JP3604588B2 - 魚釣用両軸受型リール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品交換及び組付を容易に行うことが可能な低価格で簡単な構成の魚釣用両軸受型リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば実用新案登録第2572100号に開示されているように、釣糸繰出時のスプールの過回転を防止するためのバックラッシュ防止機構を備えた魚釣用両軸受型リールが知られており、バックラッシュ防止機構としては、スプール回転時に、制動部材を環状制動体に摺接させることによって、スプールの回転に対して制動力を付与する遠心ブレーキ装置が一般的に用いられている。このような遠心ブレーキ装置では、環状制動体は、リール本体(具体的には、一方側のフレーム又は側板)に対して、例えば圧入や接着等の恒久的な固定方法によって、固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような固定方法では、まず、制動部材と環状制動体との間に例えば砂やゴミ等が噛み込んで環状制動体に傷が入ったとき、その環状制動体を交換しようとしても、上述したように環状制動体は、リール本体に恒久的に固定されているため、容易に交換することができない。
【0004】
更に、環状制動体をリール本体に組み付ける場合において、圧入法では、プレス機が別途必要となり、接着法では、接着剤が別途必要となるため、組付プロセスが増加して、製造コストが上昇してしまう。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば実開平6−41718号公報には、環状制動体をリール本体にネジ止めする方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、このようなネジ止め法では、制動力の付与時に制動部材によって環状制動体が緩むことを防止するために、環状制動体のネジ込み方向をスプール回転方向に合わせて変更調節しなければならない。即ち、スプールに対して遠心ブレーキ装置(制動部材、環状制動体など)を左右いずれの側に配置するかによって、ネジ切り方向を変更調節しなければならない。このため、スプールに対して左右共通の部品を用いて遠心ブレーキ装置を構成することができない。つまり、従来のネジ止め法では、スプールに対して左右いずれの側に遠心ブレーキ装置を配置するかによって、互いに異なる構成の遠心ブレーキ装置を設計しなければならない。このため、遠心ブレーキ装置の製造コストが上昇してしまう。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されており、その目的は、部品交換及び組付を容易に行うことが可能な低価格で簡単な構成の魚釣用両軸受型リールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、リール本体に回転自在に支持されたスプールと共に一体的に回転する複数の制動部材と、リール本体のフレーム又は側板に取り付けられた環状制動体とを有し、制動部材を環状制動体の制動面に摺接させることによって、スプールの回転に所定の制動力を付与するバックラッシュ防止機構を備えた魚釣用両軸受型リールであって、リール本体のフレーム側板の少なくとも一方に環状制動体を回り止めした状態で弾性係止させる弾性係止機構を設け、前記環状制動体の制動面には、その一部に、他の部分とは異なる制動力をスプールの回転に付与する部分を構成し、環状制動体の取付方向を反転させることによって、スプールの回転に対して異なる制動力を選択的に付与することを特徴とする
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る魚釣用両軸受型リールについて、添付図面を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、魚釣用両軸受型リール1は、左右フレーム2a,2bと、左右フレーム2a,2bの間に一体形成された竿取付部(図示しない)を具備するフレーム2と、左右フレーム2a,2bに夫々装着された左右側板3a,3bとを備えたリール本体4を有している。
【0011】
左右フレーム2a,2b(左右側板3a,3b)間には、スプール軸6が軸受7a,7bを介して回転可能に支持されており、スプール軸6には、釣糸が巻回されるスプール6aが取り付けられている。
【0012】
