JP3609478B2 - 湿式ガスメータ - Google Patents

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駿 小林
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ケーシングが板金加工により形成された湿式ガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーシングが板金製の湿式ガスメータは、前後分割型のものが主流である。この種の湿式ガスメータのケーシングは、角筒状のケーシング本体の前後開口部に前パネルおよび後パネルが取り付けられるものであって、そのケーシング内に、内部を周方向に並ぶ複数の計量室に分離された円筒形の計量ドラムが、所定の基準液位まで封液に浸漬された状態で保持されている。そして、ケーシング内に導入される検体ガスが計量ドラムの回転を伴って各計量室に順次流入して排出されることを利用し、このドラムの回転数からガスの積算流量値を計測するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のガスメータは、ケーシングが板金製により構成されているため、剛性が低く、例えばガス計測中に、不注意で高圧ガスをケーシング内に供給したり、あるいは不注意にも周辺器材に接触させたりすると、ケーシングが容易に変形し、液漏れが生じて正確なガス計測を行えなくなる等の問題が生じる。
【0004】
また上記従来のガスメータは、ケーシング本体と前後パネルとの間に、両者間の隙間を密封するためのゴムパッキン(ガスケット)が介在されている。しかしながら、ケーシング本体と前後パネルとの接合部における基準液位よりも低い部分は、封液の影響により上記ゴムパッキンが膨潤して密封性能が低下し、液漏れが生じる恐れがある。また、その液漏れを防止するために、ゴムパッキンとして高価なフッ素入りゴム等を使用することもある。しかしながらそうすると、コストの増大を招くことはもちろん、フッ素入りゴムは硬度が高く、ケーシングに少しでも反りがあれば、液漏れやガス漏れが生じるので、接着剤を併用して装着する必要があり、接着剤が硬化するまで次段の工程に移行できない等、組付作業が非常に繁雑になるという問題が発生する。しかもガスメータ修理時には、接着剤により固着したパネル類を剥離して分解し、再度接着剤を用いて組み付ける必要があり、分解、修理に非常に手間取るという問題も有していた。
【0005】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、ケーシングの剛性を高めて、歪みや変形に起因する液漏れやガス漏れ等の不具合が発生するのを防止でき、さらに組立作業、修理作業を簡単に行えて、コストも削減できる湿式ガスメータを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の湿式ガスメータは、上端が開放されたボックス型ケーシング本体と、そのケーシング本体の上端開口部に着脱自在に取り付けられる上カバーとからなる板金製のケーシングを有し、そのケーシング内に計量ドラムが軸芯を水平に配置した状態で回転自在に支持される一方、前記計量ドラムが所定の基準液位まで浸漬されるように前記ケーシング内に封液が封入される湿式ガスメータであって、前記ケーシング本体の両側下端のコーナー部が、2段階に折曲されることにより形成されて、それらの両折曲部間に傾斜部が設けられてなることを要旨とする。
【0007】
本発明においては、前記ケーシング本体の内壁面に側壁補強板が取り付けられてなる構成を採用するのが好ましい。
【0008】
本発明においては、前記ケーシング本体の上端開口縁部に沿って、内方へ突出する取付用フランジが設けられるとともに、そのフランジの下面にフランジ補強板が取り付けられ、前記取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して前記上カバーの外周縁部が重ね合わされた状態で、前記上カバーおよびガスケットを貫通するねじが前記取付用フランジに締結されて、前記上カバーが前記ケーシング本体に連結されてなる構成を採用するのが、より一層好ましい。
【0009】
また本発明においては、前記上カバーの外周端縁には、前記ケーシング本体の上端外側を被覆するリップ片が設けられてなる構成を採用するのが望ましい。
【0010】
さらに本発明においては、前記フランジ補強板および前記取付用フランジのうち一方の内周縁部が前記ガスケットよりも内側で上方へ折曲されて、その折曲片先端が前記上カバーの下面に当接されてなる構成を採用するのが、より一層望ましい。
【0011】
