JP2015003313A - 透析液調製用水の製造装置 - Google Patents

透析液調製用水の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】逆浸透膜処理装置における不純物の除去能力を正確に評価することができるとともに、処理水中の溶存水素濃度を所望の濃度に保つことができる透析液調製用水の製造装置を提供することを目的とする。【解決手段】透析液調製用水の製造装置1は、逆浸透膜処理装置6と、固体高分子膜を用いて水の電気分解処理を行う電解水生成装置7と、電解水生成装置7に入水する水の溶存水素濃度を検知するセンサー31と、電解水生成装置7による電気分解処理の電解電流を決定する電解電流決定手段33と、電解水生成装置7に対して電解電流を供給する電解電流供給手段34と、溶存水素濃度の目標値のデータを記憶する記憶手段35を備える。電解電流決定手段33は、センサー31により検知された溶存水素濃度の値と記憶手段35に記憶された溶存水素濃度の目標値との比較結果に基づいて、電解電流を決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、透析液を調製するための透析液調製用水を製造するための装置に関する。
腎機能が低下し、水分量の調節と尿素などの老廃物を含む体内有害物質の除去を行うための尿の排泄ができない腎不全患者のための有効な治療法の一つに、血液透析が知られている。
この血液透析は、血液ポンプを用いて血液を体外に引き出し、透析器(ダイアライザー)を介して透析液と血液とを接触させることにより、濃度勾配による拡散現象を利用して、血液から体内有害物質および水分を除去した後、再び、血液を体内に戻す(返血)操作を連続して行う治療法である。
また、近年、血液透析において透析患者に酸化ストレスが発生することが知られている。これは、透析時に発生する活性酸素が原因であると考えられており、この活性酸素を消去して酸化ストレスの軽減を図ることが提案されている。
例えば、隔膜により分離された、陰極を含む陰極室と陽極を含む陽極室とを有する電解水生成装置を準備する工程と、少なくともナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、及びカルシウムイオンを含む原水を陰極室および陽極室のそれぞれに送り込む工程と、陰極と陽極との間に、電流を通電し、原水を電気分解する工程と、陰極室内にある水を取出す工程とを備えた透析液の製造方法が開示されている。
そして、この方法においては、陰極室内にある水は、白金電極を用いて測定された酸化還元電位の実測値が−150mV〜0mVの範囲内にあるとともに、pHが8.0〜9.5の範囲にあり、このような水を使用することにより、体内で発生する活性酸素を消去することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、従来の透析液調製用水の製造装置を示す図である。この透析液調製用水の製造装置101では、まず、原水(市水)102を加圧ポンプ103により加圧し、10〜30μmの孔径のフィルター104により、原水102中の固形物を処理する。
次いで、軟水化装置105により、原水102の硬度を下げた後、活性炭処理装置106により、原水102に含まれる次亜塩素酸を除去する。そして、電解水生成装置107により、電気分解により得られた還元水(処理水)を還元水タンク108に貯水する。
次いで、還元水タンク108に貯水された還元水を、加圧ポンプ109により加圧した後、この還元水を、逆浸透膜処理装置110内の逆浸透膜に通過させ、逆浸透膜を通過した還元水をROタンク111に貯水する。
次いで、ROタンク111から送水された還元水に対して、UV殺菌灯112により殺菌処理を行い、殺菌処理が行われた還元水を、マイクロフィルター113を通じて、透析液供給装置114に供給する。
そして、透析液供給装置114においては、供給された還元水(即ち、逆浸透膜処理が施された還元水)と透析原液を混合して透析液を作製する。そして、この透析液が患者監視装置(図示せず)へ供給され、患者監視装置に取り付けられているダイアライザーを通して、患者の血液の浄化が行われる。
特開2000−350989号公報
図9は、上述した透析液調製用水の製造装置101における電解水生成装置107に用いられる電解槽200を示す図である。
この電解槽200は、陽極203と、陰極204と、陽極203と陰極204との間に配置された隔膜205を備えており、この電解槽200により電気分解を行うことにより、陰極204側で得られた水を、上述の還元水として使用する構成となっている。
