JP6211152B1 - 電解水生成装置、及び水素発生装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、原水を電解処理することで水素を生成する際に無駄水を実質的に生じさせることのない水素発生装置を提供することを目的とする。
前記所定の力が適切に設定されると、陽極板及び隔膜の間隙に対し、電解処理による原水の消費量に見合った適量の原水を、無駄水を生じさせることなく導入することができる。
まず、本発明の実施形態に係る電解水生成装置11について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電解水生成装置の主要部である電解槽の縦断面図である。図2は、図1に示す電解槽のうち、陽極板、隔膜、押し付け部材、陰極板のサイズに係る相互関係を表す概念図である。図3は、図1に示す電解槽の主要部を表す拡大図である。
貫通孔21bが開設される陽極板21の領域は、主として陰極板23と対面する領域である。陽極板21の電解処理では、陰極板23と対面する陽極板21の領域において酸素ガスが発生するからである。副室33を臨む陽極板21の領域には貫通孔21bを開設しない。副室33の原水が陽極板21の貫通孔21bを通して漏れるのを防ぐためである。
陽極板21は、配線(不図示)を通じて直流電源15に接続されている。陽極板21は、電解槽13を用いた電解処理において陽極として用いられる。
陰極板23は、配線(不図示)を通じて直流電源15に接続されている。陰極板23は、電解槽13を用いた電解処理において陰極として用いられる。
なお、陽極板側筐体27a及び陰極板側筐体27bを区別して言及することを要しない場合には、これらを「筐体27」と総称する(以下、同様。)
具体的には、陽極板側筐体27a及び陰極板側筐体27bの間は、押し付け部材29を電解槽13の内部空間に位置させた状態で、ねじやクランプ部材等の締結部材によって締め付けられる。この締め付け力が、本発明の「所定の力」(押し付け力)を生み出すことになる。陽極板21に隔膜25を押し付ける押し付け部材29による押し付け力は、押し付け部材29の幅寸法(図1の紙面左右方向の寸法)を変更することで適宜調整すればよい。前記の押し付け力は、陽極板21及び隔膜25の間隙22への原水の導入が過剰に妨げられることのないこと、陽極板21及び隔膜25の間隙22への原水の導入量が過剰にならないこと等を考慮して、実験やシュミレーションによって適宜の値に設定される。
また、押し付け部材29は、電解槽13の内部空間を、陰極室24及び副室31に仕切る機能を有する。この仕切る機能について、詳しくは後記する。
前記の要件を考慮すると、筐体27、及び、押し付け部材29としては、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリアミド等のエンジニアリングプラスチック、ABS樹脂、硬質塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等の樹脂素材を適宜採用すればよい。
ただし、筐体27、及び、押し付け部材29の樹脂素材は、相互に異なるものであってもよい。実際には、押し付け部材29の樹脂素材は、割れや欠けを防ぐために、筐体27の樹脂素材と比べて、より柔軟性を有する方が好ましい。
なお、正面視での筐体27の外形寸法は、図2に示すように、正面視での陽極板21、隔膜25、押し付け部材29、及び陰極板23の外径寸法と比べて大きく形成されている。
次に、電解槽13での電解処理反応について説明する。
陽極板21では、陽極板21及び隔膜25間に導入された原水の電解処理が行われる。陽極板21における原水の電解処理反応式を次に示す。
2H2O→O2+4H++4e- (式1)
2H2O+2e-→H2+2OH- (式2)
ちなみに、通常の電解水生成装置では、電解水(陰極水)の液性は、原水の液性と比べて(水酸化物イオンの豊富化により)アルカリ性の側へ傾いたものとなる。
次に、本発明の実施形態に係る電解水生成装置11の動作について説明する。図1に示す実線矢印は、電解槽11内での水の流れを表している。
電解水生成処理が開始されると、制御装置17の指令に従う給水用電磁弁(不図示)及び送水ポンプ(不図示)の少なくとも一方(両者を含む)の動作によって、電解槽13の陰極室24及び副室33のそれぞれに原水が供給される。
なお、副室33において、陽極板21及び隔膜25の間隙22に導かれる原水の電解処理による消費量(電解処理で陽極板21に供給した電気量に相関する。)は、さほど多くない。そのため、副室33への原水の単位時間あたりの供給量は、副室33を常時原水で満たすことを考慮して、適宜の値を設定すればよい。
次に、本発明の実施形態に係る水素発生装置111について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施形態に係る水素発生装置の主要部である電解槽の縦断面図である。図4に示す実線矢印は、電解槽11内での水の流れを表す一方、同図の点線矢印は、電解槽11内での水素ガスの流れを表している。
