JP3611848B1 - アルカリイオン整水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吐水させるアルカリイオン水の整水濃度を著しく低下させることなく、酸性イオン水の排出量を低減させることができるアルカリイオン整水器を提供する。
【解決手段】 電解槽12を二段以上の多段にし、第1段電解槽12には水道水供給路11aから直接水道水を供給するようにすると共に第2段以降の後段電解槽120には、その前段の電解槽12が生成した酸性イオン水を供給するようにし、各段の電解槽12、120で生成されたアルカリイオン水を吐水路11bから吐水するようにすると共に、最も後段の電解槽120で生成された酸性イオン水を前記排出口130から排出するようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水道から供給される水道水を電離してアルカリイオン水及び酸性イオン水を供給可能なアルカリイオン整水器に関し、特に、電解槽内にイオン交換膜等を介在させてアルカリイオン水と酸性イオン水とを分離生成するタイプのアルカリイオン整水器に関する。
水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成するアルカリイオン整水器としては、正負の電極間にイオン交換膜を介在させ、水の電気分解作用を利用して、アルカリイオン水と酸性イオン水とに分離生成するものがある。また、このようなアルカリイオン整水器としては、水道のカラン(蛇口)から取水し、専用吐水口からアルカリイオン水、酸性イオン水を吐水する、シンク上へ本体を設置するタイプのものがある。また、アンダーシンク内へ本体を設置する、いわゆるビルトインタイプのものがあるが、これは取水及び吐水を行う専用のカランを有し、水道のカランとは別の専用吐水口からアルカリイオン水を吐水するものである。
このビルトインタイプのアルカリイオン整水器(例えば、特許文献1参照)は、利用者がアルカリイオン整水器へ接続された原水管の水栓を開くことによって原水管から水道水が通水されて電解槽に供給され、この電解槽でアルカリ水と酸性水とが生成される。そして、電解槽で生成されたアルカリ水が吐水管を経て吐水されると共に、酸性水が酸性水吐水管を経て排水される。また、利用者が水栓を閉じることによって原水管からの通水が停止されることによってアルカリ水の吐水が停止する。
このようなアルカリイオン整水器では、アルカリ水の吐水を停止した際、酸性水が排水される酸性水排出管は大気開放されているため、電解槽内のアルカリ水側と酸性水側とで水圧差が生じる。そして、電解槽内に配置されているイオン交換膜は、その厚さが極めて薄く、また水素イオンを通すための小穴が開いているため破損しやすく、このような水圧差によって瞬時に破損してしまうという問題がある。
このため、従来の装置では、水道水の流量が20〜30(L/分)程度であるのに対し、生成されるアルカリイオン水の流量は、2〜3(L/分)程度と極めて少なく抑えなければならず、一般的に、アルカリイオン水は飲料用に用いられるだけで、比較的多くの流量を必要とする入浴・シャワー等には利用することはできなかった。
また、このようなアルカリイオン整水器では、水栓を開閉する利用者が任意で利用水量の水量調節を行っている。このため、酸性イオン水の排出量がアルカリイオン水の利用水量に関係なく一定となるような構造を有するアルカリイオン整水器では、例えば、アルカリイオン水の利用水量が少ない場合には、その利用水量に対する酸性イオン水の排出量の割合は多くなると共に、利用者に提供されるアルカリイオン水の整水濃度(以下、pHともいう)が上昇する要因となっていた。一方で、アルカリイオン水の利用水量が多い場合には、その利用水量に対する酸性イオン水の排出量の割合は少なくなると共に、利用者に提供されるアルカリイオン水の整水濃度が低下する要因となっていた。したがって、アルカリイオン水を大量に利用する場合を考えると、アルカリイオン水の整水濃度が著しく低下してしまうといった問題があった。
さらに、このような構造を採用している従来の装置では、アルカリイオン水の吐水量に比例した量の酸性イオン水が排出されていた。すなわち、アルカリイオン水の吐水量に関わらず、酸性イオン水の排出量が節水されるような対策が何ら施されていないため、無駄に酸性イオン水を排出させてしまうといった問題もあった。
特開平10−192858号公報
本発明はこのような事情に鑑み、吐水させるアルカリイオン水の整水濃度を著しく低下させることなく、酸性イオン水の排出量を低減させることができるアルカリイオン整水器を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、イオン交換膜を有すると共に当該イオン交換膜のアルカリイオン水側及び酸性イオン水側にそれぞれ導入された水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する電解槽と、該電解槽内に水道水を所定の圧力で供給する水道水供給路と、前記電解槽からアルカリイオン水を吐水するとともに下流側に水栓が設けられた吐水路と、前記電解槽から酸性イオン水を排出する排出口とを具備するアルカリイオン整水器において、前記電解槽を二段以上の多段にし、第1段電解槽には前記水道水供給路から直接水道水を供給するようにすると共に第2段以降の後段電解槽には、その前段の電解槽が生成した酸性イオン水を供給するようにし、各段の電解槽で生成されたアルカリイオン水を前記吐水路から吐水するようにすると共に、最も後段の電解槽で生成された酸性イオン水を前記排出口から排出するようにし、前記電解槽の少なくとも前記イオン交換膜に対向する領域の一部を可撓膜によって形成すると共に当該電解槽を整水器本体内に配置し、前記電解槽内に供給する水道水を前記電解槽と前記整水器本体との間の空間にも供給して、前記電解槽を水道水中に保持するようにしたことを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第1の態様では、多段からなる電解槽のうち、前段の電解槽で生成された酸性イオン水を後段電解槽に供給してさらにアルカリイオン水と酸性イオン水を生成し、各段の電解槽で生成されたアルカリイオン水を全て吐水路から吐水させると共に、最も後段の電解槽で生成された酸性イオン水のみを排出口から排出させているため、一段からなる電解槽構造に比べて、酸性イオン水の排出量を大幅に低減させることができる。