JP2003071450A - 機能水生成装置 - Google Patents

機能水生成装置

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JP2003071450A
JP2003071450A JP2001270190A JP2001270190A JP2003071450A JP 2003071450 A JP2003071450 A JP 2003071450A JP 2001270190 A JP2001270190 A JP 2001270190A JP 2001270190 A JP2001270190 A JP 2001270190A JP 2003071450 A JP2003071450 A JP 2003071450A
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JP2001270190A
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Shuji Nishiyama
修二 西山
Naohito Wajima
尚人 輪島
Itsunao Koga
逸尚 古賀
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解槽の大きさをコンパクトにし、装置の大
きさを小さくするとともに、水道水の水質を改質するた
めに添加する有機酸の消費量を最適化して、有機酸の補
充時期を延ばすこと。 【解決手段】 電解槽と有機酸添加装置を設置する水路
管を分岐して設け、電解槽を設置する水路管の流量を低
く設定して電解することで、電解槽の大きさをコンパク
トにする。有機酸としてクエン酸を用いることで水道水
中の炭酸イオン成分を除去し、電解した水と合流するこ
とで水道水のpH緩衝作用を抑え、洗顔、肌洗浄に適し
た量の酸性水を生成する。有機酸は、水道水の電気伝導
度に応じて最適な量を電流制御のバルブを用いて調節す
る。更に、有機酸としてアスコルビン酸を加えることで
水道水と電解槽でできる次亜塩素酸イオンを除去し、肌
にやさしい機能水を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトな構成
にて弱酸性水を生成することが可能な機能水生成装置に
関するものであり、好ましくは洗顔や化粧を落とす際に
用いる水を生成するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】健康意識の高まりを受け、洗顔や化粧の
多様化が進んでいる。洗顔は、洗顔クリームを用いて皮
膚表面の油汚れなどを落とし、最後に水道水ですすぎ洗
いをする人が多い。女性が化粧を落とす際は、肌水を用
いて、化粧品成分を落としやすくする方が大半である。
肌水は弱酸性水であり、人の皮膚と同程度のpHの水を
使用することで、皮膚への刺激を抑える作用を有してい
る。皮膚機能が低下している時は、皮膚の負荷にならな
い水で洗浄することが効果的であり、前記弱酸性水など
は、洗顔用機能水として広く認知されてきている。
【0003】従来洗顔用水を生成する方法として、水の
電気分解を利用することが挙げられる。水を間にはさん
だ2枚の金属電極に電流を流すと、陽極の電極では酸性
水が、陰極ではアルカリ水を生成する電気分解反応が生
じる。電気エネルギーを用いることで、大量に酸性水、
アルカリ水を作成できるため、工業用、農業用、一般家
庭用など広範囲に使用されている技術である。一般家庭
用には、調理用や飲料用としてアルカリ水を生成するア
ルカリ整水器が普及しており、洗顔用の酸性水も同器で
生成できる。アルカリ整水器の電解槽構成は、陽極と陰
極を、隔膜によって隔離する有隔膜電解槽が多い。隔膜
によって分離されたそれぞれの電極室に通水し、電極に
直流電流を通電し、二つの出口から酸性水、アルカリ水
