JP3606690B2 - アースドリルのフロントフレーム装置 - Google Patents
アースドリルのフロントフレーム装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3606690B2 JP3606690B2 JP26193296A JP26193296A JP3606690B2 JP 3606690 B2 JP3606690 B2 JP 3606690B2 JP 26193296 A JP26193296 A JP 26193296A JP 26193296 A JP26193296 A JP 26193296A JP 3606690 B2 JP3606690 B2 JP 3606690B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- front frame
- frame
- earth drill
- kelly
- drive device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Earth Drilling (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アースドリルのフロントフレーム装置に係り、特に地中に障害物がある場合等におけるケリーバの振れを防止する構造及び排土高さ調整に好適な構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアースドリルは、図16に示すように、下部走行体1と、該下部走行体1に旋回装置2を介して設置された上部旋回体3とを有し、上部旋回体3にブーム4が起伏可能に取付けられ、ブーム4の先端には、ワイヤロープ5およびスイベルジョイント6を介してケリーバ7が垂下されている。一方上部旋回体3に起伏可能に取付けられたフロントフレーム8の先端には、前記ケリーバ7を上下動自在に貫挿してケリーバ7を回転駆動するケリードライブ装置9が設置され、ケリーバ7の下端に掘削バケット10が取付けられる。上部旋回体3には、前記ケリーバ7支持用ワイヤロープ5を巻上げ、巻下げするウインチ11が搭載される。
【0003】
このアースドリルは、ブーム4の頂部から垂下したイコザイラロープ12によりフロントフレーム8を支持しておき、ケリードライブ装置9によりケリーバ7を回転させるとともに、ウインチ11を巻下げ方向に作動させ、掘削バケット10を介して地面に縦穴13を掘削する。掘削バケット10に掘削土砂が溜ったら地上に掘削バケット10を引き上げ、上部旋回体3を旋回して掘削バケット10の底蓋を開き、アースドリルの脇の地面やダンプトラックの荷台に排土する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアースドリルにより縦穴掘削を行っている際に、掘削バケット10が例えば転石14に当接すると、掘削バケット10を介してケリーバ7に図示のX方向に力が作用する。従来のアースドリルは、ケリーバ7がケリードライブ装置9にのみ支持される構成であるため、前記X方向の力の作用により、ケリーバ7がケリードライブ装置9を支点としてX方向に振れ、垂直掘削精度が悪化するという問題がある。
【0005】
このような問題点を解決するため、特開平4−368592号公報においては、フロントフレーム8の上端に設けたケリードライブ装置9の昇降用ガイド枠の下部にケリーバ7を昇降自在にガイドする装置を設けることにより、ケリーバ7の振れを防止したものが開示されている。しかし該ガイド装置を有するものは、ケリードライブ装置9が下降した状態においては、ケリードライブ装置9とガイド装置とが近接するため、ケリーバ7を垂直に保持する力が弱くなり、振れ止めの効果があまり期待できなくなるという問題点がある。
【0006】
一方、特開平6−167182号公報においては、上部旋回体3から前方にケリーバのガイド装置を突設し、そのガイド装置にケリーバをガイドさせる構成のものを提案しているが、ガイド装置が水平に突設されるため、掘削した土砂の排土が困難であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記した問題点に鑑み、地中に障害物がある場合においても振れなく縦穴掘削を行うことが可能となり、もって穴曲がりが防止される上、種々の排土高さに対して容易に対応できるアースドリルのフロントフレーム装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アースドリルのフロントフレームとして、上部旋回体またはブームに起伏自在に取付けられる第1フロントフレームと、該第1フロントフレームの下方に位置するように、該第1フロントフレームまたは上部旋回体に起伏自在に取付けられる第2フロントフレームとを備え、
前記第1、第2フロントフレームのいずれか一方の頂部にケリードライブ装置を設け、他方にケリーバのガイド装置を設け、
前記第 1 フロントフレームおよび第 2 フロントフレームは、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバを前記ケリードライブ装置および前記ガイド装置に上下動可能に貫挿する構成を有する
ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
また、本発明は、アースドリルのフロントフレームとして、上部旋回体またはブームに起伏自在に取付けられる第1フロントフレームと、該第1フロントフレームの下方に位置するように、該第1フロントフレームまたは上部旋回体に起伏自在に取付けられる第2フロントフレームとを備え、前記第1、第2フロントフレームの頂部にそれぞれケリードライブ装置を設けたことを特徴とする(請求項2)。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、第2フロントフレームの上フレームが、第1フロントフレームの上フレームと同じケリードライブ装置搭載可能な構造を有すると共に、下フレームに対して枢着ピンと止めピンとにより上フレームを止める構造とし、かつ止めピン用穴を複数箇所に設けた構造とし(請求項3)、第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有し(請求項4)、第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有する(請求項5)。
【0011】
さらに本発明において、好ましくは、第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させ(請求項6)、前記支持手段が第2フロントフレームの上フレームの左右と第1フロントフレームの上フレームの左右を接続して第2フロントフレームを支持する吊りロープであること(請求項7)、さらに該吊りロープをイコライザロープとして構成する(請求項8)ものである。
