JP4045443B2 - 傾斜型x線ct装置における回転中心軸の較正方法および傾斜型x線ct装置 - Google Patents

傾斜型x線ct装置における回転中心軸の較正方法および傾斜型x線ct装置 Download PDF

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本発明は、X線源とX線検出器の対と、試料とを所定の回転中心軸の回りに相対的に回転させつつ、試料にX線を照射して得られるX線透過情報を用いて、試料の断層像を構築するX線CT装置で、X線源とX線検出器とを結ぶ線と回転中心軸とが直交しない撮像系を備えた傾斜型のX線CT装置において、その回転中心軸の投影位置座標を求める較正方法と、その方法を用いて回転中心軸の投影位置座標を正確に求めることのできる傾斜型X線CT装置に関する。
産業用のX線CT装置においては、近年、コーンビーム状に広がりを持つX線を用いたCT装置、つまりコーンビームX線CT装置の採用が多くなってきている。産業用のコーンビームX線CT装置は、図5に模式的に示すように、X線源101とX線検出器102の間に、測定対象物W(以下、試料Wと称する)を搭載して回転を与えるための回転テーブル103を配置し、その回転テーブル103を360°にわたって回転させながら試料WにX線を照射し、所定の微小回転角度ごとに収集したX線検出器102の出力、つまりX線投影データを用いて、回転テーブル103の回転中心軸Rに直交する平面に沿った試料Wの断層像を、一度に数百枚程度再構成する(例えば特許文献1参照)。
また、試料Wに回転を与える回転テーブル103設けることに代えて、試料を回転しないテーブル上に搭載し、その回りでX線源101とX線検出器102の対を回転させるようにした装置も知られている。
ところで、コーンビームX線CT装置においては、試料とX線源との距離を短くすればするほど投影倍率を拡大するとこができ、微細なCT像を得ることができる。しかしながら、試料を回転させるか、あるいはX線源とX線検出器の対を回転させるという構成上、図6に示すように、試料WとX線源101とを近づける限界、つまり投影倍率の拡大率の上限は、試料WとX線源101との干渉による制約を受け、結局、試料Wの形状に依存することになる。
このような問題を解決するための対策として、従来、傾斜型X線CT装置が開発されている。傾斜型X線CT装置は、図7に模式的に示すように、X線源201とX線検出器202とを結ぶ線と、回転テーブル203の回転中心軸Rとが直交しない位置関係でこれらを配置したものであり、試料Wが例えば基板などでその縦横比が極めて大きなものであっても、X線源201を試料Wに対して接近させることが可能となり、従来の装置に比して投影倍率を大幅に拡大することが可能となった(例えば特許文献2参照)。
なお、傾斜型X線CT装置におけるX線検出器202は、図5ないしは図6に示した通常のX線CT装置におけるX線検出器102として無限に大きな検出器を用いたと仮定して、その一部と考えることができるので、図5ないしは図6に示した通常のCT装置で用いるアルゴリズムと同等のものを用いることで、その断層像を再構成することができる。また、自明ではあるが、X線検出器の向きは座標変換等により任意に変換可能であるが故に、どの方向を向いていてもかまわない。更に、この傾斜型X線CT装置においても、回転テーブルによって試料を回転させることに代えて、回転しない試料テーブル上に試料を配置するとともに、その回りにX線源とX線検出器の対を回転させるように構成することも可能である。
さて、以上のような傾斜型CT装置においても、従来の通常のX線CT装置と同様に、投影データ中において試料ないしはX線源とX線検出器の対の回転中心軸の位置、すなわちX線検出器上への回転中心軸の投影位置(座標)を正確に求めて再構成演算に供することは、高画質の断層像を得るうえで重要な要素となる。
