JP4353159B2 - 電解水生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリイオン整水器などに使用される電解水生成装置に関し、詳細には、所望するpHの電解水を低電圧且つ少排水量で生成する技術に関する。
従来、電解槽を用いて水の電解を行う方法には、例えば特許文献1等に記載される技術があり、これらは水道水を直接、または水道水からの水を活性炭などの吸着浄化部や、中空糸膜等のろ材部を通過させ水中の不純物を取り除いた後、対向する陰陽電極とその間に不織布、イオン交換膜などを配置した構造を有する電解槽に導き入れ、電気的エネルギーの付加を行うことによりイオン種、ガス成分、活性種等の生成を行い水の改質を行う。
電解槽に用いられる膜には、不織布のような電気的に中性の膜が主に使用されるが、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜のようにイオン種によっては膜の通過を阻害する膜も用いられる。
膜として中性膜を用いる目的は、水の電解により生じた水素イオン、水酸化物イオン等が水の拡散、水流により混じってしまい所望する電解水が得られないことを防止するためである。イオン交換膜を用いる目的は、さらに陽イオン、または陰イオンの移動をも防ぐことにより、さらに効率よく所望する生成水を得ることを目的とする。
水道水、河川水、井戸水等の電解質濃度の希薄な水の電解においては、電解電圧を下げるために、陽極と陰極の電極間距離を狭くすることが重要である。通常、一対の電極とその間に隔膜を挟むような電解槽の場合、電極間距離は小さくすればする程、良く、より電解電圧を下げることができる。
しかしながら実際には、電極間に水を流すために、ある程度の電極間距離を取る必要があり、水中のカルシウムなどの析出による水路詰まりも考慮すると陽極と陰極の距離は2mm〜10mmとなっており、中間に隔膜を設けるのが常である。
電極間距離を小さくするため、電極と隔膜を接触させた電解槽の構成としては、特許文献2等に記載される技術があり、どちらかまたは双方の電極と隔膜を接触して配列し、隔膜と接する面と反対側の電極表面に水を通過させて電解している。この場合には、隔膜に主にイオン交換膜を用い、水のpHを変化させないのが主たる目的である。
特開昭55−1822号公報 特開2003−245669号公報
また、陰極側からの吐水を利用するためには、陽極側からの排水量を極力減らすことが必要であり、陽極側からの吐水を利用するためには、陰極側からの排水量を極力減らすことが必要である。
例えば、陰極水(アルカリ水)を所望する時に、陽極側の排水量を減らすことは、陽極槽への入水量をコントロールすることにより達成することができる。しかしながら、陽極槽への入水量を極端に減らした場合には、水が陽極槽を通過する速度が下がるため、陽極槽での滞在時間が長くなる。すると、電解により生成される水素イオン濃度が陽極槽内で高くなり、隔膜を通過して陰極槽内へと入り込む水素イオンの割合が高くなる。これによって、陰極水(または陽極水)は、そのpH上昇が低く抑えられてしまう。
そこで本発明は、このような従来の課題を解決するために、電解電圧を低く抑えると共に排水量を少なくしても所望のpH値とした電解水を効率良く提供することのできる電解水生成装置を提供することを目的とする。
通常、一対の電極とその間に隔膜を設けた電解槽による水の電気分解反応では陽極表面で水の電解分解により水素イオンおよび酸素が発生し、陰極表面では水酸化物イオンおよび水素が発生する。結果として陽極側が水素イオンリッチな酸性酸素溶存水、陰極側が水酸化物イオンリッチなアルカリ性の溶存水素水になる。
ここで、陽極を隔膜と接触させ、隔膜のもう一方の面と陰極との間に水を通過させる構造を有した場合に電解をかけると、陰極では同じように水酸化物イオンおよび水素が発生する。陽極では膜を浸透してきた水がその膜と陽極との接触面近傍において電解反応を受け酸素と水素イオンを生成する。この時、陰極と隔膜の間だけに水の抵抗があり、電解電圧は小さくなる。しかし、陽極との接触面近傍では水が少ないため水素イオンの濃度が高く、膜を通過し陰極槽内に流入してしまい、陰極で発生した水酸化物イオンと互いに打ち消しあう結果となる。
