JP3615273B2 - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型レジスト組成物、さらに詳しくは、高感度、高解像性で、かつ耐熱性、焦点深度幅特性、引置き経時安定性及びレジスト溶液の保存安定性に優れるとともに、基板依存性がなくプロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できる紫外線、遠紫外線、KrF、ArFなどのエキシマレーザー、X線、及び電子線などの放射線に感応する化学増幅型のポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICやLSIなどの半導体素子は、ホトレジスト組成物を用いたホトリソグラフイー、エッチング、不純物拡散及び配線形成などの工程を数回繰り返し製造されている。ホトリソグラフイーにおいては、ホトレジスト組成物をシリコンウエーハ上に回転塗布などにより塗布し薄膜を形成し、それをマスクパターンを介して、紫外線などの放射線を照射し、現像してレジストパターンを形成したのち、前記レジストパターンを保護膜としてエッチングが行われている。これまで、前記ホトリソグラフイーで使用されているホトレジスト組成物は、それに要求される解像性が、サブミクロン(1μm以下)、ハーフミクロン(0.5μm以下)程度であり、g線(436nm)、i線(365nm)などの紫外線を利用したアルカリ可溶性ノボラック樹脂とキノンジアジド基含有化合物を基本成分としたポジ型ホトレジストで十分実用に供することができた。
【0003】
しかしながら、近年、半導体素子の微細化が益々高まり、今日ではクオーターミクロン(0.25μm以下)の超微細パターンを用いた超LSIの量産がはじまろうとしている。このようなクオーターミクロンの超微細パターンを得るには、従来のアルカリ可溶性ノボラック樹脂とキノンジアジド基含有化合物を基本成分としたポジ型ホトレジストでは困難なことから、より短波長の遠紫外線(200〜300nm)、KrF、ArFなどのエキシマレーザー、電子線及びX線を利用したレジストの開発が要望されている。かかるレジストとして高解像性が達成される上に、放射線の照射により発生した酸の触媒反応、連鎖反応が利用でき量子収率が1以上で、しかも高感度が達成できる化学増幅型レジストが注目され、盛んに開発が行われている。
【0004】
上記化学増幅型レジストとしては、例えばポリヒドロキシスチレンの水酸基をtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換した樹脂成分とオニウム塩などの酸発生剤を組み合わせたレジスト組成物が米国特許4,491,628号明細書に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記レジスト組成物は、解像度、焦点深度幅特性において十分なものでない上に、露光後一定時間放置した後、現像した場合、化学増幅型レジストに特有の露光により発生した酸の失活に起因するパターン形状劣化の問題(以下引置き安定性という)、すなわちレジストパターン上部が庇状に連なってしまうブリッジングの問題がある。このようなブリッジングができると所望の配線パターンが得られないため、半導体素子製造において致命的なものとなる。このような引置き経時の問題を解決する方法として、レジスト層上に露光により発生した酸の失活を防止するためトップコート層を設ける方法があるが、このような方法は、製造工程が増えスループットが悪くなる上に、コスト高となるため好ましくない。そこで、トップコート層を設ける必要のない引置き安定性に優れたレジストの出現が強く望まれている。
【0006】
また、上記化学増幅型レジストは、シリコン窒化膜(SiN)、ホウ素−リン−シリケートガラス(BPSG)などの絶縁膜やチタンナイトライド(TiN)の膜を設けた基板に対して裾引きのパターン形状となる問題(以下基板依存性という)がある。これは前記膜を形成する際に基板付近にアミンが残存し、これにより露光で発生した酸が失活し、裾引きの形状となるものと推測されている。
【0007】
さらに、アルミニウム−珪素−銅(Al−Si−Cu)の合金、タングステン(W)などの金属膜を設けた基板を使用すると定在波の影響を受けパターン断面形状が波形となる問題がある。これらの基板依存性と定在波の問題点を解決する方法としては、基板とレジスト層との間に反射防止層を設ける方法があるが、この方法は上述トップコート層と同様に製造工程が増えスループットが悪くなる上に、コスト高となるため好ましくない。そこで、基板依存性がなく反射防止層を設ける必要がなく、しかも定在波の影響を受けにくいプロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できるレジストが強く望まれている。
【0008】
上記問題点に加えて、従来のレジスト組成物は、それを溶液としたとき、しばしばその保存中に異物が発生するなど保存安定性に欠けるという問題点がある。そのため、前記異物の発生しない保存安定性に優れたレジスト溶液が得られるレジスト組成物であることも要望されている。
【0009】
こうした現状に鑑み、本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂成分として、異なる2種の置換基を特定の割合でそれぞれ置換し、かつ特定の分子量を有するポリヒドロキシスチレンの混合物及び放射線の照射により酸を発生する化合物を使用し、さらに有機カルボン酸化合物を配合することで、高感度、高解像性で、耐熱性、引置き経時安定性、焦点深度幅特性及びレジスト溶液の保存安定性に優れるとともに、基板依存性がなくプロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できる紫外線、遠紫外線、KrF、ArFなどのエキシマレーザー、X線、及び電子線などの放射線に感応する化学増幅型のポジ型レジスト組成物が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
【0010】
本発明は、放射線、特にdeep−UVやKrF、ArFなどのエキシマレーザー光に対する光透過性に優れ、高感度、高解像性で、耐熱性、焦点深度幅特性、引置き経時安定性及びレジスト溶液の保存安定性に優れるポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、基板依存性がなくプロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、(A)酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂成分、(B)放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)有機カルボン酸化合物を含むポジ型レジスト組成物において、(A)成分が(a)水酸基の10〜60モル%が一般式化5
【0013】
【化5】
Figure 0003615273
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rはメチル基又はエチル基で あり、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基である)
で表わされる残基で置換された重量平均分子量8,000〜22,000のポリヒドロキシスチレンと(b)水酸基の10〜60モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された重量平均分子量8,000〜22,000のポリヒドロキシスチレンとの混合物であることを特徴とするポジ型レジスト組成物に係る。
【0014】
