JP3613391B2 - 巻上げ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、持ち運び可能な簡易浴槽に用いられる巻上げ装置に関するものであり、特に、寝たきり老人,病人或いは身体障害者等を入浴させる簡易浴槽と共に用いられる巻上げ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会を迎えた近年、寝たきり老人の数は日々増加し、その結果寝たきり老人等を介護する必要性も高く、こうした介護に使用される各種の装置や機械器具が提案されている。また、このような現状に伴い、寝たきり老人や重度身体障害者を持つ家庭においては、日常生活に支障があり、家族だけでは十分な介護ができない場合に、所謂ホームヘルパー(老人家庭奉仕員)が派遣される制度がある。こうしたホームヘルパーの制度は、市町村や社会福祉協議会等に派遣の要請があると、家庭まで出張し、例えば入浴サービス等の介護を行うことが目的とされており、現在では極めて重要な役割を果たしているのが実情である。
【0003】
ところで、こうしたホームヘルパーによる入浴サービスは、各家庭や老人ホーム等の施設まで出張し、お湯を浴槽内に給湯した上で、被介護者を該浴槽内に移動させ入浴させるといった一連の作業を行うものであるが、こうした作業を簡便にするために、従来、例えば実公平1−37619号公報又は実公平1−23461号に開示された浴槽又は担架が提案されている。上記実公平1−37619号公報に記載された浴槽は、浴槽本体と、この浴槽本体のフランジ部に該浴槽本体よりもやや長尺の担架を載置してなるものである。この浴槽又は担架は、ベッド上の老人等を担架に載置させ、このまま上記浴槽上に移動させ、上記ハンドルを介して担架の載置シートを弛緩させ、浴槽内に老人等を下降させることにより入浴させるものである。なお、この担架の構成の概略は、左右の側フレームと、一端が左の側フレームに固定され他端は右の側フレームに固定されてなる横フレームとを備え、上記左の側フレームと右の側フレームとの間には、入浴者が寝た状態で載置される載置シートが形成されてなるとともに、この載置シートは、操作ハンドルにより緊張又は弛緩し得るように構成されている。また、上記実公平1−23461号に開示された担架も、基本的には上記担架と同じ構成を有するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した担架を用いて入浴させる場合には、ベッド上に寝ている老人等を先ず担架上に移載させなければならず、この作業は上記ホームヘルパー等の介護者にとっては極めて重労働である。このため、従来より、ベッド上に寝ている老人等を上方に吊り上げ、他所へ移動させるための様々な装置や機械器具が提案され、また使用されている。したがって、こうした吊り上げ用の装置や機械器具が存在する現状において又は少なくともこうした装置を使用する場合には、前述した実公平1−37619号公報又は実公平1−23461号に開示された浴槽又は担架は不要となる。しかしながら、各家庭や老人ホーム等の施設まで出張して浴槽内に給湯し被介護者を該浴槽内に移動させ入浴させるといった一連の作業を行うホームヘルパーや、或いは家庭や施設等で介護を行う者にとっては、浴槽全体の構成を軽量化し、簡単に組み立てることができるとともに、持ち運びに適し、被介護者を容易に上下に昇降可能とする簡易浴槽と、この簡易浴槽に取り付けられる巻上げ装置がが望まれている。すなわち、ホームヘルパーの人員不足が叫ばれている今日、運搬に多数の人員が必要となる浴槽は事実上使用することができず、さらに、高齢化の増加が著しい地方の中には、家屋に隣接する道路の道幅が狭いために車両から被介護者の下まで運搬するために長時間を要する場合があることから、従来のように、担架に固定されているものではないものであって入浴者を安定した状態で昇降させることかができる巻上げ装置が必要とされている。
【0005】
そこで、本発明は上述した従来の巻上げ装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、簡単な構成により安価に提供することができ、持ち運びも簡便なものであって、簡易浴槽とともに用いられ、極めて少ない人員により入浴者の体を昇降させることができる巻上げ装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【発明が属する技術分野】
