JP4037746B2 - 整水器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水を浄化する浄水部と、水を電気分解してアルカリ性のイオン水と酸性のイオン水とを生成するイオン水生成部とを備える整水器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、後述する特許文献1に開示された従来の整水器の構造を示す模式図であり、図中、210は浄水部である。浄水部210は、円柱殻状の筐体内に活性炭及び/又は中空糸膜を充填した浄化流路を形成してなり、この筐体の底部に前記流路の入水口及び出水口が設けてあり、この入水口に、外部から水道水を入水する入水管255が、また前記出水口に、浄水器210で浄化された浄水を出水する出水管256が連結してある。
【0003】
出水管256の中途部分にはU字状管257が連結してあり、該U字状管257にはカルシウム製剤を充填してなるカルシウム添加用容器220が介装してある。浄水部210から出水管256へ出水された浄水の一部は、U字状管257内へ導かれ、カルシウム添加用容器220内を通過する間にカルシウムが添加された後、出水管256へ還流する。
【0004】
浄水部210の下流側には、水を電気分解してイオン水を生成するイオン水生成部230が配設してある。イオン水生成部230は、直方体状の筐体内を透水性を有する隔膜233によって第1槽231及び第2槽232に縦分割してあり、第1槽231及び第2槽232には電極234,235が内装してある。第1槽231内の電極234には負電圧が、第2層232内の電極には正電圧が印加されるようになっており、両電極234,235への印加によってイオン水生成部230内の水を電気分解して、第1槽231にアルカリ性のイオン水を、第2槽232に酸性のイオン水を生成する。
【0005】
イオン水生成部230の底部及び頭部には、第1槽231及び第2槽232に各別に連通する一対の入水口及び一対の出水口が設けてある。前述した出水管256の先端部分は2枝に分岐しており、一方は第1槽231に連通する入水口に、他方は第2槽232に連通する入水口に連結してある。
【0006】
イオン水生成部230の第1槽231に連通する出水口には、生成されたイオン水を取水する取水管260が連結してあり、イオン水生成部230の第2槽232に連通する出水口には、生成されたイオン水を排水する排水管290が連結してある。この取水管260と排水管290との間はバイパス管270によって連通させてあり、該バイパス管270の中途にはバイパス管270内の流路を開閉する電磁弁271が介装してある。また、前記排水管290のバイパス管270の連結部分より下流位置に、所定圧以上の水圧によって開く排水用弁291が介装してある。
【0007】
このような整水器において浄水だけを得るには、図示しない制御パネルに配した浄水モードボタンを「入り」にすることによって、電極234,235への電圧の印加を停止した状態で電磁弁271を開にさせ、水道水を入水管255から浄水部210へ供給する。電磁弁271が開のときは、第2槽232に連通する排水管290内へ流入した水はバイパス管270内へ導入されるため、排水用弁291にかかる水圧は電磁弁271が閉のときより低く、排水用弁291は閉状態である。従って、浄水部210から出水され、イオン水生成部230に導入された浄水は、第1槽231を通過して取水管260へ、また第2槽232を通過した後にバイパス管270を経て取水管260へ導入される。これによって、排水として無駄な水を生じることなく浄水を使用することができる。
【0008】
一方、かかる整水器おいてイオン水を得るには、前記制御パネルに配したイオン水モードボタンを「入り」にすることによって、電極234,235に電圧を印加した状態で電磁弁271を閉にさせ、水道水を入水管255から浄水部210へ供給する。電磁弁271が閉のときは、第2槽232に連通する排水管290内へ流入した水はバイパス管270内へ導入されないため、排水用弁291には所定圧以上の水圧がかかり、排水用弁291は開状態である。従って、浄水部210から出水され、イオン水生成部230に導入された浄水は、第1槽231を通過して取水管260へ、また第2槽232を通過して排水管290へ導入される。そして、取水管260から吐出されるイオン水を使用する。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−103784号公報(図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の整水器にあっては、排水管290に導入されるイオン水は、廃棄されるにも拘わらず、浄水部210によって浄化された水が用いられているため、浄水部210の利用効率が低く、浄水部210の寿命中に利用され得るイオン水の総容量が少ないという問題があった。
