JP3611547B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの空調ユニットの内部に冷却用及び加熱用熱交換器をそれぞれ備え、この空調ユニットを車両のインストルメントパネル内で車幅方向の略中央に配置した車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の車両用空調装置として、例えば、特開平9−123748号公報や特開平10−244820号公報に開示されるように、1つの室内ユニットの内部にエバポレータ(冷却用熱交換器)とヒータコア(加熱用熱交換器)とを配設し、これを自動車のインストルメントパネル内の車幅方向略中央に配置するようにして、装置全体のコンパクト化を図るようにしたものがある。
【0003】
また、最近では、予めインストルメントパネルに空調装置の室内ユニットや種々の部品を取付固定してモジュール化しておき、このモジュール(インパネモジュール)を車体に取り付けるようにすることが提案されている。
【0004】
ところで、自動車のフロアには一般的にフロアマットが敷設されているが、これを車体中央のフロアトンネルの左右に分割することがある。こうしたときには、乗員の動作に伴いフロアマットが動いても、このフロアマットのうちのフロアトンネル上に掛かる部分がめくれたり、裏返ったりすることがないように、クリップやマジックテープ(R)によってフロアマットの側縁部を車体フロアや空調装置のユニット等に留めるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の提案のように空調装置のユニットをインストルメントパネルとモジュール化した場合、このモジュールの略中央に空調装置のユニットが大きく張り出すことになるので、これを車体に取り付ける際に邪魔にならないよう、左右に分割したフロアマットの被分割部はいずれも外側に折り畳んでおくことが好ましい。そして、インパネモジュールを車体に対して取り付けた後に、前記フロアマットの被分割部を延ばしてその側縁部をそれぞれクリップ等によって車体フロアや空調ユニットに留めるようにすればよい。
【0006】
しかし、前記従来例(特開平10−244820号公報等)のように冷却用及び加熱用の熱交換器を集約した空調ユニットは、単体の室内ユニットとしてはかなり大きな寸法となり、この空調ユニットと車体フロアとの間の間隔が狭くなるから、その間の狭いスペースにおいてフロアマットをクリップ等により留めるという作業は、非常に困難なものとなる。
【0007】
また、フロアマットの側縁部を留めるためだけにクリップ等の専用の固定部品を使用しているので、その分、部品コストが高くついてしまい、しかも、前記の如く作業が非常に困難で効率が悪いことから、製造コストの低減も図り難い。
【0008】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却用及び加熱用の熱交換器を1つの空調ユニットに集約してインストルメントパネル内の略中央に配置するようにした車両用空調装置において、その空調ユニットの底部の構造に工夫を凝らすことで、車両のフロアマットの固定を容易に行えるようにし、且つコストの低減を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本願の請求項1の発明では、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を備えた1つの空調ユニットが車両のインストルメントパネル内で車幅方向の略中央に配置された車両用空調装置において、前記車両のフロアに車幅方向の略中央部から上向きに膨出するトンネル部が車両の前後方向に長く形成されていて、当該フロアに敷設されたフロアマットが、前記トンネル部を境にフロアの左右両側に分割されており、前記空調ユニットのケーシングの底部には、前記トンネル部の上部に掛かるフロアマット左右両側の被分割部の各側縁部をそれぞれ上方から押さえるように突出する左右一対の押さえリブを、各々車両の前後方向に長く形成する構成とする。
【0010】