本発明は、上記目的を解決するために提案されたものであり、簡易浴槽に取り付けられるとともに、回動可能に設けられた回動軸と、基端がそれぞれこの回動軸の両端部に固定され先端には上記簡易浴槽内に設けられた入浴者載置用の載置シートの端部と係合する係合部が形成されてなる一方及び他方のベルトと、を備え、上記回動軸の回動により、上記載置シートを緊張又は弛緩させることにより入浴者を昇降可能とする巻上げ装置であって、上記簡易浴槽の端部の左右両側には一方の筒状部が形成され、上記巻上げ装置の左右両側には他方の筒状部が形成されており、上記一方の筒状部が他方の筒状部内に、又は他方の筒状部が一方の筒状部内に挿入され、簡易浴槽に着脱可能に取り付けられてなることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明に係る簡易浴槽に取り付けられた巻上げ装置の一実施の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、簡易浴槽について説明した後に巻上げ装置について説明する。
【0010】
この簡易浴槽1は、図1に示すように、アルミニウムからなるパイプ材を使用して成形された浴槽本体フレーム2と、この浴槽本体フレーム2に係止されているシートボード3と、このシートボード3の上部に配設され上記浴槽本体フレーム2に着脱可能に取り付けられている浴槽シート4と、この浴槽シート4の上部に配設される載置シートとしての上がり湯ネット5と、上記シートボード3と浴槽シート4との間に配設される臀部ストッパ6とから構成されている。
【0011】
上記浴槽本体フレーム2は、図1乃至図3に示すように、図示しない床上に設置される下部フレーム10と、この下部フレーム10に下端が回動可能に取り付けられている第1乃至第4の支柱フレーム11,12,13,14と、これら第1乃至第4の支柱フレーム11,12,13,14の上端に回動可能に取り付けられてなる上部フレーム15とから概略構成されている。そして、上記下部フレーム10は、図3に示すように、左右の側フレーム16,17と、両端がこれら左右の側フレーム16,17と連結されてなる第1乃至第3の連結フレーム18,19,20と、を備え、上記第2の連結フレーム19と第3の連結フレーム20とは、補強フレーム21により連結されている。なお、上記第1の連結フレーム18の中央には、コ字状となされた一方の連結金具18a(図5参照)が固定されている。そして、上記左右の側フレーム16,17の先端側上面には、互いに面対向してなる第1及び第2の起立片16a,16b,17a,17bが固定され、またこの左右の側フレーム16,17の後端側上面には、互いに面対向してなる第3及び第4の起立片16c,16d,17c,17dが固定されている。なお、上記第1及び第2の起立片16a,16b,17a,17bには、それぞれ水平方向に穿設された第1の長孔(符号は省略する)と、この第1の長孔と連続しており該第1の長孔の先端から下方に穿設された第2の長孔(符号は省略する)からなるL字状の長孔16e,16e,17e,17eが穿設されている。なお、上記第3及び第4の起立片16c,16d,17c,17dの中心には後述する支軸が挿通される円形状の挿通孔(符号は省略する)が穿設されている。
【0012】
そして、上記左の側フレーム16の先端側に固定された上記16a,16bの間には、第1の支柱フレーム11の下端側が挿入されているとともに、該第1の支柱フレーム11の左右両側には、上記長孔16e,16e内に挿入されている支軸(図4参照)11aが固定されている。また、同様に、上記右の側フレーム17の先端側に固定された第1及び第2の起立片17a,17bの間にも、第2の支柱フレーム12の下端側が挿入されているとともに、該第2の支柱フレーム12の左右両側には、上記長孔17e,17e内に挿入されている支軸(符号は省略する)が固定されている。また、上記左の側フレーム16の後端側に固定された第3及び第4の起立片16c,16dの間には、第4の支柱フレーム14の下端側が挿入されているとともに、該第4の支柱フレーム14の左右両側には、上記第3及び第4の起立片16c,16dに穿設された挿通孔内に挿通された支軸14aが固定されている。また、上記右の側フレーム17の後端側に固定された第3及び第4の起立片17c,17dの間には、第3の支柱フレーム13の下端側が挿入されているとともに、該第3の支柱フレーム13の左右両側には、上記第3及び第4の起立片17c,17dに穿設された挿通孔内に挿通された支軸(符号は省略する)が固定されている。