を取り出す。隔膜によって電極室は完全に分離されるた
め、酸性水とアルカリ水が混合することがなく、高効率
で電解水を回収できる利点がある。また隔膜を用いない
無隔膜電解槽も利用されている。隔膜がない分、電極間
隔を小さくできるため電解時の抵抗が下がり、大幅な消
費電力の低減を実現できる。アルカリ水、酸性水の分流
採取は、電極近傍を層流状態で通水し、電極近傍で生成
する電解水を電極にスリット孔をあけ取り出す方法が使
われている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】洗顔用水としての酸性水を水道水の電気分
解で生成する際に、もっとも大きな問題は、水道水のp
H緩衝作用である。水道水には炭酸成分が含まれ、これ
がpHにより存在形態を変える。強酸では二酸化炭素、
弱酸から中性では炭酸水素イオン、アルカリでは炭酸イ
オンに形態を変え、周囲の水素イオンを取り込む緩衝作
用をもつ。このため炭酸成分を多く含む地域では、電気
分解で酸性水を生成するには電流を大きくかけたり、電
極面積を大きくして反応効率をあげるなどして、電極で
生成する水素イオン濃度を高める必要があった。よって
水の電気分解単独で、どのような水質の水道水に対して
も、安定的に酸性水を生成するためには、電解電源を大
容量にし、反応場となる電極の面積を大きくするため、
装置を大きくせざるを得なかった。
【0005】さらに水道水に含まれる次亜塩素酸が洗顔
には不向きとなる問題があった。次亜塩素酸は酸化作用
をもつため、皮膚表面の角質や結合組織を酸化させる。
この作用が肌を痛めることにつながる。更に電気分解に
よって酸性水を生成する場合は、陽極で水道水に含まれ
る塩素イオンの酸化により次亜塩素酸の生成が生じるた
め、酸性水中の次亜塩素酸濃度がもともとの水道水中レ
ベルより高くなる傾向があり、肌への悪影響が懸念され
ていた。
【0006】以上をまとめると、本発明の課題は、 1)水道水の炭酸成分イオン量に応じて、有機酸添加量
を最適化すること 2)電解槽の大きさをコンパクトにすること 3)水中の次亜塩素酸を除去すること とである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記目
的を達成するため、本発明は、水道水のpH緩衝作用の
原因となる炭酸イオン成分を除去する有機酸を添加する
有機酸添加装置と、水道水を電気分解する電解槽を備え
た機能水生成装置において、有機酸添加装置を通る第一
水路管と、電解槽を通る第二水路管と、両水路管の分岐
点に第一、第二水路管の流量比を調節する分配調節機構
とを設け、前記第二水路管の電解槽においては、第一水
路管より低い流量で電解して酸性水を生成し、前記第一
水路管においては前記有機酸添加装置から第一水路管に
有機酸を添加注入する有機酸注入部に、水道水の炭酸イ
オン成分の検出量に応じて有機酸の添加量を調節する有
機酸添加量調節機構を設けて第一水路管を通る水を改質
し、両者を合流させて有機酸を含む酸性水を生成するこ
とを特徴とする。
【0008】本発明は、有機酸添加機構を用いることに
よって、水道水中の炭酸イオン成分のpH緩衝作用を炭
酸イオン成分の働きを添加する有機酸によって打ち消す
ことにより対処する。酸性水生成に有機酸による補助を
設けることで、電解槽単体での水素イオン生成が必要最
小量ですむ。これにより電解槽を最小限の大きさにコン
パクト化できる。
【0009】また、電解槽をより一層コンパクト化する
ために、有機酸添加装置と電解槽を設置する水路管を2
経路のバイパス構成とし、しかも、2経路の分岐点には
分配調節機構を設け、前記第一水路管と第二水路管を流
れる水の流量比を電解槽が設けられている第二水路管側
が第一水路管よりも低くなるように調節する。そのため
電解槽を流れる流量は低くなるが、強酸性水を生成し、
一方の第一水路管を流れてきた水と合流させることで、
機能水の吐水量が少量にならないようにすることが出来