前記の構成により、空調ユニットが車両のインストルメントパネル内で車幅方向の略中央に配置された状態で、該空調ユニットのケーシングの底部に設けられた押さえリブによってフロアマットが車両のフロアに対し上方から押さえ付けられることになるので、フロアマットの位置ずれによって見栄えが悪化することを防止できる。しかも、フロアマットを押さえリブによって押さえるという簡単な構造なので、クリップ等の固定部品が不要になるし、面倒な作業もなくなるから、コストを低減することができる。尚、空調ユニットのケーシングは樹脂製であることが多いので、押さえリブはこのケーシングの部材と一体成形すればよい。
【0011】
また、フロアマットの左右両側の被分割部の各側縁部を、それぞれ、空調ユニットケーシングの押さえリブとフロアのトンネル部との間に挟み込んで押さえることにより、該トンネル部の上部に掛かるフロアマットの側縁部がめくれたり、裏返ったりすることを防止できる。また、車両の前後方向に長い左右一対の押さえリブによってフロアマットの側縁部をより確実に押さえることができる。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の発明におけるフロアのトンネル部を、下方に開口する略コ字状の断面を有するものとし、一対の押さえリブは、それぞれ、前記トンネル部の上面における左右両側の部分に対応するように配置するものとする。こうすることで、フロアマット左右両側の被分割部の各側縁部を一対の押さえリブとトンネル部の上面との間に挟持させて、安定的に保持できる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明におけるフロアのトンネル部の上面が、車両の前方に向かって徐々に高くなるように傾斜するものである場合に、押さえリブの下端縁部を前記トンネル部上面の傾斜に沿うように傾斜させるものとする。こうすることで、車両フロアのトンネル部が傾斜する形状であっても、フロアマットの側縁部を押さえリブとトンネル部上面との間に挟持させることができる。
【0014】
尚、前記押さえリブの下端面をトンネル部上面と平行にする必要はない。むしろ、押さえリブの形状としては、その下端面が車両の後側に向かって徐々にトンネル部の上面から離れるようにするのが好ましい。これは、押さえリブとトンネル部上面との間にフロアマットを挟むときに、作業者がフロアマットを車両の後側から差し込むことになるので、この作業者にとっての手前側で押さえリブとトンネル部上面との間隔がやや広い方が作業が容易になるからである。
【0015】
請求項4の発明では、請求項3の発明において、押さえリブの下端面とこれに対向するフロアのトンネル部上面との間の間隙を所定値未満とし、且つ、前記押さえリブを各々複数の部分に分割して、この複数の部分の相互の間隔を前記所定値以上とするものとする。
【0016】
このことで、押さえリブの下端面とこれに対向するトンネル部上面との間の間隙が、例えば作業者の指が入らない程度の所定値未満であれば、この間隙に差し入れたフロアマットの側縁部をより確実に挟持させることができる。一方、そうした場合には、前記の間隙にフロアマットを皺にならないように差し入れることが難しくなるので、この発明では、押さえリブを複数の部分に分割して、その間に前記所定値以上の間隔、即ち作業者の指が入る程度の間隔を確保することにより、フロアマットの側縁部を押さえリブの下端面とトンネル部上面との間に奥まで皺にならないように差し入れることが容易になる。
【0017】
請求項5の発明では、請求項2〜4のいずれか1つの発明において、フロアのトンネル部の上面に開口するように貫通孔を形成する一方、空調ユニットのケーシングの底部には凝縮水の排水通路を有するドレン部を下方に突出させて形成し、このドレン部の下面には前記排水通路の下流端側を囲んで前記トンネル部の貫通孔周縁部に液密に当接するシール面を形成する構成とする。
【0018】
この構成では、空調ユニットの熱交換機で生成した凝縮水がケーシング底部の排水通路とフロアの貫通孔とを介して車両のフロア下に排出される。また、そのフロアの貫通孔と排水通路とがドレン部のシール面により液密に連通されているので、凝縮水の漏れや外部からの水や埃の侵入が阻止される。その反面、確実なシールのためにはフロアマットが邪魔になるので、トンネル部でフロアマットを左右に分割する必要性が高くなり、従って、このような場合に本願発明の作用効果がより有効なものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の外観を示す。この空調装置1は、図示しないが、自動車(車両)の車室内の最前部に位置するインストルメントパネルの内部に配設されるものであり、空調ユニット2と、この空調ユニット2へ空気を送る送風ユニット3とを備えている。前記空調ユニット2がインストルメントパネル内において車幅方向の略中央に位置する一方、送風ユニット3は、空調ユニット2の車体左側に隣接するようにして、助手席前方のやや中央寄りに配置される。尚、以下、この明細書では、車両の前側、後側、左側及び右側をそれぞれ単に前側、後側、左側及び右側という。
