JP3606367B2 - メモリデバイス及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、単純マトリクス構造のメモリデバイス及びその製造技術に関わる。
【0002】
【従来の技術】
メモリデバイスとして、メモリ層に種々の材料を用いたものが開発されている。例えば、強誘電体材料は比誘電率が数百から数千と極めて大きく、キャパシタの材料に用いれば大規模集積回路に好適な小面積、大容量のキャパシタが得られる。強誘電体材料は自発分極を持ち、外部電場の作用により分極方向を反転させることができるため、この特性を用いて不揮発性メモリを製造することができる。
【0003】
強誘導体材料の分極特性は図11に示すようなヒステリシス特性を示す。強誘電体材料に電圧Eを印加して分極させた場合、電圧を“0”に戻しても、点100または点102で示される残留分極値±Prの状態が保持されるという特性があるため、点100または点102で示される残留分極値の各々にデジタル信号の“1”,“0”を対応させることで、不揮発性メモリとして機能させることができる。
【0004】
具体的には、閾値電圧Vcを越える充分な大きさの電圧V(飽和電圧)を印加することによって、“0”を記録し、また、閾値電圧−Vc を越える充分な大きさの電圧−V(飽和電圧)を印加し、“1”の状態を記録する。この“1”の状態が記録されている場合に、電圧V を印加すると、分極状態が点100から点102に転移する。この時、両分極差2Prに相当する電荷が放出される。一方、“0”の状態にあるときは、点102→点101→点102と分極状態が変化するので両分極差は“0”である。従って、電圧Vの印加によって発生する電荷量を検出することにより、記憶状態が“1”か“0”かを読出すことができる。
【0005】
この他、メモリ層の材料に誘電体又は電荷移動錯体を用いることができる。
【0006】
図12は、前述の分極を利用したメモリデバイスのうち、単純マトリクス構造の具体的な構成を示す図〔図では、マトリクス構造の一部(3×3の部分)を拡大して図示〕である。このメモリデバイスは、支持体となる基板110の両面上に互いに交差した一対の線状の下部電極111、上部電極112が配置され、この両電極111、112間にメモリ層113が設けられて、上下線状電極111、112が積層方向に重なる交差部にメモリセルが構成される。ここで、積層方向とは、基板/下部電極/メモリ層/上部電極のように、製造過程において積層される方向を意味し、図では垂直方向に相当する。図13に、単純マトリクス構造の等価回路を示す。図13(a)はメモリセル配置図、同図(b)は、メモリセル125に電圧を印加する場合の等価回路図である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような単純マトリクス構造のメモリデバイスは、持ち運びが容易になるように小型化されると同時に、メモリ容量を増大する開発がなされてきている。この単純マトリクス構造のメモリデバイスのメモリ容量は、マトリクス配線における各隣り合う線状電極間距離に大きく依存している。即ち、電極間距離が小さくなればなる程、メモリセルサイズが小さくなり、メモリ容量が大きくなるという傾向にある。従って、大容量メモリを実現するためには、マトリクス配線における電極間距離を縮小する必要がある。
【0008】
ところで、従来の単純マトリクス構造のメモリデバイスにおいては、マトリクス配線の電極とドライバー、センサーといった外部周辺回路とを繋ぐための接続端子はマトリクス平面(メモリセルを含むエリア)外に配置した構造となっている。そのような構造の例としては、例えば、図14に示すように、マトリクス平面の外部に接続端子を一列に配置した構造がある。かかる構造では、電極間距離d1がそのまま接続端子間の距離に等しくなるため、前記のように電極間距離を縮小すればそれだけ接続端子間距離も小さくなる。接続端子間距離が小さくなると、電極と周辺回路とを繋ぐ際に隣の電極(接続端子)とショートを起こし易くなる等、周辺回路への接続が不安定になるという問題があった。
【0009】
この問題を回避するため、例えば、図15に示すように、電極から接続端子までの長さを各電極により変化させることにより、接続端子間距離d2を大きくすることも考えられた。しかし、この場合、接続端子の配置に必要なエリアが増加し、メモリデバイスの小型化を図ることができない。
【0010】
