JP3616529B2 - 自走式剥離洗浄作業機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自走式剥離洗浄作業機に関し、詳しくは、大型石油タンクやガスタンク等の構造物の内外面を被作業面として、その表面のコーティング層や塗装層などの表面層を剥離し、その残渣物を洗浄する自走式の剥離洗浄作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の自走式剥離洗浄作業機として、特許第2750802号公報には、自走台車が走行可能な底面を被作業面とする自走式剥離洗浄作業機が開示されている。また、特許第2554588号公報には、自走台車が走行可能な底面と側壁面とのコーナ部を被作業面とする自走式剥離洗浄作業機が開示されている。
【0003】
前記特許第2750802号公報に記載の自走式剥離洗浄作業機は、自走台車に装備されたノズルユニットの複数の回転ノズルを被作業面である底面に沿って垂直軸廻りに回転させ、各回転ノズルから高圧水流を噴射させつつ自走台車を走行させることにより、底面のコーティング層などを所定幅に亙って剥離し、その残渣物を洗浄するように構成されている。そして、この自走式剥離洗浄作業機においては、底面の溶接部の溶接ビ−ドに向けて集中的に高圧水流を噴射できるように、各回転ノズルの回転中心付近にも回転ノズルが配置されている。また、各回転ノズルから噴射される高圧水流の飛散を防止するため、ノズルユニットには、各回転ノズルの周囲を覆うスプラッシュカバーと、その縁部に付設されて底面に摺接するブラシとが設けられている。
【0004】
一方、特許第2554588号公報に記載の自走式剥離洗浄作業機は、自走台車に装備されたノズルユニットの複数の回転ノズルを底面と側壁面とのコーナ部に沿って略45度の傾斜軸廻りに回転させ、各回転ノズルから高圧流体を噴射させつつ自走台車を走行させることにより、前記コーナ部の表面のコーティング層などを所定幅に亙って剥離し、その残渣物を洗浄するように構成されている。そして、この自走式剥離洗浄作業機にも、各回転ノズルの周囲を覆うスプラッシュカバーと、その縁部に付設されて前記コーナ部に摺接するブラシとがノズルユニットに設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許第2750802号公報に記載の自走式剥離洗浄作業機において、底面の溶接ビードに対応して各回転ノズルの回転中心付近に配置された回転ノズルは、図11に示すように、高圧水流Sを底面FLに直交する角度で噴射するように配置されている。このため、底面FLの溶接部が重ね溶接部である場合には、高圧水流Sが溶接ビードBに対して斜めに噴射されることとなる。その結果、高圧水流Sの衝突エネルギが小さくなる部分、すなわち、図11中、符号Pで示す溶接ビードBの上側縁部付近や下側縁部には、未剥離のコーティング層が残留し、作業品質が低下するという問題がある。
【0006】
また、回転ノズルの装備個数が5個程度と比較的に少ないため、被作業面に対する剥離洗浄の作業能力および作業効率が低いという問題がある。もっとも、ノズルヘッドを大型化し、そこに配設する回転ノズルの個数を増加すれば、前記問題は解消できる。しかしながら、ノズルヘッド自体を大型化すると、ノズルヘッドの回転駆動系の負荷が増大するため、その対策が必要となるという別の問題が発生する。
【0007】
さらに、ノズルユニットが自走台車に一体的に装備されているため、底面に左右の段差や前後方向の傾斜の変化があると、底面に対する各回転ノズルの相対距離が変動し、底面の剥離洗浄作業にムラが生じて作業品質が低下するという問題がある。
【0008】
一方、特許第2554588号公報に記載の自走式剥離洗浄作業機においては、スプラッシュカバーを含むノズルユニットが自走台車に一体的に装備されているため、コーナ部の底面に左右方向の傾斜があると、スプラッシュカバーに付設されたブラシと底面との間に隙間が生じ、作業中に高圧水流がスプラッシュカバーの外部に飛散する。同様に、コ−ナ部の側壁面が前後方向に湾曲している場合にも、ブラシと側壁面との間に隙間が生じ、作業中に高圧水流がスプラッシュカバーの外部に飛散する。そして、これを放置すると、被作業面であるコーナ部に錆が発生し、作業品質が低下するという問題がある。
【0009】
また、特許第2750802号公報、特許第2554588号公報の何れに記載の自走式剥離洗浄作業機も、回転ノズルの回転を検知する手段および自走台車の走行を検知する手段を備えていないため、作業中に回転ノズルの回転や自走台車の走行が不用意に停止するという異常事態に対して迅速に対応することができない。その結果、前記異常事態の際には、回転ノズルから噴射される高圧水流によって被作業面に作業痕が発生するという問題がある。例えば、回転ノズルのみが停止すると直線状の作業痕が発生し、自走台車のみが停止すると円状の作業痕が発生し、回転ノズルおよび自走台車が共に停止すると、ピンポイント状の作業痕としてピンホールが発生し、作業品質が著しく低下するという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、重ね溶接部や突き合わせ溶接部の溶接ビードを含む被作業面全体の剥離洗浄作業を確実に行うことができ、また、ノズルヘッドを大型化することなく回転ノズルの装備個数を確実に増加でき、さらに、被作業面に左右の段差や前後方向の傾斜の変化がある場合にも、被作業面に対する剥離洗浄作業の品質を高精度に維持することができる自走式剥離洗浄作業機をそれぞれ提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、回転ノズルの回転停止、自走台車の走行停止などの異常事態に対して迅速に対応でき、被作業面に作業痕が発生するという