【0012】
【作用】
請求項1においては、高位置にある第1フロントフレームと第2フロントフレームとでケリーバを支持したので、ケリーバを支持する支持部間の間隔を大きくとることができ、ケリーバを安定してガイドすることができ、地中に障害物がある場合においても、ケリーバの振れを防止することが可能となる。また、第2フロントフレームの地面からの高さを確保できるため、従来のように前方に突出したガイド装置による場合のように、排土が困難になる事態の発生を防止できる。また、第2フロントフレームを取外せばハイフレームとして使用できる。
【0013】
請求項2においては、第1、第2フロントフレームの双方にケリードライブ装置を設けたので、請求項1と同様の振れ防止作用を得ることができる上、駆動力を増大させることが可能となり、小型化も達成できる。
【0014】
請求項3においては、第2フロントフレームの上フレームを、第1フロントフレームの上フレームと同じ構造とし、かつ止めピン用穴を2箇所に設けたので、、ケリードライブ装置とガイド装置の取付け構造の共通化が図れ、かつフロントフレームの傾斜角度が変化してもケリードライブ装置やガイド装置を水平に搭載できる。
【0015】
請求項4においては、第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有するので、第2フロントフレーム単独使用が可能となり、前記ハイフレーム、2段フレーム以外にロウフレームとしての使用態様が得られる。
【0016】
請求項5においては、第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有するため、ロウフレームとしての使用態様において、現場やバケットサイズ等に好適な排土高さで作業を行うことができる。
【0017】
請求項6ないし8においては、第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させたので、比較的小さな支持力で第2フロントフレームを支持することができ、また請求項7のように該支持手段として吊りロープを使用すれば、ロープの持つ可撓性と若干の伸縮性とにより、第2フロントフレームを第1フロントフレームの真下に水平に支持するイコライザ作用が得られ、さらに該支持手段をイコライザロープとすることにより、第2フロントフレームを自動的に水平姿勢にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるフロントフレーム装置の一実施例を示すアースドリルの側面図であり、図16と同じ符号は同じ機能を発揮する部品を示す。15、16はそれぞれ第1、第2フロントフレームであり、第1フロントフレーム15は、図2(A)の側面図と図2(B)の平面図に示すように、上部旋回体3の主フレーム3aの左右のブラケット17に下端のブラケット18をピン19により連結して起伏自在に取付けられる。該フロントフレーム15はブーム4の根本部に起伏自在に取付けてもよい。図2に示すように、第1フロントフレーム15の起伏装置は、ブーム4内に取付けた油圧シリンダ20と、その先端のシーブブロック21と、ブーム4に取付けたシーブブロック22およびシーブ23と、これらに掛け回して第1フロントフレーム15の上部に終端を接続したワイヤロープ24とからなる。
【0019】
図2(A)に示すように、第2フロントフレーム16は、根本部のブラケット27を、第1フロントフレーム15の根本部に設けたブラケット26にピン28により連結して起伏自在に取付けられる。
【0020】
図2(B)に示すように、主フレーム3aの左右のブラケット17、17間の間隔W1と、第1フロントフレーム15の左右のブラケット27、27の間の間隔W2とを等しくする(W1=W2)ことにより、第2フロントフレーム16を第1フロントフレーム15の代わりに主フレーム3aに互換性を有して取付け可能としている。
【0021】
第1フロントフレーム15は下フレーム15aの頂部に上フレーム15bを枢着ピン30と止めピン31により取付けてなる。上フレーム15bには、図3の側面図と、図4の正面図に示すように、左右のガイド枠32を、その上下間をそれぞれ継ぎ枠33と下枠34によって結合して取付け、該ガイド枠32には、油圧モータ36を有するケリードライブ装置9を搭載した上下動枠37を、掘削バケット10に押し込み力を付与する油圧シリンダ(図示せず)により昇降自在に装着する。
【0022】
図5は図4の部分拡大図、図6はそのE−E断面図であり、下枠34にはケリーバ7のガイド装置38が取付けられる。該ガイド装置38は、下枠34に設けた軸受39を介して回転筒40を取付け、該回転筒40の上部に環状板41を固定し、該環状板41の内周には、該ケリーバ7と共に該環状板41をケリーバ7と共に回転させるためにケリーバ7の突条7aを摺動自在に嵌め込む凹部41aを有する。また、該環状板41上には、周方向に等間隔を有して複数個(図示例は3個)のガイドローラ42を搭載し、各ガイドローラ42をケリーバ7の外周に当接させることにより、ケリーバ7の上下動を円滑化している。
【0023】
図1に示すように、第2フロントフレーム16は、前記第1フロントフレーム15にピン付けされる下フレーム16aと、該下フレーム16a上に図3に示すように枢着ピン44と止めピン45により連結されて取付けられる上フレーム16bとからなる。第2フロントフレームの上フレーム16bは、第1フロントフレーム15の上フレーム15bと同じケリードライブ装置9を搭載可能な構造を有する。該上フレーム16bは、止めピン45を止めるピン穴として複数(本例は2つ)のピン穴46、47を有し、下フレーム16aに対する取付け角度が変えられるようにしている。下フレーム16aは第1フレームaと第2フレームbとからなり、図2(A)に示すように、これらのフレームa、bはピン49により着脱自在に結合される。
【0024】
図3、図4に示すように、第2フロントフレーム16は、その上フレーム16bの左右端部のブラケット52、52が、第1フロントフレーム15の上フレーム15bの左右端部のブラケット51、51とそれぞれ吊りロープ50、50によって接続されることによって支持される。図7に示すように、第2フロントフレーム16の上フレーム16bにも前記ケリーバ7のガイド装置38が取付けられ、該ガイド装置38の構造は前記第1フロントフレーム15の上フレーム15bのガイド装置38と同様の構造を有する。
【0025】