【0021】
前記空調ユニット2は、詳細は図示しないが、樹脂製ケーシング4の内部にエバポレータ(冷却用熱交換器)及びヒータコア(加熱用熱交換器)が配設されたものであり、送風ユニット3から送給される空調用の空気をエバポレータにより冷却し、その後、必要に応じてヒータコアにより加熱して、所要の温度及び湿度状態の調和空気を生成するものである。また、前記送風ユニット3についても詳細は図示しないが、この送風ユニット3は、ケーシング5の内部に配設された送風ファンの回転により、内気取入口6や外気取入ダクト7を介してケーシング5内に空気を取り入れ、この空気をエアフィルタにより濾過した後に空調ユニット2へ送給するものである。
【0022】
すなわち、前記送風ユニットケーシング5の右側面の車両前部には吹出口が設けられており、一方、空調ユニットケーシング4の左側面の車両前部には空気の導入口8(図3参照)が設けられていて、これら送風ユニット3の吹出口と空調ユニット2の導入口とが接続されている。そして、その導入口より空調ユニット2内に導入された空気は、エバポレータを通過することにより冷却され、この冷却された空気の一部がヒータコアを通過することにより加熱される一方、残りの空気がヒータコアをバイパスして流れ、両者が混合されることによって所望の温度の調和空気となる。
【0023】
そして、前記のようにして生成された調和空気は、自動車の乗員により設定される吹出モードに応じて、空調ユニット2の上面の車両前部に設けられ且つデフロスタとダクトを介して接続されたデフロスタ導出口9、空調ユニット2の上面の車両後部に設けられ且つベンチレータとダクトを介して接続されたベント導出口10、及び、空調ユニット2の下部に設けられ且つ後部車室に調和空気を送給するためのダクトに接続されたリヤ導出口11から選択的に吹き出すようになっている。
【0024】
前記空調ユニット2及び送風ユニット3は、後述の如くインストルメントパネルに取り付けてモジュール化した状態(インパネモジュール)で車体に組み付けられる。すなわち、そのようにして車体に組み付けられた状態を図2に示すと、空調ユニット2及び送風ユニット3は、車幅方向に並設された状態でそれぞれインストルメントパネルメンバー12に取り付けられるとともに、自動車前部のエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネル13にも取り付けられている。
【0025】
前記ダッシュパネル13の上部は、略鉛直に上下方向に延びる鉛直壁部13aであり、この鉛直壁部13aの下端部に連続してそこから後方に向かい徐々に低くなるように傾斜する傾斜壁部13bが設けられている。そして、この傾斜壁部13bの後端部に図示しないフロアパネルが連続しており、換言すれば、ダッシュパネル13の傾斜壁部13bが車両のフロアの一部分を構成している。また、前記インストルメントパネルメンバー12は、断面略円形状の鋼製パイプ部材からなり、その両端部が図示しないブラケットを介して前記ダッシュパネル13の鉛直壁部13aに固定されている。
【0026】
前記インストルメントパネルメンバー12の車幅方向略中央部には、車幅方向に相対向して下方向に延びる左右2つのステー14,14が溶接により固定されていて、この両ステー14,14の下端部同士が連結部材15により連結固定されている。このステー14は、インストルメントパネルのコンソール部の左右両端部にそれぞれ位置していて、該コンソール部に配設されるオーディオや、乗員が前記吹出モード及び空調温度を設定するためのコントロール部等を保持するために設けられている。
【0027】