スプール6aは、ハンドル10の回転操作に連動して回転させることができるように構成されており、ハンドル10は、右側板3bから突出したハンドル軸10aの端部に取り付けられている。
【0013】
ハンドル軸10aは、右フレーム2bにネジ止め可能なセットプレート15に突設された円筒部15a内に配されており、軸受16a,16bを介して円筒部15a及び右フレーム2bに対して回転自在に支持されていると共に、一方向クラッチ17によって釣糸巻取方向にのみ回転可能に構成されている。
【0014】
右フレーム2bと右側板3bとの間には、ハンドル10の回転運動をスプール軸6に伝達する駆動機構20と、魚釣時にスプール6aから釣糸が繰り出された際、スプール6aにドラグ力を付与するドラグ機構40が収容されている。
【0015】
駆動機構20は、ハンドル軸10aに回転可能に支持された駆動歯車21と、この駆動歯車21に噛合するピニオン22とを備えている。
【0016】
ピニオン22は、軸受23,25を介して右フレーム2bとセットプレート15に回転自在に支持されている。なお、軸受25は、セットプレート15に突設された円筒部15b内に配されている。
【0017】
また、ピニオン22の外周には、円周溝22aが形成されており、この円周溝22aには、クラッチ操作部材(図示しない)によって軸方向に移動可能なクラッチプレート26が係合している。この場合、クラッチ操作部材を操作してピニオン22を軸方向に移動させることによって、図1に示すような駆動力伝達状態(クラッチON状態)、或いは、スプール軸6からピニオン22が外れたスプールフリー回転状態(クラッチOFF状態)に切り換えることができる。なお、クラッチOFF状態からクラッチON状態への復帰操作方法は、クラッチ操作部材を復帰操作させる方法以外に、ハンドル10の巻取操作によって自動的に復帰させる方法がある。
【0018】
ドラグ機構40は、摩擦板やライニング材等によって構成されており、ハンドル軸10aに取り付けられたドラグ操作部材41を回転操作することによって、駆動歯車21に所定の押圧力で押さえ付けられようになっている。そして、このときの押圧力が、ハンドル軸10aと一体回転するラチェット43に作用することによって、ハンドル軸10aと駆動歯車21との間に所定のドラグ力が発生する。
【0019】
また、スプール軸6には、このスプール軸6のスラスト方向のガタを吸収すると共に、その回転に制動力を与える押圧機構50が係合しており、この押圧機構50は、ピニオン22内に挿通され且つスプール軸6の端面に当接したスラスト軸51と、セットプレート15の円筒部15bに螺合可能であって且つスラスト軸51をスラスト方向に押圧するキャップ52とを備えている。この構成において、キャップ52を締め付けると、この締付量に応じてスラスト軸51がスプール軸6の端面に押し付けられ、その押付力によって、スプール軸6のスラスト方向のガタが無くなると共に所望の摩擦力がスプール軸6に付与される。
【0020】
また、左右フレーム2a,2bの間には、レベルワインド装置60が設けられており、このレベルワインド装置60は、左右方向に沿って長孔(図示しない)が形成された案内筒61と、この案内筒61内に回転可能に指示されたウォームシャフト62と、案内筒61を囲繞して取り付けられ且つ前記長孔を介してウォームシャフト62に係合した係合部材63と、この係合部材63に取り付けられ釣糸案内部(図示しない)とを備えている。
【0021】
また、ウォームシャフト62には、左フレーム2a側に歯車67が取り付けられており、この歯車67は、中間歯車68を介してスプール軸6に取り付けられた歯車70に連結している。この構成において、ハンドル10の回転操作によってスプール軸6と共にスプール6aが回転すると、スプール軸6の回転運動は、各歯車70,68,67を介してウォームシャフト62に伝達され、このウォームシャフト62を回転させる。このとき、レベルワインド装置60の係合部材63が、ウォームシャフト62の回転運動に従って左右に摺動することによって、釣糸は、係合部材63の釣糸案内部64を介してスプール6aに均等に巻回される。
【0022】
ここで、フレーム2に対するセットプレート15,75及び左右側板3a,3bの取り付け構造について説明する。
【0023】
