JP3884684B2 - 膜式ガスメータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜式ガスメータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な従来の技術の膜式ガスメータは、上部ケースと下部ケースとを有し、これらの上部ケースと下部ケースとはコルク製のガスケットを挟んで複数のボルトおよびナットなどによって気密にフランジ結合される。上部ケースおよび下部ケースは、アルミニウム合金をダイキャスト法によって成形した鋳造物から成る。
【0003】
上部ケースには、ガスタンクなどのガス供給設備によって実現されるガス供給源から導かれたガスが通過する流入側ガス流路と、ガス消費機器に導かれるガスが通過する流出側ガス流路とが形成され、ガス消費量を機械的に計数して表示する計量カウンタと、ガスが消費されたときのガスの流量を電気的に検出してパルス信号を出力するパルス生成部を有する制御回路基板ユニットと、開閉弁を含む流路切換手段とが設けられる。
【0004】
また前記下部ケースは、気密に閉塞された内部空間を有し、この内部空間は仕切り壁によって正面側計量空間と背後側計量空間とに仕切られる。正面側計量空間は、正面側に配置される計量膜によって2つの計量室に仕切られ、背後側計量空間は背後側に配置される計量膜によって2つの計量室に仕切られる。
【0005】
各計量膜は、ガス供給源から流入側ガス流路に導かれたガスの圧力と、流出側ガス流路からガス消費機器へ導かれるガスの圧力との差圧によって変位する。各計量膜の変位は、リンク部材によって2本の翼軸にそれぞれ伝えられ、各翼軸はその軸線まわりに双方向に回動する。各翼軸の上端部は、下部ケースの前記上部ケース寄りの上部を塞ぐ隔壁から上方へ突出し、クランク手段によって上部ケース内で正面壁に向かって延びる回転軸に回転運動として伝達される。この回転軸には、回動アームの基端部が固定され、この回動アームの遊端部は、上部ケースの正面壁の内面から突出する略L字状の回動ピンに係合して、その回動ピンを回転させる。
【0006】
前記回動ピンは、上部ケースの正面壁を貫通し、外方に突出している。この外方に突出する部分には、カウンタ駆動用出力歯車が固定され、この出力歯車は前記計量カウンタの入力歯車に噛合する。前記出力歯車の回転量は、各計量膜が変位したときに排出するガスの体積に相当している。計量カウンタは、外周面に0,1,…,8,9までの数字が周方向に等間隔、すなわち40°毎に表記された複数のカウンタリールを有し、最小位の計量体積を表わすカウンタリールの各数字は0〜9リットルの計量体積を示し、このカウンタリールが一周すると、次位の0,10,20,…,80,90リットルを表わすカウンタリールが一目盛分、すなわち40°だけ回動する。このようにして下位のカウンタリールが一周する毎に上位側に隣接するカウンタリールが一目盛分だけ回動して、最小位の計量体積を表わすカウンタリールから最大位の計量体積を表わすカウンタリールにわたって順次的に回転駆動させて、各カウンタリールの横一列に並んだ数値によって、ガス使用量の積算値を表示するように構成されている。
【0007】
計量カウンタにはまた、前記入力歯車または回転軸の回転量を光学的または磁気的に検出して、その検出値を出力する検出器が設けられる。この検出器の出力は、前記制御回路ユニットのパルス生成部に入力され、計量カウンタに回転量などの機械的変位として入力される計量値に対応する計量値信号、すなわち計量体積をパルス数によって示すパルス信号が生成される。パルス生成部において生成された計量値信号は、複数のガスメータによって計測された各ガス使用量を包括的に管理するガス使用量表示装置へ送信され、またはガス供給事業者の管理センタなどへ電話回線を介して送信され、ガス需要家毎のガス使用量および異常発生などに関する集中管理データとして利用される。
【0008】
このような膜式ガスメータは、最大計測流量に応じて1号、2号、3号、…、90号、120号と号数によってランク分けされており、号数毎に前記出力歯車と入力歯車との歯車比が相違している。この出力歯車の回転は、各計量膜が変位したときに排出するガスの体積(=1ストローク分の計量体積[リットル/回])に相当し、たとえば5号ガスメータであれば1.7リットル/回であり、前記最小位の計量体積を表わすカウンタリールは、出力歯車が1回転することによって、角度68°(=(360°/9)×1.7)だけ回動し、表示値を1.7リットル分加算した値に変更する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術では、下部ケース内の各計量膜の往復変位を翼軸によって上部ケース内に往復角変位運動として導き、この角変位運動をクランク手段によって回転運動に変換して、計量カウンタの各カウンタリールを駆動し、機械的に計量カウンタにガス使用量の積算値を表示させるとともに、前記出力歯車または回転軸の回転量を光学的または磁気的に検出して、ガス使用量をパルス信号によって出力する。
【0010】
このような構成では、たとえば前述の5号ガスメータ用として設定された計量カウンタを単位計量体積の異なるガスメータに利用するとき、計量カウンタの入力歯車は各号共通とし、主にクランク機構を減速比の異なるものに変更するとともに、制御回路ユニットをも1パルスあたりの計量体積が異なる計量値信号を出力するものに交換しなければならない。そのため、計量膜の変位、すなわち回転軸が回転したときに排出されるガスの体積の相違に応じて、クランク機構を減速比の異なる構成に変更しなければならない。また制御回路ユニットについても、回転軸が回転量に対するガスの体積の相違に応じて、出力パルスの数が異なる計量値信号を導出するものと交換しなければならず、部品の種類が多いという問題がある。
【0011】
また、前述の従来の技術では、上部ケースと下部ケースとは複数のボルトおよびナットによってフランジ結合されるので、上部ケースと下部ケースとを結合するために、複数のボルトおよびナットを締付けなければならず、組立て作業に手間を要する。また上部ケースのフランジと下部ケースのフランジとの間に介在されるガスケットによってシール性を達成しているため、前記複数のボルトおよびナットによる各フランジ間の締結の程度がシール性に影響を及ぼし、このシール性に対するより高い信頼性が求められている。
【0012】
さらに、上部ケースと下部ケースとを結合する際に、下部ケース側に設けられる回動アームを、上部ケースの正面壁の内面に設けられる回動ピンに係合させなければならないために、組立て作業が煩雑であり、組立て作業の簡素化が求められている。
【0013】
本発明の目的は、部品の種類を少なくすることができるようにした膜式ガスメータを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、上部ケースおよび下部ケース間のシール性を向上することができるようにした膜式ガスメータを提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、組立て性を向上することができるようにした膜式ガスメータを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、気密に閉塞された内部空間に、ガス供給源から導かれたガスが通過する流入側ガス流路と、ガス消費機器に導かれるガスが通過する流出側ガス流路とが設けられる上部ケースと、
前記流入側ガス流路に導かれたガスの流入側ガス圧力と、流出側ガス流路に導かれたガスの流出側ガス圧力との差圧によって変位する計量膜が収容され、前記上部ケースに気密に接続される開口部を有する下部ケースと、
下部ケース内に設けられ、計量膜の変位によって回転する第1磁気吸引片を有する第1計測量伝達手段と、
上部ケース内に設けられ、前記第1磁気吸引片によって磁気吸引された状態で回転する第2磁気吸引片と、この第2磁気吸引片の回転を予め定める第1の減速比に減速して出力するカウンタ用出力部と、第2磁気吸引片の回転を予め定める第2の減速比に減速して出力するパルス用出力部とを有する第2計測量伝達手段と、
上部ケース内に設けられ、第2計測量伝達手段のカウンタ用出力部からの回転力によって駆動される複数のカウンタリールを有し、各カウンタリールによってガス使用量の積算値を表示する計量カウンタと、
上部ケースに設けられ、第2計測量伝達手段のパルス用出力部の回転に基づいて、ガス使用量に対応するパルス信号を生成するパルス信号生成手段とを含み、
前記上部ケースと前記下部ケースとは、開口部同士を嵌合させた状態で気密に接続されることを特徴とする膜式ガスメータである。
【0017】