【作用】
この発明の湿式ガスメータにおいては、板金製ケーシングの両側下端のコーナー部が、2段階に折曲されることにより形成されて、それらの両折曲部間に傾斜部が設けられるものであるため、ケーシングの剛性を高めることができる。さらにケーシングは、ボックス型ケーシング本体と、その上端開口部に着脱自在に取り付けられる上カバーとからなるものであるため、ケーシング本体と上カバーとの接合部を基準液位よりも高位に設定できる。このためそのケーシング接合部においてはガスのみをシールできるように構成すれば良く、例えば通常のリトリルゴム製等のガスケットを介して、ねじ止めによりケーシング本体と上カバーとを連結しても、その連結部を確実にシールすることができる。
【0012】
また本発明において、ケーシング本体の内壁面に側壁補強板を取り付ける構成を採用する場合には、より一層ケーシングの剛性を高めることができる。
【0013】
また本発明において、ケーシング本体上端の取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して上カバーの外周縁部を重ね合わした状態で、上カバーおよびガスケットに貫通したねじを取付用フランジに締結して、上カバーをケーシング本体に連結する構成を採用する場合には、ケーシング接合部のシールを、確実に図りつつ、ねじ締めによりケーシング接合部を連結し得る構造を実現できる。
【0014】
さらに本発明において、上カバーの外周端縁に、ケーシング本体の上端外側を被覆するリップ片が設けられてなる構成を採用する場合、あるいはまたフランジ補強板および取付用フランジのうち一方の内周縁部が上方へ折曲されて、その先端が上カバーの下面に当接されてなる構成を採用する場合には、より一層確実に、ケーシング接合部をシールすることができる。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づき、本発明の一実施例である湿式ガスメータを詳細に説明する。
【0016】
図面に示すように、この湿式ガスメータは、板金製のケーシング(10)と、そのケーシング(10)内に収容される計量ドラム(60)とを有している。
【0017】
ケーシング(10)は、上端が開放されたボックス型のケーシング本体(20)と、そのケーシング本体(20)の上端開口部(21)を閉塞するための上カバー(40)とで構成されている。
【0018】
ケーシング本体(20)の下端両側コーナー部は、2段階に折曲されることにより形成されており、両折曲部間に傾斜部(25)(25)が設けられている。
【0019】
図7および図8に示すようにケーシング本体(20)の両側板内面には、前後方向に延びる上下2本の側壁補強板(27)が溶接により接合されるとともに、前後パネル(23)(24)の内面には、左右方向に延びる上下2本の側壁補強板(28)が溶接により接合されている。
【0020】
また図12に示すように、ケーシング本体(20)の上端開口縁部は内方へ折曲されて、取付用フランジ(29)が形成されるとともに、そのフランジ(29)の下面に、内周縁部が上方へ折曲されたフランジ補強板(31)の外周縁部が溶接処理により接合されている。このフランジ補強板(31)内周の上方折曲片(31a)は、その先端が、後述するように上カバー(40)の下面に当接し得るようになされている。
【0021】
一方、計量ドラム(60)は、図1および図2に示すように、短円筒形のドラム胴(61)と、ドラム胴(61)の前端側に冠着されたドーナッツ状のドラムカバー(64)とで構成されており、ドラム胴(61)の内部に羽根板により仕切られた複数の計量室(62)が形成されている。
【0022】
この計量ドラム(60)には軸芯に沿ってドラム軸(65)が固着されており、そのドラム軸(65)の前部が前パネル(23)に軸受を介して貫通状態で回転自在に支持されるとともに、ドラム軸(65)の後端が後パネル(24)に軸受を介して回転自在に支持される。
【0023】
なお、計量ドラム(60)の各計量室(62)は、後述するようにケーシング(10)内に封液(L)を所定の基準液位まで注入することにより、液面上では他の計量室(62)に対し封液(L)によりシールされるようになされている。
【0024】
ケーシング本体(20)内の前部には、図示しない取付具を介してガス導通パイプ(11)が取り付けられている。このパイプ(11)のガス導入側端部は後述する前室(51)内における基準液位よりも上方に配置されるとともに、ガス導出側端部はドラムカバー(64)の中央孔(64a)を通って、ドラムカバー(64)内(ドラム入口部66)における基準液位よりも上方に配置されている。
【0025】