このように、第1フロントフレーム15のケリードライブ装置9で駆動されるケリーバ7を、第2フロントフレーム16の上フレーム16bに設けたガイド装置38で上下動自在にガイドさせることにより、図8に示すように、掘削バケット10を地中に押し込んで掘削を行う場合、上下に間隔を持たせた2箇所でケリーバ7が支持されるため、途中に障害物がある場合にもケリーバ7の振れを少なくし、穴曲がりを防止することができる。また、吊りロープ50によって第2フロントフレーム16の上フレーム16bの左右端部が第1フロントフレーム15の上フレーム15bの左右端部に吊りロープ50により支持されることにより、常に第2フロントフレーム16のガイド装置38を第1フロントフレーム15のガイド装置38の真下に位置させて掘削を行うことができる。また、前記第 1 フロントフレーム15および第 2 フロントフレーム16は、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバ7を前記ケリードライブ装置9および前記ガイド装置38を上下動可能に貫挿する構成を有するので、第2フロントフレーム16の地面からの高さを確保できる。そのため、排土が困難になる事態の発生を防止できる。
【0026】
また、このような振れ止め作用により、図9(A)の平面図または図9(B)の半断面側面図に示すように、ケーシングドライバ用の掘削バケット55、すなわち下面開口構造の筒形をなし、下縁にカッタ56を配設した岩盤掘削用の掘削バケット55を用い、その天板部57(該天板部57にはカッタ56の掘削面への押し付け力を増大させるための錘58と水抜き穴59が設けられる)に設けた連結部60にケリーバ7の下端を嵌合してピン61により結合し、図10に示すように、古いコンクリート建造物を解体してその底盤62に縦穴を貫通掘削するような、従来のものでは不可能であった硬質地盤の掘削の用途にもアースドリルを用いることが可能となる。
【0027】
なお、このような底盤62の掘削には、図9(C)に示すように、スクリュー羽根63の下部にカッタ64を取付けてなる掘削具65を、前記同様に上部に設けた連結部66にケリーバ7の下端を嵌合しピン67により結合して用いることが可能となる。
【0028】
また、図11に示すように、第1フロントフレーム15を取り外し、第2フロントフレーム16の下フレーム16aの第1、第2フレームa、b間に繋ぎフレームcをピン付けして介在させてフロントフレーム16Xとして構成すれば、低い排土高さとして地面に直接排土する場合や、掘削深さが欲しい場合に効果がある。また、本実施例においては、上フレーム15b、16bを同じ構造にしているので、ケリードライブ装置9を第1フロントフレーム15と第2フロントフレーム16との間で付け替え可能であり、2台のケリードライブ装置9を用意しておく必要がない。また、図11において、ガイド装置38がケリードライブ装置9の下方に位置するので、ケリーバ7の振れ止め効果が得られる。
【0029】
繋ぎフレームcを継ぎ足しても、止めピン47を挿着するピン穴を46から47に変えることにより、上フレーム16bの姿勢を変えず、ケリードライブ装置9を水平に搭載することができる。
【0030】
一方、第2フロントフレーム16を外し、第1フロントフレーム15のみを使用して掘削を行えば、排土位置を高くした掘削が可能となり、また拡底アースドリルバケット等の大型バケットを使用する場合に容易に排土可能となる。この場合、ケリードライブ装置9の下方のガイド装置38により振れ止め効果が得られる。
【0031】
図12は第2フロントフレーム16の支持構造の変形例であり、イコライザロープ68の一端を第2フロントフレーム16の左右一端に接続し(接続部を70で示す)、中間部を第1フロントフレーム15の上フレーム15bに設けたブラケット71の左右両端のシーブ72、73に掛け回し、イコライザロープ68の他端を第2フロントフレーム16の上フレーム16bの他端にターンバックル74を介して接続(接続部を75で示す)してなるものである。
【0032】
この構成によれば、上フレーム16bを常に水平に保ち、かつ第2フロントフレーム16の上フレーム16bを第1フロントフレーム15の上フレーム15bの直下に位置させることができ、また、ターンバックル74を用いてイコライザロープ68の長さを調整することにより、第1、第2フロントフレーム15、16の角度の変化にかかわらず、ガイド装置38の回転筒の向きを常に水平に保持し、円滑にケリーバ7を案内することができる。
【0033】
図13は第2フロントフレーム16の根本部を、主フレーム3aに設けたブラケット76にピン28により取付けた例であり、このように、第2フロントフレーム16は第1フロントフレーム15ではなく、上部旋回体3の主フレーム3aに取付けてもよい。
【0034】
また、図14に示すように、ケリードライブ装置9を第2フロントフレーム16の上フレーム16bに取付け、第1フロントフレーム15にガイド装置38を取付けても上述のようなケリーバ7の芯振れ防止作用が得られる。
【0035】
また、図15に示すように、第1、第2のフロントフレーム15、16の上フレーム15b、16bにそれぞれケリードライブ装置9を設けることにより、大きな掘削力が得られると共に、同じ掘削力を得る場合には小型のケリードライブ装置9を設置すればよく、装置の小型化が達成できる。
【0036】
上記実施例においては、第2フロントフレーム16を継ぎ足し式として長さが変えられるようにしたが、油圧シリンダによって伸縮できるような構成にしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1によれば、上下に配設される第1、第2のフロントフレームでケリーバを支持したので、ケリーバを支持する支持部間の間隔を大きくとることができ、ケリーバを安定して垂直にガイドすることができ、地中に障害物がある場合や硬い地盤を掘削する場合においても、ケリーバの振れを防止することが可能となり、穴曲がりを防止できる。また、硬質地盤用の掘削具を用いることにより、底盤のように、従来のアースドリルにおいては掘削不可能であった硬質地盤の掘削も可能となる。また、前記第 1 フロントフレームおよび第 2 フロントフレームは、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバを前記ケリードライブ装置および前記ガイド装置に上下動可能に貫挿する構成を有するので、第2フロントフレームの地面からの高さを確保できる。そのため、排土が困難になる事態の発生を防止できる。また、第2フロントフレームにガイド装置を設けた場合には、第2フロントフレームを取外せばハイフレームとして使用でき、現場に適合した掘削様式をとることができる。
【0038】
請求項2によれば、第1、第2フロントフレームの双方にケリードライブ装置を設けたので、振れ防止による穴曲がりを防止でき、かつ駆動力を増大させることが可能となり、硬質地盤の掘削にさらに好適なものを提供できる。また、小型の装置により掘削力を上げることができるので、小型化が達成できる。
【0039】
請求項3においては、第2フロントフレームの上フレームを、第1フロントフレームの上フレームと同じ装置搭載構造としたので、設計が容易になると共に、ケリードライブ装置の付け替えが可能となり、第1、第2フロントフレームのそれぞれにケリードライブ装置を取付けたり、ガイド装置の取付け位置を選択することが可能となり、逆現場状況に対する対応が容易となる。また、止めピン用のピン穴を複数個設けたので、フロントフレームの長さに変化に応じて使用するピン穴を変えることにより、第2フロントフレームの長さが変化しても、装置の姿勢を水平に保持することができる。
