JP3611846B1 - アルカリイオン整水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電解槽内に停留したアルカリイオン水が酸性イオン水に変化することを防止することができるアルカリイオン整水器を提供する。
【解決手段】 イオン交換膜16を有すると共にそのイオン交換膜16のアルカリイオン水側12b及び酸性イオン水側12aにそれぞれ導入された水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する電解槽12と、その電解槽12内に水道水を供給する水道水供給路11aと、上記電解槽12からアルカリイオン水を吐水するアルカリイオン水吐水路11bと、上記電解槽12から酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路11cとを具備するアルカリイオン整水器10において、上記アルカリイオン水吐水路11bからのアルカリイオン水の吐水を停止する際、上記電解槽12の少なくとも酸性イオン水側12aの水を水道水と置換するようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水道から供給される水道水を電離してアルカリイオン水及び酸性イオン水を供給可能なアルカリイオン整水器に関し、特に、電解槽内にイオン交換膜等を介在させてアルカリイオン水と酸性イオン水とを分離生成するタイプのアルカリイオン整水器に関する。
水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成するアルカリイオン整水器としては、正負の電極間にイオン交換膜を介在させ、水の電気分解作用を利用して、アルカリイオン水と酸性イオン水とに分離生成するものがある。また、このようなアルカリイオン整水器としては、水道のカラン(蛇口)から取水し、専用吐水口からアルカリイオン水、酸性イオン水を吐水する、シンク上へ本体を設置するタイプのものや、取水、吐水を行う専用のカランを設け、アンダーシンク内へ本体を設置する、いわゆるビルトインタイプのものがあるが、これは取水及び吐水を行う専用のカランを有し、水道のカランとは別の専用吐水口からアルカリイオン水を吐水するものである。
このビルトインタイプのアルカリイオン整水器(例えば、特許文献1参照)は、利用者がアルカリイオン整水器へ接続された原水管の水栓を開くことによって原水管から水道水が通水されて電解槽に供給され、この電解槽でアルカリ水と酸性水とが生成される。そして、電解槽で生成されたアルカリ水が吐水管を経て吐水されると共に、酸性水が酸性水排出管を経て排出される。また、利用者が水栓を閉じることによって原水管からの通水が停止されることによってアルカリ水の吐水が停止する。
このようなアルカリイオン整水器では、水栓の開閉によってアルカリイオン水の吐水が停止されると共に電極に対する電圧の印加も停止され、酸性イオン水側の水の流れも停止する。その際、電解槽内には、イオン交換膜を隔ててアルカリイオン水と酸性イオン水とが各々停留する。
上述のようなイオン交換膜等を介在させてアルカリイオン水と酸性イオン水とを分離生成するアルカリイオン整水器では、アルカリイオン水の吐水を停止すると、電解槽内に残されている酸性イオン水がイオン交換膜を超えてアルカリイオン水側に流出し、アルカリイオン水を酸性イオン水に変化させてしまう。すなわち、アルカリイオン水側と酸性イオン水側とでは水素イオン濃度が異なっており、その濃度差によって生じる濃度勾配を安定化させるために、時間が経過すると共に水素イオン濃度の高い酸性イオン水側から水素イオン濃度の低いアルカリイオン水側へと水素イオンが移動する。そして、再度アルカリイオン水が利用される場合に、電解槽内で酸性イオン水に変化した水が吐水してしまうという問題がある。
このような利用の停止などにより電解槽内に残る電解水の取り扱いに着目した技術としては、例えば、電解槽への給水停止に応じて電解槽内の滞留水を排出させるもの(特許文献2参照)、また、電解終了により通水が停止された場合に、電解槽内にある残水を排出させるもの(特許文献3参照)が提案されている。
しかしながら、このように電解槽内の滞留水を排出してしまうと、次の始動時にアルカリイオン水が始めから出ないという不都合があり、また、アルカリイオン水の吐水口にカランを設けて常に水道水の水圧を受けるタイプでは、滞留水を出し難いという問題もある。
特開平10−192858号公報 特開平06−262174号公報 実開平06−029692号公報
本発明はこのような事情に鑑み、電解槽内に停留したアルカリイオン水が酸性イオン水に変化することを防止することができるアルカリイオン整水器を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、イオン交換膜を有すると共に当該イオン交換膜のアルカリイオン水側及び酸性イオン水側にそれぞれ導入された水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する電解槽と、該電解槽内に水道水を供給する水道水供給路と、前記電解槽からアルカリイオン水を吐水するアルカリイオン水吐水路と、前記電解槽から酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路とを具備するアルカリイオン整水器において、前記アルカリイオン水吐水路からのアルカリイオン水の吐水を停止する際、前記電解槽への電圧印加を停止した後、前記水道水供給路から前記電解槽内のアルカリイオン水側への水道水の導入を停止する一方、酸性イオン水側のみへ所定量の水道水を導入して当該酸性イオン水側の酸性イオン水を水道水と置換する水道水置換手段を具備することを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第1の態様では、アルカリイオン水の吐水が停止すると、電解槽内のアルカリイオン水側への水道水の導入が停止される一方、酸性イオン水側へのみ所定量の水道水が導入されて酸性イオン水側にある水だけが水道水に置換される。