【0011】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、排水として無駄な水を生じることなく浄水機能のみを作動させることができ、かつ、浄水部の利用効率を向上させることができる整水器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、導入された水を浄化して浄水を生成する浄水部と、水が通流される第1槽及び第2槽を内蔵し、両槽内に通電してイオン水を生成するイオン水生成部と、前記第1槽内へ水を導入し、該第1槽から取水する第1水路と、前記第2槽内へ水を導入し、該第2槽から排水する第2水路とを備える整水器において、前記第1水路には、前記浄水部によって浄化された水が流入されるようにしてあり、前記第2水路には、外部から導入された水が直接的に又は前記浄水部によって一部浄化された後に流入するようにしてあり、前記第2水路上に当該第2水路を開閉する開閉弁が配設してあり、該開閉弁は、前記両槽内に通電しない場合は閉動作し、両槽内に通電する場合は開動作するようにしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の本発明は、前記浄水部内には水を浄化する流路とは異なる他の流路が設けてあり、該他の流路は前記第2水路に接続してあることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の本発明は、前記第2水路に、該第2水路を通流する水の量を制限する流量制限手段が設けてあることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の本発明は、前記他の流路に、該他の流路内を通流する水の量を制限する流量制限手段が設けてあることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、水が通流される第1槽及び第2槽を内蔵し、両槽内に通電してイオン水を生成するイオン水生成部の前記第1槽内へ水を導入し、該第1槽から取水する第1水路には、浄水部によって浄化された水が流入されるようにしてある。従って、イオン水生成部の第1槽を通過して第1水路から取水され、ユーザによって使用される水は、全て浄水である。
【0017】
一方、イオン水生成部の第2槽には第2水路によって、外部から導入された水が直接的に通流される。この第2水路上に当該第2水路を開閉する開閉弁が配設してあり、開閉弁は、第1槽及び第2槽内に通電しない場合は閉動作し、両槽内に通電する場合は開動作する。従って、第1槽及び第2槽内に通電せずに、第1水路から浄水のみを取水する場合、開閉弁が閉じているため、第2水路から排水されないため、無駄な水が発生しない。
【0018】
また、第1槽及び第2槽内に通電して、第1流路からイオン水を取水する場合、開閉弁が開いて第2槽内へ、外部から導入された水が通流される。この水は第2槽内で電気分解された後、第2水路によって排水される。このように、イオン水を生成する際に、浄水部によって浄化された浄水は廃棄されないため、浄水部の利用効率が向上する。
【0019】
一方、第2水路には、浄水部によって一部浄化された後に流入するようにしてもよい。この場合、浄水部は一体型とすることもでき、分離型とすることもできるが、好ましくは、目詰まりが生じ難いプレフィルタの部分を通過した一部浄化水が第2水路に流入するようにする。これによって、浄水部の寿命にさほど影響を及ぼすことなく、第2水槽への汚れの付着を防止することができる。
【0020】
また、本発明では、浄水部内には水を浄化する流路とは異なる他の流路が設けてあり、この他の流路を通過した水が前記第2水路に流入される。これによって、整水器の内部配管を簡素化することができ、整水器の製造コストを低減することができる。
【0021】
更に、本発明では、流量制限手段によって第2水路を通流する水の量を制限する。これによって、第2水路から廃棄される排水量を少なくすることができる。
【0022】
また、前述した浄水部の他の流路に設けた流量制限手段によって、他の流路を通流する水の量を制限する。これによって、前同様、第2水路から廃棄される排水量を少なくすることができ、外部から導入される水の利用効率が向上する。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の内容を図面に基づいて詳述する。
(実施例1)
図1は、実施例1に係る整水器を示す一部分離斜視図であり、正面側のケーシングを分離した状態を示している。また、図2は図1に示した整水器の要部構成を示すブロック図である。整水器は、図示しない正面側のケーシングを、背面側のケーシング2に嵌合・螺子止めすることによって形成される直方体状の筐体1を備えている。筐体1内の一側面近傍には、有底円筒状の保持部10が設けてあり、該保持部10内には、活性炭及び/又は中空糸膜等を充填した円柱状の浄水カートリッジ11が着脱自在に装嵌固定してある。保持部10の底部には、浄水カートリッジ11へ水を導入する入水口10a及び浄水カートリッジ11によって浄化された浄水を出水する出水口10bが位置を異ならせて配設してある。