上記(A)樹脂成分の混合割合は、(a)成分が30〜90重量%、(b)成分が10〜70重量%、好ましくは(a)成分が50〜80重量%、(b)成分が20〜50重量%の範囲がよい。そして前記(a)成分における一般式化5で表わされる残基の具体例としては、例えば1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−イソプロポキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−イソブトキシエトキシ基、1−(1,1−ジメチルエトキシ)−1−メチルエトキシ基、1−メトキシ−1−メチルエトキシ基、1−エトキシ−1−メチルエトキシ基、1−n−プロポキシ−1−メチルエトキシ基、1−イソブトキシ−1−メチルエトキシ基、1−メトキシ−n−プロポキシ基、1−エトキシ−n−プロポキシ基などが挙げられる。中でも、特に1−エトキシエトキシ基及び1−メトキシ−n−プロポキシ基が感度、解像力がバランス良く向上するので好ましい。
【0015】
本発明のポジ型レジスト組成物では、酸発生剤から生じる酸がtert−ブトキシカルボニルオキシ基や一般式化5で表わされる残基を分解し、これらが樹脂成分の露光部におけるアルカリに対する溶解性と未露光部における溶解阻害能を程よく釣り合わせ、高感度、高解像性及び高耐熱性を達成することができるとともに、焦点深度幅特性をも向上させることができる。
【0016】
上記(a)成分は、ポリヒドロキシスチレンの水酸基を、例えば1−クロロ−1−エトキシエタンや1−クロロ−1−メトキシプロパンなどにより、公知の置換反応に従い前記一般式化5の残基で置換したもので、その置換率は10〜60モル%、好ましくは20〜50モル%が好ましい。この置換率が10モル%未満では形状の優れたパターンが得られず、また60モル%を超えるとレジストの感度が低下するため好ましくなく、実用的には20〜50モル%が有効である。
【0017】
一方、(b)成分は、ポリヒドロキシスチレンの水酸基を、例えばジーtert−ブチル−ジ−カーボネートなどにより、公知の置換反応に従いtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換したもので、その置換率は10〜60モル%、好ましくは20〜50モル%の範囲が好ましい。この置換率が10モル%未満ではプロファイル形状に優れたレジストパターンが得られず、また60モル%を超えると感度が低下するため好ましくなく、実用上は20〜50モル%が有効である。
【0018】
上記各樹脂成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC法)に基づきポリスチレン基準で8,000〜22,000の範囲である。重量平均分子量が前記範囲未満では被膜性が良好でなく、また前記上限範囲を超えるとアルカリ水溶液に対する溶解性が劣る。さらに、本発明の樹脂成分は重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比で表わされる分子量分布(M/M)が3〜5の範囲であるのが好ましい。重量平均分子量及び分子量分布が前記範囲にあることにより焦点深度幅特性及びレジスト溶液の保存安定性が向上する。
【0019】
本発明で使用する酸発生剤としては、従来より酸発生剤として公知のものを使用することができ、特に制限はないが、具体的には(a)ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−エチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類、(b)2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフエノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−メタンスルホニル−2−メチル−(4−メチルチオ)プロピオフエノン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オンなどのスルホニルカルボニルアルカン類、(c)1−p−トルエンスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−メチルスルホニル−4−フエニル−2−ブタノン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−シクロヘキシルスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−アセチル−1−(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−ベンゼンスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3−メチル−2−ブタノン、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸tert−ブチル、2−ジアゾ−2−メタンスルホニル酢酸イソプロピル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸tert−ブチルなどのスルホニルカルボニルジアゾメタン類、(d)p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸2,4−ジニトロベンジルなどのニトロベンジル誘導体、(e)ピロガロールのメタンスルホン酸エステル、ピロガロールのベンゼンスルホン酸エステル、ピロガロールのp−トルエンスルホン酸エステル、ピロガロールのp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、ピロガロールのメシチレンスルホン酸エステル、ピロガロールのベンジルスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのメタンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのベンゼンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのp−トルエンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのメシチレンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのベンジルスルホン酸エステルなどのポリヒドロキシ化合物と脂肪族または芳香族スルホン酸エステル類などを挙げることができる。前記没食子酸アルキルにおけるアルキル基は、炭素数1〜15のアルキル基、特にオクチル基及びラウリル基が好ましい。また、(f)次の一般式化6、化7で表わされるオニウム塩系酸発生剤、(g)一般式化8で表わされるベンゾイントレシート系酸発生剤も使用できる。
【0020】
【化6】
Figure 0003615273
(R及びRは、アリール基、置換基を有するアリール基であり、それ ぞれ同一であっても異なってもよく、XはAsF 、PF 、BF SbF 、CFSO のいずれかである)
【0021】
【化7】
Figure 0003615273
(R、R及びRは、アリール基、置換基を有するアリール基であり、それぞれ同一であっても異なってもよく、XはAsF 、PF 、BF SbF 、CFSO のいずれかである)
【0022】
【化8】
Figure 0003615273
(R、R10はアリール基、置換基を有するアルール基であり同一でも異なっていてもよく、R11、R12は水素原子、低級アルキル基、水酸基、ア リール基であり同一でも異なってもよい。nは0又は1である)
【0023】
上記一般式化6、7で表わされるオニウム塩の具体的なものとしては、以下の化9〜30の化合物が挙げられる。
【0024】
【化9】
Figure 0003615273
【0025】
【化10】
Figure 0003615273
【0026】
【化11】
Figure 0003615273
【0027】
【化12】
Figure 0003615273
【0028】
【化13】
Figure 0003615273
【0029】
【化14】
