JP3609911B2 - 画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制御装置であるコンピュータを中心として、ディジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置が同一のネットワーク上に数台接続されてなる画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
制御装置であるコンピュータを中心として、ディジタル複写機やプリンタ等の画像形成装置が同一のネットワーク上に数台接続されてなる画像形成システムが知られている。このような画像形成システムでは、操作性を向上するため、画像形成装置であるプリンタ及び複写機に予め優先順位を設定しておき、コンピュータ側からの指示で画像をプリントアウトする際に、使用可能な装置の内、設定されている優先順位の最も高いものに画像を出力させるものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の画像形成システムでは、予めプリンタや複写機等の各画像形成装置に優先順位を設定する煩わしい作業が要求され、かつ、どのような条件においても、設定された優先順位通りにしか対応しないため、必ずしも操作者の意図する画像形成装置を選択することができなかった。
また、上記の画像形成システムでは、各画像形成装置の消費電力について何等考慮されていないため、既にウォーミングアップが完了している他の装置があるにもかかわらず、優先順位に従って選択した複写機について、そのウォーミングアップの完了を待ってから印字処理を開始するといった事態が発生し、電力及び時間を浪費する場合があった。例えば、既にウォーミングアップの完了している画像形成装置があるにもかかわらず、オートパワーオフ機能の働きにより待機状態になっている画像形成装置が、上記優先順位に基づいて選択されたような場合である。
【0004】
本発明の目的は、同一ネットワーク上に複数接続された画像形成装置の中から、操作者の意図する適切な画像形成装置を選択することのできる画像形成システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の画像形成システムでは、ネットワーク上に画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなる画像形成システムであって、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出手段と、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出手段と、前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出手段により算出された画像形成動作に要する時間が最も短い画像形成装置を選択することを特徴とする。
本発明の第2の画像形成システムでは、ネットワーク上に画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなる画像形成システムであって、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出手段と、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出手段と、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの時間(ウォーミングアップに要する時間)を算出する第3の算出手段と、前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出手段により算出された画像形成動作に要する時間と、前記第3の算出手段により算出されたウォーミングアップに要する時間との和が最も小さい画像形成装置を選択することを特徴とする。
本発明の第1の画像形成装置選択方法では、画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなるネットワーク上において使用される制御装置における画像形成装置選択方法であって、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から前記画像形成装置の画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出ステップと、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出ステップと、前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御ステップとを有し、前記制御ステップは、前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出ステップにより算出された画像形成動作に要する時間が最も短い画像形成装置を選択するステップを含むことを特徴とする。
