JP3610498B2 - 取引操作監視機能付き自動取引機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば金融機関で取扱われる自動両替機のような自動取引機に関し、さらに詳しくは取引時の不正行為を未然に解消する取引操作監視機能付き自動取引機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の自動取引機は、装置本体の前面に装備される接客操作部に顧客が所望の取引項目を入力操作して自動取引している。例えば、両替取引や出金取引の場合、接客操作部の貨幣取出し口は、シャッタで閉鎖されており、貨幣放出時のみ、開口して貨幣の取出しを許容している。
【0003】
このときのシャッタの開閉動作は、貨幣が抜取られるまで開口待機し、貨幣が抜取られると、抜取り検知センサの検知信号に基づいてシャッタを閉鎖しているが、貨幣を抜取った後に、その取出し部に、さらに不正な貨幣取出し追及行為が試みられることがある。これは、シャッタがスライドして閉鎖方向に移動する閉動作時に、顧客が故意にシャッタの閉鎖動作を妨害して装置をダウンさせ、虚偽の申告をして不正する等の悪質な不正行為が計画的になされる場合があった。
【0004】
したがって、取引操作時に、顧客の不審な行動を検知した場合は、その顧客に注意を促す警告メッセージを報知案内して、顧客の不正行為を未然に防止する監視機能を持たせた自動取引機が知られている。
【0005】
しかし、このような自動取引機は、顧客に警告を与えるだけで、その不正行為を完全に阻止したり、係員や店員にその旨を察知させることができず、計画的な不正行為を完全に防止し難く、また不慣れな顧客が誤入力操作等により長時間、自動取引機を占有している場合も的確に対処できない問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、取引操作時に、顧客の取引不審行為を検知しこれを確認した時、その顧客の取引不審行為を阻止して不正行為を防止する取引操作監視機能付き自動取引機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、装置本体の前面に装備される接客操作部を顧客が入力操作して自動取引する自動取引機であって、上記入力操作時に、取引操作した顧客の取引行為を検知する検知手段と、上記検知手段が検知した検知情報から取引不審行為の適否を判定する判定手段と、前記検知手段により検知した特定パターンの正常な取引あるいは同種類の正常な取引の繰返し実行量が予め設定された実行許容量に達した時、上記判定手段が取引不審行為と判定して、上記取引不審行為を阻止させる取引不審行為防止手段を備えた取引操作監視機能付き自動取引機であることを特徴とする。
【0008】
【作用】
この発明によれば、顧客が入力操作して自動取引する取引操作時に、検知手段が、例えば、同一金種による両替操作を連続して繰り返すような、特定パターンの正常な取引あるいは同種類の正常な取引の繰返し実行量が予め設定された実行許容量に達した時、判定手段が取引不審行為と判定して、取引不審行為防止手段が顧客の取引不審行為を直ちに阻止させる。
【0009】
【発明の効果】
このように、取引操作時に、例えば、同一金種による両替操作を連続して繰り返すような、特定パターンの正常な取引あるいは同種類の正常な取引の繰返し実行量が実行許容量を超える操作が行われたとき、該顧客の行為を顧客の取引不審行為と判定することにより、その行為を直ちに阻止することができる。このため、不正行為を完全に阻止でき、また係員や店員にその旨を察知させて適切に対処することができ、さらに計画的な不正行為を確実に防止して信頼性の高い自動取引を維持できる。
【0010】
さらに、不慣れな顧客が誤入力操作等により長時間、自動取引機を占有するような場合にも、この取引不審行為を検知してその繰返しの実行操作を確認することにより、直ちに係員対処することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0012】
図1は金融機関に設置される取引操作監視機能付き自動両替機を示し、この取引操作監視機能付き自動両替機は、装置本体11の上部前面の接客パネル12に、両替取引きを行う旨を表示した取扱い表示器13と、タッチ入力兼用のタッチ入力表示器14と、カード挿入口15と、紙幣挿入口16と、バラ硬貨放出口17と、包装硬貨放出口18と、紙幣放出口19と、音声案内部20および係員呼出しボタン21とを備えて接客対応する。
【0013】
上述のタッチ入力表示器14は、両替操作手順を表示案内する表示案内機能と、その表示案内された表示キーに対応する透明接点スイッチを備えてタッチ入力許容しており、ここにタッチ入力して所望の両替取引項目を指定することにより、所望の両替取引がなされる。
【0014】
