JP2002361251A - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置

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JP2002361251A
JP2002361251A JP2001172242A JP2001172242A JP2002361251A JP 2002361251 A JP2002361251 A JP 2002361251A JP 2001172242 A JP2001172242 A JP 2001172242A JP 2001172242 A JP2001172242 A JP 2001172242A JP 2002361251 A JP2002361251 A JP 2002361251A
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electrolyzed water
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Shuji Nishiyama
修二 西山
Naohito Wajima
尚人 輪島
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水の電気分解によって、アルカリイオン水、
酸性イオン水を大流量で生成する。さらに捨て水を排出
しない電解槽構造を提供する。 【解決手段】 水を電気分解する電解槽によって、酸性
イオン水またはアルカリイオン水を生成する電解水生成
装置において、水が流れる通水路を、電解槽が設置され
る第一電解通水路と、電解槽をバイパスした第二通水路
に分岐し、電解水を生成する際は、流量調節機構によっ
て、前記第一電解通水路の流量を所定流量以下に調節
し、電解槽の2枚の電極のいずれか一方で生成された電
解水を第二通水路に合流させることで、所望のpHに調
節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水を電気分解
することで、酸性水とアルカリ水を生成する電解水生成
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料用や、調理用、殺菌用に用いる水と
して、水を直流電流によって電気分解し、陽極陰極それ
ぞれの電極において生成される酸性水、アルカリ水を利
用する技術がある。酸性水は、殺菌力や肌をひきしめる
作用が知られ、またアルカリ水は、洗浄力や消化器系を
活性化させる作用から、一般家庭や病院、レストランな
どに広く普及してきている。実際は、電解槽の前段に、
活性炭や中空糸膜を配置し、カビ臭や鉄分などの不純物
を除去し、浄化された状態で電解されるため、使用者に
安心感を与えている。
【0003】従来技術における電解槽の構成は、陽極と
陰極を、隔膜によって隔離する有隔膜電解槽が多いが、
隔膜を使用しない無隔膜電解槽も発案されている。有隔
膜電解槽の場合、電極と隔膜の間を広く取ることができ
るため、電解する水の量を多く取ることができるが、反
応は電極近傍の表面でおきるため、pHの高い、あるい
は低い水を大量に生成するためには、電解電流を高く設
定するか、滞留状態で時間をかけて電解するかなど、制
約がついた。また無隔膜電解槽の場合は、隔膜がないた
め電解に要する電力を低く押さえられる利点があるが、
対向する電極それぞれで生成される酸性水、アルカリ水
を混合することなく、効率よく取り出すだすため、隔膜
がない分、流量を高くして電解することが不可能であっ
た。以上から、電解槽の種類によらず、電極表面で酸性
水、アルカリ水を生成する電解水生成技術においては、
大流量の電解水生成が問題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような経
緯をふまえたものであり、原水の電気分解によって酸性
水、アルカリ水を生成する電解水生成装置において、所
望のpHの電解水を大流量で生成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記目
的を達成するため、本発明は、水を電気分解する電解槽
によって、酸性イオン水またはアルカリイオン水を生成
する電解水生成装置において、水が流れる通水路を、電
解槽が設置される第一電解通水路と、電解槽をバイパス
した第二通水路に分岐し、電解水を生成する際は、流量
調節機構によって、前記第一電解通水路の流量を所定流
量以下に調節し、電解槽の2枚の電極のいずれか一方で
生成された電解水を第二通水路に合流させることで、所
