JP3617689B2 - 貼着物の貼着方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、両面に粘着性を有し片面が離型紙によって覆われた貼着物(たとえば異なる異方性導電膜のようなもの)の貼着方法およびその装置に係り、特に、液晶パネル等の配線基板の配線パターンとタブとの間に介在させ、これらを電気的に接続する異方性導電膜を貼着する際に用いて好適な貼着物の貼着方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイを構成する部品の一つに液晶パネルがある。この液晶パネルの端子と液晶パネル駆動回路を構成するタブとを電気的に接続する方法の一つとして、液晶パネルの端子とタブとの間に異方性導電膜を介在させ、これを加熱加圧することによりこれらを電気的に接続する方法が知られている。
【0003】
この異方性導電膜は、導電粒子を合成樹脂中に均一に分散させた高分子層を熱圧着して導電粒子を互いに接触させることにより形成されるもので、膜の厚み方向のみ導電性が付与され、それ以外の方向に対しては絶縁性を示す特性を有している。そして、このような異方性導電膜は、取扱い性を考慮して通常その片面または両面が離型紙によって覆われることにより2層または3層構造とされ、異方性導電フィルムテープとしてリールに巻回されている。
【0004】
図9はこのような異方性導電フィルムテープを示すものである。ここで、2は導電粒子を合成樹脂中に均一に分散して形成された貼着物としての異方性導電膜、3は異方性導電膜2の片面を覆う離型紙で、これらによって異方性導電フィルムテープ1を形成している。異方性導電フィルムテープ1の幅は3mm程度、厚さは100μm前後とされる。異方性導電膜2を被貼着物としての液晶パネルに貼着するには、離型紙3を剥離した後、異方性導電膜2を液晶パネルの端子とタブとの間に位置付けて熱圧着することにより、異方性導電膜2の熱硬化特性を利用して貼り着ける。
【0005】
このように異方性導電膜2を液晶パネルの端子に貼り着ける方法としては、作業者が手で異方性導電フィルムテープ1をタブの長さ、たとえば35mm〜70mm程度の長さに切断するとともに、その離型紙3を剥離して異方性導電膜2を端子とタブとの間に位置付けて貼り着けるか、予め異方性導電フィルムテープ1を所望の形状に加工したものを人手で貼り着けている。
【0006】
しかしながら、タブの長さに応じて切断された異方性導電フィルムテープ1は、柔軟で細長いものであるから、取扱いが面倒であり、量産に適さない。その上、貼着位置への位置合わせの精度が悪いなどの問題があった。また、離型紙3を着けたまま切断すると、貼り着ける際に離型紙3を剥離するのが難しくなるなどの問題もあった。
【0007】
そこで、本出願人はこれらの問題を解決するものとして、先に特願平5−262930号によって「異方性導電膜貼り着け方法およびその装置」を提案した。図10〜図13によってその方法を説明すると、1はリール4に巻回された異方性導電フィルムテープで、この異方性導電フィルムテープ1は図10に示すように、リール4から繰り出されると、異方性導電膜2と離型紙3とに分離され、離型紙3は離型紙巻取りリール5に巻取られる。一方、異方性導電膜2はその端部がチャック6によって挾持されてガイドローラ7および8に添接されて水平方向に所定長さ引き出され、図11に示すようにエア吸引口をそれぞれ備えた固定ブロック9と可動ブロック10とにより吸着される。次ぎに、図12に示すように両ブロック9,10間に配置されたカッター11によって異方性導電膜2を切断する。切断後、固定ブロック9による吸着状態を解除し、切断された異方性導電膜2’を可動ブロック10によって図示しない液晶パネルの上方に搬送して所定位置に貼り着ける。
【0008】