右側板3bは、右フレーム2bにネジ止めされたセットプレート15を覆うように右フレーム2bに取り付けられる。右側板3bには、セットプレート15の円筒部15a、15bに対向した位置に孔3c,3dが形成されているため、円筒部15a,15bは、孔3c,3dを介して右側板3bの表面から突出する。この状態において、円筒部15bの外周にカラー80及びOリング81を係合させることによって、右フレーム2bにネジ止めされたセットプレート15に対する右側板3bの抜け止めが成される。
【0024】
一方、左側板3aは、セットプレート75と一体化させた状態で左フレーム2aに取り付けられるように構成されている。この場合、左側板3a及びセットプレート75は、夫々、左フレーム2aの外縁部2e、及び、左フレーム2aに形成された嵌合孔2fに取り付けられるため、両者を正確に位置合わせした状態にしておかなければならないが、以下のように構成することで、その取付誤差を吸収することが可能である。
【0025】
即ち、セットプレート75を、左フレーム2aの嵌合孔2fに嵌合される本体75aと左側板3aに係合する蓋体75bで構成すると共に、左側板3aに孔を形成する。そして、この孔に蓋体75bの裏面に形成された突出部75cを挿通させた状態で、ビス95によって本体75aと突出部75cを連結する。この場合、左側板3a及び蓋体75bは、蓋体75bの外周部と左側板3aの係合部との間に僅かな隙間G1が、左側板3aと突出部75cとの間に僅かな隙間G2が存在するように構成しておく。このような構成によれば、上記隙間G1,G2の部分で取付誤差が吸収されるため、左側板3a及びセットプレート75を容易且つ確実に左フレーム2aに取り付けることが可能となる。
【0026】
また、魚釣用両軸受型リール1には、スプール軸6の左側板3a側に、釣糸繰出時にスプール6aの過回転を防止することが可能なバックラッシュ防止機構が設けられている。本実施の形態において、バックラッシュ防止機構は、スプール6a(スプール軸6)の回転運動によって生じる遠心力を利用した遠心ブレーキ装置90を適用している。
【0027】
遠心ブレーキ装置90は、スプール軸6に対して回動可能に支持された支持体92と、リール本体4又は左側板3aに着脱自在に取り付けられた環状制動体94と、支持体92に抜け止め支持され且つ環状制動体94の制動面94aに対して接近する方向及び離間する方向に移動可能な複数の制動部材96と、これら制動部材96を環状制動体94の制動面94aから所定距離だけ離間させた状態で弾性的に保持すると共に、スプール6a(スプール軸6)の回転時に各制動部材96に作用する遠心力に抗して、これら制動部材96を環状制動体94の制動面94aから離間させる方向に付勢することが可能な付勢手段と、スプール6a(スプール軸6)の回転時において、前記付勢手段の付勢力に抗して各制動部材96を環状制動体94の制動面94aに摺接させることで発生する制動力を調節することが可能な調節手段とを備えている。
【0028】
制動部材96の個数は、使用目的等に応じて増減可能であるが、本実施の形態では、その一例として、制動部材96は、周方向に沿って等間隔で3つ設けられているものとする。
【0029】
また、本実施の形態に適用した付勢手段は、スプール軸6に回り止め嵌合されたプレート98から所定長さだけ延出し、且つ、3個の制動部材96を所定の弾性保持力で弾性的に保持する3個の弾性保持部材100(図3参照)を備えている。
【0030】
なお、プレート98には、周方向に沿って等間隔に3個形成された円弧溝(図示しない)が設けられており、支持体92には、この支持体92から各円弧溝方向に突出した3個の爪部材(図示しない)が設けられている。そして、爪部材を円弧溝に係合させることによって、スプール軸6に回り止め嵌合されたプレート98に対して、スプール軸6に回動可能に支持された支持体92を回転させることができる。
【0031】
弾性保持部材100は、特に図示しないが、プレート98に一体的に支持された基端部と、この基端部から所定長さだけ延出した延出端部とを有しており、基端部から延出端部に向かうに従って弾性保持力が連続的に減少している。また、弾性保持部材100は、夫々、基端部から延出端部に向かって長板状又はU字状に延出しており、その長板状の片側縁部又はそのU字状のU字溝部に制動部材96を係止させることによって、制動部材96を環状制動体94のから所定距離だけ離間させた状態で保持することができるようになっている。
【0032】
