JPH08240467A - 湿式ガスメータ - Google Patents

湿式ガスメータ

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JPH08240467A
JPH08240467A JP4307995A JP4307995A JPH08240467A JP H08240467 A JPH08240467 A JP H08240467A JP 4307995 A JP4307995 A JP 4307995A JP 4307995 A JP4307995 A JP 4307995A JP H08240467 A JPH08240467 A JP H08240467A
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casing
upper cover
gas meter
casing body
drum
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Shun Kobayashi
駿 小林
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Kansai Gas Meter Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ボックス型ケーシング本体20と、その上端
開口部21に着脱自在に取り付けられる上カバー40と
からなる板金製ケーシング10を備え、そのケーシング
10の両側下端のコーナー部が、2段階に折曲されるこ
とにより形成されて、それらの両折曲部間に傾斜部25
が設けられてなる湿式ガスメータ。 【効果】 ケーシング10の剛性を高めることができ、
歪や変形による液漏れやガス漏れ等の不具合が発生する
のを防止できる。さらにケーシング本体20と上カバー
40との接合部を基準液位よりも高位に設定できるた
め、そのケーシング接合部においてはガスのみをシール
できるように構成すれば良く、通常のリトリルゴム製等
のガスケット12を介して、ねじ止めにより連結して
も、その連結部を確実にシールすることができ、ガスメ
ータケーシング10の組立、修理作業を簡単に行えると
ともに、コストの削減を図り得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ケーシングが板金加
工により形成された湿式ガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーシングが板金製の湿式ガスメ
ータは、前後分割型のものが主流である。この種の湿式
ガスメータのケーシングは、角筒状のケーシング本体の
前後開口部に前パネルおよび後パネルが取り付けられる
ものであって、そのケーシング内に、内部を周方向に並
ぶ複数の計量室に分離された円筒形の計量ドラムが、所
定の基準液位まで封液に浸漬された状態で保持されてい
る。そして、ケーシング内に導入される検体ガスが計量
ドラムの回転を伴って各計量室に順次流入して排出され
ることを利用し、このドラムの回転数からガスの積算流
量値を計測するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のガスメータは、ケーシングが板金製により構成され
ているため、剛性が低く、例えばガス計測中に、不注意
で高圧ガスをケーシング内に供給したり、あるいは不注
意にも周辺器材に接触させたりすると、ケーシングが容
易に変形し、液漏れが生じて正確なガス計測を行えなく
なる等の問題が生じる。
【0004】また上記従来のガスメータは、ケーシング
本体と前後パネルとの間に、両者間の隙間を密封するた
めのゴムパッキン(ガスケット)が介在されている。し
かしながら、ケーシング本体と前後パネルとの接合部に
おける基準液位よりも低い部分は、封液の影響により上
記ゴムパッキンが膨潤して密封性能が低下し、液漏れが
生じる恐れがある。また、その液漏れを防止するため
に、ゴムパッキンとして高価なフッ素入りゴム等を使用
することもある。しかしながらそうすると、コストの増
大を招くことはもちろん、フッ素入りゴムは硬度が高
く、ケーシングに少しでも反りがあれば、液漏れやガス
漏れが生じるので、接着剤を併用して装着する必要があ
り、接着剤が硬化するまで次段の工程に移行できない
等、組付作業が非常に繁雑になるという問題が発生す
る。しかもガスメータ修理時には、接着剤により固着し
たパネル類を剥離して分解し、再度接着剤を用いて組み
付ける必要があり、分解、修理に非常に手間取るという
問題も有していた。
【0005】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、ケーシングの剛性を高めて、歪みや変形に起因する
