JP3615328B2 - 壁掛型空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本体フレームの前面に着脱自在に取付けられるキャビネットを備えた壁掛型空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、利用側熱交換器、送風機等を収納する本体フレームと、本体フレームの前面に取付けられるキャビネットと、このキャビネットの前面に取付けられる前面パネルとを備えた壁掛型空気調和機は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のものでは、キャビネットは本体フレームに着脱自在に取付けられ、本体フレームに収容される利用側熱交換器、送風機等の点検時には、このキャビネットを取り外してから点検が行われているが、従来の構造によれば、キャビネットを着脱する作業が困難になるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術が有する課題を解消し、キャビネットを簡単に着脱できるようにした壁掛型空気調和機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、利用側熱交換器、送風機等を収納する本体フレームと、この本体フレームの前面に取付けられ、正面斜め下側には吹出口が形成され、かつ、この吹出口にはドレンパン及び風向変更羽根を支持する吹出し枠が固定されたキャビネットと、このキャビネットの前面に取付けられる前面パネルとを備えた壁掛型空気調和機において、前記キャビネットにはそれの上部と下部から略水平に一体的に延びる固定爪をそれぞれ設ける一方、前記本体フレームの上部内面には前記キャビネット上部の固定爪が係止される係止孔を設け、更に、前記吹出し枠には前記キャビネット下部の固定爪が係止される凹部を形成して成り、前記本体フレームに対して前記キャビネットを前後に水平移動させることにより、前記本体フレームと前記キャビネットとを着脱可能に形成すると共に、前記本体フレームへのキャビネットの装着状態において、前記キャビネットの下部と本体フレームとをビスを介して締着する構成としたことを特徴とする。
【0006】
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は、一般的な家庭用の空気調和機を示す斜視図である。この種の空気調和機は、室内に配置される壁掛型の利用側ユニットAと、室外に配置される熱源側ユニットBとからなり、両者は冷媒管300によりつながれている。
【0009】
図2は、図1に示す空気調和機の冷媒回路図である。1はインバータスイッチにより周波数制御されるいわゆるインバータ圧縮機(能力可変型の圧縮機)である。圧縮機の能力可変手段としては他にDCモータを用いた場合の電圧制御又は容量可変弁を用いた場合の吐出量制御などがある。このインバータ圧縮機(以下、単に「圧縮機」という。)1から吐出される冷媒の脈動による振動・騒音を抑えるためにマフラー2が設けられる。3は冷房/暖房運転時の冷媒の流れを切り替えるための四方切換弁、4は熱源側熱交換器、5はキャピラリーチューブ、6はスクリーンフィルタ、7は利用側熱交換器、8はマフラー、9はアキュームレータ、10は電磁開閉弁である。
【0010】
圧縮機1から吐出される冷媒は、四方切換弁3の切り替わり位置と電磁開閉弁10の開閉とに応じて実線の矢印(冷房運転)、点線の矢印(暖房運転)、実線中点の矢印(除霜運転)の3つのモードに従い、流れる方向が決まる。
【0011】
冷房運転時には、図2に実線矢印で示すように、圧縮機1から吐出された冷媒は、マフラー2、四方切換弁3、熱源側熱交換器(室外熱交換器)4、減圧器としてのキャピラリーチューブ5、スクリーンフィルタ6、利用側熱交換器(室外熱交換器)7、マフラー8、四方切換弁3、アキュームレータ9の順序で冷媒回路を循環し、利用側熱交換器7が蒸発器として機能し、キャピラリーチューブ5で減圧される。暖房運転時には、破線の矢印で示すように、圧縮機1から吐出された冷媒は、マフラー2、四方切換弁3、マフラー8、利用側熱交換器(室外熱交換器)7、スクリーンフィルタ6、キャピラリーチューブ5、熱源側熱交換器(室外熱交換器)4、四方切換弁3、アキュームレータ9の順序で冷媒回路を循環し、熱源側熱交換器4が蒸発器として機能して、キャピラリーチューブ5で減圧される。除霜運転時(暖房運転中)には、圧縮機1から吐出される高温の冷媒の一部が、熱源側熱交換器4の温度を上昇させるために、熱源側熱交換器4に直接供給される。これにより、熱源側熱交換器4の温度が上昇し除霜が行われる。尚、この除霜運転が充分に機能しない時(外気温が特に低い時など)には逆サイクル除霜(実線の矢印の流れ)で強制的に除霜が行われる。