望のpHに調節することを特徴とする。
【0006】電解槽においては、通水路に対して対向す
る配置で電極を設置する。電極に直流電流を印可する
と、プラス極の陽極には、陰イオンが電気的に引き寄せ
られ、電子を放出する酸化反応がおきる。水道水を代表
とする無添加の原水の場合、水中に最も多く含まれる陰
イオンは、塩化物イオンであり、次に硫酸イオン、硝酸
イオンが次ぐ。原水は大半pH=7近傍の中性質であ
り、水酸化物イオンも前記表記の陰イオンより4~5桁
少ないレベルだが、陽極に引き寄せられる。このとき電
極材質が白金を主成分とする場合、白金を触媒として、
水酸化物イオンの酸化反応がメイン反応となる。反応に
よって、陽極では、酸素と水素イオンが発生するため、
酸性水となり、反対の陰極では、水素と水酸化物イオン
が発生し、アルカリ性水となる。
【0007】本発明において、上記水酸化物イオン又
は、水素イオンの酸化、還元反応の効率が、流量によっ
て大きく変わることを見いだした。効率の定義は、電極
に印可した電流から、電気化学におけるファラデー原理
を用いて算出される水素イオン濃度、もしくは水酸化物
イオン濃度(どちらもpH換算できる)の理論値に対
し、実際の電解生成水のpHを比べたものである。流量
が低いほど、この効率が良くなることを見いだした。課
題である電解水の大流量生成に、この効率の良化を生か
すため、本発明においては、電解槽部のバイパス通水を
手段とした。pHは、水素イオン濃度もしくは、水酸化
物イオン濃度の常用対数をとったものであり、従って水
素イオン濃度、水酸化物イオン濃度の10倍、もしくは
1/10倍が、pH=1の変動に対応する。よって、流
量の低い、効率の高い状態でpHの低い、もしくは高い
水を作成し、バイパス合流によって流量を10倍に増や
したとしても、pH変動は1のみの変動となる。この電
解水の生成と、生成水の希釈により、大流量の電解水の
生成が可能となった。
【0008】また本発明は、水を電気分解する電解槽に
よって、酸性イオン水またはアルカリイオン水を生成す
る電解水生成装置において、電解槽内に2枚の電極が対
向配置した第一電解通水路と、電極の配置されていない
第二通水路の二つの通水路を設け、更に電解槽の入水部
に前記2つの通水路の流量を調節する流量調節機構を設
置し、電解水を生成する際は、前記流量調節機構によっ
て、前記第一電解通水路の流量を所定流量以下に調節
し、電解槽の2枚の電極のいずれか一方側側で生成され
た電解水を、第二通水路に合流させることで、所望のp
Hに調節することを特徴とする。
【0009】上記は、前記バイパス構造を、電解槽内部
に採用したことを特徴とする。電解を行う第一電解通水
路を、前記流量調節機構で、低流量側に調節し、生成効
率の高い状況で、強酸性水、強アルカリ水を作成し、そ
れを電解槽内部で合流希釈することで大量の酸性水、ア
ルカリ水を作成する。電解槽内部をバイパス構造にする
ことで、装置の大幅な小型化ができる。また電解水を使
用しない場合は、第二通水路のみ通水して、第一電解通
水路は遮断することができるため、電極表面の汚れ付着
を低減化することができ、通水のバリエーションが増え
る。
【0010】また本発明は、前記電解槽の2枚の電極間
を隔膜によって二つの電極室に分離し、各電極室の出口
の一つに開閉弁を設け、電解を行う際は、前記開閉弁を
閉めて、片方の出口のみから酸性イオン水、またはアル
カリイオン水を取り出すことで、捨て水をなくす構造と
したことを特徴とする。
【0011】電解水生成装置における捨て水は、アルカ
リイオン水を使用する場合は、対極でできる酸性イオン
水が、酸性イオン水を使用する場合は、アルカリイオン
水がこれにあたり、水の電気分解では、かならずカウン
ターイオンが生成するため避けられない問題であった。
本発明は、電解槽内部を隔膜によって二つに分け、一方
の電極室内の水を滞留させて電解することで、電解中の
捨て水をなくした。電解水の取り出しが終われば、開閉
弁を開けて滞留していた水を、片側の電極室の水と合流
させ、pHを中性にもどす。これにより捨て水を出さな
いことが可能となる。
【0012】さらに本発明は、pH5以下の酸性イオン
水、またはpH10以上のアルカリイオン水を生成する場
合、前記流量調節機構によって、電解の行われる第一電
解通水路の流量と電極面積の比で、電極単位面積あたり
を通過する水の速さを表す指標を、1cm/秒以下で電
解することを特徴とする。
【0013】白金電極を用いた水道水の電解から、前記
した電極単位面積あたりを通過する水の速さが、1cm
/秒以下で、電解の効率が大きく増加することを見いだ
した。電解は、水と電極表面の界面で生じる酸化、還元
