JP2008000730A - 電解水生成装置 - Google Patents

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喜典 田中
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朋美 中川
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Abstract

【課題】逆電解時において、隔膜に接する電極と反対側に配置された電極に対して前記隔膜が接触するのを防止して膜劣化を抑制可能となす電解水生成装置を提供する。
【解決手段】陰極17と、陰極17に対して所定距離を置いて対向配置された陽極19と、陰極17と陽極19の間に設けられた隔膜18と、陰極17と隔膜18との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陰極流路52とを備え、前記陰極17と前記陽極19間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、前記隔膜18を前記陽極19に接触させ、且つ前記陰極流路内52に前記隔膜18が前記陰極17と接触するのを防止する接触防止部材53を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルカリイオン整水器などに使用される電解水生成装置に関し、詳細には、逆電解時に電極と隔膜が接触することによる膜劣化を防止する技術に関する。
従来、電解槽を用いて水の電解を行う方法には、例えば特許文献1等に記載される技術があり、これらは水道水を直接、または水道水からの水を活性炭などの吸着浄化部や、中空糸膜等のろ材部を通過させ水中の不純物を取り除いた後、対向する陰陽電極とその間に不織布、イオン交換膜などを配置した構造を有する電解槽に導き入れ、電気的エネルギーの付加を行うことによりイオン種、ガス成分、活性種等の生成を行い水の改質を行う。
電解槽に用いられる膜には、不織布のような電気的に中性の膜が主に使用されるが、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜のようにイオン種によっては膜の通過を阻害する膜も用いられる。
膜として中性膜を用いる目的は、水の電解により生じた水素イオン、水酸化物イオン等が水の拡散、水流により混じってしまい所望する電解水が得られないことを防止するためである。イオン交換膜を用いる目的は、さらに陽イオン、または陰イオンの移動をも防ぐことにより、さらに効率よく所望する生成水を得ることを目的とする。
水道水、河川水、井戸水等の電解質濃度の希薄な水の電解においては、電解電圧を下げるために、陽極と陰極の電極間距離を狭くすることが重要である。通常、一対の電極とその間に隔膜を挟むような電解槽の場合、電極間距離は小さくすればする程、良く、より電解電圧を下げることができる。
しかしながら実際には、電極間に水を流すために、ある程度の電極間距離を取る必要があり、水中のカルシウムなどの析出による水路詰まりも考慮すると陽極と陰極の距離は2mm〜10mmとなっており、中間に隔膜を設けるのが常である。隔膜は、通常、剛性を有しないため部分的にポリマー材等で補強し、電極の中間に位置するように支え、陰極槽(陰極流路)と陽極槽(陽極流路)を形成する。
他の電解槽では、例えば陽極を隔膜と接触、又は陽極を通水性部材を用いて隔膜に接触させて、水を陰極槽側から隔膜を強制的に通過させ、通水部材が存在する場合にはそれも通過させながら陽極表面で電解する。また、隔膜を通過した水をさらに陽極自身も通水させながら電解する方法もある。これらの場合には、隔膜が電極(陽極)と電極(陰極)との中間にある場合と異なり、陰極槽側から膜を通過する水流が存在するため、隔膜は水圧によって電極と接触、又は通水性部材と接触している。
特開昭55−1822号公報 特開2003−245669号公報
しかしながら、電極の洗浄モードとして使われる逆電解の際、陰極槽側から膜を通過する水流が存在しないような場合には、隔膜は水圧を受けないために位置が定まらず、通常は接触しない陰極槽の電極に接触する恐れがある。
そこで本発明は、このような従来の課題を解決するために、逆電解時において、隔膜に接する電極と反対側に配置された電極に対して前記隔膜が接触するのを防止して膜劣化を抑制可能となす電解水生成装置を提供することを目的とする。
例えば、隔膜を陽極と接触させ、その隔膜のもう一方の面と陰極との間に水を通過させる構造を有した場合に電解(正電解)すると、陰極では水酸化物イオンおよび水素が発生する。陽極では、膜を浸透してきた水がその膜と陽極との接触界面近傍において電解反応を受け酸素と水素イオンを生成する。この時、陰極と隔膜の間だけに水の抵抗があり、通常のように2枚の電極の中間に隔膜のあるタイプの電解槽に比べて電解電圧を半減することができる。陰極槽側のみに水を入れ、隔膜を通水させて部分的に陽極槽側へ流水させる場合は、水圧により隔膜は陽極に押し付けられ、陰極と接触する事はない。