Figure 0003615273
【0030】
【化15】
Figure 0003615273
【0031】
【化16】
Figure 0003615273
【0032】
【化17】
Figure 0003615273
【0033】
【化18】
Figure 0003615273
【0034】
【化19】
Figure 0003615273
【0035】
【化20】
Figure 0003615273
【0036】
【化21】
Figure 0003615273
【0037】
【化22】
Figure 0003615273
【0038】
【化23】
Figure 0003615273
【0039】
【化24】
Figure 0003615273
【0040】
【化25】
Figure 0003615273
【0041】
【化26】
Figure 0003615273
【0042】
【化27】
Figure 0003615273
【0043】
【化28】
Figure 0003615273
【0044】
【化29】
Figure 0003615273
【0045】
【化30】
Figure 0003615273
【0046】
上記オニウム塩の中でトリフルオロメタンスルホネートを陰イオンとするオニウム塩が半導体素子製造の際に使用されるリン、ホウ素、アンチモンなどの拡散剤として用いられる原子を含まないため好ましい。
【0047】
(vii)ベンゾイントシレート系酸発生剤の具体的なものとしては以下の化31〜35の化合物が挙げられる。
【0048】
【化31】
Figure 0003615273
【0049】
【化32】
Figure 0003615273
【0050】
【化33】
Figure 0003615273
【0051】
【化34】
Figure 0003615273
【0052】
【化35】
Figure 0003615273
【0053】
上記酸発生剤は1種を用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。前記酸発生剤の中で、エキシマレーザ用のレジストに好適なものとしては特にビススルホニルジアゾメタン系酸発生剤が好ましく、中でもビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン又はビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、或はこれらの混合物が好適である。特にこれらの混合物はより高感度となるため好ましい。
【0054】
また、電子線用レジストの酸発生剤としては、上記(i)、(iii)以外の酸発生剤、特には、(iv)のニトロベンジル誘導体、中でもp−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、(v)のポリヒドロキシ化合物の脂肪族又は芳香族スルホン酸エステル、中でもピロガロールトリメシレート、(vi)のオニウム塩、中でもビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、及び(vii)ベンゾイントシレート系酸発生剤が好ましい。上記酸発生剤の配合割合は、樹脂成分100重量部に対し1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の割合である。酸発生剤が1重量部未満の配合では効果が不十分であり、20重量部を超えると、溶剤に溶け切れず、また樹脂成分との混和性が悪くなる。
【0055】
本発明においては有機カルボン酸化合物を添加することにより、度、解像度に優れ、断面形状の良好なレジストパターンを形成できるとともに、露光後の引置き経時安定性にも優れるレジスト組成物となる。さらには種々の基板に対して断面形状の良好なレジストパターンが得られるようになる。
【0056】
本発明で使用する有機カルボン酸化合物としては、飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、芳香族カルボン酸などいずれも使用でき、特に限定されるものではなく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの1価或は多価脂肪族カルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘキシルジ酢酸などの脂環式カルボン酸、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、メタクリル酸、4−ペンテン酸、プロピオル酸、2−ブチン酸、マレン酸、フマル酸、アセチレンカルボン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸、オキシ酢酸などのオキシカルボン酸、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸などのアルコキシカルボン酸、ピルビン酸などのケトカルボン酸や一般式化36
【0057】
【化36】
Figure 0003615273
[式中、R13及びR14はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ビニル基を表す(ただし、R13及びR14が共に水素原子の場合は除く。)]
及び一般式化37
【0058】
【化37】
Figure 0003615273
[式中、nは0又は1〜10の整数を示す]
で表される芳香族カルボン酸などが挙げることができるが、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、及び芳香族カルボン酸が好ましく使用される。
【0059】
上記一般式化36で表される芳香族カルボン酸としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−3−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、2−ニトロ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2ービニル安息香酸、4ービニル安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを挙げることができ、特にo−位に置換基を有する安息香酸、例えばo−ヒドロキシ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、フタル酸などが好適である。
【0060】
また、一般式化37で表される芳香族カルボン酸化合物としては、式中のnが単一のもののみ、または異種のものを組み合わせても使用することができるが、実用的にはフェノール化合物として市販されているSAX(商品名、三井東圧化学社製)が好ましく用いられる。
【0061】
上記一般式化36及び化37で表される芳香族カルボン酸化合物は、それぞれ単独でも2種以上を混合して用いてもよい。これらの芳香族カルボン酸化合物の配合により断面形状の良好なレジストパターンを形成することができるとともに、露光後の引置き経時安定性が優れ、露光後に施される加熱処理までの時間の長さに関係なく、良好なプロファイル形状が形成でき、特に一般式化37で表される芳香族カルボン酸化合物は矩形の断面形状が形成できるため好適である。
【0062】
本発明組成物で使用される上記有機カルボン酸化合物の配合量としては、樹脂成分及び酸発生剤の合計量に対して0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲で用いられる。有機カルボン酸化合物の配合量が0.01重量%未満では断面形状の良好なレジストパターンが得られず、また1重量%を超えると現像性が低下するため好ましくない。
【0063】