反応であるため、非常に狭い領域が反応場となる。効率
は、単位時間当たりの反応物質の衝突確率に影響され、
流量を下げると効率があがるという結果は、前記衝突確
率が低流量では高くなることに対応すると思われる。衝
突確率に影響するパラメーターは、反応場となる電極の
電極面積と、その上を通過する水の体積流量である。本
発明は、種々の実験から、上記二つのパラメータの比
を、効率変数として線速度をとり数値化した。その結
果、電極面積を大きくする、もしくは流量を下げること
によって、上記線速度を1cm/秒以下にすることで、
pH3以下あるいはpH11以上の強酸性、強アルカリ
性水を作成することが可能であることを見いだした。作
成された電解水を、もう一方の通水路を通過してきた水
と数倍の希釈率で混合することで、pH4以下あるいは
pH10以上の水を調製することが可能となる。
【0014】さらに本発明は、第一電解通水路に電解質
添加装置を設置することを特徴とする。これは原水の水
質を、電解質添加を行うことで、電解に有利な方向に人
為的に変化させる作用をもつ。電解質を加えることで、
前述した電極間のイオンの移動度が大きく、かつ容易に
なるため、電解効率をアップし、低電力化がはかれる。
また、電解質は通常、ナトリウムやカリウム、カルシウ
ムなどのミネラルであり、体に必要なミネラルを補給し
て健康増進をはかるという利点も生まれる。
【0015】さらに本発明は、第一電解通水路と第二通
水路の分岐する前に、水に含まれる炭酸水素イオン分を
除去する炭酸水素イオン除去装置を設置することを特徴
とする。
【0016】電解水として酸性イオン水を大量に生成す
る場合、水に含まれる炭酸水素イオン成分が、生成の妨
げをする。炭酸水素イオンは、pH5近傍に解離平衡点
を持ち、この付近のpHに対して、緩衝作用を有する。
すなわちpHが平衡点より酸性側に振れれば、その分の
水素イオンを吸収して炭酸二水素化合物になり、平衡点
よりアルカリ側に振れれば、水素を放出して炭酸イオン
となり、pHの変動を吸収する働きがある。本発明にお
いて、バイパス構造を用いて、大量の酸性水を作る場
合、炭酸水素イオン除去装置で炭酸水素イオンを除去
し、原水の緩衝作用を消滅させる。これにより、強酸性
領域での分岐混合によりpHの混合率をこえる分の上昇
を防ぐことができる。本発明では、炭酸水素イオン除去
装置として、クエン酸を用いた。クエン酸は、水素イオ
ンを放出する基を一分子あたり3つもつため、適量加え
ることで、前記緩衝作用が生じるpH5近傍よりも酸側
に原水のpHを下げることができる。
【0017】本発明は、電解質添加装置から添加される
電解質が食塩か、もしくは食塩と有機酸の混合物である
ことを特徴とする。どちらも、電解質添加装置の下流に
設置される電解槽での電解を補助する作用をもつ。食塩
は、前述した電解する水の電気伝導度を上げることで、
電解効率をあげ、電解に要する電力を低減できる。また
食塩は、入手容易な電解質である利点もある。食塩に有
機酸を加えた電解質の場合は、有機酸の働きで、電解す
る水のpH自体を酸性側にシフトできるため、さらに電
解電力を低減できる効果をもつ。
【0018】さらに本発明は、電解質添加装置から添加
される電解質が食塩とアスコルビン酸であることを特徴
とする。この場合は、アスコルビン酸は、前述した電解
する水のpH自体を下げる作用に加えて、水に含まれる
次亜塩素酸イオンを還元して、酸化力をもたない塩素イ
オンに変化させる作用をもつ。水道水には、上水基準法
に定められた殺菌力を有するレベルの次亜塩素酸イオン
が含まれている。これは酸化力をもつため、髪や肌を痛
める問題があったが、本発明のアスコルビン酸を含む電
解水を生成することで、水道水の用途に応じた使用が可
能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の作用・効果
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施の
形態について説明する。
【0020】図1は本発明の第一の実施例を表す。電解
槽1が設置される第一電解通水路2が、電解に寄与しな
い水の通る第二通水路3から分岐して設置される。電解
槽1内には、2枚の電極5a、5bが水路を挟んで対向
配置する。電極5a、5bは制御コントローラ6に接続
し、電解制御が行われる。流量調節機構4a,4bが第
一電解通水路2、第二通水路3に設置され、電解する水
の流量を調節する。流量調節機構4a、4bは、所望の
pH値に応じて流量を変化させる作用をもつと同時に、
第一電解通水路2を通る水の流量を、電極の大きさによ
