JP3613121B2 - X線透視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はX線透視装置に関し、更に詳しくは、対象物の透視像をモニタ画面に表示し、あるいは撮影する装置や、その透視像からCT画像を構築するX線CT装置にも適用することのできるX線透視装置に関する。
【0002】
例えば産業用X線透視装置をはじめとするX線透視装置においては、X線源に対向してイメージインテンシファイアおよびCCDカメラ等からなるX線カメラを配置し、これらの間に置かれた試料等の対象物の透過X線像をX線カメラで撮影する。
【0003】
また、通常、X線源とX線カメラとの間には、対象物上の所望のビューポイントがX線カメラの視野内にくるように対象物を位置決めするためのXYテーブルが配置されるとともに、そのXYテーブル上には、更に対象物に回転を与えるための回転テーブルが配置され、対象物はその回転テーブル上に載せられた状態で撮影に供される。更にまた、この種の透視装置においては、X線カメラをX線源の光軸中心に対して所定の方向に傾動させる傾動機構を備えたものもある。
【0004】
ところで、以上のような傾動機構を備えたX線撮影装置においては、XYテーブルを駆動することにより、対象物の所望のビューポイントをX線カメラの視野内に位置させた状態で、そのビューポイントを異なる角度から透視すべくX線カメラを傾動させると、ビューポイントがX線カメラの視野から外れていってしまい、それを追尾すべくXYテーブルを手動により操作する必要がある。特に、高拡大率で作業を行う場合、XYテーブルを手動操作してぴゅーポイントを追尾することは極めて困難である。
【0005】
また、回転テーブル上に対象物を載せ、XYテーブルを駆動してビューポイントをX線カメラの視野内に位置決めした状態で回転テーブルを駆動すると、ビューポイントは視野内から円弧を描いて外れていく。この場合、XYテーブルの手動操作によっては、円弧状に回転しつつ視野から外れていくビューポイントを追尾することは実質的に不可能である。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、X線カメラの傾動や回転テーブルによる対象物の回転によってビューポイントがX線カメラの視野内から外れることのないX線透視装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明のX線透視装置は、X線源と、そのX線源からのX線が入射する位置に配置されたX線カメラと、これらX線源およびX線カメラの間に設けられ、その上に載せられた透視対象物を位置決めするためのXYテーブルを備えるとともに、上記X線カメラの傾動機構を備えたX線透視装置において、上記X線カメラが傾動されたときに、その刻々の傾動角度と、あらかじめキャリブレーション操作により求められた上記X線源と透視対象物のビューポイント間の距離とを用いた演算により、ビューポイントの像が上記X線カメラの視野内に位置した状態を維持するのに必要なXYテーブルの移動量を算出して自動的に当該XYテーブルを移動させて上記ビューポイントを追尾する傾動追尾手段を備えていることによって特徴づけられる。
【0008】
また、同様の目的を達成するため、請求項2に係る発明のX線透視装置は、X線源と、そのX線源からのX線が入射する位置に配置されたX線カメラと、これらX線源およびX線カメラの間に設けられたXYテーブルと、そのXYテーブル上に載せられて透視対象物に回転を与えるための回転テーブルを備えたX線透視装置において、上記回転テーブルが回転されたとき、その刻々の回転位相と、あらかじめキャリブレーション操作により求められた上記回転テーブルの回転中心と透視対象物のビューポイント間の距離とを用いた演算により、ビューポイントの像が上記X線カメラの視野内に位置した状態を維持するのに必要なXYテーブルの移動量を算出して自動的に当該XYテーブルを移動させて上記ビューポイントを追尾する回転追尾手段を備えていることによって特徴づけられる。
【0009】
更に、請求項3に係る発明のX線透視装置は、X線源と、そのX線源からのX線が入射する位置に配置されたX線カメラと、これらX線源およびX線カメラの間に設けられたXYテーブルと、そのXYテーブル上に載せられて透視対象物に回転を与えるための回転テーブルを備えるとともに、上記X線カメラの傾動機構を備えたX線透視装置において、請求項1に記載の傾動追尾手段と、請求項2に記載の回転追尾手段の双方を備え、上記X線カメラが傾動されたとき、上記傾動追尾手段は上記ビューポイントを追尾したうえで、上記X線カメラの傾動角度を上記傾動機構が一定に固定し、その後上記回転テーブルが回転されたとき、上記回転追尾手段は上記ビューポイントを追尾することによって特徴づけられる。