そこで、本発明は、各線状電極間距離が小さく、大容量メモリ及び小型化が実現できると共に、精度よく確実に周辺回路へ接続が可能な単純マトリクス構造のメモリデバイス及びその製造技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のメモリデバイスは、第1の線状電極と、前記第1の線状電極上に形成されたメモリ層と、前記メモリ層上に形成され、前記第1の線状電極に直交する第2の線状電極とを備えており、前記第1の線状電極と前記第2の線状電極が積層方向に重なる各交差部にメモリセルが形成される単純マトリクス構造のメモリデバイスであって、前記第1の線状電極及び前記第2の線状電極それぞれに、周辺回路と接続するための接続端子が設けられ、該接続端子の少なくとも1つが、前記メモリセル間に配置されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のメモリデバイスは、好ましくは、前記第1線状電極の接続端子又は前記第2線状電極の接続端子のうちの少なくとも1つが、前記メモリセル間に配置されている。
【0013】
また、本発明のメモリデバイスは、好ましくは、少なくとも1組の隣合う前記接続端子同士の距離が、隣合う前記第1の線状電極間距離及び隣合う前記第2の線状電極間距離の何れよりも大きい。
【0014】
また、本発明のメモリデバイスは、好ましくは、全組の隣合う前記接続端子同士の距離が、隣合う前記第1の線状電極間距離及び隣合う前記第2の線状電極間距離の何れよりも大きい。
【0015】
本発明のメモリデバイスにおいて、メモリ層はゾル・ゲル法、MOD法、スパッタ法又は印刷法により形成することができる。また、メモリ層は、強誘電体からなることができ、好ましくはチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)のうち何れかの強誘電体からなる。また、メモリ層は、電荷移動錯体からなることもできる。
【0016】
本発明のメモリデバイスは、これを積層方向に複数重ね合わせて、メモリデバイス積層体とすることができる。
【0017】
本発明のメモリデバイスは、電子機器のメモリとして使用することができる。情報処理機器とは、コンピュータ、プリンタ等のCPU、メモリ、データの入出力装置を備えたものをいう。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
【0019】
(メモリデバイス製造工程)
図1は、本発明のメモリデバイスの製造工程を示す図である。本実施形態ではメモリ層としての強誘電体層を形成する工程を備えている。
1)下部電極形成工程(図1(a))
基板10上に下部電極層11を形成する。基板10は、メモリ層の成形プロセスに対する耐熱性および耐食性を備えている。例えば、耐熱性については、メモリ層の成形プロセスによって、例えば400℃〜900℃以上となることがあるため、これらの温度に耐えられる性質を備えていることが好ましい。基板が耐熱性に優れていれば、メモリ層の成形条件において、温度設定が自由に行えるからである。このような材料としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、コーニング7059、日本電気ガラスOA―2等の耐熱性ガラスがある。特に、石英ガラスは、耐熱性に優れる。その歪点は、通常のガラスが400℃〜600℃であるのに対し、1000℃である。
【0020】
下部電極層11は、直流スパッタ法、電子ビーム蒸着法等で白金を成膜することで得られる。白金の他に好適な電極として、パラジウム等の貴金属電極、IrO2,RuO2,ReO3等の導電性化合物がある。但し、下部電極に多結晶シリコンを使用すると、多結晶シリコンがメモリ層に酸化されてしまい、界面に低誘電率のシリコン酸化物が形成されるため、キャパシタの特性が劣化してしまう。従って、下部電極層の材料の選択には注意を要する。
【0021】
下部電極層11の成膜後、レジスト(図示せず)を塗布し、線状にパターニングを行い、これをマスクとしてドライエッチングを施す。かかる工程により、線状の複数の下部電極11が形成されることになる。なお、図では、左右方向に線状となっている。
2)メモリ層形成工程(図1(b))
下部電極11上に強誘電体からなるメモリ層12を成膜する。本実施の形態ではゾル・ゲル法で強誘電体層をメモリ層12として成膜する場合について説明する。メモリ層12としての強誘電体層は、キャパシタに使用できるものあれば、その組成は任意のものを適用することができる。例えば、PZT系圧電性材料の他、ニオブや酸化ニッケル、酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が適用できる。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)等を適用することができる。