しかしながら、電極洗浄のために水流時に陰極として用いていた電極に正電位、流水時に陽極として用いていた電極に負電位を付与する(逆電解)ことにより、実使用の逆電位をかけ電極表面に付いたカルシウムなどの金属イオンを洗浄する場合には通常、陰極槽への水の流入を停止する。この場合、水流が存在しないこととなり、不織布などからなる隔膜はその柔性のために位置が定まらず、逆電解時の陽極(接触しない方の電極)と接してしまう事となる。
水道水、河川水、井戸水等の電解時における陽極では、遊離塩素や酸素が発生し、膜表面上がさらされる事となる。遊離塩素や発生酸素は、隔膜や親水基の劣化を促進させる。劣化した場合、隔膜は一定の通水量や電気伝導性を保つ事ができず、電解槽自体の性能を大きく劣化させてしまう事につながる。
これを防ぐため、隔膜と接する側の電極とは反対側の電極と隔膜との接触を防止させるために、それらの間に接触防止部材を設ける。または、接触防止部材を設けず、隔膜と接する側の電極と該隔膜とを固定部材で固定し、この隔膜を一方の電極と接触させないようにする。或いは、陽極流路または陰極流路の出口に貯水槽を設け、原水の流入を停止した場合に、貯水槽から陽極流路または陰極流路に水を流して水圧を掛けることで前記隔膜をこれに接する側の電極に接触させるようにする。
この結果として、陽極流路または陰極流路へ水の流入がない場合であっても隔膜と電極の間の距離が保たれる事となり、逆電解時において電極と隔膜とが接触する事による当該隔膜の膜劣化を防ぐ事ができる。
本発明によれば、隔膜を陽極(又は陰極)に接触させ、且つ陰極流路内(又は陽極流路内)に前記隔膜が陰極(又は陽極)と接触するのを防止する接触防止部材を設けているので、流路に原水の流入がない場合でも隔膜に接する電極とは反対側の電極と前記隔膜との接触を前記接触防止部材によって防止することができ、当該隔膜の膜劣化を防ぐことができる。
また、本発明によれば、隔膜をこれに接する側の陽極又は陰極に対して固定部材で固定したので、流路に原水の流入がない場合でも隔膜に接する電極とは反対側の電極と前記隔膜との接触を前記固定部材によって防止することができ、当該隔膜の膜劣化を防ぐことができる。
また、本発明によれば、陰極流路(又は陽極流路)の出口に貯水槽を設け、原水の流入を停止した場合に、貯水槽から陰極流路(又は陽極流路)に水を流して水圧を掛けることで前記隔膜を前記陽極(又は陰極)に押し付けて接触させるので、この水圧によって隔膜が他方の電極と接触するのを防止でき、当該隔膜の膜劣化を防ぐことができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「実施の形態1」
図1は本発明の電解水生成装置が適用される電解水生成システムを示す全体構成図、図2はその電解水生成装置の断面図、図3はその電解水生成装置の分解斜視図である。
先ず、電解水生成システムの概略構成について図1を参照しながら簡単に説明する。電解水生成システムにおいては、蛇口1を開くと、浄水カートリッジ2及びCa添加筒(電解槽での電解を促進させるためCaを添加)3を介して電解槽(陽極流路4または陰極流路5)に水が供給される。蛇口1から水が供給されているか否かは、流量センサ6で検知する。陰極室で生成されたアルカリ水は、陰極流路5の出口7に接続されたリザーブタンク8を介して吐水パイプ9から吐水される。一方、陽極室で生成された酸性水は、陽極流路4の出口10に接続された排水パイプ11の排水口12から排水される。
このとき、陰極流路5への入口13と連通する排水弁14と、陽極流路4の排水出口15と連通する排水弁16は閉じている。蛇口1を閉じると、陰極17と、隔膜18に接触した陽極19の極性を反転し、これら電極間に一定時間電圧を印加して逆電洗浄を行なう。このとき、水頭圧の関係で、吐水パイプ9から空気が入ってくるが、リザーブタンク8を介在させているので、リザーブタンク8が無いものに比べ電解槽へ空気が遅れて流入することとなる。本実施の形態では、上記一定時間を、電解槽へ空気が流入するまでの時間内で設定している。一定時間が経過して逆電洗浄が完了すると、排水弁14、16を開いて電解槽内の水を排水する。
本実施の形態の電解水生成装置は、図2に示すように、陰極17と、この陰極17に対して所定距離を置いて対向配置された陽極19と、前記陰極17と前記陽極19の間に設けられた隔膜18と、陰極17と隔膜18との間に設けられ、原水を入口管50から出口管51へと流通させる陰極流路(陰極槽)52とを備え、これら陰極17と陽極19間に電圧を印加して電解水を生成する整水器である。
特に、本実施の形態の電解水生成装置においては、前記隔膜18を前記陽極19に接触させ、且つ陰極流路52内に前記隔膜18が前記陰極17と接触するのを防止する接触防止部材53を設けている。
