JP2008086885A - 電解水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な装置構成を有すると共に、アルカリ性電解水を生成するにあたってpHの上昇を抑制しつつ水素を安定且つ高効率に生成させることができ、且つアルカリ性電解水のpHと水素含有量とを所望の値に制御することができる電解水生成装置を提供する。
【解決手段】通電量調整手段による陰極室4での原水への通電量が所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために必要な値となる状態で、pH測定手段21によるアルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水のpHの測定結果が所定の値となるように、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路から吐出される酸性電解水との吐出量比を吐出量比変更手段にて変更する。
【選択図】図1
【解決手段】通電量調整手段による陰極室4での原水への通電量が所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために必要な値となる状態で、pH測定手段21によるアルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水のpHの測定結果が所定の値となるように、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路から吐出される酸性電解水との吐出量比を吐出量比変更手段にて変更する。
【選択図】図1
Description
本発明は、水道水等の原水を電解して水素を含むアルカリ性電解水を生成する電解水生成装置に関するものである。
従来、原水を電気分解してアルカリ性電解水や酸性電解水を生成する電解水生成装置には、電極や隔膜を備えた電解槽に原水を連続的に通水しながら電極間に電圧を印加することで電解水を連続的に生成するものがある。
従来の一般的な電解水生成装置の構成の模式図を図8に示す。この電解水生成装置では電解槽6内は隔膜5により陰極室4と陽極室2とに隔てられ、陰極室4には陰極3が、陽極室2には陽極1が、それぞれ配設されている。
このような電解水生成装置では、水道水等のカルシウムイオンを含む飲用可能な水(原水)を電解槽6内に通水しながら、陰極3と陽極1との間に電圧を印加することにより原水に直流電流を通電すると、原水に含まれるカルシウムイオン等の陽イオンは陰極3に、陰イオンは陽極1に引き寄せられて、電極の表面において接触している水は電気分解されて下記に示した反応が起こる。
陰極反応
2H2O+2e- →H2+2OH-
陽極反応
H2O→1/2O2+2H++2e-
すなわち、電気分解によって陰極室4では水酸化物イオン、水素ガスを含有したpH値がアルカリ性のアルカリ性電解水を生成し、陽極室2では酸素ガスを含有したpH値が酸性の酸性電解水をそれぞれ生成する。
2H2O+2e- →H2+2OH-
陽極反応
H2O→1/2O2+2H++2e-
すなわち、電気分解によって陰極室4では水酸化物イオン、水素ガスを含有したpH値がアルカリ性のアルカリ性電解水を生成し、陽極室2では酸素ガスを含有したpH値が酸性の酸性電解水をそれぞれ生成する。
なお、原水の電気伝導率が低い場合には、所定のpH値のアルカリ性電解水を生成するために電解補助剤としてカルシウム化合物等を添加する必要がある。
図9は電解水生成装置の構成の一例を示したものである。図示の例では、電解槽6内は隔膜5により陰極室4と陽極室2とに隔てられ、陰極室4には陰極3が、陽極室2には陽極1が、それぞれ配設されている。電解槽6に原水を供給する原水供給路7は、陰極室4に直接連通する陰極側原水供給路7aと、陽極室2に直接連通する陽極側原水供給路7bとに分岐されている。また、原水供給路7には浄水部17が設けられ、陽極側原水供給路7bには電解質供給装置18が設けられている。浄水部17は、原水中に含まれる有機物、無機物あるいは次亜塩素酸などの臭気成分を除去するものであり、通常、抗菌活性炭フィルタ及び中空糸膜などのマイクロフィルターにて構成されている。また電解質供給装置18は、原水の電気伝導率が低い場合に所定のpH値のアルカリ性電解水を生成するため、原水に電解補助剤としてカルシウム化合物等を添加するものである。また、陰極室4にはこの陰極室4で生成されたアルカリ性電解水を吐出する吐水経路(アルカリ水吐出路9)が接続され、また陽極室2にはこの陽極室2で生成された酸性電解水を吐出する吐水経路(酸性水吐出路8)が接続されている。
このように構成される電解水生成装置では、陰極3及び陽極1の間に電圧が印加された状態で、原水供給路7を通水する原水が浄水部17にて浄化された後、陰極側原水供給路7a及び陽極側原水供給路7bを通じてそれぞれ陰極室4及び陽極室2へ供給される。このとき原水に含まれるカルシウムイオン等の陽イオンは陰極3に、陰イオンは陽極1に引き寄せられ、電極の表面において接触している水は電気分解されて上記と同様の電極反応が起こり、陰極室4ではアルカリ性電解水を生成し、陽極室2では酸性電解水を生成する。
生成したアルカリ性電解水及び酸性電解水は、アルカリ水吐出路9及び陽極水吐水路8から吐出されるものであり、このように電解水が連続的に生成されるものである。生成されるアルカリ性電解水は胃腸症状の改善に有効な医療用物質(治療用水)であり、pH9〜10の範囲で飲用に供される。
このような電解水生成装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、生成された電解水のpHを算出し、この算出したpHが所定値となるように電解電圧値、電解電流値、原水供給量等を調整し、所望のpHの電解水を生成するものがある。
ところで、アルカリ性電解水の特性値としては、pHのほか、ミネラル量、酸化還元性電位、及び水素含有量が挙げられる。特にアルカリ性電解水の酸化還元電位の指標において還元性を示す物質量である水素量に着目すべき場合もある。すなわち、近年では生体内におけるスーパーオキサイドアニオンラジカル(O2 -)或いはハイドロキシラジカル(OH・)と水素との反応が検証されつつあり、その安全性の高さからもアルカリ性電解水は水素の抗酸化活性力による他疾患への適用も視野に入れた検討が進められている。
また飲用に供する場合のみならず、食品の保存・安定化の維持等の食品加工等も視野に入れた場合、水素を高効率に生成してアルカリ性電解水に安定量を含有させることができる電解水生成装置が望まれている。
しかし、単に電解時の通電量を増大させたり電解時間を長くするなどして電解効率の向上を図っただけでは、アルカリ性電解水のpHがアルカリ側に大きく傾き過ぎて飲用に向かないアルカリ性電解水が生成されてしまう。このため、pHを所定範囲に維持しつつ水素生成効率を向上することが望まれるようになってきている。
そこで、水素に着目した電解方法として、例えば特許文献2に示されるように水道水から純水を調製し、更にNaClを加えてその電解効率を100μS/cm以上に調整した上で電気分解し、得られたアルカリ性電解水を中性に調整するといった方法もあるが、装置が大がかりとなってしまい、一般家庭で使用するためには更に簡便な構成の装置が求められる。
また、このような水素を含むアルカリ性電解水を得るにあたっては、アルカリ性電解水のpHを飲用に適した所望の値に維持しつつ、水素含有量を所望の値にすることも求められる。生成されるアルカリ性電解水の水素含有量を確認するためには、例えば特許文献3に示されるように、電解水の水質測定用センサとして隔膜型ポーラログラフ方式の溶存水素計を具備し、生成される電解水の溶存水素濃度を好感度で且つ連続的に測定してユーザー等に報知することができるものがあり、その他にもこの溶存水素系からの水素含有量を入力し、この入力した水素含有量が所定値となるように電解電圧値、電解電流値又は原水供給量を調整し、所望の水素含有量であるアルカリ性電解水を生成する電解水生成装置等も提案されている。