本発明の第2の画像形成装置選択方法では、画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなるネットワーク上において使用される制御装置における画像形成装置選択方法であって、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から前記画像形成装置の画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出ステップと、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出ステップと、前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、ウォーミングアップに要する時間を算出する第3の算出ステップと、前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御ステップとを有し、前記制御ステップは、前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所 定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出ステップにより算出された画像形成動作に要する時間と、第3の算出ステップにより算出されたウォーミングアップに要する時間との和が最も小さい画像形成装置を選択するステップを含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成システムの実施形態について添付の図面を用いて説明する。
図1は、実施形態における画像形成システムの構成を示す図である。本システムは、同一ネットワーク上に、制御装置であるパーソナルコンピュータ(図中、PCと記す)1,2、画像読取装置であるフラットヘッドスキャナ3、画像形成装置である印字速度が5枚/分のプリンタ4、ファクシミリ装置(図中、FAXと記す)5、及び、画像読取装置及び画像形成装置として機能する印字速度が10枚/分の複写機6,印字速度が20枚/分の複写機7,印字速度が30枚/分の複写機8が接続されており、互いにアクセスすることが可能となっている。
通常、パーソナルコンピュータ1台+スキャナ1台+プリンタ1台で構成される程度のシステムであれば、全ての機器がパーソナルコンピュータの周囲に配置されており、その様子が一目で分かるので、特に問題はない。しかし、本図で示すように、同一ネットワーク上に複数の複写機等が接続されている場合には、各々の複写機は操作者より離れた位置に配置されるのが一般的であり、操作者が各複写機の使用状況を直接確認できない場合が多い。制御装置であるコンピュータ1又は2は、画像データの出力を指示する際に、操作者が意図する画像形成装置が選択しやすいように各画像形成装置についての情報をモニタに表示する。また、接続されている複数の画像形成装置の内、最も消費電力の少ないものを自動的に選択し、更には、選択した画像形成装置の消費電力との差が所定の範囲内にある画像形成装置の中で最も印字速度の速いものを自動的に選択する自動選択機能を備える。なお、制御装置であるコンピュータ1の構成及び当該コンピュータの実行する制御処理の内容については、後に説明する。
【0007】
図2は、図1に示すコンピュータ1、及び、複写機6の構成を示すブロック図である。コンピュータ1の備えるROM14には制御プログラムが格納されており、CPU10は、このプログラムを実行してネットワーク上に接続される各周辺機器にインターフェース13を介して各種制御信号を出力する。RAM15は、当該処理実行時のワーキングエリアとして使用される。このプログラムの実行による処理内容については、後に説明する。なお、コンピュータ2の内部構成は、コンピュータ1のものと同じである。
複写機6を単体で使用する場合、操作者は、図示しない原稿トレイ上に原稿をセットした後に操作部101に設けられているスタートキーを押下する。これによりスキャンモータ等で構成される原稿走査部120による原稿の露光走査が開始し、CCDセンサ102により原稿の画像データが読み取られる。CCDセンサ102により読みとれられた原稿の画像データは、画像処理部103において所定の処理が施された後に、メモリ部104に記憶される。
また、例えば、複写機6がネットワーク上でプリンタとして接続されており、直接または後述する制御によってプリンタとして複写機6が指定された場合、操作者が入力部12から入力された、あるいはRAM14やROM15等に格納された所望の画像データを指定し、入力部12から所定のプリンタ装置に画像出力を指示すると、コンピュータ1のCPU10は、インターフェース13を介して画像データ及び複写機6を指定する装置選択信号をネットワークに出力する。複写機6のインターフェース110は、コンピュータ1から出力された画像データを受け取り、メモリ部104に格納する。
さらに、複写機6がネットワーク上に接続されている場合、複写機6に設けられているスキャナで読み取られた原稿の画像データをメモリ部104に一旦格納し、コンピュータ1からの出力指示を待って出力する場合もありうる。この場合、操作者は、単体で使用する場合と同様に複写機6に原稿読み取りのみを行わせて待機させる。