これを防ぐため、陽極を通水性を有した電極構造とし、その通水性の陽極を隔膜と接触させ、陰極流路側から隔膜、さらには陽極を通過する水の流れを強制的に作り出す。つまり、隔膜と陽極との接触面近傍で生成される水素イオン濃度が上昇しないように、陽極裏面に設けた排水路へと水素イオンを原水の一部と共に排水として系外に取り除く。
なお、通水性の陰極を隔膜と接触させた場合には、陽極流路側から隔膜、さらには陰極を通過する水の流れを強制的に作り出し、隔膜と陰極との接触面近傍で生成される水酸化物イオン濃度が上昇しないように、陰極裏面に設けた排水路へと水酸化物イオンを原水の一部と共に排水として系外に取り除く。
本発明によれば、陽極表面で生成された水素イオンが、通水性を有した電極構造とされた陽極を通してその陽極裏面側に設けられた排水路へと排水されるため、隔膜の両側でイオン濃度の差が無くなり、電解時に特異なイオン(水素イオン)のみが隔膜を行き来するのを防止することができ、陰極水のpHを効率良く変化させることができる。
また、本発明によれば、同様に、陰極表面で生成された水酸化物イオンが、通水性を有した電極構造とされた陰極を通してその陰極裏面側に設けられた排水路へと排水されるため、隔膜の両側でイオン濃度の差が無くなり、電解時に特異なイオン(水酸化物イオン)のみが隔膜を行き来するのを防止することができ、陽極水のpHを効率良く変化させることができる。
したがって、本発明によれば、所望する陰極水または陽極水を、低電圧且つ少排水量で作成することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「実施の形態1」
図1は、実施の形態1の電解水生成装置の断面図である。
本実施の形態の電解水生成装置は、図1に示すように、陰極1と、この陰極1に対して所定距離を置いて対向配置された陽極2と、前記陰極1との対向面に前記陽極2に接触して設けられた隔膜3と、陰極1と隔膜3との間に設けられ、原水を入口管4から出口管5へと流通させる陰極流路6と、陽極2の裏面側に設けられた排水路7とを備え、これら陰極1と陽極2間に電圧を印加して電解水を生成する整水器である。
隔膜3には、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の如き不織布、セラミック膜のような通水性を有した膜が用いられる。
陽極2は、隔膜3と接触させた構造とされており、例えば隔膜3にPtメッキしたチタンメッシュ陽極2を接触させることにより形成される。かかる陽極2に隔膜3を接触させれば、当該陽極2と隔膜3間の水路が無くなり、電解電圧の低減を測ることが可能となる。
陰極1には、例えば平板状の電極を使用する。かかる陰極1と隔膜3との間に形成される陰極流路6には、例えば水道水、河川水、井戸水等の原水が流通する。
排水路7には、陽極2の表面で生成された水素イオンを、陰極流路6を流れる原水(水)の一部と共に流し系外へと排水する。なお、排水路7の流出側には、原水によって強制的にこの排水路7へと排出された水素イオンを系外へと排水するための排水管8が設けられている。
このように構成された電解水生成装置では、原水は入口管4を通って陰極流路6に入れられる。陰極流路6内で原水は、隔膜3を一部通水し、さらに陽極2を通過して排水として流れる。このとき、陽極2の表面では、次式(1)のような水の電気分解反応が起き、水素イオンと酸素が生成される。
2H2 O→4H+ +O2 +4e- ・・・(1)式
生成された水素イオン及び酸素は、隔膜3から陽極2を通過して流れる水によって陽極2の表面から除去され、当該陽極2の裏面に設けた排水路7へと排出される。
陰極流路6では、陰極1の表面で、次式(2)のような反応によって水が電気分解される。
