JP3614182B2 - エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、計器類の自発光型のセグメント表示やマトリックス表示、或いは、各種情報端末機器のディスプレイなどに使用されるエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子と記す)に関し、特に、絶縁破壊電圧が高く、破壊し難い、信頼性が向上した高輝度・高効率なEL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
EL素子は、硫化亜鉛(ZnS) などの蛍光体に電界をかけたときに発光する現象を利用したもので、従来より自発光型の平面ディスプレイを構成するものとして注目されている。図10は、従来のEL素子100の典型的な断面構造を示した模式図である。EL素子100は、絶縁性基板であるガラス基板1上に、光学的に透明なITO(Indium Tin Oxide)膜から成る下部電極2、や五酸化タンタル(Ta) などから成る下部絶縁層3、発光層4、上部絶縁層5及びITO 膜またはアルミニウム膜から成る上部電極6を順次積層して形成されている。ITO 膜は、酸化インジウム(In) に錫(Sn)をドープした透明の導電膜で、低抵抗率であることから従来より透明電極用として広く使用されている。発光層4としては、例えば、次に示すような材料が用いられ、硫化亜鉛(ZNS) を母体材料とし、発光中心材料としては、例えば、遷移金属元素のマンガン(Mn)としたものは黄橙色、希土類元素のうちテルビウム(Tb)としたものは緑色、サマリウム(Sm)としたものは赤色、ツリウム(Tm)としたものは青色の発光が得られ、添加される発光中心材料の種類により異なる発光色を呈する。
【0003】
通常、発光層4は蒸着法又はスパッタ法を用いて、アモルファス又は多結晶体である下部絶縁層3上に形成される。そのため、母体材料が硫化亜鉛などにて形成される発光層4は、必然的に多結晶体となり発光層4中には結晶同士の結合が不連続な多数の結晶粒界が存在する。このような結晶粒界は、発光層4中を流れるキャリヤ(電子又はホール)に対して散乱体として働き、電界加速によるキャリヤの高エネルギー化の妨げとなる。
【0004】
従って、発光層4に電界を印加し、加速されたキャリヤのエネルギーによってMn,Tb,Sm,Tm などの発光中心を励起するEL素子では、多数の結晶粒界の存在によって発光中心の励起効率が著しく低下し、発光輝度の低下を招いていた。一般的には、発光層4を蒸着法又はスパッタ法で形成する際の基板温度を、可能な限り高める方法や、又は、発光層4を形成後、温度400 〜600 ℃で2〜5時間、真空中、又は硫化水素(HS) 雰囲気下で熱処理する方法などにより、発光層4の結晶粒径の大粒径化及び結晶性の改善が行われている。さらに、発光層4の結晶粒径の大粒径化及び結晶性の改善のため様々な成膜方法も検討されており、例えば発光層の母体材料と発光中心材料とから成る複数のスパッタターゲットや蒸着源を用いたスパッタリング法や共蒸着法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vaper Deposition)法やALE(Atomic Layer Epitaxial)法を用いた成膜法の利用など発光輝度及び発光効率を高めるための様々な研究が行われている。
【0005】
しかしながら、上記のようにして製作されたEL素子100における発光層4の表面42には、発光層4の結晶粒径の大粒径化及び結晶性の改善に伴い凹凸が発生し、表面粗さが大きくなってしまう。そのため、EL素子への電圧印加時に、発光層4の表面42の表面粗さに起因するとみられる絶縁破壊電圧の低下のため、EL素子の駆動電圧での絶縁破壊の発生する確率が増加し、信頼性を損なうことがある。
【0006】
EL素子は、発光駆動電圧を低く、かつ電圧−発光輝度特性を急峻な特性にする上で、絶縁層は、できるだけ薄くすることが必要である。そこで、EL素子の安定性を確保するために絶縁層材料としては、Al,SiO,Ta等の酸化物、Si,AlN 等の窒化物やPbTiO,PZTのような複合酸化物等が提案されている。又それらを複数組み合わせた積層構造の複合膜や混合膜も提案されている。