そして、この電気分解においては、陽極203側、陰極204側で、次のような反応が起こっている。
陽極側:HO→1/2O+2H+2e
陰極側:2HO+2e→H+2OH
従って、上記従来の電解水生成装置107においては、陽極203側は、Hイオンが発生して酸性になり、陰極204側は、OHイオンが発生してアルカリ性になる。
ここで、一般に、透析患者の慢性炎症や酸化ストレスを抑制するとの観点から、処理水の溶存水素濃度を向上させることが好ましく、上記従来の電解水生成装置107において、溶存水素濃度を向上させるには、高い電流値で電気分解することが有効となる。
しかし、例えば、上述の逆浸透膜処理装置110においては、その材質に依存して、処理水のpHの上限値が定められており、また、上述のごとく、高い電流値で電気分解を行うと、生成するOHイオンの濃度が増加し、処理水のpHが大きくなってしまう。従って、上述のpHの上限値に起因して、処理水の溶存水素濃度が抑制されてしまうという問題があった。
また、逆浸透膜処理装置110における不純物の除去能力は、逆浸透膜で処理され、純化した水(以下、「逆浸透水」という。)の電気伝導度で管理される(即ち、逆浸透膜を通過するイオンの量で管理される)が、上述の電気分解において多量に発生するOHイオンは、逆浸透膜の劣化の有無にかかわらず、当該逆浸透膜を通過してしまう。従って、このOHイオンに起因して電気伝導度が大きくなってしまい、逆浸透膜処理装置110の劣化を正確に評価することができないという問題があった。
また、一般に、透析液調製用水の製造装置においては、水量の節約や微生物などに対する清浄度の維持を図るとの観点から、上述の処理水が循環するように構成されるが、循環の過程で、物理的な衝撃等に起因して処理水中の溶存水素濃度が減少してしまい、溶存水素濃度を一定に保つことが困難になるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、逆浸透膜処理装置における不純物の除去能力を正確に評価することができるとともに、処理水中の溶存水素濃度を所望の濃度に保つことができる透析液調製用水の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の透析液調製用水の製造装置は、逆浸透膜処理装置と、逆浸透膜装置に接続され、固体高分子膜を用いて水の電気分解処理を行う電解水生成装置と、電解水生成装置の入水側に設けられ、電解水生成装置に入水する水の溶存水素濃度を検知するセンサーと、センサーに接続され、電解水生成装置による電気分解処理の電解電流を決定する電解電流決定手段と、電解電流決定手段及び電解水生成装置に接続され、電解水生成装置に対して電解電流を供給する電解電流供給手段と、電解電流決定手段に接続され、溶存水素濃度の目標値のデータを記憶する記憶手段とを備え、電解電流決定手段は、センサーにより検知された溶存水素濃度の値と記憶手段に記憶された溶存水素濃度の目標値とを比較し、比較の結果に基づいて、電解電流を決定し、電解電流供給手段は、電解電流決定手段により決定された電解電流を電解水生成装置に供給することを特徴とする。
同構成によれば、固体高分子膜を用いて水の電気分解を行うため、pHの上限値に起因して、電気分解される水の溶存水素濃度が抑制されてしまうという不都合を生じることがなくなる。従って、所望の高い電流値で電気分解処理を行うことにより、処理水の溶存水素濃度を向上させることが可能になるため、必要な溶存水素濃度を有する処理水を得ることが可能になる。
また、固体高分子膜を用いて水の電気分解を行うため、上記従来の電解水生成装置とは異なり、電気分解の際に、陰極側でOHイオンが生成しない。従って、例えば、電気分解処理された処理水を循環させ、処理水が逆浸透膜装置を通過する場合であっても、逆浸透膜で処理された水の電気伝導度を使用して、逆浸透膜処理装置における不純物の除去能力の低下(逆浸透膜処理装置の劣化)を正確に評価することが可能になる。
また、電解水生成装置に入水する水の溶存水素濃度を検知するセンサーと、センサーにより検知された溶存水素濃度に基づいて電解電流を決定する電解電流決定手段を設ける構成としているため、例えば、処理水の循環の過程で、物理的な衝撃等に起因して処理水中の溶存水素濃度が減少した場合であっても、処理水において不足した溶存水素を補うように、再度の電気分解を行い、処理水中の溶存水素濃度を所望の濃度(目標の濃度)に保つことが可能になる。