4H2 O+4e- →4OH- +2H2 ・・・(2)式
このとき生成した水素は、陰極流路6を流れる水に部分的に溶解する。また、水素の生成と同時に、水酸化物イオンも生成される。本実施の形態の場合は、陽極2の表面で水素イオン濃度が上昇しないため、隔膜3の両側でイオン濃度の差が無く、電解時に特異なイオン(例えば水素イオン)のみが膜を行き来することが無い。このため、本実施の形態の電解水生成装置によれば、陰極水のpHを効率よく変化させることができる。つまり、陰極水のpHを、低アルカリから高アルカリの範囲で所望のpH値とすることができる。
通常、アルカリイオン整水器の電解の場合は、陽極と陰極の間には中性の隔膜が設けられており、陽極、陰極共に隔膜に接しておらず、電解電圧は陽極と隔膜間の水、陰極と隔膜間の水の抵抗分だけ余分に必要となるが、本実施の形態の場合には、陽極と隔膜が接触しているため、抵抗は陰極と隔膜間の水の抵抗のみとなる。
また、通常のアルカリイオン整水器の電解の場合は、排水である陽極水量を絞り、減少させると隔膜の陽極側の面の水の滞在時間が長く、特異なイオン(例えば水素イオン)が多くなるため膜を移動し陰極側に行きやすくなる。これによって、陰極水のpH変化が小さくなってしまう。図2は、従来例である通常のアルカリイオン整水器の電解槽(図2中点線で示す)と本実施の形態の電解槽(図2中実線で示す)とにおいて、吐水量が同じである場合に排水量を減少させた場合の陰極流路を流れる水のpHを示す。
従来のアルカリイオン水の電解槽では、排水量を減少させていくと、排水量500ml/min以下では陰極側からの吐水pHが大きく下がる。したがって、この排水量以下では、電解効率が悪くなる。一方、本実施の形態の電解槽では、排水量300ml/min以下でようやく下がり始めることとなる。
なお、上記した例では、陽極2を隔膜3に接触させる構造としたがこの限りではなく、陰極1を隔膜3に接触させ、陽極2と隔膜3との間に原水を流通させる陽極流路を形成し、さらに隔膜3が接触する面とは反対側の陰極1の裏面に排水路7を設け、当該陰極1を通水性を有した電極構造となして、陰極表面で生成された水酸化物イオンを、陽極流路を流れる原水の一部と共に陰極1を通して排水路7へ排水させるようにしてもよい。
このようにすれば、上記した実施の形態と同様、陰極1の表面に生成された水酸化物イオンを陽極流路へ流出させることなく排水路7へと強制的に排水させることができ、陽極水のpHを効率良く変化させることができる。
また、上記した例では、通水性電極としてメッシュ電極としたがこの限りでは無く、メッキ電極、ハニカム電極、グレーティング電極、パンチングメタル電極、多孔質電極等を用いることができる。また、排水量については吐水量によって変化するものであり、この限りではない。
「実施の形態2」
図3は、実施の形態2の電解水生成装置の断面図である。
実施の形態2においては、陰極流路6または陽極流路の入口或いは出口に、陰極流路内または陽極流路内を流れる原水の流量を調整する流量調整手段を設け、この流量調整手段によって流路内の内圧を制御して、前記排水路7から排水される排水量を調整する。
具体的には、陰極流路6の出口に流量調整手段として固定オリフィス9或いは流量調整弁(図示は省略する)を設け、この固定オリフィス9または流量調整弁を調整することによって陰極流路6の内圧を調整し、所望の排水量を排水するように制御する。
電解水生成装置では、陰極流路6を原水が流れ、その原水の一部が隔膜3を通水し、さらに陽極2を通過して排水路7へと流れるが、排水の量は隔膜3の孔径により決定される。このため、隔膜3によっては、所望する排水量が得られない場合がある。
これを防ぐため、実施の形態2では、陰極流路6の出口に固定オリフィス9または流量調整弁を設けて、陰極流路6内の内圧を制御し、排水量を所望する値にする。例えば、固定オリフィス9を調整して陰極流路6内の内圧を高めれば、隔膜3から陽極2を通して原水が流れ易くなり、隔膜3の両側でイオン濃度の差が無くなり、電解時に特異なイオン(例えば水素イオン)のみが膜を行き来するのを防止することができる。