【0007】
しかし元々、絶縁層材料の絶縁破壊電界強度は、通常用いられるEL素子内での絶縁層の内部電界強度と同じ10V/cm 程度であるため、発光層4の表面42の大きな表面粗さに起因するわずかな歪やクラックが絶縁層に発生するだけでもそこに電界が集中して絶縁破壊が発生し易くなり、この絶縁破壊はEL素子の致命的な表示不良となるので、信頼性を著しく低下させている。
【0008】
この問題の解決方法の手段のひとつとして、特開平4−215292号公報「エレクトロルミネツセンス表示パネルおよびその製造方法」にて開示されたものが知られている。このものは、有機シリコン化合物等の液状材料を塗布し、熱処理により絶縁膜を形成する方法、或いは、ポリイミド等の耐熱性高分子樹脂膜を塗布することにより、絶縁膜を形成する方法で、LSI プロセスの絶縁膜平坦化技術として無機膜塗布法及び有機膜塗布法として以前から知られている技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにして製作された絶縁膜は、クラックが発生しやすく、又、ポリイミド等の絶縁膜は水分などを透過しやすいなど高い絶縁破壊電界強度や信頼性を必要とするEL素子の絶縁膜に用いるのは極めて困難であった。さらに、上記のようにして製作されたEL素子の絶縁膜は、流動性のある液状材料が下地膜の凹部を埋めた上で絶縁層表面を平坦にするため下地膜の凹凸により形成された絶縁層膜の膜厚が異なり、表面粗さの大きさにより凸部では絶縁層膜の膜厚が薄くなり、より絶縁層の電界強度が局部的に高くなってしまう。そのため、絶縁破壊の問題は本質的には残したままである。特に、EL素子の駆動電圧を低くさせるため、絶縁層の膜厚を薄くした場合にはEL素子の絶縁破壊電圧が著しく低下してしまうので、EL素子の駆動電圧での絶縁破壊の発生する確率が増加し、素子の信頼性を大きく損なっている。
【0010】
又、そのほかの手段としては、LSI プロセスの絶縁膜平坦化技術である、エッチ・バック法という方法が知られている。このものは、凹凸を有する絶縁膜表面にフォトレジスト等の塗布膜を形成し、次いで、塗布膜と下地絶縁層のエッチング速度が等しくなる条件によって全面をエッチング(非選択エッチング)をし、これにより絶縁膜表面の凸部はエッチングされて平坦になる方法である。
【0011】
しかしながら、上記の非選択エッチング法としては、アルゴン(Ar)ガスなどによるスパッタ・エッチング(物理的なエッチング)法を用いるため、EL素子の発光層の平坦化に応用した場合発光層中にアルゴン(Ar)が混入し発光層の結晶性を乱し、発光特性に悪影響を及ぼしていた。
本発明は、上記の種々の課題を解決するために成されたものであり、その目的とする所は、発光層上に発生する表面粗さを低減、又は除去し、大きな表面粗さに起因するとみられる絶縁層の絶縁破壊電圧の低下を無くし、素子の駆動時での絶縁破壊の発生確率が低い、信頼性に優れたEL素子を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は、絶縁性基板上に下部電極、下部絶縁層、母体材料に発光中心材料が添加された発光層、上部絶縁層及び上部電極を順次積層し、少なくとも前記発光層から光取り出し側の材料を光学的に透明なものにて形成するEL素子の製造方法であって、該発光層形成後の前記発光層表面を酸化させた後、該酸化層を除去して、前記発光層表面の表面粗さ(Rmax)を、50nm未満にする発光層表面形成工程を有することである
【0014】
【作用及び発明の効果】
高輝度・高効率なEL素子における発光層の表面に発生する凹凸を、発光層表面を酸化させた後、酸化層を除去し発光層表面を平坦化させることにより、大きな表面粗さに起因するとみられる、絶縁層中のクラックや歪みの発生を抑制し、絶縁破壊電圧の低下を防止するものである。
【0015】
