JP3612672B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電解コンデンサ駆動用電解液に関するもので、特に、中高電圧用電解コンデンサの特性改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、中高電圧用電解コンデンサの駆動用電解液として、エチレングリコールを主体とする溶媒に有機カルボン酸、ほう酸、あるいはこれらの塩を溶解してなる電解液が用いられてきたが、中高電圧用電解コンデンサにおいても、ハロゲン化炭化水素による洗浄の要求が高まっている。この要請に応えるべく、コンデンサ素子の腐食防止を目的として、これらの電解液にパラニトロフェノールやパラニトロ安息香酸などのニトロ化合物を添加する対策が実施されている。
【0003】
しかし、これらのニトロ化合物は、ヒドロキシル基やカルボキシル基を有しているため、それ自体が電解質として作用するので、これらを添加した電解液では、火花電圧の低下が著しく、エージング中のパンクを生じるなど中高電圧用電解コンデンサへの適用は、耐電圧の点で問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来の電解コンデンサは、印刷基板にはんだ付けして取り付ける時、工程中のはんだフラックスを除去する目的でハロゲン化炭化水素を用いて蒸気洗浄や超音波洗浄を行っていたが、ハロゲン化炭化水素が電解コンデンサの封口材を透過してコンデンサ内部に浸入して分解し、塩素イオンを生成してコンデンサ素子を腐食させることがあった。この腐食を防止する目的で駆動用電解液にニトロ化合物を添加することも行われているが、火花電圧の低下をもたらすため、耐電圧特性に問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、ハロゲン化炭化水素の浸入によって生ずるコンデンサ素子の腐食を抑制し、かつ、火花電圧の低下がない中高電圧用電解コンデンサ駆動用電解液を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールを主体とした溶媒と、有機カルボン酸及び/又はほう酸の少なくとも一方がこれらの塩からなる溶質とを溶解した駆動用電解液に、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物を0.1重量%以上添加したことを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液である。
【0007】
【作用】
以上のように構成してなる電解コンデンサ駆動用電解液によれば、エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールを主体とした溶媒と、有機カルボン酸及び/又はほう酸の少なくとも一方がこれらの塩からなる溶質とを溶解した駆動用電解液に、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物を0.1重量%以上添加したことによって、ハロゲン化炭化水素の浸入による腐食を抑制し、かつ、火花電圧を低下せしめることのない、信頼性の高い中高電圧用電解コンデンサ駆動用電解液を提供することができる。
【0008】
このヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物の添加量を0.1重量%以上とした理由は、0.1重量%未満ではハロゲン化炭化水素の浸入による腐食を抑制できないなど添加の効果がないためである。なお、これらのニトロ化合物の添加量の上限は、これらのニトロ化合物が析出するまでの範囲において添加できる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明に係る電解コンデンサ駆動用電解液の実施例について説明する。すなわち、実施例Aにおいては駆動用電解液の組成、及び比抵抗、火花発生電圧特性について示し、実施例Bでは、実施例Aに示した駆動用電解液を使用して作製した電解コンデンサの初期値、及びハロゲン化炭化水素の蒸気中洗浄後→高温負荷試験を行ったときの特性値について示す。
【0010】
実施例A
表1は従来例1〜3、実施例1〜3、参考例1〜9の駆動用電解液の組成を示し、表2は、これらの駆動用電解液の25℃における比抵抗、及び火花発生電圧を示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
表2から明らかなように、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物を添加した実施例では、比抵抗をほとんど変化させずに火花発生電圧を20〜40V上昇させることができる。
【0014】
実施例B
前記実施例Aに示した従来例、実施例、参考例の各駆動用電解液を使用して製作した定格450V−150μFのアルミニウム電解コンデンサ各20個の初期値を表3に、ハロゲン化炭化水素(1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフロロエタン)の蒸気中で5分間洗浄した後に、105℃−1000hの高温負荷試験を行った後の特性を表4に示す。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
なお、試験終了後、試料とした電解コンデンサを分解した結果、エージング中に防爆弁が動作した従来例3、参考例1を除き腐食した試料は従来例、実施例、参考例とも零であった。これは、これらの電解液にはヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物が適量な範囲で添加されているためである。
【0018】
表3及び表4から明らかなように、本発明の駆動用電解液を用いた実施例1〜3では、従来の駆動用電解液を用いた従来例1〜3と比較して、初期における従来例3のようなエージング中の防爆弁動作がなく、また、火花電圧が高いために漏れ電流、tanδも小さい。さらに、高温負荷試験後においても、容量変化率、tanδ変化、漏れ電流変化が大幅に小さく、外観上も従来例では弁膨れを生じたのに対し、実施例では皆無であった。実施例3と同じ種類のニトロ化合物の添加量が少ない参考例1では、エージング中に防爆弁が動作しているが、これはニトロ化合物の添加量が0.05重量%と少ないために、腐食により発生した水素ガスにより、コンデンサケース内の圧力が大きくなった結果である。
【0019】
本発明では、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物の添加量の範囲を0.1重量%以上としたが、0.1重量%〜ニトロ化合物の析出現象を生ずるまでの範囲で添加することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明になる電解コンデンサ駆動用電解液は、ハロゲン化炭化水素の浸入による腐食を抑制し、比抵抗を上昇させることなく、火花発生電圧を上昇させることができるので、高温でも安定な特性を有する長寿命の中高電圧用電解コンデンサを提供することができる。
Claims (1)
- エチレングリコール及び/又はジエチレングリコールを主体とした溶媒と、有機カルボン酸及び/又はほう酸の少なくとも一方がこれらの塩からなる溶質とを溶解した駆動用電解液に、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を持たないニトロアセトアニリド、ニトロフェニレンジアミン、ニトロフェニルヒドラジンの中の1種以上のニトロ化合物を0.1重量%以上添加したことを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
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JP09629895A JP3612672B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 電解コンデンサ駆動用電解液 |
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- 1995-03-28 JP JP09629895A patent/JP3612672B2/ja not_active Expired - Fee Related
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