さらに、かかる第1の態様では、電解槽内で生じる水圧差が電解槽の一部を構成する可撓膜が変形することで実質的に吸収されるため、イオン交換膜が変形することによる破損が防止される。したがって、電解槽に供給する水道水の水圧を上昇させることができ、アルカリイオン水の吐水量を増加させることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記電解槽が、第1段電解槽と、第2段電解槽とからなり、前記第1段電解槽と第2段電解槽との双方の処理能力の比が、前記第1段電解槽で生成されるアルカリイオン水と酸性イオン水との生成割合にほぼ一致するようにしたことを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第2の態様では、各電解槽の処理能力の比、すなわち、アルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合をほぼ一致させている。これにより、酸性イオン水の無駄な生成を抑制でき、酸性イオン水の排出量を低減させることができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記の全ての電解槽内で生成されるアルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合が、10対2であることを特徴とするアルカリイオン水整水器にある。
かかる第3の態様では、アルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合が理想的な比率で保持されるため、酸性イオン水の無駄な生成を抑制することができると共に、常に一定の整水濃度からなるアルカリイオン水を吐水することができる。
本発明の第の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記空間の前記電解槽とは接触しない領域の少なくとも一部に空気が残留している空気部を有することを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第の態様では、空気部を設けておくことで、可撓膜が変形しやすくなり、電解槽内で生じる水圧差がより確実に吸収される。
本発明の第の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記電解槽の全面が前記可撓膜で構成されていることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第の態様では、電解槽内で生じる水圧差が、可撓膜が変形することで確実に吸収される。
本発明の第の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記可撓膜がプラスチックシートからなることを特徴とするアルカリイオン整水器にある。
かかる第の態様では、可撓膜を所定材料で形成することで、電解槽内の水圧差を確実に吸収することができる。
本発明のアルカリイオン整水器によれば、アルカリイオン水と酸性イオン水との生成割合を一定に保ちながら酸性イオン水を段階的に電気分解しているため、吐水させるアルカリイオン水の整水濃度を著しく低下させることなく酸性イオン水の排出量を大幅に低減させることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明の構成は以下の説明に限定されない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るアルカリイオン整水器の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本発明のアルカリイオン整水器10は、外枠を構成する整水器本体11内部で、水が電気分解されてアルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される電解槽12が少なくとも二段以上の多段で構成されて保持されている。詳しくは、この電解槽12は、水道水が供給される第1段目(前段)の電解槽12(以下、主電解槽12とする)と、第1段目の電解槽12内で生成された酸性イオン水が供給される第2段目以降(後段)の電解槽12(以下、補助電解槽120とする)とで構成される。なお、本実施形態では、生成した酸性イオン水を供給する電解槽を前段と位置づけ、酸性イオン水が供給される電解槽を後段と位置づけて説明する。
また、整水器本体11には、水道管の途中に接続されて水道管110Aからの水道水(原水)を主電解槽12内部に供給する水道水供給路11aを有する水道水供給パイプ13と、主電解槽12及び補助電解槽120内で生成されたアルカリイオン水を吐水するアルカリイオン水吐水路11bを有するアルカリイオン水吐水パイプ14と、主電解槽12及び補助電解槽120内で生成された酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路11cを有する酸性イオン水排出パイプ15とを具備する。