【0013】
そして、上記第1の支柱フレーム11と第2の支柱フレーム12とは、下端側垂直部11b,12bと、この下端側垂直部11b,12bの上端から徐々に互いに離間する方向に傾斜してなる傾斜部11c,12cと、この傾斜部11c,12cの上端から上方に垂直に延設されてなる上端側垂直部11d,12dとから構成され、上記第1の支柱フレーム11の下端側垂直部11bと、第2の支柱フレーム12の下端側垂直部12bとは、第4の連結フレーム22により連結されている。そして、この第4の連結フレーム22には、コ字状となされた他方の連結金具22a(図5参照)が固定されている。そして、前記第1の連結フレーム18には、前記一方の連結金具18aを介して一方の固定ベルト23の基端が取り付けられ、第4の連結フレーム22には他方の連結金具22aを介して他方の固定ベルト24の基端が取り付けられている。そして、上記一方の固定ベルト23の先端にはバックル23aが固定され、他方の固定ベルト24の先端には、上記バックル23aに係止される係止金具24aが固定されている。なお、この一方及び他方の固定ベルト23,24は、この簡易浴槽1を使用している際に、前記第1乃至第4の支柱フレーム11,12,13,14が回動してしまうことがないように、固定するためのものである。一方、上記第3の支柱フレーム13と第4の支柱フレーム14とは、第5の連結フレーム26により連結されている。
【0014】
次に、浴槽本体フレーム2を構成する前記上部フレーム15について説明する。この上部フレーム15は、全体形状が成人男子の身長よりもやや長い長さを有してなるものであって、図2に示すように、前記下部フレーム10を構成する左の側フレーム16の斜め上方に位置する左側フレーム部30と、右の側フレーム17のやや斜め上方に位置する右側フレーム部31と、略C字状に成形されてなるとともに、一端は上記左側フレーム部30の先端に連動蝶番32を介して折り畳み可能に固定され他端は右側フレーム部30の先端に連動蝶番33を介して折り畳み可能に固定されてなる頭部フレーム34と、一端は上記左側フレーム部30の後端側中途部に溶接され他端は右側フレーム部30の後端側中途部に溶接されてなる第6の連結フレーム35と、首載置フレーム36とから構成されている。上記首載置フレーム36は、一端が上記左側フレーム部30の先端側中途部に溶接され他端は右側フレーム部31の先端側中途部に溶接されてなるものであって、中央には入浴者の首が載置される凹状の段差部36aが形成され、また左右両端側の前面には、図1及び図2に示すように、後述する上がり湯ネット5を構成するリング部71a,72aが係止される係止用凸部36b,36cが設けられている。
【0015】
また、上記左側フレーム部30の先端側下面には、互いに面対向するとともに後述する支軸が挿通される挿通孔(符号は省略する)が穿設された第5及び第6の起立片30a,30bが固定され、後端側下面には互いに面対向するとともに後述する支軸が挿通される挿通孔(符号は省略する)が穿設された第7及び第8の起立片30c,30dが固定されている。なお、この第7及び第8の起立片30c,30dには、図4に示すように、ストッパ30eが固定され、図4に示す位置よりも上部フレーム15が後端方向に移動することがないようにされている。また、上記右側フレーム部31の先端側下面には、互いに面対向するとともに後述する支軸が挿通される挿通孔(符号は省略する)が穿設された第5及び第6の起立片31a,31bが固定され、後端側下面には互いに面対向するとともに後述する支軸が挿通される挿通孔(符号は省略する)が穿設された第7及び第8の起立片31c,31dが固定されている。そして、上記左側フレーム部30に固定された第5及び第6の起立片30a,30bの間には、挿通孔に挿通される支軸40(図4参照)が両側に固定された前記第1の支柱フレーム11の上端が配設され、第7及び第8の起立片30c,30d間には、挿通孔に挿通される支軸41(図4参照)が両側に固定された前記第4の支柱フレーム14の上端が配設されている。また、上記右側フレーム部31に固定された第5及び第6の起立片31a,31bの間には、挿通孔に挿通される支軸(符号は省略する)が両側に固定された前記第2の支柱フレーム12の上端が配設され、第7及び第8の起立片31c,31d間には、挿通孔に挿通される支軸(符号は省略する)が両側に固定された前記第3の支柱フレーム13の上端が配設されている。なお、上述した上部フレーム15を構成する頭部フレーム34,首載置フレーム36,左側フレーム部30,右側フレーム部31及び第6の連結フレーム35の下面には、図示しない一方の面状ファスナーが貼付されている。