【0010】
そして、請求項4に係る発明は、請求項1または3に係る発明を採用してX線カメラを傾動自在に設けて、その傾動角度を任意に変更可能とする場合、X線カメラの傾動角度に係わらず透視画像の倍率を常に一定に維持するものであって、上記X線カメラの傾動機構が、当該X線カメラを上記X線源を中心とする円弧の軌跡を描くように傾動させる機構であり、かつ、上記X線カメラが、X線源に向かう方向への距離を可変に設けられているとともに、上記傾動機構によりX線カメラを傾動させたとき、その傾動角度をθ、傾動角度が0のときの上記X線カメラとX線源との距離をAとすると、X線カメラとX線源との距離を自動的にA/cosθに変化させるように構成されていることによって特徴づけられる。
【0011】
本発明は、X線カメラの傾動や透視対象物の回転に起因するビューポイントのX線カメラの視野からの逸脱を、あらかじめキャリブレーション等によって求めたデータを用いてXYテーブルの補完動作を行うことで、所期の目的を達成しようとするものである。
【0012】
請求項1に係る発明は、X線カメラの傾動機構を備えたX線透視装置において、X線カメラの傾動時にXYテーブルの補完動作を行うことで、ビューポイントを追尾しようとするものである。X線カメラを傾動させたとき、その傾動によるビューポイントのX線カメラの視野に対する相対的な移動量は、図3に示されるように、X線カメラ4がX線源1の光軸中心L上に位置している状態を傾動角度0としたとき、X線源1(X線管球中心)からビューポイントVまでの距離hが判明していれば計算により求めることができる。すなわち、X線カメラ4の傾動角度θが0の状態でビューポイントVをX線カメラ4の視野内に位置決めした状態から、傾動機構7によりX線カメラ4をθ1 だけ傾動させたとき、上記した距離hとその傾動角度θ 1 を用いた演算(h*tanθ 1 )により、ビューポイントVの像がX線カメラ4の視野内に位置した状態を維持するのに必要なXYテーブル2の移動量を算出することができ、その算出結果に基づいて自動的にXYテーブル2を移動させることにより、ビューポイントVのX線カメラ4の視野からの逸脱を防止することができる。
【0013】
一方、請求項2に係る発明は、被写体の回転時にXYテーブルの補完動作を行うことで、ビューポイントを追尾しようとするものである。すなわち、図5に示されるように、X線源1の光軸中心Lに直交した平面上に、つまりXYテーブル2の駆動軸であるX軸およびY軸沿ってx軸およびy軸を取り、ビューポイントVの当初の座標(x1 ,y1 )と、回転テーブル3の回転中心Oの座標(x0 ,y0 )、および、回転中心OとビューポイントVとのなす距離rが判明していれば、回転テーブル3の回転位相をψとすると、回転テーブル3の回転時におけるビューポイントVの刻々の座標(xt ,yt )は、ビューポイントの初期位相をψ0 、ビューポイントの任意時刻における位相をψとし、xc ,yc を後述のようにとると、
xt =xc +r*cos(ψ0 +ψ)
yt =yc +r*sin(ψ0 +ψ)
によって表すことができる。
【0014】
また、その移動速度は、回転テーブル3の回転数とrから求められるビューポイントVの周速である。従って、このビューポイントVの移動に併せてXYテーブル2をx軸およびy軸沿わせてそれぞれ
xc =(x0 +r*cosψ 0)+r*cos(ψ+π)
yc =(y0 +r*sinψ 0)+r*sin(ψ+π)
のもとにビューポイントVの周速で移動させることで、ビューポイントVがX線カメラ4の視野内に位置している状態を維持することができる。
【0015】
そして、請求項3に係る発明は、X線源1とX線カメラ4の間にXYテーブル2および回転テーブル3を有し、しかもX線カメラ4の傾動機構7を備えたものにおいて、上記した請求項1に係る発明における傾動追尾手段と、請求項2に係る発明における回転追尾手段をともに備えた点を特徴とするものであり、この場合、回転追尾手段は、傾動機構によるX線カメラ4の傾動角度を任意角度に固定した状態とし、その状態におけるビューポイントVと回転テーブル3の回転中心Oとのなす距離を用いて、前記したxc およびyc を算出しつつXYテーブル2による補完動作を行うことで、任意に固定された傾動角度のもとに回転テーブル3を回転させても、ビューポイントVを追跡することができる。