る。例えば、合流の目安は有機酸添加装置のある第一水
路管と、電解槽の第二水路管で、10:1程度を想定す
る。この場合、電解槽で生成された強酸性水は1/10
に希釈されるためpHにして1上がることになる。例え
ば、第二水路管の電解槽において0.2L/minでp
H=2.5の酸性水を生成し、第一水路管を2L/mi
nで有機酸を添加する場合、両者の合流により、流量
2.2L/minでpH=3.5の強酸性水を生成でき
る。流量が2L/min程度有れば、洗顔するには十分
の量となる。電解槽は、0.2L/min程度の電解用
のため、3〜5L/minで電解するアルカリイオン整
水器の電解槽より、10倍程度コンパクト化できる。
【0010】更に、有機酸添加装置から第一水路管に有
機酸が添加注入される有機酸注入部に、炭酸イオン成分
の検出量に応じて有機酸の量を調節する機構を設ける。
このため、第一水路管を通って合流する水に含まれる炭
酸イオン成分を除去することが可能となり、前記電解槽
で生成した強酸性水を合流によって希釈した場合に、希
釈率通りにpH値を制御することが出来る。また、有機
酸の添加量を最適化することで、有機酸の無駄な消費を
避け、有機酸の補充をできるだけ先に延ばすことが可能
となる。
【0011】本発明は、前記電解槽で検出する水の電気
伝導度に応じて、前記有機酸添加量調節機構を調節する
ことを特徴とする。水道水に含まれる炭酸イオン成分
は、電気伝導度に反映される。電気伝導度は水中に含ま
れるイオン成分の量に比例し、イオン成分の一種として
炭酸成分もあるため、両者に相関がある。本発明は、電
解槽の電極間に通電したときの電圧、電流値を測定し、
電気伝導度を算出し、それを有機酸添加量に反映させる
ことができるため、電気伝導度の測定に特別な構成を付
加する必要が無く、装置全体をコンパクトにすることが
可能となる。
【0012】更に本発明は、生成した機能水に空気を混
入させ、ソフトな使用感を付加すると同時に節水する作
用をもつ空気混入装置を備えたことを特徴とする。空気
混入装置を前記第一通水路と第二通水路の合流ポイント
より下流かつ吐水直前部に取り付ける。吐水部直前とし
て、機能水生成装置の吐水管先端、または吐水管を洗面
化粧台の水栓機器に連結する場合は、水栓機器の吐水部
に空気混入装置を取り付ける。空気混入装置は、水が流
れる水路部と、水路部の周囲に設置した空気導入部から
なり、キャップ状のはめ込み形状をなす。これを取り付
けることにより、水流が空気を含んだ状態になり、水流
が肌にあたった時にソフト感が生まれる。また実質の水
使用量を落とすことも可能となり節水効果が生じる。こ
の少ない水量でも使用感を出せるため、電解槽の大きさ
を小さくできる。
【0013】更に本発明は、第二水路管中の電解槽前段
に、電解質添加装置を設けたことを特徴とする。電解質
は電解に際し、2つの主要な作用を及ぼす。一つは、水
の抵抗を下げることにより電解に要する電力を小さくす
る作用であり、電源を小さくできる効果につながる。も
う一つは、電解効率をあげる作用である。後者は、電解
を安定させる作用にもつながる。水の電気分解は、中性
の水を、電荷を帯びた水素イオンと水酸化物イオンに電
離させる作用で、これにより陽極では高水素イオン濃度
の酸性水が、陰極では高水酸化物イオン濃度のアルカリ
水ができる。これら2種類に分かれた電解水が安定に存
在するためには、それぞれにカウンターイオンが存在し
なければならない。水素イオンはプラスなので、陽極付
近にはマイナスイオンが同程度存在しなければ水素イオ
ンとして存在することはできない。この電荷のバランス
を保つため、電解質を添加する。電解質が電離し、電解
に伴い反対のチャージの電極に引かれることで、電極間
に濃度分配が生じ、前述した酸性水、アルカリ水が安定
にかつ強酸、強アルカリの状態で存在できるようにな
る。
【0014】更に本発明は、前記有機酸添加装置に含ま