本発明に従えば、上部ケースは流入側ガス流路と流出側ガス流路とを有し、流入側ガス流路にはガス供給源から管路を介して都市ガスなどガスが供給され、流出側ガス流路には管路を介してガスレンジおよびガス暖房機器などのガス消費機器が接続される。ガス消費機器によってガスが使用されると、ガス供給源からのガスが前記管路を介して流入側ガス流路に供給され、下部ケース内の計量膜は前記流入側ガス流路に導かれたガスの流入側ガス圧力と、前記流出側ガス流路に導かれたガスの流出側ガス圧力との差圧によって変位する。この計量膜の変位によって第1計測量伝達手段の第1磁気吸引片が回転し、この第1磁気吸引片の回転によって第2計測量伝達手段の第2磁気吸引片が連動して回転する。このようにして下部ケース内の計量膜の変位は、第1計測量伝達手段から上部ケース内の第2計測量伝達手段に回転運動として伝達される。
【0018】
前記上部ケースにおいて、第2計測量伝達手段の第2磁気吸引片の回転は、予め定める第1の減速比で減速してカウンタ用出力部に出力されるとともに、予め定める第2の減速比で減速してパルス用出力部に出力される。カウンタ用出力部の回転は、計量カウンタに入力され、複数のカウンタリールによってガス使用量の積算値が表示される。また、パルス信号生成手段は、前記パルス用出力部の回転に基づいてガス使用量に対応するパルス信号を生成し、このパルス信号はたとえば上部ケースに内臓されるコントローラに入力されて、過大流量およびガスの漏洩などの異常事態の検出するための計測データとして用いられるとともに、複数のガスメータを総括的に管理するガスメータ負荷計測装置に信号線を介して入力されるガス使用量に関する集中管理データとして用いられる。
【0019】
このように計量膜の変位を第1計測量伝達手段から第2計測量伝達手段へ回転運動として伝達し、この第2計測量伝達手段のカウンタ用出力部から計量カウンタへ第1の減速比で減速された回転が伝達されるとともに、前記第2計測量伝達手段のパルス用出力部からパルス信号生成手段に第2の減速比で減速された回転が伝達されるので、第1および第2の減速比を調整することによって、計量カウンタによって表示される計量体積と、パルス信号生成手段において生成されるパルス信号の計量体積とを一致させて、計量値を、計量カウンタではガス使用量の積算値として、またパルス信号生成手段ではガス使用量に対応したパルス信号として出力することができる。これによって号数によって呼称される最大計測流量の異なるガスメータを製造するに際して、前記従来の技術のように、制御回路ユニットを交換せずに、安価に実現することができる。
【0020】
請求項2記載の本発明は、前記下部ケースには、下部ケース内の空間を、正面側計量空間と背後側計量空間と前記第1計測量伝達手段が収容される上部計量空間とに仕切る隔壁構造体が着脱可能に収容され、
この隔壁構造体には、前記正面側計量空間を2つの正面側計量室に仕切る正面側計量膜と、前記背後側計量空間を2つの背後側計量室に仕切る背後側計量膜とが設けられることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、下部ケース内の空間を正面側計量空間と背後側計量空間と上部計量空間とに仕切る隔壁構造体が着脱自在に設けられる。この隔壁構造体によって下部ケース内に形成される正面側計量空間、背後計量空間および上部空間のうち正面側計量空間および背後側計量空間には計量膜がそれぞれ設けられ、正面側計量空間および背後側計量空間は2つの計量室にそれぞれ仕切られる。このような隔壁構造体が下部ケースに着脱自在に設けられることによって、共通な下部ケースを用いて、各2つの計量室の容積が異なる隔壁構造体に交換することが可能となり、前記号数によって呼称される最大計測流量の異なるガスメータを、容易にかつ安価に実現することができる。
【0022】
請求項3記載の本発明は、前記下部ケースには、下部ケース内の空間を、正面側計量空間と背後側計量空間と前記第1計測量伝達手段が収容される上部計量空間とに仕切る隔壁構造体が着脱可能に収容され、
この隔壁構造体には、前記正面側計量空間を2つの正面側計量室に仕切る正面側計量膜と、前記背後側計量空間を2つの背後側計量室に仕切る背後側計量膜と、下部ケースの開口部の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接する環状の第1シール部材と、上部ケースの開口部の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接する第2シール部材とが設けられることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、下部ケース内の空間を正面側計量空間と背後側計量空間と上部計量空間とに仕切る隔壁構造体が着脱自在に設けられる。この隔壁構造体によって下部ケース内に形成される正面側計量空間、背後計量空間および上部空間のうち正面側計量空間および背後側計量空間には計量膜がそれぞれ設けられ、正面側計量空間および背後側計量空間は2つの計量室にそれぞれ仕切られる。このような隔壁構造体が下部ケースに着脱自在に設けられることによって、共通な下部ケースを用いて、各2つの計量室の容積が異なる隔壁構造体に交換することが可能となり、前記号数によって呼称される最大計測流量の異なるガスメータを、容易にかつ安価に実現することができる。
【0024】
また、前記隔壁構造体には、第1および第2シール部材が設けられるので、上部ケースと下部ケースとを気密に接続することができる。しかも、隔壁構造体に第1および第2シール部材が装着されるので、隔壁構造体を下部ケースに装着することによって、前記第1シール部材は隔壁構造体の下部ケースへの装着と同時に、下部ケースの内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接し、したがって第1シール部材を隔壁構造体とは別途に取付ける必要がなく、組立て性が向上される。
【0025】
請求項4記載の本発明は、前記隔壁構造体には、正面側計量空間および背後側計量空間および上部計量空間を各計量膜の変位に連動して開放および遮断する流路切換手段が設けられることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、隔壁構造体には流路切換手段が設けられるので、組立て時に、隔壁構造体を下部ケースに装着することによって、同時に流路切換手段が下部ケースに装着され、組立て性が向上される。
【0027】
請求項5記載の本発明は、前記隔壁構造体には、前記第1計測量伝達手段が設けられることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、隔壁構造体には第1計測量伝達手段が設けられるので、組立て時に、隔壁構造体を下部ケースに装着することによって、同時に第1計測量伝達手段が下部ケースに装着され、組立て性が向上される。
【0029】
請求項6記載の本発明は、前記流入側ガス流路には、予め定める温度以上に加熱されることによって体膨張して、前記流入側ガス流路を閉塞する熱膨張部材が設けられることを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、流入側ガス流路に熱膨張部材が設けられるので、火災の発生などによって熱膨張部材が予め定める温度、たとえば80℃〜160℃に加熱されると、この熱膨張部材は体膨張して前記流入側ガス流路を閉塞する。これによって流入側ガス流路の前記熱膨張部材が設けられる部位でガスの供給が遮断され、ガスの漏洩が防止され、ガス漏洩に対する安全性が向上される。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の膜式ガスメータ1を右側方から見た全体の縦断面図であり、図2は図1の左側である正面側から見た膜式ガスメータ1の断面図である。本実施の形態の膜式ガスメータ1は、上部ユニット2と下部ユニット3とに大別され、上部ケース4、下部ケース5、第1計測量伝達手段6、第2計測量伝達手段7、計量カウンタ8、およびパルス信号生成手段9を含む。上部ユニット2は、第2計測量伝達手段6、計量カウンタ8およびパルス信号生成手段9を上部ケース4内に収容した構成とされ、下部ユニット3は、第1計測量伝達手段6を下部ケース5内に収容した構成とされる。
【0032】
上部ケース4は、アルミニウム合金をダイキャスト成型した鋳造物から成り、気密に閉塞された内部空間11に、ガス供給事業者によって管理されるガス供給設備内の図示しないガス供給源から供給されたガスが通過する流入側ガス流路12と、家屋内に備えられる、たとえばガスコンロおよびガス給湯器などの図示しないガス消費機器に導かれるガスが通過する流出側ガス流路13とが設けられる。前記ガスは、たとえば都市ガスであり、前記ガス供給源から本管、支管および供給管などのガス輸送管によって、前記流入側ガス流路12に導かれる。