このため、電解槽内に残された酸性イオン水がアルカリイオン水側に流出することがなくなり、アルカリイオン水が酸性イオン水に変化することを防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記アルカリイオン水の吐水量の調整は、前記水道水供給路に設けられた水栓により行うものであり、前記水道水置換手段は、前記水栓が停止された際に、当該水道水供給路からの水道水の前記アルカリイオン水側への導入を停止すると共に前記酸性イオン水側への導入を所定量導入した後に停止することを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第2の態様では、水道水供給路に設けられた水栓によりアルカリイオン水側への水道水の導入が停止された後、酸性イオン水側へ水道水を所定量導入するので、酸性イオン水側の水が置換される。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記水道水置換手段は、前記水道水供給路に設けられた水栓の閉動作による当該水道水供給路に流れる水道水の停止を検出する流量検出手段を含み、前記流量検出手段の停止の検出により前記酸性イオン水側へのみ水道水を所定量導入した後に停止するものであることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第3の態様では、水道水供給路に設けられた水栓の閉動作により水道水が停止した後、酸性イオン水側へのみ水道水を所定量導入した後に停止するので、酸性イオン水側の水が置換される。
本発明の第4の態様は、第1の態様において、前記アルカリイオン水の吐水量の調整は、前記アルカリイオン水吐水路に設けられた水栓と、前記酸性イオン水排出路に設けられた電磁バルブとにより行うものであり、前記水道水置換手段は、前記アルカリイオン水吐水路からの吐水の停止を検出してから前記酸性イオン水排出路からの排出が所定量となるまで前記電磁バルブを閉にする動作を遅延させることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第4の態様では、アルカリイオン水吐水路に設けられた水栓が閉じられた後、酸性イオン水の排出が所定量となるまで電磁バルブの動作を遅延するので、酸性イオン水側の水が置換される。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記水道水置換手段は、前記アルカリイオン水吐水路からの吐水の停止を検出する流量検出手段を含み、前記流量検出手段の停止を検出した後、前記酸性イオン水排出路からの排出が所定量となった後、前記電磁バルブを閉にすることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第5の態様では、アルカリイオン水の吐水の停止を検出した後、酸性イオン水の排出が所定量となった後に電磁バルブを閉じるので、酸性イオン水側の水が置換される。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記電解槽の少なくとも前記イオン交換膜に対向する領域の一部を可撓膜によって形成すると共に当該電解槽を整水器本体内に配置し、前記電解槽内に供給する水道水を前記電解槽と前記整水器本体との間の空間にも供給して、前記電解槽を水道水中に保持するようにしたことを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第6の態様では、電解槽内で生じる水圧差が電解槽の一部を構成する可撓膜が変形することで実質的に吸収されるため、イオン交換膜が変形することによる破損が防止される。したがって、電解槽に供給する水道水の水圧を上昇させることができ、アルカリイオン水の吐水量を増加させることができる。
本発明の第7の態様は、第の態様において、前記空間の前記電解槽とは接触しない領域の少なくとも一部に空気が残留している空気部を有することを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第7の態様では、空気部を設けておくことで、可撓膜が変形しやすくなり、電解槽内で生じる水圧差がより確実に吸収される。
本発明の第8の態様は、第6又は7の態様において、前記電解槽の全面が前記可撓膜で構成されていることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第8の態様では、電解槽内で生じる水圧差が、可撓膜が変形することで確実に吸収される。
本発明の第9の態様は、第6〜8の何れかの態様において、前記整水器本体内には、複数の前記電解槽が、隣接する電解槽と接触することなく所定間隔で保持されていることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第9の態様では、複数の電解槽を設けることによりアルカリイオン水の流量を増加させることができる。
本発明のアルカリイオン整水器によれば、アルカリイオン水の吐水が停止すると、電解槽内の少なくとも酸性イオン水側にある水だけを水道水に置換している。したがって、電解槽内に停留したアルカリイオン水が酸性イオン水に変化することを防止することができると共に、電解槽内のアルカリイオン水を安定的に保持することが可能となる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係るアルカリイオン整水器の概略側面図である。
図示するように、本発明のアルカリイオン整水器10は、外枠を構成する整水器本体11内部で、水道水が電離されてアルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される電解槽12が保持されている。また、整水器本体11には、原水管110Aに接続されて原水管110Aからの水道水を内部に導入する水道水供給路11aを有する水道水供給パイプ13と、電解槽12内で生成されたアルカリイオン水を吐水するアルカリイオン水吐水路11bを有するアルカリイオン水吐水パイプ14と、電解槽12内で生成された酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路11cを有する酸性イオン水排出パイプ15とを具備する。