本発明によれば、逆浸透膜処理装置における不純物の除去能力を正確に評価することができるとともに、処理水中の溶存水素濃度を所望の濃度に保つことができる。
本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置の電解水生成装置における電解槽を示す図である。 本発明の実施形態に係る溶存水素濃度調整装置による溶存水素濃度の調整方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る溶存水素濃度調整装置による溶存水素濃度の調整方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置の変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置の変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置の変形例を示す図である。 従来の透析液調製用水の製造装置を示す図である。 従来の透析液調製用水の製造装置における電解水生成装置に用いられる電解槽を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置の構成を示す概念図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る透析液調製用水の製造装置における電解水生成装置における電解槽を示す図である。
この透析液調製用水の製造装置1は、軟水化装置3と、軟水化装置3に接続された活性炭処理装置4と、活性炭処理装置4に接続されたタンク5と、タンク5に接続された逆浸透膜処理装置6と、逆浸透膜処理装置6に接続された電解水生成装置7と、電解水生成装置7に接続されたUF(Ultra Filter)モジュール8とを備えている。
軟水化装置3は、原水2(硬度成分であるカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの溶解固形物を含む硬水)から、イオン交換によって硬度成分を置換反応により除去し、軟水とする処理を行うためのものである。なお、本実施形態においては、原水2として、水道水や井戸水、地下水などを用いることができる。
活性炭処理装置4は、軟水化装置3により処理された原水に対して、多孔質の吸着物質である活性炭を用いて、原水中に含まれる残留塩素、クロラミン、有機物などを物理的な吸着作用により除去する処理を行うためのものである。
タンク5は、活性炭処理装置4により処理された原水(逆浸透膜処理装置6による逆浸透膜処理前の原水)、及び逆浸透膜処理と電解水生成装置7による電気分解後に循環する水を貯蔵するためのものである。
逆浸透膜処理装置6は、半透膜を境界にして、濃度の異なる溶液がある場合、低濃度の溶液から高濃度の溶液へ水が移動する現象(浸透)に対し、高濃度の溶液側に圧力を加えることにより、高濃度側の溶液から低濃度側の溶液へ水を移動させ、低濃度側に浸透した水を得る処理(逆浸透膜処理)を行うためのものである。
そして、この逆浸透膜処理装置6により、上述の一連の処理で得られた原水から、微量金属類などの不純物をさらに除去することができるため、ISO13959(透析用水基準)に規定される水質基準を満たす水(逆浸透水)を得ることが可能になる。
なお、軟水化装置3、活性炭処理装置4、及び逆浸透膜処理装置6としては、公知のものを使用することができる。
電解水生成装置7は、逆浸透膜処理装置6により処理された原水に対して、電気分解処理を行うことにより、透析液調製用水として使用される水素が溶存した水(溶存水素水)を生成するためのものである。
そして、本実施形態の電解水生成装置7は、図2に示す、固体高分子膜(固体高分子膜電解質膜)10を有する電解槽20を備えている点に特徴がある。
この電解槽20は、図2に示すように、上述の固体高分子膜10と、固体高分子膜10を介して、互いに対向して配置され、電解槽20への給電を行う給電体である陽極11、及び陰極12と、固体高分子膜10と陽極11との間、及び固体高分子膜10と陰極12との間に配置された誘電体層13とを備えている。
なお、図2に示すように、陽極11と陰極12は、電気的に接続されており、これらの固体高分子膜10、陽極11、陰極12、及び誘電体層13は、電解槽本体15の内部に収容されている。
また、図2に示すように、電解槽本体15には、電気分解が行われる原水2を電解槽本体15内に導入するための導入路16が形成されている。
陽極11、及び陰極12の材料としては、例えば、チタンや白金などが挙げられる。