本発明のポジ型レジスト組成物は上記樹脂成分、酸発生剤及び有機カルボン酸化合物に加えて感度や解像性を向上させるため吸光剤を配合するのが良い。前記吸光剤としては、例えば1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのポリフェノール類のナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸エステル、ベンゾフエノンを挙げることができ、これらの吸光剤を配合することにより感度及び解像性の向上効果に優れるとともに、定在波の影響を抑制し断面形状が波状とならず矩形のレジストパターンを形成する作用をも有するため好ましく使用できる。この吸光剤の配合量としては上記した(A)樹脂成分と(B)酸発生剤との合計量に対して30重量%を超えない範囲で配合され、好ましくは0.5〜15重量%の範囲で配合される。この配合量が30重量%を超えるとプロファイル形状が悪くなるため好ましくない。
【0064】
本発明のポジ型レジスト組成物は、その使用に当たっては上記成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフエニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0065】
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されているものを添加含有させることができる。
【0066】
上記本発明のポジ型レジスト組成物を溶剤に溶解しそれをスピンナー等を用いて、例えばシリコン窒化膜(SiN)、BPSG等の絶縁膜を設けた基板、チタンナイトライド(TiN),Al−Si−Cu、タングステン等の金属膜を設けた基板等に塗布し、乾燥し、感光層を形成させたのち、縮小投影露光装置等により、deepーUV光、エキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して照射するか、電子線により描画し、現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のような弱アルカリ性水溶液などを用いて現像処理すると、マスクパターンに忠実で良好なレジストパターンが各種基板に依存することなく形成される。
【0067】
【実施の形態】
次に製造例及び実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0068】
製造例1
(水酸基8モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンの合成)
重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0のポリヒドロキシスチレン120gをN,N−ジメチルアセトアミド680gに溶解し、この溶液の中にジ−tert−ブチル−ジ−カーボネート17.4gを加え、かき混ぜて完全に溶解したのち、かき混ぜながらトリエチルアミン59gを約15分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間かき混ぜた。次いで、得られた溶液に対して20倍量の純水を加え、かき混ぜて水酸基がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンを析出させた。該析出物を純水で洗浄、脱水、乾燥して、水酸基の8モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)125gを得た。
【0069】
製造例2
(水酸基の35モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンの合成)
製造例1において、ジ−tert−ブチル−ジ−カーボネートの添加量を76.5gに代えた以外は、製造例1と同様にして、水酸基の35モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)145gを得た。
【0070】
製造例3
(水酸基の39モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンの合成)
製造例1において、ジ−tert−ブチル−ジ−カーボネートの添加量を85.0gに代えた以外は、製造例1と同様にして、水酸基の39モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)150gを得た。
【0071】
製造例4
(水酸基の70モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンの合成)
製造例1において、ジ−tert−ブチル−ジ−カーボネートの添加量を153gに代えた以外は、製造例1と同様にして、水酸基の70モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)180gを得た。
【0072】
製造例5
(水酸基の35モル%をエトキシエトキシ基で置換したポリヒドロキシスチレンの合成)
重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0のポリヒドロキシスチレン120gをN,N−ジメチルアセトアミド680gに溶解し、この溶液の中に1−クロロ−1−エトキシエタン37.2gを加え、かき混ぜて完全に溶解したのち、かき混ぜながらトリエチルアミン78.8gを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間かき混ぜた。次いで、得られた溶液に対して20倍量の純水を加え、かき混ぜて水酸基の35モル%が1−エトキシエトキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)130gを得た。
【0073】
製造例6
(水酸基の8モル%がメトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンの合成)
重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0のポリヒドロキシスチレン120gをN,N−ジメチルアセトアミド680gに溶解し、この溶液の中に1−クロロ−1−メトキシプロパン8.6gを加え、かき混ぜて完全に溶解したのち、かき混ぜながらトリエチルアミン78.8gを約30分間かけて滴下した。滴下終了後、そのまま約3時間かき混ぜた。次いで、得られた溶液に対して20倍量の純水を加え、かき混ぜて水酸基が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンを析出させた。該析出物を洗浄、脱水、乾燥して、水酸基の8モル%が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)125gを得た。
【0074】
製造例7
(水酸基の39モル%がメトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒ
ドロキシスチレンの合成)
製造例6において、1−クロロ−1−メトキシプロパンの添加量を42.3gに代えた以外は、製造例6と同様にして水酸基の39モル%が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)130gを得た。
【0075】
製造例8
(水酸基の70モル%がメトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレンの合成)
製造例6において、1−クロロ−1−メトキシプロパンの添加量を75.6gに代えた以外は、製造例6と同様にして水酸基の70モル%が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)150gを得た。
【0076】
実施例1