しかしこれらは極めて高価であって一般家庭で使用する機器として用いるには問題がある。また、所望の水素含有量を得るために電解条件を変更すると同時にpH値も変化してしまい、特に高い水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ようとする場合にpHが飲用に適さない程高くなる可能性もある。
尚、特許文献4では、電解水の酸化還元電位を測定する検出手段と、予め測定して求めた前記酸化還元電位と水素含有量との相関関係を表す演算式又は相関表を予め記憶する記憶手段と、検出手段により検出した酸化還元電位に応じて演算式又は相関表に基づき前記電解槽内にて生成されるアルカリ性電解水の水素量を演算する演算手段、及び演算手段により演算した水素量が所定値になるように電極間に付与される電圧を調整する制御部を備えた電解水生成装置の提案もなされているが、酸化還元電位は溶存水素中の酸化性物質量と還元性物質量の割合の指標であり、水素含有量の推算精度に課題があった。また、上記と同様に水素含有量の調整に伴ってpHも変動してしまう問題もあった。
更に、同一条件で原水を電解してアルカリ性電解水を得たとしても、pHの値と水素含有量との関係は原水の水質によって変動してしまい、このこともアルカリ性電解水のpHと水素含有量の制御が困難となる原因となっていた。
特開平11−64274号公報
特開平10−118653号公報
特開2006−35107号公報
特開2002−248471号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、簡便な装置構成を有すると共に、アルカリ性電解水を生成するにあたってpHの上昇を抑制しつつ水素を安定且つ高効率に生成させることができ、且つアルカリ性電解水のpHと水素含有量とを所望の値に制御することができる電解水生成装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る電解水性装置は、陽極1が配設された陽極室2、陰極3が配設された陰極室4、及び前記陽極室2と陰極室4とを仕切るように配設された隔膜5を備える電解槽6と、前記電解槽6に原水を供給する原水供給路7と、前記陽極室2からこの陽極室2内で生成された酸性電解水を吐出する酸性水吐出路8と、前記陰極室4からこの陰極室4内で生成されたアルカリ性電解水を吐出するアルカリ水吐出路9を具備する。また、この電解水生成装置は、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路8から吐出される酸性電解水との吐出量比を変更する吐出量比変更手段10と、陰極室4における原水への通電量を調整する通電量調整手段と、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水のpHを測定するpH測定手段21と、前記吐出流量比変更手段10及び通電量調整手段を制御する制御部20とを具備する。更に、前記制御部20が、通電量調整手段による陰極室4での原水への通電量が所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために必要な値となる状態で、pH測定手段21による測定結果が所定の値となるように吐出量比変更手段10及び通電量調整手段を制御するものであることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水の流量を測定する流量測定手段22と、電解槽6における電解電流値を測定する電流値測定手段23とを具備する。また、上記通電量調整手段が、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路8から吐出される酸性電解水との吐出量比を変更する上記吐出量比変更手段10と原水供給路7を流れる原水の流量を変更する供給量調整手段11とで構成される吐出量調整手段と、陰極3と陽極1との間の印加電圧を変更する印加電圧変更手段とのうち少なくとも一方から構成される。更に、上記制御部20が、陰極室4での原水への通電量が所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために必要な値となるための、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と電解電流値の組み合わせを導出し、流量測定手段22による測定結果及び電流値測定手段23による測定結果が前記導出された値となるように前記通電量調整手段を制御すると共にpH測定手段21による測定結果が所定の値となるように吐出量比変更手段10及び通電量調整手段を制御するものであることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2において、上記制御部20が、アルカリ性電解水の水素含有量、電解電流値、及びアルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量の値を関連づけた関係式又はこれらの値を関連づけた相関表に基づいて、所定の水素含有量の値と、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と電解電流値のうち一方の値とから、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と電解電流値のうち他方の値を導出するものであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3において、上記供給量調整手段11が、原水供給路7に設けられた流量調整弁11aであることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、上記吐出量比変更手段10が、アルカリ水吐出路9と酸性水吐出路8のうち少なくとも一方に設けられた流量調整弁10aであることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、吐出量比変更手段にてアルカリ性電解水と酸性電解水との吐出量比を変更することによって、アルカリ性電解水の水素含有量に対応するpHの値を変更することができ、このため陰極室における原水への通電量を、所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水が生成されるような値に調整すると共に、アルカリ性電解水と酸性電解水との吐出量比を、所定のpHを有するアルカリ性電解水が生成されるように調整して、所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。
請求項2に係る発明によれば、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と、電解槽における電解電流値とを、所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水が生成されるような組み合わせに調整することができ、これにより所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。
請求項3に係る発明によれば、通電量調整手段によるアルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の流量の制御を正確且つ容易に行い、これにより、所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。
請求項4に係る発明によれば、原水供給路に設けられた流量調整弁により、原水供給路での原水の供給量を容易に調整することができるものである。
請求項5に係る発明によれば、アルカリ水吐出路と酸性水吐出路のうち少なくとも一方に設けられた流量調整弁により、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路から吐出される酸性電解水との吐出量比を容易に調整することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1に第一の実施形態を示す。本実施形態では、電解槽6内に陰極3と陽極1とが間隔をあけて対向して配設されている。陽極1の周囲には透水性の隔膜5が設けられている。すなわち、前記透水性の隔膜5の内側にて形成される陽極室2内に陽極1が配設されており、電解槽6内の前記陽極室2を除く部分にて構成される陰極室4内に陰極3が配設されている。前記透水性の隔膜5としては、例えば適宜の多孔質膜が設けられる。