以上のようにして、所望の画像データがメモリ部104に格納されると、CPU106は、所定のタイミングでメモリ部104より画像データを読み出し、電子写真方式を採用するプリンタ部105に出力する。プリンタ部105は、給紙部121より給紙された用紙上に画像データに基づくトナー像を転写する。定着部122は、プリンタ部105において用紙上に転写されたトナー像を加熱定着する。上記一連の画像形成処理は、ROM123に記憶する制御プログラムに基づいてCPU106が実行する。なお、RAM124は、上記プログラム実行時におけるワーキングエリアとして使用される。
CPU106は、上記画像形成処理の終了後、カウンタ107をスタートさせ、不使用の時間を計測する。CPU106は、このカウンタ107の値が規定値を超えた場合に、オートパワーオフ機能を働かせて原稿操作部120や給紙部121等への電力供給を停止して装置を待機状態にする。CPU106は、メインスイッチSW108の押下、又は、制御装置であるコンピュータ1及びコンピュータ2からのリモート起動の指示に応じて待機状態から通常状態への復帰処理、即ち、定着部122の備える定着ローラ等のウォーミングアップを行う。また、CPU106は、オートパワーオフ機能の働きによる電源供給停止中には、定着温度センサ109による定着ローラ402(図3を参照)の温度の検出値及びヒータ406(図3を参照)の容量によりリアルタイムにウォーミングアップに要する時間を算出し、この算出結果を、コンピュータ1が複写機6を識別するための装置No.のデータと共に、インターフェース(図中、I/Fと記す)110を介してネットワーク上に出力する。なお、上記ウォーミングアップに要する時間は、制御装置であるコンピュータ1又は2からの所定のコマンドに応じて、出力する構成を採用してもよい。なお、複写機6、7及び8の内部構成は同じであるため重複した説明は省く。
また、図示しないがプリンタ4も上記仕様データメモリ111に相当するメモリを備えており、内部に備えるCPUがウォーミングアップに要する時間及び印字速度等のスペックの情報をインターフェースを介してネットワーク上に出力する。
【0008】
図3は、複写機6の定着部122の構成を示す図である。プリンタ部105においてトナーの転写された用紙400は、搬送ベルト401によって定着ローラ402及び加圧ローラ403よりなる定着ローラ対にまで送られ、ここで加熱定着された後に、搬送ローラ対404a,404bにより排紙口405から排出される。定着ローラ402の内部には、当該ローラを所定の温度にまで昇温するためのヒータ406、及び、当該ローラの温度を測定する温度センサ407が備えられており、通常の動作中は、この温度センサ407による測定値に基づいてヒータ406の出力制御を行い、定着ローラ402の表面温度を所定の範囲内に保つ。温度センサ408は、複写機外部の環境温度を測定するセンサであり、CPU106(図2を参照)は、この温度センサ407及び408による測定値より、所定時間後の定着ローラ402の表面温度を算出し、ウォーミングアップに要する時間を求める。CPU106は、複写機6のを識別するための装置No.のデータと共に、定着ローラ402の熱容量、温度センサ408,408により測定値、及び、ウーミングアップに要する時間のデータをネットワーク上に出力する。これらのデータは、後に説明するように、コンピュータ1において実行される消費電力Wnの算出処理(図6、ステップS11)に用いられる。なお、これらのデータは、制御装置であるコンピュータ1又は2からの所定のコマンドに応じて出力することとしてもよい。
【0009】
図4の(a)〜(c)は、制御プログラムの実行に伴いコンピュータ1の備えるモニタ11に表示される画面を示す。操作者によりマウス又はキーボード等の入力部12を介して画面上の「ネットワーク接続機器状況表示」のメニュー300が選択された場合、CPU10は、各周辺機器よりネットワーク上に出力されている「周辺機器の名前」、「使用状況」、「ウォーミングアップに要する時間」及び「印字速度(枚数/分)」等のデータを受け取り、(b)に示すように、各周辺機器の現在の状況を一覧表示する。「接続機器名」の欄には、スキャナ3、プリンタ4、FAX5、及び、3台の複写機6,7,8が順に表示される。「使用状況」の欄には、当該装置が使用可能の場合には「OK」が表示され、使用中の場合には「使用中」が表示され、オートパワーオフ機能による待機状態の場合には「A.P.O中」が表示される。「ウォーミングアップ時間」の欄には、該当する画像形成装置のウォーミングアップに要する時間が表示される。「プリントスピード」の欄には、該当する画像形成装置の印字速度(枚数/分)のスペックが表示される。また、プリンタや複写機等の画像形成装置が待機状態の場合には、「リモート起動」の欄に「起動」のメニューが表示される。操作者は、この(b)に示す表に基づいて、使用したい機器の状況を把握することができる。使用する機器の選択は、マウス又はキーボード等の入力部12により接続機器名を選択して行う。例えば、出力する枚数が少ない場合には、プリントスピードが遅くとも、ウォーミングアップ時間の短い「プリンタ4」を選択する。また、出力する枚数が多い場合には、ウォーミングアップに要する時間が長くても最も印字速度の速い「複写機8」を選択することができる。