JP3615557B2 - 抗色素沈着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特に美白作用に優れた抗色素沈着剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
目尻のしわやしみ、そばかすなどの色素沈着に代表される皮膚の老化現象は、他の組織や臓器に比較して早く現れ、20代半ばから観察される場合が多い。これは、皮膚が生体の最外層にあり、紫外線、酸素、化学物質などの外的刺激(ストレス)を受けやすいためと考えられる。
このような紫外線、ストレスによるしみ、そばかすなどのメラニン色素の皮膚での沈着は、メラニン産生細胞である色素細胞の増殖や色素細胞内でのメラニン産生機能が亢進することによって生じる。最近の研究では、紫外線やストレスによって、皮膚内にこのように色素細胞を活性化する因子が増加することによってしみ、そばかすが生じることが明らかになりつつある。その防止及び美白の目的では、従来よりアスコルビン酸およびその誘導体が用いられている。
しかしながら、従来用いられているアスコルビン酸ないしその誘導体では、色素沈着の阻害効果を十分に発揮することが困難であった。
【0003】
一方、エスシン(aescin,escin)は、トリテルペノイド系サポニンで、セイヨウトチノキ種子のエキス中の有効成分として、既に抗炎症作用を有していることが知られている(応用薬理9:883,1975)。また、エスシンおよびセイヨウトチノキ種子のエキスは、抗炎症作用を有するために、皮膚のほてりを防ぐ目的で化粧料へ配合することが知られている(特開昭53−9328号公報、特開昭62−81306号公報、特開平2−117619号公報)。しかし、エスシンに抗色素沈着作用すなわち美白作用があることは、未だ全く知られていなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は色素沈着を直接的かつ効率的に抑制することのできる新しい抗色素沈着剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らは鋭意検討した結果、エスシンおよびその塩が優れた抗色素沈着作用を有し、しかも安全性の点でも優れていることを見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、エスシンおよびその塩から選ばれる1種または2種以上からなることを特徴とする抗色素沈着剤である。
【0005】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明のエスシンおよびその塩は、皮膚での色素細胞活性化因子の産生を抑制する作用があり、その結果、色素細胞のメラニン産生および色素細胞の増殖を抑制する。本発明では、このような作用のことを抗色素沈着作用と称することとし、通常用いられている美白作用と同義である。
本発明抗色素沈着剤の有効成分であるエスシンおよびその塩は、既に抗炎症作用、肉芽形成に対する抑制作用を有していることが知られている。しかし、その抗色素沈着作用は未だ全く知られていない。かかるエスシンおよびその塩は、セイヨウトチノキ種子等の植物からの抽出、あるいは公知の方法で合成することができる。それらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、塩基性アミノ酸またはアルカノールアミン等、およびエステル等が挙げられ、具体的にはエスシンナトリウム、エスシンカリウム、エスシンアンモニウム等が例示される。これらエスシンまたはその塩は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エスシンおよびその塩の配合量は、その使用形態、使用目的、使用方法、剤型などに応じて適宜選択できるが、通常は組成物全量に対して0.05〜20.0重量%、好ましくは2.0〜5.0重量%である。また、皮膚化粧料中に配合する場合には、組成物全量に対して2.0重量%以上を使用することが望ましい。
【0006】
エスシンおよびその塩は、トラネキサム酸および/またはアルブチンと併用することによって美白作用はさらに増強される。ここで用いられるトラネキサム酸およびアルブチンの美白作用は公知(特開昭62−249134号公報、特公平4−15764号公報)である。その場合のトラネキサム酸および/またはアルブチンの配合量は、適宜選択できるが、通常は組成物全量に対して0.05〜20.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%である。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明の抗色素沈着剤の有効成分であるエスシンおよびその塩は、局所的にも全身的にも悪影響を及ぼさないことが知られている。
【0007】
さらに、本発明の抗色素沈着剤は、前記必須成分の他、α−トコフェロール、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン等の抗酸化剤や紫外線吸収剤とともに用いても良い。
本発明の抗色素沈着剤の外用剤には、常法に従って、乳液、ローション、クリーム、ゼリー、パック、粉末剤、軟膏等の種々の剤型の化粧料とすることができ、さらに前述した必須成分以外に通常用いられる他の成分、例えば、賦形剤、油分、界面活性剤、防腐剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤、色剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0008】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、実施例に先立ち、本発明の有効成分の効果試験例を挙げて、本発明の有効性を示す。表1の処方に基づき常法によって化粧水を調製し、美白効果を調べた。
【0009】
<試験方法>
顔面に、しみ、そばかす等を有する年齢28〜47才の女性35名をパネルとし、一群7名とし5群に分け、各成分含有化粧水を1日1回3ケ月間、毎日顔面に塗布させ、使用後の美白効果を下記の判定基準に基づいて判定した。
<判定基準>
著効:色素沈着が目立たなくなった。
有効:色素沈着がかなり薄くなった。
やや有効:色素沈着がやや薄くなった。
無効:色素沈着に変化がなかった。
<判定>
A:被験者のうち著効および有効の示す割合が90%以上の場合
B:被験者のうち著効および有効の示す割合が70〜90%の場合
C:被験者のうち著効および有効の示す割合が50〜70%の場合