前記空調ユニット2の取り付けについて詳しくは、空調ユニット2のケーシング4の左右両側面の上部には、それぞれ左右に突出する突出部17,18が形成されており(左側の突出部17は、図1にのみ示す)、この両突出部17,18がインストルメントパネルメンバー12に取り付けられた左右2つのブラケット19,20にボルト及びナットを介してそれぞれ固定されている。一方、空調ユニットケーシング4の下部は前記両ステー14,14の間に位置していて該両ステー14,14の下端部にボルトにより固定されている。また、前記空調ユニットケーシング4の下部の車両前部には、左側に突出する車体固定部21が形成されており、この車体固定部21が、送風ユニット3の右側の車体固定部25(後述)とともにダッシュパネル13に固定されている。
【0028】
また、前記送風ユニット3の取り付けについて、該送風ユニット3のケーシング5右側面の上部には、右側に突出する突出部22が形成されており(図1にのみ示す)、この突出部22は、前記空調ユニット2の左側の突出部17の下側に重なって、該左側の突出部17とともにインストルメントパネルメンバー12の左側のブラケット19の先端部に共締め固定されている。また、送風ユニットケーシング5の左側面の上部にはメンバー固定部23が形成されている。このメンバー固定部23の上部には略円弧上に凹陥した当接面が形成されていて、この当接面をインストルメントパネルメンバー12に対し直に当接した状態でボルト及びナットにより固定されている。
【0029】
一方、前記送風ユニット3のケーシング5の下部における車両前部には、左右2つの車体固定部24,25が設けられており、この各車体固定部24,25の貫通孔にダッシュパネル13から延びるボルトが挿通されていて、このボルトにナットが締め付けられることによって、車体固定部24,25がそれぞれダッシュパネル13に固定されている。尚、前記送風ユニット3の右側の車体固定部25は、前記空調ユニット2の車体固定部21(ボルトの挿通される貫通孔を有する)の車両後側に重なって位置していて、該車体固定部21と共締めされている。
【0030】
ところで、上述の如く、ダッシュパネル13の鉛直壁部13aに空調ユニット2や送風ユニット3が取り付けられる一方、車両のフロアの前端部を構成するダッシュパネル13の傾斜壁部13bには、車幅方向略中央部において、即ち前記空調ユニット2に対応する部位で上向きに膨出して前後方向に延びるフロアトンネル28が形成されている。このフロアトンネル28は、下方に開口する略コ字状の断面を有し、その上面28aが前方に向かって徐々に高くなるように傾斜している。このフロアトンネル28の傾斜状態は傾斜壁部13bの傾斜よりも緩やかなもので、傾斜壁部13bに対するフロアトンネル28の膨出量は後側ほど大きくなっている。
【0031】
また、前記フロアトンネル28の上面28aには、空調ユニット2から外部に排出される凝縮水をフロアの下方に排出するための貫通孔29(図5参照)が開口されており、空調ユニット2のケーシング4の底部から下方に突出するドレン部37(後述)の下面が前記貫通孔29の周縁部に液密に当接されるようになっている。
【0032】
そして、前記図2に仮想線で示すように、ダッシュパネル13の傾斜壁部13bの上面にはフロアマット30が敷設されている。このフロアマット30は、図示しないフロアパネルの上面全体を覆うように敷設されるものであるが、ダッシュパネル13の傾斜壁部13bを覆う前側の部分ではフロアトンネル28を境にして左右両側の部分31,32に分割されていて、その左右両側の被分割部31,32の各側縁部31a,32aがそれぞれフロアトンネル28の左右両側から上面28aに亘って掛けられている。
【0033】
そして、本発明の特徴として、前記のようにフロアトンネル28の上面28aに至るフロアマット30の被分割部31,32の各側縁部31a,32aが、それぞれ、空調ユニット2のケーシング4の底部に設けられた押さえリブ33,34によって上方から押さえ付けられている。詳しくは、図3に示すように拡大して空調ユニット2の下部を左側から見ると、ケーシング4の底部における左端には、フロアトンネル28の上面28aに向かって略鉛直に延出する押さえリブ33が一体に形成されている。この押さえリブ33は、全体として前後方向に長い形状であって且つ前後に2つの部分33a,33bに分割されていて、その前側の部分33aが後側の部分33bよりもやや左側に位置している。
【0034】