液漏れやガス漏れ等の不具合が発生するのを防止でき、
さらに組立作業、修理作業を簡単に行えて、コストも削
減できる湿式ガスメータを提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の湿式ガスメータは、上端が開放されたボ
ックス型ケーシング本体と、そのケーシング本体の上端
開口部に着脱自在に取り付けられる上カバーとからなる
板金製のケーシングを有し、そのケーシング内に計量ド
ラムが軸芯を水平に配置した状態で回転自在に支持され
る一方、前記計量ドラムが所定の基準液位まで浸漬され
るように前記ケーシング内に封液が封入される湿式ガス
メータであって、前記ケーシング本体の両側下端のコー
ナー部が、2段階に折曲されることにより形成されて、
それらの両折曲部間に傾斜部が設けられてなることを要
旨とする。
【0007】本発明においては、前記ケーシング本体の
内壁面に側壁補強板が取り付けられてなる構成を採用す
るのが好ましい。
【0008】本発明においては、前記ケーシング本体の
上端開口縁部に沿って、内方へ突出する取付用フランジ
が設けられるとともに、そのフランジの下面にフランジ
補強板が取り付けられ、前記取付用フランジ上に偏平な
ガスケットを介して前記上カバーの外周縁部が重ね合わ
された状態で、前記上カバーおよびガスケットを貫通す
るねじが前記取付用フランジに締結されて、前記上カバ
ーが前記ケーシング本体に連結されてなる構成を採用す
るのが、より一層好ましい。
【0009】また本発明においては、前記上カバーの外
周端縁には、前記ケーシング本体の上端外側を被覆する
リップ片が設けられてなる構成を採用するのが望まし
い。
【0010】さらに本発明においては、前記フランジ補
強板および前記取付用フランジのうち一方の内周縁部が
前記ガスケットよりも内側で上方へ折曲されて、その折
曲片先端が前記上カバーの下面に当接されてなる構成を
採用するのが、より一層望ましい。
【0011】
【作用】この発明の湿式ガスメータにおいては、板金製
ケーシングの両側下端のコーナー部が、2段階に折曲さ
れることにより形成されて、それらの両折曲部間に傾斜
部が設けられるものであるため、ケーシングの剛性を高
めることができる。さらにケーシングは、ボックス型ケ
ーシング本体と、その上端開口部に着脱自在に取り付け
られる上カバーとからなるものであるため、ケーシング
本体と上カバーとの接合部を基準液位よりも高位に設定
できる。このためそのケーシング接合部においてはガス
のみをシールできるように構成すれば良く、例えば通常
のリトリルゴム製等のガスケットを介して、ねじ止めに
よりケーシング本体と上カバーとを連結しても、その連
結部を確実にシールすることができる。
【0012】また本発明において、ケーシング本体の内
壁面に側壁補強板を取り付ける構成を採用する場合に
は、より一層ケーシングの剛性を高めることができる。
【0013】また本発明において、ケーシング本体上端
の取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して上カバ
ーの外周縁部を重ね合わした状態で、上カバーおよびガ
スケットに貫通したねじを取付用フランジに締結して、
上カバーをケーシング本体に連結する構成を採用する場
合には、ケーシング接合部のシールを、確実に図りつ
つ、ねじ締めによりケーシング接合部を連結し得る構造
を実現できる。
【0014】さらに本発明において、上カバーの外周端
縁に、ケーシング本体の上端外側を被覆するリップ片が
設けられてなる構成を採用する場合、あるいはまたフラ
ンジ補強板および取付用フランジのうち一方の内周縁部
が上方へ折曲されて、その先端が上カバーの下面に当接
されてなる構成を採用する場合には、より一層確実に、
ケーシング接合部をシールすることができる。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づき、本発明の一実施例であ
る湿式ガスメータを詳細に説明する。
【0016】図面に示すように、この湿式ガスメータ
は、板金製のケーシング(10)と、そのケーシング
(10)内に収容される計量ドラム(60)とを有して
いる。
【0017】ケーシング(10)は、上端が開放された
ボックス型のケーシング本体(20)と、そのケーシン
グ本体(20)の上端開口部(21)を閉塞するための
上カバー(40)とで構成されている。
【0018】ケーシング本体(20)の下端両側コーナ
ー部は、2段階に折曲されることにより形成されてお
り、両折曲部間に傾斜部(25)(25)が設けられて
いる。
【0019】図7および図8に示すようにケーシング本
体(20)の両側板内面には、前後方向に延びる上下2
本の側壁補強板(27)が溶接により接合されるととも
に、前後パネル(23)(24)の内面には、左右方向
