JP3604519B2 - 包装袋の開口方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装袋の開口方法であり、特に、仕切シートで複数の収納室を形成の包装袋を開口する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装袋は、一般に、右外袋シートと左外袋シートとで開口部を有する形状で製作され、被包物と共に乾燥剤や脱酸素剤の固体物の他に液体物を一緒に入れることがある。しかし、被包物の他に、特に、液体の被包物を一緒に包装袋に入れると、都合が悪いので区分けして入れている。
そのため、仕切シートで区分される複数の収納室を形成の包装袋が使用され、前記被包物と液体の被包物等は、各々異なる収納室に手作業で入れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、生産性が悪く、各々の収納室を自動的に開口できる方法が望まれている。又、通気性の包装袋は、よく知られた真空吸着方法では開口できないため、簡便に開口可能な方法が望まれている。
そこで、本発明は複数の収納室を形成の包装袋、通気性のある包装袋に対して、簡便な方法で開口する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の包装袋の開口方法は、右外袋シートと左外袋シートとの間に複数の仕切シートを介して複数の収納室を形成し、且つ、吸引孔を形成していない包装袋に対するものである。そして、右吸着体と左吸着体とで包装袋を1つの湾曲状で吸着し、左吸着体はその位置を維持する一方、右吸着体は吸着状態で前記左吸着体から離反移動することによって、右外袋シートとその隣接する仕切シートで形成の右収納室を開口する方法である。
1つの湾曲状態になった包装袋は、吸着状態の右外袋シートのみが離反でき、左外袋シートと複数の仕切シートは湾曲状態を維持するため、右収納室を開口することができる。
【0005】
請求項2の包装袋の開口方法は、右外袋シートと左外袋シートとの間に右仕切シートと左仕切シートを介して右収納室、中収納室、左収納室を形成の包装袋であって、右収納室と左収納室の右吸着体及び左吸着体での吸着位置の近くまで液媒体を充填し、右吸着体で右外袋シートを吸着する一方左吸着体で左外袋シートを吸着し、右吸着体と左吸着体を離反移動することによって、右仕切シートと左仕切シートで形成の中収納室を開口するものである。
この開口方法は、液媒体を右収納室と左収納室に充填して、右外袋シートと左外袋シートを密着状態で離反移動させることによって、中収納室の開口が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明を図面を参照して説明すると、図1は包装袋1の一部断面を示す斜視図である。
包装袋1は、同じ大きさの合成樹脂製の右外袋シート2aと左外袋シート2bとの間に、それより短い縦長さで、底部4dが熱融着の右仕切シート3aと左仕切シート3bを挟着し、両側部4a、4bと底部4cをヒートシールを行って、上部に開口部5を有する、前記右仕切シート3aと左仕切シート3bで区分される右収納室6a、左収納室6b、中収納室6cが形成される。尚、中収納室6cは右収納室6a(左収納室6b)と別体形成されるが、右収納室6aと左収納室6bは底部において連通している。
【0008】
又、右外袋シート2a、左外袋シート2b、及び右仕切シート3a、左仕切シート3bは、厚みが50〜60μの合成樹脂製フィルムで通気性を有さない(後述の吸着体15a、15bで吸着可能)もの使用し、右外袋シート2aと左外袋シート2bの硬度は右仕切シート3a、左仕切シート3bより硬いものを選定する。
【0009】
次に、包装袋1の右収納室6aと左収納室6bに焼肉のタレを、中収納室6cに焼肉を収納する包装機10を、図2(概略平面)を参照して説明する。
この包装機10は、包装袋1の供給工程(1)、包装袋の前開口工程(2)、第1の被包装物(タレ)の充填工程(3)、包装袋の後開口工程(4)、第2の被包装物(焼肉)の充填工程(5)、包装袋に振動を与えてトップシール部等に付着のタレ等を落下する振動工程(6)、トップシール部の検査(7)、トップシール(8)、トップシール部の冷却及び良品排出(9)、不良品排出(10)を順次、間欠回転しながら、包装を完成する。
【0010】
10は包装袋1の供給装置であって、1袋毎、給袋され、掴み腕11a、11bに引き渡す。そして、掴み腕11a、11bで両端を掴まれた包装袋1は、次工程の前開口機構12に回転搬送される。