【0024】
保持部10の近傍には、水を電気分解してアルカリ性のイオン水及び酸性のイオン水を生成する長方形厚板状のイオン水生成部30が配設してある。イオン水生成部30には、イオン透過性を有する隔膜33によって内部を縦分割することによって第1槽31及び第2槽32が設けてあり、両槽31,32内には電極がそれぞれ装設してある。イオン水生成部30の底部には、第1槽31及び第2槽32に各別に連通した入水口30a,30cが設けてあり、イオン水生成部30の頭部には、第1槽31に連通した取水口30b、第2槽32に連通した排水口30dがそれぞれ設けてある。
【0025】
筐体1の底部には、水道水を内部へ導入するための導入口3及び筐体1外へ排水を導出させる導出口4が、該底部を貫通する様態で設けてあり、導入口3には導水管5が接続してある。導水管5は中途より2枝に分岐しており、その一方である第1導水管6は、前述した保持部10の入水口10aに接続してある。2枝に分岐した内の他方である第2導水管7は、前述したイオン水生成部30の第2槽32に連通する入水口30cに接続してあり、第2導水管7の中途には、該第2導水管7内の流路を開閉する電磁弁9及びカルシウム剤を充填してなるカルシウムケース20がこの順に介装してある。従って、第2槽32には、浄水カートリッジ11を経ることなく直接、水道水が導入され得るようになっている。
【0026】
一方、保持部10の出水口10bと前述したイオン水生成部30の第1槽31に連通する入水口30aとの間は連結管8によって連結してあり、浄水カートリッジ11によって浄化生成された浄水が第1槽31に導入される。イオン水生成部30の第1槽31に連通する取水口30bには取水管23の一端が接続してあり、取水管23の他端は、筐体1の天井部分を貫通する様態で設けてなるコネクタ25に接続してある。そして、コネクタ25に接続した蛇口等からユーザに取水されるようになっている。
【0027】
イオン水生成部30の第2槽32に連通する排水口30dには、排水管24の一端が接続してあり、該排水管24の他端は導出口4に接続してある。そして、イオン水生成部30の第2槽32を通過した水は、排水管24を通って導出口4から筐体1の外へ廃棄される。
【0028】
このような整水器において浄水だけを得るには、正面ケーシングの制御パネルに配した浄水モードボタンを「入り」にすることによって、イオン水生成部30の第1槽31及び第2槽32内に装設した電極への通電を停止した状態で、第2導水管7に介装した電磁弁9を閉にさせ、水道水を第1導水管6から浄水カートリッジ11へ供給する。浄水カートリッジ11によって浄化生成された浄水は連結管8からイオン水生成部30の第1槽31を通過し、取水管23、及びコネクタ25を経て取水される。これによって、排水として無駄な水を生じることなく浄水を使用することができる。
【0029】
一方、かかる整水器おいてイオン水を得るには、前記制御パネルに配したイオン水モードボタンを「入り」にすることによって、イオン水生成部30内の第1槽31及び第2槽32の両電極へ通電すると共に、電磁弁9を開にさせて、水道水を第2導水管7からイオン水生成部30の第2槽32内へ供給する。このとき、イオン水生成部30の第1槽31にも、第1導水管6から浄水カートリッジ11を経た浄水が供給され、前記両電極への通電による電気分解によって第1槽31にアルカリ性のイオン水が、第2槽32に酸性のイオン水が生成される。この第1槽31に生成されたアルカリ性のイオン水が取水管23及びコネクタ25を経て取水され、ユーザに主に飲用又は料理用等として使用される。
【0030】
なお、イオン水生成部30の第1槽31及び第2槽32内に配設した電極には前述した極性とは逆の極性の電圧を印加可能になっており、これによって、酸性のイオン水を取水管23から取水することもできる。
【0031】
従って、水道水を浄化して得た浄水から生成されたイオン水はユーザに使用され、水道水から直接的に生成されたイオン水は廃棄される。これによって、浄水のみを得る場合は、排水として無駄な水を生じることなく浄水カートリッジ11を使用することができ、イオン水を生成する場合は、ユーザが使用するイオン水のみを浄水から生成するため、浄水カートリッジ11の利用効率が略2倍に向上し、浄水カートリッジ11の寿命も従来に比べて略2倍長い。
【0032】
一方、電磁弁9はイオン水生成部30の入側に配置してあるため、電磁弁9の閉動作中、第1槽31から隔膜33を通して第2槽32内へ僅かに漏れでる浄水により第2槽32内にも僅かな水流が生じ、長期間、浄水モードで運転した場合であっても、水の劣化によって第2槽32内に汚れが発生することが防止される。