【0040】
請求項4によれば、第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有するので、第2フロントフレーム単独使用が可能となり、前記ハイフレーム、2段フレーム以外にロウフレームとしての使用態様が得られ、使用態様が更に拡がる。
【0041】
請求項5によれば、第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有するため、ロウフレームとしての使用態様において、現場やバケットサイズ等に好適な排土高さで作業を行うことができる。
【0042】
請求項6によれば、第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させるため、比較的小さな支持力で第2フロントフレームを支持することができる。
【0043】
請求項7によれば、第2フロントフレームの支持手段として吊りロープを使用したので、吊りロープの持つ可撓性と若干の伸縮性とによりイコライザ作用が得られ、第2フロントフレームを第1フロントフレームの真下に支持することが可能となる。
【0044】
請求項8によれば、支持手段をイコライザロープとすることにより、第2フロントフレームを自動的に水平姿勢にすることができ、ケリーバを常に垂直にガイドすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフロントフレーム装置の一実施例を示すアースドリルの側面図である。
【図2】(A)は本実施例のフロントフレームの取付け構造を示す側面図、(B)はその概略平面図である。
【図3】本実施例の各フロントフレームの上部構造を示す側面図である。
【図4】本実施例のフロントフレームの一部断面正面図である。
【図5】本実施例の第1フロントフレームの一部断面正面図である。
【図6】図5のE−E断面図である。
【図7】本実施例の第2フロントフレームの一部断面正面図である。
【図8】本実施例のアースドリルの掘削状況を示す側面図である。
【図9】(A)は本実施例のフロントフレーム装置を用いて硬質地盤を掘削する場合に好適な掘削バケットの平面図、(B)はその半断面側面図、(C)は硬質地盤を掘削する場合に好適な掘削バケットの側面図である。
【図10】図9(A)、(B)の掘削バケットを用いて底盤の掘削を行っている状況を示す側面図である。
【図11】本実施例においてロウフレーム状態でフロントフレームを組付けたアースドリルの側面図である。
【図12】本発明のフロントフレームの他の例を示す一部断面正面図である。
【図13】本発明のフロントフレームの取付け構造の他の例を示す側面図である。
【図14】本発明の各フロントフレームの上部構造の他の例を示す側面図である。
【図15】本発明の各フロントフレームの上部構造の他の例を示す側面図である。
【図16】従来のアースドリルを掘削状況で示す側面図である。
【符号の説明】
1:下部走行体、2:旋回装置、3:上部旋回体、4:ブーム、5:ワイヤロープ、6:スイベルジョイント、7:ケリーバ、9:ケリードライブ装置、10:掘削バケット、11:ウインチ、12:イコライザロープ、13:縦穴、14:転石、15:第1フロントフレーム、15a、16a:下フレーム、15b、16b:上フレーム、16:第2フロントフレーム、30、44:枢着ピン、31、45:止めピン、38:ガイド装置、46、47:ピン穴、50:吊りロープ、68:イコライザロープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、アースドリルのフロントフレーム装置に係り、特に地中に障害物がある場合等におけるケリーバの振れを防止する構造及び排土高さ調整に好適な構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアースドリルは、図16に示すように、下部走行体1と、該下部走行体1に旋回装置2を介して設置された上部旋回体3とを有し、上部旋回体3にブーム4が起伏可能に取付けられ、ブーム4の先端には、ワイヤロープ5およびスイベルジョイント6を介してケリーバ7が垂下されている。一方上部旋回体3に起伏可能に取付けられたフロントフレーム8の先端には、前記ケリーバ7を上下動自在に貫挿してケリーバ7を回転駆動するケリードライブ装置9が設置され、ケリーバ7の下端に掘削バケット10が取付けられる。上部旋回体3には、前記ケリーバ7支持用ワイヤロープ5を巻上げ、巻下げするウインチ11が搭載される。
【0003】
このアースドリルは、ブーム4の頂部から垂下したイコザイラロープ12によりフロントフレーム8を支持しておき、ケリードライブ装置9によりケリーバ7を回転させるとともに、ウインチ11を巻下げ方向に作動させ、掘削バケット10を介して地面に縦穴13を掘削する。掘削バケット10に掘削土砂が溜ったら地上に掘削バケット10を引き上げ、上部旋回体3を旋回して掘削バケット10の底蓋を開き、アースドリルの脇の地面やダンプトラックの荷台に排土する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアースドリルにより縦穴掘削を行っている際に、掘削バケット10が例えば転石14に当接すると、掘削バケット10を介してケリーバ7に図示のX方向に力が作用する。従来のアースドリルは、ケリーバ7がケリードライブ装置9にのみ支持される構成であるため、前記X方向の力の作用により、ケリーバ7がケリードライブ装置9を支点としてX方向に振れ、垂直掘削精度が悪化するという問題がある。
【0005】
このような問題点を解決するため、特開平4−368592号公報においては、フロントフレーム8の上端に設けたケリードライブ装置9の昇降用ガイド枠の下部にケリーバ7を昇降自在にガイドする装置を設けることにより、ケリーバ7の振れを防止したものが開示されている。しかし該ガイド装置を有するものは、ケリードライブ装置9が下降した状態においては、ケリードライブ装置9とガイド装置とが近接するため、ケリーバ7を垂直に保持する力が弱くなり、振れ止めの効果があまり期待できなくなるという問題点がある。
【0006】
一方、特開平6−167182号公報においては、上部旋回体3から前方にケリーバのガイド装置を突設し、そのガイド装置にケリーバをガイドさせる構成のものを提案しているが、ガイド装置が水平に突設されるため、掘削した土砂の排土が困難であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記した問題点に鑑み、地中に障害物がある場合においても振れなく縦穴掘削を行うことが可能となり、もって穴曲がりが防止される上、種々の排土高さに対して容易に対応できるアースドリルのフロントフレーム装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アースドリルのフロントフレームとして、上部旋回体またはブームに起伏自在に取付けられる第1フロントフレームと、該第1フロントフレームの下方に位置するように、該第1フロントフレームまたは上部旋回体に起伏自在に取付けられる第2フロントフレームとを備え、