電解槽6内に原水を供給する原水供給路7は陰極室4と陽極室2の両方に接続しても良いが、本実施形態では原水供給路7は陰極室4のみに接続され、陽極室2には直接は接続されていない。このため、原水は原水供給路7を介してまず陰極室4に供給され、陰極室4から隔膜5を介して陽極1に供給されるようになっている。
この原水供給路7には、原水中に含まれる有機物、無機物あるいは次亜塩素酸などの臭気成分を除去するための浄水部17が設けられている。この浄水部17は例えば抗菌活性炭フィルタ及び中空糸膜などのマイクロフィルターにて構成することができる。
また、陰極室4にはこの陰極室4にて生成されたアルカリ性電解水を電解槽6の外部へ吐出するためのアルカリ水吐出路9が接続されており、一方陽極室2にはこの陽極室2にて生成された酸性電解水を電解槽6の外部へ吐出するための酸性水吐出路8が接続されている。
また、陰極3及び陽極1には、この陰極3と陽極1との間に電圧を印加するための直流電源32が電気配線を介して接続されている。直流電源32は、後述する制御部20による制御を受けて陰極3と陽極1の間の印加電圧を変更する印加電圧変更手段として機能する。
また、この電解水生成装置には、アルカリ水吐出路9を通じた陰極室4からのアルカリ性電解水の吐出量と、酸性水吐出路8を通じた陽極室2からの酸性電解水の吐出量との比を変更する吐出量比変更手段10が設けられている。この吐出量比変更手段10は、後述する制御部20による制御を受ける。本実施形態では、吐出量比変更手段10は下記のごとく吐出量調整手段としても機能し得る。
また、この電解水生成装置には、アルカリ水吐出路9から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量を変更する吐出量調整手段が設けられている。吐出量調整手段は、後述する制御部20により制御される。吐出量調整手段としては、アルカリ水吐出路9の流量を直接変更するもののほか、原水供給路7や酸性水吐出路8における流量を調整することでアルカリ水吐出路9の流量を間接的に変更するものを設けることもできる。本実施形態では、吐出量調整手段として、供給量調整手段11と、上記吐出量比変更手段10とを設けている。
吐出量比変更手段10としては、アルカリ水吐出路9に、このアルカリ水吐出路9におけるアルカリ性電解水の通水量を調整するための流量調整弁10aが設けられている。吐出量比変更手段10は、アルカリ水吐出路9を通じた陰極室4からのアルカリ性電解水の吐出量と、酸性水吐出路8を通じた陽極室2からの酸性電解水の吐出量との比を変更するものである。この吐出量比変更手段10は、後述する制御部20による制御を受ける。
また、供給量調整手段11としては、原水供給路7に、この原水供給路7を通水する原水の通水量を調整するための流量調整弁11aが設けられている。供給量調整手段11は、原水供給路7を通じた陰極室4への原水の供給量を調整する機能を有する。この供給量調整手段11は後述する制御部20により制御される。
上記の印加電圧変更手段と吐出量調整手段とは、陰極室4における原水への通電量を調整する通電量調整手段として機能する。印加電圧変更手段と吐出量調整手段とは、このうち一方だけを設けても良い。
また、電解槽6における電解電流値を測定する電流値測定手段23が設けられる。電流値測定手段23としては、直流電源32から陰極3に接続される配線と陽極1に接続される配線のうちいずれかに通電する電流値を計測する電流計を設けることができる。この電流値測定手段23による検知結果は、制御部20に送られる。
また、アルカリ水吐出路9には、このアルカリ水吐出路9を流通するアルカリ性電解水の流量を測定する流量測定手段22が設けられている。流量測定手段22としては適宜のものが用いられるが、例えば流路内の圧力を検知する圧力センサや、流路を流通する水の流量を検知する流量センサ等を設けることができる。流量センサを設ける場合は、羽根車型のものを好適に用いることができるが、カルマン渦式、電磁式、超音波式、圧電式等の形式のものを用いてもよい。この流量測定手段22による検知結果も制御部20に送られる。
また、アルカリ水吐出路9には、このアルカリ水吐出路9を流通するアルカリ性電解水のpHを測定するpH測定手段21が設けられている。pH測定手段21としてはガラス電極式pHメータ等の適宜のpHセンサを設けることができる。pH測定手段21による検知結果も制御部20に送られる。
また、制御部20は、電流値測定手段23、流量測定手段22及びpH測定手段21による測定結果に基づいて吐出量比変更手段10及び通電量調整手段を制御する機能を有し、例えば制御プログラムに基づいて動作する演算手段と、制御プログラムや各種記憶情報を格納する記憶手段とで構成することができる。
また、電解水生成装置は、操作表示部24及び電源部25を備える。操作表示部24は入力された制御部20への操作指令を制御部20へ出力したり、制御部20から入力された各種動作情報を表示したりする機能を有し、各種操作盤や液晶表示装置等にて構成することができる。電源部25は制御部20を駆動させるための電力を供給するものであり、この電源部25には家庭用電源コンセント等に接続される電源プラグ26が接続されている。
このように構成される電解水生成装置では、陰極3と陽極1との間に電圧が印加された状態で、原水が原水供給路7を通じて電解槽6の陰極室4に供給される。このとき原水は浄水部17を通過することで有機物、無機物、次亜塩素酸等の臭気成分などが除去される。
陰極室4に供給された原水は、陰極室4内を満たすと共に透水性の隔膜5を介して陽極室2内にも供給されてこの陽極室2内も満たす。
このとき電解槽6内では陰極室4内の陰極3表面で下記に示す陰極反応が生じると共に、陽極室2内の陽極1表面で下記に示す陽極反応が生じる。
陰極反応
2H2O+2e- →H2+2OH-
陽極反応
H2O→1/2O2+2H++2e-
これにより、陰極室4内では水素を含むアルカリ性電解水が生成され、陽極室2内では酸性電解水が生成される。
2H2O+2e- →H2+2OH-
陽極反応
H2O→1/2O2+2H++2e-
これにより、陰極室4内では水素を含むアルカリ性電解水が生成され、陽極室2内では酸性電解水が生成される。
そして、アルカリ性電解水はアルカリ水吐出路9を通じて電解槽6の外部へ吐出され、酸性電解水は酸性水吐出路8を通じて電解槽6の外部へ吐出される。
このとき、上記の陰極反応では水素ガスと水酸化物イオンの生成量の比率は一定であるため、通常はアルカリ性電解水のpH及び水素含有量は前記生成量の比率に応じた値となるはずであるが、図1に示す電解水生成装置では生成されるアルカリ性電解水のpHの上昇が抑制されて、pHの値に比して水素含有量が高いアルカリ性電解水を得ることができる。その理由は以下の通りであると推察される。
この電解水生成装置では、陽極室2へは原水は直接は供給されず、陰極室4から透水性の隔膜5を介して原水が供給されるため、陽極室2内の圧力は陰極室4内の圧力に比して負圧となる。このため陽極室2にて生成される酸性電解水の酸性水吐出路8を通じた吐出量は、陰極室4にて生成されるアルカリ性電解水のアルカリ水吐出路9を通じた吐出量に比して少なくなり、陰極室4内でのアルカリ性電解水の滞留時間よりも陽極室2内での酸性電解水の滞留時間が長くなるため、陽極室2内の酸性電解水中の水素イオン濃度は、陰極室4内でのアルカリ性電解水中の水酸化物イオン濃度よりも高くなる。すると、透水性の隔膜5付近における電位勾配が大きくなってこの隔膜5付近における水酸化物イオンと水素イオンとの中和反応が促進され、陽極室2内のアルカリ性電解水のpHの上昇が抑制されると考えられる。また、電解槽6に通水しながら原水の電解を行う過程では、陽極室2内には陰極室4にて生成されたアルカリ性電解水が透水性の隔膜5を通じて流入することとなるため、このとき陰極室4内の水酸化物イオンが陽極室2内に流入すると共に陰極室4内の水素はそのまま陰極室4内に残留し、これにより水素の発生量に比してアルカリ性電解水のpHの上昇が抑制されるとも考えられる。