作業品質の低下を未然に防止することができる自走式剥離洗浄作業機を提供することを目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、被作業面のコーナ部に左右方向の傾斜や前後方向の湾曲がある場合にも、高圧流体がスプラッシュカバーの外部に飛散するのを防止することができ、コーナ部に対する剥離洗浄作業の品質を高精度に維持することができる自走式剥離洗浄作業機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する手段として、第1の発明に係る自走式剥離洗浄作業機は、自走台車に装備されたノズルユニットの複数の回転ノズルから被作業面に高圧流体を噴射して被作業面の表面層を剥離洗浄する自走式剥離洗浄作業機において、前記ノズルユニットは、被作業面に直交する軸廻りに自転するノズルヘッドを備え、このノズルヘッドには、被作業面の溶接ビ−ドに直交するように被作業面に対して所定角度で高圧流体を噴射可能な溶接ビード用の回転ノズルが配設されている自走式剥離洗浄作業機であって前記自走台車は、駆動輪を装備して走行可能な駆動部と、ノズルユニットおよび従動輪を装備して自立従動可能な従動部とを備え、両者が相互にローリングおよびピッチング可能に連結されていることを特徴とする
【0014】
第1の発明に係る自走式剥離洗浄作業機においては、各回転ノズルが回転しつつ被作業面に高圧流体を噴射することで、自走台車の走行に伴い、被作業面の表面層が所定幅に亙り剥離洗浄される。その際、溶接ビード用の回転ノズルが被作業面の重ね溶接部や突き合わせ溶接部の溶接ビードに対して直交するように高圧流体を噴射することで、溶接ビード付近の表面層も確実に剥離洗浄される。
【0017】
さらに、第1の発明に係る自走式剥離洗浄作業機において、自走台車が、駆動輪を装備して走行可能な駆動部と、ノズルユニットおよび従動輪を装備して自立従動可能な従動部とを備え、両者が相互にローリングおよびピッチング可能に連結されていると、自走台車の走行に伴い、被作業面の左右の段差や前後方向の傾斜の変化に追従して従動部がローリングおよびピッチングすることにより、ノズルユニットが被作業面に追従するので好ましい。
【0018】
また、第1の発明に係る自走式剥離洗浄作業機において、前記ノズルユニットの回転ノズルの回転を検知する回転検知手段と、前記自走台車の走行を検知する走行検知手段とが設けられていると、回転ノズルの回転停止、自走台車の走行停止などの異常事態に対して迅速に対応できるので好ましい。
【0019】
一方、第2の発明に係る自走式剥離洗浄作業機は、自走台車に装備されたノズルユニットの複数の回転ノズルから略直交する被作業面のコ−ナ部に高圧流体を噴射して前記コーナ部の表面層を剥離洗浄する自走式剥離洗浄作業機において、前記ノズルユニットは、前記複数の回転ノズルの周囲を覆うスプラッシュカバーと、このスプラッシュカバーに付設されて前記コーナ部に摺接するブラシとを備え、前記ノズルユニット全体またはスプラッシュカバーが、自走台車に対してローリング可能に支持されていることを特徴とする。
【0020】
第2の発明に係る自走式剥離洗浄作業機においては、自走台車の走行に伴い、スプラッシュカバーに付設されたブラシが被作業面のコーナ部に追従して摺接する。そして、被作業面のコ−ナ部に傾斜角度などの変化がある場合には、ノズルユニット全体またはスプラッシュカバーがコーナ部に沿って延びる軸線廻りにローリングすることにより、ブラシが被作業面のコーナ部に追従して摺接する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る自走式剥離洗浄作業機の実施形態を説明する。参照する図面において、図1は第1の発明に対応した第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す側面図である。図2は第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す平面図である。図3は第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備されるノズルユニットの構造を概略的に示す横断面図である。図4は第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備されるノズルユニットの構造を概略的に示す底面図である。
【0024】
図1および図2に示すように、第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1は、自走台車2が走行可能な底面FLを被作業面とする自走式の剥離洗浄作業機である。この自走式剥離洗浄作業機1は、図3に示すように、自走台車2に装備されたノズルユニット3の複数の回転ノズル3A,3B,3C,3Dから底面FLに高圧流体を噴射してその表面層を剥離洗浄するように構成されている。
【0025】
前記の底面FLは、例えば大型石油タンク等の内部の底面であり、その表面には、例えばコーティング層Cが設けられている。そして、このコーティング層Cを剥離洗浄するため、自走式剥離洗浄作業機1の各回転ノズル3A〜3Dは、高圧流体としての高圧水流Sを底面FLに向けて噴射する。なお、前記コーティング層Cは、例えばガラスフレークやFRP等から成り、その厚さは、通常、500〜600μmである。
【0026】
図1および図2に示すように、前記自走台車2は、駆動輪4Aを装備して走行可能な駆動部4と、前記ノズルユニット3および従動輪5Aを装備することにより自立して従動可能な従動部5とを備えている。駆動輪4Aは、自走台車2の後部に左右一対配置され、従動輪5Aは、自走台車2の前部において前後に左右一対ずつ配置されている。そして、駆動部4と従動部5とは、連結機構6を介して相互に少なくともローリングおよびピッチング可能に連結されている。また、図2および図3に示すように、駆動部4には、自走台車2の走行を検知する走行検知手段7が設けられ、従動部5には、ノズルユニット3の回転ノズル3A,3B,3C,3Dの回転を検知する回転検知手段8が設けられている。
