JP3380678B2 - 自動車の車体前上部の水切り構造 - Google Patents
自動車の車体前上部の水切り構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室の前側に位置
して車幅方向に延びるカウルボックスを有した自動車の
車体前上部の水切り構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上記自動車の車体前上部の水切り構造に
は、従来、実開平5‐37657号公報で示されるもの
がある。 【0003】これによれば、車室の前側に位置して車幅
方向に延びるカウルボックスが設けられ、車外を上記カ
ウルボックス内部の空間に連通させる空気導入口が同上
カウルボックスの車幅方向の一側部に形成され、上記空
間を車室側に設けたヒータに連通させる空気排出口が同
上カウルボックスの他側部に形成されている。また、車
幅方向における上記空気導入口と空気排出口の間の上記
カウルボックスの底板の部分が頂部となるようこの底板
が正面視で偏平な山形状に形成されている。 【0004】そして、上記ヒータを通して車外の空気を
車室に導入することにより、車室を暖めようとするとき
には、まず、車外の空気が上記空気導入口を通ってカウ
ルボックス内部の空間に導入され、次に、この空気が上
記空気排出口を通りヒータに供給されて暖められ、これ
が車室に供給されて暖められるようになっている。 【0005】上記の場合、車外の雨水等の水は、上記し
た車外の空気と共に空気導入口を通って上記カウルボッ
クス内部の空間に入り込むが、この水が上記空気排出口
に向ってカウルボックスの底板上面を流れようとすると
き、この水は、上記底板が正面視で山形状になっている
ことにより、上記底板の頂部を越えることが抑制され、
これにより、上記水が上記空気排出口に向い、かつ、こ
こからヒータを通って車室に向うということが抑制され
る。 【0006】更に、上記した従来の技術には、水が底板
の頂部を越えようとすることを、より確実に防止するた
め、上記頂部の上側に、仕切り部材が設けられている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の技術では、空気導入口を通りカウルボックス内部の
空間に入り込んだ水が空気排出口に向わないよう、上記
カウルボックスの底板を山形状にすることに加えて、仕
切り部材を設けて水切りをしているが、これでは、この
水切りのための部品が多くなって、その構成が複雑にな
るという問題がある。 【0008】また、上記カウルボックスは車体の車幅の
ほぼ全体に延びる長い部材のため、その底板の剛性を簡
単な構成で十分に確保するということは容易ではない。 【0009】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、カウルボックス内部の空間に入り込んだ
水がヒータを通り車室に向わないようにするための水切
りが、簡単な構成で得られるようにすることを課題とす
る。 【0010】また、カウルボックスの底板の剛性を簡単
な構成で十分に向上させることを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の自動車の車体前上部の水切り構造は、車室1
0の前側に位置して車幅方向に延びるカウルボックス1
6を設け、車外を上記カウルボックス16内部の空間2
4に連通させる空気導入口26を同上カウルボックス1
6の車幅方向の一側部に形成し、上記空間24を車室1
0側に設けたヒータ27に連通させる空気排出口29を
同上カウルボックス16の他側部に形成し、車幅方向に
おける上記空気導入口26と空気排出口29の間の上記
カウルボックス16の底板23の部分が頂部32となる
ようこの底板23を正面視で偏平な山形状に形成した場
合において、上記カウルボックス16の底板23の頂部
32に、上方に向って膨出し、かつ、前後方向に延びる
ビード33を一体成形し、 【0012】上記ビード33の前端が、上記カウルボッ
クス16の前面板21の下端に連なることにより、上記
ビード33の内側の溝36を上記カウルボックス16の
前方に連通させたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。 【0014】図2において、符号1は自動車で、矢印F
rはこの自動車1の前方を示している。 【0015】上記自動車1の前部は、前部車体2と、こ
の前部車体2を路面上に支持する左右一対の前車輪3と
を備えている。上記前部車体2は前部壁4と、左右側部
壁5,5と、これら左右側部壁5,5の前部間に形成さ
れるエンジンルーム6と、このエンジンルーム6の上部
開口を開閉自在に閉じるフード7とを有している。 【0016】上記左右側部壁5,5の後部の上端にはル
ーフパネル9が架設され、これら左右側部壁5,5の各
後部と、上記ルーフパネル9とで囲まれた空間が車室1