【0016】
また、請求項4に係る発明はX線カメラの傾動角度の変化に対応してX線カメラとX線源の距離を自動的に変化させることで、X線透視画像の倍率を一定に維持するものである。すなわち、X線カメラがX線源を中心として円弧状の軌跡を描いて傾動するように構成され、X線カメラがX線源に向かう方向への距離を可変に設けられている場合、傾動角度を0からθに変化させると、ビューポイントとX線源とのなす距離が傾動角度0の場合にhであったとしたとき、その距離はh/cosθに変化して透視倍率が変化する。そこで、傾動角度が0のときのX線カメラとX線源との距離をAであったとすると、傾動角度を0からθに変化させたときにX線カメラとX線源との距離をA/cosθに自動的に変化させることにより、透視画像の倍率を一定に維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図であり、機械的構成を表す模式図と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【0018】
X線管球からなるX線源1は、X線の光軸中心Lが鉛直方向に向かうように配置され、その上方に水平面に沿ったXYテーブル2が設けられているとともに、そのXYテーブル2の上に回転テーブル3が載せられている。回転テーブル3の更に上方には、空隙を開けてX線カメラ4が配置されており、透視対象物W(以下、試料Wと称する)は回転テーブル3上に載せられた状態でその下方からX線が照射され、試料Wを透過したX線はX線カメラ4に入射する。X線カメラ4は、例えばイメージインテンシファイアとCCDとを組み合わせたものであり、その刻々の出力は画像処理回路5に取り込まれ、表示器6に試料WのX線透過画像が表示されるようになっている。
【0019】
X線カメラ4は、傾動機構7によってX線源1の光軸中心Lに対して任意の角度で傾動できるようになっている。この傾動は、図示のように水平のXYテーブル2のX軸およびY軸に沿ってx軸およびy軸を取り、これらに直交する鉛直軸に沿ってz軸を取ったとき、x−z平面上において、X線カメラ4がX線源1(X線管球の中心)を中心とした円弧状の動作によって行われる。また、このX線カメラ4は、X線源1に向かう方向に移動可能に設けられており、X線源1とX線カメラ4とを結ぶ距離を任意に設定できるようになっている。
【0020】
XYテーブル2のX軸およびY軸をそれぞれ駆動するX軸駆動用サーボモータ2aおよびY軸駆動用サーボモータ2bと、回転テーブル3を駆動する回転駆動用サーボモータ3a、および、傾動機構7を駆動するθ軸駆動用サーボモータ7aは、それぞれに対応して設けられ、かつ、制御装置8の制御下にある駆動回路(図示せず)からの駆動信号によって動作する。制御装置8はCPUを主体とするものであり、各種指令を与えるための操作盤9が接続されているとともに、以下に示す傾動追尾プログラムと、回転追尾プログラムが書き込まれている。
【0021】
傾動追尾プログラムは、図2にそのフローチャートを示すように、傾動機構7によりX線カメラ4を傾動させたときに実行されるものであり、あらかじめキャリブレーションによって試料WのビューポイントVとX線源1(X線管球の中心)とのなす距離hを求めておくことにより、X線カメラ4の傾動時に、その傾動角度θに応じて自動的にXYテーブル2に対して駆動信号を供給し、ビューポイントVがX線カメラ4の視野内に、従って表示器6の画面内に収まった状態を維持する。
【0022】
この傾動追尾プログラムにおけるキャリブレーションは以下の手順により行われる。すなわち、図3(A)に示すように、まず、X線カメラ4の傾動角度θが0の状態、つまりX線源1の光軸中心L上にX線カメラ4が位置している状態において、回転テーブル3上の任意の位置に試料Wを載せ、表示器6の画面を見ながら、XYテーブル2の手動操作により試料W上のビューポイントVをX線カメラ4の視野中心に入れ、操作盤9によりその旨を入力する。これにより、その時点におけるビューポイントVのx−y平面上での座標(x1 ,y1 )が制御装置8に格納される。
【0023】
