JP3616488B2 - 成形回路部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば内部アンテナ等において表面の一部や貫通している穴の内周面等にめっきを施して回路が形成してある成形回路部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、めっきを部分的に施したプラスチック成形品の製法を提案した。この方法として、例えば回路基板の製法について説明すると、型により一次成形品としての回路基板を成形してから、この基板の表面を粗化し、その後、触媒賦与して基板の前処理を行い、前処理した基板を型内にセットして、回路部となる部分を残してプラスチックで被覆し、回路部分のみが露出している二次成形品としての回路基板を成形し、最後にこの基板をめっきすると回路部のみがめっきされた製品が製造される。
【0003】
しかしこのような製法によると、二次成形した部分がそのまま製品に残ってしまうので、二次成形に用いられるプラスチックとしてガラス繊維などのフィラー(充填材)を混入したものを用いる場合には製造コストが高くなり、また型内で高圧で注入することを必要とする樹脂では回路部の高さを高く、その幅を広くする必要が生じて、基板全体が厚くなり、薄形にしたり小形にしたりするには限界があるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記のような問題点を解決して、二次成形した部分が製品に残らないように工程の途中で溶出することとしている。したがって、必要最小限の大きさに設定し、生分解性のある樹脂を用いて溶出させても環境を汚染することがないようにし、溶出が容易でかつ簡単な工程により製造コストを低減することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、回路部品の外形形状に合致する形状のキャビティ内にめっきグレードの液晶ポリマーを射出して一次成形品を成形する工程と、上記一次成形品を表面粗化する工程と、上記一次成形品に形成すべき回路部分を除く全表面に空隙を有する形状のキャビティ内に、表面粗化した上記一次成形品をインサートして、上記キャビティ内にオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を射出して二次成形品を成形する工程と、上記二次成形品を成形後に、露出している回路部分にパラジウム、金などによる触媒を賦与する工程と、触媒賦与後の上記二次成形品を湯中にて加熱して上記二次成形によって成形した部分を湯中に溶出させる工程と、その後で、触媒賦与部分をめっきして回路を形成する工程とを含んでいる。
【0006】
一次成形品の材質としては、めっきグレードの液晶ポリマーを用いることとしている。これは一次成形品の表面に回路を形成するために半田リフローに耐え得る半田耐熱性を備えており、更に、表面にスキン層と呼ばれる特異な構造を示すので、二次成形品との離型性にも優れているためである。二次成形品の材質としては、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を用いることとしている。これは溶融成形性に優れているので射出成形に適しており、水溶性であるので溶出が容易であり、その上に生分解性があるので環境を汚染することなく自然に還元する点で望ましいためである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一実施例を、図2及び図3に示した成形回路部品1を製造する方法について、図1(a)〜(f)の工程毎に詳細に説明する。
【0008】
図1(a)は、第一次成形工程において成形された一次成形品10を示しており、その外形形状は、最終製品である成形回路部品1に合致するもので、図示しないが通常の上下の金型の対向面に、図2,3に示すような階段状に合致する形状のキャビティが形成されており、このキャビティ内には、肉厚部に貫通孔10aを形成するためのピンが突設してある。金型を閉じた状態でキャビティ内にめっきグレードの液晶ポリマーを射出して成形する。
【0009】
液晶ポリマーは、芳香族系ポリエステル液晶ポリマーであって、例えば、「ベクトラ」(ポリプラスチックス株式会社製の商品名)のめっきグレードC810を用いる。
【0010】
この第一次成形工程の射出成形条件の一例を以下に示す。
【0011】
射出する材料 「ベクトラ」めっきグレードC810
シリンダー温度 320℃
金型温度 110℃
射出圧力 1200Kg/cm2
冷却時間 20秒
図1(b)は第2工程で、一次成形品10を表面粗化し、外周面及び貫通孔10aの内周面など全ての表面が粗面10bとなっている。このために一次成形品10を脱脂し、表面を粗化(エッチング)処理する。エッチング処理の例としては、カ性ソーダまたはカ性カリを所定濃度、例えば45wt%に溶解したアルカリ性水溶液を所定温度、例えば50〜90℃に加熱し、一次成形品10を所定時間、例えば30分浸漬して行う。このエッチングによって前記のように全ての表面が粗面10bとなる。
【0012】