傾斜型でない図5に例示した従来のコーンビームX線CT装置においては、図8に模式的に示すように、タングステンなどのX線透過率の低いワイヤ81aをアクリルなどのパイプ81bの内側に張った較正治具80(ファントム)を用い、その較正治具80を、回転テーブル103もしくは回転しない試料テーブルの上に載せてX線源101からのX線を照射しつつ、回転テーブル103もしくはX線源101とX線検出器102の対の回転機構を駆動して回転を与え、所定の回転角度ごとにX線検出器102の出力である投影データを収集し、そのX線検出器102の例えば上下方向中央部分において横方向に伸びる1ライン分のデータを用いて、各回転角度におけるワイヤ81aの横方向への位置情報を表すサイノグラムを求めることにより、回転テーブル103もしくはX線源101とX線検出器102の対の回転中心軸のX線検出器102上への投影位置を求める、いわゆる回転中心軸の較正作業を行っている。
特開2003−185601号公報 特開平7−5125号公報
ところで、傾斜型のCT装置においては、図8に示したような較正治具80を用いた場合、以下に示すような問題が生じる。
すなわち、傾斜型のコーンビームX線CT装置における特徴の一つに、前記したように投影拡大率を高くすることができるという利点があるが、高拡大率を得るためには、透視対象を可能な限りX線に近づける必要があることも前記した通りである。図8に示した従来の較正治具80を用いて回転機構の回転中心軸の位置を特定するためには、その回転機構の回転中心軸の近傍に較正治具80を配置し、かつ、ワイヤ81aの有効範囲がX線検出器により検出されるような位置関係となるように位置決めした状態で相対回転を与える必要がある。
しかしながら、図9に示すように、従来の較正治具80は、実際にはアクリルなどのパイプ81bの上下にワイヤ81aを張るための機構81cを設ける必要があるため、ワイヤ81aの有効範囲が限られている。一方で、拡大率を上げるために当該較正治具80を搭載するテーブル203とX線源201とを近づけている関係上、較正治具80とX線源201とが干渉してしまうことになる。従って、従来の較正治具80を用いた較正方法では、較正治具80の拡大率をある程度以上には大きくできすることができない。
ここで、較正治具80を用いた回転中心軸の較正方法においては、当然のことながら、較正治具80の拡大率を大きくすればするほど、回転中心軸の位置を検出する精度が高くなるので、結局、回転中心軸の較正精度をある程度以上に高くすることができないという問題がある。
また、傾斜型でない従来のコーンビームX線CT装置では、較正治具80に相対回転を与えつつ、ワイヤ81aに対して垂直にX線を照射して得られる投影データを収集し、回転によるワイヤ81aの投影位置の振れを、X線検出器102上において横方向(回転中心軸に直交する方向)に並ぶ1ラインの投影データを用いて求め、その振れの中心を回転中心軸の投影位置とすることは前記した通りであり、その1ラインの投影データに現れるワイヤ81aの像は、較正治具80の回転によっても変わらない同じ位置の像となる。
これに対し、傾斜型コーンビームX線CT装置においては、図10に模式的に示すように、X線源201とX線検出器202とを結ぶ線に対してワイヤ81aは垂直でなく斜めとなっているため、X線源201とX線検出器202の対に対して較正治具80を相対回転させたとき、X線検出器202の所定の1ラインには、ワイヤ81aの互いにΔだけ離れた異なる位置の投影データが集まることになり、回転中心軸に対するワイヤ81aの位置ずれや、ワイヤ81aのテーブル表面に対する垂直度並びに真直度の影響によって、得られる投影データ、ひいては回転中心軸の位置の計算結果に誤差が生じるという問題がある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、傾斜型X線CT装置において、従来の較正治具を用いた回転中心軸の較正方法に比して、較正治具の投影データをより高い投影拡大率で収集することができ、しかも、較正治具の位置ずれ等による影響を受けることなく高精度に回転中心軸の投影位置を求めることのできる回転中心軸の較正方法と、その方法を用いて回転中心軸の投影位置座標を高い精度で求めることができ、ひいては高画質の断層像を得ることのできる傾斜型X線CT装置の提供をその課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明の傾斜型X線CT装置における回転中心軸の較正方法は、互いに対向配置されたX線源とX線検出器の間に試料テーブルを配置し、X線源とX線検出器の対もしくは試料テーブルを所定の回転中心軸の回りに回転させつつ、試料にX線を照射して所定の回転角度ごとに採取したX線透過データを用いて、上記回転中心軸