そこで、共通の部材間には共通の符号を付し、その説明を省略すると共に、前者と後者間で相違する構成部材について説明することで、本発明の実施形態に係る水素発生装置111の説明に代えることとする。
陰極室124及び隔膜25の間隙122(図4参照)への原水の導入経路は、陽極板21及び隔膜25の間隙22への原水の導入経路とは異なる。
陰極室124及び隔膜25の間隙122への原水の導入経路は、電解処理の過程で生じた水である。電解処理の過程で生じた水とは、陽極板21における原水の電解処理によって生じ、隔膜25を透過して陰極室124の側へ移動した水素イオンが、陰極板123における原水の電解処理によって生じた水酸化物イオンと反応して生じた水である。
次に、本発明の実施形態に係る水素発生装置111の動作について説明する。
水素発生処理が開始されると、制御装置17の指令に従う給水用電磁弁及び送水ポンプの少なくとも一方(両者を含む)の動作によって、電解槽13の副室33に原水が供給される。
以上説明した実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
副室33に貯留された原水では、電解処理反応による水質の変化が起こらない(例えば、pHの変化、電解質の量的変化が起こらない)。このため、仮に、副室33に貯留された原水が、陰極室24から吐出した電解水と合流・混合しても、電解水の水質にほとんど影響を与えない。
本発明に係る電解水生成装置11においても、従来の電解水生成装置と同様に、適宜のタイミングで逆洗電解処理が行われる。
13 電解槽
15 直流電源(電源)
21 陽極板
21a 陽極板の周縁部
21b 陽極板の貫通孔
22 陽極板及び隔膜の間隙
23 陰極板
24 陰極室
25 隔膜
25a 隔膜の周縁部
27a 陽極板側筐体(筐体)
27b 陰極板側筐体(筐体)
27a1 収容凹部(支持部)
27b1 収容凹部(支持部)
29 押し付け部材
33 副室
111 水素発生装置
113 電解槽
123 陰極板
123a 陰極板の貫通孔
124 陰極室
Claims (3)
- 直流電源に接続された陽極板及び陰極板と、前記陽極板及び前記陰極板の間に、当該陽極板に当接させて設けた隔膜とを備え、前記陰極板が存する陰極室を流通する原水を電解処理することで当該陰極板で生じた水素ガスを含有する電解水を生成する電解水生成装置であって、
前記陽極板、陰極板、及び隔膜を所定の位置に保持するための筐体と、
前記隔膜の周縁部を前記陽極板に所定の力で押し付けるための押し付け部材と、を備え、
前記隔膜に当接する前記陽極板の背面側は大気に開放されており、
前記筐体は、前記陽極板の周縁部を支持する支持部を有し、
前記隔膜は原水の透過を妨げる機能を有し、
前記隔膜の周縁部は、前記支持部及び前記押し付け部材の間に位置しており、
前記筐体には、前記隔膜の周縁部を介して前記陽極板及び前記隔膜の間隙に原水を導くための副室が、前記隔膜の周縁部を臨むように備わっており、
前記副室から前記陽極板及び前記隔膜の間隙への原水の導入は、前記隔膜の周縁部を介して行われる
ことを特徴とする電解水生成装置。 - 請求項1に記載の電解水生成装置であって、
前記陽極板には、前記隔膜との間隙に原水の電解処理により当該陽極板で生じた酸素を放出するための孔があけられており、
陽イオン交換膜である前記隔膜の外形寸法は、前記陽極板の外形寸法と比べて小さく形成され、
前記陰極板の外形寸法は、前記隔膜の外形寸法と比べて小さく形成されている
ことを特徴とする電解水生成装置。 - 直流電源に接続された陽極板及び陰極板の間に、当該陽極板及び当該陰極板に当接させて隔膜を設け、当該陽極板及び当該隔膜の間隙に導かれた原水を電解処理することで前記陰極板が存する陰極室に水素を発生させる水素発生装置であって、
前記陽極板、陰極板、及び隔膜を所定の位置に保持するための筐体と、
前記隔膜の周縁部を前記陽極板に所定の力で押し付けるための押し付け部材と、を備え、
前記隔膜に当接する前記陽極板の背面側は大気に開放されており、
前記筐体は、前記陽極板の周縁部を支持する支持部を有し、
前記隔膜は、原水の透過を妨げる機能を有する陽イオン交換膜からなり、
前記陽極板には、前記隔膜に導かれた原水の電解処理により当該陽極板で生じた酸素を放出するための孔があけられており、
前記陰極板には、前記隔膜に導かれた原水の電解処理により当該陰極板で生じた水素を放出するための孔があけられており、
前記隔膜の周縁部は、前記支持部及び前記押し付け部材の間に位置しており、
前記筐体には、前記隔膜の周縁部を介して前記陽極板及び前記隔膜の間隙に原水を導くための副室が、前記隔膜の周縁部を臨むように備わっており、
前記副室から前記陽極板及び前記隔膜の間隙への原水の導入は、前記隔膜の周縁部を介して行われる
ことを特徴とする水素発生装置。
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