具体的には、整水器本体11の水道水供給路11aを有する水道水供給パイプ13が電解槽12の下端部側に接続され、また、電解槽12の上端部側には、アルカリイオン水吐水路11bを有するアルカリイオン水吐水パイプ14と、酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路11cを有する酸性イオン水排出パイプ15とがそれぞれ接続されている。そして、これらの各パイプ13、14、15が整水器本体11に固定されることで、電解槽12が整水器本体11内に保持されている。
電解槽12内には、イオン交換膜16が固定されており、このイオン交換膜16によって電解槽12内が2つの空間12a、12bに区画されている。また、電解槽12内のイオン交換膜16に対向する領域には、一対の電極17a、17bが設けられており、各電極17a、17bは、図示しない制御部に接続されている。
また、アルカリイオン整水器10のアルカリイオン水吐水パイプ14は、蛇口100側の水道管110Bに接続され、酸性イオン水排出パイプ15は、電解槽12によって生成された酸性イオン水が排出される排出口120と接続されている。なお、酸性イオン水排出パイプ15の途中には電磁バルブ30が設けられ、酸性イオン水の排出量は、この電磁バルブ30の開閉によって制御されている。
また、アルカリイオン水吐水パイプ14と水道管110Bとの接続部分には、流量スイッチ40が設けられており、この流量スイッチ40からの信号に基づいて電磁バルブ30が開閉されるようになっている。このような流量スイッチ40及び電磁バルブ30の制御、あるいは電極槽12内の電極に供給する電圧の制御等は、図示しない制御部によって制御されている。
以下、このようなアルカリイオン整水器の動作について説明する。
上述したように、アルカリイオン整水器10は水道管110の途中に配設されているため、電解槽12内には水道水供給パイプ13から水道水が常に所定の圧力で供給されている。そして、利用者が蛇口100部分に設けられた水栓101を開くと、電解槽12内で生成されたアルカリイオン水がアルカリイオン水吐水パイプ14を介して蛇口100から所定の流量で供給され始める。また同時に、アルカリイオン水吐水パイプ14と水道管110Bとの間に設けられた流量スイッチ40が、アルカリイオン水が流れ始めたことを検出し、この流量スイッチ40からの信号に基づいて、電解槽12内の電極17a、17b間には所定の電圧が印加される。さらに、酸性水排出パイプ15に設けられた電磁バルブ30が開放されて排出口120から酸性イオン水が排出される。
ここで、水道水供給パイプ13を介して電解槽12の下端部側から電解槽12内に供給された水道水は、イオン交換膜16で区切られた両側の空間12a、12bにそれぞれ流れ込む。そして、両電極17a、17b間には所定の電圧が印加されているため、電解槽12内、すなわち、イオン交換膜16と電極17a、17bとの間を通過する際に、水道水は水素イオンHと水酸イオンOHとに電離し、水素イオンHがイオン交換膜16を介して一方の空間に集まることで、アルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される。すなわち、2つの空間のうちの−電極(陰極)17b側の空間12bでは、イオン交換膜16を通過して水素イオンHが集まり、水道水(2HO)は、電子(2e-)によりH+2OH-に整水され、アルカリイオン水が生成される。一方、+電極(陽極)17a側の空間12aでは、水道水(2HO)は、O+4H+4e-に整水され、酸性イオン水が生成される。このように水道水は、この電解槽12を通過する際に連続的に電離され、これにより生成されたアルカリイオン水が蛇口100から吐水されると共に、酸性イオン水が排出口120から排出される。
また、利用者が水栓101を閉めることでアルカリイオン水の供給が停止され、これに伴いアルカリイオン水吐水パイプ14内の流れが止まると共に電解槽12内への各電極17a、17bに対する電圧印加も停止する。そして、アルカリイオン水の吐水の停止を検出した流量スイッチ40からの信号を契機に排出口120から排出される酸性イオン水を直ぐに停止せずに、その後の流量が所定量となるまで電磁バルブ30を開放しておく。すなわち、アルカリイオン水の吐水の停止からある程度の時間だけ遅延させて電磁バルブ30を閉じることにより、アルカリイオン水の吐水が停止した際に電解槽12内の酸性イオン水側12aに残された電解水を排出させると共に水道水供給パイプ13から供給される水道水で酸性イオン水側12aを充填させることができる。例えば、本実施形態では、酸性イオン水側12aの停留量が約0.45リットルあり、約15秒遅延させることにより、酸性イオン水側12a内の酸性イオン水は完全に水道水に置換される。なお、酸性イオン水の排出口120からの排出量を所定量だけ遅延させるには、排出口120に流量センサを設けておいて排出量が所定量になるまでを積算して所定量に達した際に停止させるように制御してもよい。
ここで、利用者が水栓101を閉めることでアルカリイオン水の吐水が停止されると共に、電解槽12内の各電極17a、17bに対する電圧印加が停止されると、電解槽12内では、イオン交換膜16を隔ててアルカリイオン水側の空間12bと酸性イオン水側の空間12aにそれぞれ電解水が停留することになる。この電解水に含まれる水素イオンHは、時間が経過すると共に水素イオン濃度(以下、pHともいう)が高い酸性イオン水側12aから水素イオン濃度の低いアルカリイオン水側12bへと移行する。すなわち、水道水が電気分解された後の水素イオン濃度は、アルカリイオン水側がpH10となり、酸性イオン水側がpH4となる。通常、水素イオン濃度は、pHが1下がると、その水溶液中に含まれる水素イオンの濃度は10倍上がるため、水素イオン濃度が異なる空間では、その濃度を平均的に保持しようとする作用が働き、水素イオン濃度の高い電解水が水素イオン濃度の低い電解水側へと流出することになる。
