JP4315517B2 - 袋口封止方法及び袋口封止装置 - Google Patents

袋口封止方法及び袋口封止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋口封止方法及び袋口封止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、以前に、対向二側面に内折れ可能なガゼット部が形成可能となった袋の袋口を封止する袋口封止方法及び袋口封止装置として、各ガゼット部における両端部位を適宜手段によって保持しつつその保持部位間に設けられた折曲中心を相手側のガゼット部へ向けて折り込んでゆく方式のものを開発し、特許出願している(特開平10−194204号公報及び特開平10−194206号公報等参照)。
【0003】
これらの方法及び装置は、物品装入のため、予め開口されていた袋口を、先に折り込み完了させてから、この折り込まれた状態の袋口に対して表裏両面側から接着ヘッドで対向押圧して、加熱方式や電磁波方式等により一気に接着するという手順になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した先願方法及び先願装置では、袋へ入れる物品として、半導体関係部品を収納したキャリアケースをも扱えることを考慮している。この種の物品は、ケース内に収納してある半導体関係部品を外気との接触から徹底して遮断する必要があるため、袋口封止の完璧性(密封性)が要求され、また上記先願方法及び先願装置は、原則としてこれに応えられる機能を有していた。
ところが、実際の現場での袋詰め稼働では、袋内へ入れた物品の位置付けが必ずしも一定にされないこと、この目的に使用する袋には一般に腰があって折り込み過程でゴワツキ(波打ち)が生じ易いこと、物品や袋にはそれぞれ種類があってそれらの組み合わせによって袋内での袋と物品との隙間や袋口にできる余長部長さ、或いは物品高さに応じた袋口の折り込み高さが異なること、等々が複雑に影響して、稀に、袋口の封止部分に微小な皺が発生することがあった。
【0005】
このようなことから、上記先願方法及び先願装置には、半導体関係部品のキャリアケースを扱う場合には特に、たとえ微小と言えども皺は発生させないようにできること、しかもその確実性を高めることが要求されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、袋の袋口を封止するにあたって、半導体関係部品のキャリアケースを扱うような場合にも使用できる程の密封状態が、確実に得られるようにした袋口封止方法及び袋口封止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
即ち、本発明に係る袋口封止方法では、対向二側面に内折れ可能なガゼット部が形成可能となった袋の袋口を封止するに際し、まず、各ガゼット部における両端部位を保持し、その保持部位間に設けられた折曲中心を相手側のガゼット部へ向けて(袋口の内方へ)折り込んでゆく。
そして、この折り込みの途中で、各ガゼット部における折曲中心を挟んだ両側の折り重ね部分を一次接着する。
【0007】
そして、そのうえでこの一次接着を行った後に、袋口の折り込みを完了させる。そして更に、袋口全体にわたる封止用接着を行うものである。
このように、袋口の接着を一次接着とその後の封止用接着との二回に分けて行えば、一次接着を行う段階を境として、その前後で皺の成長過程を分断できることになり、その結果、一次接着の前でも、また一次接着の後でも、半導体関係部品のキャリアケースを扱うような場合に問題となる程の皺の発生を未然に防止できることになる。
【0008】
一方、本発明に係る袋口封止装置では、対向二側面に内折れ可能なガゼット部が形成可能となった袋を載置するセット台と、このセット台上に置かれた袋の袋口まわりを保持してこの袋口を開閉動作及び開口保持させる開口手段と、両側のガゼット部における折曲中心を外側から相手側のガゼット部へ向けて押し込んで各ガゼット部を折り込む折曲手段と、折り込み途中のガゼット部における折曲中心を挟んだ両側の折り重ね部分及び折り込み完了後における袋口全体を各別に分けて接着可能にする接着手段とを有している。