次に、図3(B)に示すように、傾動機構7を駆動してX線カメラ4を任意の角度θ0 だけ傾動させる。これにより、ビューポイントVはX線カメラ4の視野内から移動してしまうので、XYテーブル2のX軸を手動操作により移動させ、ビューポイントVが再びX線カメラ4の視野中心に位置した状態とし、操作盤9からその旨を入力する。これにより、X線カメラ4の傾動角度θと、XYテーブル4の移動後のビューポイントVの座標(x2 ,y1 )が制御装置8内に格納される。制御装置8では、以上のキャリブレーション動作により得られた2種の座標と傾動角度θとから、ビューポイントVとX線源1とのなす距離hを、
h=(x2 −x1 )/ tanθ ・・・・(1)
によって算出して記憶する。
【0024】
距離hが判れば、X線カメラ4の任意の傾動角度θに対して、XYテーブル2をx軸方向に
x=h*tanθ ・・・・(2)
だけ移動させることで、ビューポイントVが常にX線カメラ4の視野中心近傍に収まった状態となる。
【0025】
従って、上記したキャリブレーションの後、任意の時点において傾動機構7に対してX線カメラ4を傾動させる指令を与えたとき、図2に示すように、その時点の傾動角度をθi とすると、その傾動の向きを判別し、傾動の向きが図1において右回りの向きであるならば、傾動後の傾動角度をθi+1 とすると、XYテーブル2をx軸に沿って
x=h*tanθi+1 −h*tanθi ・・・・(3)
だけ自動的に移動させる。
【0026】
また、傾動の向きが図1において左回りの向きであるならば、傾動後の傾動角度をθi−1 とすると、XYテーブ2をx軸に沿って
x=h*tanθi −h*tanθi−1 ・・・・(4)
だけ自動的に移動させる。
【0027】
以上の傾動追尾プログラムによると、キャリブレーションさえ行っておけば、傾動機構7によってX線カメラ4を任意の向きに任意の角度傾動させても、ビューポイントVがX線カメラ4の視野から外れることはない。
【0028】
ここで、X線カメラ4を傾動させると、試料WのX線透視画像の倍率が変化する。すなわち、X線カメラ4が傾動角度0から+θだけ傾動すると、X線源1の中心からビューポイントVまでの距離hがh/ cosθに変化する。これに対し、X線源1を中心とする円弧に沿って移動することによって傾動するX線カメラ4とX線源1との距離Aは一定であるから、X線カメラ4の傾動角度が0から+θだけ傾動することにより、倍率はA/hからA/(h/cosθ)に変化する。
【0029】
そこで、X線カメラ4の傾動角度が0の状態で設定した倍率を維持する場合、傾動追尾動作と併せて、X線カメラ4のX線源1からの距離を、傾動軸に沿ってAからA/cosθに自動的に変更すれば、X線カメラ4の傾動に係わらず試料Wの透視画像の倍率を一定に保つことができる。
【0030】
次に、回転追尾プログラムについて説明する。図4にそのフローチャートを示す。この回転追尾プログラムは、回転テーブル3により試料Wを回転させたときに実行されるものであり、あらかじめキャリブレーションによって回転テーブル3の回転中心と試料WのビューポイントVとのなす距離rを求めておくことにより、回転テーブル3の回転時に、その刻々の回転位相に応じて自動的にXYテーブル2に対して駆動信号を供給し、ビューポイントVがX線カメラ4の視野内に、従って表示器6の画面内に収まった状態を維持する。
【0031】
この回転追尾プログラムにおけるキャリブレーションは以下の手順により行われる。すなわち、図5(A)に示すように、まず、回転テーブル3の回転中心OがX線カメラ4の視野中心に位置するように手動操作でXYテーブル2を駆動した後、その旨の指令を与える。これにより、回転中心Oの座標(x0 ,y0 )が制御装置8に格納される。このときの操作は、回転テーブル3の回転中心O上にファントムを置き、そのファントムのセンターが表示器6の画面中央部のカーソルに一致するようにXYテーブル2を操作する等の手法を好適に採用することができる。
【0032】
次に、図5(B)に示すように、回転テーブル3上に試料Wを載せ、表示器6の画面を見ながら、ビューポイントVがX線カメラ4の視野中心に位置するようにXYテーブル2を手動操作し、その旨の指令を与える。これにより、ビューポイントVの座標(x1 ,y1 )が制御装置8に格納される。
【0033】
制御装置8では、以上の動作により得られた2種の座標から、回転テーブル3の回転中心OとビューポイントV間の距離rを、
r={(x1 −x0 )2 +(y1 −y0 )2 }1/2 ・・・・(5)
によって算出する。