前記第1、第2フロントフレームのいずれか一方の頂部にケリードライブ装置を設け、他方にケリーバのガイド装置を設け、
前記第 1 フロントフレームおよび第 2 フロントフレームは、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバを前記ケリードライブ装置および前記ガイド装置に上下動可能に貫挿する構成を有する
ことを特徴とする(請求項1)。
【0009】
また、本発明は、アースドリルのフロントフレームとして、上部旋回体またはブームに起伏自在に取付けられる第1フロントフレームと、該第1フロントフレームの下方に位置するように、該第1フロントフレームまたは上部旋回体に起伏自在に取付けられる第2フロントフレームとを備え、前記第1、第2フロントフレームの頂部にそれぞれケリードライブ装置を設けたことを特徴とする(請求項2)。
【0010】
また、本発明において、好ましくは、第2フロントフレームの上フレームが、第1フロントフレームの上フレームと同じケリードライブ装置搭載可能な構造を有すると共に、下フレームに対して枢着ピンと止めピンとにより上フレームを止める構造とし、かつ止めピン用穴を複数箇所に設けた構造とし(請求項3)、第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有し(請求項4)、第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有する(請求項5)。
【0011】
さらに本発明において、好ましくは、第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させ(請求項6)、前記支持手段が第2フロントフレームの上フレームの左右と第1フロントフレームの上フレームの左右を接続して第2フロントフレームを支持する吊りロープであること(請求項7)、さらに該吊りロープをイコライザロープとして構成する(請求項8)ものである。
【0012】
【作用】
請求項1においては、高位置にある第1フロントフレームと第2フロントフレームとでケリーバを支持したので、ケリーバを支持する支持部間の間隔を大きくとることができ、ケリーバを安定してガイドすることができ、地中に障害物がある場合においても、ケリーバの振れを防止することが可能となる。また、第2フロントフレームの地面からの高さを確保できるため、従来のように前方に突出したガイド装置による場合のように、排土が困難になる事態の発生を防止できる。また、第2フロントフレームを取外せばハイフレームとして使用できる。
【0013】
請求項2においては、第1、第2フロントフレームの双方にケリードライブ装置を設けたので、請求項1と同様の振れ防止作用を得ることができる上、駆動力を増大させることが可能となり、小型化も達成できる。
【0014】
請求項3においては、第2フロントフレームの上フレームを、第1フロントフレームの上フレームと同じ構造とし、かつ止めピン用穴を2箇所に設けたので、、ケリードライブ装置とガイド装置の取付け構造の共通化が図れ、かつフロントフレームの傾斜角度が変化してもケリードライブ装置やガイド装置を水平に搭載できる。
【0015】
請求項4においては、第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有するので、第2フロントフレーム単独使用が可能となり、前記ハイフレーム、2段フレーム以外にロウフレームとしての使用態様が得られる。
【0016】
請求項5においては、第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有するため、ロウフレームとしての使用態様において、現場やバケットサイズ等に好適な排土高さで作業を行うことができる。
【0017】
請求項6ないし8においては、第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させたので、比較的小さな支持力で第2フロントフレームを支持することができ、また請求項7のように該支持手段として吊りロープを使用すれば、ロープの持つ可撓性と若干の伸縮性とにより、第2フロントフレームを第1フロントフレームの真下に水平に支持するイコライザ作用が得られ、さらに該支持手段をイコライザロープとすることにより、第2フロントフレームを自動的に水平姿勢にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるフロントフレーム装置の一実施例を示すアースドリルの側面図であり、図16と同じ符号は同じ機能を発揮する部品を示す。15、16はそれぞれ第1、第2フロントフレームであり、第1フロントフレーム15は、図2(A)の側面図と図2(B)の平面図に示すように、上部旋回体3の主フレーム3aの左右のブラケット17に下端のブラケット18をピン19により連結して起伏自在に取付けられる。該フロントフレーム15はブーム4の根本部に起伏自在に取付けてもよい。図2に示すように、第1フロントフレーム15の起伏装置は、ブーム4内に取付けた油圧シリンダ20と、その先端のシーブブロック21と、ブーム4に取付けたシーブブロック22およびシーブ23と、これらに掛け回して第1フロントフレーム15の上部に終端を接続したワイヤロープ24とからなる。
【0019】
図2(A)に示すように、第2フロントフレーム16は、根本部のブラケット27を、第1フロントフレーム15の根本部に設けたブラケット26にピン28により連結して起伏自在に取付けられる。
【0020】
図2(B)に示すように、主フレーム3aの左右のブラケット17、17間の間隔W1と、第1フロントフレーム15の左右のブラケット27、27の間の間隔W2とを等しくする(W1=W2)ことにより、第2フロントフレーム16を第1フロントフレーム15の代わりに主フレーム3aに互換性を有して取付け可能としている。
【0021】
第1フロントフレーム15は下フレーム15aの頂部に上フレーム15bを枢着ピン30と止めピン31により取付けてなる。上フレーム15bには、図3の側面図と、図4の正面図に示すように、左右のガイド枠32を、その上下間をそれぞれ継ぎ枠33と下枠34によって結合して取付け、該ガイド枠32には、油圧モータ36を有するケリードライブ装置9を搭載した上下動枠37を、掘削バケット10に押し込み力を付与する油圧シリンダ(図示せず)により昇降自在に装着する。
【0022】