【0009】
このような構成にすることで、上記した本発明に係る袋口封止方法を実施することができる。
すなわち、セット台上へ袋を載置した後、開口手段が袋の袋口を開口させ、この開口状態を保持させる。そして、袋へ物品を装入した後にあって、折曲手段が、袋口の両外側からガゼット部の折曲中心を対向押圧して折り込みを開始させる。
折曲手段は折り込みの途中で動作を停止し、ここで接着手段が第一段階として、袋口のガゼット部に対し、その折曲中心を挟んだ両側の折り重ね部分を接着(一次接着)する。
【0010】
そして、この接着が済んだ後、折曲手段は折り込みを再開して袋口の折り込みを完了させる。ここで接着手段が第二段階として、袋口全体を接着すると言うものである。
セット台に対し、開口手段及び接着手段の動作に関連付けてセット台を昇降可能にする昇降手段を設けておくことで、袋にゴワツキ等が発生するのを防止でき、袋口に対する皺の発生・成長を可及的に抑えることができる。また、装置としての稼働効率の高速化がはかれるものとなる。
【0011】
接着手段に対し、袋口に当接させる接着ヘッドの当接圧を適正に設定するための圧力センサを設けておけば、袋口の接着を密封状態にすることの確実化が図れ、また皺の発生や硬質化を防止し、外観上も綺麗にできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、本発明に係る袋口封止装置1の一実施形態についてその全体図を示している。
なお、図13に示すように、この袋口封止装置1において袋口封じの対象とする袋Bは、一組の対向二側面に、その袋口Kまで及んで内折れ可能なガゼット部Gが形成されたものであって、袋内へ入れる物品Cとしては、例えば半導体関係部品(ウエハ等)を収納したキャリアケースであるとする。
【0013】
この袋口封止装置1は、門型フレーム2を骨格として、これにセット台5と、開口手段6と、折曲手段7と、接着手段8とが組み付けられた構成となっている。上記した門型フレーム2において、左右両側の柱部分10は流体圧シリンダ等による昇降駆動体で形成されており、根元側で固定状態とされる下枠部11に対してその上部で上枠部12が昇降可能になっている。
セット台5は、未だ折り畳み状態にある袋Bを平置き状に載置するためのものである。
【0014】
このセット台5は、門型フレーム2の下枠部11に対して適宜ガイド機構(図示略)を介して、水平状態のまま昇降自在となるように保持されている。また、このセット台5には、門型フレーム2の上枠部12が昇降するときに、これと所定の動作関係を保持して昇降可能にさせるための昇降手段13が付設されている。この昇降手段13の詳細については後述する。
開口手段6は、セット台5の上に置かれた袋Bの袋口Kまわりを保持して、この袋口Kを開閉動作及び開口保持させるところである。
【0015】
この開口手段6は、図3に示すように、上下一対の吸着体15,16と、少なくとも上側の吸着体15の両側へ左右一対のクランプ体18,19を振り分けるようにして設けられたテンション付与機構20とを有している。
上部の吸着体15は、門型フレーム2の上枠部12に対してぶら下げ状に設けられており、この上枠部12の上下動に伴って一緒に上下動する。これに対して下部の吸着体16は、門型フレーム2の下枠部11に設けられており、この下枠部11と共に固定(不動)状態にある。
【0016】
これら吸着体15,16は、図4に示すように(この図4は下部の吸着体16であるが上部の吸着体15も上下反転したかたちで略同じである)、例えば複数の吸盤21を左右方向に並べ、各吸盤21をバキューム装置(図示略)と接続配管することによって形成されている。なお、吸盤21を左右方向に長いスリットにする構造と置換することも可能である。
従って、門型フレーム2の上枠部12を下降させて上下の吸着体15、16を最接近させ、吸着開始させると、上部の吸着体15はセット台5の上に置かれた袋Bに対して袋口Kの上半周(ガゼット部Gの上側)に当接してこれを吸引する状態となり、また下部の吸着体16は袋Bにおける袋口Kの下半周(ガゼット部Gの下側)に当接してこれを吸引する状態なる。