しかしこの場合、10分のウォーミングアップの後に、必要部数のプリント処理が開始されるため、せっかく印字速度の速い複写機8を選択しても、印字枚数によっては、印字速度は劣るがウォーミングアップに要する時間の短い複写機7の方が先に印字を終了してしまうこともある。この場合、「リモート起動」の欄に表示される「起動」のメニュー303を選択すれば、待機状態にある複写機8をリモート操作により起動することができる。また、画面に表示する「自動選択」のメニュー350を選択すれば、各画像形成装置のスペック情報より、最も消費電力が少なく、かつ最も印字速度の速いプリンタを自動で選択し、これをリモート起動する。「自動選択」のメニュー350を選択した場合であって、複写機7が選択され、起動の指示がなされた場合、モニタ11には、(c)に示すように、複写機7の「使用状況」の欄には、「ウォーミングアップ中」の表示がなされ、「ウォーミングアップ時間」の欄にはウォーミングアップ完了までの残りの時間が表示される。
コンピュータ1からのステータスリクエストに応じて、接続されている各画像形成装置それぞれから定数値である「接続機器の種別」、「使用状況」、「プリントスピード」、「リモート起動ステータス」の各信号が出力されると共に、後述する消費電力算出フローと同様の処理を行うフローが動作し、現在の状態から定着可能状態になるまでのウォーミングアップ時間が算出され、この算出結果が「ウォーミングアップ時間」としてCPU10へ返される。
【0010】
図5は、操作者によりコンピュータ1のモニタ11に表示する「自動選択」のメニュー350が選択された場合にCPU10の実行する処理のフローチャートである。先ず、ネットワーク上に接続されている複数の画像形成装置のうち、最も消費電力の少ないものを選択するプリンタ自動選択処理(ステップS1)を実行する。選択したプリンタが使用中の場合には(ステップS2でNO)、選択したプリンタがプリント可能になるのを待って(ステップS2でYES)、プリント動作を実行させる(ステップS3)。
【0011】
図6は、自動選択処理(図5、ステップS1)のフローチャートである。以下、このフローに従って、自動選択処理の説明を行うが、本画像形成システムでは、プリンタ4を装置No.1の画像形成装置とし、複写機6を装置No.2の画像形成装置とし、複写機7を装置No.3の画像形成装置とし、複写機8を装置No.4の画像形成装置とする。また、CPU10は、各画像形成装置よりネットワーク上に出力されるデータを、そのデータと共に出力されている装置No.のデータに基づいて識別し、受け取る。
まず、ネットワーク上に接続されている全ての画像形成装置について、その消費電力Wn及び装置No.nの画像形成装置により操作者により指定されたプリント動作を行った場合のプリント終了時間tnを計算する(ステップS10〜S14)。まず、装置No.の値nを初期値である1にセットする(ステップS10)。装置No.nの画像形成装置について、その消費電力Wnを算出すると共に(ステップS11)、当該画像形成装置により操作者により指定されたプリント動作を行った場合の処理終了時間tnを計算する(ステップS12)。他に接続されている画像形成装置がある場合には(ステップS13でYES)、変数nに1を加算した後に(ステップS14)、ステップS11へと戻る。
ネットワーク上に接続されている全ての画像形成装置について、上記処理が終了した場合には(ステップS13でNO)、全ての画像形成装置の内で最小の消費電力Wminの値を特定する(ステップS15〜S21)。まず、変数m及びjの値を1にセットする(ステップS15)。装置No.mの消費電力Wmを最小の消費電力wminとする(ステップS16)。変数mの値がネットワーク上に接続される画像形成装置の総数nに満たない場合であって(ステップS17でNO)、装置No.mの画像形成装置の消費電力Wmが最小の消費電力Wmin以上の場合には(ステップS18でNO)、変数mに1を加算した後に(ステップS21)、ステップS17に戻る。また、装置No.mの画像形成装置の消費電力Wmが最小の消費電力Wminに満たない場合には(ステップS18でYES)、当該消費電力Wmを最小の消費電力Wminとし(ステップS19)、変数jの値をmに設定し(ステップS20)、更に、変数mの値に1を加算した後に(ステップS21)、ステップS17に戻る。
変数mの値が、ネットワーク上に接続されている画像形成装置の総数nより大きくなった場合、即ち、全ての画像形成装置の内で最小の消費電力Wminの特定がされた場合には(ステップS17でYES)、当該最小の消費電力Wminを中心とする一定範囲内にある画像形成装置を抽出し、抽出した画像形成装置の内で最も短時間でプリント動作が終了するものを選択する(ステップS22〜S27)。まず、変数iの値を1にセットし、変数kの値をjにセットする(ステップS22)。変数iの値がnの値に満たない場合には(ステップS23でNO)、装置No.iの画像形成装置の消費電力Wiの値が、装置No.jの画像形成装置の消費電力Wj、即ち、最小の消費電力Wminの値にΔWだけ加減したWj+ΔW未満であり、Wi−ΔWよりも大きいか否かを調べる。ここで、装置No.iの画像形成装置の消費電力Wiの値が、上記Wj+ΔW>Wi>Wi−ΔWの関係を満足する場合には(ステップS24でYES)、プリント動作の終了時間tiと、装置No.jの画像形成装置のプリント動作の終了時間tjとの比較を行う。