一方、上カバー(40)は、ケーシング本体(20)の上端開口部(21)の形状に倣って矩形状に形成されている。上カバー(40)の外周端縁は下方に折曲されてリップ片(41)が形成されるとともに、そのリップ片(41)の少し内側に周端縁に沿って多数のねじ挿通孔(42)が所定間隔おきに形成されている。
【0026】
この上カバー(40)の下面側外周縁部を、ケーシング本体(20)の上端の取付用フランジ(29)の上面に、矩形枠状の偏平なニトリルゴム製ガスケット(12)を介して接合した状態で、図12に示すように上カバー(40)の上方から多数のねじ(13)を、スプリング座金(13a)および平座金(13b)を介して、上カバー(40)のねじ挿通孔(42)およびパッキン(12)に貫通させて、ケーシング本体(20)のフランジ(29)およびフランジ補強板(31)に締結することにより、上カバー(40)のケーシング本体(20)への連結が図られる。
【0027】
この連結状態においては、ガスケット(12)がケーシング本体(20)と上カバー(40)との間で圧縮されて、ケーシング本体(20)側の補強板(31)の上方折曲片先端が上カバー(40)の下面に当接するとともに、上カバー(40)側のリップ片(41)がケーシング本体(20)の外側面上端に重なり合うように配置される。
【0028】
上カバー(40)の下面には、封液(L)の液面上において計量ドラム(60)の水平四方向の周囲を閉塞する仕切部材(50)の上端が溶接処理により固定されている。この仕切部材(50)の下端は、基準液位よりも低い位置まで配置されており、封液(L)をケーシング(10)内に注入した状態では、ケーシング(10)内が、仕切部材(50)より外側の空間部からなる前室(51)と、仕切部材(50)より内側でドラム(60)の外側の空間部からなる後室(52)とに分離される。
【0029】
ところで、本実施例においては、図15の左下がり斜線の領域で示す前室(51)内における封液(L)のガス受圧液面面積(SF)に対し、右下がり斜線の領域で示す後室(52)内における封液(L)のガス受圧液面面積(SB)が等しくなるように、具体的には前室ガス受圧液面面積(SF)に対し、後室ガス受圧液面面積(SB)が0.5倍〜3倍となるように設定するのが好ましく、さらには1倍〜2倍となるように設定するのがより一層好ましい。すなわち、後室ガス受圧液面面積(SB)の大きさが上記の規定範囲を逸脱するものでは、後述する本発明の効果を十分に得ることができない場合があり、好ましくない。
【0030】
さらに左下がり斜線および右下がり斜線の双方で示すドラム(60)内の入口部(66)における封液(L)のガス受圧液面面積(SD)に対し、後室(52)のガス受圧液面面積(SB)が等しくなるように、実際にはドラム入口部(66)のガス受圧液面面積(SD)に対し、後室ガス受圧液面面積(SB)が0.5倍〜1.5倍となるように設定するのが好ましく、さらには0.8倍〜1.2倍となるように設定するのがより一層好ましい。すなわち後室ガス受圧液面面積(SB)の大きさが上記の規定範囲を逸脱するものでは、後述の効果を十分に得ることがでない場合があり、好ましくない。
【0031】
ここで参考までに、従来の湿式ガスメータにおける所要部分のガス受圧液面の大きさについて述べておく。従来のガスメータにおいては、一般に、前室ガス受圧液面面積に対する後室ガス受圧液面面積は、4倍〜5倍程度に設定されており、またドラム入口部のガス受圧液面面積に対する後室ガス受圧液面面積は、3倍〜5倍に設定されている。
【0032】
本実施例の構成説明に戻って、仕切部材(50)の前板前面における中央には、液面計を設置するための液面計設置室(80)が形成されている。さらに上カバー(40)には、前室(51)に対応してガス導入口(43)が形成されるとともに、後室(52)に対応してガス排出口(44)が形成されている。
【0033】
また、ケーシング(10)の前面には、カウンターボックス(70)が装着される。このカウンターボックス(70)は、上記ドラム軸(65)の前端と接続されており、ガス計測時にドラム(60)の回転状況がドラム軸(65)を介して伝達されるように構成されている。
【0034】
なお、図4ないし図6において、(90)は上記液面計設置室(80)に対応して上カバー(40)に取り付けられた液面計、(91)は上カバー(40)の上面中央に取り付けられた水準器、(92)はケーシング本体(20)の前面側部に装着されたマノメータ、(93)はケーシング本体(20)の側面上部に装着された水盛液面計である。
【0035】