【0027】
前記駆動部4は、左右一対の駆動輪4Aの車軸4Bを回転自在に支持するメインベースプレート4Cを備え、このメインベースプレート4C上には、前記駆動輪4Aの駆動系を構成する第1油圧モータ4D、無断変速機4E等が搭載されている。第1油圧モータ4Dは一対の減速ギヤ機構4Fを介して無断変速機4Eに伝動構成され、無断変速機4Eはタイミングベルト等を使用したベルト伝動機構4Gを介して前記車軸4Bに連動構成されている。なお、前記無断変速機4Eには、変速比を調整する操作レバー4Hが付設されている。
【0028】
また、前記メインベースプレート4Cの後部にはサブベースプレート4Iが延設され、このサブベースプレート4I上には、操作レバー4J,4Kを有する油圧バルブ装置4L,4Mが搭載されている。一方の油圧バルブ装置4Lは、操作レバー4Jの操作に応じて前記第1油圧モータ4Dへの作動油の流量を制御し、他方の油圧バルブ装置4Mは、操作レバー4Kの操作に応じて前記ノズルユニット3の駆動系を構成する第2油圧モータ5Bへの作動油の流量を制御するように構成されている。
【0029】
前記従動部5は、各従動輪5Aを四隅に配置して回転自在に支持するベースプレ−ト5Cを備え、このベースプレート5C上にはギヤボックス5Dが設置されている。このギヤボックス5Dは、前記第2油圧モータ5Bとノズルユニット3のロータ軸3A(図3参照)とを伝動構成するものであり、その上面には第2油圧モータ5Bおよびロータ軸3Aの軸受け装置5Eが隣接して設置されている。
【0030】
前記連結機構6は、図1および図2に示すように、従動部5のベースプレ−ト5Cの後端中央部上に第1連結ピン6Aを介して垂直軸廻りに回動自在に設置された前部ブラケット6Bと、この前部ブラケット6Bに対し第2連結ピン6Cを介して自走台車2の左右方向に沿う横軸廻りに回動自在に連結された中間ブラケット6Dと、この中間ブラケット6Dに対し前記第2連結ピン6Cと直角に配置された第3連結ピン6Eを介して自走台車2の前後方向に沿う縦軸廻りに回動自在に連結された後部ブラケット6Fとを備えている。
【0031】
前記の後部ブラケット6Fは、第3連結ピン6Eが駆動部4の前後方向に沿う状態でメインベースプレート4Cの前端中央部上にボルト固定されている。また、前部ブラケット6Bは、左右一対の円弧状長孔6G,6Gに挿通された固定ボルト6H,6Hにより、前記ベースプレート5Cに対して第1連結ピン6A廻りの所定の回動位置に固定できるように構成されている。なお、固定ボルト6H,6Hを緩めた状態では、円弧状長孔6G,6Gの端部に固定ボルト6H,6Hが当接するまでの角度範囲で駆動部4と従動部5とが第1連結ピン6A廻りに相対回動可能となる。そして、このような連結機構6により、駆動部4と従動部5とは、第3連結ピン6Eを介して相互にローリング可能に連結され、第2連結ピン6Cを介して相互にピッチング可能に連結されると共に、第1連結ピン6Aを介して水平面内で屈曲可能に連結されている。
【0032】
前記走行検知手段7は、図2に示すように、例えば前記減速ギヤ機構4Fの従動側の軸に固定された回転確認板7Aと、メインベースプレート4Cに支持されて回転確認板7Aに対向配置された回転確認センサ7Bとを備えている。回転確認板7Aの表面には、その中心を頂点とする一対の扇形の発光部が発光体シールの貼付または発光塗料の塗布によって設けられている。そして、回転確認センサ7Bは、回転確認板7Aの発光部の回転を検出することにより、図示しない警報器を作動させるように構成されている。なお、回転確認板7Aの発光部の回転状況は目視により観察することができる。
【0033】
また、前記回転検知手段8は、図3に示すように、回転ノズルの回転駆動系により回転するシャフト、すなわちノズルユニット3のロータ軸3Aに伝動構成されて回転する検知シャフト8Aと、この検知シャフト8Aに設置された回転確認板8Bと、ギヤボックス5D上に支持されて回転確認板8Bに対向配置された回転確認センサ8Cとを備えている。回転確認板8Bの表面には、前記回転確認板7Aの発光部と同様の発光部が設けられている。そして、回転確認センサ8Cは、回転確認板8Bの発光部の回転を検出することにより、図示しない警報器を作動させるように構成されている。なお、回転確認板8Bの発光部の回転状況は目視により観察することができる。
【0034】
前記ノズルユニット3は、図3に示すように、軸受け装置5Eに上部が回転自在に支持されて垂直軸廻りに回転可能なロータ軸3Eと、その下端部に連結リング3Fを介して連結されることにより、ベースプレート5Cの下方の底面FLの近傍でロータ軸3Eと共に垂直軸廻りに回転するノズルヘッド3Gとを備えている。ロータ軸3Eは、ギヤボックス5Dを貫通する中間部分がギヤボックス5D内の減速ギヤ機構(図示省略)を介して第2油圧モータ5Bに伝動構成されている。このロータ軸3Eの中心部には高圧水流の供給通路3Hが貫通して形成されている。そして、ロータ軸3Eの上端部は、軸受け装置5Eの上部に連設されたスイベルジョイント3Jおよび高圧ホース3Kを介して図示しない高圧水流の供給源に連通されている。
【0035】