具体的には、整水器本体11の水道水供給路11aを有する水道水供給パイプ13が主電解槽12の下端部側に接続され、また、主電解槽12及び補助電解槽120の上端部側には、アルカリイオン水吐水路11bを有するアルカリイオン水吐水パイプ14と、酸性イオン水を排出する酸性イオン水排出路11cを有する酸性イオン水排出パイプ15とがそれぞれ接続されている。このうち、酸性イオン水排出パイプ15の途中には、補助電解槽120が設けられ、当該補助電解槽120の下端部側から内部へ酸性イオン水が供給されるようになっており、また、補助電解槽120の上端部側には補助吐水路111bが設けられ、当該補助電解槽120内で生成されたアルカリイオン水がアルカリイオン水吐水パイプ14内に吐水されるようになっている。そして、各パイプ13、14、15が整水器本体11に固定されることで、各電解槽12が整水器本体11内に保持されている。
また、各段の電解槽12、120内には、イオン交換膜16が固定されており、このイオン交換膜16によって各段の電解槽12、120内が2つの空間12a、12bに区画されている。また、各段の電解槽12、120内のイオン交換膜16に対向する領域には、一対の電極17a、17bが設けられており、各電極17a、17bは、図示しない制御部に接続されている。
上述のように、主電解槽12と補助電解槽120とは同一の構成を有しており、双方の処理能力の比、すなわちアルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合が、ほぼ一致するように設計されている。この場合、例えば、流路上に抵抗を持たせるように設計して、生成割合を適宜決定していく。この生成割合は、例えば、主電解槽12を基準として、それ以降の電解槽の生成割合が一致していればよい。また、ここでのアルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合は、従来のように1対1であってもよいが、酸性イオン水の無駄を省くためには酸性イオン水の割合を低下させるのが好ましく、例えば、10対2であることが望ましい。すなわち、アルカリイオン水と酸性イオン水との比が1対1の場合を多段とすることにより、酸性イオン水の排出量を、例えば、二段からなる電解槽では50%、三段からなる電解槽では25%と減少させることができるという利点がある。一方、各段の電解槽12、120において生成されるアルカリイオン水に対する酸性イオン水が最小限となる10対2という比率を採用することで、例えば、一段で16%の酸性イオン水の排出が、二段とすることにより2%まで減少させることができ、最も効率的に酸性イオン水の排出量を低減させることができる。このように10対2という数値は、アルカリイオン水の吐水量に対する酸性イオン水の排出量が最小限となる理想的な比率であるが、これに限定されず、装置規格に応じて変更できるものである。このように、各段の電解槽12、120内で生成されるアルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合を変動させることなく、例えば、10対2として、一定に保持させることで、一定の整水濃度からなるアルカリイオン水を生成して吐水させると共に、排出させる酸性イオン水を最小限に抑えられる。
また、補助電解槽120で生成された酸性イオン水が通過する酸性イオン水排出パイプ15の途中には、電磁バルブ30bが設けられており、酸性イオン水の排出量は、この電磁バルブ30bの開閉によって制御されている。
また、アルカリイオン水吐水パイプ14と水道管110Bとの接続部分には、流量スイッチ40が設けられアルカリイオン水の吐水情報が出力されるようになっており、この流量スイッチ40からの信号に基づいて、各段の電解槽12、120内の電極17a、17b間の所定電圧が印加または停止されるようになっている。このような流量スイッチ40及び電磁バルブ30bの制御、あるいは各段の電解槽12、120内の電極17a、17bに供給する電圧の制御等は、図示しない制御部によって制御されている。
また、アルカリイオン整水器10のアルカリイオン水吐水パイプ14は、蛇口100側の水道管110Bに接続され、酸性イオン水排出パイプ15は、排出口130と接続されている。さらに、蛇口100には、水栓101が設けられており、この水栓101が開閉されることにより、アルカリイオン水が提供される。
以上のような構成により、本実施形態では、各段の電解槽12、120で生成された全てのアルカリイオン水が蛇口100から吐水され、最も後段の電解槽(本実施形態では、補助電解槽120)で生成された酸性イオン水のみが排出口130から排出されるようになっている。
次に、上述のような構成からなるアルカリイオン整水器10の動作についてさらに図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係る動作の一例を示すブロック図であり、基本的には、図1の構成に対応した動作例を示している。なお、図2に示す電磁バルブ30は、本実施形態における必須構成ではないが、ここでは、電磁バルブ30、30bを付加した形態を例示して説明する。
本実施形態では、不図示の制御部が主体となって、電極17a、17bへの電圧の印加を含む電源系、流量スイッチ40、及び電磁バルブ30,30bなどが制御される。このような制御部としては、入力信号または出力信号に基づいてその周辺機器の全体あるいは一部の動作を制御することが可能な機能を持つものであれば、その構成は問わない。例えば、不図示の制御部として、一般的なマイクロプロセッサ及びメモリなどを具備する制御装置などが挙げられる。このような不図示の制御部の制御により、アルカリイオン整水器10が動作してアルカリイオン水が提供されることとなる。