この湿式ガスメータによりガス計測を行う場合、ケーシング(10)内に、封液(L)を所定の基準液位まで注入し、その状態において、ガス導入口(43)からケーシング(10)内に検体ガスを導入する。これによりガスは、前室(51)およびガス導通パイプ(11)を通ってドラムカバー(64)内に送り込まれる。このガスは、ドラム(60)の回転を伴って各計量室(62)に順次導入され、ドラム後端側から後室(52)内に放出されて、ガス排出口(44)を通ってケーシング(10)外に排出される。そしてこの計測中には、ドラム(60)の回転状況がドラム軸(65)を介してカウンターボックス(70)内のカウンター機器に伝達され、そこでガスの積算流量値が測定されるとともに、その測定値がカウンターボックス(70)の前面に表示される。
【0036】
この湿式ガスメータによれば、ドラム(60)の周囲を閉塞する仕切部材(50)を設けるものであるため、前室ガス受圧液面面積(SF)と、後室ガス受圧液面面積(SB)と、ドラム入口部(66)のガス受圧液面面積との割合を自在に変更でき、これらの面積割合を最適に設定できる。すなわち、前室ガス受圧液面面積(SF)と、後室ガス受圧液面面積(SB)との割合を上記の範囲に設定しているため、前室(51)および後室(52)間で検体ガスの圧力差により生じる液位差を小さくすることができる。したがって、ドラム(60)が低速回転する低流量域ではもちろんのこと、ドラム(60)が高速回転する高流量域であっても、前室(51)およびドラム入口部(66)の液位低下を極力抑制でき、器差の右下がり現象を防止でき、高い測定精度を得ることができる。
【0037】
また、本実施例においては、後室(52)のガス受圧液面面積(SB)とドラム入口部(66)のガス受圧液面面積(SD)とを上記の範囲に設定しているため、以下に詳述するように、より一層測定精度を向上させることができる。すなわち、ガス計測中において、ドラム入口部(66)のガス圧は後室(52)のガス圧よりも高いので、ドラム入口部(66)の液位は後室(52)の液位よりも低くなっている。このため、通常は、ドラム入口部(66)の低い液位の状態でガスが計量室(62)内にシールされ、その状態で、計量室(62)がドラム出口側(後室52)で開放されることになる。このとき、後室(52)内の高い液位の封液(L)がドラム(60)内に逆流して、ドラム(60)内において液面が激しく揺動し、測定精度を低下させることがある。
【0038】
そこで本実施例のガスメータでは、後室(52)のガス受圧液面面積(SB)をドラム入口部ガス受圧液面面積(SD)に対して等しくなるように設定しているため、両者間での圧力差により発生する液位差が最小となる。このため、液位差が最小の状態で計量室(62)が後室(52)に開放されるようになり、封液(L)が後室(52)からドラム(60)内に逆流するのを極力抑制することができ、液面揺動を有効に防止でき、測定精度をより一層向上させることができる。
【0039】
また本実施例の湿式ガスメータにおいては、以下に詳述するように、封液の液位設定を簡単に精度良く行える。
【0040】
まず従来の湿式ガスメータにおいて、ドラム回転中におけるガス計量室内の液位変動が大きく、中でも計量室がその出入口が羽根板によりシールされて密閉された後、後室に開放されるまでの間、計量室内の液位が大きく低下しているということは従来例で説明した通りである。一方図17に示すように、従来のガスメータにおいて、液位設定を行う場合、ドラム(7)を停止させて前室(1a)および後室(1b)を大気に開放させた状態で行うが、ドラム(7)を停止させたとき、計量室(7d)が密閉されていると、計量室(7d)内の液位は低下したままの状態となり、その分、前室(1a)や後室(1b)の液位が逆に上昇することとなる。つまり、実際の液位(L1)よりも高い位置にある見掛けの液位(L2)を測定して液位設定を行うことになり、測定誤差が生じ、液位設定を精度良く行えなくなってしまう。このように従来のガスメータは、ドラム(7)の回転角度によって液位を正確に設定できず、液位設定時には、ドラム(7)の回転角度の確認作業のほか、回転角度の調整作業も行う必要が生じ、液位設定が困難で測定精度も低下することになる。
【0041】
これに対し本実施例のガスメータは、既述したようにドラム回転中における計量室(62)内の液位はほとんど低下せず、計量室(62)出入口が羽根板によりシールされた密閉状態でも計量室(62)内の液位低下はほとんど認められない。このため、ドラム(60)の回転を停止させて液位を設定するとき、たとえ計量室(62)が密閉されていても、計量室(62)内の液位は低下しておらず、前室(51)や後室(52)の液位が上昇することもない。つまり、計量室(62)が密閉されていようとも、実際の液位(L1)と見掛けの液位(L2)とが等しくなり、液位を精度良く設定できる。しかも、ドラム(60)の回転角度の確認や角度調整も不要となり、高精度で液位設定を簡単に行える。