【0033】
また、第2導水管7の中途にカルシウムケース20が介装してあるので、イオン水モードではカルシウムケース20内のカルシウム剤が利用され、浄水モードではカルシウム剤は利用されない。このように、カルシウムの添加が必要な場合だけ、カルシウムケース20内のカルシウム剤が利用されるようになっているため、カルシウム剤の利用効率が高い。
【0034】
なお、本実施例では、第2導水管7、即ちイオン水生成部30の入側に電磁弁9を配設してあるが、本発明はこれに限らず、イオン水生成部30の出側に電磁弁9を配設してもよいことはいうまでもない。
【0035】
(実施例2)
図3は、実施例2に係る整水器の要部構成を示すブロック図であり排水管24から廃棄される水量を可及的に少なくしてある。なお、図中、図1及び図2に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。本整水器にあっては、実施例1に示した整水器の構成と同様、水道水が導入される第1導水管6は浄水カートリッジ11に接続してあり、浄水カートリッジ11とイオン水生成部30の第1槽31との間は連結管8によって連結してある。また、水道水が導入される第2導水管7はイオン水生成部30の第2槽32に接続してあり、第2導水管7の中途に、電磁弁9及びカルシウムケース20が介装してある。
【0036】
本実施例に係る整水器にあっては、前記第2導水管7に流量制限部40が介装してあり、該流量制限部40にて第2導水管7の中を通流する水の量を制限するようにしてある。第2導水管7に流量制限部40を介装させていない場合、カルシウムケース20内を水が通過する際の抵抗より、浄水カートリッジ11内を水が通過する際の抵抗の方が大きいため、イオン水生成部30の第2槽32に導入される水量の方が、第1槽31に導入される水量より大きくなる傾向があり、従って、第2槽32に連結した排水管24から廃棄される排水の量が多くなる。しかしながら、前述した如く、流量制限部40にて第2導水管7の中を通流する水の量を制限することによって、例えば、取水管23へ供給される水の流量を3にするのに対し、排水管24へ供給される水の流量を1にする。これによって、整水器をイオン水モードで運転中に、排水管24から廃棄される排水量を少なくすることができる。
【0037】
一方、電磁弁9はイオン水生成部30の入側に配置してあるため、前同様、長期間、浄水モードで運転した場合であっても、水の劣化によって第2槽3 2内に汚れが発生することが防止される。また、第2導水管7の中途にカルシウムケース20が介装してあるので、カルシウムの添加が必要な場合だけ、カルシウムケース20内のカルシウム剤が利用され、カルシウム剤の利用効率が高い。
【0038】
この流量制限部40は、第2導水管7の中を通流する水の流量を制限する機能を有すればよいが、例えば、第2導水管7の一部を狭窄した狭窄部を設けて、その内径を他の部分の内径より小さくしてもよい。また、糸又は不織布等を充填した筒体を第2導水管7に介装してもよい。また、第2導水管7に介装した電磁弁9を流量制限部として機能させてもよい。この場合、電磁弁9の開閉動作を制御する制御部は、浄水モードのとき電磁弁9を閉にし、イオン水モードのとき電磁弁9を全開の開口度より小さい所定開口度で開にする。
【0039】
(実施例3)
図4は、実施例3に係る整水器の要部構成を示すブロック図であり、実施例1で説明した整水器と同様、第2導水管7に、そこを通流する水道水へカルシウムイオンを添加する機能と共に、第2導水管7の流量を制限する機能を果たすカルシウムケース21が介装してある。なお、図中、図2に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。図4に示した如く、電磁弁9は排水管24に介装してあり、電磁弁9は、前同様、浄水モードでは閉動作し、イオン水モードでは開動作するようにしてある。
【0040】
第2導水管7には、カルシウム剤を充填したカルシウムケース21が介装してあり、イオン水モードで運転中、水道水がカルシウムケース21内を通過する際に、水道水中にカルシウムイオンが添加されると共に、カルシウムケース21内の流水に対する抵抗によって、第2導水管7を通流する水道水の流量が制限される。このような流量を制限する機能は、カルシウムケース21の入水口又は出水口の内径と第2導水管7の内径との差による抵抗、充填用のカルシウム剤を保持するネットによる抵抗、及び充填用のカルシウム剤による抵抗で発揮される。なお、所要の流量に制限すべく、カルシウムケース21の入水口又は出水口の内径、前記ネットの孔径、充填するカルシウム剤の粒形等を適宜に調整したカルシウムケース21を用いてもよい。
【0041】