また、誘電体層13を形成する材料としては、例えば、チタンや白金などが挙げられる。
また、固体高分子膜10は、電気分解により、陽極11側で発生したオキソニウムイオン(H)を陰極側へと移動させる役割を有するものである。
この固体高分子膜10としては、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系の樹脂材料により形成されたものを好適に使用することができる。より具体的には、ナフィオン(デュポン社製)、Flemion(旭硝子社製)、Aciplex(旭硝子社製)などの市販品を、本発明における固体高分子膜10として好適に用いることができる。
そして、このような固体高分子膜10を用いた電解水生成装置7における電気分解では、陽極11側、陰極12側でそれぞれ次のような反応が起こる。
陽極側:6HO→4H+O+4e
陰極側:4H+4e→2H+4H
即ち、本実施形態においては、上記従来の電解槽と異なり、陰極12における水素の生成原料としてオキソニウムイオン(H)が使用され、電解水生成装置7における電気分解処理の際に、OHイオンが発生しない。従って、溶存水素の量を増やすために、高い電流値で電気分解処理を行った場合であっても、処理水のpHが変化しない。
従って、上述のpHの上限値に起因して、処理水の溶存水素濃度が抑制されてしまうという不都合を生じることがなくなり、所望の高い電流値で電気分解処理を行い、処理水の溶存水素濃度を向上させることが可能になる。その結果、必要な溶存水素濃度を有する処理水を得ることが可能になる。
また、固体高分子膜10を用いて水の電気分解処理を行い、電気分解処理の際に、陰極側でOHイオンが生成しないため、逆浸透水の電気伝導度を使用して、逆浸透膜処理装置6における不純物の除去能力の低下(逆浸透膜処理装置6の劣化)を正確に評価することが可能になる。
また、一般に、電気伝導度には地域差が存在し、同じ地域であっても配管によって電気伝導度に差が生じるが、本実施形態における電解槽20は、固体高分子膜10が電解質に相当するため、原水2の電解質量に電気分解量(即ち、溶存水素濃度)が依存しない。従って、本実施形態の透析液調製用水の製造装置1をどのような地域で使用した場合であっても、安定した電気分解を行うことができるため、任意の溶存水素濃度を得ることができる。
また、一般に、電解槽は、90〜100℃の熱水で洗浄を行い、過酢酸、次亜塩素酸等の薬液による殺菌(例えば、生菌やエンドトキシンの除去)処理を行うが、従来の電解槽における隔膜は、その材質により、これらの洗浄や殺菌処理に対する耐久性がない場合があった。一方、本実施形態における電解槽20においては、上記従来の隔膜を使用せず、上記洗浄、及び上記薬液による殺菌処理に対する耐久性を有する固体高分子膜10を使用するため、電解槽20の洗浄、及び殺菌処理を適切に行うことができる。
また、従来の電解水生成装置では、陰極面にカルシウムなどのミネラル分が析出して電解の妨げとなっていた。これに対し、本発明では、逆浸透膜処理装置6により処理された原水に対して、固体高分子膜10を用いた電解水生成装置7により電気分解処理を行うため、ミネラル分が析出することがなく、このようなミネラル分が電解の妨げになることがない。
そして、上述の電気分解処理により生成した処理水(溶存水素水)17は、電解槽本体15の陰極側に形成された送水路18により、電解水生成装置7に接続されたUFモジュール8へと送られる。なお、電気分解処理により、陽極側で発生した溶存酸素水19は、電解槽本体15の陽極側に形成された排水路21により、外部へと排出される。
UFモジュール8は、処理水17中に含まれる菌や微生物を除去する処理を施すためのものである。
UFモジュール8による処理が行われた処理水17は、透析液供給装置25へと供給される。透析液供給装置25では、供給された処理水17と透析原液とを混合した液体(透析液)が調製されるとともに、この透析液が、各患者監視装置(図示せず)へ供給され、患者の血液の浄化が行われる。
また、本実施形態においては、図1に示すように、水量の節約や微生物などに対する清浄度の維持を図るとの観点から、処理水17(即ち、逆浸透膜処理装置6、及び電解水生成装置7による処理が行われた処理水17)が循環するように構成されている。
ここで、上述のごとく、上記従来の製造装置においては、処理水の循環の過程で、物理的な衝撃等に起因して処理水中の溶存水素濃度が減少してしまい、溶存水素濃度を一定に保つことが困難になるという問題があった。