しかしながら、本発明では、電解槽12内の酸性イオン水側の空間12aに残された電解水(酸性イオン水)を水道水(原水)に置換している。原水は、電気分解されておらずその性質上比較的安定しており、その水素イオン濃度は中性を示すpH7である。このため、水道水がイオン交換膜16を超えてアルカリイオン水側の空間12bへ流出することは極めて少なく、アルカリイオン水を利用する上での支障にはならない。したがって、電解槽12内において、アルカリイオン水は水道水とともに保持することにより、他の性質に変化することなく安定した状態で保持することができる。
このように、水栓101を閉じることでアルカリイオン水の吐水が停止した際、電解槽12内の酸性イオン水側12aに残された電解水(酸性イオン水)を水道水に置換することにより、アルカリイオン水側12bの電解水(アルカリイオン水)が酸性イオン水に変化することが防止される。
次に、本実施形態に係る制御系の動作について図2を用いて具体的に説明する。なお、図2は、本実施形態に係る制御系の一例を示す概略ブロック図である。図2は、図1の制御系を示しており、その構成および機能は同様とする。
図2に示すように、本実施形態では、制御部50が主体となって、電極17a、17bへの電圧の印加を含む電源系、流量スイッチ40及び電磁バルブ30を制御し、水道水置換手段60は、流量スイッチ40及び電磁バルブ30を制御して酸性イオン水側12aの水を置換する。そして、この水道水置換手段60は、例えば、アルカリイオン水の吐水の停止を検出してからの酸性イオン水の排出が所定量となるまで電磁バルブ30を閉にする動作を遅延させる機能を備えている。このような制御部50としては、入力信号または出力信号に基づいてその周辺機器の全体あるいは一部の動作を制御することが可能な機能を持つものであれば、その構成は問わない。例えば、制御部50として、一般的なマイクロプロセッサー及びメモリなどを具備する制御装置が挙げられる。
まず、水栓101が停止されると、制御部50は、流量スイッチ40が検出したアルカリイオン水の吐水の停止を示す信号を取得する。これにより、電極17a、17bへの電圧の印加は停止される。一方、水道水置換手段60は取得した信号に基づいて、酸性イオン水の排出が所定量となるまで電磁バルブ30を閉にする動作を遅延させる。これにより、電解槽12内のアルカリイオン水側12bへの水道水の導入は停止された状態で、酸性イオン水側12aへの水道水の導入は継続される。
そして、水道水置換手段60は、排出口120から酸性イオン水が所定量排出された後、電磁バルブ30に対し酸性イオン水の排出を停止するように指示信号を送出する。電磁バルブ30は、その指示信号を受け取ると酸性イオン水排出路11cを閉じる。これにより、電解槽12内の酸性イオン水側12aの電解水が全て水道水に置換される。
このような制御系の構成は、上述したものに限定されるものではなく、次のように様々な変形が可能である。
例えば、酸性イオン水排出パイプ15に酸性イオン水の排出量を検出する流量スイッチ(以下、流量スイッチ40aとする;図示せず)を設け、これにより、制御部50は、流量スイッチ40aが検出した実際の酸性イオン水の排出量を取得して、水道水置換手段60が実際に酸性イオン水12aの水が置換されたことを確認した後、電磁バルブ30を制御するようにしてもよい。すなわち、例えば、水道水置換手段60は、流量スイッチ40aによって検出された酸性イオン水の排出量の積算値が所定量となったタイミングで電磁バルブ30に指示信号を送出するようにすればよい。これにより、水栓101が停止されてから排出すべき酸性イオン水が所定量であるか否かを確認して、電磁バルブ30の開閉の度合いを調整しながら確実に制御することができる。
また、流量スイッチ40及び40aが検出した信号は、必ずしも制御部50が取得する必要はなく、流量スイッチ40または40aが信号を検出した際に、制御部50に通知するようにしてもよい。
また、上述した制御系では、アルカリイオン整水器10の外部に制御部50および水道水置換手段60が設置されているが、これに限定されず、アルカリイオン整水器10の内部に設けるようにしてもよい。
以上のように本実施形態のアルカリイオン整水器10では、アルカリイオン水の吐水が停止した際に、電解槽12内に残された酸性イオン水側12aの電解水だけを水道水で押し流して、その電解水を水道水に置換させることができる。このため、電解槽12内に残されたアルカリイオン水側12bの電解水は、酸性イオン水などに変化することなくアルカリイオン水のままの状態で保持される。したがって、例えば、利用者が再び水栓を開いた場合などは、捨て水を待つことなく直ちにアルカリイオン水を利用することができる。
《実施形態2》
図3は、本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器の概略側面図である。なお、図3において、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付し、重複する説明につては省略する。
上述した実施形態1では、水栓101を蛇口100に設けるようにしたが、本実施形態
のように水栓101を水道水供給パイプ13側に設けるようにしてもよい。
図示するように、アルカリイオン整水器10は、原水管110に接続されて原水管110からの水道水を内部に導入する水道水供給路11aを有する水道水供給パイプ13と、電解槽12内で生成されたアルカリイオン水を吐水するアルカリイオン水吐水路11bを有するアルカリイオン水吐水パイプ14と、電解槽12内で生成された酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路11cを有する酸性イオン水排出パイプ15とが整水器本体11に固定されるように構成されている。整水器本体11内には、電解槽12が保持されており、上述した実施形態と同様に、イオン交換膜16によって電解槽12内が2つの空間12a、12bに区画されている。
