周回路30まで伝搬させる。また、周波数選択制御信号SEL_OUTは、第2のマルチプレクサ120を制御して、第1の分周率DFと第2の分周率DFのいずれかが分周器制御信号として分周回路30へライン50を介して伝搬するようにする。第1の分周率DFは、第1の出力周波数foscAに対応し、第2の分周率DFは、第2の出力周波数foscBに対応するのが望ましい。ライン50及び25に加えられる信号に基づいて、分周回路30は、ライン35に出力周波数foutを送り出す。
【0019】
出力周波数foutを変更する場合、周波数選択制御信号SEL_OUTがマルチプレクサ110をスイッチして、第2の発振器周波数foscBが第1の発振器周波数foscAの代わりに分周回路30に加えられるか、あるいはその逆になるようにする。また、周波数選択制御信号SEL_OUTは、第2のマルチプレクサ120をスイッチして、対応する分周率がライン50を介して分周回路30に供給されるようにする。発振器周波数foscAとfoscBの間で直接スイッチすることによって、図2a及び2bに示す発振器周波数foscAからfoscBへのスイッチングとは対照的に、整定時間が排除される。従って、周波数信号発生装置100によれば、ほとんど整定時間なしで、ライン25における周波数foscの変更、つまりは出力周波数foutの変更が可能になる。
【0020】
もちろん、第1の分周率DF及び第2の分周率DFを用意して、これら該分周率の間で切り換えるようにするのではなく、単一の分周率をライン50を介して分周回路30に直接供給することも可能であるが、単一の分周率の変更は、第1の発振器周波数foscA及び第2の発振器周波数foscBの変更と同期をとって行われるようにしなければならない。これは、当該技術において既知の任意の手段によって実施可能である。
【0021】
望ましい実施態様の場合、第1のマルチプレクサ110及び第2のマルチプレクサ120は、それぞれ、同期回路130によって制御される。同期回路130は、入力として、ライン150上の周波数選択信号SELECT_A/Bを受信し、ライン140で、第1のマルチプレクサ110及び第2のマルチプレクサ120に周波数選択制御信号SEL_OUTを送り出す。ライン150の信号SELECT_A/Bの設定に基づいて、同期回路130は、上述のように、選択制御信号SEL_OUTによって第1のマルチプレクサ110及び第2のマルチプレクサ120を制御する。もちろん、例えば汎用データ処理装置のような当該技術における既知の他の手段によって、それぞれの分周率DFの供給と周波数選択制御信号SEL_OUTの供給との間の同期をとることも可能である。
【0022】
第1のマルチプレクサ110が、発振器周波数をfoscAからfoscBに、または、その逆にスイッチする場合、発振器周波数foscAとfoscBの間にある位相不整合が生じて、ライン25における周波数foscの移相(すなわち、急速な位相変化)、つまりはライン35の出力信号の移相を引き起こす可能性がある。ライン25及び35における出力信号の移相を低減または回避するため、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの間におけるスイッチングの同期がとれるようにしなければならない。これは、当該技術において既知である、任意の手段によって実施可能である。望ましい実施態様の場合、同期回路130は、ライン25A及び25Bを介して、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBを受信する。ライン150の信号SELECT_A/Bが、発振器周波数foscAとfoscBの間におけるスイッチングを要求すると、同期回路130は、発振器周波数foscAとfoscBの位相が所定の範囲内に整合するまで、周波数選択制御信号SEL_OUTを第1のマルチプレクサ110に送り出すのを待つ。
【0023】
図3bには、第1の発振器周波数foscAから第2の発振器周波数foscBへのスイッチング例がタイミング図で示されている。時点tにおいて、信号SELECT_A/Bは、「ロー」から「ハイ」に変化して、ライン25の発振器周波数foscを第1の発振器周波数foscAから第2の発振器周波数foscBにスイッチすることを同期回路130に指示する。時点tにおいて、発振器周波数foscA及びfoscBの位相はある程度整合し、同期回路130は、「ハイ」信号SEL_OUTをライン140に送り出して、第1の発振器周波数foscAから第2の発振器周波数foscBにスイッチするように第1のマルチプレクサ110に要求し、分周率DFから分周率DFにスイッチするように第2のマルチプレクサ120に要求する。
【0024】
周波数及び位相整合のそれ以上の、または、さらなる改善として、ライン35における第1の出力周波数foutから第2の出力周波数foutへのスイッチング時に、同期回路130はさらに入力として、ライン160を介して分周回路30からターミナル・カウント信号TCを受信する。信号TCは、分周回路30の周波数分周サイクルの終了を表す。同期回路130は、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの位相の整合が検出されるまでだけではなく、ライン160の信号TCによってそれぞれの周波数分周サイクルの終了が指示されるまで、第1のマルチプレクサ110と第2のマルチプレクサ120それぞれのスイッチングを待つ。