さらに、本発明は、発光層表面に発生する凹凸自体を除去するので、発光層表面の表面粗さの大きさのために起こる発光層上に形成される絶縁層の膜厚の厚い、薄いも無く均一な膜厚の絶縁層を形成することが可能となるため、発光層上に形成される上部絶縁層を均一にかつ薄膜化することが可能となる。そのため、薄い膜厚でも絶縁破壊電圧の低下が無く、さらにEL素子の発光開始電圧も低くできるので、駆動電圧を低くしたり、又同じ駆動電圧で素子を駆動することにより変調電圧(駆動電圧から発光開始電圧を引いた電圧値)が大きくすることが可能となり、より高い発光輝度で駆動することができるという利点も有する。
【0016】
発明者らは、EL素子の発光層の表面に発生する凹凸を除去し、発光層の表面粗さ(Rmax)を所定値にする方法として、以下のことを見い出した。即ち、EL素子の発光層の表面の凹凸の凸部を酸化させることにより、酸化亜鉛(ZnO) 或いは硫酸亜鉛(ZnSO) 等の酸化層を形成する。この酸化層は溶液に対するエッチング速度が非酸化層と異なることに着目し、例えば、弱酸性の希酢酸溶液に対するエッチング速度は、図11に示したように、約100 〜1000倍も異なり、このエッチング速度の差を利用して凸部を除去する。
【0017】
又、発光層表面の凸部を優先的に酸化させる方法としては、発光層成膜後、フォトレジスト等の塗布膜を発光層表面の凹部に薄く形成して、凸部は塗布膜から露出するようにして、酸素プラズマによる酸化や酸化性のガス雰囲気中での熱処理による酸化で、凸部を優先的に酸化させることができる。さらには、発光層を酸化して除去する酸化層の膜厚分を加えて厚く成膜した後、発光層の表面の凹凸部全面を酸化させ、酸化層を除去することにより所望の膜厚の発光層を形成することで、フォトレジスト等の塗布膜を形成せずに凹凸を除去し、発光層の表面粗さ(Rmax)を所定値にすることができる。
【0018】
以上述べたように、発光層表面の凹凸部を酸化させ、その酸化層を除去することにより、発光層表面を平坦化しその上に絶縁層を形成するので絶縁破壊電圧の低下を防止することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係るEL素子100の縦断面を示した模式図である。EL素子10は、絶縁性基板であるガラス基板1(例えば、厚さ1.1mm HOYA製NA40:ノンアルカリガラス)上に順次、以下の薄膜が積層形成され構成され、それぞれの薄膜の形成法は一般的な成膜法である。
【0020】
まず、図2に示すようにガラス基板1上には、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム−錫)、酸化亜鉛(ZnO) などの透明電極膜から成る膜厚200nm の下部電極2が形成され、その上面には、五酸化タンタル(Ta) から成る下部絶縁層3が高周波スパッタリング法にて成膜される。膜厚は400nm である。その下部絶縁層3上に、発光層4を、ZnS:Mnの焼成ペレットを用いて、電子ビーム蒸着法で成膜した。Mn濃度は 0.5wt%であり、膜厚は600nm である。
【0021】
その後、図3の発光層4の表面42の拡大図に示すようにホトリソ・プロセスで一般に用いられるホトレジスト等の塗布膜7を発光層表面に塗布する。この塗布膜7としては、例えばポジレジストを溶剤により、その粘度を1cSt(センチストークス)程度に調整し、5000rpm の回転条件にて塗布し、その後、100 ℃程度の温度にて乾燥させ、発光層4の表面42の凹部に膜厚10nm程度の塗布膜7を形成して、発光層の表面の凸部8が塗布膜7から露出するようにした。
【0022】
次に、塗布膜7から露出した凸部を、塗布膜7と共に酸素プラズマに曝すことにより露出した凸部8を酸化させた。この酸素プラズマによる酸化にはドライエッチング装置を用い、酸素ガス導入量 200sccm、ガス圧力1.5Torr 、高周波電力1W/cmにより発生させた酸素プラズマを用いて、10分間曝した。
【0023】
さらにその後、25℃の 3%酢酸水溶液により酸化させた発光層4の表面の凸部8を図4に示すように除去する。そして、ホトリソ・プロセスで一般に用いられるポジレジストの剥離液を用いてポジレジストを剥離させ、発光層4の表面の凸部8を除去した発光層9を形成した。
【0024】