【0022】
ゾル・ゲル法で成膜する場合は、強誘電体層を形成可能な金属成分の水酸化物の水和錯体、即ち、ゾルを下部電極11及び基板10上に塗布・乾燥・脱脂処理して強誘電体膜前駆体とし、この前駆体をRTA処理で結晶化して強誘電体薄膜を得る。
【0023】
また、上述したゾル・ゲル法に限らず、高周波スパッタ、MOD法(Metal Organic Decomposition Process)、印刷法等でもメモリ層12としての強誘電体層を成膜することができる。スパッタ成膜法に関しては、特開平8−277195号公報や、Japanese Journal of Applied Physics Vol.32 pp4122−4125“Preparation and Characterrization of Pb(ZrxTi1−x)O3 Thin Films by Reactive Sputtering Using an Alloy Target”等の文献に詳細に記述されている。
【0024】
また、印刷法による強誘電体層の成膜に関しては、特開平3−128681号公報等に詳細に開示されている。
【0025】
強誘電体層の成膜後、レジスト(図示せず)を塗布し、表面が平滑になるように、これをマスクとしてドライエッチングを施す。
【0026】
メモリ層12としては、上述した強誘電体層に代えて、電荷移動錯体層を形成することもできる。この電荷移動錯体層を形成する具体的な材料としては、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)をベースとし、Cu等をドナーとして用いた有機金属電荷錯体を好適に用いることができる。その他、メモリ層12として、誘電体層を形成することもでき、この誘電体層を形成する材料も所望の材料を適宜選択して用いることができる。
3)上部電極形成工程(図1(c))
上部電極層13は、直流スパッタ法、電子ビーム蒸着法等で白金を成膜することで得られる。白金の他に好適な電極として、パラジウム等の貴金属電極、IrO2,RuO2,ReO3等の導電性化合物がある。但し、下部電極と同様に、上部電極の材料の選択には注意を要する。
【0027】
上部電極層13の成膜後、レジスト(図示せず)を塗布し、下部電極11と直交する方向(Y方向)に線状にパターニングを行い、これをマスクとしてドライエッチング等を施す。
4)絶縁体層形成工程(図1(d))
前記1)〜3)の工程を経た後、上部電極層13上に、通常の方法、例えば、PSGやSiO2又はSi3N4等を用いて、常圧CVDやプラズマCVD等により、絶縁体層14を形成する。この絶縁体層14の形成により、隣接するメモリセル間に該絶縁体層14が入り込み、クロストークの軽減が図られている。
5)接続端子形成工程(図2〜4)
接続端子16の形成については、図2(a)の平面図に示すように、上部電極13の接続端子16を形成する場合と、図2(b)の平面図に示すように、下部電極11の接続端子16を形成する場合のそれぞれがある。メモリセル間に上部電極13又は下部電極11の各接続端子16を配置する位置に、レーザー光を照射、あるいはレジストマスクを用いてドライエッジングすること等により、それぞれ積層方向にスルーホール15を形成する(図3(a)、(b))。ここで形成されたスルーホール15内に、無電界メッキあるいは蒸着等により、Cu、Ni、Au、Pt等の金属を充填し、上下導通をとる。次に、一般に電気配線において電線同士の接続に用いられる嵌合型接続端子等に施される錫めっきや金めっきを施して外部との接続部を設けることにより、接続端子16を形成する(図4(a)、(b))。なお、図2(a)は、上部電極13の接続端子16が配置された例の模式図(平面図)であり、図3(a)及び図4(a)は、上部電極13の接続端子16を形成するときの工程図(図2(a)のA−A線断面図)である。また、図2(b)は、下部電極11の接続端子16が配置された例の模式図(平面図)であり、図3(b)及び図4(b)は、下部電極11の接続端子16を形成するときの工程図(図2(b)のB−B線断面図)である。
【0028】
(構造の説明)