このような貼着方法およびその装置によれば、リール4からの異方性導電フィルムテープの供給、カッター11による異方性導電膜2の切断および可動ブロック10による異方性導電膜2’の搬送および貼着工程を全て自動的に行っているので、手作業に比べて作業性がよくなるとともに、異方性導電膜2を正確に位置決めして貼着することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の貼着方法およびその装置は、一回毎に異方性導電膜2をチャック6によって挾持し、カッター11によって切断しているため、一回の貼着処理にかなりの時間を要し、貼着作業の迅速化が図れず、またカッター11の刃先形状は通常直線であるため、異方性導電フィルムテープ1の切断される端縁の形状が直線となり、任意の形状に切断することができない。このため、矩形もしくは平行四辺形の異方性導電膜2しか得られない。さらに、カッター11に異方性導電膜2の切り糟が付着すると、カッター11の切れ味が低下し、異方性導電膜2を精度よく切断することができないという問題があった。
【0010】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、型抜きプレートを用いることにより、チャックで挾持したりカッターで切断したりする工程をなくすことができ、貼着作業の迅速化を図るとともに貼着物を任意形状に型抜きすることができるようにした貼着物の貼着方法を提供することにある。
また、本発明は、貼着物の貼着を効率よく実行することができる貼着物の貼着装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、離型紙で片面が覆われた貼着物からなる貼着物テープにおける前記貼着物を被貼着物に貼着する貼着物の貼着方法において、供給リールによって繰り出される貼着物テープを巻取りリールによって間欠的に巻取り、これら両リール間の貼着物テープを一対のガイドローラによって被貼着物の上方に前記離型紙を上側にして張り渡し、この貼着物テープと被貼着物との間に所定形状の抜き孔を有する型抜きプレートを挿入し、加熱ツールの押圧面に設けた弾性部材によって前記貼着物テープを上方から押圧することにより、前記型抜きプレートの抜き孔から所定形状の貼着物を型抜きして被貼着物に貼着することを特徴とする。
また、本発明は、一対のガイドローラのうち少なくとも一方のガイドローラを、加熱ツールの押圧後、上方に移動させることを特徴とする。
また、本発明は、離型紙で片面が覆われた貼着物からなる貼着物テープにおける前記貼着物を被貼着物に貼着する貼着物の貼着装置において、前記貼着物テープを繰り出す供給リールと、前記供給リールから繰り出された貼着物テープを間欠的に巻取る巻取りリールと、前記両リール間に配置され前記貼着物テープを被貼着物の上方に張り渡す一対のガイドローラと、同一円周上に複数個の抜き孔を設けるとともに水平面内において間欠的に所定角度回動されることにより前記抜き孔を貼着位置と待機位置に順次移動させる型抜きプレートと、押圧面に弾性部材を有して前記貼着位置の上方に昇降自在に設けられ前記弾性部材によって前記貼着物テープを押圧することにより、前記型抜きプレートの前記抜き孔から所定形状の貼着物を型抜きして前記被貼着物に貼着する加熱ツールと、前記待機位置に待機中の前記型抜きプレートの前記抜き孔をクリーニングするクリーニング装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、一対のガイドローラのうち少なくとも一方のガイドローラを上下動自在に構成したことを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明において、一対のガイドローラ間に張り渡された貼着物テープは、被貼着物上に離型紙を上側にした状態で所定量ずつ間欠的に移送される。抜き孔を有する型抜きプレートが加熱ツールと被貼着物との間に挿入されると、加熱ツールは下降して貼着物テープの前記抜き孔に対応する部位を被貼着物に押し付けることにより、貼着物を型抜きし、被貼着物に貼着する。
加熱ツールの押圧が解除されると、一対のガイドローラの中のいずれか一方のガイドローラを上昇させて離型紙と被貼着物に貼着された貼着物を剥離する。