このように構成される電解水生成装置では、隔膜5のうち陰極3と陽極1とに挟まれた位置に配置されている部分と陽極1との間の距離が、前記部分と陰極3との間の距離よりも小さくなるようにすることが好ましい。この場合、陰極3と隔膜5との間の空間よりも陽極1と隔膜5との間の空間が狭くなって流路抵抗がより大きくなり、このため陽極室2における酸性電解水の流速が遅くなる。そのため、陽極室2内における酸性電解水の滞留時間がより長くなり、それに伴って陰極室4内のアルカリ性電解水のpHの上昇が更に抑制される。
この電解水生成装置にて生成されるアルカリ性電解水のpHと水素含有量は、陰極室4への原水の供給量(原水流量)、並びに陰極室4からのアルカリ性電解水の吐出量と陽極室2からの酸性電解水の吐出量との比(吐出量比)を変更することで制御することができる。陰極室4への原水の供給量は原水供給路7の流量調整弁11aを調整することにより変更することができ、また陰極室4からのアルカリ性電解水の吐出量と陽極室2からの酸性電解水の吐出量との比はアルカリ水吐出路9の流量調整弁10aを調整することで変更することができる。この点につき、以下に説明する。
図2は本実施形態において、陰極室4への原水の供給量を一定とした状態で、陰極3と陽極1との間の通電量、及び陰極室4からのアルカリ性電解水の吐出量と陽極室2からの酸性電解水の吐出量との比を変更した場合の、生成されるアルカリ性電解水のpHと水素含有量を測定した結果を示す。このとき、原水の水温は20℃、陰極室4への原水の供給量は2.5L/minとし、陰極3と陽極1との間の通電量は0.1〜4.0Aの範囲で変更したものである。また、この図2のグラフ中のイは(アルカリ性電解水の吐出量):(酸性電解水の吐出量)の比を2:1とした場合、ロはこの比を4:1とした場合、ハはこの比を8:1とした場合の結果を示す。
このグラフで示されるように、電極間の通電量を増大させることでアルカリ性電解水のpHが上昇すると、それに伴って水素含有量も上昇するが、酸性電解水の吐出量に対してアルカリ性電解水の吐出量が増大している場合には、水素イオン含有量の上昇に比してpHの上昇が抑制される。このため、流量調整弁10aを調整して前記吐出量を変更すると共に通電量を変更することで、所望のpHと水素含有量とを有するアルカリ性電解水を得ることができる。
また、更に流量調整弁11aを調整して陰極室4への原水の供給量を低減すると、陰極室4内におけるアルカリ性電解水の滞留時間が長くなることから、原水への通電量が多くなり、アルカリ性電解水の電解効率が向上してアルカリ性電解水中の水素含有量を更に増大させることができると共に、pHの上昇を抑制する作用も更に大きく働くものである。
ここで、図2に示されているpHと水素含有量との関係は、原水の水質の変化に伴って変化し得る。すなわち、上記陰極反応によって一定の比率で水素と水酸化物イオンが発生しても、原水中の炭酸ガス含有量等やその他各種イオン含有量等の水質が変化すると、これらと水酸化物イオンとが反応することで、生成されるアルカリ性電解水中の水酸化物イオンの濃度が変化し、pHが変動してしまう。一方、水素含有量はこのような原水の水質の変化による影響が少ない。
また、原水への通電量は陰極室4での原水の滞留時間と電解電流値に依存するが、電解電流値は原水の水質に基づく導電性に影響を受ける。
また、家庭用の蛇口等から原水供給路7に原水を供給する場合には、原水供給路7に供給される原水の一次流量が一定にならない場合が多い。
これらの不確定要素を考慮して、原水の水質等にかかわらず所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために、制御部20により、吐出流量比変更手段及び通電量調整手段を次のようにして制御する。
本制御例では、通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御するものである。以下の説明では、通電量調整手段は、供給量調整手段11及び吐出量比変更手段10から構成される吐出量調整手段のみで構成されるものとする。
具体的には、まず陰極3と陽極1との間に電圧が印加された状態で、原水を原水供給路7を通じて電解槽6の陰極室4に供給すると、上述のように陰極室4にて生成されたアルカリ性電解水がアルカリ水吐出路9を通じて吐出されると共に、陽極室2にて生成された酸性電解水が酸性水吐出路を通じて吐出される。このとき、まず制御部20は、電流値測定手段23による電解電流値の測定結果に基づき、アルカリ性電解水の水素含有量が所定値となるために必要なアルカリ性電解水の吐出量を導出する。前記水素含有量の所定値は、予め制御部20に記憶させておく。
ここで、制御部20により上記アルカリ性電解水の吐出量を導出するにあたっては、予め試験等によりアルカリ性電解水の水素含有量と、電解電流値と、アルカリ性電解水の吐出量との関係を調査し、その結果に基づいて導出された関係式や相関表を制御部20に記憶させておき、前記関係式や相関表に基づき、制御部20にて電解電流値と、所定の水素含有量とから、アルカリ性電解水の吐出量を導出するようにすることができる。
次に、制御部20は流量測定手段22による測定結果が、上記導出された吐出量となるように、流量調整弁10a及び流量調整弁11aのうち少なくとも一方を調整する制御を行う。例えば、流量測定手段22による測定結果が上記導出された吐出量に満たない場合には、流量調整弁10aの開度を大きくする動作を行い、流量測定手段22による測定結果が上記導出された吐出量を超える場合には、流量調整弁10aの開度を小さくする動作を行うようにするものである。これにより陰極室4における原水への通電量が、生成されるアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように調整される。
更に、制御部20は上記の流量測定手段22による測定結果に基づく制御を優先的に行いながら、pH測定手段21の測定結果が予め制御部20に記憶されている所定の値となるように流量調整弁10aを調整する制御を行うことで、陰極室4における原水への通電量を一定に維持しながら吐出流量比を調整する。前記pH測定手段21の測定結果についての所定の値は、例えばアルカリ性電解水の飲用に適したpHの値の範囲内における適宜の値とする。このとき、pH測定手段21の測定結果が所定の値に満たない場合には、流量調整弁11aの開度を大きくする制御を行い、原水流量を増大させる。この場合、流量調整弁10aは上記優先的な制御によって開度を小さくするように制御され、これによりアルカリ性電解水の吐出量が酸性電解水の吐出量に対して低減する方向に吐出量比が変更されてアルカリ性電解水のpHが増大されると共に、流量測定手段22による測定結果が上記導出された吐出量に維持されてアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値に維持される。一方、pH測定手段21の測定結果が所定の値を超える場合には、流量調整弁11aの開度を小さくする制御を行い、原水流量を低減させる。この場合、流量調整弁10aは上記優先的な制御によって開度が大きくなるように制御され、これによりアルカリ性電解水の吐出量が酸性電解水の吐出量に対して相対的に増大する方向に吐出量比が変更されてアルカリ性電解水のpHが低減されると共に、流量測定手段22による測定結果が上記導出された吐出量に維持されてアルカリ性電解水の水素含有量は所定の値に維持される。
これにより、アルカリ性電解水の吐出量が上記導出された吐出量に維持されるように(すなわち、陰極室4における原水への通電量が、生成されるアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように)、流量調整弁10aと流量調整弁11aとから構成される通電量調整手段が制御され、更に流量調整弁10aがpH測定手段21の測定結果が所定の値となるように制御される。
以上のような制御を行うことで、所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。