製造例2で得られた水酸基の35モル%をtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換したポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)1.48gと製造例5で得られた水酸基の35モル%をエトキシエトキシ基で置換したポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)1.48gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.148gとベンゾフエノン0.093gとo−ヒドロキシ安息香酸0.0032gを更に加えて溶解して得られた溶液を孔径0.2μmのメンブレンフイルターでろ過したものをポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0077】
調製された塗布液をスピンナーを使用して6インチシリコンウエ−ハ上に塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間乾燥して膜厚0.7μmのレジスト膜を得た。この膜に縮小投影露光装置NSR−2005EX8A(ニコン社製)を用い、テストチャートマスクを介してエキシマレーザーを露光したのち、120℃、90秒間加熱し、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像し、30秒間水洗・乾燥してレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、若干トップが丸みを帯びているが、定在波の影響はなく矩形に近い良好なものであり、0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。また、目視で確認できる大面積のレジストパターンがパターニングされ基板表面が現れる最小露光量(以下最小露光量という)を測定した結果、7mJ/cmであった。さらに、形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性(熱によるフローが生じる温度)を調べた結果、130℃であった。焦点深度幅として0.25μmのラインアンドスペースパターンが1:1に形成される焦点の最大幅(μm)が1.0μm以上をAとし、1.0μm未満をBとして評価したところ、Aであった。このレジスト溶液を褐色ビン中25℃で保存し保存安定性を調べたところ、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0078】
また、露光処理を施したのち、15分間静置してから120℃、90秒間の加熱処理を施した以外は、上記と同様にしてレジストパターンを形成したところ、側面が垂直で良好なプロファイル形状の0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0079】
実施例2
実施例1の塗布液の調製において、ベンゾフェノンを除いた以外は実施例1と同様の操作によりレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、若干トップが丸みを帯び、波を打っているが支障のない程度のものであり、矩形に近い良好なもので、0.23μmのラインアンドスペースパターンが形成された。また、最小露光量を測定した結果、8mJ/cmであった。さらに、形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0080】
また、露光処理を施したのち、15分間静置してから120℃、90秒間の加熱処理を施した以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、良好なプロファイル形状の0.23μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0081】
実施例3
実施例1の塗布液の調製において、o−ヒドロキシ安息香酸の代わりに、フエノール化合物として市販されているSAX(商品名、三井東圧化学社製)0.0062gを加えた以外は実施例1と同様の操作によりレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、定在波の影響はなく矩形状の良好なものであり、0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。また、最小露光量を測定した結果、7mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0082】
また、露光処理を施したのち、15分間静置してから120℃、90秒間の加熱処理を施した以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、側面が垂直で、かつ矩形の良好なプロファイル形状の0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0083】
実施例4
実施例1の塗布液の調製において、oーヒドロキシ安息香酸の代わりにアクリル酸0.0062gを加えた以外は実施例1と同様の操作によりレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、定在波の影響はなく矩形状の良好なものであり、0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。また、最小露光量を測定した結果、7mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0084】
また、露光処理を施したのち、15分間静置してから120℃、90秒間の加熱処理を施した以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、側面が垂直で良好なプロファイル形状の0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0085】
実施例5
製造例3で得られた水酸基の39モル%をtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換したポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)1.05gと製造例7で得られた水酸基の39モル%を1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換したポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)1.95gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.21gとo−ニトロ安息香酸0.009gを更に加えて、溶解して得られた溶液を孔径0.2μmのメンブレンフイルターでろ過し、ポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0086】
調製された塗布液をスピンナーを使用して6インチシリコンウエ−ハ上に塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間乾燥して膜厚0.7μmのレジスト膜を得た。この膜に縮小投影露光装置NSR−2005EX8A(ニコン社製)を用い、テストチャートマスクを介して露光したのち、110℃、90秒間加熱し、次いで2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像し、30秒間水洗し、次いで乾燥させレジストパターンを形成したところ、0.22μmのラインアンドスペースパターンが形成された。そのレジストパターン断面は、若干波を打っているものの支障のない程度のものであり、矩形で良好なものであった。また、最小露光量を測定した結果、15mJ/cmであった。さらに、形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0087】
実施例6