この前開口機構12は、左吸着体15bを吸着状態でその位置を維持し、掴み腕11a、11bで包装袋の幅を狭めると共に、右吸着体15aは吸着状態で左吸着体15bから離反移動させる。すると、左吸着体15bは左外袋シート2bと右仕切シート3a及び左仕切シート3bの3枚が一緒で吸着状態となる一方、右吸着体15aは右外袋シート2aのみを吸着し、右収納室6aのみを開口するものであり、下記にその機構を斜視図の図3(A)及び主要部の部品展開を示す図3(B)を参照して詳述する。
【0011】
右吸着体15a及び左吸着体15bは、前記包装袋1の上部のほぼ中央部で対応する位置に設置してあり、チューブ16a、16bに接続の図示略の電磁弁(又はメカバルブ)の操作によって、真空装置を介して吸引状態となる。
【0012】
右吸着体15aの往復動について説明すると、昇降杆20は回転するカム21を介して昇降し、この昇降杆20は基台18に固定の回転軸30aに回動可能に取付けの右回動体22aに連結してあって、この右回動体22aは前記昇降杆20の昇降を介して揺動する。又、結合体22cは右回動体22aの端部に固定してあり、その結合体22cに右レバー23bが結合してある。そのため、右回動体22aの揺動は、右レバー23bを介して右吸着体15aを往復動する。
一方、左吸着体15bは、簡便に構成するために固定位置(動かない状態)に設置してある。尚、前記包装袋1の開口を補助するために、空気噴出機構26が取り付けてある。
【0013】
次に、前開口機構12の動作について、平面図と正面図を示す図4も参照して説明すると、先ず、包装袋1は右吸着体15aと左吸着体15bの間に回転搬送される(図4(a)。
次に、昇降杆20が下降すると、右吸着体15aが包装袋1の前側から接近して、右外袋シート2aと左外袋シート2bが左吸着体15bに当接するまで押動させると、包装袋1は湾曲状になり、その後、各々の電磁弁(又はメカバルブ)(図示略)を作動して、右吸着体15aと左吸着体15bを吸引状態にする(図4(b))。
そして、左吸着体15bはそのままの状態を維持する一方、右吸着体15aを復動(左吸着体15bから離反移動)させると、右外袋シート2aは右吸着体15aに吸着されて左外袋シート2bから離反可能であるが、右仕切シート3aと左仕切シート3bは湾曲状であるため、左外袋シート2bに伴って離反できない抵抗力が作用する。その結果、左外袋シート2b、左仕切シート3b及び右仕切シート3aは湾曲状を維持して左吸着体15b側に、右外袋シート2aは右吸着体15aによって離反移動して、右収納室6aを開口する(図4(c))。
このように、右吸着体15aと左吸着体15bによって包装袋を湾曲状に吸着し、その後、吸引状態の左吸着体15bは動かさず、吸引状態の右吸着体15aを左吸着体15bから離反方向に動かす簡便な動作によって、右収納室6aのみが開口できる。
尚、この開口方法は、仕切シートを2枚使用して右、中、左収納室6a、6c、6bを形成の包装袋1を対象に例示したが、更に多くの(4収納室以上)収納室を形成の包装袋にも適用できる。
【0014】
そして、前記右収納室6aに開口ヘラ(図示略)を挿入し、開口状態のまま、次工程の第1の被包装物の充填工程(3)まで搬送し、被包装物(タレ)を充填すると、被包装物は右収納室6aに入ると共に、連通形成してある左収納室6bにも充填される。
【0015】
次に、後開口機構30について、全体斜視図の図5及びリンク機構を示す図6(A)を参照して説明する。尚、前開口機構12と同じ構成の部品には同じ符号を付す。
右吸着体15a及び左吸着体15bは、前記包装袋1のほぼ中央部に対応する位置に設置してあり、チューブ16a、16bに接続の図示略の電磁弁(又はメカバルブ)の操作によって、真空装置を介して吸引状態となる。
昇降杆20は回転するカム21を介して昇降し、この昇降杆20は基台18に固定の回転軸30aに回動可能に取付けの右回動体22aに連結してあって、この右回動体22aは前記昇降杆20の昇降を介して揺動する。
又、前記右回動体22a、回転軸30bに回動可能に取付けの右リンク22b、及び前記右回動体22aと右リンク22bを連結の連結体22c、とで平行リンクを形成すると共に、この連結体22cに左レバー23aが連結してあって、前記昇降杆20の昇降によって、前記平行リンクを介して左吸着体15bは往復動する。
【0016】
一方、左回動体24a、左リンク24bは、前記回転軸30a、30bに各々回動可能に抜け止め板24cを介して取付けてあり、左回動体24a、左リンク24b及び結合体24dとで平行リンクを形成すると共に、前記右回動体22aの中途と前記左リンク24bの頂部とをリンク板25で結合してある。