【0017】
そこで、この状態で門型フレーム2の上枠部12を上昇させることで、袋Bの袋口Kを開口させることができるというものである。
図3に示すように、テンション付与機構20におけるクランプ体17,18は、左右方向で反転したかたちで略同じ構造になったもので、これら両者間で対向させて設けたフック爪23を、流体圧シリンダ等の上下動具24によって同期的に上下動可能にすると共に、各フック爪23に対して待ち爪25をすれ違い状に併設させたものである。
【0018】
そして、テンション付与機構20は、これらクランプ体17,18を流体圧シリンダ等の左右動具26により、左右方向で相互近接・離反可能としたものである。
すなわち、このテンション付与機構20は、上部の吸着体15が袋Bにおける袋口Kの上半周を吸い上げたときに、この吸い上げ部分の左右両端部をクランプ体17,18(フック爪23と待ち爪25とのかみ合い)でクランプして、そのうえで両クランプ体17,18を相互離反させ、もって袋口Kの上半周を左右方向でピンと張って皺のない状態とさせるようにしている。
【0019】
このテンション付与機構20は、下部の吸着体16における左右両側へも設けることができ、また実際には設けるのが好適とされている(図示略)。
折曲手段7は、袋Bの両ガゼット部Gにおける折曲中心Pを、それらの両外側からそれぞれ相手側のガゼット部Gへ向けて(袋口Kの内方へ)押し込むようにして、各ガゼット部Gを内折り状態に折り込むところである。
この折曲手段7は、図5に示すように、左右一対の押込み片28,29と、これら押込み片28,29をガイドレール30に沿って相互近接・離反可能にする移動駆動部31とを有している。
【0020】
押込み片28,29は、長手方向を左右方向へ向けた角棒状をしており、且つ互いに対向する内向きの端部28a,29aは、正面から見て半円状となるアール面に形成されている。
これら押込み片28,29は金属材により形成されており、導電性を有したものとされている。これは、後述する接着手段8においてインパルス電流を用いた加熱溶着を行っていることに関連している。
なお、移動駆動部31には、図示は省略するが、タイミングベルトやチェーン等を用いた巻き掛け駆動機構、又は流体圧シリンダやネジ送り機構等を用いた直線駆動機構等が採用されている。
【0021】
接着手段8は、袋Bの両ガゼット部Gを折り込む途中のときと、折り込みを完了したときとの2回に分けて、袋Bの袋口Kをそれぞれ必要量ずつ接着可能にするところである。
本実施形態において、この接着は、上記したようにインパルス電流を瞬間的に印加して行う加熱溶着を行うものとした。従って、図4に示したように、電極32を埋め込んだ上下一対の接着ヘッド33(上部のものは図示略)を有しており、これらが開口手段6における上下の吸着体15,16とそれぞれ一体的に結合されるようになっている。
【0022】
これら上下の接着ヘッド33(電極32)は、袋Bの袋口Kを閉じた時の左右方向寸法と同等か、又はそれより長く形成されている。また、これら上下の接着ヘッド33(電極32)は、上記した折曲手段7の押込み片28,29が左右移動するラインに一致した位置付けで設けられている。
すなわち、この折曲手段7の押込み片28,29が相互近接方向に移動した状態で上部の接着ヘッド33が下降したとき、上下の接着ヘッド33間で押込み片28,29が挟み込まれ、上下の電極32間が間接的な導通状態となる。
【0023】
このような導通状態で行う1回目の接着が一次接着であり、この一次接着の内容は、折り込み途中の袋Bのガゼット部Gにおいて、折曲中心Pを挟んだ上下両側の折り重ね部分を接着することになる。
また、折曲手段7の押込み片28,29が相互離反方向に移動した状態で上部の接着ヘッド33が下降し、上下の接着ヘッド33が互いに最接近したときには、上下の電極32は直接的な導通状態となる。