第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1において、前記ノズルヘッド3Gは、その回転駆動系を構成する第2油圧モータ5Bの負荷を減少させるため、比較的に小型に形成されている。このノズルヘッド3Gの下面には、被作業面である底面FLの重ね溶接部の溶接ビードB1に直交するように、底面FLに対して所定角度で高圧水流Sを噴射可能な溶接ビード用の回転ノズル3Aが配設されている。また、このノズルヘッド3Gの下面には、前記回転ノズル3Aと異なる角度で高圧水流Sを噴射可能な他の回転ノズル3Bが配設されている。そして、これらの回転ノズル3A,3Bは、ノズルヘッド3G内に形成された供給通路3Lを介してロータ軸3Eの供給通路3Hにそれぞれ連通されている。
【0036】
前記回転ノズル3Aおよび回転ノズル3Bは、図4に示すように、ノズルヘッド3Gの回転方向に交互に2個ずつ配置されている。そして、一方の回転ノズル3A,3Aは、ノズルヘッド3Gの回転中心を通る仮想直線Lに平行に、しかも、底面FLに対し30〜80度、好ましくは45度ほどの傾斜角度で高圧水流Sを噴射可能に配置されている。また、他方の回転ノズル3B,3Bは、ノズルヘッド3Gの回転中心を通る仮想直線Lに平行に、しかも、底面FLに対し60〜80度ほどの傾斜角度で高圧水流Sを噴射可能に配置されている。なお、前記回転ノズル3A,3Bの底面FLに対する傾斜角度は、自走式剥離洗浄作業機の作業条件に応じ、前記の角度範囲内において適宜設定することができる。例えば回転ノズル3Aの傾斜角度を70度、回転ノズル3Bの傾斜角度を80度とすることができる。
【0037】
前記ノズルヘッド3Gの外周には、例えば10個のノズルブロック3Mが放射状に配置して接続されている。各ノズルブロック3Mには、底面FLに対して略直角に高圧水流Sを噴射可能な2個の回転ノズル3C,3Dがそれぞれ配設されている。各回転ノズル3C,3Dは、ノズルヘッド3Gに対するノズルブロック3Mの取付け角度を調整することにより、被作業面である底面FLへの高圧流体の噴射角度を調整できるようになっている。また、各回転ノズル3C,3Dは、ノズルヘッド3Gの回転中心から200〜250mm程度の同芯円上に略等間隔で配置されている。そして、これらの回転ノズル3Cおよび回転ノズル3Dは、各ノズルブロック3M内に形成された供給通路3Nを介してノズルヘッド3G内の供給通路3Lにそれぞれ連通されている。
【0038】
前記の各回転ノズル3A〜3Dから噴射される高圧水流Sの飛散を防止するため、ノズルユニット3には、各ノズルブロック3Mの周囲を覆うスプラッシュカバー3Pと、その下縁部に付設されて底面FLに摺接するブラシ3Qとが設けられている。また、スプラッシュカバー3P内の高圧水流Sの噴霧および高圧水流Sによって剥離されたコーティング層Cの残渣物を吸引排除するため、ノズルユニット3には、図示省略した真空吸引装置に連通する吸引口3Rが付設されている(図2参照)。
【0039】
以上のように構成された第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1においては、自走台車2の従動部5に搭載された第2油圧モータ5Bを駆動源としてノズルユニット3のロータ軸3E、ノズルヘッド3Gおよび各ノズルブロック3Mが所定の回転速度で一体に回転する。また、駆動部4に搭載された第1油圧モ−タ4Dを駆動源として左右の駆動輪4A,4Aが回転駆動されることにより、自走台車2が0.1〜2m/min程度の速度で図1および図2の左方に走行する。そして、図3に示すように、ノズルヘッド3Gに配置された各回転ノズル3A,3Bおよび各ノズルブロック3Mに配置された各回転ノズル3C,3Dが底面FLに向けて高圧水流Sを噴射することにより、底面FLのコーティング層Cを最大幅300mm程度の左右幅に亙って剥離し、その残渣物を洗浄する。
【0040】
また、第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1においては、前述したコーティング層Cの剥離洗浄作業の際、スプラッシュカバー3Pおよびブラシ3Qは、高圧水流Sおよび残渣物がスプラッシュカバー3Pの外部に飛散するのを防止し、図示省略した真空吸引装置は、スプラッシュカバー3P内に滞留する高圧水流Sの噴霧および残渣物を吸引口3Rを介して吸引排除する。そして、走行検知手段7は、減速ギヤ機構4Fの従動側の軸の回転を監視し、回転検知手段8は、検知シャフト8Aの回転を監視する。
【0041】
このようなコーティング層Cの剥離洗浄作業において、前記溶接ビード用の回転ノズル3Aは、図5に拡大して示すように、底面FLの重ね溶接部の溶接ビードB1に対し、略直交する角度で集中的に高圧水流Sを噴射する。また、図6に示す底面FLの突き合せ溶接部の溶接ビードB2に対しては、前記回転ノズル3Aは、その回転位置に応じて溶接ビードB2の中心線の片側部分毎に、略直交する角度で集中的に高圧水流Sを噴射する。従って、第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1によれば、重ね溶接部の溶接ビードB1付近のコーティング層Cは勿論のこと、突き合せ溶接部の溶接ビードB2付近のコーティング層Cも確実に剥離して洗浄することができる。すなわち、底面FLの作業幅の全面に亙り、その剥離洗浄作業を確実に行うことができ、その作業品質を大幅に向上させることができる。
【0042】
ここで、自走台車2の走行経路の底面FLに左右の段差があり、例えば、自走台車2を構成する従動部5の左右片側の従動輪5Aのみが段差の高い側に乗り上げた場合、駆動部4は、左右方向に傾動した従動部5に対して連結機構6の第3連結ピン6E廻りに相対的にローリングし、駆動部4の左右の駆動輪4A,4Aは底面FLに確実に接触する。従って、駆動部4は左右の駆動輪4A,4Aによって底面FL上を通常通り走行することができる。
【0043】