この場合、包装硬貨放出口18は、図2に示すように、上面をスライド式に開閉動作するシャッタ18aで覆っており、取引操作に伴って、この包装硬貨放出口18に包装硬貨22が放出される。この放出された包装硬貨22を顧客が取出した時、包装硬貨22の重さ変動を検知する包装硬貨取出し検知センサS1 が検知確認し、この検知信号に基づいて包装硬貨22が取出されたことを検知する。
【0015】
また、紙幣放出口19は、図3に示すように、上面をスライド式に開閉動作するシャッタ19aで覆っており、取引操作に伴って、この紙幣放出口19に紙幣31が放出される。この放出された紙幣31を顧客が外部に取出した時、これを透過型の紙幣取出し検知センサS2 が検知確認し、この検知信号に基づいて紙幣31が取出されたことを検知する。
【0016】
図4は取引操作監視機能付き自動両替機の制御回路ブロック図を示し、CPU41はROM42に格納されたプログラムに沿って各回路装置を制御し、その制御データをRAM43で読出し可能に記憶する。
【0017】
CPU41で制御される通信処理部44は、監視モニタ45に接続して、両替取引時の両替不審行為発生等のデータを出力して係員に知らせる。この場合、監視モニタ45は金融機関店舗内の係員が監視可能な位置に配設している。
【0018】
また、硬貨処理部46は、両替操作時に顧客が指定した両替入力データに基づいて、該データ内容に応じたバラ硬貨の金種および数量を特定してバラ硬貨放出口17より放出処理し、また包装硬貨の場合は、その金種および数量を特定して包装硬貨放出口18より放出処理する。
【0019】
同じく紙幣処理部47は、両替操作時に投入された元金紙幣を紙幣挿入口16より取込み処理し、またこの元金紙幣に対する入力設定データに基づいて、該データ内容に応じた両替希望する紙幣を紙幣放出口19より放出処理する。
【0020】
さらに、カード処理部48は、カード挿入口15に挿入されたカードの有効データを読取り、取引成立後に減額記録して返却する。また、シャッタ開閉部49は、両替操作時に放出対応する包装硬貨放出口18のシャッタ18aおよび紙幣放出口19のシャッタ19aを開閉処理する。
【0021】
ところで、CPU41は取引成立して取出した包装硬貨22や紙幣31の取出し完了後は、一両替取引が終了したと判定して、対応するシャッタ18a,19aを閉じている。この場合、図5に示すように、顧客の安全性を考慮して、貨幣の取出し操作時に、閉動作するシャッタ19aが顧客の手51や異物に当って閉動作が一時的に阻害されると、このシャッタ19aは閉動作を中止し、逆向きの開方向にスライド移動して待機し、一定時間後に再び閉動作するシャッタ安全機構(図面省略)が備えられている。
【0022】
ところが、このシャッタ安全機構を逆用して不正行為が行われた場合、例えば紙幣の取出しが終了して、最後にシャッタ19aが閉鎖するときに、シャッタ19aの閉動作を阻害して紙幣放出口19を開口維持させた状態で、この紙幣放出口19から、さらに取出せないかと紙幣の取出し追及行為が試みられた場合、この不正な行為を監視モニタ45で係員に知らせて顧客の取引不審行為を直ちに阻止させる。
【0023】
また、このときの取引不審行為の検知に際しては、放出された紙幣31を顧客が外部に取出した時、これを紙幣取出し検知センサS2 が検知確認し、その後に紙幣放出口19に対する紙幣の取出し追及行為が試みられた時、その顧客の手51を同じく紙幣取出し検知センサS2 が検知確認することで、CPU41は取引不審行為発生と判定する。
【0024】
さらに詳しくは、閉動作が阻害されたときの各シャッタ18a,19aのリトライ動作回数は、係員によって予め定めた任意のリトライ動作回数に設定しておき、両替取引時に、この設定回数を越えたとき、CPU41は取引不審行為の発生と判定する。また、同一金種を何回も連続して両替するような不審な行為があった場合も、CPU41は取引不審行為の発生と判定する。また、取引不審行為客の他に、不慣れな顧客が誤入力操作等により長時間、自動取引機を占有するような場合にも、この取引不審行為を検知して、直ちに係員対処することができ、自動両替機がダウンする前に顧客の動作を中止させることができる。
【0025】
このため、取引不審行為を完全に阻止することができ、また取引不審行為発生時には係員や店員にその旨を察知させて適切に対処することができ、信頼性の高い両替取引を維持できる。
【0026】
このように構成された取引操作監視機能付き自動両替機の両替動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0027】
今、顧客が両替要請する所望の入力操作を施して両替取引が成立すると、CPU41は両替要請された包装硬貨22/紙幣31の所望金種を所定枚数放出する。このとき、紙幣が取扱われた場合は、両替された複数枚の紙幣を紙幣放出口19に一括放出し、この放出動作と共に、シャッタ19aを開口して紙幣の取出しを許容する(ステップn1 )。
【0028】