型抜きプレートは複数個の抜き孔を有し、間欠的に回動させることにより、抜き孔を貼着位置と待機位置に順次移動させる。待機中の抜き孔はクリーニング装置によってクリーニングされる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る貼着物の貼着装置の一実施例を示す正面図、図2は同装置の部分的な左側面図、図3は装置全体の右側面図、図4は貼着物を型抜きするときの様子を示す斜視図、図5は型抜きプレートの斜視図である。これらの図において、本実施例は液晶パネルの端子とタブを異方性導電膜によって電気的に接続する貼着装置20に適用した例を示す。貼着装置20は、基台22上に立設された装置本体21を備えている。装置本体21の前面側には、異方性導電フィルムテープ1が巻回された供給リール23と、供給リール23から繰り出される被貼着物としての異方性導電フィルムテープ1を巻取る巻取りリール24と、両リール23,24間の異方性導電フィルムテープ1を液晶パネル25の上方に張り渡す左右一対のガイドローラ26,27と、異方性導電フィルムテープ1に所定のテンションを付与する一対のテンションローラ28,29と、異方性導電フィルムテープ1と液晶パネル25との間に挿入される型抜きプレート30と、異方性導電フィルムテープ1を液晶パネル25に押し付ける加熱ツール31等が配設されている。また、型抜きプレート30の後方には型抜きプレート30に形成された抜き孔32をクリーニングするクリーニング装置33が配設されている。
【0014】
前記異方性導電フィルムテープ1は、図9に示したものと同様に、導電粒子を熱硬化性樹脂または熱可遡性樹脂に均一に分散して形成された異方性導電膜2と、異方性導電膜2の片面を覆う離型紙3とで構成されている。異方性導電膜2は、型抜きプレート30の抜き孔32によって型抜きされることにより貼着物として液晶パネル25に貼着される。供給リール23から繰り出された異方性導電フィルムテープ1は、テンションローラ28とガイドローラ26によって貼着位置Aに離型紙3を上側にした状態で導かれ、ガイドローラ27、テンションローラ29、ガイドピン35およびテープ送り機構36を経て巻取りリール24に巻取られる。貼着位置Aは前記加熱ツール31の真下の位置とされる。
【0015】
供給リール23側のガイドローラ26とテンションローラ28は上下動自在に設けられており、加熱ツール31による異方性導電フィルムテープ1の押圧状態が解除されると、図示しないシリンダ、駆動モータ等の適宜な駆動手段によって一体に上昇されるように構成されている。こうすることにより、異方性導電フィルムテープ1に上方向の張力を付与することができるため、型抜きプレート30の抜き孔32によって型抜きされ液晶パネル25に貼着された異方性導電膜2と離型紙3との剥離をよくすることができる。
【0016】
前記テープ送り機構36は、表面に滑り止めの合成ゴムがコーティングされ、駆動モータ38によって異方性導電フィルムテープ1の送り方向に間欠的に回転されるローラ39と、このローラ39に圧接されたピンチローラ40とで構成されており、これによって前記異方性導電フィルムテープ1を所定量ずつ間欠的に送るようにしている。
【0017】
前記型抜きプレート30は、ベリリューム銅、ステンレス鋼等の弾性を有する金属薄板によって形成されており、図5に示すように一側端縁に前記抜き孔32が形成されている。この場合、本実施例においては抜き孔32を切欠き部で構成した例を示したが、所望形状の異方性導電膜2を型抜きするためには種々の形状とすることができる。たとえば、図6に示すように長円形に形成されたものとか、図7に示すように長円形の抜き孔32を直線上に2つ並列させて形成したものであってもよい。このように抜き孔32の形状を変えても加熱ツール31の形状を変える必要はない。何故なら、後述するが異方性導電膜2の切断は、加熱ツール31の下面に設けられた弾性部材55と抜き孔32の上端縁によってなされるからである。
そして、このような型抜きプレート30は、抜き孔32とは反対側端部が図4に示すようにホルダー41にねじ等によって固定される。
【0018】
