JP3611259B2 - 原稿圧着板開閉装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、複写機や印刷機等に用いて好適な原稿圧着板開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機本体側に取り付けられる取付部材と、この取付部材にヒンジピンを介して回動自在に連結された原稿圧着板を支持する支持部材と、前記取付部材側に設けた合成樹脂製のカム部材と、前記支持部材内部に前記カム部材側に向けて摺動附勢させて収納させたスライダーと、前記支持部材の両側板に設けたガイド溝に両端部を嵌入させつつ前記スライダーとカム部材との摺動可能に介在させた金属製ピンとで構成した原稿圧着板開閉装置が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来公知の開閉装置は、求められる耐久性が開閉動作3万〜4万回のものにあっては、これで充分に機能するが、開閉動作が3万〜4万回を越えてくると、ピンの両端部を嵌入させたガイド溝が変形してしまったり、或はカム部材のカム部が金属製のピンによって削られて変形してしまうなどして、異音やきしみ音を発生させたり、支持部材に取り付けた原稿圧着板が設計通りに0°まで閉まらない場合が生ずるという問題があった。
【0004】
この発明の目的は、装置本体側へ取り付けられた取付部材に設けたカム部材と、このカム部材に圧接する弾性手段を作用させたスライダーを収装させて取付部材にヒンジピンを介して回動自在に連結された支持部材とから成るものにおいて、カム部材のカム部の変形やスライダーの摺動に伴う支持部材の変形を防止して耐久性を増大させた原稿圧着板開閉装置を提供せんとするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する為にこの発明は、カム部材を有し装置本体側へ取り付けられる取付部材と、原稿圧着板を支持するために前記取付部材に対しヒンジピンを介して回動自在に連結される支持部材と、この支持部材内に弾性手段を作用させて収装され前記カム部材側に摺動附勢されたスライダーとから成るものにおいて、前記カム部材を合成樹脂製と成し、前記スライダーの摺動を該スライダーと前記支持部材との間の帯状の凹凸係合でガイドすると共に、前記スライダーの先端に前記カム部材の材質と同じ材質の合成樹脂製のピンを嵌め込んで前記カム部材のカム部に圧接させ、このピンとカム部との間に潤滑剤を塗布させて成り、前記取付部材に前記支持部材の回動角度の最大角度で該支持部材に当接するストッパー部を設けると共に、前記取付部材にはさらにストッパー部材を着脱可能に取り付け、このストッパー部材へ前記支持部材の前記最大角度より手前の回動角度で前記スライダーの一部を当接させてその回動角度を規制するように構成したことを特徴とする。
【0006】
その際にこの発明は、カム部材をPOM樹脂製としたり、或はカム部材と支持部材及びピンをPOM樹脂製とし、スライダーをPBT樹脂製とすることができる。
【0007】
【作用】
請求項1のように構成すると、支持部材内において摺動させられるスライダーが、該支持部材との間で互いに帯状の凹凸嵌合によってガイドされるので、長期間使用の後においても帯状の凹部や凸部が変形することなくスライダーのスムーズな摺動を図ることができる上に、カム部材のカム部上を圧接状態で摺動するスライダーの先端に取り付けたピンをカム部材と同じ材質のものとしたので、両者の間に塗布させた潤滑剤の潤滑作用と相まって、長期間使用してもピン及びカム部の変形を防止することができるものである。
【0008】
請求項2のように構成するとカム部材の材質が摩擦係数が小さく耐摩耗性、耐疲労性に優れたものとなることから耐久性が増大する。
【0009】
請求項3のように構成すると、上述した作用を奏する上に、全部材をPOM樹脂で構成した場合よりも支持部材とスライダーとの間の滑りが良くなる。
【0010】
【実施例】
図面によれば、例えば複写機本体1の後部上端に設けられた取付挿入穴1aには、その挿入脚2を挿脱自在に挿入させて取付部材3が取り付けられている。この取付部材3は例えばPOM(ポリアセタール)樹脂製であり、その上部には一体的にカム部材4と一対の第2ストッパー部3aが形成されている。尚、この取付部材3は一例であり、カム部材のみを合成樹脂製とし、他の部分を例えば金属製としても良い。挿入脚がないものも含まれる。取付部材3のカム部材4の部分には、同じくPOM樹脂製の支持部材5が、その両側板5a,5aの一端をヒンジピン6を介して連結することによって回動自在に取り付けられている。尚、6a,6aはスペーサーである。
【0011】
この支持部材5にはカム部材4側に開口する収装穴7が設けられており、この収装穴7内には例えばコンプレッションスプリングから成る弾性手段8を作用させた、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂製のスライダー9が、カム部材4側に向けて摺動附勢されて収装されている。このスライダー9はその両側部に帯状の凸条部9a,9aが設けられ、この一対の凸条部9a,9aを支持部材5の両側板5a,5aに設けた同じく帯状の凹条部5b,5bと係合しており、この凹条部5b,5bにガイドされて摺動するようになっている。この凸条部9a,9aと凹条部5b,5bはこれを逆に設けても良い。
【0012】
尚、支持部材は実施例のものは合成樹脂製であるが、プレス加工して作った鉄板製としても良いことは勿論である。支持部材5の両側板5a,5aからは、取付板5c,5cが突設され、この取付板5c,5cに原稿圧着板11がその後端部を固着させている。
【0013】
そして、スライダー9の先端に設けた凹部9bには、カム部材4と同じ材質のPOM樹脂製のピン10が係着され、カム部材4のカム部4aに圧接しており、カム部材4のカム部4aとピン10との間には、例えばシリコンオイル等の潤滑剤が塗布されている。尚、この潤滑剤は例えばモリコート(登録商標)のようなものをコーティングすることによる乾質性のものであっても良い。
【0014】
13はストッパー部材であり、ビス14によって取付部材3の頂部に取り付けられている。このストッパー部材13は支持部材5しかして原稿圧着板は開成角度を60°に規制するが、これを取り外すと支持部材5が第2ストッパー部3aに当接する80°まで開くことが可能となり、メンテナンス時や修理時に便利となる。
【0015】