って、流量/電極大きさの計算値が、1cm/秒以下の
流量になるように設定する。電解槽1内部は、隔膜7に
よって陽極陰極が分室構造で分けられ、それぞれの極で
アルカリイオン水、酸性イオン水が生成される。一つの
出口から出た水は第二通水路3に合流し、もう一方の出
口には開閉弁8が設置されて、電解中は閉状態を維持す
る。
【0021】第一電解通水路2の流量の設定は、電極面
積が10cmの場合は、0.6L/min以下であ
り、この流量が電解槽内で更にアルカリイオン水用と、
酸性イオン水用に使用される。後に詳述する開閉弁8を
採用した構成の場合、開閉弁8の設置される通水路は、
電解中止水状態となるため、入力水が全て電解される。
無駄水が無くなり、電解に関与する水の流量調節が容易
になる利点がある。
【0022】なお、開閉弁8が設けられている流路を第
二通水路3とは合流しない捨て水流路として図示しない
捨て水吐出口へと連通させた場合には、開閉弁8を設け
る必要はなく、この場合、2枚の電極5a、5bの間隔
が狭く、その間を流れる水が層流状態とすることができ
れば隔膜7は無くてもよいものである。
【0023】図2は本発明の第二の実施形態を表す。電
解槽1の内部に第一電解通水路2と第二通水路3が設置
される。第一電解通水路2は、陽極、陰極を担う電極5
a、5bが水路を挟んで向き合う構成をとる。電極5a、
5bは、制御コントローラ6に接続し、制御コントロー
ラ6で電解における制御を管理する。電解槽1の入水部
には、流量調節機構4が設置され、2つの通水路の分配
量を調節し、かつ第一電解通水路2の流量を、例えば電
極面積が10cmの場合、0.6L/min以下に設
定する。第一電解通水路2は隔膜7で仕切られ、2つに
分けられた電極室内で、アルカリイオン水、酸性イオン
水が生成される。2つの電解槽出口の一方は第二通水路
に合流し、もう一方の出口には、開閉弁8が設置され
て、電解中は閉状態をとり、捨て水の排水を防止する。
【0024】図3は本発明に関わる実験結果である。本
発明の低流量電解に関わる。横軸に流量を電極面積で割
った線速度を表し、縦軸にアルカリイオン水の生成効率
を表す。電極は、通路に対して平行に配置された白金電
極である。図から線速度が1cm/秒を低下するあたり
から、効率が増加する傾向がわかる。流量が小さいほ
ど、電極面積が大きいほど線速度は小さくなり、電極表
面での反応が促進されることが示された。線速度が小さ
いと、電極間をゆっくり水が流れる状態になる。バイパ
ス構造にすることで、この状況を作り出し、大流量生成
と低流量電解という相反する要望を、ともに満たす。電
極間をゆっくり水が流れる状態は、流体力学的には層流
の流れになる。層流は、電極付近が最も流速が遅いとい
う性質になるため、電極表面の反応効率が高まる方向で
あり、本発明を無隔膜電解槽に適用した場合、酸性イオ
ン水、アルカリイオン水の分流が容易となるなどの利点
が挙げられる。大流量の電解水を作成する場合、電極間
を大流量で通水して電解する方法が最も直接的だが、上
は力ずくで対処するため、目的のpHまでには、電極枚
数を増やすとか、大電流で電解するなど仕様の面で大が
かりになるところを、低流量でしかも効率が増大する領
域を見いだし、バイパス構造で合流させるという視点の
転換と詰めを行うことで、技術の発展につなげた。
【0025】図1において第一電解通水路2において作
成した電解水は、酸性水の場合pH2程度、アルカリ水
の場合pH12程度となる。線速度が低く、効率は最大
付近で安定するため、上記pHの電解水が取り出せる。
実際の電解から、pH2、pH12程度を見込み、それ
以上にpHをもっていくのは、電流を過負荷で流す必要
があり、効率を低下させるため、実施形態としては取り
にくい。上記pHの電解水を、電解槽下流に位置するバ
イパス合流点で、電解槽を通過しない水と合流する。両
者の合流比率を、流量調節機構4a,4bの働きで、調
節することで、所望のpH値にする。例として、合流水
をpH3にするには、流量を第一電解通水路:第二通水
路=1:10に設定し、pHを1程度下げる。アルカリ
イオン水を生成する場合も同様である。pHの調節をよ
り正確にするには、電解槽下流に電解水のpHを測定す
るpH測定装置を設置して、その値をもとに流量調節機
構4a,4bを作用させる方法がある。
【0026】なお、流量調整機構4a,4bとしては、
両方の弁体が夫々開度を任意に調整可能であるものに限
定されず、例えば流量を0.6L/min以下とする定
流量弁によって流量調整機構4bを構成することも可能
である。
【0027】次に図2におけるpH調整について説明す