【0025】
望ましい実施態様の場合、分周回路30は、そのCLOCK_IN入力において、ライン25の発振器周波数foscを受信するカウンタ回路、好適にはデクリメント・カウンタによって実施される。該カウンタは、ライン50から分周率をロードし、勾配が正のスロープ信号をライン35に出力することでその動作が始まる。foscの新たなクロック・サイクルが始まる毎に、カウンタは、そのカウンタ値を(DFから始めて)1ずつデクリメントする。カウンタ値がDF/2に達すると、ライン35に勾配が負のスロープ信号を発生する。カウンタは、ライン160の信号TCを起動する時には、さらに1までデクリメントする。foscの次のサイクルに向けて、カウンタは、次の正勾配のスロープ信号をライン35に発生し、ライン50から分周率DFを再ロードすることによって、foutの1つの出力周期を終了させる。つまりカウンタは、周波数がfout=fosc/DFの、正と負の勾配が連続するスロープ信号をライン35に出力する。ちなみに、スロープ信号の勾配の正/負は、上述した論理と逆になるようにすることもできる。
【0026】
図3aから明らかなように、発振器周波数foscAとfoscBの位相が整合する(要求される程度に)には、とりわけ、ターミナル・カウント信号TCが(さらに)位相整合と一致するには、比較的長時間を必要とする可能性がある。このため、同期回路130によるマルチプレクサ110及び120のスイッチングが可能になるまで、比較的長時間を要することになる可能性がある。この時間を短くするために、発振器20A及び20Bの少なくとも一方が、それぞれの入力ライン170A及び/または170Bから位相制御信号であるPHASE_CONTROL信号を受信するのが望ましい。ライン170A及び170Bの信号PHASE_CONTROLは、同期回路130によって制御するのが望ましいが、当該技術において既知の他の適当な任意回路によって制御することも可能である。信号PHASE_CONTROLは、位相が整合するまで、発振器信号のスイッチングを遅延させるのが望ましい。これは、信号PHASE_CONTROLによって可変遅延長が制御される、可制御遅延線を設けることによって実施可能である。
【0027】
図4aには、本発明による周波数信号発生装置100のもう1つの実施態様が示されている。2つの発振器20A及び20Bを設ける代わりに、図4aによる周波数信号発生装置100には、発振回路200が1つだけしか設けられていない。発振回路200は、整定時間をほとんど必要としない、2つの異なる可変発振周波数foscA及びfoscBの間でスイッチング可能な発振器、できれば、デジタル発振器が望ましい。発振回路200は、ディレイ・チェインの出力信号が反転されて該チェインの入力に戻るように結合される、リング・オシレータとして実施するのが望ましい。
【0028】
発振回路200は、ライン205から制御信号CONTROLを受信し、ライン140から周波数選択制御信号SEL_OUTを受信する。信号CONTROLは、現在選択中の発振器周波数foscの設定、並びに、ライン140に次の有効信号SEL_OUTが生じる際にスイッチすることになる発振器周波数の設定を制御する。発振器信号は、ライン25に出力され、分周回路30及び同期回路230の入力として用いられる。同期回路230は、それ以外の入力として、ライン150から信号SELECT_A/Bを受信し、ライン160からターミナル・カウント信号を受信する。同期回路230は、出力として、発振回路200及びマルチプレクサ120の入力に結合されたライン140に信号SEL_OUTを送り出す。マルチプレクサ120は、さらに、分周率DF及びDFを受信して、ライン50から分周回路30へ出力を送り出す。もちろん、マルチプレクサ120、分周回路30、及び、同期回路230は、図3aの対応する部品に基づいて実施することが可能である。
【0029】
図4bには、図4aの周波数信号発生装置100の周波数変更に関する例がタイミング図で示されている。最初、発振回路200は、ライン25を介して、周波数foscAの発振器出力を分周回路30に供給する。分周回路30が、ライン50から分周率DF(図4bの場合、DF=2)を受信すると、ライン35の周波数出力がfout=foscA/DF(図4bの場合、fout=foscA/2)になる。時点tにおいて、信号SELECT_A/Bが「ハイ」になり、発振器200に対してfoscAからfoscBにスイッチするように、また、マルチプレクサ200に対して分周率DFからDFにスイッチするように指示される。時点tにおいて、foscの負のエッジが、「ロー」信号TC及び「ハイ」信号SELECT_A/Bと一致し、同期回路230が、信号SEL_OUTを「ロー」から「ハイ」に変更する。この信号SEL_OUTの変化によって、発振回路200は、時点tにおいて、foscAの現在の周期が終了すると、その周波数をfoscAからfoscBに変更する。従って、信号SEL_OUTの変化によって、マルチプレクサ120は、ライン50におけるその出力を分周率DFから分周率DFに変更する。発振器周波数のfoscAからfoscBへの変化、及び、分周率のDFからDFへの(図4bの例の場合、DF=2からDF=4への)変化によって、周波数の変化fout=foscB/DF(図4bの場合、fout=foscB/4)が生じる。