まず、アルカリイオン整水器10には、水道水が水道管110Aに接続される水道水供給路11aから主電解槽12内に常に所定の圧力で供給されている。そして、利用者が蛇口100部分に設けられた水栓101を開くと、主電解槽12内で生成されたアルカリイオン水がアルカリイオン水吐水路11bを経て蛇口100から所定の流量で吐水し始める。また同時に、アルカリイオン水吐水路11bと水道管110Bとの間に設けられた流量スイッチ40が、アルカリイオン水が流れ始めたことを検出し、この流量スイッチ40からの信号に基づいて、主電解槽12内の電極17a、17b間には所定の電圧が印加される。さらに、アルカリイオン水の吐水に伴って電磁バルブ30bを動作させ開放し、酸性イオン水が排出口130から排出される。
ここで、水道水供給路11aを介して主電解槽12の下端部側から主電解槽12内に供給された水道水は、イオン交換膜16で区切られた両側の空間12a、12bにそれぞれ流れ込む。そして、両電極17a、17b間には所定の電圧が印加されているため、主電解槽12内、すなわち、イオン交換膜16と電極17a、17bとの間を通過する際に、水道水は水素イオンHと水酸イオンOHとに電離し、水素イオンHがイオン交換膜16を介して一方の空間に集まることで、アルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される。すなわち、2つの空間のうちの−電極(陰極)17b側の空間12bでは、イオン交換膜16を通過して水素イオンHが集まり、水道水(2HO)は、電子(2e-)によりH+2OH-に整水され、アルカリイオン水が生成される。一方、+電極(陽極)17a側の空間12aでは、水道水(2HO)は、O+4H+4e-に整水され、酸性イオン水が生成される。このように水道水は、この主電解槽12を通過する際に連続的に電離され、これにより生成されたアルカリイオン水がアルカリイオン水吐水路11bを経て蛇口100から吐水されると共に、酸性イオン水が酸性イオン水排出路11c上に排出される。このとき本実施形態では、主電解槽12内において、pH7.1からなる120Lの水道水に対して、pH9.7〜9.8からなる100Lのアルカリイオン水及びpH4.2〜pH4.5からなる20Lの酸性イオン水が生成され、それらが蛇口100から吐水あるいは酸性イオン水排出路11c上に排出される。
そして、主電解槽12内で生成されて酸性イオン水排出路11c上に排出された酸性イオン水は、さらに補助電解槽120内に所定の圧力で供給される。ここでも主電解槽12と同じように、酸性イオン水が補助電解槽120を通過する際に電気分解され、アルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される。ここで生成されたアルカリイオン水は、補助電解槽120の上端部側にある補助吐水路111bを経てアルカリイオン水吐水パイプ14へ吐水されて最終的に蛇口100から吐水される。一方、生成された酸性イオン水は、酸性イオン水排出路11cを経て排出口130から排出される。このとき本実施形態では、主電解槽12で生成されたpH4.2〜pH4.5からなる20Lの酸性イオン水に対して、pH9.4〜9.5からなる16.7Lのアルカリイオン水及びpH3.6〜3.7からなる3.3Lの酸性イオン水が生成され、それらが蛇口100から吐水あるいは排出口130から排出される。
また、利用者が水栓101を閉めることで、流量スイッチ40によりアルカリイオン水の吐水の停止が検出されると共に、各電極17a、17bに対する電圧の印加が停止され、これに伴い時限をもって、すなわち、所定の時間経過後に電磁バルブ30bが閉じられ酸性イオン水の排出も停止する。このとき、例えば、図2に示す例のように、アルカリイオン水吐水路11bと酸性イオン水排出路11cとが連通するような新たな流路11xを設け、その流路11xの途中に電磁バルブ30を設けて各電極17a、17bの洗浄時に機能させるようにしてもよい。すなわち、アルカリイオン水の吐水が停止される際、各段の電解槽12、120内の各電極17a、17bに印加する電圧の極性(+、−)を反転させて各電極17a、17bを洗浄すると共に、アルカリイオン水吐水路11b側の水が酸性イオン水排出路11c側へ移動するように電磁バルブ30を開放して、各段の電解槽12、120内の全ての水(洗浄に使用した水)を排出口130から排出させるようにすることができる。また、洗浄方法としては、アルカリイオン水の吐水が停止される際、直ちに水道水の供給を停止せずに水道水の供給停止のタイミングを遅らせることで、各段の電解槽12、120内に水道水を充填させ、各電極17a、17bを一旦水道水にさらすようにすることも考えられる。
上述のようにして、本実施形態では、各段の電解槽12、120で生成された全てのアルカリイオン水を蛇口100から吐水させ、最も後段の電解槽(本実施形態では、補助電解槽120)で生成された酸性イオン水のみを排出口130から排出させている。そして、本実施形態では、前段の電解槽(主電解槽12)で生成された酸性イオン水を後段の電解槽(補助電解槽120)に供給してさらにアルカリイオン水と酸性イオン水を生成しているため、最終的に排出口130から排出させる酸性イオン水の排出量を低減させることができる。すなわち、酸性イオン水排出路11c上で段階的に酸性イオン水を電気分解することで、酸性イオン水の排出量を低減させている。
結果的に、本実施形態では、pH9.5〜9.6からなる116.7Lのアルカリイオン水が蛇口100から吐水されると共に、pH3.6〜3.7からなる3.3Lの酸性イオン水が排出口130から排出されることになる。したがって、従来のように一段のみからなる電解槽構造に比べて、本実施形態のように、多段からなる電解槽構造の方が酸性イオン水の排出量を、例えば、20%〜3.3%にまで大幅に低減させることができる。