実施例5の塗布液の調製において、o−ニトロ安息香酸をSAX(商品名、三井東圧化学社製)に代え、さらにベンゾフェノン0.128gを加えた以外は、実施例5と同様の操作によりレジスト特性の評価を行ったところ、0.22μmのラインアンドスペースパターンが形成され、そのレジストパターン断面は、定在波の影響はなく矩形で良好なものであった。また、最小露光量を測定した結果、13mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0088】
実施例7
実施例5の塗布液の調製において、oーニトロ安息香酸をサリチル酸に代え、かつその添加量を0.003gに代え、さらにベンゾフェノン0.128gを加えた以外は、実施例5と同様にして塗布液を調製した。
【0089】
次いで、実施例5と同様なレジスト特性の評価を行ったところ、0.22μmのラインアンドスペースパターンが形成され、そのレジストパターン断面は、トップがやや丸みを帯びているが、定在波の影響はなく矩形に近い良好なものであった。また、最小露光量は7mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0090】
実施例8
実施例5の塗布液の調製において、oーニトロ安息香酸を、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸0.009g代えた以外は、実施例5と同様にして塗布液を調製した。
【0091】
次いで、実施例5と同様なレジスト特性の評価を行ったところ、0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成され、そのレジストパターン断面は、若干波を打っているが支障のない程度のものであり、矩形で良好なものであった。また、最小露光量を測定した結果、13mJ/cmであった。形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
さらに、露光処理を施したのち、30分間静置してから110℃、90秒間の加熱処理を施した以外は、上記と同様にしてレジストパターンを形成したところ、側面が垂直で良好なプロファイル形状の0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0092】
実施例9
実施例8の塗布液の調製において、さらにベンゾフェノン0.12gを加えた以外は実施例8と同様にしてポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0093】
次いで、実施例8と同様なレジスト特性の評価を行ったところ、0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成され、そのレジストパターン断面は、定在波の影響はなく矩形で良好なものであった。また、最小露光量は、13mJ/cmであった。さらに、形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0094】
また、露光処理を施したのち、30分間静置してから110℃、90秒間の加熱処理を施したものは、側面が垂直で良好なプロファイル形状の0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0095】
比較例1
製造例2で得られた水酸基の35モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン2.96gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート0.09gを加えて溶解して得られた溶液を0.2μmメンブレンフイルターでろ過したものをポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0096】
調製した塗布液を使用して実施例1と同様の操作によりシリコンウェーハ上にレジストパターンを形成したが、0.30μmのラインアンドスペースパターンが限界であり、そのレジストパターン断面は、庇状の不良なものであった。また、最小露光量を測定した結果、10mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べたところ、140℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところBであった。
【0097】
上記露光処理を施したのち、15分間静置してから120℃、90秒間の加熱処理を施した後のレジストパターン形状はTトップ形状であり、0.5μmのラインアンドスペースパターンが限界であった。
【0098】
比較例2
製造例5で得られた水酸基の35モル%をエトキシエトキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン2.96gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.148gとベンゾフエノン0.093gを更に加えて溶解して得られた溶液を0.2μmメンブレンフイルターでろ過したものをポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0099】
調製した塗布液を使用して実施例1と同様の操作によりレジストパターンを形成したところ、0.25μmのラインアンドスペースパターンが限界であり、そのレジストパターン断面は、逆三角形状の不良なものであった。また、最小露光量を測定した結果、7mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べたところ、120℃であった。
【0100】
比較例3
製造例1で得られた水酸基の8%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン1.05gと製造例6で得られた水酸基の8%がメトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン1.95gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.21g、o−ニトロ安息香酸0.009g、ベンゾフェノン0.128gを更に加えて、溶解して得られた溶液を0.2μmメンブレンフイルターでろ過し、ポジ型レジストの塗布液を調製した。
【0101】
上記塗布液について実施例5と同様のレジスト特性の評価を行ったが、レジストパターンが得られず、評価が不能であった。
【0102】
比較例4
製造例2で得られた水酸基の35モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000)1.48gと製造例5で得られた水酸基の35モル%をエトキシエトキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000)1.48gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.148gとベンゾフエノン0.093gを更に加えて溶解して得られた溶液を0.2μmメンブレンフイルターでろ過して塗布液を調製した。
【0103】
調製された塗布液をスピンナーを使用して6インチシリコンウエ−ハ上に塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間乾燥して膜厚0.7μmのレジスト膜を得た。この膜に縮小投影露光装置NSR−2005EX8A(ニコン社製)を用い、テストチャートマスクを介して露光したのち、120℃、90秒間加熱したのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像し、30秒間水洗、乾燥してレジストパターンを形成したところ、0.21μmのラインアンドスペースパターンが形成され、そのレジストパターン断面は、若干台形状であるが、定在波の影響はなく矩形に近い良好なものであった。また、目視で確認できる大面積のレジストパターンがパターニングされ基板表面が現れる最小露光量(以下最小露光量という)を測定した結果、7mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性(熱によるフローが生じる温度、以下耐熱性という)を調べた結果、130℃であった。