に直交する平面に沿った試料の断層像を再構成するとともに、上記X線源とX線検出器を結ぶ線が上記回転中心軸に直交しない傾斜型X線CT装置において、上記回転中心軸の投影位置の座標を求める方法であって、X線吸収率の高い材質からなり、少なくとも一辺が真直に形成された薄膜、箔または薄板、もしくは真直なワイヤを有してなる較正治具を、当該真直な辺もしくはワイヤが上記試料テーブルの試料搭載面に沿うように配置し、その状態で上記X線源とX線検出器の対もしくは試料テーブルを360°/n(nは4以上の偶数)ずつ回転させ、その各回転角度で上記較正治具のX線透視像を取り込み、その各X線透視像を重畳させて得られる上記真直な辺もしくはワイヤの像で囲まれたn角形の対角線の交点の座標を求め、その交点の座標を上記回転中心軸の投影位置座標とすることによって特徴づけられる(請求項1)。
また、本発明の傾斜型X線CT装置は、互いに対向配置されたX線源とX線検出器、およびこれらの間に配置された試料テーブルと、上記X線源とX線検出器の対、もしくは上記試料テーブルを所定の回転中心軸の回りに回転させる回転機構と、上記試料テーブル上に試料を搭載した状態で回転機構を駆動しつつX線を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだ試料のX線透過データを用いて、上記回転中心軸に直交する平面に沿った断層像を再構成する断層像再構成演算手段を備えるとともに、上記回転中心軸が、上記X線源とX線検出器とを結ぶ線に対して直交しない関係を有する傾斜型X線CT装置において、少なくとも一辺が真直に形成された薄膜、箔または薄板、もしくは真直なワイヤを有してなる較正治具を、当該真直な辺もしくはワイヤが上記試料テーブルの試料搭載面に沿うように配置した状態でX線を照射しつつ、上記回転機構を360°/n(nは4以上の整数)ずつ回転させるごとに取り込んだX線透過像を用い、これらの各X線透過像を重畳させて得られる上記真直な辺もしくはワイヤの像で囲まれたn角形の対角線の交点の座標を求め、その座標を上記断層像再構成演算部に対して再構成演算時における回転中心軸の投影位置座標として供給する画像処理手段を備えていることによって特徴づけられる(請求項2)。
本発明は、少なくとも一辺が真直に形成され、X線吸収率の高い材質からなる薄膜、箔または薄板、もしくは真直なワイヤを有してなる較正治具を、試料テーブルの試料搭載面に沿わせて配置し、X線源とX線検出器の対と試料テーブルとを相対的に360°/n(nは4以上の偶数)ずつ回転させてX線透過データを採取することにより、各回転位置において真直な辺もしくはワイヤによる直線のX線透過像を得て、その各像を重畳させることによって得られる多角形の交点を回転中心軸の投影位置として求めることにより、所期の目的を達成しようとするものである。
すなわち、真直な辺を有する薄膜、箔または薄板、もしくはワイヤを、試料テーブルの試料搭載面に沿わせて配置した状態で、360°/nずつ回転させて真直な辺もしくはワイヤのX線透過像を取り込み、その各透過像を重畳させると、その辺ないしはワイヤに囲まれたn角形の画像が得られる。このn角形の画像の対角線の位置は、回転中心軸の投影位置と一致する。これは、X線透視などの投影拡大系において、直線は直線に投影されるという原理を応用したものである。360°/n、例えば90°ずつ回転させたときの実際の較正治具の真直な辺の各回転角度での位置を集合させると正方形となり、その対角線の交点は回転中心軸と一致することは明らかであるが、斜め方向からX線を照射してそのX線照射方向に対向するX線検出器によりX線透過データを採取して得られる像の集合では、後述するようにX線源と真直な辺もしくはワイヤとのなす距離が変化するため、図3(C)に例示するように台形となるが、その対角線の交点は、実物により形成される正方形の交点が投影された位置となり、正しく回転中心軸に一致する。
そして、以上のような本発明において用いる較正治具は、試料テーブルの試料搭載面からの高さが実質的に無視できるフィルム状とすることができるため、較正治具に起因するX線源の接近の限界は生じず、大きな投影倍率のもとにX線透過情報を採取することができ、また、従来の較正治具のように斜め方向からX線を照射することと較正治具の位置の回転中心軸に対するずれに起因する誤差も生じない。