図5は図4の部分拡大図、図6はそのE−E断面図であり、下枠34にはケリーバ7のガイド装置38が取付けられる。該ガイド装置38は、下枠34に設けた軸受39を介して回転筒40を取付け、該回転筒40の上部に環状板41を固定し、該環状板41の内周には、該ケリーバ7と共に該環状板41をケリーバ7と共に回転させるためにケリーバ7の突条7aを摺動自在に嵌め込む凹部41aを有する。また、該環状板41上には、周方向に等間隔を有して複数個(図示例は3個)のガイドローラ42を搭載し、各ガイドローラ42をケリーバ7の外周に当接させることにより、ケリーバ7の上下動を円滑化している。
【0023】
図1に示すように、第2フロントフレーム16は、前記第1フロントフレーム15にピン付けされる下フレーム16aと、該下フレーム16a上に図3に示すように枢着ピン44と止めピン45により連結されて取付けられる上フレーム16bとからなる。第2フロントフレームの上フレーム16bは、第1フロントフレーム15の上フレーム15bと同じケリードライブ装置9を搭載可能な構造を有する。該上フレーム16bは、止めピン45を止めるピン穴として複数(本例は2つ)のピン穴46、47を有し、下フレーム16aに対する取付け角度が変えられるようにしている。下フレーム16aは第1フレームaと第2フレームbとからなり、図2(A)に示すように、これらのフレームa、bはピン49により着脱自在に結合される。
【0024】
図3、図4に示すように、第2フロントフレーム16は、その上フレーム16bの左右端部のブラケット52、52が、第1フロントフレーム15の上フレーム15bの左右端部のブラケット51、51とそれぞれ吊りロープ50、50によって接続されることによって支持される。図7に示すように、第2フロントフレーム16の上フレーム16bにも前記ケリーバ7のガイド装置38が取付けられ、該ガイド装置38の構造は前記第1フロントフレーム15の上フレーム15bのガイド装置38と同様の構造を有する。
【0025】
このように、第1フロントフレーム15のケリードライブ装置9で駆動されるケリーバ7を、第2フロントフレーム16の上フレーム16bに設けたガイド装置38で上下動自在にガイドさせることにより、図8に示すように、掘削バケット10を地中に押し込んで掘削を行う場合、上下に間隔を持たせた2箇所でケリーバ7が支持されるため、途中に障害物がある場合にもケリーバ7の振れを少なくし、穴曲がりを防止することができる。また、吊りロープ50によって第2フロントフレーム16の上フレーム16bの左右端部が第1フロントフレーム15の上フレーム15bの左右端部に吊りロープ50により支持されることにより、常に第2フロントフレーム16のガイド装置38を第1フロントフレーム15のガイド装置38の真下に位置させて掘削を行うことができる。また、前記第 1 フロントフレーム15および第 2 フロントフレーム16は、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバ7を前記ケリードライブ装置9および前記ガイド装置38を上下動可能に貫挿する構成を有するので、第2フロントフレーム16の地面からの高さを確保できる。そのため、排土が困難になる事態の発生を防止できる。
【0026】
また、このような振れ止め作用により、図9(A)の平面図または図9(B)の半断面側面図に示すように、ケーシングドライバ用の掘削バケット55、すなわち下面開口構造の筒形をなし、下縁にカッタ56を配設した岩盤掘削用の掘削バケット55を用い、その天板部57(該天板部57にはカッタ56の掘削面への押し付け力を増大させるための錘58と水抜き穴59が設けられる)に設けた連結部60にケリーバ7の下端を嵌合してピン61により結合し、図10に示すように、古いコンクリート建造物を解体してその底盤62に縦穴を貫通掘削するような、従来のものでは不可能であった硬質地盤の掘削の用途にもアースドリルを用いることが可能となる。
【0027】
なお、このような底盤62の掘削には、図9(C)に示すように、スクリュー羽根63の下部にカッタ64を取付けてなる掘削具65を、前記同様に上部に設けた連結部66にケリーバ7の下端を嵌合しピン67により結合して用いることが可能となる。
【0028】
また、図11に示すように、第1フロントフレーム15を取り外し、第2フロントフレーム16の下フレーム16aの第1、第2フレームa、b間に繋ぎフレームcをピン付けして介在させてフロントフレーム16Xとして構成すれば、低い排土高さとして地面に直接排土する場合や、掘削深さが欲しい場合に効果がある。また、本実施例においては、上フレーム15b、16bを同じ構造にしているので、ケリードライブ装置9を第1フロントフレーム15と第2フロントフレーム16との間で付け替え可能であり、2台のケリードライブ装置9を用意しておく必要がない。また、図11において、ガイド装置38がケリードライブ装置9の下方に位置するので、ケリーバ7の振れ止め効果が得られる。
【0029】
繋ぎフレームcを継ぎ足しても、止めピン47を挿着するピン穴を46から47に変えることにより、上フレーム16bの姿勢を変えず、ケリードライブ装置9を水平に搭載することができる。
【0030】
一方、第2フロントフレーム16を外し、第1フロントフレーム15のみを使用して掘削を行えば、排土位置を高くした掘削が可能となり、また拡底アースドリルバケット等の大型バケットを使用する場合に容易に排土可能となる。この場合、ケリードライブ装置9の下方のガイド装置38により振れ止め効果が得られる。
【0031】
図12は第2フロントフレーム16の支持構造の変形例であり、イコライザロープ68の一端を第2フロントフレーム16の左右一端に接続し(接続部を70で示す)、中間部を第1フロントフレーム15の上フレーム15bに設けたブラケット71の左右両端のシーブ72、73に掛け回し、イコライザロープ68の他端を第2フロントフレーム16の上フレーム16bの他端にターンバックル74を介して接続(接続部を75で示す)してなるものである。
【0032】
この構成によれば、上フレーム16bを常に水平に保ち、かつ第2フロントフレーム16の上フレーム16bを第1フロントフレーム15の上フレーム15bの直下に位置させることができ、また、ターンバックル74を用いてイコライザロープ68の長さを調整することにより、第1、第2フロントフレーム15、16の角度の変化にかかわらず、ガイド装置38の回転筒の向きを常に水平に保持し、円滑にケリーバ7を案内することができる。
【0033】
図13は第2フロントフレーム16の根本部を、主フレーム3aに設けたブラケット76にピン28により取付けた例であり、このように、第2フロントフレーム16は第1フロントフレーム15ではなく、上部旋回体3の主フレーム3aに取付けてもよい。
【0034】
また、図14に示すように、ケリードライブ装置9を第2フロントフレーム16の上フレーム16bに取付け、第1フロントフレーム15にガイド装置38を取付けても上述のようなケリーバ7の芯振れ防止作用が得られる。
【0035】