図3では、陰極流路6の出口に固定オリフィス9を設けたが、この陰極流路6の入口に固定オリフィス9を設けても同様の作用効果が得られる。固定オリフィス9を陰極流路6の出口に設ければ、陰極流路6からの吐水量を調整でき、固定オリフィス9を陰極流路6の入口に設ければ、陰極流路6への流入量を調整できることから、当該陰極流路6内の内圧を可変することができる。
また、図3では、陽極2を隔膜3と接触させ、陰極水を吐水させたがこの限りではなく、陰極1を隔膜3と接触させても良い。陰極1を隔膜3に接触させた場合は、隔膜3と陽極2間の陽極流路の入口または出口に固定オリフィス9或いは流量調整弁等の流量調整手段を設ける。
また、図3では、吐水量を決定する手段として固定オリフィス、流量調整弁等としたがその限りではなく、別途吐水路を設けたり、別の手段にて陰極流路6または陽極流路への流入量を変化させたりしても同様の効果がある。
「実施の形態3」
図4は、実施の形態3の電解水生成装置の断面図である。
実施の形態3においては、排水路7から排水される量を検出する排水量検出手段と、排水量をモニターし、その測定値に応じて流量調整手段を制御して流路内の内圧を制御する調整部とを備える。
具体的には、排水路7に接続される排水管8に、該排水管8を流れる排水量を検出する排水量検出手段としての流量センサー10を設けると共に陰極流路6の出口に流量調整手段である可変オリフィス11を設け、陰極流路6内の内圧を制御する調整部であるコントローラ12にて、該流量センサー10でモニターした排水量(測定値)に応じて前記可変オリフィス11を制御し、前記陰極流路6への流入水量または吐水量をコントロールして該陰極流路6の内圧を調整し、所望の排水量となるように調整を行う。
例えば、一般的な水道水では、蛇口の高低差や配管の太さ、浄水場からの距離によって動水圧、静水圧が大きく異なり、これにより陰極流路6内の内圧も違うため、陰極流路6から隔膜3及び陽極2を順次通過する排水量も地域により異なる。これを防ぐため、本実施の形態では、排水管8に取付けた流量センサー10により排水量をモニターし、測定値によってはコントローラ12で可変オリフィス11をコントロールし、陰極流路6内の内圧を制御して排水量を所望する値にする。可変オリフィス11の調整は、コントローラ12にて手動で行ってもよく、或いは自動で行ってもよい。
本実施の形態によれば、流量センサー10で排水量をモニターしながら陰極流路6への流入水量または吐水量を可変オリフィス11にてコントロールすることで、陰極流路6の内圧を調整して所望の排水量とすることができる。したがって、本実施の形態によれば、図2で示したように排水量の大小によって変動する吐水のpH値を容易且つ任意にコントロールすることができる。
図4では、陰極流路6の出口に可変オリフィス11を設けたが、この陰極流路6の入口に可変オリフィス11を設けても同様の作用効果が得られる。
また、図4では、陽極2を隔膜3と接触させ、陰極水を吐水させたがこの限りではなく、陰極1を隔膜3と接触させても良い。陰極1を隔膜3に接触させた場合は、隔膜3と陽極2間の陽極流路の入口または出口に可変オリフィス11或いは流量調整弁等の流量調整手段を設ける。
また、図4では、吐水量をコントロールする手段として可変オリフィス11、流量調整弁等としたがその限りではなく、別途吐水路を設けたり、その他の手段によって陰極流路6または陽極流路への流入量をコントロールしたり、別途信号部を用いて使用者に状況表示して流入量をコントロールさせたりしても同様の効果がある。
「実施の形態4」
図5は、実施の形態4の電解水生成装置の断面図である。
実施の形態4においては、実施の形態1の構成に加えて排水路7に原水を流通させる入水管13と排水管8を設ける。具体的には、隔膜3と接している陽極2を通過した排水を効率よく系外へ取り除くために、陽極2の裏面側(隔膜3との接触面とは反対側)に水道水、河川水、井戸水等を連続的に供給するための入水管13と排水管8を、前記排水路7に接続し、その入水管13から水道水などを入水させる。