ここで、本実施形態では、水道水供給パイプ13に水栓101が設けられており、この水栓101が開閉されることによってアルカリイオン水が提供されるようになっているが、水道水供給パイプ13とは別に、電解槽12内の酸性イオン水側の空間12aのみに水道水が導入されるような第2の水道水供給パイプ13Aを具備する。第2の水道水供給パイプ13Aは、水道水供給パイプ13に設けられた電磁バルブ30Aを介して分岐して設けられ、水道水供給路11aとは別に電磁バルブ30Aと酸性イオン水側12aとを接続する供給路バイパス11dを構成するように設けられている。ここで分岐部分に設けられた電磁バルブ30Aは、通常状態では水道水供給路11aへの水道水の導入を許容するように開放し、供給路バイパス11dは閉じるように機能しているが、酸性イオン水側12aの中のみに水道水を導入するときのみに供給路バイパス11dを開放するように動作する。これにより、酸性イオン水側12aのみに水道水を導入することができるようになっている。
また、電磁バルブ30Aは、水道水供給路11a、供給路バイパス11dに対する水道水の導入がそれぞれ制御できるような機能を有するものであればよく、その機能としては、例えば、切替弁などを挙げることができる。
また、水道水供給パイプ13と水道管110の接続部分には、流量スイッチ40Aが設けられており、水栓101が閉じられた際、アルカリイオン水の吐水の停止が検出される。すなわち、流量スイッチ40Aは、水栓101が閉じられると、水道水供給路11aへの水道水の導入が停止されたことを検出する。なお、この流量スイッチ40Aは、図3において、電磁バルブ30Aの上流側に設けているが、これに限定されず、電磁バルブ30Aの下流側に設けるようにしてもよい。
このような構成からなるアルカリイオン整水器10では、水栓101が閉じられ水道水供給路11aへの水道水の導入が停止されると、流量スイッチ40Aからの信号に基づいて電磁バルブ30Aは、供給路バイパス11dを開放するように制御される。このとき、水道水供給路11a側は閉じてもよいし、開放したままでもよい。何れにしても、電解槽12内の酸性イオン水側の空間12aだけに水道水が導入される。そして、供給路バイパス11dへ水道水が所定量導入された後に、電磁バルブ30Aは、供給路バイパス11d側を閉じるように制御される。すなわち、水栓101が停止されてから、酸性イオン水側12aへの水道水の導入に伴って酸性イオン水が所定量排出された後に、酸性イオン水側12aへの水道水の導入が停止される。
このとき、例えば、酸性イオン水の排出量が一定値である場合などは、予め単位時間あたりに排出される流量を測定しておき、その排出量が所定の範囲となるように時間を遅延させて電磁バルブ30Aを閉めるように制御してもよいし、導入量を水道管110側で取得して所定量を超えた時点で閉じるように制御してもよい。
また、例えば、図3の構成例において、水栓101の停止を検出する流量スイッチ40Aは、アルカリイオン水吐水パイプ14又は酸性イオン水排出パイプ15の何れかに設けてもよく、これにより、水栓101が開閉された際の流量スイッチからの信号に基づいて電磁バルブ30Aを開閉させるようにしてもよい。この場合も同様に、水栓101が閉じられた際に検出された流量スイッチからの信号に基づいて、電磁バルブ30Aが供給路バイパス11dを開放するように制御される。
次に、本実施形態に係る制御系の動作について図4を用いて具体的に説明する。なお、図4は、図3の制御系を示すブロック図であり、その構成および機能は同様とする。
図4に示すように、本実施形態では、制御部50Aが主体となって、電極17a、17bへの電圧の印加を含む電源系、流量スイッチ40A及び電磁バルブ30Aを制御し、水道水置換手段60Aは、流量スイッチ40A及び電磁バルブ30Aを制御して酸性イオン水側12aの水を置換する。そして、この水道水置換手段60Aは、例えば、供給路バイパス11dに対する水道水の導入に際し、電磁バルブ30Aの開閉動作を切り替える機能を備えている。
まず、水栓101が閉じられると直ちに水道水供給路11aへの水道水の導入が停止され、制御部50Aは、流量スイッチ40Aが検出したアルカリイオン水の吐水の停止を示す信号を取得する。これにより、電極17a、17bへの電圧の印加は停止される。一方、水道水置換手段60Aは取得した信号に基づいて、酸性イオン水の排出が所定量となるまで、供給路バイパス11d側を開放するように電磁バルブ30Aに指示信号を送出する。これにより、電解槽12内のアルカリイオン水側12bへの水道水の導入は停止された状態で、酸性イオン水側12aへの水道水の導入は継続される。
そして、水道水置換手段60Aは、酸性イオン水の排出が所定量に達すると、電磁バルブ30Aに対し供給路バイパス11d側を閉じるように指示信号を送出し、酸性イオン水側12bへの水道水の導入が停止される。これにより、アルカリイオン水の吐水が停止した後、電解槽12内の酸性イオン水側12aの電解水が全て排出されるまで供給路バイパス11dに対してのみ水道水が導入され続け、酸性イオン水側12aの水が水道水に置換される。
このような本実施形態の制御系においても、上述した実施形態1と同様に、制御系の様々な変形構成を適用することができる。
また、本実施形態では、水栓101の機械的な動作によりアルカリイオン水の吐水や電解槽12内への水道水の導入を行っていたが、例えば、水栓101を電磁バルブとして、電気的な信号に基づいてアルカリイオン水側12bと酸性イオン水側12aとにそれぞれ水道水が導入できるようにし、アルカリイオン水の吐水の停止を意図する信号に基づいてアルカリイオン水側12bへの水道水の導入を停止し、酸性イオン水側12aのみ所定時間だけ開いたままとしてその後停止するように上記電磁バルブを動作するようにしてもよい。
以上のように本実施形態においても、アルカリイオン水の吐水が停止した際に、電解槽12内に残された酸性イオン水側12aの電解水だけを水道水で押し流して、その電解水を水道水に置換させることができる。このため、電解槽12内に残されたアルカリイオン水側12bの電解水は、酸性イオン水などに変化することなくアルカリイオン水のままの状態で保持される。
《実施形態3》