【0104】
しかしながら、露光処理を施したのち、15分間静置してから120℃、90秒間の加熱処理を施したものは、Tシェープ形状となり、0.3μmのラインアンドスペースパターンが最小解像度であった。
【0105】
比較例5
製造例4で得られた水酸基の70%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換たポリヒドロキシスチレン1.05gと製造例8で得られた水酸基の70%が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン1.95gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.21g、SAX(商品名、三井東圧化学社製)0.009g、ベンゾフェノン0.128gを更に加えて、溶解して得られた溶液を0.2μmメンブレンフイルターでろ過し、ポジ型レジストの塗布液を調製した。
【0106】
上記塗布液について実施例5と同様のレジスト特性の評価を行ったところ、0.3μmのラインアンドスペースパターンが限界であり、そのレジストパターン断面は、T字形を呈し不良なものであった。また、最小露光量は20mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。
【0107】
比較例6
製造例1で得られた水酸基の8%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換たポリヒドロキシスチレン1.05gと製造例8で得られた水酸基の70%が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン1.95gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.21g、フタル酸0.009g、ベンゾフェノン0.128gを更に加えて、溶解して得られた溶液を0.2μmメンブレンフイルターでろ過し、ポジ型レジストの塗布液を調製した。
【0108】
上記塗布液について実施例5と同様のレジスト特性の評価を行ったところ、0.3μmのラインアンドスペースパターンが限界であり、そのレジストパターン断面は、逆三角形に近い形を呈し不良なものであった。また、最小露光量は10mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。
【0109】
実施例10
実施例1において、基板をシリコン窒化絶縁膜(SiN)が形成されたシリコンウェーハとした以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、定在波の影響がなく矩形に近い良好なものであり、0.23μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0110】
実施例11
実施例1において、基板をTiNの金属膜が形成されたシリコンウェーハとした以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、定在波の影響がなく矩形に近い良好なものであり、0.23μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0111】
実施例12
実施例3において、基板をBPSG絶縁膜が形成されたシリコンウェーハとした以外は、実施例3と同様にしてレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、定在波の影響がなく矩形に近い良好なものであり、0.23μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0112】
比較例7
比較例1において、基板をTiN金属膜が形成されたシリコンウェーハとした以外は、比較例1と同様にしてレジストパターンを形成した。形成されたレジストパターン断面は、基板界面部に裾引きの現れたものであり、0.30μmのラインアンドスペースパターンが形成された。
【0113】
比較例8
比較例4のレジストを使用してSiN膜が設けられたシリコンウェーハに比較例4と同様にレジストパターンを形成したところ裾引きの形状となった。
【0114】
実施例13
製造例3で得られた水酸基の39モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)0.9g、製造例5で得られた水酸基の35モル%をエトキシエトキシ基で置換したポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)2.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ピロガロールトリメシレート0.15g、サリチル酸6.3mgを更に加えて、溶解して得られた溶液を孔径0.2μmのメンブレンフイルターでろ過し、ポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0115】
調製された塗布液をスピンナーを使用して6インチシリコンウエ−ハ上に塗布し、ホットプレートで90℃、90秒間乾燥して膜厚0.7μmのレジスト膜を得た。この膜に電子線照射装置HL−8000(日立製作所社製)を用い描画したのち、110℃、90秒間加熱し、それを2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間パドル現像し、30秒間水洗し、次いで乾燥させレジストパターンを形成したところ、0.12μmのコンタクトホールが形成され、そのレジストパターン断面は、垂直で良好なものであった。また、このときの露光量を測定した結果、25μC/cmであった。
【0116】
実施例14
実施例13において、酸発生剤であるピロガロールトリメシレートをビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートに代え、その添加量を0.15gとした以外は、実施例13と同様にして、ポジ型レジストの塗布液を調製した。
【0117】
次いで、実施例13と同様な処理でレジストパターンを形成したところ、0.15μmのコンタクトホールが形成され、そのレジストパターン断面は、垂直で良好なものであった。また、このときの露光量は10μC/cmであった。
【0118】
実施例15
実施例13において、酸発生剤であるピロガロールトリメシレートをp−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジルに代え、その添加量を0.15gにした以外は、実施例13と同様にして、ポジ型レジストの塗布液を調製した。
【0119】
次いで、実施例13と同様な処理でレジストパターンを形成したところ、0.14μmのコンタクトホールが形成され、そのレジストパターン断面は、垂直で良好なものであった。また、このときの露光量は35μC/cmであった。
【0120】
実施例16
実施例13において、酸発生剤であるピロガロールトリメシレートをトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートに代え、その添加量を0.15gとした以外は、実施例13と同様にして、ポジ型レジストの塗布液を調製した。
【0121】
次いで、実施例13と同様な処理でレジストパターンを形成したところ、0.15μmのコンタクトホールが形成され、そのレジストパターン断面は、垂直で良好なものであった。また、このときの露光量は10μC/cmであった。
【0122】
実施例17