さらに、その表面の凸部を除去した発光層4上に五酸化タンタル(Ta) から成る膜厚400nm の上部絶縁層5が高周波スパッタリング法にて成膜される(図1)。さらに、上部絶縁層5の上にアルミニウム(Al)などの金属電極あるいはITO 、酸化亜鉛(ZnO) などの透明電極膜から成る上部電極6が形成されている。このように構成されたEL素子は、発光層上に発生する凹凸の凸部を除去するため、表面粗さに起因するとみら1る上部絶縁層5中のわずかな歪みやクラックの発生が抑えられるので、図5の絶縁破壊テスト結果に示すように、EL素子の絶縁破壊電圧が向上し、図示しないが変調電圧もまた約30v大きくすることが可能となり、EL素子を高輝度にし、かつ信頼性を向上させることができる。
【0025】
この結果、得られる表面粗さ(Rmax)は50nm以下となるが、この粗さの値は図6で示されるように(図6では、表面粗さの単位はオングストローム、25nmは250A)絶縁破壊の発生率が30%以下となり、それ以上の粗さに比べ、比較的絶縁破壊の起きにくい値となっている。さらにまた図6から明らかなように、さらにこの表面粗さ(Rmax)が25nm未満であれば、変調電圧が120vの駆動電圧においてEL素子の絶縁破壊の発生する割合が約25%から約10%に低減でき、さらに信頼性を向上させることが可能となる。
【0026】
(第二実施例)
次に、発光層4を酸化して除去する膜厚分を加えて厚く成膜した後、発光層の表面の凹凸部全面を酸化させ、酸化層を除去することにより所望の膜厚の発光層を形成することで、ホトレジスト等の塗布膜を形成せずに凹凸を除去し、発光層の表面粗さ(Rmax)を所定値にする構成の第二実施例を説明する。発光層4を成膜するまでの工程は、第一実施例と同じ工程にて、ガラス基板1上に下部電極2、下部絶縁層3を形成する。
【0027】
次に、図7に示すように、発光層4は、第一実施例のように凸部だけ酸化してを除去するのではなく、ホトレジスト等の塗布膜を形成せずに、発光層4の全面を酸化させ、酸化層を発光層表面に形成しその酸化層10が除去される。そのため下部絶縁層3上に形成される発光層4の膜厚は、発光層4を酸化して除去する酸化層10の膜厚分を加えて厚く成膜する。そこで、発光層4は、第一実施例と同様に、Mn濃度0.5wt %のZnS:Mnの焼成ペレットを作製し、電子ビーム蒸着法で成膜した。膜厚は除去される酸化層10の100nm を加えた700nm である。
【0028】
次に、図8に示すように、発光層4成膜後、第一実施例と同様な方法にて酸素プラズマに曝すことにより発光層4の表面を酸化させた。この酸化させた酸化層10の厚さは100nm である。この酸素プラズマによる酸化には、ドライエッチング装置を用い、酸素ガス導入量 200sccm、ガス圧力 0.5Torr、高周波電力3W/cmにより発生させた酸素プラズマを用いて、15分間曝した。
【0029】
さらにその後、図9に示すように、酸化させた発光層4の表面の酸化層10を凹凸部ごと第一実施例と同様な方法にて25℃の 3%酢酸水溶液により除去し、発光層4の表面の凹凸部を除去した発光層11を形成した。
【0030】
さらにその後、表面の凹凸部を除去した発光層4上に、第一実施例と同様な方法にて、五酸化タンタル(Ta) から成る膜厚400nm の上部絶縁層5を高周波スパッタリング法にて成膜し、さらに、上部絶縁層5にアルミニウム(Al)などの金属電極あるいはITO 、酸化亜鉛(ZnO) などの透明電極膜から成る上部電極6が形成されている。
【0031】
このように構成されたEL素子は、フォトレジスト等の塗布膜を形成することなく、発光層4を酸化して除去する膜厚分を加えて厚く成膜しただけで、発光層上に発生する凹凸部を除去することができる。そのため、EL素子の製造工程が第一実施例よりもフォトレジスト等の塗布膜を形成および、剥離の工程を少なくすることが可能となり、且つ第一実施例と同様におおきな表面粗さに起因するとみられる上部絶縁層5中のわずかな歪みやクラックの発生が抑えられるので、第一実施例と同様な効果が得られる。
【0032】