隔膜3には、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の如き不織布、セラミックなどに通水性を施した膜が用いられる。不織布には、親水処理が施されるが、電極を洗浄する際の逆電解時において前記隔膜18が陰極17と接触した場合には、この親水処理部が塩素でやらてしまい膜劣化を起こす。
陽極19は、例えばPtメッキしたチタンメッシュ電極とされ、前記隔膜3の一面に接触して設けられる。陽極19の裏面(隔膜18と接する面とは反対側の面)側には、陰極流路52から隔膜18及び陽極19を通過させて水を陽極流路54へと排水し、排水管55から排出される。なお、この場合の陽極流路54は、排水路となる。
陰極17には、例えば平板状の電極を使用する。かかる陰極17と隔膜18との間に形成される陰極流路52には、入口管50からその内部に例えば水道水、河川水、井戸水等の原水が流通する。
接触防止部材53は、図2及び図3に示すように、隔膜18が陰極流路52を挟んで対向する陰極17に接触しないようにするためのもので、これらの間の距離を一定に保ち前記隔膜18を陽極19に押し付けて接触させる複数本の支柱部53aと、これら支柱部53aを原水流通方向とほぼ直交する方向に横一例に3本づつ配列させる横連結部53bと、横一列に配列された支柱部53aを原水流通方向に所定間隔で複数配列させる縦連結部53cとで構成されている。
支柱部53aの一端は、陰極17に接して設けられる。また、支柱部53aの他端には、横連結部53bが設けられている。かかる横連結部53bは、3本の支柱部53aを横一列に連結させ、前記隔膜18に接して設けられる。縦連結部53cは、各横連結53bを原水流通方向に連結させ、その横連結部53bのほぼ中心に設けられている。
このように構成された接触防止部材53は、陰極17に対してショートしないように絶縁材料から形成された絶縁体とされている。絶縁材料としては、例えばアクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、PET樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂などのポリマー素材からなる樹脂、或いはセラミックなどが挙げられる。
なお、本実施の形態では、接触防止部材53を隔膜18とは別部品としたが、前記接触防止部材53を、絶縁体からなるフィルター、多孔質、スポンジなどの形態として前記隔膜18と一体的に隔膜複合体としてもよい。
かかる構成の電解水生成装置では、原水は入口管50を通って陰極流路52に入れられる。陰極流路52内で原水は、強制的に隔膜18を一部通水する。このとき、陽極19の表面では、次式(1)及び(2)のような水の電気分解反応が起き、水素イオンと酸素と遊離塩素が生成される。
2H2 O→4H+ +O2 +4e- ・・・(1)式
2Cl→Cl+2e・・・(2)式
生成された水素イオン、酸素及び遊離塩素は、隔膜18を強制的に通過して流れる水によって陽極18の表面から除去される。この陽極19上(メッシュ電極上)で酸素や遊離塩素などの物質が生成されるが膜を通過してくる水流が存在するため、隔膜18自体は常に遊離塩素や酸素の多くない水で洗浄されており、劣化は少ない。また、隔膜18は、陰極流路52から流れてくる水流によって陽極19であるメッシュ電極に押し付けられている。
陰極流路52では、陰極17の表面で、次式(3)のような反応によって水が電気分解される。
4H2 O+4e- →4OH- +2H2 ・・・(3)式
このとき生成した水素は、陰極流路52を流れる水に部分的に溶解する。また、水素の生成と同時に、水酸化物イオンも生成される。
ところで、この電解水生成装置では、電解水の生成を行っているうちに電極表面にはカルシウムなどの金属イオンが堆積するため、電極表面を洗浄する処理が行われる。洗浄処理は、流水時に陰極として用いていた電極(陰極17)に正電位、流水時に陽極として用いていた電極(陽極19)に負電位を与える(逆電解)ことにより、これら電極に実使用の逆電位を掛けて電極表面についたカルシウムなどの金属イオンを洗浄する。逆電解時は、メッシュ電極(陽極19)が陰極、平板電極(陰極17)が陽極として内部の水を電解する。つまり、陰極17では陽極反応として(1)式及び(2)式の反応が起こることとなり、酸素及び塩素が生成され、これら酸素及び塩素濃度の高い電極表面に触れる事となるが、本実施の形態では接触が無いため劣化が少ない。
この逆電解時には、通常であれば、陰極流路52への原水の流入を停止するため、水流が存在しない或いは水圧が下がることにより不織布等からなる隔膜18はその柔軟性のために位置が定まらず、陰極17と接触してしまうことになる。しかしながら、本実施の形態では、陰極流路52内に隔膜18を陽極19に接触させて前記隔膜18が陰極17と接触するのを防止する接触防止部材53を設けているので、この接触防止部材53によって前記陰極17に対する隔膜18の接触を防止することができる。したがって、この電解水生成装置によれば、隔膜18の膜劣化を抑制することができる。