れる水道水中の炭酸イオン成分を除去する有機酸ととし
てクエン酸を使用すると共に、水道水中の次亜塩素酸を
除去するアスコルビン酸も混合したことを特徴とする。
【0015】クエン酸はカルボキシル基を一分子に3つ
持ち、溶解に伴い、水素イオンを電離放出する。この水
素イオンによって、第一通水路を通る水中に含まれる炭
酸イオン成分が二酸化炭素と水に変わり、pH緩衝能が
失われる。さらにアスコルビン酸は通称ビタミンCであ
り、還元作用を有する。水道水には次亜塩素酸イオンが
0.1〜1ppm程度含まれており、酸化作用を有する
状態となっている。加えて、第二通水路の電解槽におけ
る電解では、陽極において次亜塩素酸イオンが若干でき
る。前記電解質添加装置に塩化物イオン系統の電解質を
用いた場合、陽極に引かれた塩素イオン濃度が高まるた
め、次亜塩素酸イオンが更にできやすい状態となる。こ
れら水道水に元から含まれる分と電解に伴い生成される
分の次亜塩素酸イオンは、洗顔や肌洗浄には不適切であ
る。なぜなら次亜塩素酸イオンがもつ酸化作用により、
肌の表皮細胞が損傷を受けるからである。本発明では、
アスコルビン酸を添加することで前記酸化作用を打ち消
す。2本のバイパス水路管のうち、流量が大きい第一水
路管に添加することで、次亜塩素酸イオンの除去作用を
容易にする利点がある。また有機酸添加装置の同一容器
内に2種類の有機酸を混合させることで、装置のコンパ
クト化をはかる。
【0016】更に、本発明の機能水生成装置において、
前記電解質添加装置は食塩を添加するものであることを
特徴とする。電解質として入手容易な食塩を利用してい
るため、電解質の補充が行ない易い。。
【0017】
【発明の実施の形態】添付図面を参照しながら本発明の
好適な実施例を述べる。図1は、機能水生成器内部の水
路構成を中心に機器要素をまとめたものである。水道水
は機器内に入り、分配調節機構8の作用で、第一水路管
1と第二水路管2に分配される。分配調節機構8は分配
比をある一定範囲内で調節する構造で、目安として前述
した第一水路管1:第二水路管2=10:1程度を想定
する。分配調節機構8は、回転バルブ方式で、バルブの
回転度により、それぞれの流路の抵抗割合が変化するこ
とで分配係数を制御する方法が好ましい。実施形態とし
ては、流量比を前記10:1程度に固定する一番簡易な
方式でも構わない。分配して第一水路管1を通る水は、
有機酸添加装置4から有機酸が添加される。なお、有機
酸添加装置4には飽和溶液として添加する量は、水質に
応じて有機酸添加量調節機構5で制御される。1日一
回、電解槽3で水道水の電気伝導度が電極9a、9bを
利用して測定され、電気制御装置7に記憶される。電気
制御装置7は、測定した電気伝導度に応じて有機酸添加
量調節機構5の作動を変える。電気的な制御が好まし
く、有機酸添加量調節機構5は、電気制御装置7からの
通電電流の大きさに応じて、構造様式を変化させるもの
が例として挙げられる。アスピレータ方式で第一水路管
1内の水流に引かれる力で有機酸溶液を動かす場合は、
有機酸溶液の通る水路管内の流路抵抗を変化させる。例
えば、バルブを設置してバルブの開度を数パターンと
り、有機酸の移動量を数パターン設定する方法が挙げら
れる。ポンプを使って有機酸を強制的に第一水路管1に
注入する方法も考えられる。この場合も、バルブの開度
を利用する方法が適用できる。第一水路管1を通り、有
機酸添加装置4からクエン酸とアスコルビン酸を添加さ
れた水は、炭酸イオン成分と次亜塩素酸イオンを除去さ
れた状態で、電解槽3を通ってくる水と合流する。
【0018】有機酸添加量調節機構5に詳細な制御につ
いて説明する。図2は、日本の水道水質を表す電気伝導
度とアルカリ度の相関を示している。アルカリ度は炭酸
水素イオンに相当し、電気伝導度と強い相関があること
がわかる。大部分の水道水は電気伝導度で400μS/
cm以内、アルカリ度で100ppm以内に分布してい