る。この実施形態においては流量調整機構4を通過した
水が第一電解通水路2と第二通水路3との分配される分
配比は、夫々の通水路の流路抵抗によって一義的に決ま
っている。従って、流量調整機構4は、第一電解通水路
2に分配されて流れる流量を電極面積で除した計算値が
1cm/秒以下となる範囲で調整可能であり、そして、
例えば酸性イオン水を生成するのであれば、よりpHを
下げたい場合には流量調整機構4の開度を大きくして、
第一電解通水路2をより多くの水が流れるようにすれば
よい。
【0028】次に開閉弁8の機能を説明する。図1と図
2に示す実施形態の何れにおいても、開閉弁8は電解中
の水の排出をなくす働きをする。開閉弁8の設置される
場所は固定し、電極の極性を変えることで、開閉弁8の
ある電極5bと反対側の電極5aから使用希望に準じ
て、アルカリイオン水、酸性イオン水のどちらかを生
成、取り出す。アルカリイオン水を取り出す場合、電極
5bは、陽極となり、隔膜と電極5b間の水は、酸性水
となる。一方の電極室の水はワンパスで電極間を通過し
て行くのに対し、電極5b側は、滞留状態であるため、
pHは次第に低下していく。電解通水終了時点では、か
なりpHの低い酸性水が開閉弁8でせき止められてい
る。ただし、量は数十mLと低く設定できるため、その
後の処理が容易である。通水の終了とともに、開閉弁8
を開けて、酸性水をもう一方の電極5aの水と合流させ
る。これによって、pHが中性付近まで戻され、次回の
通水開始と共に排出される。より簡便な構造として、開
閉弁8を設置しない構造も考えられる。その場合は、電
極5b側の水の出入りが頻繁になくなるが、定期的に入
れ替える手段を併用する。また、水のかわりにイオン交
換樹脂で電極室を満たし、電極へのイオン供給を行え
ば、より手間のかからない構造が実現できる。
【0029】同様に、図4は本発明に関わる実験結果で
ある。電解でできる電解水のpHをあらわした。電解し
た水は、茅ヶ崎水道水に、NaCl 100ppm加えたもので、
電気電導度は40mS/mである。電解槽は白金電極2枚から
なり、電極面積13cm×6cm、電極間距離0.5mmの無隔膜電
解槽で、流量は1.5L/minで通水した。電極間は層流で流
れ、電極一枚に12cm×1mmの切り抜き部を設け、そこか
ら所望の電解水を取り出した。線速度に換算すると、0.
32cm/秒である。電流値によって、生成されるpHが変
わるが、電流が3A以上では、酸性水はpH2、アルカリ水
はpH12付近にほぼ収束することが分かった。
【0030】従って、図1,2に示した電解水生成装置
の第一電解通水路に食塩を加える食塩添加装置を加える
ことで、水道水の水質に影響されずに上記pH内に制御
できる。この場合、電流値を3A程度に固定することも
可能となり、制御が容易となる。食塩に有機酸を加えた
電解質を用いてもよい。有機酸は、クエン酸、リンゴ酸
など食品添加物として公的に認められているものが望ま
しい。酸であるため、酸性水を使用する場合は、pHを
低下させる作用に加え、果樹に含まれる成分のため、使
用者の水への好感度が増す効果がある。その場合、違う
種類の電解質、例えば食塩とクエン酸、食塩とアスコル
ビン酸などからなるカートリッジを、数本水路に設置
し、使用者の好みに合わせて、選択ができるようにして
もよい。なお、食塩に代えてカリウムやカルシウムなど
のミネラル分を含む電解質を用いることも出来る。
【0031】食塩添加装置は、カートリッジに収納され
た食塩を除放膜を介して第一電解通水路を流れる水に添
加する構成とすることができる。特に、電解水生成装置
を専ら酸性水生成装置として利用する場合には、カート
リッジの中には食塩に加えてアスコルビン酸とクエン酸
とが収納されているものを用いることができる。アスコ
ルビン酸は、電解する水のpH自体を下げる作用に加え
て、水に含まれる次亜塩素酸イオンを還元して、酸化力
をもたない塩素イオンに変化させる作用をもつ。水道水
には、上水基準法に定められた殺菌力を有するレベルの
次亜塩素酸イオンが含まれている。これは酸化力をもつ
ため、髪や肌を痛める問題があったが、本発明のアスコ
ルビン酸を含む電解水を生成することで、水道水の用途
に応じた使用が可能となる。クエン酸は、炭酸水素イオ
ン除去装置として機能し、これにより、強酸性領域での
分岐混合によりpHの混合率をこえる分の上昇を防ぐこ
とができる。クエン酸は、水素イオンを放出する基を一
分子あたり3つもつため、適量加えることで、前記緩衝
作用が生じるpH5近傍よりも酸側に原水のpHを下げ
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例を示す電解水生成装