【0042】
なお、本実施例では、前室ガス受圧液面面積(SF)と後室ガス受圧液面面積(SB)とのバランスを図ることによる効果と、後室ガス受圧液面面積(SB)とドラム入口部のガス受圧液面面積(SD)とのバランスを図ることによる効果とで、相乗的な効果を発揮することができる。
【0043】
一方、本実施例のガスメータは、ケーシング(10)を、上方が開放されたボックス型のケーシング本体(20)と、そのケーシング本体(20)の上端開口部(21)に取り付けられる上カバー(40)とで構成することにより、ケーシング本体(20)と上カバー(40)との接合部(ケーシング接合部)を基準液位よりも高位に設定できる。このため、ケーシング接合部においては、ガスのみをシールできるように構成すれば良く、例えば高価なフッ素入りゴムを使用しなくとも、通常のニトリルゴム製等のガスケット(12)を使用すれば問題なくシールすることができる。さらに従来のような接着剤を使用せず、ねじ止めにより確実にシールできるので、ガスメータケーシングの組立、修理時の工数を削減でき、組立作業および修理作業を簡単に行えるとともに、コストの削減を図ることができる。しかもケーシング接合部は、図12に示すように、上カバー(40)のリップ片(41)をケーシング本体(20)の上端外側に重ね合わせるとともに、ケーシング本体(20)におけるフランジ補強板(31)の上方折曲片(31)先端を上カバー(40)の下面に当接するようにしている。このため、ケーシング接合部のガスケット(12)が閉空間内に配置されて、より一層優れたシール性を確保できる。
【0044】
なお本発明において、ケーシング接合部は必ずしも上記のような構成に限られるものではない。例えば図13に示すように、ケーシング本体(20)のフランジ(29)内周縁部に上方折曲片(29a)を形成してその上方折曲片(29a)先端を上カバー(40)の内面に当接するようにしてもよく、図14に示すようにフランジ(29)および補強板(33)を共に上カバー(40)の内面に当接しないように構成しても良い。
【0045】
また本実施例よれば、ケーシング(10)の内面に補強板(27)(28)を取り付けるとともに、ケーシング(10)の下端両側コーナー部を2段階で折曲して形成し、両折曲部間に傾斜部(25)を形成しているため、ケーシング(10)の剛性を相乗的に高めることができ、ケーシング(10)に変形や歪みが生じるのを防止でき、液漏れやガス漏れ等の不具合が発生するのを防止することができる。さらに本実施例のガスメータは、剛性が高く強固であるため、運搬中等において、不注意に、落下させたり、ぶつけたりしても、破損したり変形するようなことがほとんどなく、取扱いを容易に行える。しかも、本実施例においては、仕切部材(50)が剛性部材としても作用し、より一層剛性が高められて、上記の効果をより確実に得ることができる。
【0046】
また本実施例では、外力が加わるガス導入口(43)およびガス排出口(44)をケーシング(10)の上カバー(40)に形成しているため、上記外力がドラム(60)の回転に直接影響することがなく、高い測定精度を長期維持できる。さらにケーシング(10)の上カバー(40)に、ガス導入管やガス排出管のほか、液面センサー、水準器、圧力計等の付属部品を取着できるので、上カバー(40)を取り外すだけで、これらの交換や修理を確実に行えて、維持、管理を簡単に行える。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、この発明の湿式ガスメータによれば、板金製ケーシングの両側下端のコーナー部が、2段階に折曲されることにより形成されて、それらの両折曲部間に傾斜部が設けられるものであるため、ケーシングの剛性を高めることができ、歪や変形による液漏れやガス漏れ等の不具合が発生するのを防止できる。さらにケーシングは、ボックス型ケーシング本体と、その上端開口部に着脱自在に取り付けられる上カバーとからなるものであるため、ケーシング本体と上カバーとの接合部を基準液位よりも高位に設定できる。このためそのケーシング接合部においてはガスのみをシールできるように構成すれば良く、例えば通常のリトリルゴム製等のガスケットを介して、ねじ止めによりケーシング本体と上カバーとを連結しても、その連結部を確実にシールすることができる。したがって、ガスメータケーシングの組立、修理作業を簡単に行えるとともに、コストの削減を図り得るという効果が得られる。
【0048】
また本発明において、ケーシング本体の内壁面に側壁補強板を取り付ける構成を採用する場合には、より一層ケーシングの剛性を高めることができ、上記の効果を、より確実に得ることができるという利点がある。