0となっている。上記車室10の上部前面にはフロント
ウィンド11が設けられている。上記各側部壁5の後部
にはドア開口12が形成され、このドア開口12を開閉
させるサイドドア13が設けられている。 【0017】全図において、上記車室10の前側に位置
して、上記エンジンルーム6と車室10の下部との間を
仕切るよう車幅方向に延びる板金製のカウルボックス1
6と、ダッシュパネル17とが設けられている。上記カ
ウルボックス16は上記フロントウィンド11のウィン
ド開口の下部開口縁を形成している。上記カウルボック
ス16とダッシュパネル17は車幅のほぼ全体に延び、
その車幅方向の各端部は各側部壁5に結合されている。 【0018】上記カウルボックス16は、その上部を構
成するアウタパネル18と、下部を構成するインナパネ
ル19とを有している。このインナパネル19は一枚の
長尺材を折り曲げることにより成形されたもので、前後
方向で離れて対面する前、後面板21,22と、これら
前、後面板21,22の下縁同士を一体的に結合させて
上記インナパネル19の底部を構成する底板23とで形
成されている。 【0019】そして、上記アウタパネル18の前縁と、
前面板21の上縁とがスポット溶接により結合され、ま
た、同上アウタパネル18の後縁と、後面板22の上縁
とがスポット溶接により結合され、これにより、上記ア
ウタパネル18とインナパネル19とが結合されて、カ
ウルボックス16の側面視断面が箱形とされ、その内部
は車幅方向に長く延びる空間24となっている。 【0020】上記ダッシュパネル17の上縁は、上記イ
ンナパネル19の底板23の後部に結合させられ、同上
ダッシュパネル17の下縁は車室10の下面を形成する
フロアパネルの前縁に結合させられている。 【0021】車外を上記カウルボックス16内部の空間
24に連通させる複数の空気導入口26が上記カウルボ
ックス16のアウタパネル18に形成されている。ま
た、上記空間24を車室10側に設けたヒータ27にヒ
ータダクト28を通して連通させる空気排出口29がイ
ンナパネル19の後面板22に形成されている。上記各
空気導入口26が車外から外観上、容易にみえないよ
う、これら空気導入口26を車外から覆うガーニッシュ
30が設けられている。 【0022】上記空気導入口26のうちの大部分が前部
車体2の車幅方向の中央31よりも、同上車幅方向で上
記カウルボックス16の一側部(図1に向ってみて左側
部)に配置されている。また、上記空気排出口29は同
上中央31よりも、同上車幅方向で上記カウルボックス
16の他側部(図1に向ってみて右側部)に配置されて
いる。 【0023】車幅方向において、上記空気導入口26と
空気排出口29の間で、上記中央31における底板23
の部分が頂部32となるようこの底板23は正面視(図
1)で、偏平な山形状に形成されている。 【0024】上記底板23の頂部32には、上方に向っ
て膨出し、かつ、前後方向に延びるビード33がプレス
加工により一体成形されている。上記ビード33は上記
底板23の前後方向の全幅にわたって形成され、このビ
ード33の前端は前面板21の下端に連なり、同上ビー
ド33の後端後面板22の下端に連なっている。 【0025】そして、上記ヒータ27を通して車外の空
気Aを車室10に導入することにより、車室10を暖め
ようとするときには、まず、車外の空気Aが上記空気導
入口26を通ってカウルボックス16内部の空間24に
導入され、次に、この空気Aが上記空気排出口29を通
りヒータ27に供給されて暖められ、これが車室10に
供給されて暖められるようになっている。 【0026】上記の場合、車外の雨水等の水Wは、上記
した車外の空気Aと共に上記空気導入口26を通って上
記カウルボックス16内部の空間24に入り込むが、こ
の水Wが上記空気排出口29に向ってカウルボックス1
6の底板23上面を流れようとするとき、この水Wは、
上記底板23が正面視で山形状になっていることによ
り、上記底板23の頂部32を越えることが抑制される
と共に、この底板23の頂部32に形成されたビード3
3によって、より確実に抑制される。 【0027】よって、上記水Wが上記空気排出口29か
らヒータ27を通り車室10に向うことはより確実に防
止される。 【0028】そして、上記したように水Wがヒータ27
を通り車室10に向うことを抑制するための水切りは、
カウルボックス16の底板23に一体成形したビード3
3により達成されることから、この水切りは部品の増加
を回避して得られることとなる。 【0029】また、上記ビード33は上記カウルボック
ス16の底板23の補強材としても働いている。 【0030】図3、4において、ダッシュパネル17の
上縁と、底板23の前部との間には、側面視で上方に向
って凹む空間部35が生じている。上記ビード33の内
側の溝36は前後方向にほぼ直線的にほぼ水平に延び
て、上記空間部35をそのほぼ真直ぐに前方に向ってカ