図4は、本発明のメモリデバイスの構造の例の一部を拡大して示す概略断面図であり、図5及び6は、本発明のメモリデバイスの構造の例を示す概略平面図である。各例において、メモリデバイス1は、図4に示すように、基板10、下部電極11、メモリ層12、上部電極13、絶縁体層14、接続端子16を備えている(図5では、下部電極11、上部電極13及び接続端子16のみ示し、他は省略する)。下部電極11は基板10上に形成されており、メモリ層12は下部電極11上に形成されている。上部電極13はメモリ層12上に形成され、下部電極11に直交するように配置されている。絶縁体層14は上部電極13上に形成されている。また、下部電極11と上部電極13が積層方向に重なる各交差部には、メモリセルが形成される。そして、下部電極11及び上部電極13それぞれに、周辺回路と接続するための接続端子16a、16bが設けられ、該接続端子16a、16bの少なくとも1つが、前記メモリセル間に配置されている。
【0029】
なお、各例はデコーダ等の周辺回路を示していないが、メモリデバイスは、メモリを駆動するための種々の周辺回路を基板上に備えており、これらの周辺回路の形成は、通常の半導体ICプロセスを用いることによって容易に形成することができる。
【0030】
図5に示す例では、電極間距離が同程度である下部電極11及び上部電極13の各接続端子16a、16bの全部が、前記メモリセル間に配置されている。
【0031】
また、本例では、全組の隣合う前記接続端子16a、16b同士の距離lが、隣合う下部電極11間距離m及び隣合う上部電極13間距離nの何れよりも大きい(各距離l、m及びnは、同一でも異なっていても良い)。ここで、接続端子同士の距離とは、下部電極11の接続端子16a同士の距離、上部電極13の接続端子16b同士の距離、及び下部電極11の接続端子16aと上部電極13の接続端子16bとの距離の何れのこともいう。
【0032】
図5に示す例の構造であると、接続端子16a、16b同士の距離lが大きいため、電極11,13と周辺回路とを繋ぐ際に隣の電極11,13(接続端子16a、16b)とショートを起こす可能性が減少する。これにより、周辺回路への接続の安定化を図ることができる。また、接続端子の配置に必要なエリアを増加させる必要もない。従って、大容量メモリの実現と小型化と周辺回路の接続の安定化とを同時に達成できる。
【0033】
なお、本発明においては、接続端子16a、16bの少なくとも1つが、前記メモリセル間に配置されている限り、接続端子16a、16b同士の距離lに特に制限はないが、少なくとも1組の隣合う接続端子16a、16b同士の距離lが、隣合う下部電極11間距離及び隣合う上部電極13間距離の何れよりも大きいことが好ましい。
【0034】
図6に示す例では、下部電極11及び上部電極13のうち、一方の各接続端子の全部が、前記メモリセル間に配置されている構造で、それ以外は図5に示す例の構造と同様である。具体的には、上部電極13の接続端子16bの全部が前記メモリセル間に配置れており、下部電極11の接続端子16aの全部が外部に一列に配置している構造である。このような構造では、下部電極11の各接続端子16aは通常のものと同様であるが、上部電極13の接続端子16bは他の接続端子から一層離間して配置することができる。このため、上部電極13の接続端子16bに関しては、図5に示す例以上の効果を発現することができる。
本発明のメモリデバイスは、図5及び6に示す例の他、種々の変更形態とすることが可能である。例えば、図5に示す例において、接続端子16a、16bの配置パターンを代えたものとして、接続端子16a、16bそれぞれが四隅にジグザグ状をとるような配置パターン(図7参照)や、接続端子16a、16bそれぞれが斜めのある領域を形作るような配置パターン(図8参照)とすることもでき、その配置パターンには特に制限されない。また、図5及び6に示す例では、下部電極11間距離と上部電極13間距離とが同程度のものを用いたが、それらが異なるものを用いることもできる。
【0035】
以上の各例では、単層構造の単純マトリクス構造型メモリデバイス(以下、単層体ともいう)を説明したが、このようなメモリデバイスを積層方向に複数重ね合わせたメモリデバイス積層体とすることができる。メモリデバイス積層体の例としては、図9に示すような、3層体等が挙げられる。このような積層体は、単層体を積層方向に接続端子16が連続するように構成することが必要であり、また、同一の接続端子の配置を有する単層構造のメモリデバイスを用いて重ね合わせる構造とすることが必要である。かかる構成により、前記の単層構造のメモリデバイスと同様に本発明の効果を発現することができる。
【0036】
尚、図9に示す構造では、各単層体の下部電極11が連続する接続端子により短絡されている。また、同時に各単層体の上部電極13についても連続する接続端子によりメモリセル間又はメモリセル間以外の領域外(周辺領域)で短絡されていてもよい。この場合、各層に層選択電極を設け(例えば、単層体の下部電極11に対して絶縁体を介して設け)、これに選択的に電圧を印加することで各単層体のセルの書込み・読み出しの選択を行うことができるようにする。