このような導通状態で行う2回目の接着が封止用接着であり、この封止用接着の内容は、折り込みを完了した袋Bの袋口Kにおける左右方向全体を接着することになる。
【0024】
この接着手段8には、上部又は下部の電極32における近傍適所に、少なくとも1個、好ましくは左右方向に複数個の圧力センサ34が設けられている。
これら圧力センサ34は、上下の接着ヘッド33が2回目の接着時において最接近したときに(間に袋Bを挟んだ間接的な当接状態で)、相手側接着ヘッド33の適所又は別付けした適宜対応部材(図示略)と、袋Bを介して当接可能になっている。
そのため、この圧力センサ34から出力される信号を監視することにより、袋Bの袋口Kに対して接着ヘッド33が当接したときの当接圧を把握できることになる。従って、この信号値に対する適正値を予め設定しておき、これを上記信号値と常に比較し、その結果として適正値に合った圧力調整を行うようにしておけば、接着後における袋口Kの仕上がり状態として、圧力不足による皺の発生や、圧力過剰による硬化脆性の発生等を防止できるものである。
【0025】
セット台5に付設された昇降手段13(図1及び図2参照)は、図6に示す連動ギヤ部38と、図7に示す中途ストッパ機構39とを有し、更に図2に示す前後進連動機構40をも有している。
連動ギヤ部38(図2及び図6参照)は、セット台5を中間に挟んだ左右両側(図1参照)に設けられており、それぞれ、門型フレーム2の下枠部11を左右方向に貫通する回転自在軸43に対してその両端部に取り付けられた大小一対のギヤ44,45と、このうち大径のギヤ44に噛合する状態で門型フレーム2の上枠部12から垂下された入力ラック46と、小径のギヤ45に噛合する状態で上下動自在に保持された(その保持構造の図示は省略した)出力ラック47と、セット台5の適所に固定されて出力ラック47の上端部に当接支持可能になった係止片48とを有している。
【0026】
大径のギヤ44と小径のギヤ45とは2対1のギヤ比になっており、入力ラック46及び出力ラック48は同一歯ピッチになっている。
従って、門型フレーム2において上枠部12が下降するとき、これと一緒に入力ラック46も下降し、これに伴って大径のギヤ44が回転する。そして、この大径のギヤ44の回転は、回転自在軸43を介して小径のギヤ45を一体回転させることになるので、この小径のギヤ45を介して出力ラック47が下降されることになる。
【0027】
そして、この出力ラック47の下降に伴ってセット台5が下降するが、このセット台5の下降量は、大径のギヤ44と小径のギヤ45とのギヤ比に支配されることになり、従って、門型フレーム2の上枠部12の下降量に対して半分になるという状況が得られる。
また当然に、門型フレーム2において上枠部12が上昇するときも、この上昇量に対して、セット台5の上昇量が半分になるという状況が得られるものである。
【0028】
すなわち、いま、セット台5の上に袋Bが載せられ、開口手段6が上部の吸着体15を下部の吸着体15まで下降させた状態である(セット台5の上面と下部吸着体15の上面とは同レベルとする)と仮定して説明すると、その後、上部の吸着体15が、袋Bの袋口Kを全開させるのに必要な分(即ち、袋Bへ入れられる物品Cの高さ相当)だけ上昇すると、セット台5はその半分だけ上昇することになる。
その結果、袋Bにおいて開かれる袋口Kの内法高さに対して、常に、その中間高さ位置に物品Cの高さ方向中心位置を設定できる(常に高さ方向のセンター振り分けにできる)ことになる。
【0029】
このような状況は、接着手段8において上部の接着ヘッド33を下部の接着ヘッド33から上昇させるときはもとより、袋Bの袋口Kが全開状態にされた後、次に開口手段6が上部の吸着体15を下部の吸着体15まで下降させるときや、接着手段8が上部の接着ヘッド33を下部の接着ヘッド33まで下降させるときにも、作用方向としては逆向きであるが同様に得られる作用である。
従って、これらの場合では、袋Bの袋口Kを閉じて接着する高さ位置を、常に、袋に入れた物品Cの高さ方向中心位置に設定できるという効果が得られる。
【0030】