尚、上記制御例では吐出量比変更手段10(流量調整弁10a)と供給量調整手段11(流量調整弁11a)からなる吐出量調整手段のみで通電量調整手段を構成する場合について説明しているが、印加電圧変更手段にて通電量調整手段を構成し、或いは吐出量調整手段と印加電圧変更手段にて通電量調整手段を構成する場合も、アルカリ性電解水の水素含有量、電解電流値及びアルカリ性電解水の吐出量の関係式や相関表に基づいて、陰極室4における原水への通電量が、生成されるアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように通電量調整手段を制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21の測定結果が予め制御部20に記憶されている所定の値となるように調整する制御を行うことにより、所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。この場合、通電量調整手段の制御にあたって制御部20は、例えばアルカリ性電解水の吐出量を一定とした状態で、アルカリ性電解水の水素含有量、電解電流値及びアルカリ性電解水の吐出量の関係式や相関表に基づいて、流量測定手段22にて測定されるアルカリ電解水の吐出量と、所定の水素含有量とから、電解電流値を導出する。そして、制御部20は電流値測定手段23にて測定される電解電流値が前記導出された電解電流値となるように、印加電圧変更手段を制御して陰極3と陽極1との間の印加電圧を調整するものである。
本実施形態において吐出量比変更手段10及び供給量調整手段11として設けられている各流量調整弁10a,11aは、流量を連続的に変更させることができるもの、流量を段階的に変更させることができるものの、いずれであっても良い。特に流量を連続的に変更させることができる流量調整弁10a,11aを設ければ、この流量調整弁10a,11aを調整することで、アルカリ性電解水のpHと水素含有量を更に細かく調整することが可能となる。
また、アルカリ性電解水の吐出量と酸性電解水の吐出量との比を変更するための吐出量比変更手段10としては、上記のようにアルカリ水吐出路9に流量調整弁10aを設けるほか、酸性水吐出路8に流量調整弁10aを設けたり、アルカリ水吐出路9と酸性水吐出路8に共に流量調整弁10aを設けるようにしても良い。またその他適宜の手段を設けて前記吐出量の比を変更することもできる。
また、陰極室4への原水流量を変更するための供給量調整手段11としても、上記のように原水供給路7に流量調整弁11aを設けるほか、適宜の手段を採用してこの原水の供給量を変更しても良い。
図3に第二の実施形態を示す。本実施形態では、電解槽6内に複数の陰極3と陽極1とが交互に間隔をあけて一列に配設されている。隣り合う陰極3と陽極1との間は隔膜5を設けて仕切られている。これにより、陰極3が配設された複数の陰極室4と、陽極1が配設された複数の陽極室2とが交互に一例に配設され、各陰極室4と陽極室2とが隔膜5にて仕切られている。図示の例では合計三つの陽極室2が設けられていると共に各陽極室2の間に陰極室4が合計二つ設けられている。
この電解槽6には、各陰極室4に原水を供給する原水供給路7が設けられている。このとき原水供給路7は終端部で分岐して各陰極室4に接続されている。この原水供給路7は陰極室4のみに接続され、陽極室2には直接は接続されていない。このため、原水は原水供給路7を介してまず陰極室4に供給され、陰極室4から隔膜5を介して陽極1に供給されるようになっている。
この原水供給路7には、原水中に含まれる有機物、無機物あるいは次亜塩素酸などの臭気成分を除去するための浄水部17が設けられている。また、この原水供給路7には供給量調整手段11として、原水供給路7を通水する原水の通水量を調整するための流量調整弁11aが設けられている。
また、陰極室4にはこの陰極室4にて生成されたアルカリ性電解水を電解槽6の外部へ吐出するためのアルカリ水吐出路9が接続されており、一方陽極室2にはこの陽極室2にて生成された酸性電解水を電解槽6の外部へ吐出するための酸性水吐出路8が接続されている。このときアルカリ水吐出路9は始端側で分岐して各陰極室4に接続され、酸性水吐出路8は始端側で分岐して各陽極室2に接続されている。また、前記アルカリ水吐出路9には、吐出量比変更手段10として、このアルカリ水吐出路9におけるアルカリ性電解水の通水量を調整するための流量調整弁10aが設けられている。
また、各陰極3及び陽極1には、この陰極3と陽極1との間に電圧を印加するための直流電源32が電気配線を介して接続されている。このとき、陽極1に接続されている電気配線には、制御部20によって制御される電流密度分布変更手段12として、この電気配線の通電をオンオフするスイッチ13が設けられている。図示の例では二つの陽極1に接続されている各電気配線にそれぞれスイッチ13が設けられているが、一方の陽極1に接続されている電気配線のみにスイッチ13を設けても良い。
また、この電解水生成装置には、第一の実施形態と同様に、流量調整弁11aからなる供給量調整手段11及び流量調整弁10aからなる吐出量比変更手段10を設けており、
この供給量調整手段11及び吐出量比変更手段10にて吐出量調整手段が構成される。また、第一の実施形態と同様の電流値測定手段23、流量測定手段22及びpH測定手段21も設けられている。また、陰極3及び陽極1に電圧を印加するための直流電源32が、制御部20による制御を受けて陰極3と陽極1の間の印加電圧を変更する印加電圧変更手段として設けられており、この印加電圧変更手段と吐出量調整手段とは、陰極室4における原水への通電量を調整する通電量調整手段として機能する。印加電圧変更手段と吐出量調整手段とは、このうち一方だけを設けても良い。更に、第一の実施形態と同様に操作表示部24、電源部25及び電源プラグ26も設けられている。
この供給量調整手段11及び吐出量比変更手段10にて吐出量調整手段が構成される。また、第一の実施形態と同様の電流値測定手段23、流量測定手段22及びpH測定手段21も設けられている。また、陰極3及び陽極1に電圧を印加するための直流電源32が、制御部20による制御を受けて陰極3と陽極1の間の印加電圧を変更する印加電圧変更手段として設けられており、この印加電圧変更手段と吐出量調整手段とは、陰極室4における原水への通電量を調整する通電量調整手段として機能する。印加電圧変更手段と吐出量調整手段とは、このうち一方だけを設けても良い。更に、第一の実施形態と同様に操作表示部24、電源部25及び電源プラグ26も設けられている。
このように構成される電解水生成装置では、まず陰極3と陽極1との間に電圧が印加された状態で、原水が原水供給路7を通じて電解槽6の陰極室4に供給される。このとき原水は浄水部17を通過することで有機物、無機物、次亜塩素酸等の臭気成分などが除去される。陰極室4に供給された原水は、陰極室4内を満たすと共に透水性の隔膜5を介して陽極室2内にも供給されてこの陽極室2内も満たす。
このように陰極室4及び陽極室2に原水が供給されると、電解槽6内では陰極室4内の陰極3表面で上記電極反応が生じ、陰極室4内では水素を含むアルカリ性電解水が生成され、陽極室2内では酸性電解水が生成される。アルカリ性電解水はアルカリ水吐出路9を通じて電解槽6の外部へ吐出され、酸性電解水は酸性水吐出路8を通じて電解槽6の外部へ吐出される。
本実施形態でも、上記第一の実施形態と同様に制御部20により、通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御することで、原水の水質等にかかわらず所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができる。
また、本実施形態では、上記スイッチ13が全て閉じている場合には、複数の陰極3と陽極1のうち全ての陰極3と陽極1との間で通電が生じ、上記の電極反応が生じる。このとき、各電極の表面には全体としてほぼ均一な電流密度の分布が生じている。そして、各陰極室4で生成したアルカリ性電解水が合流して混合されてアルカリ水吐出路9を通じて電解槽6の外部へ吐出され、また各陽極室2で生成した酸性電解水が合流して混合されて酸性水吐出路8を通じて電解槽6の外部へ吐出されるものである。