また、前記押さえリブ33の下端縁部は、前側の部分33aから後側の部分33bに亘り全体として、フロアトンネル28上面28aの傾斜状態に沿って後側ほど低くなるように傾斜している。このリブ33の下端縁部の傾斜状態はフロアトンネル上面28aの傾斜状態よりも緩やかなものであり、従って、押さえリブ33の下端面とこれに対向するフロアトンネル上面28aとの間の間隙は後側ほど大きくなっている。但し、その間隔は、押さえリブ33の後側の部分33bの後端部、即ち間隔の最も大きいところでも、人の手を差し入れることが困難な程度の大きさ(所定値:例えば2〜3cm)である。このことで、押さえリブ33とフロアトンネル28との間にフロアマット30の側縁部31aを差し込むだけで、しっかりと挟持させることができる。
【0035】
一方、前記押さえリブ33の前側の部分33aと後側の部分33bとの間の前後方向の間隔は前記所定値以上とされており、このことで、フロアマット30の側縁部31aを押さえリブ33とフロアトンネル28との間に差し込むときに、作業者は、押さえリブ33の前側部分33aと後側部分33bとの間に指を差し入れて、フロアマット30の側縁部31aを奥まで皺にならないように容易に延ばすことができる。
【0036】
反対に、空調ユニット2の下部を右側から見ると、図4に示すように、ケーシング4の底部の右端にも左端と同様に前後方向に長い押さえリブ34が一体に形成されている。この押さえリブ34も前後に2つの部分34a,34bに分割されていて、それらの下端縁部が全体としてフロアトンネル28上面28aの傾斜状態に沿うように傾斜している。また、押さえリブ34の下端面とこれに対向するフロアトンネル上面28aとの間の間隙が後側ほど大きくなっていて、その最大の間隔が前記所定値未満とされ、一方、前側部分34aと後側部分34bとの間の前後方向の間隔が前記所定値以上とされている。尚、ケーシング4の底部を鉛直下方から見ると、前記押さえリブ34の前側部分34aと後側部分34bとは略直線上に並んでいる。
【0037】
つまり、空調ユニット2のケーシング4の底部には、その左右両端部において各々前後方向に延びる左右一対の押さえリブ33,34が設けられていて、これらがそれぞれフロアトンネル28の上面28aにおける左右両側部分に対応するように位置して、フロアマット30の左右両側の被分割部31,32の各側縁部31a,32aを上方から押さえ付けるようになっている。尚、この実施形態では、前記一対の押さえリブ33,34の各後側部分33b,34bと一体にその後端部に連続して後方に延びるように、TVチューナー等の電装部品が取り付けられるブラケット35,36が設けられている。
【0038】
前記図3及び図5にも示すように、空調ユニット2のケーシング4の底部には、左右の押さえリブ33,34の中間から下方に突出して延びるドレン部37が形成されている。このドレン部37の内部には上下方向に延びるように排水通路38が形成され、この排水通路38の上端が、ケーシング4の内部でエバポレータの下方の空間に臨むドレンパンの最深部に開口し、一方、排水通路38の下端側は、ドレン部37の下面からさらに下方に延びる管状突出部39の内部に形成されている。
【0039】
また、前記ドレン部37の下面には、下方に延びる管状突出部39の周囲を囲むようにシール面が形成されており、後述の如くインパネモジュールを車体に組み付ける際に、前記管状突出部39がフロアトンネル28の上面28aに開口する貫通孔29に対し情報から挿入されるとともに、該管状突出部39を囲むようにドレン部37の下面に形成されたシール面が貫通孔29の開口部周縁に液密に当接されるようになっている。
【0040】
次に、前記空調装置1の自動車への組付手順を説明する。先ず、インストルメントパネル内のインストルメントパネルメンバー12に空調ユニット2及び送風ユニット3を取り付けるとともに、他の必要な部品を組み付けてインパネモジュールを完成させる。例えば、空調ユニット2底部のドレン部37のシール面には、インストルメントパネルメンバー12への取付前又は後に、シール部材40(図5にのみ仮想線で示す)を貼り付ける。
【0041】
それから、前記インパネモジュールを車体に組み付ける。このときには既に車体のフロアにフロアマット30が敷設されているが、このフロアマット30の左右両側の被分割部31,32の各側縁部31a,32aがフロアトンネル28に掛かっていると、これが空調ユニット2の底部等に引っかかって組み付けの妨げになることがあるので、そうならないように、フロアマット30の被分割部31,32の各側縁部31a,32aをそれぞれ裏返して、左右両側に折り畳んでおく(図5参照)。