【0016】
そして、上述のように構成された簡易浴槽1を構成する上部フレーム15の後端には、本発明に係る巻上げ装置44が着脱可能に取り付けられている。この巻上げ装置44は、図6に示すように、下面に長方形状の開口が形成され上面には持ち運び用のベルト45aが取り付けられた直方体状の筐体45と、この筐体45の一端から他端に亘って回動可能に配設された回動軸46と、この回動軸46の一端側に固定され互いに面対向してなる第1及び第2のフランジ板47,48と、該回動軸46の他端側に固定され互いに面対向してなる第3及び第4のフランジ板49,50とを備えている。そして、上記第1のフランジ板47と第2のフランジ板48との間であって上記回動軸46には一方のベルト51の基端が固定され、また第3のフランジ板49と第4のフランジ板50との間であって回動軸46には他方のベルト52の基端が固定されている。これら一方及び他方のベルト51,52の先端には、基端が回動可能となされた軸部53a,54aが設けられた一方及び他方のフック53,54が固定されている。そして、上記回動軸46の中央には、平歯車55が固定されている。また,上記筐体45には、回動可能に巻上げハンドル57が取り付けられ、この巻上げハンドル57には、上記平歯車55に噛合してなるラックギア58が固定されている。したがって、この巻上げ装置44は、上記巻上げハンドル57を、時計回り方向(図6中矢印A方向)に回動操作すると、上記ラックギア58及び平歯車55を介して回動軸46が回転し、これによって上記一方及び他方のベルト51,52が徐々に巻き取られ、逆に上記巻上げハンドル57を反時計回り方向(図6中矢印B方向)に回動操作すると、回動軸46に巻き取られていた一方及び他方のベルト51,52が徐々にこの簡易浴槽1の先端側に繰り出されるようにされている。なお、上記筐体45の左側面下端には、上記簡易浴槽1の左側フレーム部30の後端に形成された開口30f内に挿入される挿入部としての一方のパイプ60が固定され、該筐体45の右側面下端には、簡易浴槽1の右側フレーム部31の後端に形成された開口31f内に挿入される挿入部としての他方のパイプ61が固定されている。
【0017】
また、前記シートボード3は、樹脂により板状に成形されやや可撓性を有する板体であって、先端の両側には前記首載置フレーム36に形成された凹状の段差部36aに係止される係止金具63,64が取り付けられてなる前側ボード部65と、この前側ボード部65の後端にリベット(符号は省略する)により固定された後ろ側ボード部66とから構成されている。なお、この後ろ側ボード部66の左側であって後端側には、前記第4の支柱フレーム14の外形に対応した第1の切欠き66aが設けられ、右側の後端側には、前記第3の支柱フレーム13の外形に対応した第2の切欠き66bが設けられており、後端には、第3の切欠き66cが設けられている。
【0018】
また、前記浴槽シート4は、耐熱性を有する外側シート4aとこの外側シート4aの内側に形成され該外側シート4aよりも可撓性を有する内側シート4bとから構成されてなるものであって、先端側には、入浴者の頭部を温め又は頭部を洗浄するための湯水が収容されるとともに前記頭部フレーム34と首載置フレーム36との間に挿入される頭部側袋部4cと、上記首載置フレーム36と左側フレーム部30と右側フレーム部31と第6の連結フレーム35との間に挿入され、入浴者の体が収容される体側袋部4dとが形成されている。また、上記頭部側袋部4cを構成する上記外側シート4aと内側シート4bには、前記係止用凸部36b,36cが挿通され外部に露出されるための開口4e,4fが設けられている。なお、上記外側シート4aの上端外周縁には、前記左側フレーム部30等に貼付された一方の面状ファスナーに付着される他方の面状ファスナーが貼付されている。すなわち、上記上部フレーム15とこの浴槽シート4とは、上記一方及び他方の面状ファスナーにより機械的に取り付けられている。
【0019】