一方、二つのスイッチ13のうち一方をオンにすると共に他方をオフにする場合には、オフにしたスイッチ13が設けられている電気配線に接続されている陽極1と、この陽極1と隣り合う陰極3との間には通電が生じなくなる。すなわち、この陰極3の表面と、この陰極3に対向する各陽極1の表面における電流密度が0となり、陰極3全体では通電が生じている面と通電が生じていない面が生じるという電流密度の粗密の分布が生じ、陽極1全体でも通電が生じている面と通電が生じていない面が生じるという電流密度の粗密の分布が生じる。この場合、通電が生じている陰極3と陽極1の表面間では上記電極反応が生じて陰極室4でアルカリ性電解水が生成されると共に陽極室2で酸性電解水が生成されるが、通電が生じていない陰極3と陽極1の表面間では上記電極反応は生じず、アルカリ性電解水と酸性電解水は生成されない。
そして、陰極室4で生成したアルカリ性電解水が電解されていない水と合流して混合することにより希釈された状態でアルカリ水吐出路9を通じて電解槽6の外部へ吐出され、また陽極室2で生成した酸性電解水が電解されていない水と合流して混合することにより希釈された状態で酸性水吐出路8を通じて電解槽6の外部へ吐出されるものである。
このように電極全体において電流密度の粗密を発生させた場合に、電流密度の粗密が生じていない場合と比べて、電流密度の低い部分(電流密度が0の部分)が生じていることから、その分だけ電流密度が高い部分での電流密度を増大させる必要があるが、このとき生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対応する水素含有量が増大することとなる。すなわち、同一のpHの値を有するアルカリ性電解水を生成する場合、電流密度に粗密を発生させた方が、アルカリ性電解水中に含まれる水素含有量が増大するものである。その理由は次の通りであると推察される。
陰極3と陽極1との間で電解反応が生じて陰極室4でアルカリ性電解水が生成すると共に陽極室2で酸性電解水が生成する場合、この陰極室4と陽極室2とを仕切る隔膜5付近では、陰極室4で生成した水酸化物イオンと陽極室2で生成した水素イオンとの間で中和反応が生じ、この中和反応にて消費された水酸化物イオンと水素イオンの分だけ、アルカリ性電解水のpHが増大されると共に酸性電解水のpHが低減される。このとき、隔膜5を介して対向する陰極3と陽極1の各表面における電流密度が増大すると、隔膜5付近における水酸化物イオンと水素イオンの濃度が増大して中和反応が促進される。この中和反応の反応速度は化学反応速度論によれば、水酸化物イオンと水素イオンの各濃度にそれぞれ比例するため、例えば水酸化物イオンと水素イオンの各濃度がそれぞれ2倍になると、中和反応は4倍の速度で進行することとなり、水酸化物イオンと水素イオンの濃度上昇の度合いよりも、中和反応で消費される水酸化物イオンと水素イオンの量の増大の度合いの方が大きくなる。このため、電流密度の粗密の分布を大きくした状態で同一のpHのアルカリ性電解水を得ようとすると、電流密度の粗密の分布がない場合やこの分布が小さい場合と比べて、電解槽6内における全体の通電量を増大させて上記の電極反応を促進する必要がある。そして、このように全体の通電量を増大させると、電解反応によって陰極3表面で生成する水素の全体量も増大する。このため、電解槽6から吐出されるアルカリ性電解水の水素含有量が、pHの値に比して増大するものである。
従って、本実施形態の電解水生成装置では、上記スイッチ13をオフにして電極表面における電流密度の粗密を増大させることで(すなわち一部の電極における電流密度を0にすることで)、生成されるアルカリ性電解水のpHの値に比してその水素含有量を更に増大させることができる。また、スイッチ13をオフにした状態とオンにした状態とを切り替えることで、pHに対する水素含有量を変更し、所望のpH及び水素含有量を有するアルカリ性電解水を生成することができるものである。
図4は本実施形態と同様の構成により複数枚の陰極3及び陽極1を設けた電解水生成装置において、陰極室4への原水の供給量を2.5L/minとした状態で、陰極3と陽極1との間の通電量を0.1〜4.0Aの範囲で変更した場合の、生成されるアルカリ性電解水のpHと水素含有量を測定した結果を示す。このとき、複数の電極のうちの一部について通電をオンオフすることにより、互いに対向し合う陰極3及び陽極1の表面のうち通電が生じている領域と生じていない領域とを発生させると共に、この通電の生じていない領域の、電極全体に対する割合を変化させている。図4のグラフ中のイは電極表面の総面積に対する、通電が生じている領域の割合を100%とした場合、ロはこの割合を70%とした場合、ハはこの割合を40%とした場合の結果を示す。
このグラフで示されるように、電極間の通電量を増大させることでアルカリ性電解水のpHが上昇すると、それに伴って水素含有量も上昇し、またこのとき電極表面における通電の生じていない領域の割合が低くなって電極全体における電流密度の粗密の偏りが大きくなる程、水素イオン含有量の上昇に比してpHの上昇が抑制される。このため、一部の電極への通電のオンオフを制御することにより、アルカリ性電解水におけるpHと水素含有量とを所望の値になるように調整することができるものである。
また、このようにスイッチ13をオフにしてアルカリ性電解水を生成するにあたり、本実施形態のように複数(二つ)のスイッチ13を設けている場合には、各スイッチ13を繰り返し交互にオンオフさせることもできる。この場合、電極表面における電解反応が生じる電極反応が生じる面とこの電解反応が生じない面とが交互に入れ替わることとなり、電極寿命を延ばすことができる。この場合、例えば原水の電解を開始してから一定時間が経過するごとにスイッチ13のオンオフを切り替えたり、或いは電解槽6の通水量が一定量となるごとにスイッチ13のオンオフを切り替えたりすることができる。
尚、本実施形態では陽極1に接続されている電気配線にスイッチ13を設けたが、勿論陰極3に接続される電気配線にスイッチ13を設けても良い。また、本実施形態では陽極1を二個設けて各陽極1に接続される電気配線にスイッチ13を設けたが、三個以上の陽極1又は陰極3を設けてそれぞれ接続される電気配線にスイッチ13を設け、オンにするスイッチ13の個数を1個、2個、3個・・・と変更するようにすれば、アルカリ性電解水におけるpHの値に対する水素含有量を更に細かく変更して所望のpH及び水素含有量を有するアルカリ性電解水を生成することができるものである。
このような電流密度分布変更手段12であるスイッチ13を具備する本実施形態の電解水生成装置では、第一の実施形態のように制御部20により、陰極室4における原水への通電量と、吐出量比とを制御することにより所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るにあたり、更に制御部20によりスイッチ13をオンオフする制御を行うことにより、生成されるアルカリ性電解水のpHを変更することができる。例えば、第一の実施形態と同様に通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御する場合に、アルカリ性電解水のpHが所定の値に達しなかった場合に、制御部20にて電流密度分布変更手段12を制御することでアルカリ性電解水の水素含有量を一定にしたままそのpHを増減し、或いはこのように電流密度分布変更手段12を制御した後、更に通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御するものである。
図5に第三の実施形態を示す。本実施形態では、第一の実施形態の構成に加えて、陰極3及び陽極1の表面における電流密度の粗密の分布を変更する電流密度分布変更手段12が設けられている。本実施形態では、電流密度分布変更手段12として遮蔽部材14が設けられている。この遮蔽部材14は板状に形成され、電解槽6内における陽極1と陰極3との間の空間に向けてこの電極間の対向方向と直交する方向に進退移動可能に形成されている。また遮蔽部材14の前記進退移動を駆動するための適宜のアクチュエータ等からなる駆動装置19が設けられており、この駆動装置19は制御により制御される。ここで、遮蔽部材14は陰極3と陽極1との間の空間の外側に配置されて陰極3と陽極1の間に介在していない状態から、前記空間に向けて移動することにより前記空間において陰極3と陽極1の間に介在してこの陰極3と陽極1の間を一部遮蔽している状態の間で移動可能なものであり、また遮蔽部材14の前記空間に向けての突出寸法を調整することで、前記空間における遮蔽部材14にて遮蔽される領域の面積を調整することができる。