に延びる上下2本の側壁補強板(28)が溶接により接
合されている。
【0020】また図12に示すように、ケーシング本体
(20)の上端開口縁部は内方へ折曲されて、取付用フ
ランジ(29)が形成されるとともに、そのフランジ
(29)の下面に、内周縁部が上方へ折曲されたフラン
ジ補強板(31)の外周縁部が溶接処理により接合され
ている。このフランジ補強板(31)内周の上方折曲片
(31a)は、その先端が、後述するように上カバー
(40)の下面に当接し得るようになされている。
【0021】一方、計量ドラム(60)は、図1および
図2に示すように、短円筒形のドラム胴(61)と、ド
ラム胴(61)の前端側に冠着されたドーナッツ状のド
ラムカバー(64)とで構成されており、ドラム胴(6
1)の内部に羽根板により仕切られた複数の計量室(6
2)が形成されている。
【0022】この計量ドラム(60)には軸芯に沿って
ドラム軸(65)が固着されており、そのドラム軸(6
5)の前部が前パネル(23)に軸受を介して貫通状態
で回転自在に支持されるとともに、ドラム軸(65)の
後端が後パネル(24)に軸受を介して回転自在に支持
される。
【0023】なお、計量ドラム(60)の各計量室(6
2)は、後述するようにケーシング(10)内に封液
(L)を所定の基準液位まで注入することにより、液面
上では他の計量室(62)に対し封液(L)によりシー
ルされるようになされている。
【0024】ケーシング本体(20)内の前部には、図
示しない取付具を介してガス導通パイプ(11)が取り
付けられている。このパイプ(11)のガス導入側端部
は後述する前室(51)内における基準液位よりも上方
に配置されるとともに、ガス導出側端部はドラムカバー
(64)の中央孔(64a)を通って、ドラムカバー
(64)内(ドラム入口部66)における基準液位より
も上方に配置されている。
【0025】一方、上カバー(40)は、ケーシング本
体(20)の上端開口部(21)の形状に倣って矩形状
に形成されている。上カバー(40)の外周端縁は下方
に折曲されてリップ片(41)が形成されるとともに、
そのリップ片(41)の少し内側に周端縁に沿って多数
のねじ挿通孔(42)が所定間隔おきに形成されてい
る。
【0026】この上カバー(40)の下面側外周縁部
を、ケーシング本体(20)の上端の取付用フランジ
(29)の上面に、矩形枠状の偏平なニトリルゴム製ガ
スケット(12)を介して接合した状態で、図12に示
すように上カバー(40)の上方から多数のねじ(1
3)を、スプリング座金(13a)および平座金(13
b)を介して、上カバー(40)のねじ挿通孔(42)
およびパッキン(12)に貫通させて、ケーシング本体
(20)のフランジ(29)およびフランジ補強板(3
1)に締結することにより、上カバー(40)のケーシ
ング本体(20)への連結が図られる。
【0027】この連結状態においては、ガスケット(1
2)がケーシング本体(20)と上カバー(40)との
間で圧縮されて、ケーシング本体(20)側の補強板
(31)の上方折曲片先端が上カバー(40)の下面に
当接するとともに、上カバー(40)側のリップ片(4
1)がケーシング本体(20)の外側面上端に重なり合
うように配置される。
【0028】上カバー(40)の下面には、封液(L)
の液面上において計量ドラム(60)の水平四方向の周
囲を閉塞する仕切部材(50)の上端が溶接処理により
固定されている。この仕切部材(50)の下端は、基準
液位よりも低い位置まで配置されており、封液(L)を
ケーシング(10)内に注入した状態では、ケーシング
(10)内が、仕切部材(50)より外側の空間部から
なる前室(51)と、仕切部材(50)より内側でドラ
ム(60)の外側の空間部からなる後室(52)とに分
離される。
【0029】ところで、本実施例においては、図15の
左下がり斜線の領域で示す前室(51)内における封液
(L)のガス受圧液面面積(SF)に対し、右下がり斜
線の領域で示す後室(52)内における封液(L)のガ
ス受圧液面面積(SB)が等しくなるように、具体的に
は前室ガス受圧液面面積(SF)に対し、後室ガス受圧
液面面積(SB)が0.5倍〜3倍となるように設定す
るのが好ましく、さらには1倍〜2倍となるように設定
するのがより一層好ましい。すなわち、後室ガス受圧液
面面積(SB)の大きさが上記の規定範囲を逸脱するも
のでは、後述する本発明の効果を十分に得ることができ
ない場合があり、好ましくない。
【0030】さらに左下がり斜線および右下がり斜線の
双方で示すドラム(60)内の入口部(66)における
封液(L)のガス受圧液面面積(SD)に対し、後室
(52)のガス受圧液面面積(SB)が等しくなるよう
に、実際にはドラム入口部(66)のガス受圧液面面積
(SD)に対し、後室ガス受圧液面面積(SB)が0.