中途ストッパ機構39(図7参照)は、セット台5と門型フレーム2の下枠部11との適所間で設けられたものであって、セット台5側には当て止め片50が設けられ、下枠部11側にはストッパ片51が設けられている。また、このストッパ片51は、流体圧シリンダ等の出入駆動具53によって、当て止め片50に当接する位置と当接しない位置との間を移動可能になっている。
従って、セット台5の上に袋Bが載せられ、開口手段6が上部の吸着体15を下部の吸着体15まで下降させてゆくとき(上部の吸着体15で未だ折り畳み状態にある袋Bの上面を迎えにゆくとき)に、出入駆動具53がストッパ片51を横突出させ、このストッパ片51で当て止め片50を当て止めするようになっている。
【0031】
セット台5は、上記したように連動ギヤ部38の出力ラック47に対して係止片48の上端部に当接支持されている(載っている)だけであるので、上記のようにストッパ片51で当て止め片50を当て止めすれば、この連動ギヤ部38が下降駆動を続行しているのとは関係なく、セット台5の下降だけを停止させることができる。
すなわち、上記の場合、停止したセット台5に対して上部の吸着体15が一方的に接近することになるので、それだけ上部の吸着体15の下降量を少なく抑えることができ、動作の迅速化、ひいては装置全体としての稼働効率の高速化が図れることになる。
【0032】
前後進連動機構40(図2参照)は、門型フレーム2の側部で取り出した上枠部12の上下移動力をセット台5の下部へと伝えて、ここでセット台5に対する前後駆動力に変換させるようになったものである。
この前後進連動機構40は、門型フレーム2の下枠部11に起立状態で固定されたラック56と、このラック56に噛合する状態で門型フレーム2の上枠部12に対して枢軸57まわりで揺動自在に保持されたセクタギヤ58と、枢軸57からセクタギヤ58の径方向反対側へ延びてこのセクタギヤ58と一体揺動可能に設けられた推進レバー59と、セット台5の下面から垂下されて、推進レバー59の突端部と首振り自在カップリング60を介す等して(必ずしも介しなくてよい)上下動自在に連結された推進ポスト61とを有している。
【0033】
この図2から明らかなように、門型フレーム2の上枠部12が上方位置にあるとき、セクタギヤ58はラック56の上端寄りに噛合し、このとき推進レバー59は略水平になってその突端部が推進ポスト61の上端寄りに位置付けられるようになっている。
従って、門型フレーム2において、上枠部12が下降するとき、セクタギヤ58がラック56とのかみ合いに基づいて上向きに揺動し、推進レバー59がその突端部(首振り自在カップリング60)を円弧軌跡に沿って下向きに揺動させることになる。そのため、この推進レバー59の突端部による円弧軌跡からは、推進ポスト61に対して前進方向の推力が生ずることになる。
【0034】
このようにして、門型フレーム2の上枠部12が下降するとき、セット台5は上記連動ギヤ部38の作用で半分量の下降をすると共に、この前後進連動機構40の作用も同時に受けて前進することになる。
この作用は、開口手段6が上下の吸着体15,16で袋Bの袋口Kを吸着し、開口させている状態から、更に上部の吸着体15が下降するとき(このときセット台5が下降するので下部の吸着体16は相対動作として上昇する状況となる)、セット台5に載った袋Bの本体部分(物品Cの装入された領域)を袋口Kへ近づけることになるので、閉口しようとする袋口Kまわりにゆとりを与えることになり、結果、袋口Kに対して皺を生じさせることがないという利点に繋がるものである。
【0035】
次に、上記した袋口封止装置1の動作に基づいて、本発明に係る袋口封止方法を説明する。
まず、図8に示すように、折り畳み状態にある袋Bを、その袋口Kが開口手段6等へ向く状態にしてセット台5上へ載せる。この作業は、他の自動機(図示略)又は人手により行えばよい。
そのうえで、適宜スタート操作を行う。
すると、門型フレーム2の上枠部12が下降を開始し、開口手段6における上部の吸着体15及び接着手段8の上部の接着ヘッド33(図4参照)が下降する。また、このときセット台5も連動ギヤ部38を介して下降するが、このときセット台5は、中途ストッパ機構39(図7参照)の作動によって所定レベルで停止し、不動に保持される。