なお、本実施の形態では、排水路7に下から上へと流水を流すため、図5中下側に入水管13を設けると共に上側に排水管8を設けている。
本実施の形態によれば、陽極2を通して排水路7へと排出された水素イオンは、入水管13より流入された流水によって排水管8へと排水されるため、効率良くpHを変化させた陰極水を吐水することができる。
図5では、陽極2を隔膜3と接触させ、陰極水を吐水させたがこの限りではなく、陰極1を隔膜3と接触させても良い。陰極1を隔膜3に接触させた場合は、陰極1の裏面に設けられる排水路7に原水を流通させる入水管13と排水管8を設ける。このようにすることで、陰極1を通して排水路7へと排出された水酸化物イオンは、入水管13より流入された流水によって排水管8へと排出される。
また、図5では、排水路7に下から上へと水道水などを流水させたがこの限りではなく、上から下、下から真ん中、真ん中から上下、手前から奥、奥から手前などの流水経路が考えられる。
「実施の形態5」
図6は、実施の形態5の電解水生成装置の断面図である。
実施の形態5においては、実施の形態1の構成に加えて陰極流路6の出口から吐水された電解水の一部を排水路7へと供給する分岐管14を設ける。具体的には、隔膜3と接触している陽極2を通過した水素イオンを効率よく系外へ取り除くために、陰極流路6で電解され吐水された電解水(陰極水)の一部を、排水路7の上部と接続する分岐管14を通して当該排水路7に供給する。
本実施の形態によれば、電解時には陰極流路6で電解された電解水が分岐管14を通って排水路7に流れ、当該排水路7を上部から下部へと流れるので、陽極2の表面に生成された水素イオンはこの流水(電解水)と一緒に排水管8から系外へ排水される。したがって、本実施の形態によれば、効率良くpHを変化させた電解水(陰極水)を吐水することができる。
図6では、陽極2を隔膜3と接触させ、陰極水を吐水させがこの限りではなく、陰極1を隔膜3と接触させても良い。陰極1を隔膜3に接触させた場合は、陽極流路の出口から吐水された電解水の一部を、分岐管14を通して排水路7に供給する。このようにすることで、陰極1を通して排水路7へと排出された水酸化物イオンは、分岐管14より流入された電解水(陽極水)によって排水管8へと排出される。
また、図6では、排水路7に下から上へと電解水を流水させたがこの限りではなく、下から上、上下から真ん中、真ん中から上下、手前から奥、奥から手前などの流水経路が考えられる。
「実施の形態6」
図7は、実施の形態6の電解水生成装置の断面図である。
実施の形態6においては、隔膜3に接触する陽極2の裏面に、通水性の導電性剛性部材15を設ける。具体的には 線経の太いメッシュやグレーティング、パンチングメタル、多孔質体からなる通水性の導電性剛性部材15を、隔膜3との接触面とは反対側の陽極裏面に重ねることで、通水性電極の剛性及び電気伝導性を高めている。
隔膜3に接触させる通水性電極(この例の場合は陽極2)は、その孔径を小さくすると電流密度が小さくなり電解効率が良くなると考えられるが、例えばメッシュ電極の場合に孔径を小さくすると、用いる線の径を細くする必要がある。そのため、メッシュ電極は、剛性が無く、水の抵抗により大きく変形してしまう。
本実施の形態によれば、隔膜3に接触する面と反対側の裏面に金属導体、有機導電体の線経の太いメッシュやグレーティング、パンチングメタル、多孔質体などからなる通水性の導電性剛性部材15を重ねて設けたことで、陽極2を補強すると同時にメッシュ電極に均一に電流を流すことができる。
図6では、陽極2を隔膜3と接触させ、陰極水を吐水させたがこの限りではなく、陰極1を隔膜3と接触させ、その陰極1の裏面に導電性剛性部材15を重ねるようにしても良い。