【0012】
図3は利用側ユニットAの断面図、図4は同じく分解斜視図である。100は本体フレームを示す。この本体フレーム100には、制御箱16と送風機17とモータ18と利用側熱交換器7とドレンパン27と、更には、図3を参照して、空気清浄器19と縦羽根31と横羽根35とが収容されている。
【0013】
尚、図4を参照して、参照符号17aは軸受、17bは軸受カバー、更に、18aは本体フレーム100に固定されるモータブラケットである。
【0014】
本体フレーム100の前面には、図3及び図4に示すように、キャビネット101とフィルター103と前面パネル105とが取付けられ、本体フレーム100の下面には、本体フレーム下部カバー107が取付けられている。
【0015】
本体フレーム100の上面、キャビネット101の正面及び上面、並びに前面パネル105には、吸込口41が形成され、キャビネット101の正面斜め下側には吹出口43が形成されている。この吹出口43は、図3に示すように、本体フレーム100の内部の吹出通路49につながり、この吹出通路49は、送風機17からの空気を吹出口43に案内している。この吹出通路49は、吹出し枠109と、本体フレーム底板15とにより囲まれている。この実施の形態によれば、上記吹出し枠109は、上面にドレンパン27を支持し、下面に縦羽根31、横羽根35からなる風向変更羽根を支持している。
【0016】
図4を参照して、符号110は裏板であり、この裏板110は、複数本のビスを用いて壁面に固定される。この裏板110の上端には係止体110aが突出し、この係止体110aには、利用側ユニットAの本体フレーム100の上縁が引っ掛けられる。この本体フレーム100は、上縁が引っ掛けられた後、図示を省略した複数本のビスを用いて裏板110に固定される。
【0017】
この実施の形態によれば、図5に示すように、本体フレーム100には利用側熱交換器7、電装箱16等が収納される。また、吹出し枠109にはこの空気調和機の制御情報を表示する液晶表示器51が支持され、この液晶表示器51は表示部53と本体55とで構成されている。
【0018】
本体フレーム100とキャビネット101とを連結する場合には、キャビネット101を、図6に示すように、本体フレーム100側に水平移動させる。この場合には、このキャビネット101の周縁部101aが、前記本体フレーム100の周縁部100aに嵌合するまで、キャビネット101を水平移動させる。このように水平移動させると、本体フレーム100内の利用側熱交換器7、電装箱16等はキャビネット101内に収容される。なお、図6において、符号120はサッシュグリルである。
【0019】
このキャビネット101の周縁部101aが、前記本体フレーム100の周縁部100aに嵌合する場合には、図6を参照して、キャビネット101の上部からほぼ水平に一体的に延びる固定爪115が、前記本体フレーム100の上部内面に進入して、この固定爪115は、図3及び図7に示すように、前記本体フレーム100の係止孔117に係止される。
【0020】
それとともに、図8に示すように、キャビネット101の下部からほぼ水平に一体的に延びる固定爪119が、前記本体フレーム100に固定される吹出し枠109の凹所121に着脱自在に係止される。ここで、この図8に示す固定爪119は、図3のC部に相当する位置に設けられる。
【0021】
そして、最後に、キャビネット101の下部が、図9に示すように、本体フレーム100に対して、二本のビス123を用いて固定される。
【0022】
本体フレーム100からキャビネット101を取り外す場合には、二本のビス123を外した後に、キャビネット101の下部からほぼ水平延びる固定爪119を外し、ついで、キャビネット101の下部を、図9に示すように、矢印方向に回動させて、キャビネット101の上部の固定爪115を外す。しかる後、キャビネット101を水平方向に引っ張るようにして離脱する。
【0023】
すなわち、この実施の形態によれば、本体フレーム100に対してキャビネット101を前後に水平移動させることにより、本体フレーム100とキャビネット101とを連結したり、離脱することが可能になる。