【0030】
図5aには、発振回路200の望ましい実施態様が示されている。発振回路200には、入力として信号SEL_OUTを受信する第1のANDゲート210と、インバータ235から反転信号SEL_OUTを受信する第2のANDゲート220が設けられている。ANDゲート210の出力は、第1の可変遅延セル240への入力信号を送り出し、第2のANDゲート220の出力は、第2の可変遅延セル250への入力を送り出す。第1の可変遅延セル240及び第2の可変遅延セル250のそれぞれの遅延時間は、信号CONTROLによって制御される。第1の可変遅延セル240及び第2の可変遅延セル250の出力は、NORゲート260に供給される。NORゲート60の出力に接続されたライン25は、発振回路200の出力foscを送り出し、さらに、第1のANDゲート210及び第2のANDゲート220の第2の入力に戻るように接続される。
【0031】
信号SEL_OUTは、第1のANDゲート210か、或いはインバータ235を介して第2のANDゲート220を選択する。選択された方のANDゲート210または220によって、ライン25の「ハイ」信号を対応する可変遅延セル240または250の入力まで伝搬させ、これを信号CONTROLによって設定された遅延時間だけ遅延させることが可能になる。非活動可変遅延セルの出力は、常に「ロー」であるので、NORゲート260を利用して2つの可変遅延セル240及び250の出力信号を結合することが可能である。
【0032】
図5bには、図5aの回路におけるタイミング図の例が示されている。この例の場合、信号SEL_OUTが「ロー」であれば、ANDゲート210が選択され、信号SEL_OUTが「ハイ」であれば、ANDゲート220が選択される。時点tにおいて、信号SEL_OUTが「ロー」であるため、インバータ235の出力は「ハイ」になり、ANDゲート220のもう一方の入力(fosc)がハイになる場合、ANDゲート220の出力は「ハイ」になる。時点tにおいて、ANDゲート220の出力における立ち上がりエッジはすでに遅延セル250まで伝搬しており、NORゲート260によってこれが反転されると、その出力(fosc)における立ち下がりエッジになる。従って、ANDゲート220の出力の図5bにおける第1の立ち下がりエッジは、時点tにおいて、NORゲート260の出力(fosc)の出力における立ち上がりエッジになる。信号SEL_OUTが「ロー」から「ハイ」に変化した後、時点tにおけるfoscの立ち上がりエッジによって、ANDゲート210の出力は「ハイ」になる。時点tにおいて、可変遅延セル240の入力の立ち上がりエッジはすでにその出力まで伝搬しており、これによってNORゲート260はその出力を「ハイ」から「ロー」に変化させる。
【0033】
図5bから明らかなように、発振回路200の出力foscは、時点tにおいて、foscAからfoscBに変化する。この変化は、信号SEL_OUTが周波数変更を指示した後、現在の周期が終了するとすぐに整定時間なしに生じる。従って、時点tにおいて、信号SEL_OUTが「ハイ」から「ロー」に変化した後、時点tにおいて、出力foscは、foscBからfoscAに変化する。
【0034】
図5aの構成によって、可変遅延セル240と250のいずれか一方が利用されている間に、利用されていないもう一方の遅延時間を変更することが可能になる。周波数選択制御信号SEL_OUTを同期させて、発振回路200の出力foscが「ロー」の場合に限って、その状態を変化させるようにするのが望ましい。これは、例えば、非同期信号SEL_OUTを、分周回路30の信号TCと発振器出力foscの負のスロープ信号に同期させることによって実施可能である。
【0035】
図3a、図4a、及び、図5aの論理が、他の論理手段によって実施することも可能であることは明らかである。図5cには、図5aの回路におけるもう1つの論理実施例が示されている。フィードバック・ループ25は、信号SEL_OUTの設定に従って、ライン25の信号を第1の可変遅延セル240と第2の可変遅延セル250のいずれかにスイッチする、スイッチ300の入力に結合されている。第1の可変遅延セル240の出力は、インバータ310によって反転されて、マルチプレクサ320に結合されるが、マルチプレクサ320は、信号SEL_OUTによる制御も受けて、発振器200の出力foscを送り出す。従って、第2の可変遅延セル250の出力は、インバータ330によって反転され、その出力は、マルチプレクサ320のもう一方の入力に結合される。
【0036】