実施の形態1の電解水生成装置の断面図である。 従来例である通常のアルカリイオン整水器の電解槽と本実施の形態の電解槽とにおいて、吐水量が同じである場合に排水量を減少させた場合の陰極流路を流れる水のpHを示す特性図である。 実施の形態2の電解水生成装置の断面図である。 実施の形態3の電解水生成装置の断面図である。 実施の形態4の電解水生成装置の断面図である。 実施の形態5の電解水生成装置の断面図である。 実施の形態6の電解水生成装置の断面図である。
符号の説明
1…陰極
2…陽極
3…隔膜
4…入口管
5…出口管
6…陰極流路
7…排水路
8…排水管
9…固定オリフィス(流量調整手段)
10…流量センサー(排水量検出手段)
11…可変オリフィス(流量調整手段)
12…コントローラ(調整部)
13…入水管
14…分岐管
21…吐出口
15…導電性剛性部材

Claims (7)

  1. 陰極と、前記陰極に対して所定距離を置いて対向配置された陽極と、前記陰極との対向面に前記陽極に接触して設けられた隔膜と、前記陰極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陰極流路と、前記陽極の裏面側に設けられた排水路とを備え、前記陰極と前記陽極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記陽極を通水性を有した電極構造とし、前記陰極流路を流れる原水の一部を、前記隔膜を通過させ、さらにこの隔膜に接触する前記陽極を通過させて、前記陽極表面で生成された水素イオンと共に前記原水の一部を前記排水路へと排水させる
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  2. 陽極と、前記陽極に対して所定距離を置いて対向配置された陰極と、前記陽極との対向面に前記陰極に接触して設けられた隔膜と、前記陽極と前記隔膜との間に設けられ、原水を入口から出口へと流通させる陽極流路と、前記陰極の裏面側に設けられた排水路とを備え、前記陽極と前記陰極間に電圧を印加して電解水を生成する電解水生成装置であって、
    前記陰極を通水性を有した電極構造とし、前記陽極流路を流れる原水の一部を、前記隔膜を通過させ、さらにこの隔膜に接触する前記陰極を通過させて、前記陰極表面で生成された水酸化物イオンと共に前記原水の一部を前記排水路へと排水させる
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電解水生成装置であって、
    前記陰極流路または前記陽極流路の入口或いは出口に、陰極流路内または陽極流路内を流れる原水の流量を調整する流量調整手段を設け、この流量調整手段によって流路内の内圧を制御して、前記排水路から排水される排水量を調整する
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  4. 請求項3に記載の電解水生成装置であって、
    前記排水路から排水される量を検出する排水量検出手段と、
    排水量をモニターし、その測定値に応じて前記流量調整手段を制御して流路内の内圧を制御する調整部とを備えた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一つに記載の電解水生成装置であって、
    前記排水路に原水を流通させる入水管と排水管を設けた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  6. 請求項1から請求項4の何れか一つに記載の電解水生成装置であって、
    前記陰極流路または前記陽極流路の出口から吐水された電解水の一部を、前記排水路に供給する分岐管を設けた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一つに記載の電解水生成装置であって、
    前記隔膜に接触する陰極または陽極の裏面に、通水性の導電性剛性部材を重ねて設けた
    ことを特徴とする電解水生成装置。
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