なお、本発明の電解水生成装置では、図2の構成で陽極19と陰極17を入れ替えた構成としても同様の作用効果を得ることができる。図示は省略するが、具体的には、陽極19と、前記陽極19に対して所定距離を置いて対向配置された陰極17と、前記陽極19と前記陰極17の間に設けられた隔膜18と、前記陽極19と前記隔膜18との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陽極流路54とを備え、前記陽極19と前記陰極17間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、前記隔膜18を前記陰極17に接触させ、且つ前記陽極流路54内に前記隔膜18が前記陽極19と接触するのを防止する接触防止部材53を設ける。
このようにすれば、上記した実施の形態と同様、逆電解時において隔膜18が陽極19と接触するのを防止でき、当該隔膜18の膜劣化を抑制することができる。
「実施の形態2」
図4は実施の形態2の電解水生成装置の要部拡大断面図であり、(A)は隔膜に接触する接触防止部材の接触部を面接触させた例、(B)はその接触防止部材の接触部を点接触させた例である。
実施の形態2では、実施の形態1の電解水生成装置のうち隔膜18と接触する接触防止部材53の接触部Sを点接触させる。その他の構成は、実施の形態1と同様であるのでその説明は省略するものとする。
具体的には、図4(B)に示すように、隔膜18と接する電極に当該隔膜18を押し付ける接触防止部材53の先端部である接触部Sを円弧形状とし、その円弧状とした接触部Sを隔膜18に接触させることで点接触とする。図4(A)では、接触防止部材53の接触部Sを平坦面としてある。
陰極流路52からの水流があるときは、接触防止部材53自体も水流に流され、隔膜18に接触しながら流水する事となる。この時、図4(A)に示すように、接触防止部材53の接触部Sが隔膜18と平坦面で接していると、その接触する部位Aでは水流が滞ることが予測される。水流が滞ることにより、正電解時にメッシュ電極上で発生する酸素、塩素がスムーズに排水されず、隔膜18自体に浸透することも予測される。これを防ぐために、隔膜18と接触する接触防止部材53の接触部Sを出来るだけ小さな接触面積となるように加工しておく。接触部Sの加工としては、隔膜18を傷付けない程度に先端を尖らす方法、多孔質剤を接触させる方法、メッシュ材料を接触させる方法などがある。
このようにすれば、接触防止部材53の接触部Sにおいて水が通過し易くなり、流通抵抗を下げることができる。
「実施の形態3」
図5は実施の形態3の電解水生成装置の要部拡大断面図であり、(A)は隔膜に接触する接触防止部材の接触部を面接触させた例、(B)は接触防止部材を隔膜に対して通水且つ整流させる中間部材を介して隔膜に接触させた例である。
実施の形態3では、実施の形態1の電解水生成装置のうち隔膜18と接触する接触防止部材53を隔膜18に対して原水を通水且つ整流させる中間部材56を介して隔膜18に接触させている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるのでその説明は省略するものとする。
具体的には、図5(B)に示すように、隔膜18と接触防止部材53との間にメッシュ部材を中間部材56として設ける。中間部材56には、メッシュ部材の他、多孔質体やスポンジなどの通水部材を用いることも出来る。また、この中間部材56は、導電性を有する材料で構成すると、電極間での電位のショートパスとなり、電極表面以外での電気分解が起こる可能性があるため、絶縁材料からなる絶縁体で構成する。また、この隔膜18の部位での通水量をコントロールするため、中間部材56には開口径の異なる通水部材を部位で分け、組み合わせて用いる事や、段階的に開口径を変えて整流の度合いを調整するなども考えられる。
陰極流路52からの水流があるときは、接触防止部材53自体も水流に流され、隔膜18に接触しながら流水する事となる。この時、図5(A)に示すように、接触防止部材53の接触部Sが隔膜18と平坦面で接していると、その接触する部位Aでは水流が滞ることが予測される。これを防ぐため、通水且つ整流させる中間部材56を隔膜18と接触防止部材53の間に設けることで、前記隔膜18に通水する直前で水を整流することが可能となる。これにより、本実施の形態の電解水生成装置によれば、隔膜18の通水量を当該隔膜18の部位に寄らず一定に調整することができる。
「実施の形態4」
図6は実施の形態4の電解水生成装置における電極及び隔膜部分を取り出して示す斜視図である。
実施の形態4では、隔膜18を陰極17に対して固定部材58で固定させることで、逆電解時において隔膜18が陽極19と接触するのを防止して、当該隔膜18の膜劣化を抑制した例である。その他の構成は、実施の形態1と同様であるのでその説明は省略するものとする。