ここで、時間tiが時間tjの値よりも小さい場合には(ステップS25でYES)、変数kの値をiに置き換える。一方、装置No.iの画像形成装置の消費電力Wiの値が、上記Wj+ΔW>Wi>Wi−ΔWの関係を満足しない場合(ステップS24でNO)、時間tiの値が時間tj以上の場合(ステップS25でNO)、及び、上記ステップS26での変数kの書き換え後、変数iの値に1を加算した後に(ステップS27)、上記ステップS23に戻る。ステップS23において、変数iの値が接続される画像形成装置の総数nを越えた場合には(ステップS23でYES)、変数kに設定されている値の装置No.の画像形成装置をプリントアウトする装置として選択する(ステップS28)。
【0012】
図7は、消費電力Wn算出処理(図6、ステップS11)のフローチャートである。まず、装置No.nの画像形成装置からネットワーク上に出力される定着ローラの温度のデータを受け取ると共に(ステップS50)、装置外部の環境温度のデータを受け取る(ステップS51)。CPU10は、同じく装置No.nの画像形成装置よりネットワーク上に出力される定着ローラの熱容量のデータを受け取り、当該受け取った熱容量の値と外部環境温度より定着ローラの昇温特性を特定し、特定した昇温特性、定着ローラの目標温度(定着可能温度)と現在の温度との差、及び、定着ローラの目標温度と外部環境温度との差に基づいて、画像形成処理の実行に際してヒータで消費される電力を算出した後に(ステップS52)、リターンする。
以下、上記ステップS52において実行する処理の内容についてより詳しく説明する。図8は、単位時間当たりに一定の電力を供給(消費)したときの定着ローラ402の昇温特性を示すグラフであり、複写機6の昇温特性を一点鎖線で示し、複写機7の昇温特性を点線で示し、複写機8の昇温特性を実線で示す。このように各複写機毎に昇温特性が異なるのは、定着ローラの熱容量及び当該定着ローラを昇温するヒータの熱効率の違いによる。本グラフによれば、複写機外部の環境温度が低いほど、定着ローラの温度が定着可能な温度に到達するまでに長い時間を要し、多くの電力を供給しなければならないことが解る。CPU10は、ネットワークを介して複写機6,7,8等の画像形成装置より送られてくる定着ローラの熱容量、及び、外部の環境温度より定着器の昇温特性を特定し、特定した昇温特性、定着ローラの目標温度と現在の温度との差、及び、定着ローラの目標温度と外部環境温度との差に基づいて、ヒータが定着ローラを所定の定着可能温度にまで昇温するのに消費する電力を算出する。
具体的には、複写機6、7、8等の画像形成装置からは、各画像形成装置固有のヒータに印加する電力に対する定着ローラの発熱量(熱効率)に加えて、定着ローラの現在の温度データ、画像形成装置の定着可能温度、画像形成装置の環境温度が、それぞれCPU10に出力されており、CPU10は、これらのデータから定着ローラの消費電力を算出する。
【0013】
図9は、プリント終了時間tn算出処理(図6、ステップS12)のフローチャートである。まず、ネットワーク上に出力されている装置No.nの画像形成装置の印字速度を受け取る(ステップS6)。そして、受け取った印字速度及び操作者により設定されているプリント枚数よりプリント動作に要する時間tnを算出した後に(ステップS61)、リターンする。
さらに、上述した消費電力の算出制御から、接続されているそれぞれの画像形成装置の現在の状態から画像形成動作可能となるまでのウォーミングアップに要する時間が特定可能であるため、プリント動作に要する時間tnにウォーミングアップに要する時間を加えて、所望枚数の画像形成が、最も迅速に行われる画像形成装置を選択する構成としても良い。
【0014】
以上、説明するように画像形成システムでは、同一ネットワーク上に複数接続される画像形成装置の消費電力を検出し、消費電力の最も少ないものを選択し、更には、選択した画像形成装置の消費電力との差が所定の範囲内にある画像形成装置の内、最もプリント処理に要する時間の短いものを選択してプリントを行う。なお、上記実施形態例においては、消費電力を定着ローラの温度、環境温度により決定することとしたが、用紙サイズ、コピー枚数、トナー付着量、定着ローラの熱容量、又は、プリント総消費電力等により決定することとしても良い。
【0015】
【発明の効果】
本発明の画像形成システムでは、同一のネットワーク上に接続される複数の画像形成装置の内、最も消費電力が少ないものを自動的に選択し、かつ上記選択された画像形成装置の消費電力との差が所定の範囲内にある画像形成装置の内、最も画像形成速度の速いものを自動的に選択することができるので、無駄な電力の消費と、時間の浪費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】本画像形成システム上に接続されるコンピュータ及び複写機の構成ブロックを示す図である。
【図3】複写機の備える定着部の構成を示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、制御プログラムの実行に伴いモニタ上に表示される画面を示す図である。
【図5】制御プログラムの実行に伴いCPUの実行する処理フローチャートである。