【0042】
そして、図5に示すように、インパネモジュールをダッシュパネル13の鉛直壁部13aに対してその後側から徐々に近付けて正規の組み付け状態とし、この状態でインストルメントパネルメンバー12をダッシュパネル13に固定するとともに、空調ユニット2の車体固定部21及び送風ユニット3の左右2つの車体固定部24,25をそれぞれダッシュパネル13の鉛直壁部13aに締結して固定する。この際、空調ユニット2の底部のドレン部37がフロアトンネル28の上面28aにその後側上方から徐々に接近して、図に黒い矢印で示すように、該ドレン部37の下面から下方に延びる管状突出部39がフロアトンネル28の貫通孔29に挿入される。
【0043】
そのようにして、空調ユニット2をダッシュパネル13に対し正規の組み付け状態で固定した後に、先に畳んでおいたフロアマット30の被分割部31,32の各側縁部31a,32aをそれぞれフロアトンネル28側に戻して、該各側縁部31a,32aをケーシング4底部の押さえリブ33,34とフロアトンネル28上面28aとの間に差し込んで、挟持させる。
【0044】
その際、作業者にとって手前側となる押さえリブ33,34の後側でフロアトンネル28との間の間隔がやや広くなっているので、そこにフロアマット30の側縁部31a,32aを容易に差し込むことができる。また、前記押さえリブ33,34が各々前後の2つの部分に分割されていて、それらの間に作業者の指が入る程度の間隔が空けられているから、フロアマット30の側縁部31aを奥まで皺にならないように延ばして差し入れることも容易になる。
【0045】
したがって、この実施形態に係る車両用空調装置によると、インストルメントパネル内で斜幅方向の略中央に位置する空調ユニット2のケーシング4の底部に左右一対の押さえリブ33,34を一体に設けたことで、フロアとネル28を境に左右に分割したフロアマット30の被分割部31,32の各側縁部31a,32aをそれぞれフロアトンネル28の上面28aに対してしっかり押しつけて安定的に保持することができ、これにより、フロアマット30の側縁部31a,32aが裏返ることは勿論、フロアマット30の位置ずれを防止することができる。
【0046】
しかも、押さえリブ33,34とフロアトンネル28との間にフロアマット30の側縁部31a,32aを差し込むだけで、非常に容易にフロアマット30の位置規制が行える上に、クリップ等の専用の固定部品が不要になるので、コストの低減が図られる。
【0047】
特にこの実施形態の場合、空調ユニット2の底部に設けたドレン部37の下面を直接、フロアトンネル28の上面28aに押しつけてシールするようにしているので、確実なシールのためにはフロアマット30が邪魔になるから、フロアトンネル28を境にフロアマット30を左右に分割する必要性が高く、従って、上述した効果が有効なものとなる。
【0048】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明に係る車両用空調装置によると、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を備えた1つの空調ユニットを車両のインストルメントパネル内で車幅方向の略中央に配置する場合に、その空調ユニットのケーシングの底部にフロアマットを上方から押さえるように突出する押さえリブを一体に設け、この押さえリブによってフロアマットを上方から押さえ付けるようにしたので、極めて簡単な構造でもってフロアマットの位置ずれを防止することができる。しかも、クリップ等の固定部品が不要になり、面倒な作業もなくなることで、コストの低減が図られる。
【0049】
また、フロアマットが車両のフロアトンネルの左右両側に分割されていても、それぞれ前後方向に長い左右一対の押さえリブによってフロアマットの側縁部がめくれたりしないように、押さえることができる。
【0050】
請求項2の発明によると、フロアマットの被分割部の各側縁部を押さえリブの下面とトンネル部の上面との間に挟持して、安定的に保持することができる。
【0051】