る。アルカリ度は炭酸水素イオンなので、炭酸水素イオ
ンの分子量で換算すると、アルカリ度100ppmは、
1.6mMに相当する。クエン酸を加えることで下記の
反応が進むとすると、 H+HCO →HO+CO 前記アルカリ度100ppmの濃度に相当するクエン酸
の量は、解離度75%とすると、100ppm程度とな
る。反応における安全率を2倍にみて、アルカリ度10
0ppmの水質でクエン酸200ppm添加を本実施例
では設定する。これをベースに電気伝導度に対するクエ
ン酸添加量を4段階で設定した。図3に電気伝導度と添
加するクエン酸量の関係を示した。有機酸添加量調節機
構として、有機酸の通過する水路管弁の開度を変化させ
る方式をとる場合、クエン酸濃度として50、100、
150、200ppm量を添加する開度を設定する例で
ある。
【0019】有機酸添加機構から前記より、水質によっ
てクエン酸濃度は最低で50ppm出るように添加され
る。同時にアスコルビン酸も添加されるが、役割として
は、水道水中の次亜塩素酸イオンを還元することであ
る。除去する次亜塩素酸濃度は、上水基準法と電解槽の
電解試験から、除去マックス濃度として1ppmの次亜
塩素酸イオンを想定する。濃度にすると0.02mMで
あり、反応式の反応係数から、この次亜塩素酸イオンに
相当するアスコルビン酸は、3.5ppmである。どの
水質でも最低3.5ppmのアスコルビン酸を加えれ
ば、次亜塩素酸が完全になくなったビタミンC酸性水と
なるが、クエン酸と混ぜて同一装置から添加するので、
混合比を設定して装置に封入する。有機酸が最も少なく
添加される場合で、クエン酸50ppmなので、アスコ
ルビン酸を5ppmに設定することにした。両者を1
0:1の重量比で混ぜ、有機酸添加装置に入れる。な
お、クエン酸とアスコルビン酸とは飽和溶液として保管
されている。電気伝導度が高い水では、アスコルビン酸
は多く添加されることになるが、ビタミンCの正体物質
ということから肌にはより一層の効果を発揮することに
なる。
【0020】分配調節機構8から第二水路管2に入った
水は、まず電解質添加装置6を通る。ここで食塩NaC
lが添加されるが、添加方式は膜を使った除法方式が最
も簡便である。この場合、機器が作動しない時は、電解
槽下流の捨て水管11が開放端となり、第二水路管の水
が流し出されて空になるため、電解質添加装置6から電
解質が溶け出さないことがプラスとなる。除法膜の作用
により、第二水路管2を水が流れる際のみ、電解質が水
中に添加される。除法膜は、非常に目の細かい繊維で構
成され、電解質数十分子程度の孔径を持つ膜である。こ
こを水流の運動エネルギーと電解質の濃度拡散作用で、
膜からしみ出して水に混入していく。ここで電解質を含
んだ水が、電解槽3に入る。
【0021】電解槽3として、隔膜10によって陽極室
と陰極室が仕切られる有隔膜式を図1に示した。この
他、隔膜のない無隔膜式もあり、原理的には陽極、陰極
それぞれで水質のことなる水を生成取り出すのは同じで
あり、無隔膜式でも構わない。電解槽3内には、電極9
a,9bが設置され、電気制御装置7から直流電流が印
可される。電極9a,9bとしては、白金メッキしたも
のが望ましい。白金は水の電気分解を最も良く促進する
触媒として知られている。チタン基材に白金メッキした
ものは耐久性の点からも優れている。陽極9a、陰極9
bにおいては以下の反応が進む。 陽極9a: 2HO→4H+O+4e 陰極9b: 2HO+2e→2OH+H 陽極9aでは上記反応式が示す酸性水生成が生じる。陽
極室側の流量は0.2L/min程度にする。電極面積
は2cm×2cm程度を想定する。流量が遅くなると、
上記反応式が示す酸素、水素の発生が悪影響を及ぼして
くる。流量が低いと、水の流れの移動度が抑えられて、
気体の排出効果が悪くなり、電極表面に貯留して、電解
を阻害するからである。本発明の課程で、上記流量0.