また、各種信号、とりわけ、分周器制御信号及び/または信号CONTROL、PHASE_CONTROL、SEL_OUT、及び/またはSELECT_A/Bは、2つ以上の信号またはラインを表すことも可能であることは明らかである。一例として、図5aまたは5cの信号CONTROLは、2つの異なる信号、すなわち、第1の可変遅延セル240に関する信号と、第2の可変遅延セル250に関する信号とを表すことが可能である。しかし、簡略化のため、該信号は、ここでは単一の信号として表されている。
【0037】
本発明のために、分周回路30の代わりに、周波数逓倍回路または任意の他の周波数変更回路を用いることも可能である。従って、本明細書において言及した各種マルチプレクサとして、任意の可制御スイッチング装置を用いることが可能である。さらに、3つ以上の発振器を用いて、より高速のスイッチングが行えるようにすることも可能である。
【0038】
図3b、図4b、及び、図5bのタイミング図において、例えばfoscに対してわずかに遅延した出力信号foutから明らかなように、幾分か伝搬時間が付加されている。
【0039】
可変遅延セル240及び/または250は、本願出願人による欧州特許出願97 120 157.9号に記載の可変遅延セルによって実施されるのが望ましい。
【0040】
本発明の回路は、CMOSまたはECLのような最新の半導体テクノロジによって容易に実施及び/または集積化することが可能である。
【0041】
〔実施態様〕
なお、本発明の実施態様の例を以下に示す。
【0042】
〔実施態様1〕周波数がfoutの出力信号(35)を発生するための周波数信号発生装置(100)であって、
周波数選択制御信号(SEL_OUT)を受信し、これに従って少なくとも2つの周波数から選択して周波数がfoscの周波数出力(中間周波数出力)(25)を発生する周波数発生回路(20A、20B、110;200)と、
前記中間周波数出力(25)及び周波数変更制御信号(50)を受信し、該周波数変更制御信号(50)に基づいて、受信した前記中間周波数出力(25)の周波数をfoscからfoutに変更してこれを出力信号(35)として出力する周波数変更回路(30)と、
前記周波数変更制御信号(50)を前記周波数選択制御信号(SEL_OUT)に同期させるための同期回路(130;230)と
を具備しており、前記同期回路によって、ほとんど整定時間なしで周波数発生回路(20A、20B、200)を異なる周波数間で切り換えることができることを特徴とする周波数信号発生装置。
【0043】
〔実施態様2〕前記周波数発生回路(20A、20B、110;200)は、
第1の発振器制御信号(CONTROL)を受信して、第1の発振器周波数foscAの第1の前置周波数出力(25A)を発生する第1の発振器(20A;240、260、25;240、310、25)と、
第2の発振器制御信号(CONTROL)を受信して、第2の発振器周波数foscBの第2の前置周波数出力(25B)を発生する第2の発振器(20B;250、260、25;250、330、25)と、
前記周波数選択制御信号(SEL_OUT)による制御を受けて、前記中間周波数出力(25)として、前記第1の前置周波数出力(25A)と前記第2の前置周波数出力(25B)のいずれか一方を選択して出力する周波数選択装置(110;210、220、235;300、320)と
を備えていることを特徴とする、実施態様1に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0044】
〔実施態様3〕前記第1の発振器(240、260、25)は、前記第1の発振器制御信号(CONTROL)による制御を受ける第1の可変遅延セル(240)を備えており、該第1の可変遅延セルの反転出力がその入力に戻るように結合されることと、
前記第2の発振器(250、260、25)は、前記第2の発振器制御信号(CONTROL)による制御を受ける第2の可変遅延セル(250)を備えており、該第2の可変遅延セルの反転出力がその入力に戻るように結合されること
を特徴とする、実施態様2に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0045】
〔実施態様4〕 第1の周波数変更信号(DF)と第2の周波数変更信号(DF)を受信し、周波数選択制御信号(SEL_OUT)による制御を受けて、前記第1の周波数変更信号(DF)と前記第2の周波数変更信号(DF)の一方を選択してこれを前記周波数変更制御信号(50)として出力する周波数変更制御信号発生回路(120)をさらに備えていることを特徴とする、実施態様1乃至実施態様3のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0046】
〔実施態様5〕前記同期回路(130)が、周波数選択信号(SELECT_A/B)を受信し、これに応答して前記周波数選択制御信号(SEL_OUT)を発生することを特徴とする、実施態様1乃至実施態様4のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0047】