5倍〜1.5倍となるように設定するのが好ましく、さ
らには0.8倍〜1.2倍となるように設定するのがよ
り一層好ましい。すなわち後室ガス受圧液面面積(S
B)の大きさが上記の規定範囲を逸脱するものでは、後
述の効果を十分に得ることがでない場合があり、好まし
くない。
【0031】ここで参考までに、従来の湿式ガスメータ
における所要部分のガス受圧液面の大きさについて述べ
ておく。従来のガスメータにおいては、一般に、前室ガ
ス受圧液面面積に対する後室ガス受圧液面面積は、4倍
〜5倍程度に設定されており、またドラム入口部のガス
受圧液面面積に対する後室ガス受圧液面面積は、3倍〜
5倍に設定されている。
【0032】本実施例の構成説明に戻って、仕切部材
(50)の前板前面における中央には、液面計を設置す
るための液面計設置室(80)が形成されている。さら
に上カバー(40)には、前室(51)に対応してガス
導入口(43)が形成されるとともに、後室(52)に
対応してガス排出口(44)が形成されている。
【0033】また、ケーシング(10)の前面には、カ
ウンターボックス(70)が装着される。このカウンタ
ーボックス(70)は、上記ドラム軸(65)の前端と
接続されており、ガス計測時にドラム(60)の回転状
況がドラム軸(65)を介して伝達されるように構成さ
れている。
【0034】なお、図4ないし図6において、(90)
は上記液面計設置室(80)に対応して上カバー(4
0)に取り付けられた液面計、(91)は上カバー(4
0)の上面中央に取り付けられた水準器、(92)はケ
ーシング本体(20)の前面側部に装着されたマノメー
タ、(93)はケーシング本体(20)の側面上部に装
着された水盛液面計である。
【0035】この湿式ガスメータによりガス計測を行う
場合、ケーシング(10)内に、封液(L)を所定の基
準液位まで注入し、その状態において、ガス導入口(4
3)からケーシング(10)内に検体ガスを導入する。
これによりガスは、前室(51)およびガス導通パイプ
(11)を通ってドラムカバー(64)内に送り込まれ
る。このガスは、ドラム(60)の回転を伴って各計量
室(62)に順次導入され、ドラム後端側から後室(5
2)内に放出されて、ガス排出口(44)を通ってケー
シング(10)外に排出される。そしてこの計測中に
は、ドラム(60)の回転状況がドラム軸(65)を介
してカウンターボックス(70)内のカウンター機器に
伝達され、そこでガスの積算流量値が測定されるととも
に、その測定値がカウンターボックス(70)の前面に
表示される。
【0036】この湿式ガスメータによれば、ドラム(6
0)の周囲を閉塞する仕切部材(50)を設けるもので
あるため、前室ガス受圧液面面積(SF)と、後室ガス
受圧液面面積(SB)と、ドラム入口部(66)のガス
受圧液面面積との割合を自在に変更でき、これらの面積
割合を最適に設定できる。すなわち、前室ガス受圧液面
面積(SF)と、後室ガス受圧液面面積(SB)との割
合を上記の範囲に設定しているため、前室(51)およ
び後室(52)間で検体ガスの圧力差により生じる液位
差を小さくすることができる。したがって、ドラム(6
0)が低速回転する低流量域ではもちろんのこと、ドラ
ム(60)が高速回転する高流量域であっても、前室
(51)およびドラム入口部(66)の液位低下を極力
抑制でき、器差の右下がり現象を防止でき、高い測定精
度を得ることができる。
【0037】また、本実施例においては、後室(52)
のガス受圧液面面積(SB)とドラム入口部(66)の
ガス受圧液面面積(SD)とを上記の範囲に設定してい
るため、以下に詳述するように、より一層測定精度を向
上させることができる。すなわち、ガス計測中におい
て、ドラム入口部(66)のガス圧は後室(52)のガ
ス圧よりも高いので、ドラム入口部(66)の液位は後
室(52)の液位よりも低くなっている。このため、通
常は、ドラム入口部(66)の低い液位の状態でガスが
計量室(62)内にシールされ、その状態で、計量室
(62)がドラム出口側(後室52)で開放されること
になる。このとき、後室(52)内の高い液位の封液
(L)がドラム(60)内に逆流して、ドラム(60)