本発明は、上述した実施形態1又は2に係るアルカリイオン整水器に限定されるものではなく、例えば、図5及び図6に示すようなアルカリイオン整水器を構成してもよい。図5は、本発明の実施形態3に係るアルカリイオン整水器の断面図であり、図6は、アルカリイオン整水器の概略構成を示す図である。なお、上述した実施形態1又は2と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明については省略する。
図示するように、アルカリイオン整水器10Aは、外枠を構成する整水器本体11Aと、整水器本体11A内に設けられて内部で水道水を電離する複数の電解槽12Aとを具備する。
各電解槽12A内には、それぞれイオン交換膜16が固定されており、このイオン交換膜16によって電解槽12A内が2つの空間12a、12bに区切られている。また、電解槽12A内のイオン交換膜16に対向する領域には、一対の電極17a、17bがそれぞれ設けられており、各電極17a、17bは、整水器本体11Aに設けられた端子部18と接続配線19によって接続されている。本実施形態では、これらの各電極17a、17bは、例えば、メッシュ状のプラスチックシート等からなりイオン交換膜16と同等の大きさを有する固定部材20の一方の面にそれぞれ取り付けられている。そして、これらの固定部材20が、各空間12a、12bにイオン交換膜16を挟持するように配置されることで、イオン交換膜16に対向する領域に電極17a、17bが設けられている。
このような電解槽12Aの少なくともイオン交換膜16に対向する領域の一部、本実施形態では、電解槽12A全体が所定の柔軟性を有する可撓膜によって形成されている。例えば、本実施形態では、電解槽12Aが、厚さが0.3mm程度のプラスチックシートによって形成されている。
また、このような複数の電解槽12Aが保持された整水器本体11A内、すなわち、各電解槽12Aと整水器本体11Aとの間の空間には水道水が供給され、整水器本体11A内に貯まった水道水(貯留水)21中に各電解槽12Aが保持されている。また、整水器本体11A内には、電解槽12Aに接触しない領域の一部、例えば、本実施形態では、酸性イオン水排出パイプ15の上部に空気が残留している空気部22が存在する。このように内部に水道水が供給される整水器本体11Aは、水道水の水圧に耐えられる程度の剛性を有する材料、例えば、ステンレス鋼等で形成する必要がある。
また、貯留水21は、本実施形態では、整水器本体11Aの水道水供給路11aからの水道水が電解槽12Aと共に整水器本体11A内に供給されたものである。すなわち、水道水供給パイプ13の先端部に、整水器本体11A内に連通する微小な連通孔23が設けられており、この連通孔23を介して整水器本体11A内に水道水(貯留水21)が供給されている。そして、本実施形態では、酸性イオン水排出パイプ15の先端部にも、整水器本体11A内に連通する微小な連通孔24が設けられており、貯留水21はこの連通孔24を介して酸性イオン水排出パイプ15に排出されるようになっている。このため、本実施形態では、整水器本体11A内の酸性イオン水排出パイプ15の上部、すなわち、連通孔24の上部側は、空気が残留している空気部22となっている。
なお、本実施形態では、連通孔24を介して貯留水21を酸性イオン水と共に外部に排出するようにしたが、勿論、貯留水21を外部に排出する貯留水排出口を整水器本体11Aに設け、酸性イオン水とは別に外部に排出するようにしてもよい。
このようなアルカリイオン整水器10Aは、上述した実施形態1と同様に、水道水供給パイプ13が、原水側の水道管110Aに接続され、アルカリイオン水吐水パイプ14が、蛇口100側の水道管110Bに接続される。また、酸性イオン水排出パイプ15の一端は、電解槽12によって生成された酸性イオン水が排出される排出口120と接続される。
また、酸性イオン水排出パイプ15の途中には、上述した実施形態1と同様に、電磁バルブ30が設けられ、酸性水の排出量はこの電磁バルブ30の開閉によって制御されている。
そして、アルカリイオン水吐水パイプ14と水道管110Bとの接続部分には、上述した実施形態1と同様に、流量スイッチ40が設けられおり、この流量スイッチ40からの信号に基づいて電磁バルブ30が開閉されるようになっている。
また、水道管110Bと接続される蛇口100には、水栓101が設けられており、この水栓101が開閉されることによってアルカリイオン水が提供される。
ここで、水栓101の開閉によりアルカリイオン水吐水パイプ14内の流れが発生又は停止する時刻と、流量スイッチ40がそれを感知して電磁バルブ30が開閉される時刻とは、若干のタイムラグが存在する。このタイムラグによって生じる流水の慣性作用により、電解槽12A内のアルカリイオン水側の空間12bと酸性イオン水側の空間12aとの内部圧力に差が生じてしまう。イオン交換膜16は、例えば、膜厚が12μm程度であるため、この圧力差によってイオン交換膜16が変形して破損する虞がある。
しかしながら、本実施形態では電解槽12Aが可撓膜で形成されているため、例えば、水栓101を開ける際に2つの空間12a、12bに圧力差が生じたとしても、電解槽12A自体が内側に変形することでこの圧力差が吸収されるため、イオン交換膜16の変形による破損を防止することができる。なお、水栓101を閉じた際には、電解槽12A自体が外側に変形することで内部の圧力差が吸収される。
また、電解槽12A内には、上述したように、その内面の電極17a、17bとイオン交換膜16との間に挟持されるように固定部材20が設けられている。すなわち、これらの固定部材20によってイオン交換膜16が挟持されている。したがって、これらの固定部材20によってもイオン交換膜16の変形が抑えられ、電解槽12Aの内部圧力差によるイオン交換膜16の破損をより確実に防止することができる。なお、本実施形態では、電解槽12A全体が可撓膜で形成されているが、勿論、電解槽12A内の圧力差を吸収できれば、可撓膜からなる可撓部を電解槽12Aのイオン交換膜16に対向する領域の一部に設けるようにしてもよい。