本発明によれば、薄膜、箔または薄板により形成された真直な辺もしくはワイヤを有してなる較正治具を、その真直な辺もしくはワイヤが試料テーブルの試料搭載面に沿うように配置して、一定の角度ずつ回転させてX線透視像を採取し、その各X線透視像を重畳させて得られる多角形の対角線の交点を回転中心軸の投影位置として求めるので、試料テーブルの試料搭載面上に垂直にワイヤを立てて回転させながらX線を照射して、そのワイヤ像の振れから回転中心軸を求める場合に比して、較正治具の投影拡大率を大きくすることができ、しかも斜めからX線を照射することによる誤差を生じることもないことから、より高精度に回転中心軸の投影位置座標を求めることができ、ひいては高画質の断層像を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の説明図であり、(A)は本発明の実施の形態の要部の機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図であり、(B)は試料テーブル3の平面図を示している。
X線源1とX線検出器2が対向配置され、その間に試料テーブル3が設けられている。試料テーブル3は回転機構31によって鉛直方向に沿った回転中心軸Rの回りに回転を与えることができ、X線源1とX線検出器2とを結ぶ線は、その回転中心軸Rに対して垂直でなく、所定の角度だけ傾斜した状態で配置されている。
X線検出器2の出力は、画像取り込み回路4を介して演算装置5に取り込まれる。演算装置5は、画像取り込み回路4を介して取り込んだX線検出器2からのX線透過情報を記憶する記憶部51と、その記憶したX線透過情報を用いた再構成演算により、試料の断層像を構築して表示器6に表示する断層像再構成演算部52と、回転中心軸の較正時に、後述するように記憶部51に記憶されている較正治具のX線透過像を用いた画像処理により、試料テーブル3の回転中心軸Rの投影位置を算出して断層像再構成演算部52に供給する画像処理部54、および回転機構31に対して設定された角度ずつ試料テーブル3を回転させるべく制御信号を供給し、かつ、設定された角度だけ試料テーブル3が回転するごとに、記憶部51に対してX線検出器2の出力を格納すべくタイミング信号を供給する等の全体の制御を司る制御部54を主体として構成されている。
なお、この演算装置5は、実際にはコンピュータとその周辺機器を主体として構成され、インストールされているプログラムに従った機能を実現するのであるが、図1では、説明の簡略化のために主たる機能ごとにブロック図で示している。
試料の断層像を得る、つわゆる通常の撮像時においては、試料テーブル3上に被写体となる試料を搭載した状態で、試料テーブル3が所定の微小角度ずつ回転するように制御部54から回転機構31に対して駆動制御信号が供給され、その各回転角度ごとのX線検出器2からの試料のX線透過情報が記憶部51に逐次記憶されていく。試料テーブル3が1回転した後には、記憶部51には試料の360°にわたるX線透過データが記憶されたことになり、断層像再構成演算部52ではその記憶内容を用いた公知のアルゴリズムにより、回転中心軸Rに直交する平面に沿った試料の断層像を構築し、表示器6に表示する。
ここで、以上の断層像の再構成演算に際しては、前記したように回転中心軸RのX線検出器2上への投影位置座標を正確に求めることが、高画質の断層像を構築するうえで重要となる。この回転中心軸Rの投影位置座標は、以下に示す較正動作によって求められる。
図2はその較正動作に用いられる較正治具10の正面図である。この例における較正治具10は、ポリイミドフィルム11を基体として、その表面に銅の薄膜を形成してエッチングすることにより、真直な辺12aを有してなる銅パターン12を形成するとともに、ポリイミドフィルム11に反り等が発生しないように、辺12aの両側部分においてポリイミドフィルム11をカーボン板13で補強した構造を有している。
この較正治具10は、図1(B)に示すように、試料テーブル3の上面、つまり試料搭載面3a上に、ポリイミドフィルム11が沿うように、従って辺12aが試料搭載面3aに沿うように配置される。ここで、この較正治具10は、予想される回転中心軸Rに対して辺12aが若干の距離だけ離れた位置となるように適当に位置決めされる。