図1(c)は、第二次成形工程において成形された二次成形品20を示しており、図示しないが通常の上下の金型の対向面に、一次成形品10の外周に所定の空隙を有する形状に合致する形状のキャビティが形成されており、更にこのキャビティ内には、成形回路部品1に形成される回路部分3を空隙として残さないように、回路部分と対向する位置及び貫通孔を塞ぐ位置に突条又はピンが突設してある。金型を閉じた状態でキャビティ内にオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を射出して成形する。金型から取り出した二次成形品20には、回路を形成すべき部分が凹部20aになり、凹部の底面または凹部に連通する貫通孔の内周面に一次成形品10の粗面10bが露出している。
【0013】
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂として、例えば、「エコマティAX」(日本合成化学工業株式会社製の商品名)を用いる。
【0014】
この第二次成形工程の射出成形条件の一例を以下に示す。
【0015】
射出する材料 「エコマティAX」
シリンダー温度 220℃
金型温度 80℃
射出圧力 900Kg/cm2
冷却時間 30秒
図1(d)は第4工程で、二次成形品20の凹部20aの底部に露出している一次成形品10の粗面10bに、パラジウム、金などによる触媒10cを賦与する。触媒賦与は公知の方法で行うが、例えば、錫、パラジウム系の混合触媒液に二次成形品20を浸漬した後、塩酸、硫酸などの酸で活性化し、表面にパラジウムを析出させる。または、塩化第1錫等の比較的強い還元剤を表面に吸着させ、金などの貴金属イオンを含む触媒溶液に浸漬し、表面に金を析出させる。液の温度は15〜23℃で5分間浸漬すれば良い。
【0016】
図1(e)は第5工程で、触媒賦与後の二次成形品20を湯中にて加熱して、二次成形によって成形した部分を湯中に溶出させる。二次成形品20を80℃の温水中に10分間入れておくと、「エコマティAX」を湯中に溶出させることができるが、「ベクトラ」のめっきグレードC810は熱変形温度が200℃以上であるので、何の変化も与えることがない。その後水洗する。これによって図1(b)に示す表面粗化された一次成形品10の回路を形成すべき部分に、触媒10cが賦与された状態となる。
【0017】
図1(f)は第6工程で、触媒賦与部分をめっきして回路3を形成する。めっきは化学銅めっきまたは化学ニッケルめっきなどが用いられる。これによって図2及び図3に示すように、表面の粗面10bの一部や、貫通穴10aの内周面の粗面に賦与された触媒10c上にめっきが施されて回路3が形成されるので、最後に熱処理を施して内部の水分を除去して導電性回路を形成する工程を終了し、成形回路部品1が完成する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0019】
一次成形品にめっきグレードの液晶ポリマーを用いるので、耐熱性に優れており、表面にスキン層が構成されるので二次成形品との離型性に優れている。二次成形品にオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を用いるので、溶融成形性に優れ射出成形に有利で、水溶性であるので溶出が容易であり、生分解性があるので環境を汚染することなく自然に還元する点で優れている。そして、二次成形した部分は溶出するので製品に残らず、部品を必要最小限の大きさに設定できる。また、二次成形品に覆われない部分、即ち露出している回路を形成すべき部分のみに触媒を賦与するので、材料に無駄を生じない。そして工程が簡単で製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は本発明の製造方法を各工程毎に示す断面図である。
【図2】本発明の製造方法により製造された成形回路部品の上面を示す斜視図である。
【図3】本発明の製造方法により製造された成形回路部品の底面を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 成形回路部品
10 一次成形品
10b 粗面
10c 触媒
20 二次成形品
3 回路
Claims (1)
- 回路部品の外形形状に合致する形状のキャビティ内にめっきグレードの液晶ポリマーを射出して一次成形品を成形する工程と、
上記一次成形品を表面粗化する工程と、
上記一次成形品に形成すべき回路部分を除く全表面に空隙を有する形状のキャビティ内に、表面粗化した上記一次成形品をインサートして、上記キャビティ内にオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂を射出して二次成形品を成形する工程と、
上記二次成形品を成形後に、露出している回路部分にパラジウム、金などによる触媒を賦与する工程と、
触媒賦与後の上記二次成形品を湯中にて加熱して上記二次成形によって成形した部分を湯中に溶出させる工程と、
その後で、触媒賦与部分をめっきして回路を形成する工程と
を含むことを特徴とする成形回路部品の製造方法。
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- 1997-11-10 JP JP32193797A patent/JP3616488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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