具体的には、陽極19に4つの孔が空いており、固定部材の一例であるネジ58にて陽極19と隔膜18とを接触させた状態で固定させる。これにより、逆電解時には、通常は流水が停止、又は水圧が下がる事により隔膜18を陽極(メッシュ電極)19に押さえつける力がなくなっても、常に隔膜18は陽極19に固定される事となり、当該隔膜18が撓んで陰極17と接触する事を防止する事ができる。
逆電解時は、メッシュ電極(陽極19)が陰極、平板電極(陰極17)が陽極として内部の水を電解する。つまり、陰極17では陽極反応として(1)式及び(2)式の反応が起こることとなり、酸素及び塩素が生成され、これら酸素及び塩素濃度の高い電極表面に触れる事となるが、本実施の形態では接触が無いため劣化が少ない。
なお、本実施の形態では、固定部材としてネジ58を用いて陽極19と隔膜18を固定するとしたがこの限りではなく、ばね、超音波溶着、熱溶着又は薬剤による接着により隔膜18を陽極19と固定配置することもできる。
また、本実施の形態では、陽極19と隔膜18をネジ58で固定したが、陰極17と陽極19とを入れ替えた電解水生成装置では、陰極17に隔膜18をネジ58で固定するようにする。
「実施の形態5」
図7は実施の形態5の電解水生成装置の断面図である。
実施の形態5では、陰極17と、陰極17に対して所定距離を置いて対向配置された陽極19と、陰極17と陽極19の間に設けられた隔膜18と、陰極17と隔膜18との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陰極流路52とを備え、前記陰極17と前記陽極19間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、前記陰極流路52の出口に貯水槽59を設け、原水の流入を停止した場合に、前記貯水槽59から前記陰極流路52に水を流して水圧を掛けることで前記隔膜18を前記陽極19に押し付けて接触させた構成としている。
貯水槽59は、陰極流路52の出口に導入管60を介して接続されており、当該陰極流路52内への原水の流入が停止されたときに、この陰極流路52内に貯水槽59内の水を流入させて隔膜18を通水するように圧力を掛けて当該隔膜18を陽極19に押し付ける役目をする。
したがって、本実施の形態の電解水生成装置によれば、正電解後の逆電解時において原水の流入が停止しても貯水槽59から陰極流路52内に導入された水の水圧で隔膜18が陽極19に押し付けられ、隔膜18は陽極19に接したままの状態に保持される。このとき、逆電解をおこなって電極洗浄した場合には、隔膜18が陰極17と接触することなく電解でき、当該隔膜18の膜劣化を抑制することができる。なお、このとき水圧が高い場合は、隔膜18を通して水が陽極流路54から排水されることになる。
また、実施の形態5では、図7の構成で陽極19と陰極17を入れ替えた構成としても同様の作用効果を得ることができる。図示は省略するが、具体的には、陽極19と、前記陽極19に対して所定距離を置いて対向配置された陰極17と、前記陽極19と前記陰極17の間に設けられた隔膜18と、前記陽極19と前記隔膜18との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陽極流路54とを備え、前記陽極19と前記陰極17間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、前記陽極流路54の出口に貯水槽59を設け、原水の流入を停止した場合に、前記貯水槽59から前記陽極流路54に水を流して水圧を掛けることで前記隔膜18を前記陰極17に押し付けて接触させる。
このようにすれば、上記した実施の形態と同様、逆電解時において隔膜18が陽極19と接触するのを防止でき、当該隔膜18の膜劣化を抑制することができる。
なお、実施の形態5の電解水生成装置においても実施の形態3と同様、水を通水且つ整流させるための中間部材56を設けるようにしてもよい。
本発明の電解水生成装置が適用される電解水生成システムを示す全体構成図である。 実施の形態1の電解水生成装置の断面図である。 実施の形態1の電解水生成装置の分解斜視図である。 実施の形態2の電解水生成装置の要部拡大断面図であり、(A)は隔膜に接触する接触防止部材の接触部を面接触させた例、(B)はその接触防止部材の接触部を点接触させた例である。 実施の形態3の電解水生成装置の要部拡大断面図であり、(A)は隔膜に接触する接触防止部材の接触部を面接触させた例、(B)は接触防止部材を隔膜に対して通水且つ整流させる中間部材を介して隔膜に接触させた例である。 実施の形態4の電解水生成装置における電極及び隔膜部分を取り出して示す斜視図である。 実施の形態5の電解水生成装置の断面図である。
符号の説明
17…陰極
18…隔膜
19…陽極
50…入口管
51…出口管
52…陰極流路
53…接触防止部材
54…陽極流路
55…排水管
56…中間部材
58…ネジ(固定部材)
59…貯水槽

Claims (10)