【0037】
(強誘電体メモリデバイス書込み・読み出し動作)
以下、強誘電体材料を用いた場合を例にしてのメモリデバイスの書込み・読み出し動作について説明する。
【0038】
図10に本発明のメモリデバイスの全体構成図を示す。下部電極、上部電極には、それぞれX方向デコーダの行線91、Y方向デコーダの列線92が接続されている。かかる図に基づいて、メモリデバイスの書込み・読み出し動作を説明する。なお、強誘電体の残留分極値が−Prとなる場合を”1”、Prとなる場合を”0”として説明を行う。
【0039】
最初に、書込み動作について説明する。外部から供給されるアドレス信号に基づいて、前記X方向デコーダ、Y方向デコーダにより、書き込み対象となるメモリセル93が選択される。各デコーダには電圧発生器より±1/2Vの電圧信号が供給され、かかる電圧信号は選択されたメモリセル93に対応する行線、列線に出力される。なお、Vはヒステリシス特性における飽和電圧であり、自発分極を生じさせるためのしきい値電圧は1/2以上であるとする。
【0040】
ここで、X方向デコーダとY方向デコーダでは、供給される電圧信号の極性は常に互いに逆極性となっている。すなわち、選択したメモリセル93に”1”を書き込む場合は、X方向デコーダには−1/2V、Y方向デコーダには+1/2Vが供給され、”0”を書き込む場合は、X方向デコーダには+1/2V、Y方向デコーダには−1/2Vが供給されることになる。
【0041】
その結果、選択したメモリセル93に電圧+V(もしくは−V)が印加されることとなり、メモリセル内の強誘電体層が分極する。分極した後は、電圧Vが印加されない状態においても残留分極値−Prが保持されるため、”1”を記憶することができる。
【0042】
なお、選択したメモリセル93と同じ行線、列線に接続される非選択メモリセルに対しては、印加される電圧が1/2となるため、自発分極は生じず、書込みは行われない。
【0043】
次に読み出し動作について説明する。読み出し時においては、常に、X方向デコーダには+1/2Vが、Y方向デコーダには−1/2Vが供給される。その結果、選択したメモリセルには電圧+Vが印加され、記録状態が”1”、すなわち残留分極値が−Prの場合には、分極状態が−PrからPrに分極反転することになる。一方、記憶状態が”0”、すなわち残留分極値がPrの場合には、分極状態はPrから一旦増加した後またPrに戻るため、残留分極値はPrのままとなる。
【0044】
従って、記録状態が”1”の場合にのみ、分極状態が−PrからPrに反転し、電荷が放出されて反転電流が生じる。なお、記録状態が”0”の場合にも、少量の電流が生じるが、前記反転電流に比べ充分に小さいものとなる。前記反転電流は電圧変換された後センスアンプにおいて基準電圧と比較され、基準電圧より大きい場合に記録状態”1”として読み出されることになる。記録状態が”1”だった場合には再度書き込みを行い、Prから−Prに戻す。
【0045】
(その他変形例)
本発明のメモリデバイスは、メモリを備える全ての電子機器、例えばコンピュータの内部記憶装置、メモリスティック、メモリカードなどに用いることができる。
【0046】
なお、本発明は上述したような実施例に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。本発明は、例えば、前述したように、メモリ層として、強誘電体層の代わりに、誘電体層を設けることもできる。また、本発明は、前述したように、メモリ層として、強誘電体層の代わりに、電圧によりインピーダンスが変化し2値をとる電荷移動錯体材料を用いて電荷移動錯体層を設けことにより、単純マトリクス構造の不揮発メモリとして適用することもできる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、前記単純マトリクス構造内に、接続端子が配置したことにより、各線状電極間距離が小さく、大容量メモリが実現できると共に、精度よく確実に、安定した端子の接続ができ、特に積層した場合にも端子エリアが拡大しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメモリデバイスの製造工程を示す。
【図2】メモリデバイスの製造工程において形成される接続端子の位置を示す概略平面図である。
【図3】メモリデバイスの製造工程において形成されるスルーホールの形状の例を示す概略断面図である。