そこで、本実施形態においては、センサーを使用したフィードバック制御を使用して、処理水17において不足した溶存水素を補うように、再度の電気分解を行うことにより、処理水17中の溶存水素濃度を所望の濃度に保つ構成としている。
より具体的には、図1に示すように、本実施形態における透析液調製用水の製造装置1は、処理水17における溶存水素濃度を調整するための溶存水素濃度調整装置30を備えている。
この溶存水素濃度調整装置30は、上述の電解水生成装置7と、電解水生成装置7の入水側(即ち、電解槽20の導入路16)に設けられ、電解水生成装置7に入水する水(即ち、逆浸透膜処理装置6を通過した水)の溶存水素濃度を検知するためのセンサー31と、電解水生成装置7の出水側(即ち、電解槽20の送水路18)に設けられ、電解水生成装置7から出水する水(即ち、電解水生成装置7により生成した水)の溶存水素濃度を検知するためのセンサー32とを備えている。
このセンサー31,32は、溶存水素濃度を検知できるものであれば特に限定されず、例えば、隔膜型ポーラログラフ方式を利用した溶存水素電極(東亜ディーケーケー社製、商品名:溶存水素濃度計DH−35A)を使用することができる。
また、溶存水素濃度調整装置30は、センサー31,32に接続され、電解水生成装置7による電気分解処理の電解電流を決定する電解電流決定手段33と、電解電流決定手段33、及び電解水生成装置7(即ち、電解槽20)に接続され、電解水生成装置7に対して電解電流を供給する電解電流供給手段34と、電解電流決定手段33に接続され、溶存水素濃度の目標値のデータを記憶する記憶手段35とを備えている。
次に、溶存水素濃度調整装置30による溶存水素濃度の調整方法について説明する。図3、図4は、本実施形態に係る溶存水素濃度調整装置による溶存水素濃度の調整方法を説明するためのフローチャートである。
まず、センサー31が、電解水生成装置7に入水する水(即ち、逆浸透膜処理装置6を通過した水)の溶存水素濃度を検知する(ステップS1)。
次に、センサー31により検知された溶存水素濃度のデータが、電解電流決定手段33に送信される(ステップS2)。
次に、電解電流決定手段33が、記憶手段35に記憶された溶存水素濃度の目標値に関するデータを読み出す(ステップS3)。
次に、電解電流決定手段33は、センサー31により検知された溶存水素濃度の値Cと、記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値Cとを比較する。即ち、電解電流決定手段33は、センサー31により検知された溶存水素濃度の値Cがメモリから読み出した溶存水素濃度の目標値Cよりも小さい(即ち、C<C)か否かを判断する(ステップS4)。
そして、電解電流決定手段33は、センサー31により検知された溶存水素濃度の値Cが記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値Cよりも小さい(即ち、C<C)場合、溶存水素濃度が不足(減少)していると判断し、電解水生成装置7に入水する水の溶存水素濃度が目標値Cとなるように、電解水生成装置7による電気分解処理の電解電流を決定する(ステップS5)。そして、電解電流決定手段33は、電解水生成装置7に対して電解電流を供給する電解電流供給手段34へ、決定した電解電流に関する信号を送信する(ステップS6)。
次に、電解電流供給手段34は、入力された信号に基づく電解電流を、電解水生成装置7へ供給し、電解水生成装置7において、電解水生成装置7に入水した水の溶存水素濃度が目標値Cとなるように、電気分解処理が行われる(ステップS7)。
一方、電解電流決定手段33は、センサー31により検知された溶存水素濃度の値Cが記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値C以上(即ち、C≧C)の場合、溶存水素濃度が不足していないと判断する。この場合、上述したステップS5〜ステップS7の処理は行われず、後述するステップS8の処理へ移動する。
以上のように、本実施形態においては、電解電流決定手段33が、センサー31により検知された溶存水素濃度の値Cと記憶手段35に記憶された溶存水素濃度の目標値Cとを比較し、この比較の結果に基づいて、電解電流を決定する構成としている。従って、処理水17の循環の過程で、物理的な衝撃等に起因して処理水17中の溶存水素濃度が減少した場合であっても、センサー31により検知された溶存水素濃度の値Cに基づいて、処理水17において不足した溶存水素を補うように、再度の電気分解処理を行うため、処理水17中の溶存水素濃度を所望の濃度(即ち、目標の濃度)に保つことが可能になる。