  1. 陰極と、前記陰極に対して所定距離を置いて対向配置された陽極と、前記陰極と前記陽極の間に設けられた隔膜と、前記陰極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陰極流路とを備え、前記陰極と前記陽極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記隔膜を前記陽極に接触させ、且つ前記陰極流路内に前記隔膜が前記陰極と接触するのを防止する接触防止部材を設けた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 陽極と、前記陽極に対して所定距離を置いて対向配置された陰極と、前記陽極と前記陰極の間に設けられた隔膜と、前記陽極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陽極流路とを備え、前記陽極と前記陰極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記隔膜を前記陰極に接触させ、且つ前記陽極流路内に前記隔膜が前記陽極と接触するのを防止する接触防止部材を設けた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電解水生成装置であって、
    前記接触防止部材を前記隔膜に接触させて該隔膜と接する電極に当該隔膜を押し付けるようにし、その隔膜に接触する前記接触防止部材の接触部を点接触とした
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電解水生成装置であって、
    前記接触防止部材を前記隔膜に対して原水を通水且つ整流させる中間部材を介して前記隔膜に接触させて該隔膜と接する電極に当該隔膜を押し付けるようにした
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一つに記載の電解水生成装置であって、
    前記接触防止部材を絶縁体とした
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  6. 請求項4に記載の電解水生成装置であって、
    前記中間部材を絶縁体とした
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  7. 陰極と、前記陰極に対して所定距離を置いて対向配置された陽極と、前記陰極と前記陽極の間に設けられた隔膜と、前記陰極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陰極流路とを備え、前記陰極と前記陽極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記隔膜を前記陽極に対して固定部材で固定させた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  8. 陽極と、前記陽極に対して所定距離を置いて対向配置された陰極と、前記陽極と前記陰極の間に設けられた隔膜と、前記陽極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陽極流路とを備え、前記陽極と前記陰極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記隔膜を前記陰極に対して固定部材で固定させた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  9. 陰極と、前記陰極に対して所定距離を置いて対向配置された陽極と、前記陰極と前記陽極の間に設けられた隔膜と、前記陰極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陰極流路とを備え、前記陰極と前記陽極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記陰極流路の出口に貯水槽を設け、原水の流入を停止した場合に、前記貯水槽から前記陰極流路に水を流して水圧を掛けることで前記隔膜を前記陽極に押し付けて接触させた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  10. 陽極と、前記陽極に対して所定距離を置いて対向配置された陰極と、前記陽極と前記陰極の間に設けられた隔膜と、前記陽極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陽極流路とを備え、前記陽極と前記陰極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記陽極流路の出口に貯水槽を設け、原水の流入を停止した場合に、前記貯水槽から前記陽極流路に水を流して水圧を掛けることで前記隔膜を前記陰極に押し付けて接触させた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
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