反対に、駆動部4の左右片側の駆動輪4Aのみが段差の高い側に乗り上げた場合、従動部5は、左右方向に傾動した駆動部4に対して連結機構6の第3連結ピン6E廻りに相対的にローリングし、従動部5の各従動輪5Aは底面FLに確実に接触する。従って、従動部5に装備されるノズルユニット3の各回転ノズル3A,3B,3C,3Dは、底面FL上に所定高さを維持して追従するのであり、コーティング層Cの剥離洗浄作業をムラなく行うこができ、その作業品質を高精度に維持することができる。
【0044】
また、自走台車2の走行経路の底面FLに前後方向の傾斜の変化があり、例えば、自走台車2が底面FLの谷部や山部を通過する場合、駆動部4と従動部5とは連結機構6の第2連結ピン6C廻りに相対的にピッチングし、従動部5の各従動輪5Aは底面FLに確実に接触する。従って、従動部5に装備されるノズルユニット3の各回転ノズル3A,3B,3C,3Dは、底面FL上に所定高さを維持して追従するのであり、コーティング層Cの剥離洗浄作業をムラなく行うこができ、その作業品質を高精度に維持することができる。
【0045】
ここで、自走台車2の走行や各回転ノズル3A,3B,3C,3Dの回転が不用意に停止すると、被作業面である底面FLには、各回転ノズル3A,3B,3C,3Dから噴射される高圧水流によって円状、直線状、ピンポイント状の作業痕が発生する虞れがある。しかしながら、これらの異常事態の場合には、減速ギヤ機構4Fの従動側の軸の回転を監視している走行検知手段7や検知シャフト8Aの回転を監視している回転検知手段8が図示しない警報器を作動させる。従って、作業者は高圧水流の噴射を停止させる等の迅速な対応ができ、底面FLに作業痕が発生するという作業品質の低下を防止することができる。
【0046】
第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1においては、比較的に小型に構成されたノズルヘッド3Gに合計4個の回転ノズル3A,3Aおよび回転ノズル3B,3Bが配設され、また、ノズルヘッド3Gの周囲に放射状に配置された各ノズルブロック3Mに2個ずつ合計20個の回転ノズル3C,3Dが配設されているため、底面FLのコーティング層Cに対する剥離洗浄作業において、極めて高い作業能力および作業効率を発揮することができる。
【0047】
また、ノズルヘッド3Gの周囲に例えば10個のノズルブロック3Mを放射状に配置して接続し、各ノズルブロック3Mに少なくとも2個の回転ノズル3C,3Dを配設した構造を備えているため、ノズルヘッド3Gを大型化することなく回転ノズルの装備個数を確実に増加することができる。そして、ノズルヘッド3Gが比較的小型に構成されているため、その回転駆動系の第2油圧モータ5Bに大きな負担が掛からず、ノズルヘッド3Gおよび各ノズルブロック3Mは、その回転の初期から円滑に回転することができる。
【0048】
次に、第7図〜第10図を参照して第2の発明に対応した第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機を説明する。参照する図面において、図7は第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す側面図である。図8は第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す平面図である。図9は第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備されるノズルユニットの構造を概略的に示す図7のIX−IX線矢視図である。図10は第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備される外部吸引口の構造を概略的に示す図7のX−X線矢視図である。
【0049】
図7〜図10に示すように、第2実施形態に係る自走式剥離洗浄作業機11は、自走台車12が走行可能な大型石油タンク等の内部の底面FLと側壁面WLとのコ−ナ部を被作業面とする自走式の剥離洗浄作業機である。この自走式剥離洗浄作業機11は、自走台車12に装備されたノズルユニット13の複数の回転ノズル13A,13B,13C,13Dから高圧水流Sを噴射してコ−ナ部の表面層であるコーティング層Cを剥離洗浄するように構成されている。
【0050】
図7および図8に示すように、前記自走台車12は、駆動輪14Aを装備した駆動部14と、前記ノズルユニット13および従動輪15Aを装備することにより自立して従動可能な従動部15とを備えている。駆動輪14Aは、自走台車12の後部に左右一対配置され、従動輪15Aは、自走台車12の前部において前後に左右一対ずつ配置されている。そして、前記駆動部14と従動部15とは、連結機構16を介して垂直軸廻りに相対回動可能に連結されている。
【0051】
前記駆動部14は、第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1における駆動部4と略同様に構成されており、左右一対の駆動輪14Aの車軸14Bを回転自在に支持するメインベースプレート14C上には、駆動輪14Aの駆動系を構成する第1油圧モータ14D、無断変速機14E等が搭載されている。そして、第1油圧モータ14Dは減速ギヤ機構14Fを介して無断変速機14Eに伝動構成され、無断変速機14Eはベルト伝動機構14Gを介して前記車軸14Bに連動構成されている。また、メインベースプレート14Cの後部に延設されたサブベースプレート14I上には、操作レバー14Jの操作に応じて前記第1油圧モータ14Dへの作動油の流量を制御する油圧バルブ装置14Lと、操作レバー14Kの操作に応じて前記ノズルユニット13の駆動系を構成する第2油圧モータ13Eへの作動油の流量を制御する油圧バルブ装置14Mとが搭載されている。
【0052】