又、右レバー23bは前記結合体24dに結合してある。そこで、前記右回動体22aの揺動はリンク板25 を介して、左リンク24bを右回動体22aとは逆方向に揺動し、平行リンクを介して結合体24dに連結の右吸着体15aを往復動する。尚、前記包装袋1の開口を補助するために、空気噴出機構26が取り付けてある。
【0017】
前記構成の後開口機構30は、昇降杆20が上昇すると、右吸着体15aと左吸着体15bとが包装袋1の前後側から接近し、右外袋シート2aと左外袋シート2bに当接し、その後、各々の電磁弁(又はメカバルブ)(図示略)を作動すると、右吸着体15aは右外袋シート2aを吸着する一方、左吸着体15bは左外袋シート2bを吸着する。
次に、前記昇降杆20が下降すると、右吸着体15aと左吸着体15bは離反移動すると、右吸着体15aには右外袋シート2aと右仕切シート3aが、左吸着体15bには左外袋シート2bと左仕切シート3bが共に密着状態となって、中収納室6cが開く。そして、開口ヘラ(図示略)を中収納室6cに挿入し、次工程で第2の被包物(焼肉)を充填する。
【0018】
このように、中収納室6cが開口するのは、右収納室6a(左収納室6b)に入れた液媒体(タレ)の影響であり、その液媒体によって、右吸着体15a(左吸着体15b)で右外袋シート2a(左外袋シート2b)を吸引状態で移動すると、媒体を介して右仕切シート3a(左仕切シート3b)も一緒に移動するものと推定するので、右吸着体15aと左吸着体15bを共に離反移動可能に構成する必要はなく、何れか片方のみを移動可能に構成してもよい。
尚、前記液媒体の量(液位h)は、右吸着体15aと左吸着体15bが吸着する位置(H)近くまで充填状態で行うのが望ましいが、充填する液媒体の粘度等に関係するため、必ずしも一様に選定できない。
【0019】
(第2の実施の形態)
しかしながら、少ない量の液媒体が右収納室6a(左収納室6b)に充填した包装袋に対しては、前記後開口機構30では中収納室6cの開口はできない。
そこで、係る場合には、図7に示すように包装袋1の下部位置を挟着プレート69a、69bで挟着する補助機構68を付加する。
この補助機構68によって、液媒体は右吸着体15aと左吸着体15bが吸着する位置(H)近くまで上昇するため、前記後開口機構30で行う開口状態と同じ状態となり、前記後開口機構30を介して同じ要領で中収納室6cを開口できる。
【0020】
尚、前記補助機構68について、正面を示す図7を参照して説明する。
包装袋1の進行方向に取付けの挟着プレート69a、69bは、リブ70a、70bを介して、固定軸84a、84bで変位する平行リンク71a、71bに取り付けてある。又、この平行リンク71a、71bは連結杆72a、72bを介して、固定揺動軸73で揺動する揺動体75に連結してある。一方、常時、弾性体76を介して、挟着カム軸78aで回転する挟着カム78に圧接のガイドローラ79を介して揺動軸80aで揺動する挟着レバー80の端部には、連結杆81を介して前記揺動体75に連結してあり、前記挟着プレート69a、69bの開閉を行う。
【0021】
これら挟着プレート69a、69bの閉状態によって、包装袋1の下部は挟着されて、右収納室6aと左収納室7bに充填の液媒体は、右吸着体15a(左吸着体15b)の吸着位置近くまで上昇する。
尚、挟着プレート69a、69bの高さ等は、液媒体の充填量によって適宜選択し、液媒体の液位hが前記後開口機構30を介して中収納室6cを開口可能位置となるようにセットすることは言うまでもない。
【0022】
尚、前記第1の実施の形態、第2の実施の形態において使用する包装袋1の材質は、前記した厚み50〜60μの合成樹脂製フィルムで、右外袋シート2a(左外袋シート2b)と右仕切シート3a(左仕切シート3b)の硬度を異にするもので例示したが、種々のテストの結果、厚み等を前記に限定しなくても良好であり、又、右収納室6a、左収納室6bに充填する液媒体もタレの他に、水(粘度1cp)や油等で行ったがいずれも良好であった。
このように、本発明においては、包装袋1の材質、液媒体の種類及び液位(h)、吸着体15a、15bの吸引力等を考慮して条件設定をすれば、複数形成の収納室において、右収納室6a(左収納室6b)のみの開口が可能であるし、更には、液媒体を充填した後においては中収納室6cの開口を可能とする。
【0023】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、特に、通気性がある(前記第1の実施の形態における真空吸着体15a、15bでの吸着が不可能)包装袋1aを開口するに有効な方法であり、概念図を示す図8(A)、断面を示す図8(B)を参照して説明する。