前記ホルダー41は、図3に示すように垂直に支承された回転軸42の下端にその中央がねじ等によって着脱可能に固定されている。また、ホルダー41には図4に示すように2枚の型抜きプレート30が前記回転軸42を挟んで対称に取り付けられている。これらの型抜きプレート30の抜き孔32は、回転軸42の中心を中心とする同一円周上に位置付けられている。前記回転軸42は、前記ホルダー41に取り付けられた2枚の型抜きプレート30を貼着位置Aと待機位置Bに交互に移動させるために駆動モータ43によって異方性導電膜2の型抜きが1回終わる度に180°ずつ間欠的に回動されるように構成されている。待機位置Bは貼着位置Aの真後ろの位置とされる。駆動モータ43の回転は、一対のプーリ44,45と、これらプーリ間に張設されたタイミングベルト46によって前記回転軸42に伝達されるが、これに限らず駆動モータ43と回転軸42を直結してもよい。また、駆動モータ43に限らず他のアクチュエータ、たとえば電磁ソレノイドとラチェット機構とによりホルダー41を間欠的に回動させる構造としてもよい。
【0019】
前記装置本体21の前面上部に前方に向かって突設された張り出し部21Aの下側は、スピンドル48が上下動自在に設けられている。スピンドル48の下端には加熱ブロック50が平行度調整機構49を介して固定されている。平行度調整機構49としては、種々のものを採用することができるが、本実施例ではスピンドル48側に設けられた上板51と、加熱ブロック50側に設けられた下板52を、その四隅に設けたボルト53によって互いに連結し、これらのボルト53の緊締量を調節することによって上板51と下板52の平行度を調節、言い換えれば加熱ブロック50に取り付けられる前記加熱ツール31の下面が水平になるように調節するように構成されている。前記加熱ブロック50には、シーズヒータ等の加熱ヒータ54が埋設されており、これによって常時一定の温度に加熱されている。また、加熱ブロック50の下面には前記加熱ツール31が複数個のボルトによって固定されている。加熱ツール31の下面は、前記型抜きプレート30の抜き孔32より若干大きめの押圧面を形成しており、またこの押圧面にはシリコンゴム等の耐熱性の高い弾性部材55が固着されている。この弾性部材55は、前記型抜きプレート30との間に異方性導電フィルムテープ1を挾み押圧されることによって抜き孔32の上端縁に沿って弾性変形し、この上端縁によって異方性導電膜2を破断するように機能する。また、押圧状態が解除された時の剥離紙3との離れがよい材料であることが望ましい。
【0020】
前記型抜きプレート30の後方に配設された前記クリーニング装置33は、図3に示すようにロッド61が前後方向に進退するように水平に設置されたエアシリンダ60と、供給側リール62から繰り出され複数個のガイドローラ63〜68を添接して巻取り側リール69に巻取られる粘着テープ等のクリーニング用テープ70と、可動テーブル71等で構成されている。ガイドローラ63〜68のうち三つのローラ64〜67は、前記ロッド61の先端に固定されたブロック72の一側面に回転自在に取り付けられている。また、その中の一つのローラ65は、前記ロッド61の進退動作に伴い待機位置Bに移動した型抜きプレート30上を摺動し、クリーニング用テープ70を型抜きプレート30に押し付けることによりクリーニングローラとして機能する。前記可動テーブル71は、前記待機位置Bの下方に上下動自在に配設されており、待機位置Bに待機している型抜きプレート30のクリーニング時に駆動モータ73によって型抜きプレート30の下面まで上昇して型抜きプレート30をクリーニングローラ65に押し付け、クリーニングが終了すると同時に下降されるように構成されている。
【0021】
次に、上記構造からなる貼着装置20による貼着動作を主として図8に基づいて説明する。
先ず、異方性導電フィルムテープ1の引出し量等の初期条件を設定した後、型抜きプレート30、加熱ツール31、クリーニング装置33、その他機構部品の位置等が所定位置になるように初期化する。この初期化した状態において、型抜きプレート30は異方性導電フィルムテープ1の下方にこれと近接して平行に位置する。また、加熱ツール31は上死点位置に待機している。図8(a)はこの状態を示す。また、クリーニング装置33のエアシリンダ60は、図3に示すようにロッド61を前方に突出させてクリーニングローラ65を待機位置Bに位置させている。この時、可動テーブル71は下死点位置に待機している。
【0022】