本実施形態でも、上記第一の実施形態と同様に制御部20により、陰極室4における原水への通電量と、吐出量比とを制御することで、原水の水質等にかかわらず所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができる。
また、本実施形態では、遮蔽部材14が陰極3と陽極1との間の空間の外側に配置されていて陰極3と陽極1の間に介在していない状態であれば、陰極3と陽極1の各対向面ではほぼ均一な通電が生じ、この表面で上記の電極反応が生じる。
一方、遮蔽部材14が陰極3と陽極1の間の空間に突出して陰極3と陽極1の間に介在することによりこの陰極3と陽極1の間を一部遮蔽している状態では、陰極3と陽極1の各対向面における遮蔽部材14にて遮蔽されている領域では電流密度が相対的に低減され、この対向面における遮蔽部材14にて遮蔽されていない領域では電流密度が相対的に増大するという、電流密度の粗密の分布が生じる。
このように電極全体において電流密度の粗密を発生させた場合に、電流密度の粗密が生じていない場合と比べて、電流密度の低い部分が生じていることから、その分だけ電流密度が高い部分での電流密度を増大させる必要があるが、このとき生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対応する水素含有量が増大することとなる。すなわち、同一のpHの値を有するアルカリ性電解水を生成する場合、電流密度に粗密を発生させた方が、アルカリ性電解水中に含まれる水素含有量が増大するものである。その理由は、第二の実施形態において電流密度の粗密を発生させた場合と同様であると推察される。
また、遮蔽部材14の陰極3と陽極1との間の空間に向けての突出寸法を調整すると、電極における電流密度の粗密の分布を変動させることができる。これにより、アルカリ性電解水におけるpHの値に対する水素含有量を変更して所望のpH及び水素含有量を有するアルカリ性電解水を生成することができるものである。このとき、前記突出寸法を大きくして遮蔽部材14により陰極3と陽極1の間が遮蔽される領域を増大させる程、電流密度の分布の偏りを大きくして、生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対応する水素含有量をより増大させることができる。
従って、このような電流密度分布変更手段12を設けることで、生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対する水素含有量を更に向上することができ、簡便な構成にてpHの値の上昇を抑制しつつ高い水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができる。また、電流密度の粗密の分布を調整することで生成されるアルカリ性電解水のpHと水素含有量を調整することができ、所望のpHと水素含有量とを有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。
このような電流密度分布変更手段12である遮蔽部材14を具備する本実施形態の電解水生成装置では、第一の実施形態と同様の制御により所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るにあたり、更に制御部20により遮蔽部材14を駆動する制御を行うことにより、生成されるアルカリ性電解水のpHを変更することができる。例えば、第一の実施形態と同様に制御部20により通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御する場合に、アルカリ性電解水のpHが所定の値に達しなかった場合に、制御部20により遮蔽部材14を駆動することでアルカリ性電解水の水素含有量を一定にしたままそのpHを増減し、pH測定手段21の測定結果が所定の値となるように制御するものである。
図6に第四の実施形態を示す。本実施形態では、第一の実施形態の構成に加えて、第三の実施形態とは異なる構成を有する電流密度分布変更手段12が設けられている。本実施形態における電流密度分布変更手段12は、対向して配置されている陽極1と陰極3のうち少なくとも一方を、この電極の対向方向と直交する方向に移動させる電極位置変位手段15であり、図示の例では陰極3を電極間の対向方向と直交する方向に移動可能に形成し、また電極位置変位手段15として前記陰極3の移動を駆動する適宜のアクチュエータ等からなる駆動装置19が設けられており、この駆動装置19は制御部20にて制御される。
本実施形態でも、上記第一の実施形態と同様に制御部20により通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御することにより所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができる。
また、本実施形態では、陰極3の陽極1側の面全体と陽極1の陰極3側の面全体とが正対している状態では、陰極3と陽極1の各対向面ではほぼ均一な通電が生じ、この表面で上記の電極反応が生じる。
一方、電極位置変位手段15により陰極3の位置を電極間の対向方向と直交する方向に変位させると、陰極3の陽極1側の面における陽極1と正対している領域、並びに陽極1の陰極3側の面における陰極3と正対している領域が低減する。そうすると、陰極3の陽極1側の面における陽極1と正対している領域では電流密度が相対的に増大し、前記陽極1側の面における陽極1と正対していない領域では電流密度が相対的に低減するという、電流密度の粗密が生じる。また陽極1の陰極3側の面における陰極3と正対している領域では電流密度が相対的に増大し、前記陰極3側の面における陰極3と正対していない領域では電流密度が相対的に低減するという、電流密度の粗密が生じる。
このように電極全体において電流密度の粗密を発生させた場合に、電流密度の粗密が生じていない場合と比べて、電流密度の低い部分が生じていることから、その分だけ電流密度が高い部分での電流密度を増大させる必要があるが、このとき生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対応する水素含有量が増大することとなる。すなわち、同一のpHの値を有するアルカリ性電解水を生成する場合、電流密度に粗密を発生させた方が、アルカリ性電解水中に含まれる水素含有量が増大するものである。その理由は、第二の実施形態において電流密度の粗密を発生させた場合と同様であると推察される。
また、陰極3の電極間の対向方向と直交する方向での変位量を調整すると、電極における電流密度の粗密の分布を変動させることができる。これにより、アルカリ性電解水におけるpHの値に対する水素含有量を変更して所望のpH及び水素含有量を有するアルカリ性電解水を生成することができるものである。このとき、陰極3の陽極1側の面における陽極1と正対している領域、並びに陽極1の陰極3側の面における陰極3と正対している領域を低減させる程、電流密度の分布の偏りを大きくして、生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対応する水素含有量をより増大させることができる。
従って、このような電流密度分布変更手段12を設けることで、生成されるアルカリ性電解水のpHの値に対する水素含有量を更に向上することができ、簡便な構成にてpHの値の上昇を抑制しつつ高い水素含有量を有するアルカリ性電解水を得ることができる。また、電流密度の粗密の分布を調整することで生成されるアルカリ性電解水のpHと水素含有量を調整することができ、所望のpHと水素含有量とを有するアルカリ性電解水を得ることができるものである。