内において液面が激しく揺動し、測定精度を低下させる
ことがある。
【0038】そこで本実施例のガスメータでは、後室
(52)のガス受圧液面面積(SB)をドラム入口部ガ
ス受圧液面面積(SD)に対して等しくなるように設定
しているため、両者間での圧力差により発生する液位差
が最小となる。このため、液位差が最小の状態で計量室
(62)が後室(52)に開放されるようになり、封液
(L)が後室(52)からドラム(60)内に逆流する
のを極力抑制することができ、液面揺動を有効に防止で
き、測定精度をより一層向上させることができる。
【0039】また本実施例の湿式ガスメータにおいて
は、以下に詳述するように、封液の液位設定を簡単に精
度良く行える。
【0040】まず従来の湿式ガスメータにおいて、ドラ
ム回転中におけるガス計量室内の液位変動が大きく、中
でも計量室がその出入口が羽根板によりシールされて密
閉された後、後室に開放されるまでの間、計量室内の液
位が大きく低下しているということは従来例で説明した
通りである。一方図17に示すように、従来のガスメー
タにおいて、液位設定を行う場合、ドラム(7)を停止
させて前室(1a)および後室(1b)を大気に開放さ
せた状態で行うが、ドラム(7)を停止させたとき、計
量室(7d)が密閉されていると、計量室(7d)内の
液位は低下したままの状態となり、その分、前室(1
a)や後室(1b)の液位が逆に上昇することとなる。
つまり、実際の液位(L1)よりも高い位置にある見掛
けの液位(L2)を測定して液位設定を行うことにな
り、測定誤差が生じ、液位設定を精度良く行えなくなっ
てしまう。このように従来のガスメータは、ドラム
(7)の回転角度によって液位を正確に設定できず、液
位設定時には、ドラム(7)の回転角度の確認作業のほ
か、回転角度の調整作業も行う必要が生じ、液位設定が
困難で測定精度も低下することになる。
【0041】これに対し本実施例のガスメータは、既述
したようにドラム回転中における計量室(62)内の液
位はほとんど低下せず、計量室(62)出入口が羽根板
によりシールされた密閉状態でも計量室(62)内の液
位低下はほとんど認められない。このため、ドラム(6
0)の回転を停止させて液位を設定するとき、たとえ計
量室(62)が密閉されていても、計量室(62)内の
液位は低下しておらず、前室(51)や後室(52)の
液位が上昇することもない。つまり、計量室(62)が
密閉されていようとも、実際の液位(L1)と見掛けの
液位(L2)とが等しくなり、液位を精度良く設定でき
る。しかも、ドラム(60)の回転角度の確認や角度調
整も不要となり、高精度で液位設定を簡単に行える。
【0042】なお、本実施例では、前室ガス受圧液面面
積(SF)と後室ガス受圧液面面積(SB)とのバラン
スを図ることによる効果と、後室ガス受圧液面面積(S
B)とドラム入口部のガス受圧液面面積(SD)とのバ
ランスを図ることによる効果とで、相乗的な効果を発揮
することができる。
【0043】一方、本実施例のガスメータは、ケーシン
グ(10)を、上方が開放されたボックス型のケーシン
グ本体(20)と、そのケーシング本体(20)の上端
開口部(21)に取り付けられる上カバー(40)とで
構成することにより、ケーシング本体(20)と上カバ
ー(40)との接合部(ケーシング接合部)を基準液位
よりも高位に設定できる。このため、ケーシング接合部
においては、ガスのみをシールできるように構成すれば
良く、例えば高価なフッ素入りゴムを使用しなくとも、
通常のニトリルゴム製等のガスケット(12)を使用す
れば問題なくシールすることができる。さらに従来のよ
うな接着剤を使用せず、ねじ止めにより確実にシールで
きるので、ガスメータケーシングの組立、修理時の工数
を削減でき、組立作業および修理作業を簡単に行えると
ともに、コストの削減を図ることができる。しかもケー
シング接合部は、図12に示すように、上カバー(4
0)のリップ片(41)をケーシング本体(20)の上
端外側に重ね合わせるとともに、ケーシング本体(2
0)におけるフランジ補強板(31)の上方折曲片(3
1)先端を上カバー(40)の下面に当接するようにし