その状態で、演算装置5に対し、キーボードやマウス等の入力手段(図示せず)を用いて較正動作を実行する旨の指令を与える。これにより、制御部54が、試料テーブル3の回転機構31に対して、90°ずつ間欠的に回転するように駆動制御信号を供給する。そして、その各回転角度ごとに、X線検出器2から出力される較正治具10のX線透過情報を取り込んで記憶部51に記憶していく。試料テーブル3が270°だけ回転した後、つまり回転角度0°、90°、180°および270°でのX線透過情報を記憶部51に取り込んだ後、以下に示す手法によって回転中心軸Rの投影位置を算出する。
試料テーブル3の回転中心軸Rの鉛直方向をz軸方向、水平面上で互いに直交する方向をx,y軸方向とし、X線源1とX線検出器2とを結ぶ線(X線光軸)がx−z平面上で傾斜しているとして、回転角度0°において較正治具10の辺12aがy軸方向に沿っているとすると、較正治具10を90°ずつ回転させたとき、その実物は試料テーブル3を平面視した場合、図3に示すように、各回転角度における辺12aが正方形の四辺を形成することになる。この正方形の各頂点Cを繋ぐ対角線の交点Pは、回転中心軸Rが試料搭載面3aを貫く点となる。
さて、以上のように試料テーブル3を90°ずつ回転させて、各回転角度でX線検出器2により撮像した辺12aの像は、回転角度0°では図4(A)に示すようにy軸方向に沿ったものとなり、回転角度90°では同図(B)に示す通り0°の辺12aに対して直交するx軸方向に沿ったものとはならない。これは、回転角度90°と270°の状態では、辺12aの両端部のX線源1とのなす距離が相違することに由来して、両端部において透視拡大率が相違するためである。結局、0°〜270°にわたって90°ずつ回転させて実物では辺12aによって描かれる正方形は、各回転角度における辺11aの像の集合では、図4(C)に示すように台形となる。
画像処理部53では、各回転角度で採取した較正治具10の辺11aの像を重畳させて図4(C)に例示するような台形の画像を構築し、その台形の対角線の交点Qの座標を求める。この交点Qは、図3に示す正方形の対角線の交点PのX線検出器2上への投影位置に一致し、従って交点Qを求めることがすなわち回転中心軸Rと試料搭載面3aとの交点の投影位置座標を求めることになる。
このようにして求めた回転中心軸Rの投影位置座標は、較正治具10の厚さ(試料テーブル3に直交する方向への寸法)が無視し得る程度に薄く、かつ、試料テーブル3の試料搭載面3a上に密着配置されるために、X線源1を接近させる妨げとなることがなく、従来に比して投影拡大率を大きくして較正を行うことができ、かつ、X線を斜めに照射することによる誤差が生じず、従来の較正治具を用いて求められた投影位置座標に比して、大幅に高精度なものとなる。
従って、以上のような手順により画像処理部53で求めた回転中心軸Rを、断層像再構成演算部52による試料の断層像の再構成演算に用いることにより、高画質の断層像を得ることができる。
なお、以上の実施の形態においては、較正治具10としてポリイミドフィルム11の表面に銅からる薄膜12を形成してエッチングにより真直な辺12aを形成した構造のものを用いたが、薄膜に代えて箔を用いて真直な辺を形成して、フィルム等の適当な支持部材で支持した構造のもの、あるいは、真直なワイヤをフィルム等の適当な支持部材の表面に沿って固着したものなどを用いても同等の作用効果を得ることができる。ただし、真直な辺を形成する部材の、X線とX線検出器とを結ぶ方向への寸法は、可能な限り薄くすることが、その像の鋭利化のため、ひいては回転中心軸の正確な投影位置座標を求めるうえで好ましい。
また、以上の実施の形態においては、較正治具10を90°ずつ回転させて真直な辺12aのX線透視像を取り込んだ例を示したが、回転角度は90°に限られることなく、nを4以上の偶数としたとき、360°/nずつ回転させて、実物の辺により正n角形を形成することにより、上記と全く同等の作用効果を奏することができる。
更に、以上の実施の形態においては、試料テーブル3を回転させることによってX線源とX線検出器の対と試料とを相対回転させたが、試料テーブルを回転させずに、X線源とX線検出器の対側をその試料テーブルの回りに回転させる構造の傾斜型X線CT装置にも等しく本発明を適用し得ることは勿論である。