包装袋1aの両側には、ローラ型の粘着手段90が配置してあり、ステッピングモータ91を介して、1袋毎に所定の角度(例えば、30度)の回転をなす。又、粘着手段90の側面には、粘着剤の噴出器92が固定台95に立設の支持体98を介して取り付けてあり、この噴出器92に穿設の噴出孔93から粘着剤を粘着手段90の側面に噴出する。尚、粘着剤は、後記の作動説明で明らかなように、包装袋1aの開口時には接着し、次の工程に移送するときには剥離できる粘着力のものを選定する。
【0024】
また、粘着手段90の側面には、過剰に粘着剤が塗布されないように、噴出器92の左右端及び上下端の摺動部94が粘着手段90と摺動可能に形成し、スクレーパの役割を果たす。
前記ステッピングモータ91は固定台95に固定してあり、この固定台95は図示略の装置(シリンダ、リンク機構等)によって往復動可能である。
【0025】
次に、前記包装袋1aの開口方法について説明すると、掴み腕11a、11bで両端を掴まれた包装袋1aが送られてくると、包装袋1aの両側に設置の固定台95を包装袋1aを挟着状態に移動させる。すると、包装袋1aの両側面(右外袋シート2a、左外袋シート2b)は、粘着剤が塗布されている粘着手段90によって粘着状態となる。そして、固定台95を元の位置方向に移動させると共に、掴み腕11a、11bを狭めると、包装袋1aは開口する。この開口状態で、掴み腕11a、11bを次の工程に回転移送すると、粘着剤の粘着力に打ち勝って、粘着手段90は包装袋1aから剥離する。
【0026】
そして、ステッピングモータ91を所定の角度(例えば、30度)の回転をさせて、順次、新たな粘着剤が塗布された粘着手段90を形成する。
このように、包装袋1aが通気性を有する場合であっても、粘着手段を介して開口することができ、この構造は簡便であり経済性に富むものであるし、この開口方法は通気性がない包装袋1に対しても有効な手段であることは言うまでもない。
【0027】
又、前記構成の粘着手段の他に、粘着剤を塗布した粘着テープと保護テープが一体のものを使用して保護テープを剥離しながら、或は、粘着テープのみのものを使用し、粘着テープを包装袋の右外袋シート、左外袋シートに接着した後に開口する方法がある。
【0028】
【発明の効果】
本発明の請求項1の包装袋の開口方法は、複数の収納室を形成し、且つ、吸引孔を形成していない包装袋に対して1つの湾曲状で吸着し、左吸着体の位置を維持する一方、右吸着体を離反することによって、簡便に右外袋シートとその隣接する仕切シートで形成の右収納室を開口することができる。
又、請求項2の包装袋の開口方法は、液媒体を介して、簡便に、中収納室を開口できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】包装袋の斜視図である。
【図2】包装機の平面概略図である。
【図3】包装袋の前開口機構、部品展開図及び開口作用を示す図である。
【図4】包装袋の開口過程を示す平面図と正面図である。
【図5】包装袋の後開口機構の機構を示す斜視図である。
【図6】包装袋の後開口の部品展開図及び開口作用を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における補助機構を示す正面図である。
【図8】第3の実施の形態における開口方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1 包装袋(通気性なし)
1a 包装袋(通気性あり)
2a 右外袋シート
2b 左外袋シート
3a 右仕切シート
3b 左仕切シート
5 開口部
6a 右収納室
6b 左収納室
6c 中収納室
15a 右吸着体
15b 左吸着体
69a、69b 挟着プレート
90a、90b 粘着手段

Claims (2)

  1. 右外袋シートと左外袋シートとの間に複数の仕切シートを介して複数の収納室を形成し、且つ、吸引孔を形成していない包装袋であって、
    右吸着体と左吸着体とで包装袋を1つの湾曲状で吸着し、前記左吸着体はその位置を維持する一方、右吸着体は吸着状態で前記左吸着体から離反移動することによって、右外袋シートとその隣接する仕切シートで形成の右収納室を開口することを特徴とする包装袋の開口方法。
  2. 右外袋シートと左外袋シートとの間に右仕切シートと左仕切シートを介して右収納室、中収納室、左収納室を形成の包装袋であって、
    右収納室と左収納室の右吸着体及び左吸着体での吸着位置の近くまで液媒体を充填し、右吸着体で右外袋シートを吸着する一方左吸着体で左外袋シートを吸着し、右吸着体と左吸着体を離反移動することによって、右仕切シートと左仕切シートで形成の中収納室を開口することを特徴とする包装袋の開口方法。
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