【0033】
下部ケース5は、アルミニウム合金をダイキャスト成型した鋳造物から成り、その内部空間14には、上部ケース4の前記流入側ガス流路12に導かれたガスの流入側ガス圧力と、流出側ガス流路13に導かれるガスの流出側ガス圧力との差圧によって変位する2つの計量膜15a,15bが収容される。下部ケース5は、前記上部ケース4に気密に接続される開口部16を介して開放する大略的に有底筒状に形成されている。本発明の実施の他の形態では、前記下部ケース5は鉄板をプレス加工して形成されてもよい。
【0034】
下部ケース5内には、上部ケース4の前記下部ケース5の開口部16に臨む底壁17の近傍に配置され、この底壁17に沿って回転する第1磁気吸引片18を有する第1計量値伝達手段6と、下部ケース5の内部空間14を、正面側計量空間20と背後側計量空間21と前記第1計測量伝達手段6が収容される上部計量空間22とに仕切る隔壁構造体23と、正面側計量空間20および背後側計量空間21および上部計量空間22を各計量膜15a,15bの矢符A1,A2;B1,B2方向の変位に連動して、開放および遮断する流路切換手段24とが設けられる。
【0035】
各計量膜15a,15bのうち図1の左側である正面側に配置される正面側計量膜15aは、前記正面側計量空間20を2つの正面側計量室20a,20bに気密に仕切り、図1の右側である背後側に配置される背後側計量膜15bは、前記背後側計量空間21を2つの背後側計量室21a,21bに気密に仕切る。これらの計量膜15a,15bは、耐侯性を有しかつ可撓性および弾発性を有するたとえば合成ゴムから成る。
【0036】
前記隔壁構造体23は、下部ケース5内の図1における左右方向である幅方向中央部に配置され、上方(図1の上方)に臨んで開放する流路30を有する胴部31と、胴部31の下端部から前記幅方向両側に延びる一対の脚部32a,32bと、胴部31の上端部から下部ケース5の開口部16の内周面付近にわたって延びる薄手の隔壁部33とを含む。これらの胴部31、各脚部32a,32bおよび隔壁部33は、合成樹脂によって一体成型され、これによって部品点数が削減され、軽量化が図られている。
【0037】
隔壁構造体23の前記隔壁部33の遊端部には、下部ケース5の開口部16の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接する環状の第1シール部材35と、上部ケース4の開口部19の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接する環状の第2シール部材36とが嵌着される2本の環状の凹溝37,38が形成されるシール受け部39が一体的に設けられる。各凹溝37,38は、半径方向外方に臨んで開放し、第1および第2シール部材35,36が自己の弾性回復力によってシール受け部39に各凹溝37,38内で周方向全周にわたって弾発的に当接する。このようにして第1シール部材35は、下部ケースの開口部16の内周面とシール受け部39とによって挟持され、第2シール部材36は、上部ケースの開口部19の内周面とシール受け部39とによって挟持され、上部ケース4と下部ケース5とが開口部16,19同士を嵌合させた状態で気密に接続され、外部へのガスの漏洩を防止している。
【0038】
上部ケース4の前記流入側ガス流路12の一部を構成する後述のガス流入側接続管105内には、予め定める温度以上に加熱されることによって体膨張する熱膨張部材41が装着される。この熱膨張部材41は、クロロプレーンゴム(略称CR)に熱膨張剤が混合された軸直角断面が直円筒状の固形物から成り、その比重が1.45であり、体積膨張率が9〜11倍であり、前記予め定める温度である熱膨張開始温度が80℃〜160℃であり、好ましくは140℃である。また、熱膨張部材41の形状は、前記直円筒状の場合、たとえば外径が24mm、内径が18mm、軸線方向長さが15mmに選ばれる。
【0039】
前記熱膨張部材41の熱膨張開始温度が前述のように80℃〜160℃に選ばれる理由は、真夏の直射日光を受ける場所に膜式ガスメータ1が設置された状態であっても、膜式ガスメータ1が下限100℃〜上限150℃を超えることはないため、前記熱膨張温度の下限80℃〜上限160℃は、膜式ガスメータ1が異常といえる環境、たとえば火災に遭遇しているとみなすことができ、そのような異常な温度で熱膨張部材41を体膨張させて、流入側ガス流路12を遮断し、ガスの漏洩を確実に阻止することができるためである。
【0040】
図3は、正面側計量膜15a付近を拡大した縦断面図である。図1をも参照して、前記隔壁構造体23には、正面側および背後側の各計量膜15a,15bの周縁部52a,52bを支持する環状の支持面53a,53bが胴部31、脚部32a,32bおよび隔壁部33にわたって形成される。各支持面53a,53bには、複数のピン54が周方向に間隔をあけて垂直に立設され、各計量膜15a,15bの周縁部には各ピン54が挿通するピン孔55が形成される。なお、隔壁構造体23は、その重心を通る一鉛直線56に関して軸対称であるため、主として図3に示される正面側の構造について説明する。
【0041】
前記正面側の支持面53aによって支持される計量膜15aの周縁部52aは、大略的に四角錘台状のカバー体57の周縁部58によって押えられる。この周縁部58には、各ピン54の周方向に間隔と同様な間隔で複数のピン孔59が形成される。各ピン孔59を挿通してカバー体57の周縁部58から突出し、この突出する部分は超音波融着によって溶融されて偏平な略円筒状に変形し、こうして各ピン54の頭部がいわばかしめられた状態でカバー体57が隔壁構造体23に固定され、計量膜15aの周縁部52aが隔壁構造体23の支持面53aとカバー体57の周縁部58とによって気密に挟持される。
【0042】
各ピン54を前述のように超音波融着に溶融することによって、各ピンが一様な形状に溶融して変形し、カバー体57の周縁部58によって支持面53a上の計量膜15aの周縁部52aを一定の押圧力で周方向全周にわたって押圧し、高い気密性を達成している。
【0043】
このようにして隔壁構造体23に取付けられた計量膜15aによって、計量膜15aと隔壁構造体23との間に一方の正面側計量室20bが形成され、この計量膜15aが取付けられた隔壁構造体23が下部ケース5に装着されることによって、他方の正面側計量室20aが形成される。前記計量膜15aの矢符A1で示す胴部31から離反する方向の変位は、カバー体57によって阻止され、前記一方の正面側計量室20bの最大容量が一定に保たれる。
【0044】
前記計量膜15aの中央部は、一方の正面側計量室20b側に配置される内挟持板70と、他方の正面側計量室20a側に配置される外挟持板71とによって挟持され、外挟持板71にはヒンジ受け部72が一体的に形成される。ヒンジ受け部72には、計量膜15aの矢符A1,A2方向の往復変位を翼軸62aに伝える前記揺動アーム63aの長手方向一端部が回動自在に連結され、長手方向他端部は、翼軸62aに固定される。この揺動アーム63aの長手方向一端部には、この長手方向に垂直な軸線に沿って上方および下方(図1〜図3の上方および下方)にそれぞれ突出する直円柱状のヒンジピン73,74が一体的に形成される。また前記ヒンジ受け部72には、嵌合孔75,76が形成され、各ヒンジピン73,74が前記軸線まわりに回動自在に嵌まり込む。このような構成によって計量膜15aの矢符A1,A2方向の往復変位は、翼軸62aに伝達される。
【0045】
前記隔壁構造体23において、胴部31の外周面には、前記一鉛直線56を含む仮想一鉛直面に沿って突条77が設けられる。この突条77は、図2に示す正面方向から見て略U字状に延び、その延在方向両端部はシール受け部39に連なって、胴部31に一体的に形成される。このような突条77には、可撓性および弾発性を有しかつ耐ガス性を有する、たとえばアクリロニトリルブタジエンゴム(略称NBR)から成る隔壁シール部材78が装着される。下部ケース5の内壁面には、前記隔壁シール部材78が嵌まり込む凹溝79が形成され、この凹溝79の内面に隔壁シール部材78が全長にわたって弾発的に当接し、下部ケース5内に隔壁構造体23を装着することによって、下部ケース5内の内部空間14を前述の正面側計量空間20と背後側計量空間21とに気密に仕切られるように構成されている。
【0046】