この放出された紙幣31…が顧客により抜取られると、これを検知する紙幣取出し検知センサS2 の検知信号に基づいてCPU41はシャッタ19aを閉鎖動作し(ステップn2 〜n3 )、
このシャッタの閉動作が完了すると、支障のない適正な両替操作が実行されたと判定して一両替取引が終了する(ステップn4 )。
【0029】
ところが、このシャッタ19aの閉鎖時に、閉鎖完了せずにリトライ動作を繰返した場合は、予め設定されたリトライ設定回数と比較判定し、設定回数以上と判定すれば、故意にシャッタ19aの閉動作を阻害していると判定して、CPU41は監視モニタ45に警告メッセージを出力し、係員にその旨を知らせて直ちに取引不審行為を中断させる(ステップn5 〜n6 )。
【0030】
この取引不審行為が一定時間経過しても、中断し得なかった場合は、この自動両替機をダウンして取引中止させる(ステップn7 〜n8 )。
【0031】
また、シャッタ19aの閉鎖時に、1〜2回程度の予め設定されたリトライ設定回数以下のリトライ動作であれば、故意でないと判定して、CPU41はシャッタ19aの閉動作を実行させる(ステップn9 )。
【0032】
次に、特定パターンの両替操作が繰返し実行された時の処理動作を図7のフローチャートを参照して説明する。
【0033】
今、特定パターンの両替取引が繰返し実行された場合、CPU41はその特定パターンの両替操作回数を計数し、この特定パターンが予め設定された警告出力回数に達したか否かを判定し(ステップn11〜n13)、
警告出力回数に達すると、CPU41は同種類の両替操作を何度も繰返して行う不審な行為と判定して、監視モニタ45に警告メッセージを出力し、係員にその旨を知らせて直ちに取引不審行為を中断させる。これにより、取引不審行為を防止できると共に、不慣れな一人の顧客が自動両替機を長時間占有しなくなる(ステップn14)。
【0034】
また、特定パターンの両替操作が2〜3回程度の予め設定された設定回数以下であれば、故意でないと判定して同一の両替取引操作を許容する(ステップn15)。
【0035】
上述のように、取引操作時に取引不審行為を検知することに基づいて、その行為を直ちに阻止することができるため、不正行為を完全に阻止でき、また係員や店員にその旨を察知させて適切に対処することができ、さらに計画的な不正行為を確実に防止して信頼性の高い自動取引を維持することができる。また、包装硬貨や紙幣の取出しを検知確認した場合は、その時点で1つの取引が自動的に完了するため、この完了後に放出口に対して包装硬貨や紙幣の取出し追及行為が試みられた場合は、直ちに不正行為の発生と検知して断定することができる。
【0036】
この発明と、上述の一実施例の構成との対応において、
この発明の接客操作部は、実施例の接客パネル12に対応し、
以下同様に、
検知手段は、包装硬貨取出し検知センサS1 と、紙幣取出し検知センサS2 に対応し、
判定手段および取引不審行為防止手段は、CPU41と監視モニタ45に対応するも、
この発明は、上述の一実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の取引操作監視機能付き自動両替機の外観斜視図。
【図2】この発明の包装硬貨放出口の放出状態を示す要部斜視図。
【図3】この発明の紙幣放出口の放出状態を示す要部斜視図。
【図4】この発明の取引操作監視機能付き自動両替機の制御回路ブロック図。
【図5】この発明の紙幣放出口のシャッタ閉鎖時の妨害例を示す要部斜視図。
【図6】この発明のシャッタ閉鎖妨害時の処理動作を示すフローチャート。
【図7】この発明の両替操作が繰返された時の処理動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…装置本体
12…接客パネル
18…包装硬貨放出口
19…紙幣放出口
18a,19a…シャッタ
22…包装硬貨
31…紙 幣
41…CPU
45…監視モニタ
S1 …包装硬貨取出し検知センサ
S2 …紙幣取出し検知センサ
Claims (1)
- 装置本体の前面に装備される接客操作部を顧客が入力操作して自動取引する自動取引機であって、
上記入力操作時に、取引操作した顧客の取引行為を検知する検知手段と、
上記検知手段が検知した検知情報から取引不審行為の適否を判定する判定手段と、
前記検知手段により検知した特定パターンの正常な取引あるいは同種類の正常な取引の繰返し実行量が予め設定された実行許容量に達した時、上記判定手段が取引不審行為と判定して、上記取引不審行為を阻止させる取引不審行為防止手段を備えた
取引操作監視機能付き自動取引機。
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JP2205194A Expired - Fee Related JP3610498B2 (ja) | 1994-01-21 | 1994-01-21 | 取引操作監視機能付き自動取引機 |
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