2L/min、電極面積2cm×2cmでの電解試験を
行った。図4が、陽極側でできる酸性水の印可電流に対
するpH変化である。電解した水は、電気伝導度20m
S/mの茅ヶ崎水道水と、それに100ppmの食塩を
加えた水である。両者で電解結果に差が見られた。水道
水のみの場合は、電流の増加と共に低下するはずのpH
が上昇傾向をみせ、井戸型のカーブを描いたのに対し、
100ppmの食塩水は、電流値に対するpH変化が、
理論値よりは悪いものの、安定した強酸性水を生成でき
た。電解質添加装置6の設置意義を示すデータである。
図5は、水道水単独と、100ppmの食塩を加えたと
きの、電解に要する電力値を表したものである。図から
100ppmの食塩を電解した場合は、印可電力が水道
水単独の約半分でよく、消費電力において2倍程度低く
できるため、電源容量の小さい低コスト部材でつくれ、
かつランニングコストも2倍よくなる。陽極で生成され
たpH2.5程度の強酸性水が、水路管を通って第一水
路管に合流し、有機酸を含む水と合わさって、吐水口に
向かう。合流水は、流量比から、pH3.5程度に希釈
される。一方の陰極室で生成されたアルカリ水は、捨て
水管11を通って装置外へ排出される。電解に伴い陰極
側には、水道水中に含まれるカルシウムなどの硬度成分
が析出物をつくる性質があるため、定期的に陽極と陰極
の極性を反転させる電流を短時間印可し、析出物を脱落
させて電極表面の清浄度を保つ。
【0022】図6は、本発明の機能水生成装置の外観図
である。装置本体12に有機酸添加装置4と電解質添加
装置6が付き、有機酸と電解質を添加補充するための有
機酸添加用蓋13と電解質添加用蓋14を設ける。装置
本体12内には、前記バイパス水路管や電解槽3、電気
制御装置7が内蔵され、好ましくは更に中空糸膜による
浄化装置を付与すれば、さらなる水の高機能化が達成で
きる。有機酸添加装置4と電解質添加装置6は容器一部
を透明化して、内部が見れるようにすれば、補充時期が
分かり易くなる。内部は飽和溶液のため、溶けきらない
固体有機酸、固体電解質は固体のまま存在し、目視でわ
かる。この固体残存物が無くなったら、蓋をあけて補充
するのが簡便でよい。
【0023】装置本体12には、水栓取り付け部15を
通して水を供給する。水栓取り付け部15には、水路切
り替えレバー16があり、レバーの切り替えと水栓本体
の開閉から機能水生成装置への水の送水、送水停止を行
う。機能水生成装置に水が供給された時点で、装置が自
動的に作動開始する。改質されたビタミンC酸性水が、
吐水管17から空気混入装置18を通って吐水される。
【0024】図7は、空気混入装置18の詳細図であ
る。機能水生成装置をでた水は、流入口19から入り、
減圧板20に設けられた小孔から射出された流水によっ
て、空気は空気導入部21から取り込まれ、取り込まれ
た空気は小孔から射出された流水の勢いで流水に引っ張
られ、テーパー部22に衝突すると空気は流水中に巻き
込まれ気泡流となって整流板23から吐水される。空気
混入装置18はねじ込みキャップ式で、吐水管17の先
端に取り付けられる。このため希望によっては外すこと
も可能となる。ただ空気混入装置18を取り付けること
で、水が空気を含んだ白い気泡流となりソフトな手触り
の吐水流となる。吐水管17を樹脂管にして曲げ自由度
を持たせれば、直接顔に吐水することが可能となり、ソ
フトな水流が一層実感できるようになる。さらに吐水部
を工夫することでシャワー吐水にし、一層使い勝手をあ
げることも可能である。
【0025】図8は、機能水生成装置の使用状況例であ
る。洗面化粧台24に設定した例である。洗顔や肌洗浄
の際、通常の水道水で洗浄することに加え、機能水生成
装置で作成するビタミンC入り酸性水で洗浄すること
で、肌の保湿や代謝機能を促進することができる。通
常、洗面化粧台は空きスペースが少ないが、装置のコン
パクト化を本発明で実現することで、洗面化粧台上に置
くことが可能となり、洗顔、肌洗浄の場となる洗面化粧
台に、もう一つ付加価値を付与する装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における水路及び機器構成図
【図2】 電気伝導度に対するアルカリ度分布
【図3】 本発明に関わる電気伝導度に対するクエン酸
添加量
【図4】 本発明の小型電解槽での電流とpH特性、
【図5】 本発明の小型電解槽での電力特性
【図6】 本発明の機能水生成装置の外観図
【図7】 本発明における空気混入装置の詳細図
【図8】 本発明における機能水生成装置の使用例
【符号の説明】