次に、センサー32が、電解水生成装置7から出水する水(即ち、電解水生成装置7により生成した水)の溶存水素濃度を検知する(ステップS8)。
次に、センサー32により検知された溶存水素濃度のデータが、電解電流決定手段33に送信される(ステップS9)。
次に、電解電流決定手段33が、記憶手段35に記憶された溶存水素濃度の目標値に関するデータを読み出す(ステップS10)。
次に、電解電流決定手段33は、センサー32により検知された溶存水素濃度の値Cと、記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値Cとを比較する(ステップS11)。即ち、電解電流決定手段33は、センサー32により検知された溶存水素濃度の値Cが記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値Cよりも小さい(即ち、C<C)か否かを判断する(ステップS11)。
そして、電解電流決定手段33は、センサー32により検知された溶存水素濃度の値Cが記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値Cよりも小さい(即ち、C<C)場合、電気分解後の処理水中における溶存水素濃度が不足(減少)していると判断し、循環して、再度、電解水生成装置7に入水する水の溶存水素濃度が目標値Cとなるように、電解水生成装置7による電気分解処理の電解電流を決定する(ステップS12)。そして、電解電流決定手段33は、電解水生成装置7に対して電解電流を供給する電解電流供給手段34へ、決定した電解電流に関する信号を送信する(ステップS13)。
次に、電解電流供給手段34は、入力された信号に基づく電解電流を、電解水生成装置7へ供給し、電解水生成装置において、電解水生成装置7に入水した水の溶存水素濃度が目標値Cとなるように、電気分解処理が行われる(ステップS14)。
一方、電解電流決定手段33は、センサー32により検知された溶存水素濃度の値Cが記憶手段35から読み出した溶存水素濃度の目標値C以上(即ち、C≧C)の場合、溶存水素濃度が不足していないと判断する。
以上のように、本実施形態においては、電解電流決定手段33が、センサー32により検知された溶存水素濃度の値Cと記憶手段35に記憶された溶存水素濃度の目標値Cとを比較し、この比較の結果に基づいて、電解電流を決定する構成としている。従って、例えば、電解水生成装置7における水素の生成能力の低下等に起因して、電気分解処理後の処理水中における溶存水素濃度が減少した場合であっても、センサー32により検知された溶存水素濃度の値Cに基づいて、処理水17において不足した溶存水素を補うように、再度の電気分解を行うため、処理水17中の溶存水素濃度を所望の濃度に保つことが可能になる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
上記実施形態においては、図1に示すように、原水2の流れに対して、逆浸透膜処理装置6の下流側に電解水生成装置7を配置し、逆浸透膜処理装置6を通過した原水に対して、電解水生成装置7により電気分解処理を行う構成としたが、図5に示す透析液調製用水の製造装置40のように、原水2の流れに対して、逆浸透膜処理装置6の上流側に電解水生成装置7を配置し、電解水生成装置7により電気分解処理を行った後、電気分解処理された処理水を逆浸透膜処理装置6に通過させる構成としてもよい。
この場合、図5に示すように、原水2の流れに対して、逆浸透膜処理装置6の上流側に、上述の溶存水素濃度調整装置30が配置される。
このような構成においても、上述の実施形態の場合と同様の効果を得ることができるが、図1に示す透析液調製用水の製造装置1においては、逆浸透膜処理装置6に起因して(例えば、逆浸透膜の目詰まりに起因して)、溶存水素濃度が減少するという不都合を生じることなく、電解水生成装置7により電気分解処理が行われた処理水17を、直接、透析液供給装置25へと供給することができるため、好ましいと言える。
また、上記実施形態においては、溶存水素濃度調整装置30が、2つのセンサー31とセンサー32を備える構成としたが、本発明では、センサー31及びセンサー32の少なくとも一方を備える構成とすることができる。
即ち、図6,図7に示すように、溶存水素濃度調整装置30が、センサー31またはセンサー32のいずれか一方のみを備える構成としても良い。このような構成においても、上述の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