請求項3の発明によると、フロアのトンネル部の上面が傾斜面であっても、これに沿うように傾斜する押さえリブの下端縁部とトンネル部上面との間にフロアマットを安定的に挟持させることができる。
【0052】
請求項4の発明によると、押さえリブの下端面とトンネル部上面との間の間隙を小さくして、この間に差し入れたフロアマットの側縁部をより確実に挟持させることができるとともに、各押さえリブを分割した複数の部分の間に作業者の指が入る程度の間隔を確保して、作業の容易性を向上できる。
【0053】
請求項5の発明によると、空調ユニットのケーシングの底部にドレン部が形成されている場合に、このドレン部とフロアのトンネル部との間のシールのために邪魔になるフロアマットを左右に分割する必要性が高くなるから、このような場合に本願発明の効果が特に有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空調装置の外観を示す斜視図である。
【図2】車両用空調装置のインストルメントパネルメンバー及び車体への取付状体を示す斜視図である。
【図3】送風ユニットを省略して空調ユニットを左側から見て、ケーシング底部の押さえリブとフロアマットとの位置関係を示す拡大図である。
【図4】右側から見た図3相当図である。
【図5】インパネモジュールの組み付け時における空調ユニットの底部とフロアトンネルとの位置関係を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置
2 空調ユニット
4 ケーシング
13 ダッシュパネル
13b 傾斜壁部(フロア)
28 フロアトンネル(トンネル部)
28a フロアトンネル上面
29 貫通孔
30 フロアマット
31 左側の被分割部
31a 左側被分割部の右側縁部
32 右側の被分割部
32a 右側被分割部の左側縁部
33,34 押さえリブ
37 ドレン部
38 排水通路
Claims (5)
- 冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を備えた1つの空調ユニットが車両のインストルメントパネル内で車幅方向の略中央に配置された車両用空調装置において、
前記車両のフロアには、車幅方向の略中央部から上向きに膨出するトンネル部が車両の前後方向に長く形成され、
前記フロアに敷設されたフロアマットは、前記トンネル部を境にフロアの左右両側に分割されていて、
前記空調ユニットのケーシングの底部には、前記トンネル部の上部に掛かるフロアマット左右両側の被分割部の各側縁部をそれぞれ上方から押さえるように突出する左右一対の押さえリブが、各々車両の前後方向に長く形成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1において、
フロアのトンネル部は下方に開口する略コ字状の断面を有し、
一対の押さえリブは、それぞれ、前記トンネル部の上面における左右両側の部分に対応するように配置されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項2において、
フロアのトンネル部の上面は、車両の前方に向かって徐々に高くなるように傾斜しており、
押さえリブの下端縁部は、前記トンネル部上面の傾斜に沿うように傾斜していることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項3において、
押さえリブの下端面とこれに対向するフロアのトンネル部上面との間の間隙が所定値未満とされ、
前記押さえリブが各々複数の部分に分割されていて、この複数の部分の相互の間隔が前記所定値以上とされていることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項2〜4のいずれか1つにおいて、
フロアのトンネル部の上面に開口するように貫通孔が形成され、
空調ユニットのケーシングの底部には、凝縮水の排水通路を有するドレン部が下方に突出して形成され、
前記ドレン部の下面には、前記排水通路の下流端側を囲んで前記トンネル部の貫通孔周縁部に液密に当接されるシール面が形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
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