JP3349544B2 - 皮膚化粧料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は皮膚化粧料、さらに詳し
くは、使用時に水、化粧水、美容液または乳液と混合す
ることにより、冷たい感触が得られる用時混合型の非水
系皮膚化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、化粧料の塗布時に皮膚に冷た
い感触を与える目的で、低級アルコールのような揮発性
の成分等を添加してきた。

【０００３】

【発明が解決しようする課題】しかしながら、このよう
な揮発性成分は、かなり多量に加えないとその効果が発
揮されず、また、多量に加えた場合、系が不安定になっ
たり、使用性が悪くなったり、さらには安全性に悪影響
を及ぼす等の問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に鑑み、化粧料塗布時に冷たい感触が得られ、かつ安定
で、使用性に優れ、安全性の高い化粧料を得るべく鋭意
研究を重ねた結果、エリスリトールを含有する非水系皮
膚化粧料に、使用時、水、化粧水、美容液または乳液を
混合することにより、上記の問題を解決できることを見
いだし、本発明を完成するにいたった。すわなち、本発
明はエリスリトールを含有することを特徴とする用時混
合型の非水系皮膚化粧料である。以下、本発明の構成に
ついて詳述する。

【０００５】本発明で用いられるエリスリトールは、４
単糖の糖アルコールである。

【０００６】本発明におけるエリスリトールの配合量は
化粧料中０．０１〜１００重量％、好ましくは０．１〜
８０重量％である。０．０１重量％未満ではその効果は
発揮されない。

【０００７】本発明の皮膚化粧料には、エリスリトール
の他に通常化粧料に配合される成分、たとえば、流動パ
ラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、
スクワラン、アルモンド油、オリブ油、硬化油、ヒマシ
油、モクロウ、ヤシ油、ミツロウ、ラノリン、カルナバ
ロウ、パーム油等の油分、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレ
イン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコール、セタノール、
ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステ
ロール等の高級アルコール、ミリスチン酸イソプロピ
ル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピ
ル等のエステル類、クエン酸、酒石酸、乳酸等の酸、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミ
ン等のアルカリ、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤、グリセリ
ン、プロピレングリコール、１，３−ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ピロリド
ンカルボン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ヒ
アルロン酸等の保湿剤、タルク、炭酸カルシウム、酸化
チタン等の粉末、パラベン等の防腐殺菌剤、カルボキシ
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシ
ビニルポリマー等の増粘剤、黄酸化鉄、チタンエロー、
カーサミン等の着色料、ニンジン、アロエ、ゼニアオ
イ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、メリッサ、セイヨ
ウノコギリソウ、ヘチマ、ユリ、オウバク、シャクヤ
ク、センブリ、バーチ、ビワ等の抽出物、ニコチン酸ア
ミド等のビタミン類などを適宜配合することができる。

【０００８】本発明の皮膚化粧料は、上記のような成分
で構成され、水をほとんど含まないものであり、使用時
に水、化粧水、美容液または乳液等と混合して用いるも
のである。本発明の皮膚化粧料に多量の水をはじめから
配合しておくと、使用時に水、化粧水、美容液または乳
液を加えても冷たい感触が得られない。

【０００９】本発明の皮膚化粧料の用途は任意であり、
乳液、クリーム、美容液、パック等のフェーシャル化粧
料、ファンデーション、メイキャップ化粧料、ボディー
用化粧料、洗浄料等に用いることができる。

【００１０】

【実施例】つぎに実施例をあげて、本発明を具体的に明
らかにする。なお本発明はこれに限定されるものではな
い。配合量は重量％である。

【００１１】化粧料使用時の冷感試験 ［試験方法］ 女性健康人２０名に、エリスリトールを含有する調合粉
末と、エリスリトールを含有しない調合粉末を、使用直
前に粉末に対して２倍量（重量）の水を加えてから顔面
に塗布させ、どちらが冷たい感触が得られるかを比較さ
せた。判定基準は表１に示す。

