JP7117059B2 - 高圧水噴射装置および出隅ユニット - Google Patents
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Description
このような高圧水噴射装置において、高圧水により剥離されたアスベストや塗装材、使用済みの廃液を回収するためにノズルヘッドの周囲にブラシ等のカバーを取り付け、カバー内に吸込み口を設けて除去した塗装材や廃液等をバキュームポンプ等により吸引回収する機能が開発されている。最近では、出隅や入隅等、壁のコーナー部においても廃液等を吸引することが可能で、コーナー部のアスベストの除去や洗浄等が可能となってきた。
(1)壁面や床面のコーナー部の縁部分に対する洗浄および除去
壁面や床面のコーナー部に関しては、コーナー部周辺だけでなくコーナー部の縁まで高圧水を噴射して洗浄等したいという要望がある。コーナー部の縁に高圧水を噴射することができない場合は、ブラシや除去器具等を使用して別途手作業で縁の清掃等を行う必要がある。
(2)除去した塗装材や廃液等の漏れ防止
壁面や床面のコーナー部から高圧水噴射装置が突き出た状態で高圧水を噴射した場合、高圧水噴射装置の下部から除去した塗装材や廃液等が漏れ出し周囲に飛散してしまう。よって壁面や床面のコーナー部に対して高圧水噴射装置を使用する場合、確実に廃液等が外部に漏れないようにする必要がある。
(3)高圧水噴射装置のコーナー部での操作性の向上
壁面や床面のコーナー部に対して高圧水噴射装置を使用する場合であっても、スムーズに高圧水噴射装置を操作することができることが重要である。
(4)アタッチメントの取付方法の簡易化
高圧水噴射装置に別の部品(アタッチメント)を取り付けることで壁面や床面の出隅を洗浄する場合は、簡単かつ短時間にアタッチメントの取り付けおよび取り外しを可能とする必要があり、さらにアタッチメントのサイズを最小限とする等、アタッチメント不使用時の保管の際に場所をとらないように考慮する必要がある。
さらに特許文献2の壁面当接用アタッチメントに関しては形状が殻体状であり、出隅用としては2平面同時に当接する形状となっているためアタッチメントが大型化し、アタッチメントを使用しない場合の保管場所を別途確保する必要がある。
また本発明の目的は、高圧水噴射装置本体に出隅ユニットを取り付けた場合であってもスムーズに出隅周辺を移動可能な高圧水噴射装置および出隅ユニットを提供することにある。
また本発明は、高圧水噴射装置に取り付けられる出隅ユニットであって、前記出隅ユニットは、前記高圧水噴射装置に取り付けるための取付部と、前記高圧水噴射装置の開口部を一部遮蔽する被覆部と、前記被覆部の両端に設けられた補助ローラを有することを特徴とする。
本発明によれば、高圧水噴射装置の開口部(ケーシングの開口部)が出隅ユニットの被覆部により一部遮蔽されているため、高圧水噴射装置を出隅に使用した場合であっても使用済みの廃液や除去後の屑は高圧水噴射装置のケーシング内部に捉えられ、高圧水噴射装置の下部から廃液等が漏れ出して周囲に飛散するという事態を防止することが可能となる。
また本発明の出隅ユニットには前記被覆部の両端に補助ローラが設けられており、補助ローラがはつり対象面と垂直な平面に当接し高圧水噴射装置の移動に伴って回転するため、はつり対象面と垂直な平面に出隅ユニットが接触して出隅ユニットと平面との間に摩擦が生じ高圧水噴射装置を動かし難い場合であっても、補助ローラの回転により高圧水噴射装置をスムーズに移動させることが可能となる。
本発明によれば、ケーシングの開口部の先端にブラシが設けられているため、高圧水噴射装置をはつり対象面に使用する場合、はつり対象面が凹凸形状であってもブラシの柔軟性によって変形して水密性を保ち、ノズルから噴射される水の飛散を防止することが可能となる。
本発明によれば、ケーシングの外側面に設けられた複数のローラにより高圧水噴射装置をスムーズに移動することが可能となる。