今、図3に示すように搬送テーブル75を上昇させて貼着位置Aに位置付けし、その上面に載置されている液晶パネル25を型抜きプレート30の下面に接触させると、図8(b)に示すように加熱ツール31が下降して異方性導電フィルムテープ1を型抜きプレート30を介して液晶パネル25の上面に押し付ける。この時、異方性導電フィルムテープ1の型抜きプレート30の抜き孔32に対応する部位が加熱ツール31の下面に固着された弾性部材55によって抜き孔32内に押し込まれるため、この部位の異方性導電膜2’が抜き孔32の両端縁の形状に切断されて液晶パネル25の上面に貼着される。この切断は先にも述べたように弾性部材55の抜き孔32の上端縁への押圧による弾性変形によるものである。この型抜きされた異方性導電膜2’が貼着されると、加熱ツール31は図8(c)に示すように上昇して上死点位置に復帰すると同時に、図2に示すテープ送り機構36の駆動モータ38が駆動して異方性導電フィルムテープ1を巻取りローラ24に所定量巻取る。また、この時、図1に示すガイドローラ26とテンションローラ28は上方に上昇することにより異方性導電フィルムテープ1を上方へ引き上げ、液晶パネル25に貼着された異方性導電膜2’から離型紙3を分離する。ガイドローラ26とテンションローラ28を上昇させるタイミングは、加熱ツール31が異方性導電フィルムテープ1を押圧した後であれば何時でもよい。
この場合、本実施例においては、ガイドローラ26とテンションローラ28を共に上下動させるようにしたが、ガイドローラ26のみを上下動させてもよい。また、このガイドローラ26の代わりに巻取りリール24側のガイドローラ27を単独にまたはテンションローラ29と一体に上下動させたり、あるいは左右のガイドローラ26,27を同時に上下動させたり、ガイドローラ26,27およびテンションローラ28,29を同時に上下動させるようにしてもよい。
【0023】
一方、型抜きプレート30は、加熱ツール31が上昇して上死点位置に復帰すると、駆動モータ43の駆動によって回転軸42を回転することにより、180°回動して待機位置Bに移動し、代わりに待機位置Bに待機していた他の型抜きプレート30が貼着位置Aに位置付けられる。待機位置Bに型抜きプレート30が位置すると、クリーニング装置33の可動テーブル71は駆動モータ73の駆動によって待機位置Bまで上昇して前記型抜きプレート30をクリーニングローラ65にクリーニング用テープ70を介して押し付ける。次いで、エアシリンダ60が駆動してロッド61を後退させると、前記クリーニングローラ65は型抜きプレート30上を転動しながら後退し、クリーニング用テープ70によって型抜きプレート30に付着している異方性導電フィルムテープ1の残さを拭き取ることによって除去する。この時、当然のことながらクリーニング用テープ70は供給側リール62からクリーニングに必要な量だけ繰り出される。クリーニングローラ65が型抜きプレート30の後端まで移動すると、クリーニングが終了し、ロッド61が前進してクリーニングローラ65を元の位置に復帰させ、可動テーブル71が初期位置に下降し、もって一回の貼着動作が終了する。このような動作を繰り返すことにより供給リール23に巻かれている異方性導電フィルムテープ1の異方性導電膜2を液晶パネル25に順次貼着することができる。
【0024】
クリーニング装置33によるクリーニング動作は、通常異方性導電膜2を一回貼着する毎に行われるが、型抜きプレート30の抜き孔32の形状によっては異方性導電フィルムテープ1の残さが殆ど付着しない場合がある。このようなときは異方性導電膜2を数回貼着する毎にクリーニングを行うようにしてもよい。
【0025】
なお、上記実施例は液晶パネル25に異方性導電膜2を貼着物として貼着するようにした例を示したが、本発明はこれに限らず、種々の貼着物に対しても適用することができる。
また、上記実施例はホルダー41に2枚の型抜きプレート30を取り付けた例を示したが、一つあるいは三つ以上であってもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る貼着物の貼着方法およびその装置は抜き孔を有する型抜きプレートと加熱ツールを用いて貼着物テープの貼着物を被貼着物に貼着するようにしたので、貼着物をチャックで保持したり、カッターで切断する必要がなく、一回の貼着処理を短時間で行うことができ、貼着作業の迅速化を図ることができる。また、型抜きプレートを用いているので、任意の形状のものを精度よく型抜きすることができる。