【0036】
上部の吸着体15が袋Bにおける袋口Kの上面に当接すると、門型フレーム2の上枠部12は下降を停止し、開口手段6において上下の吸着体15,16は吸引を開始する。従って、袋口Kの上半周及び下半周が上下の吸着体15,16に各別に吸着した状態とされる。
なお、このとき接着手段8の上下の接着ヘッド33も袋口Kの上下両面に当接しているが、この段階で接着手段8は何ら動作していない。
次に、図9に示すように、門型フレーム2の上枠部12が上昇を開始し、開口手段6における上部の吸着体15が上昇するのに合わせて、これと同時又は前後して、テンション付与機構20の左右のクランプ体17,18が袋口Kにおける上半周の両端部をクランプする。
【0037】
そして、この両クランプ体17,18間で袋口Kの上半周に左右方向でピンと張ったテンションをかけ、皺のない状態とさせる。
下部の吸着体16の左右両側に対してもテンション付与機構20を設けている場合(図示略)には、この下部側のテンション付与機構20も作動させ、袋口Kの下半周の両端部をもクランプさせ、且つピンと張った状態にテンションをかける。
このようになった後、門型フレーム2の上枠部12は更に上昇を続行させ、袋Bの袋口Kを全開にする。この全開になった時点で門型フレーム2の上枠部12は上昇を停止する。
【0038】
この段階で、他の自動機(図示略)により、又は人手により、袋B内へ物品Cを装入する(図10も併せて参照)。
すると、図11に示すように、折曲手段7が左右の押込み片28,29を相互接近させ、それらの内向きの端部28a,29aで袋Bにおける両側のガゼット部Gの折曲中心Pを押し、相手側のガゼット部Gへ向けて(袋口Kの内方へ)折り込んでゆく。
また、このとき並行して、門型フレーム2の上枠部12は下降してゆく。このとき上記中途ストッパ機構39は待機位置へ戻っており、従って、セット台5も、連動ギヤ部38を介して上枠部12の半分量だけ下降してゆく。
【0039】
このようにして続けられる折り込みの途中で、図12に示すように、押込み片28,29の上下両面に対して各ガゼット部Gが平行な接触状態になると、折曲手段7は左右の押込み片28,29を相互接近させるのを停止させる。
また同時に、門型フレーム2の上枠部12もその下降を一旦停止する。
そこで接着手段8は、上下の接着ヘッド33(図4参照)間、即ち、押込み片28,29を中間に挟んだ上下の電極32間でインパルス電流を瞬間的に流し、ガゼット部Gにおける折曲中心Pを挟んだ上下両側の折り重ね部分を一次接着する。
【0040】
このように一次接着を行うことで、袋Bの袋口Kは一定の閉止状態に固定されることになり、以後、この袋口Kを折り込んでゆくに際して皺が生じる可能性は極端に小さくなる。
この一次接着が終わると、折曲手段7は左右の押込み片28,29を相互離反させ、待機位置(袋Bにおけるガゼット部Gの左右外方)へと戻す。そして、門型フレーム2の上枠部12が再び下降を開始し、セット台5も、連動ギヤ部38を介して上枠部12の半分量だけ下降する。
【0041】
そして、袋Bの袋口Kが完全な閉止状態になって、ガゼット部Gの折り込みが完了したとき、門型フレーム2の上枠部12は下降を停止する。
そこで接着手段8は、上下の接着ヘッド33(図4参照)間、即ち、今度は上下の電極32間で直接的にインパルス電流を瞬間的に流し、袋口Kの全体にわたる封止用接着を行うものである。
この後は、接着手段8及び開口手段6がそれらの稼働を停止し、門型フレーム2の上枠部12はその待機高さ位置へ向けて上昇し、停止する。
【0042】
この段階でセット台5から物品Cが内封された袋Bを自動又は人手により取り除いて、1サイクル稼働を終了する。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、細部にわたる構成、採用機構、各種部材形状等、適宜変更可能である。