本発明の補助被覆部は、被覆部材の背面下部に設けられ、弾性部材で形成された補助被覆部材を含み、高圧水噴射装置を出隅のはつり対象面に当接した場合に補助被覆部材の先端がはつり対象面と垂直な平面に当接するように設けられている。
本発明によれば、高圧水噴射装置の開口部と被覆部との境界部分から使用済みの廃液等が漏れ出した場合であっても、補助被覆部材により出隅ユニット内に排液等を捉えることが可能であり、廃液等の外部への飛散を二重に防止することが可能である。
本発明によれば、補助被覆部がブラシまたは弾性ストッパー部材等の弾性部材であるため、はつり対象面に垂直な平面が凹凸形状であっても補助被覆部材の柔軟性によって変形して水密性を保ち、廃液等の外部への飛散を二重に防止することが可能である。
本発明によれば、出隅ユニットが高圧水噴射装置に着脱自在に取り付けられるため、高圧水噴射装置を出隅に使用しない場合でも簡単に取り外し保管することができる。
さらに本発明よれば、はつり対象面と垂直な平面に出隅ユニットが接触して出隅ユニットと平面との間に摩擦が生じ高圧水噴射装置を動かし難い場合であっても、ケーシングの外側面に設けられた複数のローラと出隅ユニットに設けられた補助ローラにより高圧水噴射装置をスムーズに移動させることが可能となる。
本発明の高圧水噴射装置100は、壁面や床面の出隅に高圧水を噴射してその衝撃力により洗浄および塗床材や外壁塗装の除去を行い、使用済みの廃液および除去後の屑を吸引排出するものであり、高圧水噴射装置本体1と出隅ユニット10から構成される。高圧噴射装置100を作業員が手に持ち、壁面や床面等の出隅に沿って移動させることで、出隅部分の洗浄等を行う。
出隅ユニット10は、ケーシング3に着脱自在に取り付けることが可能な出隅用の外付け部材であり、ケーシング3に取り付けるための取付部11と、ケーシング3の開口部33を一部遮蔽する略長方形状の被覆部12と、被覆部12の他端部122から下方に伸長した当接部15と、被覆部12の下部に取り付けられた補助被覆部13と、被覆部12の両端に設けられた補助ローラ14,14から構成される。
固着手段111はネジに限らず、高圧水噴射装置本体1と出隅ユニット10を着脱可能な部材であれば種類は問わない。
当接部15の形状は、板状(図3)であってもよいし、平面M2に沿って所定間隔を空けて設けられた正方形状や球状の部材であってもよい。例えば、当接部15を平面M2に沿うように配置された複数のローラとすることで、水密性を高める効果と平面M2の滑動部材としての効果の両方を得ることができる。
被覆部12や補助被覆部13により水密性が充分確保できる場合は、当接部15はなくともよい。
本発明の実施形態に係る高圧水噴射装置100の使用方法に関して以下説明を行う。
作業者が床面および壁面の出隅部分の洗浄等を行う場合、まず高圧水噴射装置本体1に出隅ユニット10を取り付ける取付作業を行う(S101)。取付工程においては、高圧水噴射装置本体1のケーシング3の開口部33を出隅ユニット10の被覆部12で覆うようにケーシング3の外側面から出隅ユニット10を挿入し、出隅ユニット10の取付部11をケーシング3の外側面上部に固着手段111により取り付ける。本実施形態においては、出隅ユニット10の取付部11と被覆部12の間に高圧水噴射装置本体1のケーシング3を挿入して取り付けを行う。
次に、作業者が床面および壁面の出隅部分のはつり対象面M1にケーシング3の開口側に設けられたブラシ32を当接させ、出隅部分の平面M2に当接部15および補助被覆部材132を当接させる(S102)。
そして、作業者がハンドル5に設けられた高圧水を噴射するためのスイッチ(図示なし)を投入することで、ノズル2から高圧水がはつり対象面M1に向けて噴射される(S103)。