【００１２】

【表１】

【００１３】表２に示す配合組成よりなる調合粉末を混
合し、実施例１と比較例１の皮膚化粧料を得た。試験結
果も併せて表２に示す。

【００１４】

【表２】

【００１５】実施例１及び比較例１より、エリスリトー
ルが皮膚塗布時に冷たい感触を与えることがわかる。

【００１６】実施例２ 粉末化粧料 エリスリトール ５３ ポリエチレングリコール ５ アラントイン ５ グリセリン ３ アスコルビン酸 ３０ コンドロイチン硫酸ナトリウム １ イノシット ２ メタリン酸ナトリウム １ −製法− 上記の各種成分を混合し、粉末化粧料を得た。なお、使
用時は水、化粧水、美容液または乳液を加えて用いる。

【００１７】実施例３ 乳液 Ａ．油相 流動パラフィン ２０ ラノリンアルコール ５ ラノリン脂肪酸グリセリル １０ 油溶性甘草エキス １ グリチルレチン酸ステアリル ２ パラオキシ安息香酸エチル ２ Ｂ．グリセリン相 グリセリン ２５ プロピレングリコール １０ エリスリトール ２０ トリリン酸アデノシン ２ 塩酸ピリドキシン ３ 香料 適量 −製法− Ａの油相部とＢのグリセリン相部をそれぞれ７０℃に加
熱溶解させ、Ａの油相部をＢのグリセリン部に加え、乳
化機で乳化する。乳化物を熱交換機を用いて冷却し、乳
液を得た。使用時にはこれに水、化粧水、美容液または
乳液を加えて用いる。

【００１８】実施例４ パック Ａ．粉末 カオリン ４４ タルク ２０ 酸化亜鉛 ２０ Ｂ．油相 スクワラン ２ ポリオキシエチレン（４０）ソルビトールラノリン １ 香料 適量 Ｃ．グリセリン相 グリセリン ８ エリスリトール ５ −製法− Ｃのグリセリン相部にＢの油相部を溶解させ、これをＡ
の粉末部に均一に噴霧し混合する。使用時にはこれに
水、化粧水、美容液または乳液を加えて用いる。

【００１９】実施例５ ボディー化粧料 Ａ．油相 ミリスチルアルコール １０ 流動パラフィン １０ パラアミノ安息香酸エチル ８ セスキステアリン酸メチルグルコシド １５ ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール ３ パラオキシ安息香酸エチル ２ パルミチン酸アスコルビル ２ 香料 適量 Ｂ．グリセリン相 グリセリン ２０ プロピレングリコール ２０ エリスリトール １０ −製法− 実施例３に同じ。

【００２０】実施例６ ファンデーション Ａ．油相 イソステアリン酸 ６ オレイルアルコール ２ ワセリン ２ スクワラン １５ ジイソステアリン酸ジグリセリル １ 酢酸ｄｌ−α−トロフェロール １ 香料 適量 Ｂ．粉末 タルク １０ 酸化チタン １０ ベンガラ １ 黄酸化鉄 １．５ カオリン ７ Ｃ．プロピレングリコール相 プロピレングリコール １５ ポリエチレングリコール １５ トレハロース １０ トリエタノールアミン ２ リン酸Ｌ−アスコルビルマグネシウム ０．５ 合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム １ −製法− Ａの油相部とＣの水相部をそれぞれ７０℃に加熱溶解
し、Ａの油相部にＢの水相部を加え、乳化機で乳化す
る。これを５０℃まで冷却後、Ｂの粉末を加えよく撹拌
し、ファンデーションを得る。使用時には湿ったスポン
ジで皮膚に塗布すると冷たい感触が得られる。

【００２１】

【発明の効果】本発明の皮膚化粧料は、使用時に水、化
粧水、美容液または乳液と混合することにより、冷たい
感触が得られる用時混合型の非水系皮膚化粧料である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 難波 富幸 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂 第一リサーチセンター 内 (56)参考文献 特開 平２−72106（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−124118（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−7212（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−７（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 C07C 31/24 ＣＡ（ＳＴＮ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エリスリトールを含有することを特徴とす
   る用時混合型の非水系皮膚化粧料。