前記従動部15は、各従動輪15Aを前後左右に配置して回転自在に支持するベースプレ−ト15Bを備えている。このベースプレ−ト15Bは、図8に示すように、従動部15の左右方向の例えば左側が切欠かれたコ字状の平面形状を呈しており、その内側にはノズルユニット13が配置されている。そして、このベースプレ−ト15Bは、図7に示すように、その前後の左側部間に架設されたア−チ状のフレ−ム15Cによって補強されている。また、図8に示すように、フレ−ム15Cによって補強されたベースプレ−ト15Bの前後の左側部には、コーナ部の側壁面WLに追従して転動可能な壁面従動輪15D,15Dが付設されている。
【0053】
前記連結機構16は、図7および図8に示すように、駆動部14のメインベースプレート14Cの前端中央部に固定された連結板16Aと、従動部15のベースプレ−ト15Bの後端中央部に立設されて連結板16Aを貫通する連結ピン16Bとを備えており、連結ピン16B廻りに連結板16Aを回動させることで、駆動部4と従動部5とを垂直軸廻りに相対回動可能に連結している。そして、この連結板16Aは、左右一対の円弧状長孔16C,16Cに挿通された固定ボルト16D,16Dにより、前記ベースプレート15Cに対して連結ピン16B廻りの所定の回動位置に固定できるように構成されている。なお、固定ボルト16D,16Dを緩めた状態では、円弧状長孔16C,16Cの端部に固定ボルト16D,16Dが当接するまでの角度範囲で駆動部14と従動部15とが連結ピン16B廻りに相対回動可能となる。
【0054】
前記ノズルユニット13は、図7〜図9に示すように、支持部材を兼用する部材として、スプラッシュカバー13Fおよびその前後に一体に接続された一対のダクト13G,13Gを備えている。また、スプラッシュカバー13Fは、図9に示すように、被作業面である底面FLと側壁面WLとのコーナ部に対面する部分が開口したボックス状を呈する内側カバー13F1と、この内側カバー13F1を覆う外側カバー13F2とを備えている。
【0055】
前記内側カバー13F1は、前記各回転ノズル3A〜3Dから噴射される高圧水流Sの飛散を防止するように、各回転ノズル3A〜3Dの周囲を覆っている。そして、この内側カバー13F1には、コーナ部の底面FLに追従して転動可能な前後一対の底面ガイド車輪13H,13Hと、側壁面WLに追従して転動可能な前後一対の壁面ガイド車輪13J,13Jとが付設されている。一方、外側カバー13F2には、前記コーナ部を覆う略45度の傾斜支持壁13F3が前記一対のダクト13G,13Gの間に配置して形成されており、この傾斜支持壁13F3の外面にギヤボックス13Kが固定されている。そして、外側カバー13F2には、前記内側カバー13F1の周囲を囲む状態で前記コーナ部の底面FLおよび側壁面WLに摺接するブラシ13Lが付設されている。
【0056】
前記ダクト13G,13Gは、外側カバー13F2の内側に開口する吸引口13G1,13G1と、図示省略したフレキシブルホースを介して真空吸引装置に連通する排出口13G2,13G2とを備えており、スプラッシュカバー13F内に発生する高圧水流Sの噴霧および高圧水流Sによって剥離されたコーティング層Cの残渣物を吸引排除するように構成されている。
【0057】
第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11において、前記ダクト13G,13Gには、従動部15の前後方向に沿って突出する前後一対の支軸13M,13Mが設けられている。そして、この支軸13M,13Mが従動部15のベースプレ−ト15Bの前部および後部に配設された軸受け装置15E,15Eに回転自在に支持されることにより、ノズルユニット13は、自走台車12の従動部15に対してロ−リング可能に支持されている。
【0058】
図8および図9に示すように、前記ギヤボックス13K上には前記第2油圧モータ13Eと軸受け装置13Nとが隣接して設置され、軸受け装置13N上にはスイベルジョイント13Pが連設されている。そして、図9に示すように、軸受け装置13Nには、ギヤボックス13Kを貫通するロータ軸13Qの上部が略45度の傾斜軸廻りに回転自在に支持されている。
【0059】
前記ロータ軸13Qは、ギヤボックス13Kを貫通する中間部分がギヤボックス13K内の減速ギヤ機構(図示省略)を介して第2油圧モータ13Eに伝動構成されている。このロータ軸13Qの中心部には高圧流体の供給通路13Rが貫通して形成されている。そして、ロータ軸13Qの上端部は、スイベルジョイント13Pおよび図示しない高圧ホースを介して高圧水流の供給源に連通されている。
【0060】
前記ロータ軸13Qの下端部には、ノズルヘッド13Sが連結リング13Tを介して自転可能に連結されている。そして、このノズルヘッド13Sには、前記回転ノズル13A〜13Dが底面FLと側壁面WLとのコーナ部に向けて突設されている。回転ノズル13A,13Bは、その先端がコーナ部の隅部に臨むように、ノズルヘッド13Sの回転中心付近に1本ずつ配置されている。また、回転ノズル13C,13Dは、その先端部が底面FLおよび側壁面WLに臨むように、ノズルヘッド13Sの周辺部にそれぞれ3本ずつ円弧状に配列されている。そして、これらの回転ノズル13A〜13Dは、ノズルヘッド13S内に形成された供給通路13Uを介してロータ軸13Q内の供給通路13Rにそれぞれ連通されている。
【0061】
第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11において、前記自走台車12の進行方向におけるノズルユニット13の後方位置には、高圧水流Sによるコーティング層Cの剥離洗浄作業の残渣物を底面FLと側壁面WLとのコーナ部の隅部に沿って吸引排除可能な真空吸引装置の外部吸引口17が付設されている。この外部吸引口17は、図10に示すように、コーナ部の隅部に対面する部分が開口したボックス状に形成されており、図示省略したフレキシブルホースを介して真空吸引装置に連通構成されている。そして、この外部吸引口17は、図7に示すように、従動部5のベースプレ−ト15Bの後部にブラケット18を介して支持されている。なお、このような外部吸引口17において、コーナ部の隅部に摺接する開口部周縁は合成ゴム等の弾性部材で構成されているのが好ましい。