このように隔壁構造体23は、下部ケース5内へ容易に装着し、容易に離脱させることができるので、部品の交換および修理などを行うにあたって分解および組立てが容易である。特に、膜式ガスメータ1の製造時において、隔壁構造体23に各計量膜15a,15bを取付けた状態で下部ケース5に装着することができるので、組立て工数が削減され、下部ケース5内での部品の取付け作業が少ないために組立て性が良好であり、生産性およびメンテナンス性が向上される。
【0047】
図4は、図2の切断面線IV−IVから見た膜式ガスメータ1の上部ユニット3内の構造を示す横断面図である。上部ケース4内には、前記第2計測量伝達手段7と、計量カウンタ8と、パルス信号生成手段9とが設けられる。第2計測量伝達手段7は、透磁性材料から成る底壁17の近傍に配置され、底壁17を介して前記第1磁気吸引片18によって磁気吸引された状態で底壁17に沿って図4の紙面に垂直な鉛直軸線L1まわりに回転する第2磁気吸引片43と、この第2磁気吸引片43と同軸に設けられて連動する第1歯車44aと、第1歯車44aに噛合し、前記鉛直軸線L1に平行な第2の鉛直軸線L2まわりに回転する器差補正用の第2歯車44bと、第2歯車44bと同軸に設けられて連動する第3歯車44cと、第3歯車44cに噛合し、第1および第2鉛直軸線L1,L2に平行な第3鉛直軸線L3まわりに回転する第4歯車44dと、第4歯車44dと同軸に設けられて連動するパルス用出力部である磁石片45と、第4歯車44dと同軸に設けられて連動するウォーム46と、ウォーム46に噛合し、第3鉛直軸線L3に垂直な軸線L4まわりに回転するウォームホイール47と、軸線L4方向一端部にウォームホイール47が固定され、後述の下部ハウジング134に軸線L4まわりに回転自在に支持される回転軸48と、回転軸48の軸線L4方向他端部に固定されるカウンタ用出力部である第6歯車44fとを有する。
【0048】
これらの第1〜第6歯車44a〜44f、回転軸45、ウォーム46、およびウォームホイール47は、合成樹脂から成り、好ましくはエンジニアリングプラスチックから成り、より好ましくはポリアセタール樹脂から成る。
【0049】
前記計量カウンタ8は、第2計測量伝達手段7の第6歯車44fからの回転力によって駆動される複数のカウンタリール51を有し、各カウンタリール51によってガス使用量の積算値を表示する。前記第2計測量伝達手段7、計量カウンタ8およびパルス信号生成手段9は、後述する図5〜図9に示されるように、一つのカウンタユニット80として組立てられる。
【0050】
前記第1〜第6歯車44a〜44fは、歯数n1〜n6を有し、ウォーム46は歯数n7を有し、ウォームホイール47は歯数n8を有する。第2歯車44bは、器差を補正するために、その歯数n2が第1歯車44aの歯数n1に対して−7〜+7の範囲で0.5毎に異なる27種類の歯車と、第1歯車44aの同一の歯数の歯車との合計7種類の歯車が準備され、膜式ガスメータ1の製造時に器差による計量値の誤差が許容範囲内となるように、前記7種類の歯車のうちの1つが選択されて用いられる。
【0051】
第2歯車44bと第3歯車44cとは、一体成型される。第3歯車44cには、第4歯車44dが噛合し、第3歯車44cの歯数n3と第4歯車44dの歯数n4とは、前記磁石片45の第3鉛直軸線L3まわりの回転経路に近接して設けられる後述する発信器RSWによって検出される検出パルス信号において、1パルスあたりの計量体積が計量カウンタ8の表示値と一致するように、減速比n3/n4が選ばれている。したがって各計量膜15a,15bが一往復したときのガスの排出体積が異なる、すなわち最大計量体積が異なる他の膜式ガスメータを製造するに際して、第3歯車44だけを歯数n3のことなるものに交換することによって、パルス生成手段9を回路構成の異なるものに交換する必要がなくなり、部品の種類の増大を抑制することができる。
【0052】
図1をも参照して、前記上部ケースは、背後側(図1の右方、図4の上方)に臨んで開放する開口部81が形成され、この開口部81には、耐ガス性および耐侯性の高い合成ゴム製の内カバー部材82と、内カバー部材82を外部から覆う合成樹脂製の外カバー部材83とがスナップフィット状態で着脱自在に装着される。内カバー部材82は、図4の左右方向である幅方向に長手の略凹状断面を成す内カバー本体84と、この内カバー本体84に一体的に連なり、L字状断面を有する第1周縁部85と、第1周縁部85の最外周端に一体的に連なり、U字状断面を有する第2周縁部86とを有する。開口部81の内周面には、周方向全周にわたって係合溝87が形成される。
【0053】
外カバー部材83は、前記幅方向に長手の略凹状断面を成す外カバー本体89と、外カバー本体89の最外周部に一体的に連なり、開口部81の図4の上方である端面90に外部から周方向全周にわたって当接するフランジ91と、外カバー本体89の前記最外周部に一体的に連なり、開口部81の内周面から内方に僅かな間隔をあけて周方向全周にわたって延びる筒状部92と、筒状部92よりも外方でフランジ91に外カバー本体89とは反対側(図4の下方)にほぼ垂直に突出し、周方向に間隔をあけて形成される係合爪93とを有する。
【0054】
これらの内カバー部材82および外カバー部材83は、内カバー部材82を外カバー部材83に装着した状態で、開口部81に同時に装着される。内カバー部材82が外カバー部材83に装着された状態では、外カバー本体89に内カバー本体84が嵌まり込み、外カバー部材83の筒状部92に内カバー部材82の第1周縁部85が内側から当接している。この状態で、内カバー部材82が装着された外カバー部材83を開口部81に嵌合させ、フランジ91が端面90に当接するまで押し込むことによって、係合爪93が係合溝87に弾発的に嵌まり込み、同時に第2周縁部86が開口部81の内周面に弾発的に当接して、スナップフィット状態で、内カバー部材82と外カバー部材83とが開口部81に装着され、開口部81が装着と同時に気密に塞がれる。このような構成によって、膜式ガスメータ1の製造時における組立て工程数が削減され、生産性を向上することができる。
【0055】
前記上部ケース4は、天壁96、正面壁97、左側壁98、右側壁99、背後壁100、および前記底壁17を含んで構成される。背後壁100には、前記開口部81が形成される。正面壁97は、図4の上方から見た断面において、左側壁98に直角に連なる第1正面壁部分101と、第1正面壁部分101の最も右側壁99寄りの端部から図4の下方である正面手前側へ直角に屈曲して連なる第2正面壁部分102と、第2正面壁部分102の最も正面手前側の端部から右側壁99側へ直角に屈曲して連なる第3正面壁部分103と、第3正面壁部分103の最も右側壁99寄りの端部からその右側壁99に外方に凸に湾曲して連なる第4正面壁部分104とを含む。
【0056】
天壁96には、ガス流入側接続管105とガス流出側接続管106とが立設され、ガス流入側接続管105には前記ガス供給源からのガスを導く管路が図示しない管継手によって接続され、ガス流出側接続管106には前記ガス消費機器にガスを導く管路が図示しない管継手によって接続される。左側壁98および正面壁97の内面には、前記流入側ガス流路12を規定する第1隔壁107が一体的に設けられる。右側壁99には、前記流出側ガス流路13を規定する第2隔壁108が一体的に設けられる。第1隔壁107には、円板状の弁体109を有する遮断弁110と、大略的に有底円筒状の弁座部材111とが同一軸線上に設けられる。第1正面壁部分101には、遮断弁復帰手段112が厚み方向に気密に貫通する取付孔113を有する取付け部114が形成される。
【0057】
遮断弁110は、電磁ソレノイド115と、電磁ソレノイド115の電磁プランジャ118に固定される前記弁体109と、電磁ソレノイド115が固定され、第1隔壁107に形成される円環状の取付け座116に固定される円板状のブラケット117と、ブラケット117と弁体109との間に介在された状態で前記電磁プランジャ118に装着される圧縮コイルばね119とを含む。
【0058】
このような遮断弁110は、弁体109が弁座部材111から離反した開弁状態においては、電磁ソレノイド115に内臓される図示しない永久磁石によって電磁プランジャ118が磁気的に吸着され、圧縮コイルばね119は弁体109とブラケット117との間で圧縮されている。弁座部材111は、流入側弁孔120と流出側弁孔121とを有し、耐ガス性の合成樹脂から成る。
【0059】
遮断弁復帰手段112は、弁座部材111に同軸に連結される復帰軸125と、復帰軸125が気密に挿通し、第1正面壁部分101の取付け部114に気密に装着される合成樹脂製の復帰軸ケース126と、復帰軸ケース126内に軸線方向に移動自在に装着され、復帰軸125が挿通する操作カバー体127と、復帰軸125に装着され、一端部が復帰軸ケース126に支持されかつ他端部が操作カバー体127に支持される復帰ばね128と、可撓性および弾発性を有する合成ゴムから成り、復帰軸ケース126に開口部が装着されて保持される有底筒状の復帰軸キャップ129とを含む。