例えば、袋Bにおいて、ガゼット部Gは当初から設けられたものであるか、又は折曲手段7による折り込み時に同時に形成させるものとするかは、特に限定されるものではない。
【0043】
また、袋Bの材質のついても何ら限定されるものではなく、この材質に応じて接着手段8で採用する接着方法も適宜変更可能である。
物品Cや、この物品Cを袋詰めする理由についても、何ら限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る袋口封止方法及び袋口封止装置では、袋の袋口を皺のない密封状態として封止することが可能であり、従って例えば、半導体関係部品を収納したキャリアケースを扱うような場合にも、安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る袋口封止装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に対応する拡大側面図である。
【図3】開口手段・折曲手段・接着手段を拡大して示す正面図である。
【図4】開口手段の下部吸着体及び接着手段の下部接着ヘッドにおける一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】折曲手段を示す斜視図である。
【図6】セット台に付設された昇降手段の主要部を示す斜視図である。
【図7】昇降手段に設けられた中途ストッパ機構を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る袋口封止方法の実施手順においてその開始段階を示した正面図である。
【図9】図8に続く実施手順を示す正面図である。
【図10】図9に対応する側面図である。
【図11】図9に続く実施手順を示す正面図である。
【図12】図11に続く実施手順を示す正面図である。
【図13】袋及び袋詰めする物品の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 袋口封止装置
5 セット台
6 開口手段
7 折曲手段
8 接着手段
13 昇降手段
33 接着ヘッド
34 圧力センサ
G ガゼット部
B 袋
K 袋口
P 折曲中心

Claims (4)

  1. 対向二側面に内折れ可能なガゼット部(G)が形成可能となった袋(B)の袋口(K)を封止する袋口封止方法において、
    各ガゼット部(G)における両端部位を保持しつつその保持部位間に設けられた折曲中心(P)を相手側のガゼット部(G)へ向けて折り込んでゆき、この折り込み途中で折曲中心(P)を挟んだ両側の折り重ね部分を一次接着し、その後、折り込みを完了させてから、袋口(K)全体にわたる封止用接着を行うことを特徴とする袋口封止方法。
  2. 対向二側面に内折れ可能なガゼット部(G)が形成可能となった袋(B)の袋口(K)を封止する袋口封止装置において、
    袋(B)を載置するセット台(5)と、該セット台(5)上に置かれた袋(B)の袋口(K)まわりを保持して当該袋口(K)を開閉動作及び開口保持させる開口手段(6)と、両側のガゼット部(G)における折曲中心(P)を外側から相手側のガゼット部(G)へ向けて押し込んで各ガゼット部(G)を折り込む折曲手段(7)と、折り込み途中のガゼット部(G)における折曲中心(P)を挟んだ両側の折り重ね部分及び折り込み完了後における袋口(K)全体を各別に分けて接着可能にする接着手段(8)とを有していることを特徴とする袋口封止装置。
  3. 前記セット台(5)には、開口手段(6)及び接着手段(8)の動作に関連付けてセット台(5)を昇降させる昇降手段(13)が設けられていることを特徴とする請求項2記載の袋口封止装置。
  4. 前記接着手段(8)には、袋口(K)に当接させる接着ヘッド(33)の当接圧を適正に設定するのに用いる圧力センサ(34)が設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の袋口封止装置。
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