また、電解槽12Aの変形によって2つの空間12a、12bの圧力差を吸収するためには、電解槽12Aは、比較的高い柔軟性を有する必要があり、例えば、イオン交換膜16よりも柔軟性を有することが好ましい。この条件を満たすために、電解槽12Aは、比較的膜厚の薄いプラスチックフィルムからなる可撓膜で形成されている。このため、電解槽12Aは、それ自体では水道水供給パイプ13を介して電解槽12A内に供給される水道水の圧力、例えば、1〜6kg/cm程度の圧力に耐えられず破壊されてしまう虞がある。
しかしながら、本実施形態では、水道水供給パイプ13を介して電解槽12A内に水道水が供給される際、水道水供給パイプ13の先端部の連通孔23から整水器本体11A内にも水道水が供給され、整水器本体11A内に貯まった貯留水21内に各電解槽12Aが保持されている。このため、整水器本体11A内の貯留水21の圧力は、電解槽12A内に供給された水道水と略同一の圧力に保持され、電解槽12Aの外面にも、その内面と略同一の水圧がかかる。したがって、電解槽12A内に供給される水道水によって電解槽12Aの内面に比較的高い圧力がかかった場合でも、電解層12Aの外面にも略同一の圧力がかかることになり、電解槽12A自体も水圧の変化に伴う変形によって破損することはない。
また、本実施形態では、貯留水21は、酸性イオン水排出パイプ15に設けられた連通孔24から酸性イオン水と共に外部に排出されるようになっている。すなわち、整水器本体11A内には水道水が満充填されておらず、連通孔24の上部側には空気が残留している空気部22が存在する。このため、上述した電解槽12A内の圧力差に伴う電解槽12Aの変形が貯留水21によって妨げられることがなく、イオン交換膜16の破損を防止することができる。
すなわち、上述したように電解槽12A内の圧力差により電解槽12Aが変形した場合、整水器本体11A内の容積が変化する。このとき、貯留水21自体は実質的に容積変化しないため、整水器本体11A内に貯留水が満充填されていると、貯留水21によって電解槽12Aの変形が妨げられる。しかしながら、本実施形態では、整水器本体11A内に空気部22が存在し、電解槽12Aが変形した場合にこの空気部22が容積変化するため、電解槽12Aの変形が妨げられることがない。したがって、整水器本体11A内に空気部22を設けておくことで、イオン交換膜16の破損をより確実に防止することができる。
なお、このような空気部22の容積は、特に限定されないが、整水器本体11A内の容積の20〜30%程度の大きさであることが好ましい。
このように本実施形態のアルカリイオン整水器10Aでは、水道水を比較的高い水圧で供給してもイオン交換膜16及び電解槽12Aが破損することがないため、所定数の電解槽12Aを並設することで、水道水と同等の流量、例えば、一般家庭用では20〜30(L/分)程度、業務用では100(L/分)程度の流量でアルカリイオン水を利用者に供給することができる。
したがって、このようなアルカリイオン整水器10Aによって生成したアルカリイオン水を電気温水器等の給湯器に供給して温水として利用者に提供することもでき、アルカリイオン水を、例えば、入浴やシャワーに利用することができる。なお、アルカリイオン整水器から給湯器にアルカリイオン水を供給する場合、給湯器に供給されるアルカリイオン水の水圧が若干低下する。このため、例えば、図7に示すように、酸性イオン水排出パイプ15内にこの排出流路の一部を遮断する流量調整部材80を設けることにより、給湯器に供給されるアルカリイオン水の水圧を調整するようにしてもよい。
以上のように、アルカリイオン水を比較的高い水圧で供給することができる本実施形態のアルカリイオン整水器10Aであっても同様に、アルカリイオン水の吐水が停止した際に、電解槽12A内に残された酸性イオン水側12aの電解水だけを水道水で押し流して、その電解水を水道水に置換させることができるため、電解槽12A内に残されたアルカリイオン水を酸性イオン水に変化させることなく保持させることができる。
また、本実施形態においても、図2に示すような制御系がそのまま適用できることは言うまでもない。
なお、本実施形態のアルカリイオン整水器10Aは、水栓101を蛇口100に設けるビルトインタイプを目的としたものであるが、例えば、図3に示すように、水栓101を水道水供給パイプ13側の原水管110Aに設けるような形態をそのまま適用することもできる。
一方、電解槽の構造も上述したものに限定されるものではなく、例えば、図8に示すような電解槽12Bを用いたアルカリイオン整水器を構成してもよい。なお、図8において、上述した実施形態3と同様の部材には同一の符号を付してある。
図8に示すように、電解槽12Bには、イオン交換膜16と、イオン交換膜16に対向するように、一対の電極17a、17bが設けられている。また、電解槽12Bは、上述した実施形態3と同様に、全体が所定の柔軟性を有する可撓膜によって形成されている。
各電極17a、17bのそれぞれは、電解槽12Bの内面に設けられた4つの固定部材20Aによって固定されている。この固定部材20Aは、電解槽12Bの内面と電極17a、17bとの間に設けられて、例えば、1mmの隙間を形成する円筒形状を有するスペーサ20aと、スペーサ20aとの間で電極17a、17bを挟持する円筒形状を有するスリーブ20bと、スペーサ20a及びスリーブ20bを挿通して一端が電解槽12Bに固定されたリベット20cとで構成されている。
また、イオン交換膜16は、電極17aを保持するスリーブ20bと電極17bを保持するスリーブ20bとの間で挟持されている。すなわち、イオン交換膜16は、各電極17a、17bを固定するスリーブ20bによって4箇所で挟持されている。このとき、各電極17a、17bとイオン交換膜16間は、例えば、それぞれ3mmの隙間となるように構成すればよい。
上述した実施形態3では、メッシュ状の固定部材20によってイオン交換膜16を挟持していた。しかしながら、本発明の実施は、電解槽の構造および電解槽内のイオン交換膜を挟持する固定部材またはその固定方法には限定されず、例えば、上述した4つの固定部材20Aを用いることによっても同様にイオン交換膜16の破損を防止することができる。