1…第一水路管 2…第二水路管 3…電解槽 4…有機酸添加装置 5…有機酸添加量調節機構 6…電解質添加装置 7…電気制御装置 8…分配調節機構 9a、9b…陽極、陰極 10…隔膜 11…捨て水管 12…装置本体 13…有機酸添加用蓋 14…電解質添加用蓋 15…水栓取り付け部 16…水路切り替えレバー 17…吐水管 18…空気混入装置 19…流入口 20…減圧板 21…空気導入部 22…テーパー部 23…整流板 24…洗面化粧台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/68 540 C02F 1/68 540D 540E 540H 1/70 1/70 Z // A61K 7/00 A61K 7/00 C H 7/02 7/02 A 7/48 7/48 (72)発明者 古賀 逸尚 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AB051 AC301 AD641 CC23 DD23 DD27 EE10 EE12 FF01 4D050 AA04 AB46 BA12 BD03 BD04 BD06 BD08 CA09 CA10 4D061 DA03 DB07 EA02 EB05 EB12 EB14 EB30 EB37 EB39 ED13 FA09 FA17 FA20 GA06 GC02 4G035 AB20 AC24 AE13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水道水のpH緩衝作用の原因となる炭酸
    イオン成分を除去する有機酸を添加する有機酸添加装置
    と、水道水を電気分解する電解槽を備えた機能水生成装
    置において、有機酸添加装置を通る第一水路管と、電解
    槽を通る第二水路管と、両水路管の分岐点に第一、第二
    水路管の流量比を調節する分配調節機構とを設け、前記
    第二水路管の電解槽においては、第一水路管より低い流
    量で電解して酸性水を生成し、前記第一水路管において
    は前記有機酸添加装置から第一水路管に有機酸を添加注
    入する有機酸注入部に、水道水の炭酸イオン成分の検出
    量に応じて有機酸の添加量を調節する有機酸添加量調節
    機構を設けて第一水路管を通る水を改質し、両者を合流
    させて有機酸を含む酸性水を生成することを特徴とする
    機能水生成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の機能水生成装置におい
    て、前記電解槽で検出する水の電気伝導度に応じて前記
    有機酸添加量調節機構を調節することを特徴とする機能
    水生成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2記載の機能水生成装置にお
    いて、生成した機能水に空気を混入させ、ソフトな使用
    感を付加すると同時に節水する作用をもつ空気混入装置
    を備えたことを特徴とする機能水生成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の機能水生成装置にお
    いて、第二水路管中の電解槽前段に、電解質添加装置を
    設けたことを特徴とする機能水生成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の機能水生成装置にお
    いて、前記有機酸添加装置に含まれる水道水中の炭酸イ
    オン成分を除去する有機酸としてクエン酸を使用すると
    共に、水道水中の次亜塩素酸を除去するアスコルビン酸
    を追加したことを特徴とする機能水生成装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の機能水生成装置におい
    て、前記電解質添加装置は食塩を添加するものであるこ
    とを特徴とする機能水生成装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2012172914A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Panasonic Corp 溶解装置及びそれを備えた給湯装置
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JP2013233526A (ja) * 2012-05-10 2013-11-21 Panasonic Corp 気体溶解装置

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