〔実施態様6〕前記同期回路(130)が、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの間におけるスイッチングを、これら異なる周波数の信号が同位相になった時点で行うように動作することを特徴とする、実施態様2乃至実施態様5のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0048】
〔実施態様7〕前記同期回路(130)が、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの位相が所与の範囲内に整合するまで、次の周波数選択制御信号(SEL_OUT)の供給を禁止する手段を備えていることを特徴とする、実施態様2乃至実施態様6のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0049】
〔実施態様8〕前記同期回路(130)が、入力として、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBを受信することを特徴とする、実施態様2乃至実施態様7のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置(100)。
【0050】
〔実施態様9〕周波数foutの出力信号(35)を発生するための周波数信号発生装置(100)であって、
第1の発振器制御信号(CONTROL)を受信して、第1の発振器周波数foscAの第1の前置周波数出力(25A)を発生する第1の発振器(20A)と、
第2の発振器制御信号(CONTROL)を受信して、第2の発振器周波数foscBの第2の前置周波数出力(25B)を発生する第2の発振器(20B)と、
入力として前記第1の前置周波数出力(25A)及び前記第2の前置周波数出力(25B)を受信し、周波数選択制御信号(SEL_OUT)による制御を受けて、入力の一方を選択しこれを中間周波数出力fosc(25)として出力する周波数選択装置(110)と、
第1の入力(25)において周波数foscの信号を受信し、第2の入力(50)において周波数変更制御信号を受信し、該周波数変更制御信号に基づいて周波数fosc信号をこれに関連した周波数foutの信号に変更してこれを出力する周波数変更回路(30)と
を設けて成る周波数信号発生装置。
【0051】
〔実施態様10〕周波数foutの出力信号(35)を生成する方法であって、
第1の発振器制御信号(CONTROL)を受信して、第1の発振器周波数foscAの第1の前置周波数出力(25A)を生成するステップと、
第2の発振器制御信号(CONTROL)を受信して、第2の発振器周波数foscBの第2の前置周波数出力(25B)を生成するステップと、
前記第1の前置周波数出力(25A)及び前記第2の前置周波数出力(25B)を受信し、周波数選択制御信号(SEL_OUT)に基づいてその一方を選択してこれを周波数foscの中間周波数出力として出力するステップと、
前記周波数foscの中間周波数出力と周波数変更制御信号を受信して、該周波数変更制御信号に基づいて、周波数fosc信号をこれに関連した周波数foutの信号に変更して出力信号(35)として出力するステップと
を設けて成る方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の周波数信号発生装置10を示す図である。
【図2a】従来の周波数信号発生装置の出力周波数foutが変更される時の実際の周波数変化の例を示す図である。
【図2b】従来の周波数信号発生装置の出力周波数foutが変更される時の実際の周波数変化の例を示す図である。
【図3a】本発明による周波数信号発生装置100のブロック図である。
【図3b】図3aに示す装置において、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの間で切り換えを行う場合の各信号の変化を示す図である。
【図4a】本発明による周波数信号発生装置100の代替実施態様を示す図である。
【図4b】図4aに示す装置において、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの間で切り換えを行う場合の各信号の変化を示す図である。
【図5a】本発明による周波数発生回路200の一実施例を示す図である。
【図5b】図5aに示す装置において、第1の発振器周波数foscAと第2の発振器周波数foscBの間で切り換えを行う場合の各信号の変化を示す図である。
【図5c】本発明による周波数発生回路200の代替実施例を示す図である。
【符号の説明】
20A:第1の発振器
20B:第2の発振器
30:周波数変更回路
100:周波数信号発生装置
110:周波数選択装置
120:周波数変更制御信号発生回路
130:同期回路
200:周波数発生回路
230:同期回路
240:第1の可変遅延セル
250:第2の可変遅延セル
260:NORゲート

Claims (9)

  1. 所望の周波数の出力信号を発生するための周波数信号発生装置であって、
    なくとも2つの周波数からどの1の周波数を中間周波数として選択するかを指示するための周波数選択制御信号を受信し、該周波数選択制御信号にしたがって、前記少なくとも2つの周波数の信号から当該1の周波数の信号を選択して、周波数が中間周波数である中間周波数出力発生する周波数発生回路と、