【0060】
この復帰軸キャップ129は、可撓性および弾発性を有する材料から成るので、地震、過剰流量、過少流量および過剰な温度上昇などの異常の発生によって遮断弁110が作動し、弁体109が弁座部材111に着座して閉弁した状態で、復帰軸キャップ129上から復帰軸125を押圧し、弁座部材111を軸線に沿って電磁ソレノイド115に近接する方向に変位させ、弁体109を図4に示される開弁状態に復帰させることができる。この復帰の後、前記押圧状態を解除することによって、復帰軸125および弁座部材111は、復帰ばね128のばね力によって図4に示される状態に復帰させることができる。
【0061】
図5は、カウンタユニット80を上方から見た平面図であり、図6は図5の切断面線VI−VIから見た断面図である。カウンタユニット80は、前述のパルス信号生成手段9を搭載した制御回路ユニット133と、前記第2計測量伝達手段7と、前記計量カウンタ8、下部ハウジング134と、上部ハウジング135とを含む。
【0062】
制御回路ユニット133は、プリント配線基板によって実現される回路配線基板136と、回路配線基板136の上面に搭載されて回路配線基板136に形成される回路配線に電気的に接続され、地震などによる振動を3次元的に検出することができる、たとえば3次元加速度センサによって実現される感振器137と、回路配線基板136の上面に搭載されて回路配線基板136に形成される回路配線に電気的に接続され、回路配線基板136に駆動電力を供給するたとえばリチウム電池によって実現される蓄電池138と、回路配線基板136の上面に搭載されて回路配線基板136の回路配線に電気的に接続され、前記異常の発生を点滅表示によって視覚的に報知するたとえば発光ダイオードによって実現される警報ランプ139が設けられるランプソケット140と、回路配線基板136の上面に搭載され、回路配線基板136の回路配線の前記パルス信号生成手段9によって生成されたパルス信号および異常検出信号などを出力する出力端子に電気的に接続されるコネクタ141と、回路配線基板136の下面に搭載され、前記パルス信号生成手段9の一部を構成するたとえばリードスイッチによって実現される発信器RSWとを有する。前記コネクタ141には、パルス信号および異常時に発生される警報信号などのガス供給管理に関する各種の情報信号を、たとえば電話回線に導くリード線142が接続される。このような制御回路ユニット133は、前記上部ハウジング135上に搭載される。
【0063】
下部ハウジング134および上部ハウジング135は、合成樹脂から成り、好ましくはエンジニアリングプラスチックから成り、より好ましくはポリアセタール樹脂から成る。下部ハウジング134は、偏平な底板150と、底板150の図5および図6の左右方向である幅方向両側部から垂直に立上がる一対の側壁151,152と、底壁150の前記幅方向に垂直な前後方向(図5の上下方向)一側部から垂直に立上がる正面板153と、底壁150の前後方向他側部から垂直に立上がる背面板154とを有する。
【0064】
底板150には、第1〜第3鉛直軸線L1〜L3上にそれぞれ突出する第1〜第3ボス155〜157と、回転軸48を支持するリブ158とが一体的に形成される。第1ボス155には、前記第2磁気吸引片43が遊端部に固着されるホルダ161と、第1歯車44aとが第1鉛直軸線L1まわりに回転自在に装着される。ホルダ161は、下部ハウジング135と同様な透磁性の合成樹脂、すなわちポリアセタール樹脂から成り、第1磁気吸引片18に対して磁気吸引力が回転力が確実に伝達される程度に充分に作用するように、第2磁気吸着片43とともに底板150に近接して配置される。第2磁気吸引片43は、偏平な短円柱状に形成される永久磁石によって実現される。前記第1磁気吸引片18もまた、偏平な短円柱状の永久磁石によって実現される。第1および第2磁気吸引片18,43の相互に対向する表面には、相互に逆極性の磁極が形成される。
【0065】
前記ホルダ161は、第2磁気吸引片43が嵌まり込んで固着される有底短円筒状のキャップ部162と、第1ボス155に同軸に装着され、第1ボス155の上方(図6の上方)に臨む端面よりもさらに上方に突出し、第1ボス155よりも軸線方向の長さが大きいブッシュ163と、長手方向一端部がキャップ部162に連なり、長手方向他端部がブッシュ163に連なるアーム部164とを有し、これらは一体成型される。前記ブッシュ163には、第1歯車44aが同軸に支持される。
【0066】
第1歯車44aは、歯車本体165と、歯車本体165の一表面から突出するボス166と、歯車本体165の他表面から突出するブッシュ167とが一体的に形成される。ボス166は前記ホルダ161のブッシュ163に同軸に嵌まり込んで支持される。
【0067】
第2歯車44bは、第3歯車44cと同軸にかつ一体的に形成され、第3歯車44cの下面には図示しないブッシュ168が同軸にかつ一体的に形成される。ブッシュ168には、第2ボス156が嵌り込み、第2および第3歯車44b,44cは第2鉛直軸線L2まわりに回転自在に支持される。
【0068】
第4歯車44dは、ウォーム46と同軸にかつ一体的に形成され、第4歯車44dの下面には第3ボス157に嵌まり込むブッシュ169が同軸にかつ一体的に形成される。ウォーム46の上面には、ボス170が同軸にかつ一体的に形成される。このボスには、遊端部に前記磁石片45が固着されるホルダ171が装着される。このホルダ171は、磁石片45が嵌まり込んで固着される有底短円筒状のキャップ部173と、ボス170に同軸に装着され、ボス170の上方に臨む端面よりもさらに上方に突出し、ボス170よりも軸線方向の長さが大きいブッシュ174と、長手方向一端部がキャップ部173に連なり、長手方向他端部がブッシュ174に連なるアーム部175とを有し、これらは一体成型される。
【0069】
上部ハウジング135は、偏平な上面板180と、上面板180の図5および図6の左右方向である幅方向両側部から垂直に立ち下がる一対の側壁181,182と、上面板180の前記幅方向に垂直な前後方向(図5の上下方向)一側部から垂直に立ち下がる正面板183と、上面板180の前後方向他側部から垂直に立ち下がる背面板184とを有する。
【0070】
上面板180には、第1〜第3鉛直軸線L1〜L3上にそれぞれ突出する第4〜第6ボス185〜187が一体的に形成される。第4ボス185は第1歯車44aのブッシュ167に嵌り込み、第5ボス186は第2歯車44bの上面に形成される図示しないブッシュに嵌り込み、第6ボス187はウォーム46のブッシュ174に嵌り込む。
【0071】
第1〜第4歯車44a〜44d、各ホルダ161,171およびウォーム46は、下部ハウジング134および上部ハウジング135を分離したとき、第1〜第6ボス155〜157;185〜187から離脱させ、器差の補正に対しては第2および第3歯車44b、44cを歯数の異なるものと交換し、最大計量体積が異なる膜式ガスメータを製造しまたは変更する場合には、第4歯車44dおよびウォーム46を交換することができる。
【0072】
図7は、図5の下方から見たカウンタユニット80の正面図であり、図8はカウンタユニット80の右側面図であり、図9はカウンタユニット80の平面図である。上部ハウジング135の上面板180には、前記制御回路ユニット133の回路配線基板136の4隅近傍を着脱可能に係止して、前記回路配線基板136に平行に保持する4つの係止突起191a,191b,191c,191dが設けられる。回路配線基板136の上部ハウジング134に臨む下面には、前記発信器RSWが設けられる。
【0073】
図10は、下部ユニット3を上方から見た平面図であり、図11は第1計測量伝達手段6および流路切換手段24付近を正面側から見た拡大断面図である。前記第1計測量伝達手段6は、隔壁構造体23の胴部31上に搭載される流路切換手段24を連動して開閉動作させることができるように構成される。各計量膜15a,15bの矢符A1,A2;B1,B2方向の変位は、揺動部材61a,61bによって翼軸62a,62bに伝達され、各翼軸62a,62bは相互に平行な軸線まわりに矢符A3,A4;B3,B4方向に回動し、この回動は第1計測量伝達手段6および流路切換手段24に伝達される。
【0074】