【図4】メモリデバイスの構造の例の一部を拡大して示す(メモリデバイスの製造工程において形成される接続端子の形状の例を示す)概略断面図である。
【図5】本発明のメモリデバイスの構造を説明するための概略平面図である。
【図6】本発明のメモリデバイスの構造を説明するための概略平面図である。
【図7】本発明のメモリデバイスの構造を説明するための概略平面図である。
【図8】本発明のメモリデバイスの構造を説明するための概略平面図である。
【図9】本発明のメモリデバイス積層体の構造を説明するための概略断面図である。
【図10】本発明のメモリデバイスの全体構成を示す概略図である。
【図11】強誘電体材料のヒステリシス特性を説明するための図である。
【図12】単純マトリクス構造のメモリデバイスを説明するための概略斜視図である。
【図13】単純マトリクス構造のメモリデバイスの等価回路を示す図である。
【図14】従来の単純マトリクス構造のメモリデバイスを示す概略平面図である。
【図15】従来の単純マトリクス構造のメモリデバイスを示す概略平面図である。
【符号の説明】
10、110 基板
11、111 下部電極
12、112 メモリ層
13、113 上部電極
14 絶縁体層
15 スルーホール
16、16a、16b 接続端子
91 行線
92 列線
93 メモリセル
l 接続端子間距離
m 下部電極間距離
n 上部電極間距離
Claims (14)
- 第1の線状電極と、前記第1の線状電極上に形成されたメモリ層と、前記メモリ層上に形成され、前記第1の線状電極に直交する第2の線状電極とを備えており、前記第1の線状電極と前記第2の線状電極が積層方向に重なる各交差部にメモリセルが形成される単純マトリクス構造のメモリデバイスであって、前記第1の線状電極及び前記第2の線状電極それぞれに、周辺回路と接続するための接続端子が設けられ、該接続端子の少なくとも1つが、前記メモリセル間に配置されていることを特徴とするメモリデバイス。
- 前記第1線状電極の接続端子又は前記第2線状電極の接続端子のうちの少なくとも1つが、前記メモリセル間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のメモリデバイス。
- 少なくとも1組の隣合う前記接続端子同士の距離が、隣合う前記第1の線状電極間距離及び隣合う前記第2の線状電極間距離の何れよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2記載のメモリデバイス。
- 全組の隣合う前記接続端子同士の距離が、隣合う前記第1の線状電極間距離及び隣合う前記第2の線状電極間距離の何れよりも大きいことを特徴とする請求項3記載のメモリデバイス。
- 前記メモリ層が、強誘電体からなる請求項1〜4の何れかに記載のメモリデバイス。
- 前記メモリ層が、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)のうち何れかの強誘電体からなることを特徴とする請求項5記載のメモリデバイス。
- 前記メモリ層は、電荷移動錯体からなる請求項1〜4の何れかに記載のメモリデバイス。
- 前記メモリ層は、ゾル・ゲル法、MOD法、スパッタ法又は印刷法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のメモリデバイス。
- 請求項1〜8の何れかに記載のメモリデバイスを積層方向に複数重ね合わせてなることを特徴とするメモリデバイス積層体。
- 2つの線状電極が積層方向に重なる各交差部にメモリセルが形成される単純マトリクス構造のメモリデバイスの製造方法であって、基板上に第1の線状電極を複数形成する第1工程と、前記第1の線状電極上にメモリ層を形成する第2の工程と、前記メモリ層上に第2の線状電極を複数形成する第3の工程と、前記第1の線状電極及び前記第2の線状電極それぞれの接続端子を、前記メモリセル間に形成する第4の工程とを備えることを特徴とするメモリデバイス製造方法。
- 前記メモリ層が、強誘電体からなる請求項10記載のメモリデバイス製造方法。
- 前記メモリ層が、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)のうち何れかの強誘電体からなることを特徴とする請求項11記載のメモリデバイス製造方法。
- 前記メモリ層が、電荷移動錯体からなる請求項10記載のメモリデバイス製造方法。
- 請求項1〜8の何れかに記載のメモリデバイスをメモリとして備えた電子機器。
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