D:被験者のうち著効および有効の示す割合が50%未満の場合
<結果>
結果は処方と共に表1に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0003615557
【0011】
この結果から、本発明の抗色素沈着剤は、美白効果に優れることがわかる。
次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。配合量は重量%である。
【0012】
実施例1 バニシングクリーム
ステアリン酸 5.0
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチルアルコールエステル 8.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
エスシン 0.5
プロピレングリコール 10.0
グリセリン 4.0
苛性カリ 0.2
防腐剤・抗酸化剤 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコール、苛性カリおよびエスシンを加え、溶解し、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保ち反応を起こさせる。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0013】
実施例2 中性クリーム
ステアリルアルコール 7.0
ステアリン酸 2.0
ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレン(25モル)セチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
アルブチン 5.0
エスシンナトリウム 0.8
防腐剤・抗酸化剤 適量
イオン交換水 残余
(製法)
イオン交換水にアルブチンおよびエスシンナトリウムを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0014】
実施例3 コールドクリーム
固型パラフィン 5.0
密ロウ 10.0
ワセリン 15.0
流動パラフィン 41.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
トラネキサム酸 1.0
エスシン 0.8
ブチルヒドロキシトルエン 0.4
石鹸粉末 0.1
硼砂 0.2
イオン交換水 残余
香料 適量
防腐剤 適量
(製法)
イオン交換水に石鹸粉末、硼砂、トラネキサム酸およびエスシンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相をかきまぜながら徐々に加え、反応を行う。反応終了後、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0015】
実施例4 乳液
ステアリン酸 2.5
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
ポリオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
エスシン 5.0
α−トコフェール 0.5
イオン交換水 残余
香料 適量
防腐剤 適量
(製法)
イオン交換水にポリエチレングリコール、トリエタノールアミンおよびエスシンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0016】
実施例5 乳液
マイクロクリスタリンワックス 1.0
密ロウ 2.0
ラノリン 20.0
流動パラフィン 10.0
スクワラン 5.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
プロピレングリコール 7.0
トラネキサム酸 0.1
エスシン 2.0
イオン交換水 残余
香料 適量
防腐剤・抗酸化剤 適量
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコール、トラネキサム酸およびエスシンを加え、加熱溶解して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0017】
実施例6 化粧水
(アルコール相)
95%エチルアルコール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0
プロピレングリコール 4.0
オレイルアルコール 0.1
レシチン 2.5
(水相)
グリセリン 0.8
エスシンナトリウム 0.5
イオン交換水 残余
紫外線吸収剤 適量
(製法)
水相、アルコール相を調製後、可溶化する。
【0018】
実施例7 ピールオフ型パック
(アルコール相)
95%エタノール 10.0
ポリオキシエチレン(15モル)オレイルアルコールエーテル 2.0
エスシン 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
(水相)
ポリビニルアルコール 12.0
グリセリン 3.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
トラネキサム酸 3.0
イオン交換水 残余
(製法)
80℃にて水相を調製し、50℃に冷却する。次いで室温で調製したアルコール相を添加後、均一に混合し、冷却する。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の抗色素沈着剤は、本発明において特徴的な必須成分の作用により、美白効果に優れ、肌のしみ、そばかすを防ぎ、きめの整ったしっとりとした皮膚にする、安全性の高いものである。

Claims (5)

  1. エスシンおよびその塩から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする抗色素沈着剤。
  2. エスシンおよびその塩から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする美白剤。
  3. 請求項1に記載の抗色素沈着剤または請求項2に記載の美白剤を0.35〜20重量%配合したことを特徴とする美白用皮膚化粧料。
  4. エスシンおよびその塩から選ばれる1種または2種以上を用いて肌の美白を行うことを特徴とする美白方法。
  5. 請求項1に記載の抗色素沈着剤または請求項2に記載の美白剤を水相または油相に添加して美白用皮膚化粧料を製造することを特徴とする美白用皮膚化粧料の製造方法。
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