製造例3で得られた水酸基39モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)0.9g、製造例7で得られた水酸基の39モル%が1−メトキシ−n−プロピルオキシ基で置換されたポリヒドロキシスチレン(重量平均分子量20,000、分子量分布(M/M)4.0)2.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート16.8gに溶解したのち、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン0.03g、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン0.15g、o−ヒドロキシ安息香酸0.0064gを更に加えて、溶解して得られた溶液を孔径0.2μmのメンブレンフイルターでろ過し、ポジ型レジストの塗布液として調製した。
【0123】
調製された塗布液について実施例5と同様のレジスト特性の評価を行ったところ、0.2μmのラインアンドスペースパターンが形成され、そのレジストパターン断面は、若干波を打っているものの実際の使用において支障のない程度のものであり、矩形で良好なものであった。また、最小露光量は5mJ/cmであった。さらに形成された0.5μmのラインパターンの耐熱性を調べた結果、130℃であった。実施例1と同様に焦点深度幅を評価したところAであった。さらに、レジスト溶液の保存安定性について調べた結果、6ヶ月間異物の発生がなかった。
【0124】
【発明の効果】
上記本発明のポジ型レジスト組成物は、高感度であり、クオーターミクロン以下の高解像性を有し、かつ耐熱性、焦点深度幅特性、引置き経時安定性に優れ、基板依存性がなくプロファイル形状の優れたレジストパターンを形成できるレジスト組成物であり、クオーターミクロンの解像性が必要とされる半導体素子の製造プロセスに十分適用できる。さらに、従来技術として挙げた水酸基がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された樹脂成分と酸発生剤からなるレジスト組成物に比べ、レジスト特性に優れ、製造工程を増やすトップコート層や反射防止層を設けることなく、単層で半導体素子の製造が行えるので、低コストであり、その効果は極めて大きく、実用的である。

Claims (15)

  1. (A)酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂成分、(B)放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)有機カルボン酸化合物を含むポジ型レジスト組成物において、(A)成分が(a)水酸基の10〜60モル%が一般式化1
    Figure 0003615273
    (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rはメチル基又はエチル基で あり、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基である)
    で表わされる残基で置換された重量平均分子量8,000〜22,000のポリヒドロキシスチレンと(b)水酸基の10〜60モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された重量平均分子量8,000〜22,000のポリヒドロキシスチレンとの混合物であることを特徴とするポジ型レジスト組成物。
  2. (A)成分が(a)水酸基の10〜60モル%が一般式化2
    Figure 0003615273
    (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rはメチル基又はエチル基で あり、Rは炭素数1〜4の低級アルキル基である)
    で表される残基で置換された重量平均分子量8,000〜22,000、分子量分布(M/M)3〜5のポリヒドロキシスチレンと(b)水酸基の10〜60モル%がtert−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された重量平均分子量8,000〜22,000、分子量分布(M/M)3〜5のポリヒドロキシスチレンとの混合物である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. (A)成分が(a)成分30〜90重量%と(b)成分10〜70重量%の混合物である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  4. (A)成分が(a)成分50〜80重量%と(b)成分20〜50重量%の混合物である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  5. (B)成分がビススルホニルジアゾメタン系酸発生剤であることを特徴とする請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  6. (B)成分がニトロベンジル系酸発生剤、ポリヒドロキシ化合物の脂肪族又は芳香族スルホン酸エステル系酸発生剤、オニウム塩系酸発生剤、及びベンゾイントシレート系酸発生剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  7. (B)成分の配合量が(A)成分100重量部に対し1〜20重量部である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  8. (C)成分が、芳香族カルボン酸、脂環式カルボン酸、及び不飽和脂肪族カルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  9. 芳香族カルボン酸化合物が、一般式化3
    Figure 0003615273
    [式中、R13及びR14はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、ビニル基を表す(ただし,R13及びR14が共に水素原子の場合は除く。)]
    で表される化合物であることを特徴とする請求項8記載のポジ型レジスト組成物。
  10. 芳香族カルボン酸化合物が、一般式化4
    Figure 0003615273
    (式中、nは0又は1〜10の整数を示す)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項8記載のポジ型レジスト組成物。
  11. 脂環式カルボン酸が1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1,1−シクロヘキシルジ酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載のポジ型レジスト組成物。
  12. 不飽和脂肪族カルボン酸化合物がアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、メタクリル酸、4−ペンテン酸、プロピオル酸、2−ブチン酸、マレイン酸、フマル酸、及びアセチレンカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載のポジ型レジスト組成物。
  13. (C)成分が、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して0.01〜1重量%を含むことを特徴とする請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  14. 吸光剤を含有することを特徴とする請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  15. 吸光剤がベンゾフェノンであることを特徴とする請求項14記載のポジ型レジスト組成物。
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