噴射された高圧水ははつり対象面M1を洗浄する。またはつり対象面M1の塗床材、外壁塗装の除去やアスベストの除去を行う(S104)。ケーシング3の開口部33がはつり対象面M1、出隅ユニット10の被覆部12および当接部15により被覆されているため、使用済みの廃液や除去後の屑はケーシング3内部に捉えられ、吸引手段(図示なし)により吸込口4から外部へ排出される。またケーシング3の開口部33と被覆部12との境界部分から使用済みの廃液等が漏れ出した場合は、補助被覆部材132により補助被覆部材132と被覆部12との間に捉えられて、吸引手段(図示なし)により吸込口4から外部へ排出される。
また、作業者はハンドル5を握りながら高圧水噴射装置100を出隅に沿って動かし、出隅全体の洗浄等を行う(S105)。高圧水噴射装置100を移動させると、はつり対象面M1をケーシング3の外側面に設けられたローラ31,31・・・が回転し、平面M2を補助ローラ14,14が回転し、高圧水噴射装置100の移動を補助する。
また、はつり対象面M1と平面M2両方に当接するローラ31および補助ローラ14により、操作が難しい高圧水噴射装置100であってもスムーズに移動させることが可能となる。
そして、出隅ユニット10がコンパクトでかつ高圧水噴射装置本体1から簡単に着脱可能であるため、高圧水噴射装置本体1を出隅に使用しない場合でも簡単に取り外し保管することができる。
1 高圧水噴射装置本体、
2 ノズル、
21 ホース取付口、
3 ケーシング、
31 ローラ、
32 ブラシ、
4 吸込口、
5 ハンドル、
10 出隅ユニット、
11 取付部、
111 固着手段、
12 被覆部、
13 補助被覆部、
132 補助被覆部材、
14 補助ローラ、
15 当接部、
M1 はつり対象面、
M2 平面(はつり対象面と垂直な平面)
Claims (4)
- はつり対象面に対して高圧水を噴射するノズルと、前記はつり対象面に対して開口部を有し前記ノズルが内部に配置されたケーシングを備えた高圧水噴射装置であって、前記高圧水噴射装置は、壁面や床面の出隅の縁まで洗浄や不要物の除去を行う出隅ユニットを備え、前記出隅ユニットは、前記高圧水噴射装置の下面側に設けられた開口部の一部を遮蔽する被覆部と、前記はつり対象面と垂直な平面に沿うように配された当接部及び補助被覆部を有し、前記開口部と前記被覆部との間から漏れ出した廃液を前記出隅ユニット内に捉えることができ、前記出隅ユニットの前記被覆部が前記出隅から突出するとともに前記当接部及び補助被覆部が前記はつり対象面と垂直な平面に当接するように配され、前記高圧水噴射装置は前記ノズルからの高圧水により前記出隅の縁まで洗浄できることを特徴とする高圧水噴射装置。
- はつり対象面に対して高圧水を噴射するノズルと、前記はつり対象面に対して開口部を有し前記ノズルが内部に配置されたケーシングを備えた高圧水噴射装置であって、前記高圧水噴射装置は、壁面や床面の出隅の縁まで洗浄や不要物の除去を行う出隅ユニットを備え、前記出隅ユニットは、前記高圧水噴射装置の下面側に設けられた開口部の一部を遮蔽する被覆部と、前記はつり対象面と垂直な平面に当接するように配された補助被覆部とを有し、前記開口部と前記被覆部との間から漏れ出した廃液を前記出隅ユニット内に捉えることができ、前記高圧水噴射装置は前記ノズルからの高圧水により前記出隅の縁まで洗浄できることを特徴とする高圧水噴射装置。
- 前記補助被覆部は、ブラシまたは弾性ストッパー部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧水噴射装置。
- 前記出隅ユニットは、前記被覆部と前記補助被覆部を構成する補助被覆部材の間において前記はつり対象面に垂直な平面に沿うように当接する当接部を有するか、又は、前記補助被覆部の先端から上方に立設して、前記はつり対象面に垂直な平面に沿うように当接する当接部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の高圧水噴射装置。
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