本発明の実施の形態の説明図で、(A)は要部の機械的構成を表す模式図と電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図であり、(B)はその試料テーブル3の平面図である。 本発明の実施の形態において用いられる較正治具10の正面図である。 本発明の実施の形態により回転中心軸の較正動作において、試料テーブル3を回転させたときに較正治具10の辺12aにより形成される正方形の説明図である。 本発明の実施の形態により図3のように較正治具10を回転させたときに得られる辺12aの像の説明図で、(A)は回転角度0°、(B)は回転角度90°において得られる像の例を示し、(C)は0°〜270°にわたって回転させたときの辺12aの像を重畳させた画像の例を示す図である。 従来の通常の産業用コーンビームX線CT装置の構成例を示す模式図である。 図5に示す構造のX線CT装置によるX線源と試料との接近限界の説明図である。 傾斜型コーンビームX線CT装置の構成例を示す模式図である。 従来のコーンビームX線CT装置における回転中心軸の構成方法の例の説明図である。 図8に例示した従来の較正治具80を用いて傾斜型コーンビームX線CT装置の回転中心軸を較正する場合に、投影拡大率を高くすることのできない理由の説明図である。 同じく図8に例示した従来の較正治具80を用いて傾斜型コーンビームX線CT装置の回転中心軸を較正する場合に、回転中心軸の投影位置座標に誤差が生じる理由の説明図である。
符号の説明
1 X線源
2 X線検出器
3 試料テーブル
31 回転機構
4 画像取り込み回路
5 演算装置
51 記憶部
52 断層像再構成演算部
53 画像処理部
54 制御部
6 表示器
10 較正治具
11 ポリイミドフィルム
12 銅薄膜
12a 真直な辺
13 カーボン
R 回転中心軸

Claims (2)

  1. 互いに対向配置されたX線源とX線検出器の間に試料テーブルを配置し、X線源とX線検出器の対もしくは試料テーブルを所定の回転中心軸の回りに回転させつつ、試料にX線を照射して所定の回転角度ごとに採取したX線透過情報を用いて、上記回転中心軸に直交する平面に沿った試料の断層像を再構成するとともに、上記X線源とX線検出器を結ぶ線が上記回転中心軸に直交しない傾斜型X線CT装置において、上記回転中心軸の投影位置の座標を求める方法であって、
    X線吸収率の高い材質からなり、少なくとも一辺が真直に形成された薄膜、箔または薄板、もしくは真直なワイヤを有してなる較正治具を、当該真直な辺もしくはワイヤが上記試料テーブルの試料搭載面に沿うように配置し、その状態で上記X線源とX線検出器の対もしくは試料テーブルを360°/n(nは4以上の偶数)ずつ回転させ、その各回転角度で上記較正治具のX線透過像を取り込み、その各X線透過像を重畳させて得られる上記真直な辺もしくはワイヤの像で囲まれたn角形の対角線の交点の座標を求め、その交点の座標を上記回転中心軸の投影位置座標とすることを特徴とする傾斜型X線CT装置における回転中心軸の較正方法。
  2. 互いに対向配置されたX線源とX線検出器、およびこれらの間に配置された試料テーブルと、上記X線源とX線検出器の対、もしくは上記試料テーブルを所定の回転中心軸の回りに回転させる回転機構と、上記試料テーブル上に試料を搭載した状態で回転機構を駆動しつつX線を照射し、所定の回転角度ごとに取り込んだ試料のX線透過データを用いて、上記回転中心軸に直交する平面に沿った断層像を再構成する断層像再構成演算手段を備えるとともに、上記回転中心軸が、上記X線源とX線検出器とを結ぶ線に対して直交しない関係を有する傾斜型X線CT装置において、
    少なくとも一辺が真直に形成された薄膜、箔または薄板、もしくは真直なワイヤを有してなる較正治具を、当該真直な辺もしくはワイヤが上記試料テーブルの試料搭載面に沿うように配置した状態でX線を照射しつつ、上記回転機構を360°/n(nは4以上の偶数)ずつ回転させるごとに取り込んだX線透過像を用い、これらの各X線透過像を重畳させて得られる上記真直な辺もしくはワイヤの像で囲まれたn角形の対角線の交点の座標を求め、その座標を上記断層像再構成演算部に対して再構成演算時における回転中心軸の投影位置座標として供給する画像処理手段を備えていることを特徴とする傾斜型X線CT装置。
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