【0034】
以上の距離rが判ると、回転テーブル3を回転させたときのビューポイントVの軌跡、つまり刻々のx座標およびy座標は、ビューポイントVの初期位相をψ0 、刻々の回転位相をψとすると、
xt =xc +r*cos(ψ0 +ψ) ・・・・(6)
yt =yc +r*sin(ψ0 +ψ) ・・・・(7)
によって表すことができ、また、その移動の速度は、回転テーブル3の回転数とrから求まるビューポイントVの周速と一致する。よって、XYテーブル2の各軸を、
xc =(x0 +r*cosψ0 )+r*cos(ψ+π) ・・・・(8)
yc =(y0 +r*sinψ0 )+r*sin(ψ+π) ・・・・(9)
で刻々と移動させることによって、X線カメラ4の視野中のビューポイントVの位置は変化しない。
【0035】
従って、以上のキャリブレーションを行った後、操作盤9を操作して回転テーブル3の回転指令を与えて所望の回転数で回転させると、制御装置8は(8),(9)式に基づいて、回転数に応じて微小の一点時間後のXYテーブル2のx軸およびy軸方向への移動量δx およびδy を算出しつつ、XYテーブル2を刻々と駆動する。
【0036】
以上の回転追尾プログラムによれば、前もってキャリブレーションを行っておくことにより、回転テーブル3を駆動して試料Wに回転を与えても、自動的にXYテーブル2に駆動制御信号が供給されて補完動作が行われ、ビューポイントVは常にX線カメラ4の視野中心に位置した状態となる。
【0037】
ここで、以上の説明においては、X線カメラ4の傾動角度が0の場合について述べたが、X線カメラ4を任意の傾動角度で傾動させた状態においても、上記と全く同等の補完によりビューポイントVを追尾することができる。
【0038】
ただし、この場合、キャリブレーション時において、X線カメラ4を所望の傾動角度で傾動させた状態とする必要がある。すなわち、キャリブレーションにおいては、上記と同様にして傾動角度を0にした状態で、回転テーブル3の回転中心Oの座標(x0 y0 )を記憶した後、ビューポイントVの座標(x1 ,y1 )を記憶し、その後、X線カメラ4を所望の傾動角度に傾動させる。これによりビューポイントVがX線カメラ4の視野中心からずれるから、XYテーブル2を手動操作によりx軸方向に移動させてビューポイントVを再びX線カメラ4の視野中心にまで移動させ、そのときのビューポイントVの座標(x2 ,y1 )を記憶する。この移動により、回転中心Oの座標およびビューポイントVの座標は、それぞれ距離(x2 −x1 )だけx軸に沿って移動したことになる。
【0039】
そして、実際の追尾に際しては、X線カメラ4の傾動角度をキャリブレーション時における傾動角度に固定した状態で、回転テーブル3の回転時に、上記した傾動角度0の場合の補完動作に用いた各式における回転中心OおよびビューポイントVのx座標x0 およびx1 に、それぞれ(x2 −x1 )だけ加算した値を用いて移動量σx およびσy を算出することで、ビューポイントVが常にX線カメラ4の視野中心に位置した状態を維持することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、X線カメラを傾動させたとき、その傾動に起因するX線カメラとビューポイントとの相対的な移動に対応したXYテーブルの補完動作により、ビューポイントが常にX線カメラの視野内に収まるように追尾するから、当初にビューポイントをX線カメラの視野内に入れてキャリブレーションをしておくだけで、以後、傾動機構を自由に操作してX線カメラを任意の角度に傾動させても、ビューポイントは常にX線カメラの視野内に収まった状態となり、特に高倍率での試料の透視作業における作業性を大幅に向上させることができる。
【0041】
また、請求項2に係る発明によれば、試料を載せた回転テーブルを回転させたとき、刻々の回転位相に対応したXYテーブルの補完動作により、ビューポイントが常にX線カメラの視野内に収まるように追尾するから、当初にビューポイントをX線カメラの視野内に入れてキャリブレーションをしておくだけで、以後、回転テーブルを回転させてもビューポイントは常にX線カメラの視野内に収まった状態となり、試料の全周からのライブ透視画像を得ることができる。
【0042】
更に、請求項3に係る発明によれば、上記の傾動追尾機能と回転追尾機能の双方を備えているため、例えばBGAのハンダボール1個を任意の角度での全周からのライブ透視画像を得ることができるようになった。