ている。このため、ケーシング接合部のガスケット(1
2)が閉空間内に配置されて、より一層優れたシール性
を確保できる。
【0044】なお本発明において、ケーシング接合部は
必ずしも上記のような構成に限られるものではない。例
えば図13に示すように、ケーシング本体(20)のフ
ランジ(29)内周縁部に上方折曲片(29a)を形成
してその上方折曲片(29a)先端を上カバー(40)
の内面に当接するようにしてもよく、図14に示すよう
にフランジ(29)および補強板(33)を共に上カバ
ー(40)の内面に当接しないように構成しても良い。
【0045】また本実施例よれば、ケーシング(10)
の内面に補強板(27)(28)を取り付けるととも
に、ケーシング(10)の下端両側コーナー部を2段階
で折曲して形成し、両折曲部間に傾斜部(25)を形成
しているため、ケーシング(10)の剛性を相乗的に高
めることができ、ケーシング(10)に変形や歪みが生
じるのを防止でき、液漏れやガス漏れ等の不具合が発生
するのを防止することができる。さらに本実施例のガス
メータは、剛性が高く強固であるため、運搬中等におい
て、不注意に、落下させたり、ぶつけたりしても、破損
したり変形するようなことがほとんどなく、取扱いを容
易に行える。しかも、本実施例においては、仕切部材
(50)が剛性部材としても作用し、より一層剛性が高
められて、上記の効果をより確実に得ることができる。
【0046】また本実施例では、外力が加わるガス導入
口(43)およびガス排出口(44)をケーシング(1
0)の上カバー(40)に形成しているため、上記外力
がドラム(60)の回転に直接影響することがなく、高
い測定精度を長期維持できる。さらにケーシング(1
0)の上カバー(40)に、ガス導入管やガス排出管の
ほか、液面センサー、水準器、圧力計等の付属部品を取
着できるので、上カバー(40)を取り外すだけで、こ
れらの交換や修理を確実に行えて、維持、管理を簡単に
行える。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明の湿式ガスメー
タによれば、板金製ケーシングの両側下端のコーナー部
が、2段階に折曲されることにより形成されて、それら
の両折曲部間に傾斜部が設けられるものであるため、ケ
ーシングの剛性を高めることができ、歪や変形による液
漏れやガス漏れ等の不具合が発生するのを防止できる。
さらにケーシングは、ボックス型ケーシング本体と、そ
の上端開口部に着脱自在に取り付けられる上カバーとか
らなるものであるため、ケーシング本体と上カバーとの
接合部を基準液位よりも高位に設定できる。このためそ
のケーシング接合部においてはガスのみをシールできる
ように構成すれば良く、例えば通常のリトリルゴム製等
のガスケットを介して、ねじ止めによりケーシング本体
と上カバーとを連結しても、その連結部を確実にシール
することができる。したがって、ガスメータケーシング
の組立、修理作業を簡単に行えるとともに、コストの削
減を図り得るという効果が得られる。
【0048】また本発明において、ケーシング本体の内
壁面に側壁補強板を取り付ける構成を採用する場合に
は、より一層ケーシングの剛性を高めることができ、上
記の効果を、より確実に得ることができるという利点が
ある。
【0049】また本発明において、ケーシング本体上端
の取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して上カバ
ーの外周縁部を重ね合わした状態で、上カバーおよびガ
スケットに貫通したねじを取付用フランジに締結して、
上カバーをケーシング本体に連結する構成を採用する場
合には、ケーシング接合部のシールを、確実に図りつ
つ、ねじ締めによりケーシング接合部を連結し得る構造
を実現できるという利点がある。
【0050】さらに本発明において、上カバーの外周端
縁に、ケーシング本体の上端外側を被覆するリップ片が
設けられてなる構成を採用する場合、あるいはまたフラ
ンジ補強板および取付用フランジのうち一方の内周縁部
が上方へ折曲されて、その先端が上カバーの下面に当接
されてなる構成を採用する場合には、より一層確実に、