【0024】
これによれば、本体フレーム100とキャビネット101との着脱は、スムーズに行われ、本体フレーム100に収容される利用側熱交換器7、電装箱16等の点検時にはこのキャビネット101の取り外しが簡単に行われる。
【0025】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。
【0026】
例えば、固定爪115,119の形状には限定されず、キャビネット101を水平移動させることにより、本体フレーム100とキャビネット101とを連結させる時に、自動的にロックがかかるような形状であれば、どのような形状であってもかまわないことは明らかである。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、利用側熱交換器、送風機等を収納する本体フレームと、この本体フレームの前面に取付けられ、正面斜め下側には吹出口が形成され、かつ、この吹出口にはドレンパン及び風向変更羽根を支持する吹出し枠が固定されたキャビネットと、このキャビネットの前面に取付けられる前面パネルとを備えた壁掛型空気調和機において、前記キャビネットにはそれの上部と下部から略水平に一体的に延びる固定爪をそれぞれ設ける一方、前記本体フレームの上部内面には前記キャビネット上部の固定爪が係止される係止孔を設け、更に、前記吹出し枠には前記キャビネット下部の固定爪が係止される凹部を形成して成り、前記本体フレームに対して前記キャビネットを前後に水平移動させることにより、前記本体フレームと前記キャビネットとを着脱可能に形成すると共に、前記本体フレームへのキャビネットの装着状態において、前記キャビネットの下部と本体フレームとをビスを介して締着する構成としているので、キャビネット下部に締着するビスの着脱後に、本体フレームに対してキャビネットを前後に水平移動させることにより、本体フレームとキャビネットとを着脱させることが可能であるため、本体フレームとキャビネットとの着脱をスムーズに行うことができ、本体フレームに収容される利用側熱交換器、電装箱等の点検時には、このキャビネットの取り外しが簡単に行われるのは勿論のこと、本体フレームに対してキャビネットの上下両部が係着されるため、キャビネット下部におけるビスの着脱も容易となせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分離型空気調和機を示す斜視図である。
【図2】同じく冷媒回路図である。
【図3】利用側ユニットの断面図である。
【図4】同じく分解斜視図である。
【図5】液晶表示器の取付状態を示す斜視図である。
【図6】本体フレームにキャビネットを取付ける状態を示す斜視図である。
【図7】キャビネットの上部の固定爪を示す断面図である。
【図8】キャビネットの下部の固定爪を示す断面図である。
【図9】本体フレームにキャビネットを取り外す状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
7 利用側熱交換器
17 送風機
27 ドレンパン
31 縦羽根(風向変更羽根)
35 横羽根(風向変更羽根)
43 吹出口
100 本体フレーム
101 キャビネット
105 前面パネル
109 吹出し枠
115,119 固定爪
117 係止孔
121 凹所(凹部)
123 ビス
Claims (1)
- 利用側熱交換器、送風機等を収納する本体フレームと、この本体フレームの前面に取付けられ、正面斜め下側には吹出口が形成され、かつ、この吹出口にはドレンパン及び風向変更羽根を支持する吹出し枠が固定されたキャビネットと、このキャビネットの前面に取付けられる前面パネルとを備えた壁掛型空気調和機において、
前記キャビネットにはそれの上部と下部から略水平に一体的に延びる固定爪をそれぞれ設ける一方、前記本体フレームの上部内面には前記キャビネット上部の固定爪が係止される係止孔を設け、更に、前記吹出し枠には前記キャビネット下部の固定爪が係止される凹部を形成して成り、
前記本体フレームに対して前記キャビネットを前後に水平移動させることにより、前記本体フレームと前記キャビネットとを着脱可能に形成すると共に、前記本体フレームへのキャビネットの装着状態において、前記キャビネットの下部と本体フレームとをビスを介して締着する構成としたことを特徴とする壁掛型空気調和機。
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