ウルボックス16の前方にまで連通させている。 【0031】上記構成によれば、前部車体2の電着塗装
時に、この前部車体2を電着液漕につけると、上記空間
部35はエアポケットになって電着液が入り込みにくい
と考えられるが、上記空間部35内の空気A′は上記溝
36を通して円滑に逃げることとなり、このため、上記
空間部35に電着液が容易に入り込んで、電着塗装が各
部に対し十分にできることとなる。 【0032】 【発明の効果】本発明は、車室の前側に位置して車幅方
向に延びるカウルボックスを設け、車外を上記カウルボ
ックス内部の空間に連通させる空気導入口を同上カウル
ボックスの車幅方向の一側部に形成し、上記空間を車室
側に設けたヒータに連通させる空気排出口を同上カウル
ボックスの他側部に形成し、車幅方向における上記空気
導入口と空気排出口の間の上記カウルボックスの底板の
部分が頂部となるようこの底板を正面視で偏平な山形状
に形成した自動車の車体前上部の水切り構造において、
上記カウルボックスの底板の頂部に、上方に向って膨出
し、かつ、前後方向に延びるビードを一体成形してあ
る。 【0033】このため、車外の水が空気導入口を通りカ
ウルボックス内部の空間に入り込み、かつ、この水がヒ
ータに連通する空気排出口に向って流れようとすると
き、この水は、正面視で山形状をなすカウルボックスの
底板によって抑制されると共に、この底板の頂部に形成
されたビードによって、より確実に抑制される。 【0034】よって、上記水が上記空気排出口からヒー
タを通り車室に向うことはより確実に防止される。 【0035】そして、上記したように水がヒータを通り
車室に向うことを抑制するための水切りは、カウルボッ
クスの底板に一体成形したビードにより達成されること
から、この水切りは、部品の増加が回避されて、簡単な
構成で得られることとなる。 【0036】しかも、上記ビードは上記カウルボックス
の底板の補強材としても働くのであり、このため、この
底板の剛性は、上記ビードにより簡単な構成で向上させ
られることとなる。 【0037】また、上記ビードの前端が、上記カウルボ
ックスの前面板の下端に連なること により、上記ビード
の内側の溝を上記カウルボックスの前方に連通させてあ
る。 【0038】このため、前部車体の電着塗装時に、この
前部車体を電着液漕につけると、上記ビードの内側の空
気は上記溝を通して上記カウルボックスの前方に円滑に
逃げるため、上記ビードの内側に電着液が容易に入り込
んで、電着塗装が各部に対し十分にできることとなる。
して車幅方向に延びるカウルボックスを有した自動車の
車体前上部の水切り構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上記自動車の車体前上部の水切り構造に
は、従来、実開平5‐37657号公報で示されるもの
がある。 【0003】これによれば、車室の前側に位置して車幅
方向に延びるカウルボックスが設けられ、車外を上記カ
ウルボックス内部の空間に連通させる空気導入口が同上
カウルボックスの車幅方向の一側部に形成され、上記空
間を車室側に設けたヒータに連通させる空気排出口が同
上カウルボックスの他側部に形成されている。また、車
幅方向における上記空気導入口と空気排出口の間の上記
カウルボックスの底板の部分が頂部となるようこの底板
が正面視で偏平な山形状に形成されている。 【0004】そして、上記ヒータを通して車外の空気を
車室に導入することにより、車室を暖めようとするとき
には、まず、車外の空気が上記空気導入口を通ってカウ
ルボックス内部の空間に導入され、次に、この空気が上
記空気排出口を通りヒータに供給されて暖められ、これ
が車室に供給されて暖められるようになっている。 【0005】上記の場合、車外の雨水等の水は、上記し
た車外の空気と共に空気導入口を通って上記カウルボッ
クス内部の空間に入り込むが、この水が上記空気排出口
に向ってカウルボックスの底板上面を流れようとすると
き、この水は、上記底板が正面視で山形状になっている
ことにより、上記底板の頂部を越えることが抑制され、
これにより、上記水が上記空気排出口に向い、かつ、こ
こからヒータを通って車室に向うということが抑制され
る。 【0006】更に、上記した従来の技術には、水が底板
の頂部を越えようとすることを、より確実に防止するた
め、上記頂部の上側に、仕切り部材が設けられている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の技術では、空気導入口を通りカウルボックス内部の
空間に入り込んだ水が空気排出口に向わないよう、上記
カウルボックスの底板を山形状にすることに加えて、仕
切り部材を設けて水切りをしているが、これでは、この
水切りのための部品が多くなって、その構成が複雑にな
るという問題がある。 【0008】また、上記カウルボックスは車体の車幅の