第1計測量伝達手段6は、各翼軸62a,62bの上端部に基端部がそれぞれ固定される一対の揺動アーム63a,63bと、一方の揺動アーム63aの遊端部に一端部がピン193によってピン結合される第1リンク部材194と、第1リンク部材194の他端部に設けられる前述の第1磁気吸引片18と、前記第1リンク部材194の他端部が一端部にピン195によって結合され、平面視が略L字状の第2リンク部材196と、他方の揺動アーム63bの遊端部にひじ金ピン216によってピン結合される第3リンク部材198と、一端部が前記第3リンク部材198の一端部に前記ピン197によってピン結合される第4リンク部材199と、第4リンク部材199の他端部に一端部が回転軸200によってピン結合される回転アーム201と、前記回転軸200が回転自在に設けられ、両端部がピン202によって後述の棚板212に固定されるクランク台204とを含む。
【0075】
また、前記流路切換手段24は、隔壁構造体23に乗載され、透孔210および排気孔211が形成される棚板212と、この棚板212の前記透孔210に着脱自在に嵌着される弁座213と、棚板212の前記排気孔211に装着される排気管214と、弁座213に回転自在に支持される弁体215とを含む。棚板212には、第3リンク部材198の他端部がピン216によってピン結合される。また前記回転アーム201の他端部は、ピン217によって弁体215の周縁部にピン結合され、回転駆動される。
【0076】
図12は、下部ケース5に装着された隔壁構造体23を上方から見た平面図である。図1をも参照して、前記隔壁構造体23は、前述したように、胴部31と、脚部32a,32bと、隔壁部33とを有する。各脚部32a,32bは、図1の縦断面図において、隔壁シール部材78によって正面側計量空間20と背後側計量空間21とに仕切られ、正面側計量空間20は正面側計量膜15aによって2つの正面側計量室20a,20bに仕切られ、背後側計量空間21は背後側計量膜15bによって2つの背後側計量室21a,21bに仕切られる。胴部31内はさらに、内部隔壁221によって中央の第1空間222aと、その周囲の第2〜第5空間222b〜222eと、第1空間222aに通路223を介して連通する第6空間222fとに仕切られる。
【0077】
第4空間222dは、胴部31寄りの正面側計量室20aに連通し、第5空間222eは、胴部31寄りの正面側計量室20aに連通する。また第2空間222bは、正面側計量室20bに連通し、第3空間222cは背後側計量室21bに連通する。第6空間222fへは排気管214が連通する。
【0078】
図13は、弁座213を示す斜視図である。前記弁座213は、円環状の外輪225と、外輪225よりも小径で円環状の内輪226と、外輪225および内輪226を同軸に連結し、周方向に90°毎に設けられる複数(本実施の形態では4)のリブ227a〜227dと、外輪225および内輪226の共通な軸線上に同軸に設けられる弁軸228と、弁軸228を保持する直円柱状の保持片229と、保持片229を内輪226に連結する一対のリブ230a,230bとを有する。
【0079】
前記弁軸228は、弁体215を軸線まわりに低い回転トルクで円滑にかつ安定して回動することができ、耐腐食性の高い金属、たとえばステンレス鋼から成る。また、弁座213は、軽量化のため、前記外輪225、内輪226、各リブ227a,227d;230a,230bおよび保持片229は、耐ガス性および耐摩耗性を有する合成樹脂、たとえば黒鉛入りフェノール樹脂から成る。
【0080】
このような弁座213は、内輪226内に第1弁孔231aが形成され、外輪225と内輪226との間には各リブ227a〜227dによって周方向に90°毎に仕切られた第2〜第5弁孔231b〜231eが形成される。
【0081】
図14は、弁体215の平面図であり、図15は図14の下方から見た弁体215の側面図であり、図16は図14の切断面線XVI−XVIから見た弁体215の断面図であり、図17は図14の切断面線XVII−XVIIから見た弁体215の断面図であり、図18は弁体215の底面図である。前記弁体215は、円環状のフレーム233と、気流案内カバー234と、気流案内カバー234をフレーム233に連結するリブ235a,235bとを有する。
【0082】
前記気流案内カバー234は、弁座213の内輪226上に乗載される中空の中央案内部237と、中央案内部237に半径方向外方に連なる中空の外周案内部238と、中央案内部237内でこの中央案内部237に一体的に形成され、フレーム233の中心軸線と共通な軸線を有するブッシュ239と、半径方向にはフレーム233と中央案内部237との間を塞ぎかつ周方向には一方のリブ235aと外周案内部238との間を塞ぐ第1蓋部240と、半径方向にはフレーム233と中央案内部237との間を塞ぎかつ周方向には他方のリブ235bと外周案内部238と間を塞ぐ第2蓋部241とを含む。
【0083】
前記中央案内部237および外周案内部238の内方には、気流案内空間242が形成され、フレーム233と中央案内部237との間でかつ各リブ235a、235bの間には、開口243が形成される。このような弁体215が前記弁座213に乗載された状態では、弁軸228がブッシュ239に挿入され、外輪225にはフレーム233に支持され、中央案内部237は内輪226に支持され、弁軸228の軸線まわりに回転自在である。
【0084】
図19および図20は、各計量膜15a,15bの変位に対する弁体215の動作を説明するための図であり、図19(1)は他方の正面側計量室20bが排気を終了し、他方の背後側計量室21bが吸引を開始した状態を示し、図19(2)は他方の正面側計量室20bが吸引を開始し、一方の背後側計量室21aが排気している状態を示し、図19(3)は他方の正面側計量室20bが吸引を開始し、一方の背後側計量室21aが排気を終了した状態を示し、図19(4)は他方の正面側計量室20bが吸引し、一方の背後側計量室21bが排気している状態を示す。図20(1)は一方の正面側計量室20aが排気を終了し、一方の背後側計量室21aが吸引している状態を示し、図20(2)は一方の正面側計量室20aが吸引を開始し、他方の背後側計量室21bが排気している状態を示し、図20(3)は一方の正面側計量室20aが吸引し、他方の背後側計量室21bが吸引を終了した状態を示し、図20(4)は他方の正面側計量室20bを排気し、一方の背後側計量室21aを排気している状態を示す。
【0085】
前記ガス供給源から流入側ガス流路12にほぼ一定のガス供給圧力、たとえば3.5kPaでガスが供給され、流入側ガス流路13に接続されるガス消費機器においてガスの使用が開始されてガスコックが開放されると、本実施の形態の膜式ガスメータ1による計量動作が開始され、各計量膜15a,15bおよび流路切換手段24は、次のように動作し、この動作をまとめたものを表1および表2に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003884684
【0087】
【表2】
Figure 0003884684
【0088】
図21は、発信器RSWを備えるパルス信号生成手段9の具体的構成を示す電気回路図である。前記制御回路ユニット133には、パルス発生手段9が搭載される。このパルス信号生成手段9は、第1接点250が第2接点251に繰返して導通および遮断する発信器RSWと、第1接点250が一方の出力端に接続される直流電源である前記蓄電池138と、入力端子を有し、この入力端子には蓄電池138の前記一方の出力端の極性の入力信号が与えられて第1および第2接点250,251の導通または遮断から予め定める限時時間W03だけ持続する第1単安定回路F1と、第1単安定回路F1の出力を1/2に分周する分周回路F4と、第1単安定回路Fと分周回路F4との各出力に応答し、発信器RSWが導通または遮断するたびに論理値を交互に変化する第1および第2検出パルスを各出力ライン252,253に導出する論理手段G2、G17とを含む。
【0089】
前記発信器RSWは、リードスイッチによって実現され、一方の接点250は接続点254において抵抗R1とコンデンサC1とに接続される。抵抗R1は、直流電源138の出力端に接続され、直流電圧+Vccが与えられる。コンデンサC1は、直流電源138のもう1つの出力端に接続され、接地電位が与えられる。発信器RSWの他方の他方の接点251は、抵抗R2を経てライン255によって単安定回路F1の入力端子に接続される。このライン255は、抵抗R3を介して接地される。
【0090】
単安定回路F1には、コンデンサC3と抵抗R4とが接続され、限時時間W03(=C3・R4)が定められる。こうして単安定回路F1は、発信器RSWの各接点250,251が導通してから限時時間W03だけハイレベル信号を出力端Qからライン256に導出する。
【0091】