1 透析液調製用水の製造装置
2 原水
3 軟水化装置
4 活性炭処理装置
5 タンク
6 逆浸透膜処理装置
7 電解水生成装置
8 UFモジュール
10 固体高分子膜
11 陽極
12 陰極
13 誘電体層
15 電解槽本体
16 導入路
17 処理水
18 送水路
19 溶存酸素水
20 電解槽
21 排水路
25 透析液供給装置
30 溶存水素濃度調整装置
31 センサー
32 センサー(他のセンサー)
33 電解電流決定手段
34 電解電流供給手段
35 記憶手段
40 透析液調製用水の製造装置
上記目的を達成するために、本発明の透析液調製用水の製造装置は、逆浸透膜処理装置と、逆浸透膜装置に接続され、固体高分子膜を用いて水の電気分解処理を行う電解水生成装置と、電解水生成装置の入水側に設けられ、電解水生成装置に入水する水であって、逆浸透膜処理装置、及び電解水生成装置による処理が行われた処理水の溶存水素濃度を検知するセンサーと、センサーに接続され、電解水生成装置による電気分解処理の電解電流を決定する電解電流決定手段と、電解電流決定手段及び電解水生成装置に接続され、電解水生成装置に対して電解電流を供給する電解電流供給手段と、電解電流決定手段に接続され、溶存水素濃度の目標値のデータを記憶する記憶手段とを備え、電解電流決定手段は、センサーにより検知された溶存水素濃度の値と記憶手段に記憶された溶存水素濃度の目標値とを比較し、比較の結果に基づいて、電解電流を決定し、電解電流供給手段は、電解電流決定手段により決定された電解電流を電解水生成装置に供給することを特徴とする。

Claims (6)

  1. 逆浸透膜処理装置と、
    前記逆浸透膜装置に接続され、固体高分子膜を用いて水の電気分解処理を行う電解水生成装置と、
    前記電解水生成装置の入水側に設けられ、該電解水生成装置に入水する前記水の溶存水素濃度を検知するセンサーと、
    前記センサーに接続され、前記電解水生成装置による電気分解処理の電解電流を決定する電解電流決定手段と、
    前記電解電流決定手段及び前記電解水生成装置に接続され、該電解水生成装置に対して電解電流を供給する電解電流供給手段と、
    前記電解電流決定手段に接続され、溶存水素濃度の目標値のデータを記憶する記憶手段と
    を備え、
    前記電解電流決定手段は、前記センサーにより検知された前記溶存水素濃度の値と前記記憶手段に記憶された溶存水素濃度の目標値とを比較し、該比較の結果に基づいて、前記電解電流を決定し、
    前記電解電流供給手段は、前記電解電流決定手段により決定された前記電解電流を前記電解水生成装置に供給することを特徴とする透析液調製用水の製造装置。
  2. 前記電解電流決定手段は、前記センサーにより検知された溶存水素濃度の値が前記記憶手段に記憶された溶存水素濃度の目標値よりも小さい場合に、前記電解水生成装置に入水する前記水の溶存水素濃度が前記目標値となるように、前記電解電流を決定することを特徴とする請求項1に記載の透析液調製用水の製造装置。
  3. 前記電解水生成装置の出水側に設けられ、該電解水生成装置から出水する前記水の溶存水素濃度を検知するための他のセンサーを更に備え、
    前記電解電流決定手段は、前記他のセンサーにより検知された前記溶存水素濃度の値と前記記憶手段に記憶された溶存水素濃度の目標値とを比較し、該比較の結果に基づいて、前記電解電流を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透析液調製用水の製造装置。
  4. 前記電解電流決定手段は、前記他のセンサーにより検知された溶存水素濃度の値が前記記憶手段に記憶された溶存水素濃度の目標値よりも小さい場合に、前記電解水生成装置に入水する前記水の溶存水素濃度が前記目標値となるように、前記電解電流を決定することを特徴とする請求項3に記載の透析液調製用水の製造装置。
  5. 前記逆浸透膜処理装置を通過した前記水を、前記電解水生成装置により電気分解処理することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の透析液調製用水の製造装置。
  6. 前記電解水生成装置により電気分解処理された前記水を、前記逆浸透膜処理装置に通過させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の透析液調製用水の製造装置。
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