このような電流密度分布変更手段12である電極位置変位手段15を具備する本実施形態の電解水生成装置では、第一の実施形態と同様の制御により所望のpHと水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るにあたり、更に制御部20により電極位置変位手段15を駆動する制御を行うことにより、生成されるアルカリ性電解水のpHを変更することができる。例えば、第一の実施形態と同様に制御部20により通電量調整手段にて陰極室4における原水の通電量をアルカリ性電解水の水素含有量が所定の値となるように制御しながら、吐出量比変更手段10をpH測定手段21にて測定されるpHが所定の値となるように制御する場合に、アルカリ性電解水のpHが所定の値に達しなかった場合に、制御部20にて電極位置変位手段15を駆動することでアルカリ性電解水の水素含有量を一定にしたままそのpHを増減し、pH測定手段21の測定結果が所定の値となるように制御するものである。
図7は電解水生成装置Aの外観の一例を示す。この電解水生成装置Aはハウジングからアルカリ水吐出路9、酸性水吐出路8、及び原水供給路7が導出され、またこのハウジングの外面には操作表示部24が設けられている。ここで、上記各実施形態においては、前記操作表示部24にアルカリ性電解水の水質を表示する液晶表示画面からなる水質表示部27を設け、上記pH測定手段21にて測定されたアルカリ性電解水のpHの値や、流量測定手段22にて測定されたアルカリ性電解水の流量を、この水質表示部27に表示するようにすることができる。また、アルカリ水吐出路9にアルカリ性電解水の酸化還元電位(ORP)を測定する酸化還元電位センサ、アルカリ性電解水の水素含有量を測定する溶存水素計等を設け、これらにより測定されるアルカリ性電解水の酸化還元電位や水素含有量を、前記水質表示部27に表示するようにすることもできる。これにより、使用者は生成されたアルカリ性電解水の水質を確認することができる。
また、この操作表示部24には、アルカリ性電解水の水素含有量の設定値を切り替えるための押釦等の操作手段28を設けることができる。例えば水素含有量の設定値が二つあり、操作手段28を操作するごとに水素含有量の設定値が二の値のうちいずれかに切り替わるようにする。このとき制御部20は、操作手段28が操作された場合に、各実施形態でのアルカリ性電解水のpHと水素含有量の制御における、所定の水素含有量の値を変更するようにする。この場合、操作手段28を操作することで、生成されるアルカリ性電解水の水素含有量を変更することができる。
また、この操作表示部24には、アルカリ性電解水のpHの設定値を切り替えるための押釦等の操作手段29を設けることができる。例えばpHの設定値が四つあると共に各設定値に対応する操作手段29が設けられており、いずれかの操作手段29を操作するごとにその操作手段29に対応するpHの値が設定されるようにする。このとき制御部20は、操作手段29が操作された場合に、各実施形態でのアルカリ性電解水のpHと水素含有量の制御における所定のpHの値を、操作手段29に対応する設定値に変更するようにする。この場合、操作手段29を操作することで、生成されるアルカリ性電解水のpHを変更することができる。
また、電解水生成装置Aにて生成される水の水質を切り替えるための押釦等の操作手段30,31を設けることもできる。例えば浄水を選択する操作手段30を操作する場合には、陰極3と陽極1との間に電圧が印加されないようにして、アルカリ水吐出路9からは電解がなされてない浄水が吐出されるようにする。また酸性電解水を選択する操作手段31を操作する場合には、陰極3と陽極1に印加する電圧の極性を逆向きにすることにより、上記各実施形態における陰極3を陽極として機能させると共に陽極1を陰極として機能させ、且つ陰極室4を陽極室として機能させると共に陽極室2を陰極室として機能させて、アルカリ水吐出路9から酸性電解水が吐出されるようにする。
1 陽極
2 陽極室
3 陰極
4 陰極室
5 隔膜
6 電解槽
7 原水供給路
8 酸性水吐出路
9 アルカリ水吐出路
10 吐出量比変更手段
10a 流量調整弁
11 供給量調整手段
11a 流量調整弁
20 制御部
21 pH測定手段
22 流量測定手段
23 電流値測定手段
2 陽極室
3 陰極
4 陰極室
5 隔膜
6 電解槽
7 原水供給路
8 酸性水吐出路
9 アルカリ水吐出路
10 吐出量比変更手段
10a 流量調整弁
11 供給量調整手段
11a 流量調整弁
20 制御部
21 pH測定手段
22 流量測定手段
23 電流値測定手段
Claims (5)
- 陽極が配設された陽極室、陰極が配設された陰極室、及び前記陽極室と陰極室とを仕切るように配設された隔膜を備える電解槽と、前記電解槽に原水を供給する原水供給路と、前記陽極室からこの陽極室内で生成された酸性電解水を吐出する酸性水吐出路と、前記陰極室からこの陰極室内で生成されたアルカリ性電解水を吐出するアルカリ水吐出路と、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路から吐出される酸性電解水との吐出量比を変更する吐出量比変更手段と、陰極室における原水への通電量を調整する通電量調整手段と、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水のpHを測定するpH測定手段と、前記吐出流量比変更手段及び通電量調整手段を制御する制御部とを具備し、
前記制御部が、通電量調整手段による陰極室での原水への通電量が所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために必要な値となる状態で、pH測定手段による測定結果が所定の値となるように吐出量比変更手段及び通電量調整手段を制御するものであることを特徴とする電解水生成装置。 - アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の流量を測定する流量測定手段と、電解槽における電解電流値を測定する電流値測定手段とを具備し、
上記通電量調整手段が、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水と酸性水吐出路から吐出される酸性電解水との吐出量比を変更する上記吐出量比変更手段と原水供給路を流れる原水の流量を変更する供給量調整手段とで構成される吐出量調整手段と、陰極と陽極との間の印加電圧を変更する印加電圧変更手段とのうち少なくとも一方から構成され、
上記制御部が、陰極室での原水への通電量が所定の水素含有量を有するアルカリ性電解水を得るために必要な値となるための、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と電解電流値の組み合わせを導出し、流量測定手段による測定結果及び電流値測定手段による測定結果が前記導出された値となるように前記通電量調整手段を制御すると共にpH測定手段による測定結果が所定の値となるように吐出量比変更手段及び通電量調整手段を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の電解水生成装置。 - 上記制御部が、アルカリ性電解水の水素含有量、電解電流値、及びアルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量の値を関連づけた関係式又はこれらの値を関連づけた相関表に基づいて、所定の水素含有量の値と、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と電解電流値のうち一方の値とから、アルカリ水吐出路から吐出されるアルカリ性電解水の吐出量と電解電流値のうち他方の値を導出するものであることを特徴とする請求項2に記載の電解水生成装置。
- 上記供給量調整手段が、原水供給路に設けられた流量調整弁であることを特徴とする請求項2又は3に記載の電解水生成装置。
- 上記吐出量比変更手段が、アルカリ水吐出路と酸性水吐出路のうち少なくとも一方に設けられた流量調整弁であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電解水生成装置。
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