また、図15に示すように、第1、第2のフロントフレーム15、16の上フレーム15b、16bにそれぞれケリードライブ装置9を設けることにより、大きな掘削力が得られると共に、同じ掘削力を得る場合には小型のケリードライブ装置9を設置すればよく、装置の小型化が達成できる。
【0036】
上記実施例においては、第2フロントフレーム16を継ぎ足し式として長さが変えられるようにしたが、油圧シリンダによって伸縮できるような構成にしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1によれば、上下に配設される第1、第2のフロントフレームでケリーバを支持したので、ケリーバを支持する支持部間の間隔を大きくとることができ、ケリーバを安定して垂直にガイドすることができ、地中に障害物がある場合や硬い地盤を掘削する場合においても、ケリーバの振れを防止することが可能となり、穴曲がりを防止できる。また、硬質地盤用の掘削具を用いることにより、底盤のように、従来のアースドリルにおいては掘削不可能であった硬質地盤の掘削も可能となる。また、前記第 1 フロントフレームおよび第 2 フロントフレームは、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバを前記ケリードライブ装置および前記ガイド装置に上下動可能に貫挿する構成を有するので、第2フロントフレームの地面からの高さを確保できる。そのため、排土が困難になる事態の発生を防止できる。また、第2フロントフレームにガイド装置を設けた場合には、第2フロントフレームを取外せばハイフレームとして使用でき、現場に適合した掘削様式をとることができる。
【0038】
請求項2によれば、第1、第2フロントフレームの双方にケリードライブ装置を設けたので、振れ防止による穴曲がりを防止でき、かつ駆動力を増大させることが可能となり、硬質地盤の掘削にさらに好適なものを提供できる。また、小型の装置により掘削力を上げることができるので、小型化が達成できる。
【0039】
請求項3においては、第2フロントフレームの上フレームを、第1フロントフレームの上フレームと同じ装置搭載構造としたので、設計が容易になると共に、ケリードライブ装置の付け替えが可能となり、第1、第2フロントフレームのそれぞれにケリードライブ装置を取付けたり、ガイド装置の取付け位置を選択することが可能となり、逆現場状況に対する対応が容易となる。また、止めピン用のピン穴を複数個設けたので、フロントフレームの長さに変化に応じて使用するピン穴を変えることにより、第2フロントフレームの長さが変化しても、装置の姿勢を水平に保持することができる。
【0040】
請求項4によれば、第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有するので、第2フロントフレーム単独使用が可能となり、前記ハイフレーム、2段フレーム以外にロウフレームとしての使用態様が得られ、使用態様が更に拡がる。
【0041】
請求項5によれば、第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有するため、ロウフレームとしての使用態様において、現場やバケットサイズ等に好適な排土高さで作業を行うことができる。
【0042】
請求項6によれば、第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させるため、比較的小さな支持力で第2フロントフレームを支持することができる。
【0043】
請求項7によれば、第2フロントフレームの支持手段として吊りロープを使用したので、吊りロープの持つ可撓性と若干の伸縮性とによりイコライザ作用が得られ、第2フロントフレームを第1フロントフレームの真下に支持することが可能となる。
【0044】
請求項8によれば、支持手段をイコライザロープとすることにより、第2フロントフレームを自動的に水平姿勢にすることができ、ケリーバを常に垂直にガイドすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフロントフレーム装置の一実施例を示すアースドリルの側面図である。
【図2】(A)は本実施例のフロントフレームの取付け構造を示す側面図、(B)はその概略平面図である。
【図3】本実施例の各フロントフレームの上部構造を示す側面図である。
【図4】本実施例のフロントフレームの一部断面正面図である。
【図5】本実施例の第1フロントフレームの一部断面正面図である。
【図6】図5のE−E断面図である。
【図7】本実施例の第2フロントフレームの一部断面正面図である。
【図8】本実施例のアースドリルの掘削状況を示す側面図である。
【図9】(A)は本実施例のフロントフレーム装置を用いて硬質地盤を掘削する場合に好適な掘削バケットの平面図、(B)はその半断面側面図、(C)は硬質地盤を掘削する場合に好適な掘削バケットの側面図である。
【図10】図9(A)、(B)の掘削バケットを用いて底盤の掘削を行っている状況を示す側面図である。
【図11】本実施例においてロウフレーム状態でフロントフレームを組付けたアースドリルの側面図である。
【図12】本発明のフロントフレームの他の例を示す一部断面正面図である。
【図13】本発明のフロントフレームの取付け構造の他の例を示す側面図である。
【図14】本発明の各フロントフレームの上部構造の他の例を示す側面図である。
【図15】本発明の各フロントフレームの上部構造の他の例を示す側面図である。
【図16】従来のアースドリルを掘削状況で示す側面図である。
【符号の説明】
1:下部走行体、2:旋回装置、3:上部旋回体、4:ブーム、5:ワイヤロープ、6:スイベルジョイント、7:ケリーバ、9:ケリードライブ装置、10:掘削バケット、11:ウインチ、12:イコライザロープ、13:縦穴、14:転石、15:第1フロントフレーム、15a、16a:下フレーム、15b、16b:上フレーム、16:第2フロントフレーム、30、44:枢着ピン、31、45:止めピン、38:ガイド装置、46、47:ピン穴、50:吊りロープ、68:イコライザロープ
Claims (8)
- アースドリルのフロントフレームとして、上部旋回体またはブームに起伏自在に取付けられる第1フロントフレームと、該第1フロントフレームの下方に位置するように、該第1フロントフレームまたは上部旋回体に起伏自在に取付けられる第2フロントフレームとを備え、
前記第1、第2フロントフレームのいずれか一方の頂部にケリードライブ装置を設け、他方にケリーバのガイド装置を設け、
前記第 1 フロントフレームおよび第 2 フロントフレームは、掘削作業において、斜めに起立した姿勢で前記ケリーバを前記ケリードライブ装置および前記ガイド装置に上下動可能に貫挿する構成を有する