【0049】
また本発明において、ケーシング本体上端の取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して上カバーの外周縁部を重ね合わした状態で、上カバーおよびガスケットに貫通したねじを取付用フランジに締結して、上カバーをケーシング本体に連結する構成を採用する場合には、ケーシング接合部のシールを、確実に図りつつ、ねじ締めによりケーシング接合部を連結し得る構造を実現できるという利点がある。
【0050】
さらに本発明において、上カバーの外周端縁に、ケーシング本体の上端外側を被覆するリップ片が設けられてなる構成を採用する場合、あるいはまたフランジ補強板および取付用フランジのうち一方の内周縁部が上方へ折曲されて、その先端が上カバーの下面に当接されてなる構成を採用する場合には、より一層確実に、ケーシング接合部をシールすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるガスメータを示す概略側断面図である。
【図2】実施例のガスメータの基準液位での概略平断面図である。
【図3】実施例のガスメータのケーシングを分解して概略的に示す斜視図である。
【図4】実施例の湿式ガスメータを示す正面図である。
【図5】実施例のガスメータを示す側面図である。
【図6】実施例のガスメータを示す平面図である。
【図7】実施例のガスメータにおけるケーシング本体をその前壁の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図8】実施例のケーシング本体をその側壁の一部を切り欠いた状態で示す側面図である。
【図9】実施例のケーシング本体を示す平面図である。
【図10】実施例のガスメータの上カバーを示す下面図である。
【図11】実施例の上カバーの側断面図である。
【図12】実施例のガスメーターにおけるケーシング接合部を拡大して示す側断面図である。
【図13】変形例のケーシング接合部を拡大して示す側断面図である。
【図14】他の変形例のケーシング接合部を拡大して示す側断面図である。
【図15】実施例のガスメータにおいてガス受圧液面を示す平面図である。
【図16】実施例のガスメータにおいて計量室がシールされた状態の概略側断面図である。
【図17】図16の対比例となる従来の湿式ガスメータにおいて計量室がシールされた状態の概略側断面図である。
【符号の説明】
10…ケーシング
12…ガスケット
13…ねじ
20…ケーシング本体
21…上端開口部
25…傾斜部
27、28…側壁補強板
29…取付用フランジ
29a…上方折曲片
31…フランジ補強板
31a…上方折曲片
40…上カバー
41…リップ片
60…計量ドラム
L…封液

Claims (5)

  1. 上端が開放されたボックス型ケーシング本体と、そのケーシング本体の上端開口部に着脱自在に取り付けられる上カバーとからなる板金製のケーシングを有し、そのケーシング内に計量ドラムが軸芯を水平に配置した状態で回転自在に支持される一方、前記計量ドラムが所定の基準液位まで浸漬されるように前記ケーシング内に封液が封入される湿式ガスメータであって、
    前記ケーシング本体の両側下端のコーナー部が、2段階に折曲されることにより形成されて、それらの両折曲部間に傾斜部が設けられてなることを特徴とする湿式ガスメータ。
  2. 前記ケーシング本体の内壁面に側壁補強板が取り付けられてなる請求項1記載の湿式ガスメータ。
  3. 前記ケーシング本体の上端開口縁部に沿って、内方へ突出する取付用フランジが設けられるとともに、そのフランジの下面にフランジ補強板が取り付けられ、
    前記取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して前記上カバーの外周縁部が重ね合わされた状態で、前記上カバーおよびガスケットを貫通するねじが前記取付用フランジに締結されて、前記上カバーが前記ケーシング本体に連結されてなる請求項1または2記載の湿式ガスメータ。
  4. 前記上カバーの外周端縁には、前記ケーシング本体の上端外側を被覆するリップ片が設けられてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の湿式ガスメータ。
  5. 前記フランジ補強板および前記取付用フランジのうち一方の内周縁部が前記ガスケットよりも内側で上方へ折曲されて、その折曲片先端が前記上カバーの下面に当接されてなる請求項1ないし4のいずれかに記載の湿式ガスメータ。
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