ほぼ全体に延びる長い部材のため、その底板の剛性を簡
単な構成で十分に確保するということは容易ではない。 【0009】本発明は、上記のような事情に注目してな
されたもので、カウルボックス内部の空間に入り込んだ
水がヒータを通り車室に向わないようにするための水切
りが、簡単な構成で得られるようにすることを課題とす
る。 【0010】また、カウルボックスの底板の剛性を簡単
な構成で十分に向上させることを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の自動車の車体前上部の水切り構造は、車室1
0の前側に位置して車幅方向に延びるカウルボックス1
6を設け、車外を上記カウルボックス16内部の空間2
4に連通させる空気導入口26を同上カウルボックス1
6の車幅方向の一側部に形成し、上記空間24を車室1
0側に設けたヒータ27に連通させる空気排出口29を
同上カウルボックス16の他側部に形成し、車幅方向に
おける上記空気導入口26と空気排出口29の間の上記
カウルボックス16の底板23の部分が頂部32となる
ようこの底板23を正面視で偏平な山形状に形成した場
合において、上記カウルボックス16の底板23の頂部
32に、上方に向って膨出し、かつ、前後方向に延びる
ビード33を一体成形し、 【0012】上記ビード33の前端が、上記カウルボッ
クス16の前面板21の下端に連なることにより、上記
ビード33の内側の溝36を上記カウルボックス16の
前方に連通させたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。 【0014】図2において、符号1は自動車で、矢印F
rはこの自動車1の前方を示している。 【0015】上記自動車1の前部は、前部車体2と、こ
の前部車体2を路面上に支持する左右一対の前車輪3と
を備えている。上記前部車体2は前部壁4と、左右側部
壁5,5と、これら左右側部壁5,5の前部間に形成さ
れるエンジンルーム6と、このエンジンルーム6の上部
開口を開閉自在に閉じるフード7とを有している。 【0016】上記左右側部壁5,5の後部の上端にはル
ーフパネル9が架設され、これら左右側部壁5,5の各
後部と、上記ルーフパネル9とで囲まれた空間が車室1
0となっている。上記車室10の上部前面にはフロント
ウィンド11が設けられている。上記各側部壁5の後部
にはドア開口12が形成され、このドア開口12を開閉
させるサイドドア13が設けられている。 【0017】全図において、上記車室10の前側に位置
して、上記エンジンルーム6と車室10の下部との間を
仕切るよう車幅方向に延びる板金製のカウルボックス1
6と、ダッシュパネル17とが設けられている。上記カ
ウルボックス16は上記フロントウィンド11のウィン
ド開口の下部開口縁を形成している。上記カウルボック
ス16とダッシュパネル17は車幅のほぼ全体に延び、
その車幅方向の各端部は各側部壁5に結合されている。 【0018】上記カウルボックス16は、その上部を構
成するアウタパネル18と、下部を構成するインナパネ
ル19とを有している。このインナパネル19は一枚の
長尺材を折り曲げることにより成形されたもので、前後
方向で離れて対面する前、後面板21,22と、これら
前、後面板21,22の下縁同士を一体的に結合させて
上記インナパネル19の底部を構成する底板23とで形
成されている。 【0019】そして、上記アウタパネル18の前縁と、
前面板21の上縁とがスポット溶接により結合され、ま
た、同上アウタパネル18の後縁と、後面板22の上縁
とがスポット溶接により結合され、これにより、上記ア
ウタパネル18とインナパネル19とが結合されて、カ
ウルボックス16の側面視断面が箱形とされ、その内部
は車幅方向に長く延びる空間24となっている。 【0020】上記ダッシュパネル17の上縁は、上記イ
ンナパネル19の底板23の後部に結合させられ、同上
ダッシュパネル17の下縁は車室10の下面を形成する
フロアパネルの前縁に結合させられている。 【0021】車外を上記カウルボックス16内部の空間
24に連通させる複数の空気導入口26が上記カウルボ
ックス16のアウタパネル18に形成されている。ま
た、上記空間24を車室10側に設けたヒータ27にヒ
ータダクト28を通して連通させる空気排出口29がイ
ンナパネル19の後面板22に形成されている。上記各
空気導入口26が車外から外観上、容易にみえないよ
う、これら空気導入口26を車外から覆うガーニッシュ
30が設けられている。 【0022】上記空気導入口26のうちの大部分が前部
車体2の車幅方向の中央31よりも、同上車幅方向で上
記カウルボックス16の一側部(図1に向ってみて左側
部)に配置されている。また、上記空気排出口29は同
上中央31よりも、同上車幅方向で上記カウルボックス
16の他側部(図1に向ってみて右側部)に配置されて
いる。 【0023】車幅方向において、上記空気導入口26と