また、前記上がり湯ネット5は、本発明を構成する載置シートであるとともに、入浴者が載置される部材であって、図1に示すように、長方形状に成形されたネットからなるネット本体70と、このネット本体70の左右両側に固定されてなるとともに該ネット本体70の長さよりも長尺となされた左右のロープ71,72とから構成されている。そして、上記左のロープ71の先端には、第1のリング部71aが形成され、後端には第2のリング部71bが形成され、同じように、上記右のロープ72の先端には第1のリング部72aが形成され、後端には第2のリング部72bが形成されている。なお、上記左右のロープ71,72の先端に形成された各第1のリング部71a,72aは、それぞれ前記首載置フレーム36に設けられた係止用凸部36b,36cに係止される部位であり、また、該左右のロープ71,72の後端に形成された各第2のリング部71b,72bは、前記巻上げ装置44を構成する一方及び他方のベルト51,52の先端に設けられた一方及び他方のフック53,54に係止される部位である。
【0020】
また、前記臀部ストッパ6は、図8及び図9に示すように、シートボード3上であって該シートボード3の長さ方向とは直交する方向に載置されるものであり、ゴム又は発泡スチロール等により成形されている。
【0021】
以下、上述のように構成されたこの簡易浴槽1の使用方法について説明する。なお、説明の都合上、この簡易浴槽1が組み立てられた後の状態から説明する。すなわち、図示しないベッド上に寝ている老人等の入浴者を、図示しない吊り上げ装置等により上方に吊り上げ、上記ベッドの側方に設置した上記簡易浴槽1上まで移動させ、その後に下降させる。なお、このとき上記上がり湯ネット5は、予め巻上げ装置44の操作により緊張した状態としておく。したがって、入浴者Pは、図8に示すように、上記上がり湯ネット5上に載置されることとなる。そして、このように入浴者Pを上がり湯ネット5上に載置する作業が終了すると、次いで、上記巻上げ装置44を構成する巻上げハンドル57を図6中矢印B方向に回転させる。この巻上げハンドル57の回転操作により、徐々に一方及び他方のベルト51,52が繰り出されこれによって今まで緊張していた上がり湯ネット5は徐々に弛緩され、入浴者Pは、図9に示すように、浴槽シート4内にはられたお湯内に徐々に入れられる。なお、この浴槽シート4には、前述したように、体側袋部4d以外に頭部側袋部4cが形成されていることから、この頭部側袋部4c内にお湯によりシャンプー等を行うことができるとともに、この頭部側袋部4cと体側袋部4dとは区画されていることから、体を洗った後の湯水又はシャンプーをした後の湯水が相互に一体となることがない。
【0022】
そして、上記浴槽シート4内での入浴が終了すると、再び前記巻上げ装置44を構成するハンドル57を図6中矢印A方向に回転させ、上がり湯ネット5を緊張させることにより、入浴者Pを図8に示すように、浴槽シート4内から上昇させる。この操作により、この上がり湯ネット5を構成するネット本体70はネットから構成されているので、石鹸等が使用された湯水は入浴者Pの体から流れ落ちる。そして、このように上昇された後に、体に付着した石鹸水等を流すために所謂上がり湯を図示しないシャワーセット等により入浴者Pの身体や頭部P1 にかける。したがって、この簡易浴槽1によれば、浴槽シート4内の湯水を全て取り除く作業は必要がないことから、湯水を取り除く作業中に入浴者Pの身体が冷えてしまうことを有効に防止することができる。そして、上がり湯により身体の洗浄が終了した後には、入浴者Pの身体に付着した湯水をタオル等で拭き取り、再び図示しない吊り上げ装置により上記上がり湯ネット5上からベッド上に移送させる。
【0023】
そして、上述した工程で入浴作業が終了すると、この簡易浴槽1を図1に示すように分解するとともに、浴槽本体フレーム2と巻上げ装置44とを図6に示すように取り外す。なお、前記浴槽本体フレーム2は、図7に示すように、下部フレーム16上に第1乃至第4の支柱フレーム11,12,13,14(第3及び第4の支柱フレーム13,14は図7中に図示されていない)が水平状態となりさらにこれらの第1乃至第4の支柱フレーム11,12,13,14上に上部フレーム15が位置するように折り畳むとともに、頭部フレーム34も連動蝶番32,33を介して折り畳む。なお、このように浴槽本体フレーム2を折り畳む場合には、予め前記一方の固定ベルト23と他方の固定ベルト24とは切り離して置く。
【0024】