したがって、このような電解槽12Bを上述した実施形態3のアルカリイオン整水器10Aに適用した場合であっても、水栓101を開閉して圧力差が生じた際に、電解槽12Bの可撓膜によってその圧力差を吸収することができ、イオン交換膜16が圧力差により破損することを防止することができる。
また、例えば、上述した実施形態3では、酸性イオン水は利用することなく配水管に流すようにしたが、例えば、専用タンク等に貯留することにより酸性イオン水も利用できるようにすることもできる。なお、このような場合には、酸性イオン水とは別に貯留水を外部に排出するようにすることが望ましい。
また、上述した実施形態3では、複数の電解槽12Aが、整水器本体11A内に所定の間隔で並設されるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、隣接する各電解槽12Aの間に間隔を空けずに、外周面が接触するように並設するようにしてもよい。このように隣接する各電解槽12Aに間隔を空けずに、並設するようにしても、接触していない可撓膜によって電解槽12A内の圧力差の吸収を行わせることができると共に、小型化することができる。
本発明は、アルカリイオン水と酸性イオン水とが電解槽内に混在する構成を有する装置などに適用可能である。
本発明の実施形態1に係るアルカリイオン整水器の概略側面図である。 本発明の実施形態に係る制御系の一例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器の概略側面図である。 本発明の実施形態2に係るの制御系の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態3に係るアルカリイオン整水器の断面図である。 本発明の実施形態3に係るアルカリイオン整水器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態3に係るアルカリイオン整水器の変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る電解槽の変形構成例を示す断面図である。
符号の説明
10、10A アルカリイオン整水器
11、11A 整水器本体
12、12A、12B 電解槽
13 水道水供給パイプ
14 アルカリイオン水吐水パイプ
15 酸性イオン水排出パイプ
16 イオン交換膜
17a、17b 電極
20、20A 固定部材
30、30A 電磁バルブ
40、40A 流量スイッチ
50、50A 制御部
60、60A 水道水置換手段

Claims (9)

  1. イオン交換膜を有すると共に当該イオン交換膜のアルカリイオン水側及び酸性イオン水側にそれぞれ導入された水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する電解槽と、該電解槽内に水道水を供給する水道水供給路と、前記電解槽からアルカリイオン水を吐水するアルカリイオン水吐水路と、前記電解槽から酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路とを具備するアルカリイオン整水器において、
    前記アルカリイオン水吐水路からのアルカリイオン水の吐水を停止する際、前記電解槽への電圧印加を停止した後、前記水道水供給路から前記電解槽内のアルカリイオン水側への水道水の導入を停止する一方、酸性イオン水側のみへ所定量の水道水を導入して当該酸性イオン水側の酸性イオン水を水道水と置換する水道水置換手段を具備することを特徴とするアルカリイオン整水器。
  2. 請求項1において、前記アルカリイオン水の吐水量の調整は、前記水道水供給路に設けられた水栓により行うものであり、前記水道水置換手段は、前記水栓が停止された際に、当該水道水供給路からの水道水の前記アルカリイオン水側への導入を停止すると共に前記酸性イオン水側への導入を所定量導入した後に停止することを特徴とするアルカリイオン整水器。
  3. 請求項2において、前記水道水置換手段は、前記水道水供給路に設けられた水栓の閉動作による当該水道水供給路に流れる水道水の停止を検出する流量検出手段を含み、前記流量検出手段の停止の検出により前記酸性イオン水側へのみ水道水を所定量導入した後に停止するものであることを特徴とするアルカリイオン整水器。
  4. 請求項1において、前記アルカリイオン水の吐水量の調整は、前記アルカリイオン水吐水路に設けられた水栓と、前記酸性イオン水排出路に設けられた電磁バルブとにより行うものであり、前記水道水置換手段は、前記アルカリイオン水吐水路からの吐水の停止を検出してから前記酸性イオン水排出路からの排出が所定量となるまで前記電磁バルブを閉にする動作を遅延させることを特徴とするアルカリイオン整水器。
  5. 請求項4において、前記水道水置換手段は、前記アルカリイオン水吐水路からの吐水の停止を検出する流量検出手段を含み、前記流量検出手段の停止を検出した後、前記酸性イオン水排出路からの排出が所定量となった後、前記電磁バルブを閉にすることを特徴とするアルカリイオン整水器。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記電解槽の少なくとも前記イオン交換膜に対向する領域の一部を可撓膜によって形成すると共に当該電解槽を整水器本体内に配置し、前記電解槽内に供給する水道水を前記電解槽と前記整水器本体との間の空間にも供給して、前記電解槽を水道水中に保持するようにしたことを特徴とするアルカリイオン整水器。
  7. 請求項において、前記空間の前記電解槽とは接触しない領域の少なくとも一部に空気が残留している空気部を有することを特徴とするアルカリイオン整水器。
  8. 請求項6又は7において、前記電解槽の全面が前記可撓膜で構成されていることを特徴とするアルカリイオン整水器。
  9. 請求項6〜8の何れかにおいて、前記整水器本体内には、複数の前記電解槽が、隣接する電解槽と接触することなく所定間隔で保持されていることを特徴とするアルカリイオン整水器。
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