置。
【図2】 本発明の第二の実施例を示す電解槽。
【図3】 本発明に関わる実験結果。
【図4】 本発明に関わる実験結果。
【符号の説明】
1 … 電解槽 2 … 第一電解通水路 3 … 第二通水路 4a、4b、4 … 流量調節機構 5a、5b … 電極 6 … 制御コントローラ 7 … 隔膜 8 … 開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 輪島 尚人 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4D061 DA03 DB07 DB08 EA02 EB01 EB04 EB12 EB30 EB39 ED12 ED13 GC02 GC18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を電気分解する電解槽によって、酸性
    イオン水またはアルカリイオン水を生成する電解水生成
    装置において、水が流れる通水路を、電解槽が設置され
    る第一電解通水路と、電解槽をバイパスした第二通水路
    に分岐し、電解水を生成する際は、流量調節機構によっ
    て、前記第一電解通水路の流量を所定流量以下に調節
    し、電解槽の2枚の電極のいずれか一方側で生成された
    電解水を第二通水路に合流させることで、所望のpHに
    調節することを特徴とする電解水生成装置。
  2. 【請求項2】 水を電気分解する電解槽によって、酸性
    イオン水またはアルカリイオン水を生成する電解水生成
    装置において、電解槽内に2枚の電極が対向配置した第
    一電解通水路と、電極の配置されていない第二通水路の
    二つの通水路を設け、更に電解槽の入水部に前記2つの
    通水路の流量を調節する流量調節機構を設置し、電解水
    を生成する際は、前記流量調節機構によって、前記第一
    電解通水路の流量を所定流量以下に調節し、電解槽の2
    枚の電極のいずれか一方側で生成された電解水を、第二
    通水路に合流させることで、所望のpHに調節すること
    を特徴とする電解水生成装置。
  3. 【請求項3】 前記電解槽の2枚の電極間を隔膜によっ
    て二つの電極室に分離し、各電極室の出口の一つに開閉
    弁を設け、電解を行う際は、前記開閉弁を閉めて、片方
    の出口のみから酸性イオン水、またはアルカリイオン水
    を取り出すことで、捨て水をなくす構造としたことを特
    徴とする請求項1または2いずれか記載の電解水生成装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の電解水生
    成装置において、pH5以下の酸性イオン水、またはpH1
    0以上のアルカリイオン水を生成する場合、前記流量調
    節機構によって、電解の行われる第一電解通水路の流量
    と電極面積の比で、電極単位面積あたりを通過する水の
    速さを表す指標を、1cm/秒以下で電解することを特
    徴とする電解水生成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の電解水生
    成装置において、第一電解通水路に電解質添加装置を設
    置することを特徴とする電解水生成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4いずれかに記載の電解水生
    成装置において、第一電解通水路と第二通水路の分岐す
    る前に、水に含まれる炭酸水素イオン分を除去する炭酸
    水素イオン除去装置を設置することを特徴とする電解水
    生成装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の電解質添加装置から添加
    される電解質が食塩か、もしくは食塩と有機酸の混合物
    であることを特徴とする電解水生成装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の電解質添加装置から添加
    される電解質が食塩とアスコルビン酸であることを特徴
    とする電解水生成装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の炭酸イオン除去装置が、
    クエン酸を溶出するものであることを特徴とする電解水
    生成装置。
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