又さらに、この第二実施例では、発光層表面42に発生する凹凸自体を除去して表面粗さを低減して発光層表面42を平坦化するので、発光層4上に形成される上部絶縁層5を薄膜化することが可能となり、発光開始電圧を低電圧化することが可能となる。例えば、上記実施例中の五酸化タンタル(Ta) から成る膜厚400nm の上部絶縁層5の膜厚を200nm に薄膜化した場合でも同様な絶縁破壊電圧を保ったまま、EL素子の駆動電圧を約20v低くできる。さらにその電圧分を変調電圧に加えることによりさらに高輝度なEL素子となる。
【0033】
また、発光層の表面粗さ(Rmax)を所定値にする方法としては、この他に発光層を研磨することによっても可能であり、この方法によっても上記実施例と同様な効果が得られる。
【0034】
さらに、発光層成膜時に、塩素(Cl)を含むガスを導入しても所望の表面粗さが得られる。具体的には、スパッタ法に於いて、発光層4の膜厚600nm のうちアルゴン(Ar)とヘリウム(He)の混合ガスを用いて発光層4を膜厚500nm 形成した後にアルゴン(Ar)希釈の1%塩化水素(HCl) ガスを用いて残りの100nm を形成した。この時のスパッタの条件は両者ともスパッタガス圧力4Pa 、2w/cmの高周波電力である。この方法によっても上記実施例と同様な効果が得られる。
【0035】
なお、以上に説明した実施例に限らず、本発明は上記発光母体材料を硫化亜鉛(ZnS) に限定するものではなく、硫化亜鉛(ZnS) 以外のII族元素の硫化物又はセレン化物としても良い。又、発光中心材量としての上記マンガン(Mn)以外に、希土類元素であるテルビウム(Tb)、サマリウム(Sm)、ツリウム(Tm)、セリウム(Ce)、ユウロピウム(Eu)、プラセオジム(Pr)などを発光層の発光中心材料として用いた薄膜ELディスプレイ素子にも適用可能なことは勿論のことである。又、これら発光層の成膜方法も上述した電子ビ−ム蒸着法に限定されるものではなく、上記従来技術で説明した全ての薄膜製作法やまた熱処理などの後処理にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係るEL素子の縦断面を示した模式図である。
【図2】同実施例に係るEL素子の製造工程を示した模式的な詳細説明図である。
【図3】同実施例に係るEL素子の図2に続く製造工程を示した模式的な詳細説明図である。
【図4】同実施例に係るEL素子の図3に続く製造工程を示した模式的な詳細説明図である。
【図5】同実施例に係るEL素子と従来構造のEL素子とにおける発光開始電圧に加えた電圧値(変調電圧)とEL素子の絶縁破壊発生個数との関係を示した説明図である。
【図6】同実施例に係るEL素子の発光層の表面粗さ(Rmax)と変調電圧が120Vに於けるEL素子の絶縁破壊の発生確率との関係を示した説明図である。
【図7】第二実施例に係るEL素子の製造工程を示した模式的な詳細説明図である。
【図8】第二実施例の図7に続く製造工程を示した模式的な詳細説明図である。
【図9】第二実施例の図8に続く製造工程を示した模式的な詳細説明図である。
【図10】従来技術によるEL素子の縦断面を示した模式図である。
【図11】酸化亜鉛とその酸化物の3%酢酸水溶液に対するエッチング速度を示した説明図である。
【符号の説明】
1 −ガラス基板(絶縁性基板)
2 −下部電極
3 −下部絶縁層
4 −発光層
42 −発光層表面
5 −上部絶縁層
6 −上部電極
7 −塗布膜
8 −発光層の表面の凸部
9 −発光層の表面の凸部を除去した発光層
10 −酸化層
11 −発光層の表面の凹凸部を除去した発光層

Claims (1)

  1. 絶縁性基板上に下部電極、下部絶縁層、母体材料に発光中心材料が添加された発光層、上部絶縁層及び上部電極を順次積層し、少なくとも前記発光層から光取り出し側の材料を光学的に透明なものにて形成するエレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    該発光層形成後の前記発光層表面を酸化させた後、該酸化層を除去して、前記発光層表面の表面粗さ(Rmax)を、50nm未満にする発光層表面形成工程を有すること
    を特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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