空気排出口29の間で、上記中央31における底板23
の部分が頂部32となるようこの底板23は正面視(図
1)で、偏平な山形状に形成されている。 【0024】上記底板23の頂部32には、上方に向っ
て膨出し、かつ、前後方向に延びるビード33がプレス
加工により一体成形されている。上記ビード33は上記
底板23の前後方向の全幅にわたって形成され、このビ
ード33の前端は前面板21の下端に連なり、同上ビー
ド33の後端後面板22の下端に連なっている。 【0025】そして、上記ヒータ27を通して車外の空
気Aを車室10に導入することにより、車室10を暖め
ようとするときには、まず、車外の空気Aが上記空気導
入口26を通ってカウルボックス16内部の空間24に
導入され、次に、この空気Aが上記空気排出口29を通
りヒータ27に供給されて暖められ、これが車室10に
供給されて暖められるようになっている。 【0026】上記の場合、車外の雨水等の水Wは、上記
した車外の空気Aと共に上記空気導入口26を通って上
記カウルボックス16内部の空間24に入り込むが、こ
の水Wが上記空気排出口29に向ってカウルボックス1
6の底板23上面を流れようとするとき、この水Wは、
上記底板23が正面視で山形状になっていることによ
り、上記底板23の頂部32を越えることが抑制される
と共に、この底板23の頂部32に形成されたビード3
3によって、より確実に抑制される。 【0027】よって、上記水Wが上記空気排出口29か
らヒータ27を通り車室10に向うことはより確実に防
止される。 【0028】そして、上記したように水Wがヒータ27
を通り車室10に向うことを抑制するための水切りは、
カウルボックス16の底板23に一体成形したビード3
3により達成されることから、この水切りは部品の増加
を回避して得られることとなる。 【0029】また、上記ビード33は上記カウルボック
ス16の底板23の補強材としても働いている。 【0030】図3、4において、ダッシュパネル17の
上縁と、底板23の前部との間には、側面視で上方に向
って凹む空間部35が生じている。上記ビード33の内
側の溝36は前後方向にほぼ直線的にほぼ水平に延び
て、上記空間部35をそのほぼ真直ぐに前方に向ってカ
ウルボックス16の前方にまで連通させている。 【0031】上記構成によれば、前部車体2の電着塗装
時に、この前部車体2を電着液漕につけると、上記空間
部35はエアポケットになって電着液が入り込みにくい
と考えられるが、上記空間部35内の空気A′は上記溝
36を通して円滑に逃げることとなり、このため、上記
空間部35に電着液が容易に入り込んで、電着塗装が各
部に対し十分にできることとなる。 【0032】 【発明の効果】本発明は、車室の前側に位置して車幅方
向に延びるカウルボックスを設け、車外を上記カウルボ
ックス内部の空間に連通させる空気導入口を同上カウル
ボックスの車幅方向の一側部に形成し、上記空間を車室
側に設けたヒータに連通させる空気排出口を同上カウル
ボックスの他側部に形成し、車幅方向における上記空気
導入口と空気排出口の間の上記カウルボックスの底板の
部分が頂部となるようこの底板を正面視で偏平な山形状
に形成した自動車の車体前上部の水切り構造において、
上記カウルボックスの底板の頂部に、上方に向って膨出
し、かつ、前後方向に延びるビードを一体成形してあ
る。 【0033】このため、車外の水が空気導入口を通りカ
ウルボックス内部の空間に入り込み、かつ、この水がヒ
ータに連通する空気排出口に向って流れようとすると
き、この水は、正面視で山形状をなすカウルボックスの
底板によって抑制されると共に、この底板の頂部に形成
されたビードによって、より確実に抑制される。 【0034】よって、上記水が上記空気排出口からヒー
タを通り車室に向うことはより確実に防止される。 【0035】そして、上記したように水がヒータを通り
車室に向うことを抑制するための水切りは、カウルボッ
クスの底板に一体成形したビードにより達成されること
から、この水切りは、部品の増加が回避されて、簡単な
構成で得られることとなる。 【0036】しかも、上記ビードは上記カウルボックス
の底板の補強材としても働くのであり、このため、この
底板の剛性は、上記ビードにより簡単な構成で向上させ
られることとなる。 【0037】また、上記ビードの前端が、上記カウルボ
ックスの前面板の下端に連なること により、上記ビード
の内側の溝を上記カウルボックスの前方に連通させてあ
る。 【0038】このため、前部車体の電着塗装時に、この
前部車体を電着液漕につけると、上記ビードの内側の空
気は上記溝を通して上記カウルボックスの前方に円滑に
逃げるため、上記ビードの内側に電着液が容易に入り込
んで、電着塗装が各部に対し十分にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カウルボックスの全体正面部分断面図である。