このように、上述した簡易浴槽1は、折り畳み可能な浴槽本体フレーム2と、シートボード3と、浴槽シート4と、上がり湯ネット5と、臀部ストッパ6と、前述した巻上げ装置44とから構成されていることから、持ち運びも簡単でありまた組み立ても簡単であることから、少人数で老人等を入浴させる一連の作業を行うことができる。特に、巻上げ装置44により緊張又は弛緩する上がり湯ネット5により、使用した湯水を取り除くために入浴者Pを長時間待たせることなく素早く上がり湯で身体を洗浄することができる。また、上記巻上げ装置44は、浴槽本体フレーム2を構成する上部フレーム15に着脱可能に取り付けられるものであり、従来のように、担架に固定されているものではないとともに単に簡易浴槽に対して従来の担架を載置したものでもないことから、部品点数を削減し安価に製造することができるばかりか、持ち運びも一層楽なものとすることができる。
【0025】
上述した本発明の一実施の形態の説明からも明らかなように、本発明に係る巻上げ装置によれば、一方及び他方のベルトの係合部に係合した載置シートを上記回動軸の回動により容易に緊張させ又は弛緩させ、該載置シート上の入浴者を容易に安定した状態で昇降可能とすることができる。また、この巻上げ装置により、上記載置シートを緊張させ入浴者を上昇させるにより、入浴者を待たせることなく使用した湯水を取り除き、素早く上がり湯で体を洗浄することができる。さらに、この発明では、簡易浴槽の端部の左右両側に形成された一方の筒状部が、巻上げ装置の左右両側に形成された他方の筒状部内に、又は他方の筒状部が一方の筒状部内に挿入され、簡易浴槽に着脱可能に取り付けられる構成を採用していることから、老人でも極めて簡単に着脱操作することが可能となる。
【0026】
特に、第2の発明(請求項2記載の発明)の発明によれば、載置シート上の入浴者を容易に安定した状態で昇降可能とすることができる。また、この載置シートにより浴槽から入浴者を上昇させることにより、入浴者を待たせることなく使用した湯水を取り除き、素早く上がり湯で体を洗浄することができる。
【0027】
さらに第3の発明(請求項3記載の発明)によれば、簡易浴槽の端部と巻上げ装置は、一方の筒状部が他方の筒状部内に、又は他方の筒状部が一方の筒状部内に挿入されて該簡易浴槽に取り付けられる構成であることから、着脱装置は老人でも極めて簡単に着脱操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の態様に係る簡易浴槽の分解斜視図である。
【図2】図2は、浴槽本体フレームの平面図である。
【図3】図3は、浴槽本体フレームを構成する下部フレームの平面図である。
【図4】図4は、図2に示す浴槽本体フレームの側面図である。
【図5】図5は、一方及び他方の固定ベルトを示す斜視図である。
【図6】図6は、巻上げ装置の構成を示す斜視図である。
【図7】図7は、浴槽本体フレームを折り畳んだ状態を示す側面図である。
【図8】図8は、入浴者が上がり湯シート上に載置された状態を模式的に示す側断面図である。
【図9】図9は、図8に示す状態から巻上げ装置を操作し入浴者が下降した後の状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 簡易浴槽
2 浴槽本体フレーム
4 浴槽シート
5 上がり湯ネット
10 下部フレーム
11 第1の支柱フレーム
12 第2の支柱フレーム
13 第3の支柱フレーム
14 第4の支柱フレーム
15 上部フレーム
36 首載置フレーム
44 巻上げ装置
46 回動軸
51 一方のベルト
52 他方のベルト
57 巻上げハンドル
Claims (1)
- 簡易浴槽に取り付けられるとともに、回動可能に設けられた回動軸と、基端がそれぞれこの回動軸の両端部に固定され先端には上記簡易浴槽内に設けられた入浴者載置用の載置シートの端部と係合する係合部が形成されてなる一方及び他方のベルトと、を備え、
上記回動軸の回動により、上記載置シートを緊張又は弛緩させることにより入浴者を昇降可能とする巻上げ装置であって、
上記簡易浴槽の端部の左右両側には一方の筒状部が形成され、上記巻上げ装置の左右両側には他方の筒状部が形成されており、上記一方の筒状部が他方の筒状部内に、又は他方の筒状部が一方の筒状部内に挿入され、簡易浴槽に着脱可能に取り付けられてなることを特徴とする巻上げ装置。
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