具体的には、図3(b)に示すように、制動部材96には、夫々、弾性保持部材100が摺接可能な摺接部108と、支持体92及びプレート98に形成された保持部92a,98aに当接可能な当接部110とが設けられている。そして、制動部材96を弾性保持部材100の片側縁部又はU字溝部に係止させると、制動部材96は、その摺接部108が弾性保持部材100に摺接すると共に、その当接部110が支持部材92及びプレート98の保持部92a,98aに当接する。この状態において、制動部材96の摺接部108及び当接部110は、弾性保持部材100の片側縁部又はU字溝部と、支持体92及びプレート98の保持部92a,98aとの間で弾性的に挟持され、その位置が規制される。この結果、制動部材96は、環状制動体94の制動面94aから所定距離だけ離間した状態に保持される。
【0033】
また、本実施の形態に適用した調節手段は、特に図示しないが、支持体92に形成された複数の係合凹部と、プレート98に形成され且つ各係合凹部に係合可能な1つの係合凸部とを備えており、支持体92を回転させて係合凹部に対する係合凸部の係合位置を切り換えることによって、弾性保持部材100に対する制動部材96の保持位置を変えることができるようになっている。そして、このように保持位置を変えることによって、制動部材96に作用する弾性保持部材100の弾性保持力を調節することができる。
【0034】
また、支持体92の回転操作に際し、支持体92のガタを防止すると同時に回転範囲を規制するために、調節手段には、図示しないが、プレート98に突設されたガイド突起と、支持体92に所定の長さで形成され且つガイド突起が摺動自在に入り込むガイド溝とが設けられている。この構成によれば、支持体92は、ガイド溝の長さ分だけ回転可能となり、この結果、支持体92を回転させた際に、弾性保持部材100から制動部材96が外れてしまうことが防止される。
【0035】
このような調節手段によれば、支持体92に対してプレート98をガタ付くこと無く安定して回転させて、弾性保持部材100に対する制動部材96の保持位置を変えることが可能であり、このとき、プレート98の係合凸部を支持体92の係合凹部に係合させることによって、弾性保持部材100に対して制動部材96を一定の保持位置に確実に位置付けることができる。
【0036】
また、上述したように、弾性保持部材100は、夫々、基端部から延出端部に向かうに従って弾性保持力が連続的に減少しているため、調節手段を介して弾性保持部材100に対する制動部材96の保持位置を変えることによって、釣り場の種々の状況(例えば、仕掛けの重量、釣りポイントまでの距離、風、釣り人の熟練度など)に対応した弾性保持力を制動部材96に付加することができる。つまり、調節手段を操作して弾性保持部材100に対する制動部材96の保持位置を変えることによって、各制動部材96を環状制動体94に摺接させることで発生する制動力を釣り場の種々の状況に応じて調節することができる。
【0037】
また、本実施の形態に適用した遠心ブレーキ装置90において、環状制動体94は、弾性係止機構によって、リール本体4の左フレーム2a又は左側板3aに着脱自在に弾性係止されるようになっている。即ち、環状制動体94を組み付ける際に、環状制動体94を弾性係止機構に嵌め込むだけで、この環状制動体94をリール本体4の左フレーム2a又は左側板3aに対して回り止めと脱落防止が同時に成された状態で組み付けることができる。
【0038】
このような弾性係止機構は、リール本体4の左フレーム2a及び左側板3aの少なくとも一方に設けることが可能であるが、本実施の形態では、その一例として、弾性係止機構は、上述したセットプレート75に設けられ、このセットプレートに設けられた弾性係止機構に環状制動体94を弾性係止することによって、環状制動体94をセットプレート75を介してリール本体4の左フレーム2a又は左側板3aに着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0039】
具体的には、図2及び図3に示すように、弾性係止機構は、環状制動体94の外周に沿って等間隔に配置され且つ弾性を有する複数の凸状係合部300と、環状制動体94の外周に設けられ且つ複数の凸状係合部300が係合可能な複数の凹状係合部302とを備えており、これら凹状係合部302に凸状係合部300を弾性的に係合させることによって、環状制動体94を回り止めと脱落防止が同時に成された状態で、リール本体4の左フレーム2a又は左側板3aに弾性係止させることができるようになっている。つまり、環状制動体94を弾性係止機構に嵌め込んで行くと、複数の凸状係合部300は、外側に弾性変形し(図3(b)の二点鎖線参照)、更に、環状制動体94を完全に嵌め込むと、複数の凸状係合部300は、その弾性力によって内側に弾性変形して凹状係合部302に係合する(図3(b)の実線参照)。この結果、環状制動体94は、回り止めと脱落防止が同時に成された状態で、リール本体4の左フレーム2a又は左側板3aに弾性係止される。