【0062】
以上のように構成された第2実施形態の自走式洗浄剥離作業機11においては、自走台車12のノズルユニット13に搭載された第2油圧モータ13Eを駆動源としてノズルヘッド13Sおよび各回転ノズル13A〜13Dが所定の回転速度で一体に回転する。また、駆動部14に搭載された第1油圧モータ14Dを駆動源として左右の駆動輪14A,14Aが回転駆動されることにより、自走台車12が底面FLと側壁面WLのコーナ部に沿って0.1〜2m/min程度の速度で図7および図8の左方に走行する。そして、図9に示すように、ノズルヘッド13Sに配置された各回転ノズル13A〜13Dが底面FLと側壁面WLのコーナ部に向けて高圧水流Sを噴射することにより、コーナ部のコーティング層Cを最大幅300mm程度の上下幅および左右幅に亙って剥離し、その残渣物を洗浄する。
【0063】
このようなコーティング層Cの剥離洗浄作業中、各回転ノズル13A〜13Dの周囲を覆うスプラッシュカバー13Fに付設されたブラシ13Lは、コーナ部の底面FLおよび側壁面WLに追従して摺接することにより、高圧水流Sおよび残渣物がスプラッシュカバー13Fの外部に飛散するのを防止する。また、図示省略した真空吸引装置は、スプラッシュカバー13F内に滞留する高圧水流Sの噴霧および残渣物をダクト13G,13Gの吸引口13G1,13G1から排出口13G2,13G2を介してフレキシブルホ−スにより吸引排除する。さらに、第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11において、真空吸引装置は、コーナ部の隅部に残留し易い水滴や残渣物も、スプラッシュカバー13Fの後方に配置された外部吸引口17を介して確実に吸引排除する。
【0064】
ここで、自走台車12の走行経路の底面FLが、図10に一点鎖線で示すように側壁面WL側が低く傾斜したアニュラ板で構成されている場合、ノズルユニット13の全体が従動部15のベースプレ−ト15Bに対して支軸13M,13M廻りにロ−リングし、その結果、スプラッシュカバー13Fに付設されたブラシ13Lがコーナ部の底面FLおよび側壁面WLに確実に追従して摺接する。側壁面WLが内側または外側に傾斜している場合も同様にノズルユニット13がロ−リングすることにより、ブラシ13Lがコーナ部の底面FLおよび側壁面WLに確実に追従して摺接する。従って、第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11によれば、コーナ部の底面FLや側壁面WLに傾斜角度の変化があっても、その傾斜に追従してブラシ13Lを確実に摺接させることができ、高圧水流Sおよび残渣物がスプラッシュカバー13Fの外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0065】
また、自走台車12の走行経路の側壁面WLがコーナ部の長手方向に沿って内側に湾曲している場合、自走台車12は連結ピン16B廻りに駆動部14と従動部15とが相対回動して屈曲し、従動部15に装備されるノズルユニット13のブラシ13Lは湾曲した側壁面WLにも確実に追従して摺接する。従って、第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11によれば、コ−ナ部の側壁面WLが長手方向に沿って湾曲している場合にも、その湾曲に追従してブラシ13Lを確実に摺接させることができ、高圧水流Sおよび残渣物がスプラッシュカバー13Fの外部に飛散するのを確実に防止することができる。
【0066】
なお、第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11にも、第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機1の場合と同様に、走行検知手段7および回転検知手段8を付設することができる。また、第1実施形態の自走式洗浄剥離作業機1および第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機11は、コーティング層Cの剥離洗浄作業ばかりでなく、塗装層の剥離洗浄作業や、ピッチ汚れなどの洗浄作業にも使用することができ、また、高圧流体としては、洗浄液などの各種の液体を使用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明に係る自走式剥離洗浄作業機においては、自走台車における駆動輪を装備した駆動部と、従動輪およびノズルユニットを装備した従動部とがローリングおよびピッチング可能に連結されている場合には、自走台車の走行に伴い、被作業面の左右の段差や前後方向の傾斜の変化に追従して従動部がローリングおよびピッチングし、ノズルユニットが被作業面に追従する。従って、被作業面に左右の段差や前後方向の傾斜の変化がある場合にも、被作業面に対する剥離洗浄の作業品質を高精度に維持することができる。
【0071】
さらに、第1の発明に係る自走式剥離洗浄作業機において、ノズルユニットの回転ノズルの回転を検知する回転検知手段と、自走台車の走行を検知する走行検知手段とが設けられている場合には、回転ノズルの回転停止や自走台車の走行停止などの異常事態を回転検知手段および走行検知手段により検知して異常事態に迅速に対応でき、被作業面に作業痕が発生するという作業品質の低下を未然に防止することができる。
【0072】
一方、第2の発明に係る自走式剥離洗浄作業機においては、自走台車の走行に伴い、スプラッシュカバーに付設されたブラシが被作業面のコーナ部に追従して摺接する。そして、被作業面のコーナ部に傾斜角度などの変化があると、ノズルユニット全体またはスプラッシュカバーが自走台車に対しコーナ部の傾斜に沿ってローリングすることにより、ブラシが被作業面のコーナ部に追従して摺接する。従って、第2の発明に係る自走式剥離洗浄作業機によれば、被作業面のコーナ部に傾斜角度などの変化がある場合にも、ブラシをコーナ部に確実に摺接させて高圧流体がスプラッシュカバーの外部に飛散するのを防止することができ、コーナ部に対する剥離洗浄の作業品質を高精度に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明に対応した第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す側面図である。
【図2】第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す平面図である。
【図3】第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備されるノズルユニットの構造を概略的に示す横断面図である。
【図4】第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備されるノズルユニットの構造を概略的に示す底面図である。
【図5】第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備される重ね溶接部用の回転ノズルの重ね溶接部の溶接ビードに対する作用を示す部分拡大側面図である。
【図6】第1実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備される重ね溶接部用の回転ノズルの突き合せ溶接部の溶接ビードに対する作用を示す部分拡大側面図である。
【図7】第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す側面図である。
【図8】第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機の全体構造を概略的に示す平面図である。
【図9】第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備されるノズルユニットの構造を概略的に示す図7のIX−IX線矢視図である。
【図10】第2実施形態の自走式剥離洗浄作業機に装備される外部吸引口の構造を概略的に示す図7のX−X線矢視図である。
【図11】従来例の自走式剥離洗浄作業機に装備される回転ノズル3の作用説明図である。
【符号の説明】
1 :自走式剥離洗浄作業機
2 :自走台車
3 :ノズルユニット
3A,3B:回転ノズル
3C,3D:回転ノズル
3E:ロータ軸3E
3G:ノズルヘッド
3M:ノズルブロック
3P:スプラッシュカバー
3Q:ブラシ
4 :駆動部
4A:駆動輪
5 :従動部
5A:従動輪
6 :連結機構
6A:第1連結ピン
6B:前部ブラケット
6C:第2連結ピン
6D:中間ブラケット
6E:第3連結ピン
6F:後部ブラケット
6G,6G:円弧状長孔
6H,6H:固定ボルト
7 :走行検知手段
8 :回転検知手段
8A:検知シャフト
8B:回転確認板
11 :自走式剥離洗浄作業機
12 :自走台車
13 :ノズルユニット
13A,13B:回転ノズル
13C,13D:回転ノズル
13F:スプラッシュカバー
13F1:内側カバー
13F2:外側カバー
13F3:傾斜支持壁
13G:ダクト
13G1:吸引口
13G2:排出口
13L:ブラシ
13M:支軸
13Q:ロータ軸
13S:ノズルヘッド
14 :駆動部
14A:駆動輪
15 :従動部
15A:従動輪
16 :連結機構
16A:連結板
16B:連結ピン
16C:円弧状長孔
16D:固定ボルト
17 :外部吸引口

Claims (4)

  1. 自走台車に装備されたノズルユニットの複数の回転ノズルから被作業面に高圧流体を噴射して被作業面の表面層を剥離洗浄する自走式剥離洗浄作業機において、
    前記ノズルユニットは、被作業面に直交する軸廻りに自転するノズルヘッドを備え、このノズルヘッドには、被作業面の溶接ビ−ドに直交するように被作業面に対して所定角度で高圧流体を噴射可能な溶接ビード用の回転ノズルが配設されている自走式剥離洗浄作業機であって
    前記自走台車は、駆動輪を装備して走行可能な駆動部と、ノズルユニットおよび従動輪を装備して自立従動可能な従動部とを備え、両者が相互にローリングおよびピッチング可能に連結されていることを特徴とする自走式剥離洗浄作業機。
  2. 請求項に記載の自走式剥離洗浄作業機であって、前記ノズルユニットの回転ノズルの回転を検知する回転検知手段と、前記自走台車の走行を検知する走行検知手段とが設けられていることを特徴とする自走式剥離洗浄作業機。
  3. 請求項に記載の自走式剥離洗浄作業機であって、前記回転検知手段は、回転ノズルの回転駆動系により回転する検知シャフトに設置された回転確認板を備えていることを特徴とする自走式剥離洗浄作業機。
  4. 自走台車に装備されたノズルユニットの複数の回転ノズルから略直交する被作業面のコーナ部に高圧流体を噴射して前記コーナ部の表面層を剥離洗浄する自走式剥離洗浄作業機において、
    前記ノズルユニットは、前記複数の回転ノズルの周囲を覆うスプラッシュカバーと、このスプラッシュカバーに付設されて前記コーナ部に摺接するブラシとを備え、
    前記ノズルユニット全体またはスプラッシュカバーが、自走台車に対してローリング可能に支持されていることを特徴とする自走式剥離洗浄作業機。
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