ケーシング接合部をシールすることができるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるガスメータを示す概
略側断面図である。
【図2】実施例のガスメータの基準液位での概略平断面
図である。
【図3】実施例のガスメータのケーシングを分解して概
略的に示す斜視図である。
【図4】実施例の湿式ガスメータを示す正面図である。
【図5】実施例のガスメータを示す側面図である。
【図6】実施例のガスメータを示す平面図である。
【図7】実施例のガスメータにおけるケーシング本体を
その前壁の一部を切り欠いた状態で示す正面図である。
【図8】実施例のケーシング本体をその側壁の一部を切
り欠いた状態で示す側面図である。
【図9】実施例のケーシング本体を示す平面図である。
【図10】実施例のガスメータの上カバーを示す下面図
である。
【図11】実施例の上カバーの側断面図である。
【図12】実施例のガスメーターにおけるケーシング接
合部を拡大して示す側断面図である。
【図13】変形例のケーシング接合部を拡大して示す側
断面図である。
【図14】他の変形例のケーシング接合部を拡大して示
す側断面図である。
【図15】実施例のガスメータにおいてガス受圧液面を
示す平面図である。
【図16】実施例のガスメータにおいて計量室がシール
された状態の概略側断面図である。
【図17】図16の対比例となる従来の湿式ガスメータ
において計量室がシールされた状態の概略側断面図であ
る。
【符号の説明】
10…ケーシング 12…ガスケット 13…ねじ 20…ケーシング本体 21…上端開口部 25…傾斜部 27、28…側壁補強板 29…取付用フランジ 29a…上方折曲片 31…フランジ補強板 31a…上方折曲片 40…上カバー 41…リップ片 60…計量ドラム L…封液

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端が開放されたボックス型ケーシング
    本体と、そのケーシング本体の上端開口部に着脱自在に
    取り付けられる上カバーとからなる板金製のケーシング
    を有し、そのケーシング内に計量ドラムが軸芯を水平に
    配置した状態で回転自在に支持される一方、前記計量ド
    ラムが所定の基準液位まで浸漬されるように前記ケーシ
    ング内に封液が封入される湿式ガスメータであって、 前記ケーシング本体の両側下端のコーナー部が、2段階
    に折曲されることにより形成されて、それらの両折曲部
    間に傾斜部が設けられてなることを特徴とする湿式ガス
    メータ。
  2. 【請求項2】 前記ケーシング本体の内壁面に側壁補強
    板が取り付けられてなる請求項1記載の湿式ガスメー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記ケーシング本体の上端開口縁部に沿
    って、内方へ突出する取付用フランジが設けられるとと
    もに、そのフランジの下面にフランジ補強板が取り付け
    られ、 前記取付用フランジ上に偏平なガスケットを介して前記
    上カバーの外周縁部が重ね合わされた状態で、前記上カ
    バーおよびガスケットを貫通するねじが前記取付用フラ
    ンジに締結されて、前記上カバーが前記ケーシング本体
    に連結されてなる請求項1または2記載の湿式ガスメー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記上カバーの外周端縁には、前記ケー
    シング本体の上端外側を被覆するリップ片が設けられて
    なる請求項1ないし3のいずれかに記載の湿式ガスメー
    タ。
  5. 【請求項5】 前記フランジ補強板および前記取付用フ
    ランジのうち一方の内周縁部が前記ガスケットよりも内
    側で上方へ折曲されて、その折曲片先端が前記上カバー
    の下面に当接されてなる請求項1ないし4のいずれかに
    記載の湿式ガスメータ。
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