また、本発明は、貼着物テープをガイドする一対のガイドローラのうち少なくとも一方のガイドローラを上下動自在に構成し、加熱ツールによる押圧後、このガイドローラを上方に移動させるようにしているので、被貼着物に貼着された貼着物と離型紙を確実に分離することができる。
さらに、本発明はクリーニング装置によって型抜きプレートの抜き孔をクリーニングするようにしているので、貼着物を精度よく型抜きすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼着物の貼着装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】同装置の部分的な左側面図である。
【図3】装置全体の右側面図である。
【図4】貼着物を型抜きするときの様子を示す斜視図である。
【図5】型抜きプレートの斜視図である。
【図6】型抜きプレートの他の実施例を示す斜視図である。
【図7】型抜きプレートのさらに他の実施例を示す斜視図である。
【図8】(a)、(b)、(c)は貼着動作を説明するための図である。
【図9】異方性導電フィルムテープの断面図である。
【図10】貼着方法の従来例を示す図である。
【図11】貼着方法の従来例を示す図である。
【図12】貼着方法の従来例を示す図である。
【図13】貼着方法の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1…異方性導電フィルムテープ、2…異方性導電膜、3…離型紙、23…供給リール、24…巻取りリール、25…液晶パネル、26,27…ガイドローラ、28,29…テンションローラ、30…型抜きプレート、31…加熱ツール、32…抜き孔、33…クリーニング装置、55…弾性部材、A…貼着位置、B…待機位置。

Claims (4)

  1. 離型紙で片面が覆われた貼着物からなる貼着物テープにおける前記貼着物を被貼着物に貼着する貼着物の貼着方法において、
    供給リールによって繰り出される貼着物テープを巻取りリールによって間欠的に巻取り、これら両リール間の貼着物テープを一対のガイドローラによって前記被貼着物の上方に前記離型紙を上側にして張り渡し、この貼着物テープと被貼着物との間に所定形状の抜き孔を有する型抜きプレートを挿入し、加熱ツールの押圧面に設けた弾性部材によって前記貼着物テープを上方から押圧することにより、前記型抜きプレートの抜き孔から所定形状の貼着物を型抜きして被貼着物に貼着することを特徴とする貼着物の貼着方法。
  2. 請求項1記載の貼着物の貼着方法において、
    一対のガイドローラのうち少なくとも一方のガイドローラを、前記加熱ツールの押圧後、上方に移動させることを特徴とする貼着物の貼着方法。
  3. 離型紙で片面が覆われた貼着物からなる貼着物テープにおける前記貼着物を被貼着物に貼着する貼着物の貼着装置において、
    前記貼着物テープを繰り出す供給リールと、
    前記供給リールから繰り出された貼着物テープを間欠的に巻取る巻取りリールと、
    前記両リール間に配置され前記貼着物テープを被貼着物の上方に張り渡す一対のガイドローラと、
    同一円周上に複数個の抜き孔を設けるとともに水平面内において間欠的に所定角度回動されることにより前記抜き孔を貼着位置と待機位置に順次移動させる型抜きプレートと、
    押圧面に弾性部材を有して前記貼着位置の上方に昇降自在に設けられ前記弾性部材によって前記貼着物テープを押圧することにより、前記型抜きプレートの前記抜き孔から所定形状の貼着物を型抜きして前記被貼着物に貼着する加熱ツールと、
    前記待機位置に待機中の前記型抜きプレートの前記抜き孔をクリーニングするクリーニング装置と、
    を備えたことを特徴とする貼着物の貼着装置。
  4. 請求項3記載の貼着物の貼着装置において、
    前記一対のガイドローラのうち少なくとも一方を上下動自在に構成したことを特徴とする貼着物の貼着装置。
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