    前記中間周波数出力と、前記所望の周波数によって決まる、前記中間周波数の変化量を設定するための周波数変更制御信号を受信し、該周波数変更制御信号に基づいて、受信した前記中間周波数出力の前記中間周波数前記所望の周波数に変更することにより、前記所望の周波数の出力信号出力する周波数変更回路と、
    前記周波数選択制御信号を供給し、前記周波数変更制御信号を前記周波数選択制御信号に同期させる同期回路であって、前記周波数発生回路が選択対象とする周波数の位相が所定の範囲内で互いに合致するまで、新たな周波数選択制御信号及び新たな周波数変更制御信号の少なくとも一方の供給を禁止するための手段を備えることからなる、同期回路
    を設けて成る周波数信号発生装置。
  2. 前記周波数発生回路は、
    第1の発振器制御信号を受信して、第1の発振器周波数の第1の前置周波数出力を発生する第1の発振器と、
    第2の発振器制御信号を受信して、第2の発振器周波数の第2の前置周波数出力を発生する第2の発振器と、
    前記周波数選択制御信号による制御を受けて、前記第1の前置周波数出力と前記第2の前置周波数出力のいずれか一方を選択してこれを前記中間周波数出力として出力する周波数選択装置と
    を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の周波数信号発生装置。
  3. 前記第1の発振器は、前記第1の発振器制御信号による制御を受ける第1の可変遅延セルを備えており、該第1の可変遅延セルの反転出力がその入力に戻るように結合されることと、
    前記第2の発振器は、前記第2の発振器制御信号による制御を受ける第2の可変遅延セルを備えており、該第2の可変遅延セルの反転出力がその入力に戻るように結合されること
    を特徴とする、請求項2に記載の周波数信号発生装置。
  4. 第1の周波数変更信号と第2の周波数変更信号を受信し、前記周波数選択制御信号による制御を受けて、前記第1の周波数変更信号と前記第2の周波数変更信号の一方を選択してこれを前記周波数変更制御信号として出力する周波数変更制御信号発生回路をさらに備えていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置。
  5. 前記同期回路が、周波数選択信号を受信し、これに応答して前記周波数選択制御信号を発生することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置。
  6. 前記同期回路が、前記第1の前置周波数出力と前記第2の前置周波数出力の間におけるスイッチングを、これら異なる周波数の信号が同位相になった時点で行うように動作することを特徴とする、請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置。
  7. 前記同期回路が、前記第1の前置周波数出力と前記第2の前置周波数出力の位相が所与の範囲内で合致するまで、新たな周波数選択制御信号の供給を禁止する手段を備えていることを特徴とする、請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置。
  8. 前記同期回路が、入力として、前記第1の前置周波数出力と前記第2の前置周波数出力を受信することを特徴とする、請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の周波数信号発生装置。
  9. 所望の周波数の出力信号を生成する方法であって、
    第1の発振器制御信号を受信して、第1の周波数の第1の前置周波数出力を生成するステップと、
    第2の発振器制御信号を受信して、第2の周波数の第2の前置周波数出力を生成するステップと、
    前記第1の前置周波数出力及び前記第2の前置周波数出力、及びこれらの前置周波数出力のどれを中間周波数出力として選択するかを指示するための周波数選択制御信号を受信し、この周波数選択制御信号に基づいて、第1の前置周波数出力と前記第2の前置周波数出力の一方を選択して、当該一方の前置周波数出力を中間周波数出力として出力するステップと、
    前記中間周波数出力と、前記所望の周波数によって決まる、前記中間周波数出力の周波数の変化量を設定するための周波数変更制御信号を受信して、該周波数変更制御信号に基づいて、前記中間周波数出力の周波数を前記所望の周波数に変更することにより、前記所望の周波数の出力信号出力するステップと
    前記周波数選択制御信号を供給し、前記周波数変更制御信号を前記周波数選択制御信号に同期させるステップであって、前記第1の前置周波数出力と前記第2の前置周波数出力の位相とが所定の範囲内で合致するまで、新たな周波数選択制御信号及び新たな周波数変更制御信号の少なくとも一方の供給を禁止するためのステップを有する、ステップ
    を含む、方法。
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