【図6】自動選択処理のフローチャートである。
【図7】消費電力Wn計算処理のフローチャートである
【図8】定着ローラの熱容量、外部環境温度により特定される定着ローラの昇温特性を示すグラフである。
【図9】プリント終了時間tn計算処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1、2…コンピュータ
3…スキャナ
4…プリンタ
5…FAX
6、7、8…複写機
10、106…CPU
11…モニタ
12…入力部
104…メモリ部
105…プリンタ部
122…定着部
Claims (4)
- ネットワーク上に画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなる画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出手段と、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出手段と、
前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出手段により算出された画像形成動作に要する時間が最も短い画像形成装置を選択することを特徴とする画像形成システム。 - ネットワーク上に画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなる画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出手段と、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出手段と、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの時間(以下、「ウォーミングアップに要する時間」という。)を算出する第3の算出手段と、
前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、前記第1の算出手段により算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出手段により算出された画像形成動作に要する時間と、前記第3の算出手段により算出されたウォーミングアップに要する時間との和が最も小さい画像形成装置を選択することを特徴とする画像形成システム。 - 画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなるネットワーク上において使用される制御装置における画像形成装置選択方法であって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から前記画像形成装置の画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出ステップと、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出ステップと、
前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御ステップと
を有し、
前記制御ステップは、前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出ステップにより算出された画像形成動作に要する時間が最も短い画像形成装置を選択するステップを含むことを特徴とする画像形成装置選択方法。 - 画像データを出力するための画像形成装置を複数接続してなるネットワーク上において使用される制御装置における画像形成装置選択方法であって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から前記画像形成装置の画像形成動作が可能となる状態になるまでの消費電力量を算出する第1の算出ステップと、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、画像形成動作に要する時間を算出する第2の算出ステップと、
前記複数の画像形成装置のそれぞれについて、算出時の状態から画像形成動作が可能となる状態になるまでの時間(以下、「ウォーミングアップに要する時間」という。)を算出する第3の算出ステップと、
前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて画像形成装置を選択し、選択された画像形成装置に画像形成動作を行わせるよう制御する制御ステップと
を有し、
前記制御ステップは、前記第1の算出ステップにより算出された消費電力量に基づいて、消費電力量が最も小さい画像形成装置を特定し、その特定された画像形成装置の消費電力量との消費電力量の差が所定範囲にある画像形成装置が複数存在する場合は、その中で、前記第2の算出ステップにより算出された画像形成動作に要する時間と、第3の算出ステップにより算出されたウォーミングアップに要する時間との和が最も小さい画像形成装置を選択するステップを含むことを特徴とする画像形成装置選択方法。
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