前記ライン256に導出された信号は、分周回路を構成するD形フリップフロップF4によって1/2に分周される。このD形フリップフロップF4は、プリセット入力端子PRおよびクリア入力端子CLRに電圧+Vccが与えられ、プリセットおよびクリア動作は行われない。ライン256の出力は、D形フリップフロップF4のクロック入力端子CKに与えられ、このクロック入力端子CKが立上がり波形を入力したとき、データ入力端子Dに与えられている論理値を、一方の出力端子Qの導出するとともに、その一方の出力端子Qの出力の反転した論理値を他方の出力端子Q ̄に導出し、この他方の出力端子Q ̄の出力は、ライン257を介してデータ入力端子Dに与えられる。
【0092】
D形フリップフロップF4の出力Qは、ライン258を介して一方の論理ゲートであるNANDゲートG1の一方に入力端子に与えられ、他方の出力端子Q ̄は、ライン259からもう1つの論理ゲートであるNANDゲートG2の一方の入力に与えられる。さらに単安定回路F1の出力Qは、ライン256,260からNANDゲートG1、G2の他方の入力に共通に与えられる。これらのNANDゲートG1,G2の各出力は、ライン252,253に導出される。
【0093】
図22は、図21に示されるパルス信号生成手段9の動作を説明するための波形図である。時刻t31以前において、発信器RSWの各接点250,251は遮断しており、したがってコンデンサC1は充電され、ライン255は図22(1)に示されるように、抵抗R3によってローレベルとなっている。
【0094】
時刻t31において、発信器RSWの各接点250,251が導通すると、コンデンサC1の電荷は接続点54から発信器RSWを経て、ライン255に導出され、ライン255には図22(2)に示されるように、正極性のパルスが発生し、これによって単安定回路F1は、限時時間W03の計時動作を開始する。したがってライン256には、単安定回路F1の出力Qから、限時時間W03だけ持続するハイレベルの信号が図22(3)示されるように導出される。
【0095】
D形フリップフロップF4の出力Qは、ライン258に図22(4)に示されるように分周信号を導出する。したがって各ライン252,253には、図22(5)および図22(6)に示されるように、交互に時間をあけてローレベルになる検出パルスが導出され、このようにして計量パルス信号が生成される。
【0096】
以上のように本実施の形態によれば、上部ケース4は流入側ガス流路12と流出側ガス流路13とを有し、流入側ガス流路12にはガス供給源から管路を介して都市ガスなどガスが供給され、流出側ガス流路13には管路を介してガスレンジおよびガス暖房機器などのガス消費機器が接続される。ガス消費機器によってガスが使用されると、ガス供給源からのガスが前記管路を介して流入側ガス流路12に供給され、下部ケース5内の計量膜15a,15bは、前記流入側ガス流路12に導かれたガスの流入側ガス圧力と、前記流出側ガス流路に導かれたガスの流出側ガス圧力との差圧によって矢符A1,A2;B1,B2方向に往復変位する。
【0097】
この計量膜15a,15bの変位によって、第1計測量伝達手段6の第1磁気吸引片18が回転し、この第1磁気吸引片18の回転によって第2計測量伝達手段7の第2磁気吸引片43が連動して回転する。このようにして下部ケース5内の計量膜15a,15bの変位は、第1計測量伝達手段6から上部ケース4内の第2計測量伝達手段7に非接触で回転運動として伝達される。
【0098】
前記上部ケース4において、第2計測量伝達手段7の第2磁気吸引片43の回転は、予め定める第1の減速比で減速してカウンタ用出力部であるカウンタ駆動歯車45に出力されるとともに、予め定める第2の減速比で減速してパルス用出力部48に出力される。カウンタ駆動歯車45の回転は、計量カウンタ8に入力され、複数のカウンタリール51によってガス使用量の積算値が表示される。
【0099】
また、パルス信号生成手段9は、前記パルス用出力部48の回転に基づいてガス使用量に対応するパルス信号を生成し、このパルス信号は上部ケース4に内臓される制御回路ユニット133に入力されて、過大流量およびガスの漏洩などの異常事態の検出するための計測データとして用いられるとともに、複数のガスメータを総括的に管理するガスメータ負荷計測装置に信号線を介して入力されるガス使用量に関する集中管理データとして用いられる。
【0100】
このように計量膜15a,15bの変位を第1計測量伝達手段6から第2計測量伝達手段7へ回転運動として伝達し、この第2計測量伝達手段7のカウンタ駆動用の歯車44fから計量カウンタ8へ第1の減速比で減速された回転が伝達されるとともに、前記第2計測量伝達手段7のパルス用出力部である磁石片45の第2の減速比で減速された回転によって、パルス信号生成手段9が計量値を示すパルス信号を生成するので、第1および第2の減速比を調整すること、すなわち歯車44b〜44dの組合せによって、計量カウンタ8によって表示される計量体積と、パルス信号生成手段9において生成されるパルス信号の計量体積とを一致させて、計量値を、計量カウンタ8ではガス使用量の積算値として、またパルス信号生成手段9ではガス使用量に対応したパルス信号として出力することができる。これによって号数によって呼称される最大計測流量の異なるガスメータを製造するに際して、前記従来の技術のように、制御回路ユニットを交換せずに、安価に実現することができる。
【0101】
また、本実施に形態によれば、下部ケース5内の空間14を正面側計量空間20と背後側計量空間21と上部計量空間22とに仕切る隔壁構造体23が着脱自在に設けられる。この隔壁構造体23によって下部ケース5内に形成される正面側計量空間20、背後計量空間21および上部計量空間22のうち正面側計量空間20および背後側計量空間21には計量膜15a,15bがそれぞれ設けられ、正面側計量空間20および背後側計量空間21は2つの計量室20a,20b;21a,21bにそれぞれ仕切られる。このような隔壁構造体23が下部ケース5に着脱自在に設けられることによって、共通な下部ケース5を用いて、各2つの計量室20a,20b;21a,21bの容積が異なる隔壁構造体23に交換することが可能となり、最大計測流量の異なるガスメータを、容易にかつ安価に実現することができる。
【0102】
さらにまた、前記隔壁構造体23には、第1および第2シール部材35,36が設けられるので、上部ケース4と下部ケース5とを気密に接続することができる。しかも、隔壁構造体23に第1および第2シール部材35,36が装着されるので、隔壁構造体23を下部ケース5に装着することによって、前記第1シール部材35は隔壁構造体23の下部ケース5への装着と同時に、下部ケース5の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接し、したがって第1シール部材35を隔壁構造体23とは別途に取付ける必要がなく、組立て性が向上される。
【0103】
さらに、隔壁構造体23には流路切換手段24が設けられるので、組立て時に、隔壁構造体23を下部ケース5に装着することによって、同時に流路切換手段が下部ケースに装着され、組立て性が向上される。
【0104】
さらに、隔壁構造体23には第1計測量伝達手段6が設けられるので、組立て時に、隔壁構造体23を下部ケース5に装着することによって、同時に第1計測量伝達手段6が下部ケース5に装着され、組立て性が向上される。
【0105】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、第1計測量伝達手段から第2計測量伝達手段へ回転運動として伝達し、この第2計測量伝達手段のカウンタ用出力部から計量カウンタへ第1の減速比で減速された回転が伝達されるとともに、前記第2計測量伝達手段のパルス用出力部からパルス信号生成手段に第2の減速比で減速された回転が伝達されるので、第1および第2の減速比を調整することによって、計量カウンタによって表示される計量体積と、パルス信号生成手段において生成されるパルス信号の計量体積とを一致させて、計量値を、計量カウンタではガス使用量の積算値として、またパルス信号生成手段ではガス使用量に対応したパルス信号として出力することができる。これによって号数によって呼称される最大計測流量の異なるガスメータを製造するに際して、前記従来の技術のように、制御回路ユニットを交換せずに、安価に実現することができる。
また、上部ケースと下部ケースとが開口部同士を嵌合させることによって気密に結合されるので、前述のように第1計測量伝達手段から第2計測量伝達手段へ回転を非接触で伝達し得る状態に組み立てることができ、組立て性を向上することができる。
【0106】