【0043】
そして、請求項4に係る発明によると、X線カメラの傾動時に、その傾動角度に対応させてX線カメラとX線源とのなす距離を自動的に変更することによって、X線透視像の撮影倍率を一定に維持することが可能となり、X線カメラの傾動時においても透視画像中のビューポイントの大きさを一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成図であり、機械的構成を表す模式図と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【図2】本発明の実施の形態で用いられる傾動追尾プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における傾動追尾プログラムでのキャリブレーションの仕方の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態で用いられる回転追尾プログラムの内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における回転追尾プログラムでのキャリブレーションの仕方の説明図である。
【符号の説明】
1 X線源
2 XYテーブル
2a X軸駆動用サーボモータ
2b Y軸駆動用サーボモータ
3 回転テーブル
3a 回転駆動用サーボモータ
4 X線カメラ
5 画像処理回路
6 表示器
7 傾動機構
7a θ軸駆動用サーボモータ
8 制御装置
9 操作盤
Claims (4)
- X線源と、そのX線源からのX線が入射する位置に配置されたX線カメラと、これらX線源およびX線カメラの間に設けられ、その上に載せられた透視対象物を位置決めするためのXYテーブルを備えるとともに、上記X線カメラの傾動機構を備えたX線透視装置において、上記X線カメラが傾動されたときに、その刻々の傾動角度と、あらかじめキャリブレーション操作により求められた上記X線源と透視対象物のビューポイント間の距離とを用いた演算により、ビューポイントの像が上記X線カメラの視野内に位置した状態を維持するのに必要なXYテーブルの移動量を算出して自動的に当該XYテーブルを移動させて上記ビューポイントを追尾する傾動追尾手段を備えていることを特徴とするX線透視装置。
- X線源と、そのX線源からのX線が入射する位置に配置されたX線カメラと、これらX線源およびX線カメラの間に設けられたXYテーブルと、そのXYテーブル上に載せられて透視対象物に回転を与えるための回転テーブルを備えたX線透視装置において、上記回転テーブルが回転されたとき、その刻々の回転位相と、あらかじめキャリブレーション操作により求められた上記回転テーブルの回転中心と透視対象物のビューポイント間の距離とを用いた演算により、ビューポイントの像が上記X線カメラの視野内に位置した状態を維持するのに必要なXYテーブルの移動量を算出して自動的に当該XYテーブルを移動させて上記ビューポイントを追尾する回転追尾手段を備えていることを特徴とするX線透視装置。
- X線源と、そのX線源からのX線が入射する位置に配置されたX線カメラと、これらX線源およびX線カメラの間に設けられたXYテーブルと、そのXYテーブル上に載せられて透視対象物に回転を与えるための回転テーブルを備えるとともに、上記X線カメラの傾動機構を備えたX線透視装置において、請求項1に記載の傾動追尾手段と、請求項2に記載の回転追尾手段の双方を備え、上記X線カメラが傾動されたとき、上記傾動追尾手段は上記ビューポイントを追尾したうえで、上記X線カメラの傾動角度を上記傾動機構が一定に固定し、その後上記回転テーブルが回転されたとき、上記回転追尾手段は上記ビューポイントを追尾することを特徴とするX線透視装置。
- 上記X線カメラの傾動機構が、当該X線カメラを上記X線源を中心とする円弧の軌跡を描くように傾動させる機構であり、かつ、上記X線カメラが、X線源に向かう方向への距離を可変に設けられているとともに、上記傾動機構によりX線カメラを傾動させたとき、その傾動角度をθ、傾動角度が0のときの上記X線カメラとX線源との距離をAとすると、X線カメラとX線源との距離を自動的にA/cosθに変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1または3に記載のX線透視装置。
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