【図2】自動車の前部斜視図である。
【図3】図1の3‐3線矢視断面図である。
【図4】図1の4‐4線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 自動車
2 前部車体
6 エンジンルーム
10 車室
16 カウルボックス
17 ダッシュパネル
23 底板
24 空間
26 空気導入口
27 ヒータ
29 空気排出口
31 中央
32 頂部
33 ビード
35 空間部
36 溝
A 空気
W 水
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−286654(JP,A)
特開 平3−99987(JP,A)
特開 昭58−122261(JP,A)
特開 平6−1264(JP,A)
実開 平5−37657(JP,U)
実開 昭62−112913(JP,U)
実開 昭61−24210(JP,U)
実開 昭54−5221(JP,U)
実開 平2−2223(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B62D 25/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車室の前側に位置して車幅方向に延びる
カウルボックスを設け、車外を上記カウルボックス内部
の空間に連通させる空気導入口を同上カウルボックスの
車幅方向の一側部に形成し、上記空間を車室側に設けた
ヒータに連通させる空気排出口を同上カウルボックスの
他側部に形成し、車幅方向における上記空気導入口と空
気排出口の間の上記カウルボックスの底板の部分が頂部
となるようこの底板を正面視で偏平な山形状に形成した
自動車の車体前上部の水切り構造において、 上記カウルボックスの底板の頂部に、上方に向って膨出
し、かつ、前後方向に延びるビードを一体成形し、 上記ビードの前端が、上記カウルボックスの前面板の下
端に連なることにより、上記ビードの内側の溝を上記カ
ウルボックスの前方に連通させ た自動車の車体前上部の
水切り構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13446196A JP3380678B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 自動車の車体前上部の水切り構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13446196A JP3380678B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 自動車の車体前上部の水切り構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09295589A JPH09295589A (ja) | 1997-11-18 |
JP3380678B2 true JP3380678B2 (ja) | 2003-02-24 |
Family
ID=15128877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13446196A Expired - Fee Related JP3380678B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 自動車の車体前上部の水切り構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3380678B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
JP5104367B2 (ja) * | 2008-02-08 | 2012-12-19 | トヨタ自動車株式会社 | 車体前部構造 |
JP5966280B2 (ja) * | 2011-08-29 | 2016-08-10 | 三菱自動車工業株式会社 | 車両用ストラットタワー補強構造 |
JP6057067B2 (ja) * | 2012-12-21 | 2017-01-11 | 三菱自動車工業株式会社 | 車体の前部構造 |
JP2018090022A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用カウル構造 |
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-
1996
- 1996-04-30 JP JP13446196A patent/JP3380678B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09295589A (ja) | 1997-11-18 |
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