請求項2記載の本発明によれば、隔壁構造体が下部ケースに着脱自在に設けられることによって、共通な下部ケースを用いて、各2つの計量室の容積が異なる隔壁構造体に交換することが可能となり、前記号数によって呼称される最大計測流量の異なるガスメータを、容易にかつ安価に実現することができる。
【0107】
請求項3記載の本発明によれば、隔壁構造体には、第1および第2シール部材が設けられるので、上部ケースと下部ケースとを気密に接続することができる。しかも、隔壁構造体に第1および第2シール部材が装着されるので、隔壁構造体を下部ケースに装着することによって、前記第1シール部材は隔壁構造体の下部ケースへの装着と同時に、下部ケースの内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接し、したがって第1シール部材を隔壁構造体とは別途に取付ける必要がなく、組立て性が向上される。
【0108】
請求項4記載の本発明によれば、隔壁構造体には流路切換手段が設けられるので、組立て時に、隔壁構造体を下部ケースに装着することによって、同時に流路切換手段が下部ケースに装着され、組立て性が向上される。
【0109】
請求項5記載の本発明によれば、隔壁構造体には第1計測量伝達手段が設けられるので、組立て時に、隔壁構造体を下部ケースに装着することによって、同時に第1計測量伝達手段が下部ケースに装着され、組立て性が向上される。
【0110】
請求項6記載の本発明によれば、火災などによって膜式ガスメータが異常な高温となったとき、熱膨張部材が体膨張して流入側ガス流路を閉塞するので、外部へのガスの漏洩を防ぎ、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施の一形態の膜式ガスメータ1を右側方から見た全体の縦断面図である。
【図2】図1の左側である正面側から見た膜式ガスメータ1の断面図である。
【図3】正面側計量膜15a付近を拡大した縦断面図である。
【図4】図2の切断面線IV−IVから見た膜式ガスメータ1の上部ユニット3内の構造を示す横断面図である。
【図5】カウンタユニット80を上方から見た平面図である。
【図6】図5の切断面線VI−VIから見た断面図である。
【図7】図5の下方から見たカウンタユニット80の正面図である。
【図8】カウンタユニット80の右側面図である。
【図9】カウンタユニット80の平面図である。
【図10】下部ユニット3を上方から見た平面図である。
【図11】第1計測量伝達手段6および流路切換手段24付近を正面側から見た拡大断面図である。
【図12】下部ケース5に装着された隔壁構造体23を上方から見た平面図である。
【図13】弁座213を示す斜視図である。
【図14】弁体215の平面図である。
【図15】図14の下方から見た弁体215の側面図である。
【図16】図14の切断面線XVI−XVIから見た弁体215の断面図である。
【図17】図14の切断面線XVII−XVIIから見た弁体215の断面図である。
【図18】弁体215の底面図である。
【図19】各計量膜15a,15bの変位に対する弁体215の動作を説明するための図であり、図19(1)は他方の正面側計量室20bが排気を終了し、他方の背後側計量室21bが吸引を開始した状態を示し、図19(2)は他方の正面側計量室20bが吸引を開始し、一方の背後側計量室21aが排気している状態を示し、図19(3)は他方の正面側計量室20bが吸引を開始し、一方の背後側計量室21aが排気を終了した状態を示し、図19(4)は他方の正面側計量室20bが吸引し、一方の背後側計量室21bが排気している状態を示す。
【図20】各計量膜15a,15bの変位に対する弁体215の動作を説明するための図であり、図20(1)は一方の正面側計量室20aが排気を終了し、一方の背後側計量室21aが吸引している状態を示し、図20(2)は一方の正面側計量室20aが吸引を開始し、他方の背後側計量室21bが排気している状態を示し、図20(3)は一方の正面側計量室20aが吸引し、他方の背後側計量室21bが吸引を終了した状態を示し、図20(4)は他方の正面側計量室20bを排気し、一方の背後側計量室21aを排気している状態を示す。
【図21】発信器RSWを備えるパルス信号生成手段9の具体的構成を示す電気回路図である。
【図22】図21に示されるパルス信号生成手段9の動作を説明するための波形図である。
【符号の説明】
1 膜式ガスメータ
2 上部ユニット
3 下部ユニット
4 上部ケース
5 下部ケース
6 第1計測量伝達手段
7 第2計測量伝達手段
8 計量カウンタ
9 パルス信号生成手段
12 流入側ガス流路
13 流出側ガス流路
15a,15b 計量膜
18 第1磁気吸引片
23 隔壁構造体
24 流露切換手段
35,36 シール部材
43 第2磁気吸引片
45 カウンタ駆動歯車
48 パルス用出力部
51 カウンタリール
57 カバー体
61a,61b 揺動部材
62a,62b 翼軸
63a,63b 揺動アーム
73 隔壁シール部材
80 カウンタユニット
109 弁体
110 遮断弁
115 電磁ソレノイド
133 制御回路ユニット
134 下部ハウジング
135 上部ハウジング
136 回路配線基板
213 弁座
222a〜222f 第1〜第6空間
223 通路

Claims (6)

  1. 気密に閉塞された内部空間に、ガス供給源から導かれたガスが通過する流入側ガス流路と、ガス消費機器に導かれるガスが通過する流出側ガス流路とが設けられる上部ケースと、
    前記流入側ガス流路に導かれたガスの流入側ガス圧力と、流出側ガス流路に導かれたガスの流出側ガス圧力との差圧によって変位する計量膜が収容され、前記上部ケースに気密に接続される開口部を有する下部ケースと、
    下部ケース内に設けられ、計量膜の変位によって回転する第1磁気吸引片を有する第1計測量伝達手段と、
    上部ケース内に設けられ、前記第1磁気吸引片によって磁気吸引された状態で回転する第2磁気吸引片と、この第2磁気吸引片の回転を予め定める第1の減速比に減速して出力するカウンタ用出力部と、第2磁気吸引片の回転を予め定める第2の減速比に減速して出力するパルス用出力部とを有する第2計測量伝達手段と、
    上部ケース内に設けられ、第2計測量伝達手段のカウンタ用出力部からの回転力によって駆動される複数のカウンタリールを有し、各カウンタリールによってガス使用量の積算値を表示する計量カウンタと、
    上部ケースに設けられ、第2計測量伝達手段のパルス用出力部の回転に基づいて、ガス使用量に対応するパルス信号を生成するパルス信号生成手段とを含み、
    前記上部ケースと前記下部ケースとは、開口部同士を嵌合させた状態で気密に接続されることを特徴とする膜式ガスメータ。
  2. 前記下部ケースには、下部ケース内の空間を、正面側計量空間と背後側計量空間と前記第1計測量伝達手段が収容される上部計量空間とに仕切る隔壁構造体が着脱可能に収容され、
    この隔壁構造体には、前記正面側計量空間を2つの正面側計量室に仕切る正面側計量膜と、前記背後側計量空間を2つの背後側計量室に仕切る背後側計量膜とが設けられることを特徴とする請求項1記載の膜式ガスメータ。
  3. 前記下部ケースには、下部ケース内の空間を、正面側計量空間と背後側計量空間と前記第1計測量伝達手段が収容される上部計量空間とに仕切る隔壁構造体が着脱可能に収容され、
    この隔壁構造体には、前記正面側計量空間を2つの正面側計量室に仕切る正面側計量膜と、前記背後側計量空間を2つの背後側計量室に仕切る背後側計量膜と、下部ケースの開口部の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接する環状の第1シール部材と、上部ケースの開口部の内周面に周方向全周にわたって弾発的に当接する第2シール部材とが設けられることを特徴とする請求項1記載の膜式ガスメータ。
  4. 前記隔壁構造体には、正面側計量空間および背後側計量空間および上部計量空間を各計量膜の変位に連動して開放および遮断する流路切換手段が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の膜式ガスメータ。
  5. 前記隔壁構造体には、前記第1計測量伝達手段が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の膜式ガスメータ。
  6. 前記流入側ガス流路には、予め定める温度以上に加熱されることによって体膨張して、前記流入側ガス流路を閉塞する熱膨張部材が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の膜式ガスメータ。
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