これによって、整水器をイオン水モードで運転中に、排水管24から廃棄される排水量を少なくすることができると共に、第2導水管7の配管が複雑化することが防止される。また、第2導水管7の中途にカルシウムケース21が介装してあるので、カルシウムの添加が必要な場合だけ、カルシウムケース21内のカルシウム剤が利用され、カルシウム剤の利用効率が高い。
【0042】
(実施例4)
図5は実施例4に係る整水器の要部構成を示すブロック図であり、前述した第1導水管及び第2導水管並びに流量制限部の機能を浄水カートリッジ12内に設けてある。なお、図中、図3に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0043】
図5に示した如く、浄水カートリッジ12には導水管5から水道水が導入されるようになっている。浄水カートリッジ12の内部には、内部へ導入された水を各別に通流させる第1流路121及び第2流路122が設けてある。第1流路121上には、活性炭及び/又は中空糸膜等によって形成した浄水部13が配置してあり、第1流路121に導かれた水道水は浄水部13を通過する間に浄化されて浄水になる。一方、第2流路122上には、糸又は不織布等によって形成した流量制限部14が配置してあり、第2流路122に導かれた水道水はその流量が制限される。
【0044】
浄水カートリッジ12の底部には、2つの出水口が設けてあり、一方の出水口には第1流路121が、他方の出水口には第2流路122が接続してある。そして、一方の出水口とイオン水生成部30の第1槽31の入水口30aとの間は連結管8aによって、また他方の出水口とイオン水生成部30の第2槽32の入水口30cとの間は連結管8bによってそれぞれ連結してある。第2槽32に接続した排水管24の中途に電磁弁9が介装してあり、電磁弁9は、浄水モードでは閉され、イオン水モードでは開されるようになっている。
【0045】
これによって、前同様、浄水のみを得る場合は、排水として無駄な水を生じることなく浄水カートリッジ11を使用することができ、イオン水を生成する場合は、ユーザが使用するイオン水のみを浄水から生成することができると共に、整水器をイオン水モードで運転中に、排水管24から廃棄される排水量を少なくすることができる。更に、前述した第1導水管及び第2導水管並びに流量制限部の機能を浄水カートリッジ12内に設けてあるため、整水器内部の配管を単純化することができる。
【0046】
なお、本実施例では、第2流路122上に流量制限部14が配置してある場合に付いて説明したが、本発明はこれに限らず、第2流路122上に流量制限部14を配していなくてもよい。この場合、整水器をイオン水モードで運転中に、排水管24から廃棄される排水量を少なくすることができるという効果を得るために、連結管8b又は排水管24に前述した流量制限部を配設してもよく、また、前述した如く電磁弁9を流量制限部として機能させてもよい。
【0047】
(実施例5)
図6は、実施例5に係る整水器の要部構成を示すブロック図であり、イオン水生成部30の第2槽32に、水道水を前処理して得られる水を導入するようにしてある。なお、図中、図2に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してその説明を省略する。
【0048】
図6に示した如く、浄水カートリッジ15の内部には、活性炭又は中空糸膜等を充填してなる第1処理部151と、中空糸膜又は活性炭等を充填してなる第2処理部152とが設けてあり、導水管5から浄水カートリッジ15内へ導入された水道水は、第1処理部151及びこれに続いて第2処理部152を通過する間に浄化され、得られた浄水は連結管8aを経てイオン水生成部30の第1槽31内へ導入される。
【0049】
ところで、浄水カートリッジ15には、第1処理部151で処理されて得られる水の一部を外部へ取り出す取出口15aが設けてある。この取出口15aとイオン水生成部30の第2槽32との間は連結管8bによって連結してあり、この連結管8bの中途に電磁弁9が介装してある。そして、浄水モードでは電磁弁9が閉されるため、第1処理部151で処理されて得られた水は全て第2処理部152へ導入され、得られた浄水は、連結管8a及び第1槽31を経て取水管23から取水される。一方、イオン水モードでは、第1処理部151で処理されて得られた水の大部分は第2処理部152へ導入され、前同様、浄水となってイオン水生成部30の第1槽31へ導入される。また、第1処理部151で一部処理されて得られた水の残余は前記取出口15aから取り出され、連結管8bを経てイオン水生成部30の第2槽32へ導入される。
【0050】
これによって、前同様、浄水のみを得る場合は、排水として無駄な水を生じることなく浄水カートリッジ15を使用することができ、イオン水を生成する場合は、ユーザが使用するイオン水のみを浄水から生成することができる。また、第1処理部151で一部処理されて得られた水が、イオン水生成部30の第2槽32に導入されるため、イオン水生成部30の内部における汚れの発生を抑制することができる。