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - アースドリルのフロントフレームとして、上部旋回体またはブームに起伏自在に取付けられる第1フロントフレームと、該第1フロントフレームの下方に位置するように、該第1フロントフレームまたは上部旋回体に起伏自在に取付けられる第2フロントフレームとを備え、
前記第1、第2フロントフレームの頂部にそれぞれケリードライブ装置を設けた
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - 請求項1または2において、
第2フロントフレームの上フレームが、第1フロントフレームの上フレームと同じケリードライブ装置搭載可能な構造を有すると共に、下フレームに対して枢着ピンと止めピンとにより上フレームを止める構造とし、かつ止めピン用穴を複数箇所に設けた構造とした
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - 請求項1から3までのいずれかにおいて、
第2フロントフレームが、第1フロントフレームと互換性を有して上部旋回体に取付けられる構造を有する
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - 請求項1から4までのいずれかにおいて、
第2フロントフレームが長さ調節可能な構造を有する
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - 請求項1から5までのいずれかにおいて、
第2フロントフレームの上フレームを第1フロントフレームの上フレームに支持手段を介して支持させた
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - 請求項6において、
前記支持手段が第2フロントフレームの上フレームの左右と第1フロントフレームの上フレームの左右を接続して第2フロントフレームを支持する吊りロープでなる
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。 - 請求項7において、
前記吊りロープがイコライザロープとして構成されるものでなる
ことを特徴とするアースドリルのフロントフレーム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26193296A JP3606690B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | アースドリルのフロントフレーム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26193296A JP3606690B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | アースドリルのフロントフレーム装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102970A JPH10102970A (ja) | 1998-04-21 |
JP3606690B2 true JP3606690B2 (ja) | 2005-01-05 |
Family
ID=17368706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26193296A Expired - Fee Related JP3606690B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | アースドリルのフロントフレーム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3606690B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4741747B2 (ja) * | 2001-06-01 | 2011-08-10 | 日本車輌製造株式会社 | 振れ止め装置 |
-
1996
- 1996-10-02 JP JP26193296A patent/JP3606690B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10102970A (ja) | 1998-04-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3606690B2 (ja) | アースドリルのフロントフレーム装置 | |
JP2002213172A (ja) | パイル基礎のためのボーリング装置 | |
JPH10176478A (ja) | 立坑刃口掘削機 | |
JP4230396B2 (ja) | 回転圧入装置と走行式作業機との連結装置およびその使用方法 | |
JP3269785B2 (ja) | 斜面掘削機と支持機と斜面掘削装置 | |
JP3366602B2 (ja) | 地盤掘削機に於けるフロントアタッチメント支持装置 | |
JP3943191B2 (ja) | ホイストにヒンジ留めされたブームの端部でホースを案内する装置及びかかる案内装置を備えたホイスト | |
JP4321755B2 (ja) | タワークレーンのジブのあおり防止装置 | |
JPS6323515Y2 (ja) | ||
JP3799046B2 (ja) | 杭抜装置 | |
JP3250658B2 (ja) | ケーソン掘削機のケーブル引線装置 | |
JP2781607B2 (ja) | 補助ケリーバ装置 | |
JP3229488B2 (ja) | 杭打機のリーダ | |
JP2523462Y2 (ja) | ブームカッタ掘進機 | |
JP3782324B2 (ja) | アースドリル | |
JP2537686B2 (ja) | 掘削バケット装置 | |
JPS6233931A (ja) | 竪穴掘削装置 | |
JPH0728234Y2 (ja) | アースドリル装置 | |
JP2003090191A (ja) | アースドリル | |
JPH0771037A (ja) | 掘削装置及び掘削装置による掘削体の貫入方法 | |
JP2743349B2 (ja) | 地中掘削機の排泥ホース吊下げ方法 | |
JP2568482Y2 (ja) | 地中掘削機 | |
JPH0713376B2 (ja) | 壁面掘削チェーンカッタの支持装置 | |
JP3474412B2 (ja) | アースドリル機 | |
JPH0133636B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040803 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041005 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041005 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |