JP3608865B2 - 高耐熱性、低誘電率の積層板用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、積層板用エポキシ樹脂組成物に関し、特に、低誘電率、低誘電正接、および高耐熱性を有し、金属への接着性に優れた積層板用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびエポキシ化オルソクレゾールノボラック樹脂に、芳香族ポリアミン、アミンアダクト、ジシアンジアミド、酸無水物、フェノールノボラック等の硬化剤を配合した組成物を、溶剤と混合してワニス化し、このワニスを補強用基材に塗布、含浸させた後、硬化させて、積層板を成形することは従来より周知である。
【0003】
ところで、近年、コンピューターの分野では演算速度の向上を目的として、これまでパターンの微細化や高密度化が図られてきた。しかし、このような方法も、物理的に限界となり、コンピューターを構成する電気部品や電子部品の素材を低誘電率化して演算速度の向上を図ることが着目され、また、これらの電気部品や電子部品を実装する基板として用いられる積層板にも低誘電率化が要求されてきている。そのため、積層板を形成する材料であるエポキシ樹脂にも、易成形性等のエポキシ樹脂が従来備えている特性を保持しつつ、さらに低誘電率を有することが望まれている。
【0004】
一方、衛星通信分野で用いられる積層板についても、伝送ロスの低減を目的として、低誘電率、低誘電正接化の要求に加え、適切なサイズの回路を作成するために、基板となる積層板の基材の低誘電率化が求められている。このため、積層板基材に、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、また、熱硬化性のポリブタジエン樹脂等を使用することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等を使用した場合でも、多くの場合、成形性、耐熱性および接着性が低下する問題がある。また、積層板の素材のガラスを石英に変えると誘電率を下げることができるが、加工成形時、特に穿孔時にドリル摩耗性が激しくなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、低誘電率、低誘電正接、および高耐熱性を有し、金属への接着性に優れた積層板用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明者らは、従来のエポキシ樹脂組成物と比して、低誘電率、低誘電正接を有し、かつ作業性にも優れた高耐熱性の熱硬化性樹脂組成物を得るべく、鋭意研究を重ねた結果、目的が達成された新たなエポキシ樹脂組成物を見出し、この知見に基づいて本発明をなすに到ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式(1):
【0009】
【化7】
【0010】
〔式中、kは平均で0〜3の整数である〕
で表されるエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂(A)と、下記一般式(2):
【0011】
【化8】
【0012】
〔式中、複数のR1 は、それぞれ相互に同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基であり、かつ複数のR1 の少なくとも1つは炭素数8または9のアルキル基であり、hは平均で0〜8の整数である〕
で表されるノボラック樹脂(B)と、下記一般式(3)または(4):
【0013】
【化9】
【0014】
〔式中、複数のR2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0または1であり、Yは下記式(3a)または(3b):
【0015】
【化10】
【0016】
(式中、R5 、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である)
で表される基である〕
【0017】
【化11】
【0018】
〔式中、R9 およびR10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Zは下記式(4a):
【0019】
【化12】
【0020】
(式中、mは0または2である)で表される基である〕で表される多価フェノール化合物(C)とを含み、誘電率が3.8以下であり且つガラス転移温度が146℃以上である積層板用エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0021】
以下、本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」という)について詳細に説明する。
【0022】
本発明の組成物の(A)成分であるエポキシ樹脂は、一般式(1)で表されるエポキシ化合物を必須成分として含むものである。このエポキシ化合物は、従来のビスフェノールA型のエポキシ樹脂に比べて分子内に嵩高いテルペン構造およびベンゼン核に2個のアルキル置換基を有するために、誘電率および誘電正接が低く、かつ高耐熱性のものである。また、一般式(1)で表されるエポキシ化合物は、これを用いて積層板を形成すると、ガラスクロス間の接着強度(層間接着強度)の良い硬化物を得ることができるものである。ここで、一般に、エポキシ樹脂組成物の分極性を下げ、低誘電率にすると、層間接着性が悪化するが、このエポキシ化合物を使用すると層間接着性を悪化させることなく、低誘電率の積層板を形成することができる。
【0023】
エポキシ樹脂(A)の必須成分として用いられるエポキシ化合物を表す一般式(1)において、kは平均で0〜3の整数であり、好ましくは平均で0〜1の整数である。
【0024】
このエポキシ樹脂(A)の必須成分である、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物は、テルペンビス(2,6−キシレノール)とエピクロルヒドリンを常法にしたがって反応させて得ることができる。エポキシ樹脂(A)中の式(1)で表わされるエポキシ化合物の量は、好ましくは10wt%以上、さらに15〜50wt%とするのが好ましい。エポキシ樹脂(A)は好ましくはエポキシ当量300〜500g/eq、さらには330〜400g/eqとする。
【0025】
本発明の組成物において、エポキシ樹脂(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物以外の他のエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA(F、AD)型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラックエポキシ樹脂等を含有していてもよい。特に、前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物以外に、本発明の組成物に難燃性を付与する目的で、分子内にハロゲン原子を有するエポキシ樹脂が含まれていることが、好ましい。ハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、Cl、Br等を挙げることができる。ハロゲン原子は式(1)で表わされるエポキシ化合物が置換基として有していてもよい。
【0026】
分子内にハロゲン原子を有するエポキシ樹脂の具体例としては、ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールP(4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール)、ブロム化ビスフェノールM(4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール)、ブロム化トリスフェノールPA(1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチルベンゼン)、ブロム化1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ブロム化フェノールノボラック等のグリシジル化合物等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールM、ブロム化トリスフェノールPAのグリシジル化合物である。また、一般式(1)で表されるエポキシ化合物とブロム化ビスフェノールA等のハロゲン原子を分子内に有するフェノール化合物との反応物も好ましく使用し得るが、特に限定されるものではない。
【0027】
エポキシ樹脂(A)が、分子内にハロゲン原子を有するエポキシ樹脂を含む場合、そのハロゲン原子の含有量は、エポキシ樹脂(A)の全量のうち15〜40好ましくは25〜35重量%であることが好ましい。15重量%未満であると難燃性が得られないので好ましくない。また40重量%を超えると硬化物の耐熱性が低下するので好ましくない。また、必要に応じて難燃助剤を添加することもできる。
【0028】
本発明の組成物の(B)成分として用いられるノボラック樹脂は、分子内にフェノール性水酸基を有するため、エポキシ樹脂の硬化剤として機能するものであり、前記一般式(2)で表されるものである。
【0029】
前記一般式(2)において、複数のR1 は、それぞれ相互に同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、ブチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。さらに複数のR1 の少なくとも1つは炭素数8または9のアルキル基である。また、hは平均で0〜8の整数である。
【0030】
本発明の組成物において、前記一般式(2)で表されるノボラック樹脂は、1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。
【0031】
この一般式(2)で表されるノボラック樹脂(B)の具体例として、下記一般式(2−1):
【0032】
【化13】
【0033】
等で表されるアルキル置換基を分子内に有するアルキルフェノールノボラックが挙げられる。この一般式(2−1)において、複数のR11は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、ブチル基、オクチル基、ノニル基等が挙げられる。さらに、一般式(2−1)で表されるアルキルフェノールノボラックの中でも、炭素数4〜9のアルキル基をベンゼン核の置換基として有するアルキルフェノールノボラックが好ましい。
【0034】
この一般式(2−1)で表されるアルキルフェノールノボラックは、アルキルフェノールとホルムアルデヒドとを重縮合させて得ることができる。アルキルフェノールの具体例としては、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール等が挙げられる。
【0035】
また、本発明において、ノボラック樹脂(B)として用いられるアルキルフェノールノボラックは、1種単独のアルキルフェノールとホルムアルデヒドとの重縮合物でもよいし、2種以上のアルキルフェノールとホルムアルデヒドとの重縮合物であり、分子内に2種以上のアルキルフェノールに由来する構造単位を有するものであってもよい。
【0036】
本発明の組成物の(C)成分として用いられる多価フェノール化合物は、硬化物の耐熱性、銅箔との接着強度を向上させるために用いるものであり、前記一般式(3)または(4)で表されるものである。
【0037】
一般式(3)において、複数のR2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。nは0または1であり、Yは前記式(3a)または(3b)で表される基である。
【0038】
式(3a)および(3b)において、R5 、R6 、R7 およびR8 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
【0039】
一般式(4)において、R9 およびR10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Zは前記式(4a)で表される基である。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。また、式(4a)において、mは0または2である。
【0040】
この一般式(3)または(4)で表される多価フェノール化合物(C)の具体例として、下記式(3−1)、(3−2)または(4−1):
【0041】
【化14】
【0042】
で表されるトリ−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,2,2−(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の3官能フェノール化合物または4官能フェノール化合物が好ましい。
【0043】
本発明の組成物において、前記エポキシ樹脂(A)、ノボラック樹脂(B)および多価フェノール化合物(C)の配合割合は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、ノボラック樹脂(B)2〜150重量部、および多価フェノール化合物(C)2〜80重量部の割合であるのが好ましい。さらにエポキシ樹脂(A)100重量部に対して、ノボラック樹脂(B)5〜80重量部、および多価フェノール化合物(C)2〜60重量部の割合であるのが特に好ましく、また、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、ノボラック樹脂(B)10〜60重量部、および多価フェノール化合物(C)3〜45重量部の割合であるのも好ましい。
【0044】
また、本発明の組成物には、前記エポキシ樹脂(A)、ノボラック樹脂(B)および多価フェノール化合物(C)以外に、硬化速度を調整するために、硬化促進剤を配合することができる。用いられる硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が挙げられ、これは1種単独でも2種以上を組み合わせても用いられる。本発明の組成物に硬化促進剤を配合する場合、配合量は、0.01〜5重量%程度が好ましい。配合量が0.01重量%未満であると硬化促進効果が小さく、5重量%を超えると保存安定性が低下する。
【0045】
本発明の組成物は、種々の用途、形態で利用することができるが、基材に含浸させる場合には、溶剤に溶解して、液状のワニスの形態で用いることができる。用いられる溶剤は、組成物の各成分の一部あるいは全成分に対して良好な溶解性を示すことが必要であるが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を用いることもできる。用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の各種グリコールエーテル系溶剤、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジアルキルグリコールエーテル系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤などが挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて併用することもできる。
【0046】
本発明の組成物を溶剤に溶解して得られるワニスは、ガラス織布、ガラス不織布または紙、あるいはガラス以外を成分とする布等の基材に塗布、含浸させ、乾燥炉中で80〜200℃の範囲内で乾燥させることにより、プリント配線板用プリプレグを得ることができる。このプリプレグは、加熱加圧してプリント配線板を製造することに用いられる。このとき、本発明の組成物は、低誘電率、低誘電正接で作業性に優れ、金属への接着性に優れ、高耐熱性でかつ耐薬品性に優れた熱硬化性を有する樹脂組成物であり、積層板、金属張り積層板等の製造に好適に使用することができる。例えば、本発明の樹脂組成物を、ガラスクロスに含浸させて積層板を作成すると、誘電率(1MHz)が4.0好ましくは、3.9以下、誘電正接(1MHz)が0.01好ましくは、0.009以下、ガラス転移温度(DSC法)が145℃以上、銅箔ピール強度(35μm)が1.2kgf/cm以上、層間接着強度(100μm)が1.1kgf/cm以上であり、難燃性がUL−94規格でV−0となる積層板を得ることができる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0048】
(合成例1) p−オクチルフェノールノボラック樹脂の合成
還流冷却器、攪拌器および温度計を付けたセパラブルフラスコに、p−オクチルフェノール5000g、触媒としてp−トルエンスルホン酸46gを仕込み、系内を窒素置換しながら95℃まで昇温させた。次いで、37%ホルマリン1407gを滴下ロートから2時間かけて等速で加えた。この間、系内を窒素雰囲気下で温度を95℃に保って還流させた。ホルマリンの添加終了後、さらに60分還流を続けた後、還流冷却器を単蒸留装置に変えた。次に、徐々に130℃迄昇温させ、メタノールと水を留去した。さらに昇温させながら窒素気流下で系内を徐々に減圧し、最終的に150℃、15mmHgの状態で30分保持し、低沸点物を留去した。減圧を解除した後、トルエン5500mlを加え、均一溶液とし、さらに10%炭酸水素ナトリウム水溶液1000mlを加えて中和した。さらに15%リン酸1ナトリウム水溶液500mlを用いて反応混合物を洗った後、150℃で共沸脱水を行った。得られた溶液を、G4ガラスフィルターでろ過した後、150℃オイル浴中で、系内の圧力を15mmHg以下に減圧してトルエンを除去した。さらにオイル浴の温度を220℃に上げ、5mmHg以下まで減圧度を上げ、残存モノマーを0.5%以下まで除去し、p−オクチルフェノールノボラック5030gを得た。
得られたp−オクチルフェノールノボラックは、軟化点98.3℃、水酸基当量220g/eq、およびモノマー残量0.15%のものであった。
【0049】
(合成例2) p−ノニルフェノールノボラック樹脂の合成
p−オクチルフェノールの代わりにp−ノニルフェノール660gを使用し、37%ホルマリンの使用量を219g、およびp−トルエンスルホン酸の使用量を6.3gとした以外は、全て合成例1と同様にして反応させ、p−ノニルフェノールノボラック670gを得た。得られたp−ノニルフェノールノボラックは、軟化点93℃、水酸基当量250g/eq、およびモノマー残量0.3%のものであった。
【0050】
(合成例3) p−ブチルフェノール/p−オクチルフェノール/p−ノニルフェノール混合ノボラック樹脂の合成
p−オクチルフェノール、37%ホルマリン、およびp−トルエンスルホン酸46gの代わりに、p−ブチルフェノール102g、p−オクチルフェノール309g、p−ノニルフェノール331g、37%ホルマリン258g、p−トルエンスルホン酸6.5gを使用とした以外は、全て合成例1と同様にして反応させ、p−ブチルフェノール/p−オクチルフェノール/p−ノニルフェノール混合ノボラック750gを得た。得られた混合ノボラックは、軟化点104℃、水酸基当量205g/eq、およびモノマー残量0.3%のものであった。
【0051】
(合成例4) エポキシ樹脂(1)の合成
温度計を備えた4つ口フラスコに、テルペン−2,6−キシレノール(ヤスハラケミカル社製)190g、エピクロルヒドリン463g、テトラアンモニウムクロリド50%水溶液4.5g、および水15gを仕込み、90℃で4時間反応させた。次いで、70℃で48%水酸化ナトリウム水溶液71gを2時間かけて徐々に加えた。この間、減圧下、エピクロルヒドリンと水との共沸を利用して水を系外に除去し、エピクロルヒドリンは反応系内に戻し、反応系内の水分濃度が2%を保つように調整した。水酸化ナトリウム水溶液の添加終了後、さらに30分間攪拌しながら反応を続けた。反応終了後、減圧下で未反応のエピクロルヒドリンを留去しながら、反応混合物の温度を徐々に上げ、120℃とした。次いで、反応混合物に、キシレン250gおよび水150gを加え、90℃で30分間攪拌した後、静置しキシレン相を取り出した。このキシレン相を共沸脱水し、セライトを敷いたG4ガラスフィルターにてろ過して不純物を濾別した。得られた溶液を150℃に加熱し、減圧下、キシレンを除去した。その結果、エポキシ樹脂235gが得られ、このエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(1)」という)のエポキシ当量は287g/eqであった。
【0052】
(合成例5) エポキシ樹脂(2)の合成
テルペン−2,6−キシレノールの代わりにp−オクチルフェノールノボラック180gを使用し、エピクロルヒドリン、テトラメチルアンモニウムクロライド水溶液、水および水酸化ナトリウム水溶液の使用量を、それぞれ180g、377g、3.6g、94gおよび57gとした以外は、全て合成例4と同様にして合成し、エポキシ樹脂210gを得た。得られたエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(2)」という)のエポキシ当量は394g/eqであった。
【0053】
(合成例6) エポキシ樹脂(3)の合成
合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)(エポキシ当量287g/eq)300g、テトラブロム化ビスフェノールA72.9gおよびキシレン50gを、セパラブルフラスコに仕込み、さらにテトラメチルアンモチウムクロリドの10%水溶液0.2mlを添加した。窒素ガス雰囲気下、反応混合物を攪拌しながら加熱し、温度が130℃になった時点で反応系内を減圧し、140℃まで昇温しながらキシレンと水を除去した。次に、反応系内の圧力を常圧に戻した後、窒素ガス雰囲気下、150℃で6時間加熱して反応を継続させ、エポキシ樹脂を得た。得られたエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(3)」という)のエポキシ当量は480g/eqであった。
【0054】
(実施例1)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂32.5g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)28g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)35.3g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン4.2g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は11分であった。
【0055】
得られたワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製、100ミクロンEガラス)に含浸させ、150℃で6分間乾燥させてプリプレグを作成した。得られたプリプレグはタックフリーで作業性に優れていた。
次に、このプリプレグを10枚重ね、さらにその上下に銅箔(三井金属(株)製、厚さ:35μm)を重ね、圧力25kg/cm2 、温度170℃で1時間加熱・加圧成形して、樹脂含量48%、厚さ1.1mmの銅張積層板を得た。
【0056】
得られた銅張積層板の誘電率、および誘電正接の測定はJIS C6481に準じて行った。半田耐熱性および銅箔ピール強度についてもJIS C6481に準じて測定した。半田耐熱性は、試験片を121℃、圧力2.0気圧の蒸気槽で3時間処理した後、260℃の半田に3秒間浸漬して外観の異常の有無を調べた。難燃性はUL−94規格に従い垂直法により評価した。また、ガラス転移温度は、DSCにより測定された吸熱ピークの中点から求めた。これらの結果を合わせて表2に示す。
【0057】
(実施例2)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂32.3g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)15g、合成例5で得られたエポキシ樹脂(2)13.2g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)39.5g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン4.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は10.5分であった。
【0058】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0059】
(実施例3)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂33.1g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)10g、合成例5で得られたエポキシ樹脂(2)15.4g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)39.5g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン2.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は10分であった。
【0060】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0061】
(実施例4)
表1に示すとおり、合成例2で得られたp−ノニルフェノールノボラック樹脂34.7g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)21.8g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)39.5g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン4.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は12分であった。
【0062】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0063】
(実施例5)
表1に示すとおり、合成例3で得られた混合ノボラック樹脂31.0g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)25.5g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)39.5g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン4.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は10.5分であった。
【0064】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0065】
(実施例6)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂29.7g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)23.8g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)39.5g、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン7.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は12.5分であった。
【0066】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0067】
(実施例7)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂30.3g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)23.8g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)31.0g、ブロム化ビスフェノールAエポキシ樹脂(三井石油化学工業(株)製、商品名:エポミックR232、エポキシ当量:475g/eq、臭素含量:21.0%)10.0g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン5.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は10.5分であった。
【0068】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0069】
(実施例8)
表1に示すとおり、合成例3で得られた混合ノボラック樹脂27.1g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)15.2g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)32.7g、合成例6で得られたエポキシ樹脂(3)20g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン5.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.8gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は9.5分であった。
【0070】
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作成し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0071】
(実施例9)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂10.0g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)26.3g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含料:48.0%)39.5g、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン24.2g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.7gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は6.5分であった。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作製し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0072】
(実施例10)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂10.0g、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)28.6g、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含料:48.0%)39.5g、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン11.9g、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン10.0g、および2−エチル−4−メチルイミダゾール0.4gに、さらにメチルエチルケトン80gを加え、常温で震盪して溶解させワニスを調製した。得られたワニスの150℃におけるゲル化時間は6.0分であった。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして銅張積層板を作製し、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0073】
(比較例1)
表1に示すとおり、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)、およびテトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)の使用量を、それぞれ37.7g、22.8gおよび39.5gとし、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンを使用しない以外は、実施例1と同様にしてワニスを調製し、さらに、そのワニスを用いて、銅張り積層板を作成して、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0074】
(比較例2)
表1に示すとおり、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)の代わりに、合成例5で得られたエポキシ樹脂(2)27.4gを使用し、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)、および1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンの使用量を、それぞれ29.1g、39.5gおよび4.0gとした以外は、実施例1と同様にしてワニスを調製し、さらに、そのワニスを用いて、銅張り積層板を作成して、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0075】
(比較例3)
表1に示すとおり、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)の代わりに、ブロム化ビスフェノールAエポキシ樹脂(三井石油化学工業(株)製、商品名:エポミックR232、エポキシ当量:475g/eq、臭素含量:21.0%)39.0g、およびo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:EOCN102S、エポキシ当量:221g/eq)4.3gを使用し、合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂およびテトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)の使用量を、それぞれ33.4gおよび23.3gとし、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンを使用しない以外は、実施例1と同様にしてワニスを調製し、さらに、そのワニスを用いて、銅張り積層板を作成して、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0076】
(比較例4)
表1に示すとおり、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)およびテトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)の使用量を、それぞれ34.1gおよび39.5gとし、合成例で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂の代わりに、ビスフェノールAノボラック樹脂(軟化点:93℃、水酸基当量:126)22.4gを使用した以外は、実施例1と同様にしてワニスを調製し、さらに、そのワニスを用いて、銅張り積層板を作成して、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0077】
(比較例5)
表1に示すとおり、合成例4で得られたエポキシ樹脂(1)の代わりに、合成例5で得られたエポキシ樹脂(2)26.0gを使用し、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル(大日本インキ(株)製、商品名:エピクロン153、エポキシ当量400g/eq、臭素含量:48.0%)および合成例1で得られたp−オクチルフェノールノボラック樹脂の使用量を、それぞれ39.5gおよび34.5gとし、1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼンを使用しない以外は、実施例1と同様にしてワニスを調製し、さらに、そのワニスを用いて、銅張り積層板を作成して、誘電率、誘電正接、半田耐熱性、銅箔ピール強度、難燃性およびガラス転移温度を測定または評価した。結果を表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低誘電率、低誘電正接で金属への接着性、耐薬品にも優れた熱硬化性樹脂組成物である。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、低誘電率や低誘電正接であることが必要とされるプリント配線板用には最適な樹脂である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来の積層板樹脂と同様の工程で銅張り積層板の製造を行うことができ、産業上のメリットが大である。
Claims (4)
- 下記一般式(1):
で表される多価フェノール化合物(C)とを含む、積層板用エポキシ樹脂組成物。 - ガラスクロスからなる基材に塗布、含浸して硬化させ、形成される積層板の誘電率(1MHz)が4.0以下、誘電正接(1MHz)が0.01以下、ガラス転移温度が145℃以上、銅箔ピール強度(35μm)が1.2kgf/cm以上、層間接着強度(100μm)が1.1kgf/cm以上、かつUL−94規格による難燃性がV−0である請求項1に記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
- 前記のエポキシ樹脂(A)100重量部に対して、ノボラック樹脂(B)を2〜150重量部、および多価フェノール化合物(C)を2〜80重量部の割合で含む請求項1または2に記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂(A)が、ハロゲン原子を15〜40重量%含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
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