また、従来の装置では、例えば、流量調整用電磁弁などを酸性イオン水側の排出口付近に設けて酸性イオン水の排出量を制御していたが、本実施形態では、酸性イオン水の排出量が3.3%と比較的少量となるため、排出口130付近への流量調整用電磁弁の設置を必要とせず、例えば、酸性イオン水排出パイプ15内に酸性イオン水排出路11cの一部を遮断する抵抗部材などを設けて酸性イオン水の排出を調整するようにすることもできる。これにより、従来の装置に比べて電磁バルブの部品点数が少なくなり、コストを低減させることも可能となる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではなく、次のような様々な変形構成が可能である。
上述した実施形態では、電解槽の多段構造として、二段からなる電解槽構造を例示しているが、これに限定されず、二段以上の電解槽構造でもよく、例えば、三段あるいは四段からなる電解槽構造を採用してもよい。すなわち、酸性イオン水排出路11c上で段階的に酸性イオン水が電気分解されて、アルカリイオン水と酸性イオン水とが生成される構成であればよい。この場合にも同様に、前段の電解槽で生成された酸性イオン水が後段の電解槽に供給され、最も後段の電解槽で生成された酸性イオン水のみが排出口130から排出されることになる。
また、上述した実施形態では、水栓101を蛇口100に設けるビルトインタイプを目的としたものであるが、これに限定されず、例えば、水栓101を水道水供給パイプ13側の原水管110Aに設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、電磁バルブ30bを設けて酸性イオン水の排出量を確実に制御しているが、このような電磁バルブ30bを設けず、例えば、酸性イオン水がアルカリイオン水の吐水に伴って排出口130から自然に排出されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、排出口130から排出される酸性イオン水は利用することなく配水管などに流すようにしているが、例えば、専用タンクなどに貯留することにより酸性イオン水も利用できるようにしてもよい。
(実施形態2)
本発明は、上述した実施形態1に係るアルカリイオン整水器に限定されるものではなく、例えば、図3に示す電解槽12Aを用いたアルカリイオン整水器を構成してもよい。図3は、本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器に適用する電解槽の一例を示す図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明については省略する。
図3に示すように、電解槽12Aの内部には、イオン交換膜16が固定されており、このイオン交換膜16によって電解槽12A内が2つの空間12a、12bに区切られている。また、電解槽12A内のイオン交換膜16に対向する領域には、一対の電極17a、17bがそれぞれ設けられており、接続配線19によって整水器本体11A側の端子部18に接続されるようになっている。本実施形態では、これらの各電極17a、17bは、例えば、メッシュ状のプラスチックシート等からなりイオン交換膜16と同等の大きさを有する固定部材20の一方の面にそれぞれ取り付けられている。そして、これらの固定部材20が、各空間12a、12bにイオン交換膜16を挟持するように配置されることで、イオン交換膜16に対向する領域に電極17a、17bが設けられている。
このような電解槽12Aの少なくともイオン交換膜16に対向する領域の一部、本実施形態では、電解槽12A全体が所定の柔軟性を有する可撓膜によって形成されている。例えば、本実施形態では、電解槽12Aが、厚さが0.3mm程度のプラスチックシートによって形成されている。
以下、上述した電解槽12Aを適用したアルカリイオン整水器の一例を図4及び図5を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器10Aの断面図であり、図5は、本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器10Aの側面図である。
図示するように、アルカリイオン整水器10Aは、外枠を構成する整水器本体11Aと、整水器本体11A内に設けられて内部で水を電気分解する複数の電解槽12Aとを具備する。本実施形態では、6つの電解槽12Aが併設されており、このうち右側5つの電解槽12Aは実施形態1の第1段目(前段)の主電解槽12に相当し、左側1つの電解槽12Aは実施形態1の第2段目以降(後段)の補助電解槽120に相当する。なお、以降の説明において、右側5つの電解槽12Aを総称して主電解槽12A、右側1つの電解槽12Aを補助電解槽120Aともいう。また、本実施形態においても、上述した実施形態1と同様に、生成した酸性イオン水を供給する電解槽を前段と位置づけ、酸性イオン水が供給される電解槽を後段と位置づけて説明する。
各電解槽12A、120Aは、内部に設けられた電極17a、17bが、接続配線19により整水器本体11Aに設けられた端子部18と接続される。
また、このような複数の電解槽12Aが保持された整水器本体11A内、すなわち、各電解槽12A、120Aと整水器本体11Aとの間の空間には水道水が供給され、整水器本体11A内に貯まった水道水(貯留水)21中に各電解槽12A、120Aが保持されている。また、整水器本体11A内には、電解槽12A、120Aに接触しない領域の一部に空気が残留している空気部22が存在する。このように内部に水道水が供給される整水器本体11Aは、水道水の水圧に耐えられる程度の剛性を有する材料、例えば、ステンレス鋼等で形成する必要がある。