したがて、原稿圧着板11を複写機本体1に対して閉じている時には、とくに図2に示したように、ピン10がカム部材4のカム部4aの始端部4bに当接しており、ヒンジピン6、ピン10の各中心、及び弾性手段8の作用軸が同一線上にあることから、原稿圧着板11は自重で閉成状態を維持し、図示してない原稿をコンタクトガラス12上へ押圧させている。
【0016】
原稿圧着板11を開くにつれて支持部材5はヒンジピン6を支点に時計方向に回動し、ピン10はカム部4a上を滑って次第にヒンジピン6に近づいて行くので、スライダー9は弾性手段8の弾力により押されて摺動して複写機本体1側へ近づく。これにつれて弾性手段8の弾力は弱まるが、同時に原稿圧着板11がヒンジピン6の回りに発生させている回転トルクも弱まり、ピン10がカム部4aの係止部4cに至り係合する頃には、原稿圧着板11の回転トルクより弾性手段8の弾力が勝ることになるので、図4に示したように原稿圧着板11はこの開成位置で安定的に保持され、手を離しても自然に閉じてしまうことはない。この開成角度は実施例のもので約60°である。
【0017】
原稿圧着板11を閉じる際には、スライダー9は弾性手段8の弾力に抗して先ほどとは逆の方向に摺動を強制されるので、ピン10とカム部4aとの間の摩擦力も加わり、原稿圧着板11が急激に閉じるのを可及的に防止することができるものである。また、原稿圧着板11は、それがヒンジピン6の回りに発生させるトルクと、弾性手段8の弾力とがバランスする中間開角度で停止し、この位置で安定保持させることができる。
【0018】
原稿圧着板11の開閉動作に伴い、弾性手段8によって一方向に移動附勢させているスライダー9がピン10を介してカム部4aに案内されて前後に摺動し、該原稿圧着板11の開閉動作を制御するものである。
【0019】
他方、原稿が本のように厚い場合には、図示は省略するが、複写機本体1側に設けられたコンタクトガラス12上に本を置いて原稿圧着板11を閉じると、挺子の原理により、挿入脚2が複写機本体1の挿入穴1aにより上方に抜けて取付部材3ごと支持部材5、及び原稿圧着板11を上昇させ、閉じた原稿圧着板8が本に対して水平状態となるように機能するものである。
【0020】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏し得る。
【0021】
請求項1のように構成すると、支持部材の回動に伴うスライダーの摺動がスムーズとなり、かつ、カム部材とこのカム部材に圧接するピンと同材質の合成樹脂としたことにより、長期間使用の後においても異音やきしみ音を発生させたり、或はカム部の削れや変形がなくなり、10万回の使用回数に耐えるものを実現できるという効果を奏し得る。
【0022】
請求項2と3のように構成すると、いずれも耐久性が増大し、とくに請求項3のように構成すると、支持部材とスライダーとの間の異音の発生をより一層防止し、スライダーのスムーズな摺動を図ることができるという効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る原稿圧着板開閉装置の平面図である。
【図2】支持部材の部分のみを図1のA−A線で割って見た断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図2に対応し、原稿圧着板を開いた状態を示す断面図である。
【図5】ストッパー部材の部分の分解図である。
【図6】支持部材のみの断面図である。
【図7】スライダーの側面図である。
【符号の説明】
1 複写機本体
2 挿入脚
3 取付部材
4 カム部材
4a カム部
5 支持部材
5b 凹条部
6 ヒンジピン
8 弾性手段
9 スライダー
9a 凸条部
10 ピン
11 原稿圧着板
Claims (3)
- カム部材を有し装置本体側へ取り付けられる取付部材と、原稿圧着板を支持するために前記取付部材に対しヒンジピンを介して回動自在に連結される支持部材と、この支持部材内に弾性手段を作用させて収装され前記カム部材側に摺動附勢されたスライダーとから成るものにおいて、前記カム部材を合成樹脂製と成し、前記スライダーの摺動を該スライダーと前記支持部材との間の帯状の凹凸係合でガイドすると共に、前記スライダーの先端に前記カム部材の材質と同じ材質の合成樹脂製のピンを嵌め込んで前記カム部材のカム部に圧接させ、このピンとカム部との間に潤滑剤を塗布させて成り、前記取付部材に前記支持部材の回動角度の最大角度で該支持部材に当接するストッパー部を設けると共に、前記取付部材にはさらにストッパー部材を着脱可能に取り付け、このストッパー部材へ前記支持部材の前記最大角度より手前の回動角度で前記スライダーの一部を当接させてその回動角度を規制するように構成したことを特徴とする、原稿圧着板開閉装置。
- カム部材がPOM樹脂製であることを特徴とする、請求項1記載の原稿圧着板開閉装置。
- カム部材と支持部材及びピンがPOM樹脂製であり、スライダーがPBT樹脂製であることを特徴とする、請求項1記載の原稿圧着板開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25323395A JP3611259B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 原稿圧着板開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25323395A JP3611259B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 原稿圧着板開閉装置 |
Publications (2)
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JPH0996877A JPH0996877A (ja) | 1997-04-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25323395A Expired - Lifetime JP3611259B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 原稿圧着板開閉装置 |
Country Status (1)
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1995
- 1995-09-29 JP JP25323395A patent/JP3611259B2/ja not_active Expired - Lifetime
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