【0040】
なお、本実施の形態では、その一例として、凸状係合部300は、環状制動体94の外周に沿って等間隔に4つ配置されており、これら凸状係合部300が係合可能な凹状係合部302は、環状制動体94の外周に等間隔で4つ設けられている。この場合、凸状係合部300と凹状係合部302との組合個数は、4つに限定されることは無く、使用目的に応じて増減変更することができる。
【0041】
また、図2及び図3に示された弾性係止機構では、環状制動体94の外周の凹状係合部302に凸状係合部300を係合させるように構成したが、これとは反対に、環状制動体94の外周に複数の凸状係合部を設け、これら凸状係合部が係合可能な凹状係合部を環状制動体94の外周に沿って配置させても良い。
【0042】
このように環状制動体94が弾性係止機構に係止された状態において、魚釣用両軸受型リールを長年使用していると、制動部材96と環状制動体94の制動面94aとの間に例えば砂やゴミ等が噛み込んで制動面94aが傷付いてしまう場合がある。
【0043】
この場合、本実施の形態の弾性係止機構では、図3(b)の二点鎖線で示すように、複数の凸状係合部300を外側に弾性変形させることによって、傷付いた環状制動体94を容易に取り外して、新たな環状制動体94と交換すことができる。また、制動面94aに付いた傷の位置によっては、その環状制動体94を取り外した後、取付向きを反転させて弾性係止機構に再度嵌め込むことによって、制動部材96に対して傷の無い綺麗な制動面94aを対向配置させることができる。
【0044】
このように、本実施の形態の弾性係止機構によれば、従来のようなプレス機や接着剤等を用いること無く、環状制動体94の交換及び組付を容易に行うことができるため、交換及び組付プロセスが簡略化され、その結果、遠心ブレーキ装置90(魚釣用両軸受型リール)の製造コストを低減させることができる。
【0045】
更に、本実施の形態の弾性係止機構によれば、従来のように環状制動体のネジ込み方向をスプール回転方向に合わせて変更調節すること無く、環状制動体94は、嵌め込むだけで、リール本体4の左フレーム2a又は左側板3aに対して回り止めと脱落防止が同時に成された状態で組み付けることができる。このため、遠心ブレーキ装置90(制動部材96、環状制動体94など)をスプール6aに対して左右いずれの側に配置させる場合でも、左右共通の部品を用いて遠心ブレーキ装置90を構成することができる。この結果、遠心ブレーキ装置90(魚釣用両軸受型リール)の製造コストを低減させることができると共に、組立性及びメンテナンス性に優れた遠心ブレーキ装置90(魚釣用両軸受型リール)を実現することができる。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施の形態の構成に限定されることは無く、以下のように種々変更することが可能である。
【0047】
上述した実施の形態において、環状制動体94の制動面94aは、その全体に亘って同一の制動力をスプール6aの回転に付与するように構成されているが、付与する制動力が相対的に異なる部分を制動面94aに構成し、環状制動体94の取付方向を反転させることによって、異なる制動力を選択的にスプール6aの回転に付与するように構成しても良い。
【0048】
第1の変形例として、例えば図4(a)に示す環状制動体94の制動面94aには、その一部に段差部94a′が構成されている。この段差部94a′としては、制動面94aに対して凸状又は凹状に構成することが可能であるが、図面上では、その一例として、凹状に窪ませた段差部94a′が構成されている。
【0049】
この構成において、図4(a)の実線で示すように環状制動体94を弾性係止機構に弾性係止させたとき、段差部94a′に制動部材96が対向配置され、これに対して、同図(a)の二点鎖線で示すように環状制動体94の取付方向を反転させて弾性係止機構に弾性係止させたとき、制動面94aに制動部材96が対向配置される。
【0050】