また、貯留水21は、例えば、整水器本体11Aの水道水供給路11aからの水道水が各電解槽12Aと共に整水器本体11A内に供給されるようにすればよい。例えば、水道水供給パイプ13の先端部に、整水器本体11A内に連通する微小な連通孔(連通孔Aとする)を設けておき、その連通孔Aを介して整水器本体11A内に水道水(貯留水21)を供給させることができる。一方で、酸性イオン水排出パイプ15の先端部にも、整水器本体11A内に連通する微小な連通孔(連通孔Bとする)を設けておき、その連通孔Bを介して酸性イオン水排出パイプ15内に貯留水21を排出させるようにすることができる。このようにして、本実施形態では、整水器本体11A内の上部、すなわち、連通孔Bの上部側に、空気が残留する空気部22を構成することができる。
なお、本実施形態では、連通孔Aを介して貯留水21を酸性イオン水と共に外部に排出するようにしたが、勿論、貯留水21を外部に排出する貯留水排出口を整水器本体11Aに別途設け、酸性イオン水とは別に外部に排出するようにしてもよい。
このようなアルカリイオン整水器10Aは、上述した実施形態1と同様に、水道水供給パイプ13が、原水側の水道管110Aに接続され、アルカリイオン水吐水パイプ14が、例えば、図示しない蛇口(図1の蛇口100参照)側の水道管110Bに接続され、酸性イオン水排出パイプ15が、例えば、図示しない排出口(図1の排出口130参照)に接続される。そして、水道管110Bと接続される上述の蛇口には、例えば、図示しない水栓(図1の水栓101参照)が設けられており、この水栓が開閉されることによってアルカリイオン水が提供される。
ここで、本実施形態においても、上述した実施形態1と同様に、主電解槽12Aと補助電解槽120Aにおける双方の処理能力の比、すなわちアルカリイオン水と酸性イオン水との生成割合が、ほぼ一致するようになっている。この場合にも同様に、アルカリイオン水と酸性イオン水との生成割合を10対2とすることで、各電解槽12A、120Aにおいて生成されるアルカリイオン水に対する酸性イオン水を最小限に抑えることができ、最も効率的に酸性イオン水の排出量を低減させることができる。
また、酸性イオン水排出パイプ15の排出口130側には、上述した実施形態1と同様に、電磁バルブ30bが設けられており、酸性イオン水の排出量はこの電磁バルブ30bの開閉によって制御されている。そして、アルカリイオン水吐水パイプ14と水道管110Bとの接続部分には、流量スイッチ40が設けられており、この流量スイッチ40からの信号に基づいて電磁バルブ30、30bが開閉されるようになっている。
また、本実施形態では、図5に示すように、アルカリイオン水吐水パイプ14と酸性イオン水排出パイプ15とが連通するように分岐パイプXが設けられており、この分岐パイプXが上述した実施形態1の流路11xに相当する。そして、上述した実施形態1と同様に、分岐パイプXの途中に電磁バルブ30を設けて各電極17a、17bの洗浄時に機能させる。
ここで、各電解槽間の接続構成について図6を用いて詳しく説明する。図6は、本発明の実施形態2に係る各電解槽間の接続構成を示す概略図である。
上述のように本実施形態では、6つの電解槽12Aが併設されており、図6に示す例は、右側5つの電解槽が主電解槽12Aであり、左側1つの電解槽が補助電解槽120Aである。
図6に示すように、右側5つの電解槽、すなわち、主電解槽12Aは、その下流側が水道水供給路11aと連通しており下流側から水道水が供給されるようになっていると共に、上流側がアルカリイオン水吐水路11bと連通しており主電解槽12A内で生成されたアルカリイオン水が吐水されるようになっている。さらに、主電解槽12Aは、上流側が酸性イオン水排出路11cと連通しており主電解槽12A内で生成された酸性イオン水が排出されるようになっている。
また、左側1つの電解槽、すなわち、補助電解槽120Aは、上述した実施形態1と同様に、酸性イオン水排出路11cの途中に設けられており、当該補助電解槽120Aの下流側から内部へ酸性イオン水が供給されるようになっていると共に、上流側にアルカリイオン水吐水路11bと連通する補助吐水路111bが設けられており、補助電解槽120A内で生成されたアルカリイオン水が吐水されるようになっている。
このような接続構成においては、まず、水栓101が開かれると、主電解槽12A、すなわち、右側5つの電解槽12Aの全てに水道水が供給される。そして、供給された水道水は、それぞれの主電解槽12A内でアルカリイオン水と酸性イオン水とに電気分解される。
ここで、それぞれの主電解槽12A内で生成されたアルカリイオン水は、アルカリイオン水吐水路11bを経て蛇口100から吐水される。一方で、主電解槽12A内で生成された酸性イオン水は、酸性イオン水排出路11cの途中に設けられた補助電解槽120Aに供給される。そして、供給された酸性イオン水は、補助電解槽120A内で再びアルカリイオン水と酸性イオン水とに電気分解される。
ここで、補助電解槽120A内で生成されたアルカリイオン水は、補助吐水路111bからアルカリイオン水吐水路11bを経て蛇口100から吐水される。一方で、補助電解槽120A内で生成された酸性イオン水は、酸性イオン水排出路11cを経て排出口130から排出される。
以上のような接続構成を本実施形態2に適用することで、図3に示す電解槽12Aを併設、すなわち、主電解槽12Aを複数設けたアルカリイオン整水器10Aとしても、上述した実施形態1と同様に、各段の電解槽12A、120Aで生成された全てのアルカリイオン水を蛇口100から吐水させ、最も後段の電解槽(本実施形態では、補助電解槽120A)で生成された酸性イオン水のみを排出口130から排出させることができる。そして、本実施形態2でも同様に、前段の電解槽(主電解槽12A)で生成された酸性イオン水を後段の電解槽(補助電解槽120A)に供給してさらにアルカリイオン水と酸性イオン水を生成しているため、最終的に排出口130から排出させる酸性イオン水の排出量を低減させることができる。