【0051】
一方、電磁弁9はイオン水生成部30の入側に配置してあるため、長期間、浄水モードで運転した場合であっても、水の劣化によって第2槽32内に汚れが発生することが防止される。
【0052】
なお、本実施例では、浄水カートリッジ15の内部に第1処理部151と第2処理部152とを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第1処理部と第2処理部とを分離して配設してもよいことはいうまでもない。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、イオン水生成部の第1槽内へ水を導入し、第1槽から取水する第1水路には、浄水部によって浄化された水が流入されるようにしてあり、第2槽内へ水を導入し、該第2槽から排水する前記第2水路には、外部から導入された水が直接的に又は前記浄水部によって一部浄化された後に流入するようにしてあり、第2水路上に当該第2水路を開閉する開閉弁が配設してあり、該開閉弁は、前記両槽内に通電しない場合は閉動作し、両槽内に通電する場合は開動作するようにしてあるため、第1槽及び第2槽内に通電せずに、第1水路から浄水のみを取水する場合、第2水路から排水されないので、無駄な水が発生しない。また、第1槽及び第2槽内に通電して、第1水路からイオン水を取水する場合、浄水部によって浄化された浄水は廃棄されないため、浄水部の利用効率が向上する。
【0054】
一方、一部浄化水が第2水路に流入するようにしてあるため、浄水部の寿命にさほど影響を及ぼすことなく、第2水槽への汚れの付着を防止することができる。
【0055】
請求項2記載の本発明によれば、浄水部内には水を浄化する流路とは異なる他の流路が設けてあり、該他の流路は前記第2水路に接続してあるため、整水器の内部配管を簡素化することができ、整水器の製造コストを低減することができる。
【0056】
請求項3記載の本発明によれば、第2水路に、そこを通流する水の量を制限する流量制限手段が設けてあるため、第2水路から廃棄される排水量を少なくすることができ、外部から導入される水の利用効率が向上する。
【0057】
請求項4記載の本発明によれば、前述した浄水部の他の流路に設けた流量制限手段によって、他の流路を通流する水の量を制限するため、前同様、第2水路から廃棄される排水量を少なくすることができ、外部から導入される水の利用効率が向上する等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る整水器を示す一部分離斜視図である。
【図2】図1に示した整水器の要部構成を示すブロック図である。
【図3】実施例2に係る整水器の要部構成を示すブロック図である。
【図4】実施例3に係る整水器の要部構成を示すブロック図である。
【図5】実施例4に係る整水器の要部構成を示すブロック図である。
【図6】実施例5に係る整水器の要部構成を示すブロック図である。
【図7】従来の整水器の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 筐体
3 導入口
4 導出口
5 導水管
6 第1導水管
7 第2導水管
8 連結管
9 電磁弁
10 保持部
11 浄水カートリッジ
20 カルシウムケース
23 取水管
24 排水管
30 イオン水生成部
31 第1槽
32 第2槽
33 隔膜
Claims (4)
- 導入された水を浄化して浄水を生成する浄水部と、水が通流される第1槽及び第2槽を内蔵し、両槽内に通電してイオン水を生成するイオン水生成部と、前記第1槽内へ水を導入し、該第1槽から取水する第1水路と、前記第2槽内へ水を導入し、該第2槽から排水する第2水路とを備える整水器において、
前記第1水路には、前記浄水部によって浄化された水が流入されるようにしてあり、前記第2水路には、外部から導入された水が直接的に又は前記浄水部によって一部浄化された後に流入するようにしてあり、前記第2水路上に当該第2水路を開閉する開閉弁が配設してあり、該開閉弁は、前記両槽内に通電しない場合は閉動作し、両槽内に通電する場合は開動作するようにしてあることを特徴とする整水器。 - 前記浄水部内には水を浄化する流路とは異なる他の流路が設けてあり、該他の流路は前記第2水路に接続してある請求項1記載の整水器。
- 前記第2水路に、該第2水路内を通流する水の量を制限する流量制限手段が設けてある請求項1又は2記載の整水器。
- 前記他の流路に、該他の流路内を通流する水の量を制限する流量制限手段が設けてある請求項2記載の整水器。
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