この場合、制動面94aと制動部材96とが摺接する摺接長に比べて、段差部94a′と制動部材96とが摺接する摺接長が長くなる。このため、制動部材96が制動面94a又は段差部94a′に摺接することで発生する制動力は、相対的に異なったものとなる。従って、上述した調節手段と第1の変形例とを組み合わせることによって、スプール6aの回転に付与する制動力を更に多様化させることが可能となる。なお、段差部94a′を設ける代わりに、例えば、制動面94a全体をテーパ状に形成しても、環状制動体94の取付方向を反転させることによって、スプール6aの回転に付与する制動力を多様化させることが可能となる。
【0051】
第2の変形例として、例えば図4(b)に示す環状制動体94の制動面94aには、その一部に摩擦係数が相対的に異なる部分94a″が構成されている。この摩擦係数が異なる部分94a″としては、例えば、粗面化させたり、又は、摩擦部材(例えば、樹脂、ゴム、金属、セラミック、木材等)を別途配置させることによって構成することが可能である。
【0052】
この構成において、図4(b)の実線で示すように環状制動体94を弾性係止機構に弾性係止させたとき、摩擦係数が異なる部分94a″に制動部材96が対向配置され、これに対して、同図(b)の二点鎖線で示すように環状制動体94の取付方向を反転させて弾性係止機構に弾性係止させたとき、制動面94aに制動部材96が対向配置される。
【0053】
この場合、制動面94aに制動部材96が摺接する際の摩擦力と、摩擦係数が異なる部分94a″に制動部材96が摺接する際の摩擦力とは、互いに異なる。このため、制動部材96が制動面94a又は摩擦係数が異なる部分94a″に摺接することで発生する制動力は、相対的に異なったものとなる。従って、上述した調節手段と第2の変形例とを組み合わせることによって、スプール6aの回転に付与する制動力を更に多様化させることが可能となる。
【0054】
なお、上述の遠心ブレーキ装置90の実施の形態並びに第1及び第2の変形例では、制動部材96に作用する弾性保持力を変更することによって制動力の調節を行う構成を示したが、これに代えて、本願以前に本出願人が既に出願済みである特願平10−251138号明細書中に記載したように、制動部材96を作動状態及び非作動状態に選択的に切り換えることによって、制動力を調節するように構成した遠心ブレーキ装置90に、前記の弾性係止機構を用いた構成を適用することが可能であることは言うまでも無い。
【0055】
また、上述した実施の形態並びに第1及び第2の変形例では、スプール軸6にプレート98を回り止め嵌合し、制動部材96を支持した支持体92を回転操作できるように構成したが、他の方法として、逆に、支持体92をスプール軸6に回り止め嵌合させ、プレート98を回転操作できるように構成しても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、部品交換及び組付を容易に行うことが可能な低価格で簡単な構成の魚釣用両軸受型リールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る魚釣用両軸受型リールの構成を示す図。
【図2】(a)は、弾性係止機構によって環状制動体が弾性係止されている状態を示す図、(b)は、弾性係止機構の構成を拡大して示す図。
【図3】(a)は、弾性係止機構で弾性係止された環状制動体が制動部材に対向配置されている状態を示す断面図、(b)は、同図(a)に示された弾性係止機構の周囲部分の拡大断面図。
【図4】(a)は、本発明の第1の変形例に適用した環状制動体の構成を示す断面図、(b)は、本発明の第2の変形例に適用した環状制動体の構成を示す断面図。
【符号の説明】
2a 左フレーム
3a 左側板
6a スプール
90 遠心ブレーキ装置
94 環状制動体
94a 制動面
300 凸状係合部
302 凹状係合部

Claims (1)

  1. リール本体に回転自在に支持されたスプールと共に一体的に回転する複数の制動部材と、リール本体のフレーム又は側板に取り付けられた環状制動体とを有し、制動部材を環状制動体の制動面に摺接させることによって、スプールの回転に所定の制動力を付与するバックラッシュ防止機構を備えた魚釣用両軸受型リールであって、
    リール本体のフレームと側板との少なくとも一方に、環状制動体を回り止めした状態で弾性係止させる弾性係止機構を設け、前記環状制動体の制動面には、その一部に、他の部分とは異なる制動力をスプールの回転に付与する部分を構成し、環状制動体の取付方向を反転させることによって、スプールの回転に対して異なる制動力を選択的に付与することを特徴とする魚釣用両軸受型リール。
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