また、本実施形態2における全体的な動作例は、基本的に上述した実施形態1と同様となるためその説明は省略するが、図2に示す構成例、及びその他の変形構成がそのまま適用できることは言うまでもない。
ここで、本実施形態2において、図3に示すような電解槽12A(120A)を図4に示すように水道水中に保持させてアルカリイオン整水器10Aを構成することの利点は、次のようなことにある。
利用者によって水栓101が開閉されると、アルカリイオン水吐水パイプ14内の流れが発生又は停止する時刻と、流量スイッチ40がそれを感知して電磁バルブ30が開閉される時刻とは、若干のタイムラグが存在する。このタイムラグによって生じる流水の慣性作用により、電解槽12A内のアルカリイオン水側の空間12bと酸性イオン水側の空間12aとの内部圧力に差が生じてしまう。イオン交換膜16は、例えば、膜厚が12μm程度であるため、この圧力差によってイオン交換膜16が変形して破損する虞がある。
しかしながら、本実施形態2では電解槽12Aが可撓膜で形成されているため、例えば、水栓101を開ける際に2つの空間12a、12bに圧力差が生じたとしても、電解槽12A自体が内側に変形することでこの圧力差が吸収されるため、イオン交換膜16の変形による破損を防止することができる。なお、水栓101を閉じた際には、電解槽12A自体が外側に変形することで内部の圧力差が吸収される。
また、電解槽12A内には、上述したように、その内面の電極17a、17bとイオン交換膜16との間に挟持されるように固定部材20が設けられている。すなわち、これらの固定部材20によってイオン交換膜16が挟持されている。したがって、これらの固定部材20によってもイオン交換膜16の変形が抑えられ、電解槽12Aの内部圧力差によるイオン交換膜16の破損をより確実に防止することができる。なお、本実施形態2では、電解槽12A全体が可撓膜で形成されているが、勿論、電解槽12A内の圧力差を吸収できれば、可撓膜からなる可撓部を電解槽12Aのイオン交換膜16に対向する領域の一部に設けるようにしてもよい。
また、電解槽12Aの変形によって2つの空間12a、12bの圧力差を吸収するためには、電解槽12Aは、比較的高い柔軟性を有する必要があり、例えば、イオン交換膜16よりも柔軟性を有することが好ましい。この条件を満たすために、電解槽12Aは、比較的膜厚の薄いプラスチックフィルムからなる可撓膜で形成されている。このため、電解槽12Aは、それ自体では水道水供給パイプ13を介して電解槽12A内に供給される水道水の圧力、例えば、1〜6kg/cm程度の圧力に耐えられず破壊されてしまう虞がある。
しかしながら、本実施形態2では、水道水供給パイプ13を介して電解槽12A内に水道水が供給される際、水道水供給パイプ13の先端部の連通孔Aから整水器本体11A内にも水道水が供給され、整水器本体11A内に貯まった貯留水21内に各電解槽12Aが保持される。このため、整水器本体11A内の貯留水21の圧力は、電解槽12A内に供給された水道水と略同一の圧力に保持され、電解槽12Aの外面にも、その内面と略同一の水圧がかかる。したがって、電解槽12A内に供給される水道水によって電解槽12Aの内面に比較的高い圧力がかかった場合でも、電解層12Aの外面にも略同一の圧力がかかることになり、電解槽12A自体も水圧の変化に伴う変形によって破損することはない。
また、本実施形態2では、貯留水21は、酸性イオン水排出パイプ15に設けられた連通孔Bから酸性イオン水と共に外部に排出されるようにしている。すなわち、整水器本体11A内には水道水が満充填されておらず、連通孔Bの上部側には空気が残留している空気部22が存在する。このため、上述した電解槽12A内の圧力差に伴う電解槽12Aの変形が貯留水21によって妨げられることがなく、イオン交換膜16の破損を防止することができる。
すなわち、上述したように電解槽12A内の圧力差により電解槽12Aが変形した場合、整水器本体11A内の容積が変化する。このとき、貯留水21自体は実質的に容積変化しないため、整水器本体11A内に貯留水21が満充填されていると、貯留水21によって電解槽12Aの変形が妨げられる。しかしながら、本実施形態2では、整水器本体11A内に空気部22が存在し、電解槽12Aが変形した場合にこの空気部22が容積変化するため、電解槽12Aの変形が妨げられることがない。したがって、整水器本体11A内に空気部22を設けておくことで、イオン交換膜16の破損をより確実に防止することができる。
なお、このような空気部22の容積は、特に限定されないが、整水器本体11A内の容積の20〜30%程度の大きさであることが好ましい。
このように本実施形態2のアルカリイオン整水器10Aでは、水道水を比較的高い水圧で供給してもイオン交換膜16及び電解槽12Aが破損することがないため、所定数の電解槽12Aを並設することで、水道水と同等の流量、例えば、一般家庭用では20〜30(L/分)程度、業務用では100(L/分)程度の流量でアルカリイオン水を利用者に供給することができる。
したがって、このようなアルカリイオン整水器10Aによって生成したアルカリイオン水を電気温水器等の給湯器に供給して温水として利用者に提供することもでき、アルカリイオン水を、例えば、入浴やシャワーに利用することができる。なお、アルカリイオン整水器から給湯器にアルカリイオン水を供給する場合、給湯器に供給されるアルカリイオン水の水圧が若干低下する。このため、例えば、排出口130付近の酸性イオン水排出パイプ15内にこの排出流路の一部を遮断する流量調整部材などを設けることにより、給湯器に供給されるアルカリイオン水の水圧を調整するようにしてもよい。
以上のように、図3に示すような電解槽12Aを用いることで、アルカリイオン水を比較的高い水圧で供給することができるアルカリイオン整水器を実現することができる。
一方、電解槽の構造も上述したものに限定されるものではなく、例えば、図7に示すような電解槽12Bを用いたアルカリイオン整水器を構成してもよい。なお、図7において、上述した実施形態2と同様の部材には同一の符号を付してある。
図7に示すように、電解槽12Bには、イオン交換膜16と、イオン交換膜16に対向するように、一対の電極17a、17bが設けられている。また、電解槽12Bは、上述した実施形態2と同様に、全体が所定の柔軟性を有する可撓膜によって形成されている。
各電極17a、17bのそれぞれは、電解槽12Bの内面に設けられた4つの固定部材20Aによって固定されている。この固定部材20Aは、電解槽12Bの内面と電極17a、17bとの間に設けられて、例えば、1mmの隙間を形成する円筒形状を有するスペーサ20aと、スペーサ20aとの間で電極17a、17bを挟持する円筒形状を有するスリーブ20bと、スペーサ20a及びスリーブ20bを挿通して一端が電解槽12Bに固定されたリベット20cとで構成されている。
また、イオン交換膜16は、電極17aを保持するスリーブ20bと電極17bを保持するスリーブ20bとの間で挟持されている。すなわち、イオン交換膜16は、各電極17a、17bを固定するスリーブ20bによって4箇所で挟持されている。このとき、各電極17a、17bとイオン交換膜16間は、例えば、それぞれ3mmの隙間となるように構成すればよい。
上述した実施形態2では、メッシュ状の固定部材20によってイオン交換膜16を挟持していた。しかしながら、本発明の実施は、電解槽の構造および電解槽内のイオン交換膜を挟持する固定部材またはその固定方法には限定されず、例えば、上述した4つの固定部材20Aを用いることによっても同様にイオン交換膜16の破損を防止することができる。
したがって、このような電解槽12Bを上述した実施形態2のアルカリイオン整水器10Aに適用した場合であっても、水栓101を開閉して圧力差が生じた際に、電解槽12Bの可撓膜によってその圧力差を吸収することができ、イオン交換膜16が圧力差により破損することを防止することができる。
本発明は、アルカリイオン水と酸性イオン水を分離生成する装置などに適用可能である。
本発明の実施形態1に係るアルカリイオン整水器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係るアルカリイオン整水器の動作例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器に適用する電解槽の一例を示す図である。 本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器の断面図である。 本発明の実施形態2に係るアルカリイオン整水器の側面図である。 本発明の実施形態2に係る各電解槽間の接続構成を示す概略図である。 本発明の実施形態2に係る電解槽の変形構成例示す断面図である。
符号の説明
10、10A アルカリイオン整水器
11、11A 整水器本体
12、12A、12B、120、120A 電解槽
13 水道水供給パイプ
14 アルカリイオン水吐水パイプ
15 酸性イオン水排出パイプ
16 イオン交換膜
17 電極
20、20A 固定部材
30、30b 電磁バルブ
40 流量スイッチ

Claims (6)

  1. イオン交換膜を有すると共に当該イオン交換膜のアルカリイオン水側及び酸性イオン水側にそれぞれ導入された水道水からアルカリイオン水及び酸性イオン水を生成する電解槽と、該電解槽内に水道水を所定の圧力で供給する水道水供給路と、前記電解槽からアルカリイオン水を吐水するとともに下流側に水栓が設けられた吐水路と、前記電解槽から酸性イオン水を排出する排出口とを具備するアルカリイオン整水器において、
    前記電解槽を二段以上の多段にし、第1段電解槽には前記水道水供給路から直接水道水を供給するようにすると共に第2段以降の後段電解槽には、その前段の電解槽が生成した酸性イオン水を供給するようにし、各段の電解槽で生成されたアルカリイオン水を前記吐水路から吐水するようにすると共に、最も後段の電解槽で生成された酸性イオン水を前記排出口から排出するようにし
    前記電解槽の少なくとも前記イオン交換膜に対向する領域の一部を可撓膜によって形成すると共に当該電解槽を整水器本体内に配置し、前記電解槽内に供給する水道水を前記電解槽と前記整水器本体との間の空間にも供給して、前記電解槽を水道水中に保持するようにしたことを特徴とするアルカリイオン整水器。
  2. 請求項1において、前記電解槽が、第1段電解槽と、第2段電解槽とからなり、前記第1段電解槽と第2段電解槽との双方の処理能力の比が、前記第1段電解槽で生成されるアルカリイオン水と酸性イオン水との生成割合にほぼ一致するようにしたことを特徴とするアルカリイオン整水器。
  3. 請求項1又は2において、前記の全ての電解槽内で生成されるアルカリイオン水と酸性イオン水の生成割合が、10対2であることを特徴とするアルカリイオン整水器。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記空間の前記電解槽とは接触しない領域の少なくとも一部に空気が残留している空気部を有することを特徴とするアルカリイオン整水器。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記電解槽の全面が前記可撓膜で構成されていることを特徴とするアルカリイオン整水器。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記可撓膜がプラスチックシートからなることを特徴とするアルカリイオン整水器。
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